0003仏説ぶっせつ0245りょう寿じゅきょう かんじょう

*そう*てんじくの*三蔵さんぞう*康僧こうそうがいのやく

序分
  証信序
    聞信成就【六事成就】

【1】 ^われたてまつりかくのごとく

0015キタテマツリキ↠是クノ

一 ⅰ 時主処成就

^ひとときぶつ*王舎おうしゃじょう*しゃ崛山くっせんのうちにじゅうしたまひき

一時、仏住シタマヒ↢王舎城耆闍崛山

一 ⅰ 衆成就
      声聞衆
        略して数を標し徳を嘆ず

^*だい比丘びくしゅうまんせんにんともなりき^一切いっさいだいしょうにして、 神通じんずうすでにたっせり

与↢大比丘衆万二千人↡倶ナリキ。一切大聖ニシテ神通已セリ

一 Ⅰ ⅲ a 別して上首の名を列ぬ

^そのをば、 尊者そんじゃ*りょう本際ほんざい尊者そんじゃ*しょうがん尊者そんじゃ*しょう尊者そんじゃ*大号だいごう尊者そんじゃ*仁賢にんげん尊者そんじゃ*離垢りく尊者そんじゃ*みょうもん尊者そんじゃ*善実ぜんじつ尊者そんじゃ*そく尊者そんじゃ*おう尊者そんじゃ*優楼うるびんしょう尊者そんじゃ*伽耶がやしょう尊者そんじゃ*だいしょう尊者そんじゃ*摩訶まかしょう尊者そんじゃ*しゃほつ尊者そんじゃ*大目だいもくけんれん尊者そんじゃ*劫賓こうひん尊者そんじゃ*だいじゅう尊者そんじゃ*だいじょう尊者そんじゃ*摩訶まかしゅ尊者そんじゃ*満願まんがん尊者そんじゃ*しょう尊者そんじゃ*かん尊者そんじゃ*堅伏けんぶく尊者そんじゃ*面王めんのう尊者そんじゃ*じょう尊者そんじゃ*にんしょう尊者そんじゃ*らく尊者そんじゃ*善来ぜんらい尊者そんじゃ*うん尊者そんじゃ*なんといひき。 みなこれらのごとき*じょうしゅたるものなり。

↢尊者了本際・尊者正願・尊者正語・尊者大号・尊者仁賢・尊者離垢・尊者名聞・尊者善実・尊者具足・尊者牛王・尊者優楼頻蠃迦葉・尊者伽耶迦葉・尊者那提迦葉・尊者摩訶迦葉・尊者舎利弗・尊者大目犍連・尊者劫賓那・尊者大住・尊者大浄志・尊者摩訶周那・尊者満願子・尊者離障・尊者流潅・尊者堅伏・尊者面王・尊者異乗・尊者仁性・尊者嘉楽・尊者善来・尊者羅云・尊者阿難↡。皆如クノ上首者也。

一 Ⅰ ⅲ 菩薩衆
        標列
          (一)

 ^まただいじょうのもろもろのさつともなりき。

又与↢大乗菩薩↡倶ナリキ

一 Ⅰ ⅲ b イ (二)列名
            (Ⅰ)出家菩薩

^*げんさつ*みょうとくさつ慈氏じしさつ (*弥勒) とうの、 この*賢劫げんごうのなかの一切いっさいさつ

普賢菩薩・妙徳菩薩・慈氏菩薩等賢劫一切菩薩、

一 Ⅰ ⅲ b イ (二)(Ⅱ)居家菩薩

^またげんとうじゅうろく*しょうぜん思議しぎさつ0246しんさつくうさつ神通じんずうさつ光英こうようさつじょうさつどうさつじゃくこん0004さつがんさつ香象こうぞうさつ宝英ほうようさつ中住ちゅうじゅうさつせいぎょうさつだつさつなり。

又賢護等十六正士、善思議菩薩・信慧菩薩・空無菩薩・神0016通華菩薩・光英菩薩・慧上菩薩・智幢菩薩・寂根菩薩・願慧菩薩・香象菩薩・宝英菩薩・中住菩薩・制行菩薩・解脱菩薩ナリ

一 Ⅰ ⅲ b 嘆徳
          (一)略嘆

【2】 ^みな*げんだいとくしたがへり。 もろもろのさつりょう*ぎょうがんし、 一切いっさいどくほうあんじゅうす。 十方じっぽう遊歩ゆぶして権方便ごんほうべんぎょうじ、

ヒテ↢普賢大士之徳↢諸菩薩無量行願↡、安↢住一切功徳之法↡。遊↢歩シテ十方↡行↢権方便↡、

一 Ⅰ ⅲ b ロ (二)広嘆
            (Ⅰ)八相応化の徳を明す【八相化儀】
              (ⅰ)通標

^*仏法蔵ぶっぽうぞうりてがんきょうし、 りょうかいにおいて *等覚とうがくじょうずることをげんじたまふ

リテ↢仏法蔵↡究↢竟彼岸↡、於↢無量世界↡現↠成ズルコトヲ↢等覚↡。

一 Ⅰ ⅲ b ロ (二)(Ⅰ)(ⅱ)正しく八相を叙す
                (a)正しく叙列す
                  (イ)処天相

^そつてんしょしてしょうぼうせんし、

シテ↢兜率天↡弘↢宣正法↡、

一 Ⅰ ⅲ b ロ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(a)(ロ)下生相

^かのてんてて*じんタマシヒ たいハヽノハラニくだす。

テテ↢彼天宮↡降↢神母胎↡。

一 Ⅰ ⅲ b ロ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(a)(ハ)出生相

^きょうよりしょうじて しちことをげんこうみょう顕耀けんようにして、 あまねく十方じっぽうらし、 りょうぶつ*六種ろくしゅ震動しんどうこえげてみづからとな、 「われまさににおいてじょうそんとなるべし」 と *しゃくぼん奉侍ぶじし、 てんにんごうす。

↢右脇↡生ジテジテ↠行クコトヲ↢七歩光明顕曜ニシテ↢十方↡、無量仏土六種震動。挙ゲテ↠声、吾当シト↣於↢無上尊↡。釈・梵奉侍、天・人帰仰

一 Ⅰ ⅲ b ロ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(a)(ニ)在家相

^さん文芸もんげいしゃげんひろどうじゅつならひ、 ぐんじゃく貫練かんれんしたまふおんあそびてこうげいこころみる。 ちゅう*しきのあひだにしょすることをげん

示↢現シテ算計・文芸・射御↡博道術↡、貫↢練タマフ群籍ビテ↢於後園↡講↠武↠芸↠処スルコトヲ↢宮中色味之間

一 Ⅰ ⅲ b ロ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(a)(ホ)出家相

^ろうびょう*じょうさとる。 ^くにざいくらいててやまりてどうがくす。 ぶくじょうびゃく宝冠ほうかん瓔珞ようらく、 これをつかはしてかえさしむ。 ちんみょうころもてて法服ほうぶくちゃくし、 鬚髪しゅほつたいじょ じゅたんし、 ごんすること六年ろくねんぎょう所応しょおうのごとくまします

↢老・病・死↡悟↢世非常テテ↢国↡入リテ山学↠道。服乗白馬宝冠・瓔珞、遣シテ↠之↠還。捨テテ↢珍妙↡而著↢法服↡、剃↢除鬚髪↡、端↢坐樹下↡、勤苦スルコト六年、行如↢所応↡。

一 Ⅰ ⅲ b ロ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(a)(ヘ)成道相

^じょく*せつげんじてぐんじょうずいじゅんす。 じんありとしめして*こん沐浴もくよくす。 てんえだおさへていけよりづることをしむ。 *りょうきん*よくじゅうしてどうじょう往詣おうげい0247 *きっしょう*かんちょうして*こう表章ひょうしょう0005あわれんでそうけて仏樹ぶつじゅもとき、 *跏趺かふしてす。 だいこうみょうふるつて、 をしてこれをらしむ。 *官属かんぞくひきゐて、 きたりてこころみる。 せいするにりきをもつてして、 みな降伏ごうぶくせしむ。 みょうほうさいしょうがくる。

ジテ↢五濁↡随↢順群生シテ↠有リト↢塵垢↡沐↢浴金流↡。天ジテ↢樹↡、得シム↢出ズルコトヲヨリ↡。霊禽翼従シテ往↢詣道場↡。吉祥感徴シテ表↢章功祚↡。哀ミテケテ↢施草↡敷↢仏樹↡、跏趺シテ而坐↢大光明↡、使↢魔ヲシテ↟之。魔率ヰテ↢官属↡而来リテミルスルニテシテ↢智力↡、皆令↢降伏↡。得↢微妙↡成↢最正覚↡。

一 Ⅰ ⅲ b ロ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(a)(ト)転法輪相

^しゃくぼんかんして*てん法輪ぼうりんしょうず。 ˆじょうどうせられしさつはˇ ぶつ遊歩ゆぶをもつてし、 ぶつをもつてす。 ほうたたき、 ほうき、 法剣ほうけんり、 法幢ほうどうて、 法雷ほうらいふる法電ほうでんかがやかしほうそそほうぶ。 つねに法音ほうおんをもつて、 もろもろのけんかくせしむ。

釈・梵祈勧シテルニ↢転法輪テシ↢仏遊歩↡、仏ヲモテ而吼。扣↢法鼓↡、吹↢法↡、執↢法剣↡、建↢法幢0017↡、震↢法雷↡、曜カシ↢法電↡、↢法雨↡、演↢法施↢法音↡覚セシム↢諸世間↡。

^こうみょう、 あまねくりょうぶつらし、 一切いっさいかい六種ろくしゅ震動しんどうす。 そうじてかいせっし、 殿でんどうず。 しゅしょうしてぶくせざるはなし。 邪網じゃもう掴裂かくれつし、 *諸見しょけんしょうめつし、 もろもろの*塵労じんろうさんじ、 もろもろの欲塹よくぜんやぶる。 *ほうじょうごん法門ほうもん開闡かいせんす。 垢汚くおせんじょくして清白しょうびゃくけんみょうす。 仏法ぶっぽうこうし、 しょうせんす。

光明↢無量仏土↡、一切世界六種震動。総ジテ↢魔界↡、動↢魔宮殿衆魔慴怖シテ↠不ルハ↢帰伏↡。掴↢裂邪網↡、消↢滅諸見↡、散↢諸塵労↡、ヤブ↢諸欲塹↡。厳↢護シテ法城↡開↢闡法門洗↢濯シテ垢汚↡顕↢明清白↡。光↢融仏法↡、宣↢流正化↡。

^くにりて*ぶんして、 もろもろのぜんどくたくわしめ*福田ふくでんしめす。 ほうべんとほっしてごんしょうげんず。 もろもろの法薬ほうやくをもつてさんりょうし、 *どうりょうどく顕現けんげんす。 さつさずけ、 *とうしょうがくらしむ。

リテ↠国分衛獲↢諸豊膳↡、貯シメ↢功徳↡、示↢福田シテ↠宣ベムト↠法↢欣笑↢諸法薬↡救↢療三苦顕↢現道意無量功徳↢菩薩↡、成シム↢等正覚↡。

一 Ⅰ ⅲ b ロ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(a)(チ)涅槃相

^めつげんすれどもじょうさいすることきわまりなし。 *しょしょうじょして、 もろもろの徳本とくほんゑ、 どくそくせしむることみょうにしてはかりがたし0006

示↢現スレドモ滅度↡、拯済スルコト↠極。消↢除諸漏↡、↢衆徳本↡、具↢足ルコト功徳↡微妙ニシテ↠量

^諸仏しょぶつくにあそびてあまね0248*どうきょうげんず。 そのしゅぎょうするところ、 清浄しょうじょうにしてなし。

ビテ↢諸仏↡普↢道教↡。其、清浄ニシテ↠穢。

一 Ⅰ ⅲ b ロ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(b)譬を設けて神徳を示す

^たとへば*げんのもろもろのぞうげんじて、 おとことなし、 おんなとなして、 へんぜざるところなく、 *本学ほんがく明了みょうりょうにして*こころしょにあるがごとし。

ヘバ↧幻師ズルニ↢衆異像↡、為↠男シテ↠女、無↠所↠不↠変、本学明了ニシテルガ↦意所為↥。

^このもろもろのさつ、 またまたかくのごとし。 一切いっさいほうがくして*貫綜かんそうれんす。 *しょじゅう安諦あんたいにしていたさざることなし。 しゅぶつにみなことごとくあまねくげんず。 いまだかつてまんせず。 しゅじょうみんしょうす。

菩薩亦復如↠是クノ。学シテ↢一切↡貫綜縷練所住安諦ニシテ↠不↠化。無数仏土皆悉↢曽慢恣愍↢傷衆生↡。

一 Ⅰ ⅲ b ロ (二)(Ⅰ)(ⅲ)総結

^かくのごときのほう一切いっさいそくせり。

↠是クノ之法、一切具足

一 Ⅰ ⅲ b ロ (二)(Ⅱ)重ねて諸徳を列ね広嘆す

・遊化諸仏国

^さつきょうてんようみょうちょうし、 名称みょうしょうあまねくいたりて十方じっぽうどうす。 りょう諸仏しょぶつ、 ことごとくともにねんしたまふ。 *ぶつしょじゅう は、 みなすでにじゅうすることをたり。 *だいしょうしょりゅう は、 しかもみなすでにりゅうす。 如来にょらいどう、 おのおのよくせんして、 もろもろのさつのために、 しかもだいとなる。 甚深じんじん*ぜんをもつて衆人しゅにん開導かいどうす。 *諸法しょほうしょうさとり、 しゅじょうそうたっせり。 あきらかに諸国しょこくさとりて諸仏しょぶつようしたてまつる。 そのげんすること、 なほ電光でんこうのごとし。

菩薩経典究↢暢要妙↡、名称普リテ導↢御十方↡。無量諸仏、咸護念シタマフ。仏所住者皆已タリ↠住スルコトヲ大聖所立、而皆已。如来導化宣布シテ、為↢諸菩薩↡、而↢大師↢甚深禅・慧↡開↢導↡。通↢諸法↡、達↢衆生サトリテ↢諸国↡供↢養シタテマツル諸仏↡。化↢現スルコト↡猶如↢電光↡。

・菩薩自利

^よく*無畏むいもうがくして、 あきらかに*げんほうりょうす。 もうれつし、 もろもろの*纏縛てんばくく。 しょうもん縁覚えんがくちょうおつして、 *くうそうがん三昧ざんまいたり。 よく方便ほうべんりゅうしてさんじょうけんす。 この*ちゅうにおいて、 しかもめつげんれども、 また0007しょなく、 またしょなし。 不起ふきめつにしてびょうどう0249ほうたり。 りょうそうひゃくせん三昧さんまいそくじょうじゅす。 *諸根しょこん智慧ちえ*こう寂定じゃくじょうにして、 ふかさつ法蔵ほうぞうり、 *ぶつごん三昧ざんまい一切いっさいきょうてんせんちょう演説えんぜつ

シテ↢無畏之網↡、暁サト↢幻化之法0018壊↢裂↡、解↢諸纏縛↡。超↢越シテ声聞・縁覚之地↡、得タリ↢空・無相・無願三昧シテ↢方便↡顕↢示三乗↡。於↢此中下↡而ズレドモ↢滅度↡、亦無↢所作↡、亦無↢所有↡。不起・不滅ニシテタリ↢平等具↢足成↣就無量総持、百千三昧諸根↡。広普寂定ニシテ↢菩薩法蔵↡、得↢仏華厳三昧↡宣↢演↣説一切経典↡。

・菩薩利他

^じんじょうもんじゅうして、 ことごとく現在げんざいりょう諸仏しょぶつたてまつること一念いちねんのあひだにしゅうへんせざることなし。 もろもろの*ぎゃくなんと、 もろもろのげん*げんとをすくひて、 真実しんじつさい分別ふんべつけん。 もろもろの如来にょらい*弁才べんざい、 もろもろの言音ごんのんさとりて一切いっさいかいす。 けんのもろもろの*しょほうちょうして、 こころつねにあきらかに度世どせどうじゅうす。 一切いっさい万物まんもつにおいて、 しかもずいざいなり。 もろもろの*庶類しょるいのために*しょうともとなるぐんじょう荷負かぶしてこれをじゅうオモキたんとす。

シテ↢深定門↡、悉タテマツルコト↢現在無量諸仏↡、一念之↠不↢周徧↡。済ヒテ↢諸劇難不閑トヲ↡、分↢別顕↣示真実之際↡。得↢諸如来弁才之智↡、サトリテ↢衆言音↡開↢化一切↡。超↢過シテ世間所有↡、心常↢度世之道↡。於↢一切万物自在庶類↡作リテ↢不請之友荷↢負シテ群生↡為↢之↡。

^如来にょらい甚深じんじん法蔵ほうぞうじゅし、 *仏種ぶっしゅしょうまもりて、 つねにえざらしむ。 だいおこしてしゅじょうあわれみ、 べんべ、 法眼ほうげんさずく。 三趣さんしゅふさぎ、 善門ぜんもんひらく。 しょうほうをもつてもろもろの*黎庶れいしょほどこすこと、 純孝じゅんきょう父母ぶもあいきょうするがごとし。 もろもろのしゅじょうにおいてそなはすこと、 自己じこのごとし。

受↢持如来甚深法蔵↡、護リテ↢仏種性↡常使↠不↠絶シテ↢大悲↡愍↢衆生↡、演↢慈↡、授↢法眼フサ↢三趣↡、開↢善門↡。以↢不請之法↡施スコト↢諸黎庶↡、↣純孝之子愛↢敬スルガ父母↡。於↢諸衆生↡視コト↢自己↡。

一 Ⅰ ⅲ b ロ (二)(Ⅲ)結嘆

^一切いっさい善本ぜんぽんみながんす。 ことごとく諸仏しょぶつりょうどく智慧ちえ聖明しょうみょうなること不可ふか思議しぎなり。

一切善本ヲモテ皆度↢彼岸シム↢諸仏無量功徳↡。智慧聖明ナルコト不可思議ナリ

一 Ⅰ ⅲ b 総結

^かくのごときらのさつだいしょうすべからいちらいす。

↠是クノ之等菩薩大士、不シテ↠可カラ↢称計↡一時来会

発起序
    如来現相

00083】 ^そのときに、 そん*諸根しょこんえつし、 姿しき清浄しょうじょうにして*光顔こうげん巍々ぎぎとまします。

世尊、諸根悦予、姿色清浄ニシテ光顔巍巍トマシマス

一 Ⅱ 阿難請問
      進問威徳

^尊者そんじゃなん0250ぶつしょうけてすなはちよりちて、 *ひとへにみぎかたかたぬ*じょうがっしょうしてぶつにまうしてまうさく、

尊者阿難承ケテ↢仏聖旨↡即↠座起、偏↢右↡、長跪合掌シテ而白シテ↠仏

一 Ⅱ ⅱ 正問
        清見を述ぶ

^今日こんにちそん諸根しょこんえつし、 姿しき清浄しょうじょうにして光顔こうげん巍々ぎぎとましますこと、 *明浄みょうじょうなるかがみかげひょうとおるがごとし。 *よう顕曜けんようにしてちょうぜつしたまへることりょうなり。 いまだかつて*せんせず、 しゅみょうなることきょうのごとくましますをば。

今日世尊、諸根悦予姿色清0019ニシテ光顔巍巍トマシマスコト、如↣明ナル影暢ルガ↢表裏↡。威容顕曜ニシテ超絶シタマヘルコト無量ナリ。未瞻覩↡、殊妙ナルコトクマシマスヲ↠今

一 Ⅱ ⅱ b 心念を申す
          (一)

^*やや、 しかなり。 だいしょう、 われこころ念言ねんごんすらく、

唯然ナリ。大聖、我心念言スラク

一 Ⅱ ⅱ b ロ (二)正申
            (Ⅰ)其の所在を推す【五徳瑞現

^今日こんにちそん*どくほうじゅうしたまへり。 今日こんにちおう*ぶつしょじゅうじゅうしたまへり。 今日こんにちげん*どうぎょうじゅうしたまへり。 今日こんにちよう*さいしょうどうじゅうしたまへり。 今日こんにち天尊てんそん*如来にょらいとくぎょうじたまへり

今日世尊住シタマヘリ↢奇↡。今日世雄住シタマヘリ所住↡。今日世眼住シタマヘリ↢導↡。今日世英住シタマヘリ↢最↡。今日天尊行ジタマヘリ↢如↡。

一 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)其の所念を推す〔仏仏相念〕

^来現らいげんぶつぶつぶつとあひねんじたまふ。 いまのぶつ諸仏しょぶつねんじたまふことなきことをんや。

去・来・現仏、仏相念ジタマフ。得↠無キコトヲ↣今ジタマフコト↢諸仏↡耶。

一 Ⅱ ⅱ b 結問

^なんがゆゑぞ、 じん光々こうこうたることいまししかる」 と。

威神光光タルコトルヤト

一 Ⅱ 世尊開示
      所問を嘆ず
        先づ問の所由を訂す
          (一)検問

^ここにおいてそんなんげてのたまはく、 「いかんぞなん諸天しょてんのなんぢをおしへてぶつきたはしむるか。 みづからけんをもつてげんへるか」 と。

↠是世尊告ゲテ↢阿難↡曰、云何阿難、諸天ヘテ↠汝リテハシム慧見↡問↢威顔↡乎

一 Ⅱ ⅲ a イ (二)実答

^なんぶつにまうさく、 「諸天しょてんきたりてわれをおしふるものあることなし。 みづから所見しょけんをもつてこのひたてまつる のみ」 と。

阿難白サク↠仏、無↠有ルコト↢諸天リテフル↠我者↡。自↢所見↡問ヒタテマツル↢斯↡耳

一 Ⅱ ⅲ a 正嘆
          (一)総嘆

^ぶつのたまはく、 「いかななんへるところはなはだこころよし。

仏言、善哉阿難、所↠問ヘル

一 Ⅱ ⅲ a ロ (二)別嘆
            (Ⅰ)問者の徳を嘆ず

^ふか智慧ちえしんみょうべん0009ざいおこし、 しゅじょう愍念みんねんせんとしてこの*慧義えぎへり。

↢深慧、真妙弁才↡、愍↢念セムトシテ衆生↡問ヘリ↢斯慧義↡。

一 Ⅱ ⅲ a ロ (二)(Ⅱ)深き聖心に叶ふを嘆ず
              (ⅰ)出世の本意を明す【出世本懐】

^如来にょらい*がいだいをもつて三界さんがい矜哀こうあいしたまふ しゅっこうする0251ゑは、 どうきょう*光闡こうせんして、 群萌ぐんもうすくめぐむに*真実しんじつをもつてせんとおぼしてなり

如来以↢無大悲↡矜↢哀シタマフ三界↡。所↣以出↢興スル於世↡、光↢闡シテ道教スレバナリ↢群萌ムニテセムト↦真実之利↥。

一 Ⅱ ⅲ a ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)譬に約して希有を示す

^りょうおくこうひがたくたてまつりがたきこと、 なほ*霊瑞れいずいの、 ときありて、 ときにいましづるがごとし、

無量億劫ニモ↠値キコトマミ、猶↢霊瑞華、時アリテヅルガ

一 Ⅱ ⅲ a ロ (三)結嘆

^いまへるところは、 *にょうやくするところおおし。 一切いっさい諸天しょてん人民にんみんかいす。

今所↠問ヘル者多↠所↢饒益スル開↢化一切諸天・人民↡。

一 Ⅱ ⅲ 正開示
        其の念言を許し仏の所住を述す

^なん、 まさにるべし、 如来にょらいしょうがくは、 そのはかりがたくして、 ˆしゅじょうをˇ どうするところおおし。 *けん無礙むげにして、 よく*あつぜつすることなし。

阿難、当↠知、如来正覚、其智難クシテ↠量、多↠所↢導御スル↡。慧見無礙ニシテ↢能遏絶スルコト↡。

一 Ⅱ ⅲ b 其の所見に応じて仏身の勝れたるを述す
          (一)正に勝相を明す

^*一餐いちざんちからをもつて、 よく寿じゅみょうとどめたまふこと、 おくひゃく千劫せんごうしゅりょうにして、 またこれよりもぎたまへり。 諸根しょこんえつしてもつてそんせず。 姿しきへんぜず、 光顔こうげんことなることなし。

↢一餐之力↡、能メタマフコト↢寿命↡、億百千劫無数無量ニシテ復過ギタマヘ↢於此↡。諸根悦予シテ不↢以毀損↡。姿色不↠変、光顔無↠異ルコト

一 Ⅱ ⅲ b ロ (二)其の所以を明す

^ゆゑはいかん。 如来にょらいは、 じょうちょうしたまへることきわまりなし。 一切いっさいほうにおいてざいたまへり。

所以者何。如来究暢シタマヘルコト↠極↢一切↡而得タマヘリ↢自在↡。

一 Ⅱ ⅲ b 正説を許開す

^なん、 あきらかにけ、 いまなんぢがためにかん」

阿難、諦、今為↠汝カムト

一 Ⅱ 正衆会楽聞

^こたへてまうさく、 「やや、 しかなり。 *がんぎょうしてきたてまつらんおも」 と。

へテ唯然ナリ。願楽シテ↠聞キタテマツラムト

正宗分
  法蔵因位の願行を明す
    発願の生起を明す【法蔵発願】
      所値の仏を明す
        過去の仏を挙ぐ【五十三仏
          (一)最初の仏を標す

【4】 ^ぶつなんげたまはく、 「*乃往ないおう過去かこおんりょう不可ふか思議しぎ*央数おうしゅこうに、 1*じょうこう如来にょらいこうしゅつしてりょうしゅじょうきょう*だつして、 みなどうしめてすなはちめつりたまひき。

0020ゲタマハク↢阿難↡、乃往過去久遠無量不可思議無央数劫、錠光如来興↢出於世↡、教↢化度↣脱シテ無量衆生↡、皆令メテ↠得↠道リタマヘリ↢滅度↡。

二 Ⅰ ⅰ a イ (二)中間出世仏

^つぎ如来にょらいましましき、 をば2光遠こうおんといふ。 つぎをば3がっこう0010づく。 つぎをば4栴檀せんだんこうづく。 つぎをば5善山ぜんせんのうづく。

↢如来↡、名ケテ↢光遠↡。次↢月光↡。次栴檀香↡。次↢善山王↡。

^つぎをば6しゅ天冠てんがん0252づく。 つぎをば7しゅ等曜とうようづく。 つぎをば8月色がっしきづく。 つぎをば9しょうねんづく。 つぎをば10離垢りくづく。

↢須弥天冠↡。次↢須弥等曜↡。次↢月色↡。次↢正念↡。次↢離垢↡。

^つぎをば11じゃくづく。 つぎをば12りゅうてんづく。 つぎをば13こうづく。 つぎをば14あん明頂みょうちょうづく。 つぎをば15どうづく。

↢無著↡。次↢龍天↡。次↢夜光↡。次↢安明頂↡。次↢不動地↡。

^つぎをば16瑠璃るりみょうづく。 つぎをば17瑠璃るり金色こんじきづく。 つぎをば18金蔵こんぞうづく。 つぎをば19焔光えんこうづく。 つぎをば20焔根えんこんづく。

瑠璃妙華↡。次瑠璃金色↡。次↢金蔵↡。次↢焔光↡。次↢焔根↡。

^つぎをば21どうづく。 つぎをば22月像がつぞうづく。 つぎをば23日音にっとんづく。 つぎをば24だつづく。 つぎをば25しょうごんこうみょうづく。

↢地↡。次↢月像↡。次↢日音↡。次↢解脱華↡。次↢荘厳光明↡。

^つぎをば26海覚かいかく神通じんずうづく。 つぎをば27水光すいこうづく。 つぎをば28大香だいこうづく。 つぎをば29じんづく。 つぎをば30捨厭しゃえんづく。

↢海覚神通↡。次↢水光↡。次↢大香↡。次↢離塵垢↡。次↢捨厭意↡。

^つぎをば31宝焔ほうえんづく。 つぎをば32妙頂みょうちょうづく。 つぎをば33ゆうりゅうづく。 つぎをば34どく持慧じえづく。 つぎをば35蔽日へいにち月光がっこうづく。

↢宝焔↡。次↢妙頂↡。次↢勇立↡。次↢功徳持慧↡。次↢蔽日月光↡。

^つぎをば36日月にちがつ瑠璃るりこうづく。 つぎをば37じょう瑠璃るりこうづく。 つぎをば38さいじょうしゅづく。 つぎをば39だいづく。 つぎをば40がつみょうづく。

↢日月瑠璃光↡。次↢無上瑠璃光↡。次↢最上首↡。次↢菩提華↡。次↢月明↡。

^つぎをば41日光にっこうづく。 つぎをば42色王しきおうづく。 つぎをば43水月すいがっこうづく。 つぎをば44じょみょうづく。 つぎをば45がいぎょうづく。

↢日光↡。次↢華色王↡。次↢水月光↡。次↢除痴↡。次↢度蓋行↡。

^つぎをば46じょうしんづく。 つぎをば47ぜん宿しゅくづく。 つぎをば48じんづく。 つぎをば49ほうづく。 つぎをば50鸞音らんのんづく。

↢浄信↡。次↢善宿↡。次↢威神↡。次↢法慧↡。次↢鸞音↡。

^つぎをば51師子ししおん0011づく0253つぎをば52りゅうおんづく。 つぎをば53しょづく。

↢師子音↡。次↢龍音↡。次↢処世↡。

二 Ⅰ ⅰ a イ (三)総結

^かくのごときの諸仏しょぶつ、 みなことごとくすでにぎたまへり。

↠此クノ諸仏、皆悉ギタマヘリ

二 Ⅰ ⅰ a 正しく所値の仏を明す

【5】 ^そのときに、 つぎぶつましましき。 *ざいおう*如来にょらい1おう2とうしょうがく3明行みょうぎょうそく4善逝ぜんぜい5けん6じょう7調じょうじょう8天人てんにん9ぶつ10そんづけたてまつる。

↠仏ケタテマツル↢世自在王如来・応供・等正覚・明行足・善逝・世間解・無上士・調御丈夫・天人師・仏・世尊↡。

二 Ⅰ ⅰ 発願の主を明す

^とき国王こくおうありき。 ぶつ (世自在王仏) 説法せっぽうきて、 こころえついだく。 すなはち*じょうしょうしんどうこころおこす。 くにおうてて、 ぎょうじて沙門しゃもんとなる。 ごうして*法蔵ほうぞうといふ。 高才こうざい勇哲ゆうてつにして、 ちょうす。

↢国王↡。聞キテ↢仏説法↡、心↢悦予↡。スナハ0021↢無上正真道↡。棄↠国テテ↠王ジテ↢沙門シテ↢法蔵↡。高才勇哲ニシテ、与↠世超異

二 Ⅰ ⅰ 讃偈発願【讃仏偈
        説偈敬儀

^ざいおう如来にょらいみもともうでて仏足ぶっそく稽首けいしゅし、 みぎめぐること*三帀さんぞうしてじょうがっしょうして*じゅをもつてめてまうさく、

デテ↢世自在王如来↡稽↢首仏足↡、右ルコト三帀、長跪合掌シテ、以↠頌

二 Ⅰ ⅰ c 正頌文
          (一)仏徳を嘆ず
            (Ⅰ)別して三業の徳を嘆ず
              (ⅰ)身業を嘆ず

^ª光顔こうげん巍々ぎぎとして、 じんきわまりなし

光顔巍巍トシテ威神無↠極

^かくのごときの*えんみょう、 ともにひとしきものなし。

↠是クノ焔明↢与シキ者↡

^にちがつ摩尼まに珠光しゅこう焔耀えんようも、

日月・摩尼焔耀

^みなことごとく隠蔽おんぺいせられて、 なほ*聚墨じゅもくのごとし。

皆悉隠蔽セラレテ↢聚墨

^如来にょらい容顔ようげんは、 えてたぐいなし。

如来容顔エテ↠世ダグヒ

二 Ⅰ ⅰ c ロ (一)(Ⅰ)(ⅱ)口業を嘆ず

^しょうがく大音だいおんひび十方じっぽうながる。

正覚大音↢十方

二 Ⅰ ⅰ c ロ (一)(Ⅰ)(ⅲ)意業を嘆ず

^*かいもんしょうじん三昧さんまい智慧ちえとの

精進三昧智慧

^とくは、 ともがらなくして、 しゅしょうにして希有けうなり。

威徳シテトモガラ殊勝ニシテ希有ナリ

^0012ふかくあきらかに、 よく諸仏しょぶつ法海ほうかいねんじて、

諸仏法海

^ふかきわおくつくして、 その0254涯底がいたいきわむ。

↠深シテ↠奥↢其涯底

^*みょうよくいかとはそんながくましまさず。

無明トハ世尊マサズ

二 Ⅰ ⅰ c ロ (一)(Ⅱ)総じて諸徳を嘆ず

^*人雄にんのう獅子ししにして*神徳じんとくりょうなり。

人雄師子ニシテ神徳無量ナリ

^くん広大こうだいにして、 智慧ちえじんみょうなり。

勲広大ニシテ智慧深妙ナリ

^こうみょうそう大千だいせん震動しんどうす。

光明威相震↢動大千

二 Ⅰ ⅰ c ロ (二)志願を述ぶ
            (Ⅰ)総じて願心を立つ
              (ⅰ)成仏を願ず

^ねがはくは、 われぶつとならんに*しょう法王ほうおうひとく、

クハ我作↠仏↢聖法王

^しょう過度かどして、 だつせざることなからしめん。

過↢度シテ生死カラシメム↠不↢解脱

二 Ⅰ ⅰ c ロ (二)(Ⅰ)(ⅱ)功徳を願求す

^布施ふせ*調じょうかいにんしょうじん

布施・調意・戒・忍・精進

^かくのごときの三昧さんまい智慧ちえすぐれたりとせん。

↠是クノ三昧智慧トハスグレタリト

二 Ⅰ ⅰ c ロ (二)(Ⅱ)果を期し誓を立つ
              (ⅰ)正誓

^われちかふ、 ぶつたらんに、 あまねくこのがんぎょうじて、

吾誓タラムニ↠仏ジテ↢此

^一切いっさい恐懼くく ˆのしゅじょうˇ に、 ために大安だいあんをなさん。

一切恐懼↢大安

二 Ⅰ ⅰ c ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)徳を述べ其の心を励ます

^たとひぶつましましてひゃくせん億万おくまん

タト使シテ↠仏百千億万

^りょう*だいしょうかず恒沙ごうじゃのごとくならんに、

無量大聖数如クナラムニ↢恒沙

^一切いっさいのこれらの諸仏しょぶつようしたてまつらんよりは、

0022供↢養シタテマツヨリハ一切斯等諸仏

^どうもとめて、 けんしょうにしてしりぞかざらんにはしかじ。

不↠如↢求ムルコト↠道堅正ニシテニハ↟却

二 Ⅰ ⅰ c ロ (二)(Ⅲ)重ねて果上の身土を願ず
              (ⅰ)法身功徳を願ず

^たとへば恒沙ごうじゃのごときの諸仏しょぶつかい

ヘバ↢恒沙諸仏世界

^またかぞふべからざるしゅせつあらんに

復不↠可カラ↠計無数刹土ルモ

^こうみょうことごとくらして、 このもろもろのくにへんし、

光明悉シテ↢此

^かくのごとく0013しょうじんにして、 じんはかりがたからん。

↠是クノ精進シテ威神難カラム↠量

二 Ⅰ ⅰ c ロ (二)(Ⅲ)(ⅱ)国土荘厳を願ず

^われぶつとならんに、 こくをして第一だいいちならしめん。

メム↢我作ラムニ↠仏国土ヲシテ第一ナラ

二 Ⅰ ⅰ c ロ (二)(Ⅲ)(ⅲ)摂衆生を願ず
                (a)自国を摂す

^そのしゅうみょうにして、 どうじょうちょうぜつ0255ん。

衆奇妙ニシテ道場超絶

^くに*泥洹ないおんのごとくして、 しかもひとしくならぶものなからしめん

国如クシテ↢泥洹カラシメ↢等シクブモノ

二 Ⅰ ⅰ c ロ (二)(Ⅲ)(ⅲ)(b)他土を摂す

^われまさに哀愍あいみんして、 一切いっさいだつすべし。

我当哀愍シテ度↢脱一切

^十方じっぽうよりらいしょうせんもの、 心悦しんえつ清浄しょうじょうにして、

十方ヨリ来生セムモノ心悦清浄ニシテ

^すでにわがくにいたらばらく安穏あんのんならん。

ラバ↢我快楽安ナラム

二 Ⅰ ⅰ c ロ (三)証明を請ず
            (Ⅰ)別して現在仏に請ず

^ねがはくはぶつ (世自在王仏)*しんみょうしたまへ、 これわが*真証しんしょうなり。

ネガハクハ信明シタマヘ是我真証ナリ

^がんおこして、 かしこにして所欲しょよく*りきしょうせん。

シテ↠願↠彼力↢精セム所欲

二 Ⅰ ⅰ c ロ (三)(Ⅱ)広く諸仏に請ず

^十方じっぽうそん智慧ちえ無礙むげにまします。

世尊智慧無礙ニマシマス

^つねにこのそんをしてわが*しんぎょうらしめん。

メム↣此ヲシテ↢我心行

二 Ⅰ ⅰ c ロ (四)誓を結して心を立つ

^たとひをもろもろのどくうちくとも、

タトマル苦毒

^わがぎょうしょうじんして、 しのびてつひにいじº」 と。

行精進シテビテ↠悔

二 Ⅰ ⅰ 選択摂取の相を明す【思惟摂取】
        菩薩求請

【6】 ^ぶつなんげたまはく、 「法蔵ほうぞう比丘びく、 このじゅきをはりて、 ぶつ (世自在王仏) にまうしてまうさく、〈やや、 しかなり。 そんわれ*じょうしょうがくしんおこ0014せり

仏告ゲタマハク↢阿難↡、法蔵比丘説↢此↡已リテ而白シテ↠仏、唯然ナリ。世尊、我発セリ↢無上正覚之心↡。

^ねがはくはぶつ、 わがためにひろきょうぼうべたまへ。 われまさにしゅぎょうして仏国ぶっこく*摂取せっしゅし、 清浄しょうじょうりょうみょうしょうごんすべし。 われをしてにおいてすみやかにしょうがくりて、 もろもろの0256しょうごんもとかしめたまへº」

クハ仏為↠我ベタマヘ↢経法↡。我当↧修行シテ摂↢取仏国↡、清浄荘↦厳無量妙土↥。令メタマヘト↧我ヲシテ↠世↢正覚↡、抜↦諸生死勤苦之本↥。

二 Ⅰ ⅰ d 仏其れをして自知せしむ

^ぶつなんかたりたまはく、 「とき*にょう王仏おうぶつ法蔵ほうぞう比丘びくげたまはく、〈しゅぎょうせんところのごときのしょうごんぶつ、 なんぢみづからまさにるべしº と。

リタマハク↢阿難↡、時饒王仏ゲタマハク↢法蔵比丘↡、↠所↢修行スル↡荘厳仏土、汝自シト↠知

二 Ⅰ ⅰ d 菩薩重請

^比丘びくぶつにまうさく、〈このじんにしてわが*きょうがいにあらず。 やや、 ねがはくはそんひろくために*諸仏しょぶつ如来にょらいじょうぎょう*えんしたまへ。 われこれをきをはりて、 まさにせつのごとくしゅぎょうして、 所願しょがんじょうまんすべしº と。

比丘白サク↠仏、斯義弘深ニシテ↢我境界↡。唯願クハ世尊、広敷↢演シタマヘ諸仏如来浄土之行↡。我聞↠此0023リテシト↣如↠説キタマフガ修行シテ、成↢満所願↡。

二 Ⅰ ⅰ d 仏応請
          (一)其の器を許す

^そのときに、 ざいおうぶつ、 そのこうみょうがん深広じんこうなるをろしめして、 すなはち法蔵ほうぞう比丘びくのために、 しかもきょうきてのたまはく、

世自在王仏知リタマヒ↢其高明志願深広ナルコト↡即↢法蔵比丘↡、而キテ↠経

二 Ⅰ ⅰ d ニ (二)経を説きて其の心を励ます

^ªたとへば大海だいかい一人いちにん*升量しょうりょうせんに、 劫数こうしゅ経歴きょうりゃくせば、 なほそこきわめてそのみょうほうべきがごとし。 ひとしんしょうじんしてどうもとめてまざることあらば、 みなまさに*こっすべし。 いづれのがんをかざらんº

ヘバ↫大海アリテ、一人升量セムニ経↢歴セバ劫数↡、尚可キガ↪窮メテ↠底得↩其妙宝↨。人有ラバ↢至シテ精進メテ↠道ルコト↟止、会↢剋果↡。何ラム↠得。

二 Ⅰ ⅰ d ニ (三)説法現土

^ここにおいてざいおうぶつ、 すなはちためにひろひゃくいちじゅうおく諸仏しょぶつせつてんにん善悪ぜんあくこくみょうきて、 その心願しんがんおうじてことごとくげんじてこれをあたへたまふ。

↠是世自在王仏、即キテ↢二百一十億諸仏刹土天人之善悪、国土之麁妙↡、応↢其心願↡悉ジテヘタマフ↠之

二 Ⅰ ⅰ d 正しく選択摂取の相を明す
          (一)聞法見土

^ときにかの比丘びくぶつ所説しょせつきて、 *ごんじょうこくみな0015ことごとく*けんして

比丘聞キテ↢仏所説↡、厳浄国土皆悉覩見シテ

二 Ⅰ ⅰ d ホ (二)正しく勝願を発す
            (Ⅰ)総じて願体を標ず

^*じょうしゅしょうがんちょうほつせり

超↢発無上殊勝之願↡。

二 Ⅰ ⅰ d ホ (二)(Ⅱ)別して結願の相を明す
              (ⅰ)其の心念を明す

^そのしん寂静じゃくじょうにしてこころざししょじゃくなし。 一切いっさいけんによくおよぶものなけん

心寂静ニシテ志無↢所著↡。一切世間↢能者↡。

二 Ⅰ ⅰ d ホ (二)(Ⅱ)(ⅱ)其の時量を明す
                (a)直明

^こうそくし、 ゆいしてしょうごん仏国ぶっこく清浄しょうじょうぎょう摂取せっしゅす」

具↢足五劫↡、思惟シテ摂↢取スト荘厳仏国清浄之行↡。

二 Ⅰ ⅰ d ホ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)問答決疑

^なんぶつにまうさく、 「かの仏国ぶっこくˆざい王仏おうぶつのˇ 寿じゅりょういくばくぞ

阿難白サク↠仏、彼仏国土寿量幾何ゾヤト

^ぶつ0257のたまはく、 「そのぶつ寿じゅみょうじゅうこうなり

仏言、其寿命四十二劫ナリ

二 Ⅰ 正しく誓願を陳説す
      説願威儀
        菩薩敬白

^とき法蔵ほうぞう比丘びくひゃくいちじゅうおく諸仏しょぶつみょう清浄しょうじょうぎょう摂取せっしゅしき。 かくのごとくしゅしをはりて、 かのぶつみもともう稽首けいしゅみあしらいぶつめぐること三帀さんぞうし、 がっしょうしてじゅうして、 ぶつにまうしてまうさく、〈そん、 われすでにぶつしょうごんすべき清浄しょうじょうぎょう摂取せっしゅしつº と。

法蔵比丘摂↢取二百一十億諸仏妙土清浄之行↡。如↠是クノリテ、詣↢彼↡、稽首↠足ルコト↠仏三帀、合掌シテ而住シテ、白シテ、世尊、我已摂↢取セリ厳仏土清浄之行↡。

二 Ⅰ ⅱ a 如来勧説

^ぶつ比丘びくげたまはく、〈なんぢいまくべし。 よろしくるべし、 *これときなり。 一切いっさい大衆だいしゅ*ほっえっせしめよ。 さつきをはりて、 このほうしゅぎょう えんとして、 りょう大願だいがん満足まんぞくすることをいたさんº と。

仏告ゲタマハク↢比丘↡、汝、今可↠説。宜シクシ ↠知、是時ナリ。発↢起悦↣可セシメヨ一切大衆↡。菩薩聞リテ修↢行↡、縁リテサムト↣満↢足スルコトヲ無量大願↡。

二 Ⅰ ⅱ a 菩薩命に応ず

 ^比丘びくぶつにまうさく、〈やや、 *ちょうざつれたまへ。 わが所願しょがんのごとくまさにつぶさにこれをくべし。

比丘白サク↠仏、唯垂レタマヘ↢聴察↡。如↢我所願↡当↢具↟之

二 Ⅰ ⅱ 正しく四十八願を陳説す【四十八願】

1. 三悪趣さんまくしゅの願

【7】 ^たとひわれぶつたらんに、 くにごく餓鬼がきちくしょうあらば、 しょうがくらじ。

我得タラムニ↠仏、国ラバ↢地獄・餓鬼・畜生↡者、不↠取↢正覚↡。

2. きょう悪趣あくしゅの願

 ^0016たとひわれぶつたらんに、 こくちゅう人天にんでん寿いのちおわりてののちに、 またさん悪道まくどうかえらば、 しょうがくらじ。

0024我得タラムニ↠仏、国中人天、寿終リテ之後、復カヘラバ↢三悪道↡者、不↠取↢正覚↡。

3. 悉皆金色しっかいこんじきの願

 ^たとひわれぶつたらんに、 こくちゅう人天にんでん、 ことごとくしん金色こんじきならずは、 しょうがく0258らじ。

我得タラムニ↠仏、国中人天、不↢悉真金色ナラ↡者、不↠取↢正覚↡。

4. 無有むう好醜こうしゅの願

 ^たとひわれぶつたらんに、 こくちゅう人天にんでんぎょうしきどうにして、 好醜こうしゅあらば、 しょうがくらじ。

我得タラムニ↠仏、国中人天、形色不同ニシテラバ↢好醜↡者、不↠取↢正覚↡。

5. りょうしき宿命しゅくみょうの願

 ^たとひわれぶつたらんに、 こくちゅう人天にんでん*宿命しゅくみょうさとらずして、 しもひゃく千億せんおく由他ゆた諸劫しょこうらざるにいたらば、 しょうがくらじ。

我得タラムニ↠仏、国中人天、シテサト↢宿命↡、下至ラバルニ↠知↢百千億那由他諸劫↡者、不↠取↢正覚↡。

6. りょう得天眼とくてんげんの願

 ^たとひわれぶつたらんに、 こくちゅう人天にんでん*天眼てんげんずして、 しもひゃく千億せんおく由他ゆた諸仏しょぶつくにざるにいたらば、 しょうがくらじ。

我得タラムニ↠仏、国中人天、不シテ↠得↢天眼↡、下至ラバルニ↠見↢百千億那由他諸仏↡者、不↠取↢正覚↡。

7. てん遥聞ようもんの願

 ^たとひわれぶつたらんに、 こくちゅう人天にんでん*てんずして、 しもひゃく千億せんおく由他ゆた諸仏しょぶつくところきて、 ことごとくじゅせざるにいたらば、 しょうがくらじ。

我得タラムニ↠仏、国中人天、不シテ↠得↢天耳↡、下至ラバ↧聞タテマツリ↢百千億那由他諸仏↡、不ルニ↦悉受持↥者、不↠取↢正覚↡。

8. しんしっの願

 ^たとひわれぶつたらんに、 こくちゅう人天にんでん*しんずして、 しもひゃく千億せんおく0259由他ゆた諸仏国中しょぶっこくちゅうしゅじょう心念しんねんらざるにいたらば、 しょうがくらじ。

我得タラムニ↠仏、国中人天、不シテ↠得↧見↢他心↡智↥、下至ラバルニ↠知↢百千億那由他諸仏国中衆生心念↡者、不↠取↢正覚↡。

9. 神足じんそくにょの願

 ^0017たとひわれぶつたらんに、 こくちゅう人天にんでん*神足じんそくずして、 一念いちねんのあひだにおいて、 しもひゃく千億せんおく由他ゆた諸仏しょぶつくにちょうすることあたはざるにいたらば、 しょうがくらじ。

我得タラムニ↠仏、国中人天、不シテ↠得↢神足↡、於↢一念↡、下至ラバ↠不ルニ↠能↣超↢過スルコト百千億那由他諸仏↡者、不↠取↢正覚↡。

10. とんしんの願

 ^たとひわれぶつたらんに、 こくちゅう人天にんでん、 もし想念そうねんおこして、 *とんせば、 しょうがくらじ。

我得タラムニ↠仏、国中人天、若シテ↢想念↡、貪↢計セバ↡者、不↠取↢正覚↡。

11. ひっめつの願(住正定聚の願、 証大涅槃の願往相証果の願

 ^たとひわれぶつたらんに、 こくちゅう人天にんでん*じょうじゅじゅうし、 かならず*めついたらずはしょうがくらじ。

0025我得タラムニ↠仏、国中人天、不↧住↢定聚↡、必↦滅度↥者、不↠取↢正覚↡。

12. こうみょうりょうの願*

 ^たとひわれぶつたらんに、 こうみょうよくげんりょうありて、 しもひゃく千億せんおく由他ゆた諸仏しょぶつくにらさざるにいたらば、 しょうがくらじ。

我得タラムニ↠仏、光明有リテ限量↡、下至ラバ↠不ルニ↠照↢百千億那由他諸仏↡者、不↠取↢正覚↡。

13.0260 寿じゅみょうりょうの願*

 ^たとひわれぶつたらんに、 寿じゅみょうよくげんりょうありて、 しもひゃく千億せんおく由他ゆたこういたらば、 しょうがくらじ。

我得タラムニ↠仏、寿命有リテ限量↡、下至ラバ↢百千億那由他劫↡者、不↠取↢正覚↡。

14. しょうもんりょうの願

 ^たとひわれぶつたらんに、 こくちゅうしょうもん、 よくりょうありて、 *しも三千大千さんぜんだいせんかいしょうもん縁覚えんがくひゃく千劫せんごうにおいて、 ことごとくともに*きょうして、 そのかずるにいたらば、 しょうがくらじ。

我得タラムニ↠仏、国中声聞有リテ↢能計量↡、下至ラバ↧三千大千世界声聞・縁覚、於↢百千劫↡、悉計挍シテ、知ルニ↦其↥者、不↠取↢正覚↡。

15. 眷属けんぞくちょう寿じゅの願

 ^たとひわれぶつたらんに、 こくちゅう人天にんでん寿じゅみょうよくげんりょうなからん。 その0018本願ほんがん*修短しゅたんざいならんをばのぞく。 もししからずは、 しょうがくらじ。

我得タラムニ↠仏、国中人天、寿命無カラム↢能限量↡。除↢其本願アリテ修短自在↡。若↠爾者、不↠取↢正覚↡。

16. しょぜんの願

 ^たとひわれぶつたらんに、 こくちゅう人天にんでんない*ぜんありとかば、 しょうがくらじ。

我得タラムニ↠仏、国中人天、乃至聞カバ↠有リト↢不善名↡者、不↠取↢正覚↡。

17. 諸仏しょぶつ称名しょうみょうの願(諸仏称揚の願 諸仏咨嗟の願 大悲の願 往相回向の願 往相正業の願 選択称名の願)

 ^たとひわれぶつたらんに、 十方じっぽうかいりょう諸仏しょぶつことごとく*しゃして、 わが0261*しょうせずは、 しょうがくらじ。

我得タラムニ↠仏、十方世界無量諸仏、不↣悉咨嗟シテ、称↢我↡者、不↠取↢正覚↡。

18. しんしんぎょうの願(王本願 選択本願 本願三心の願 念仏往生の願 往相信心の願

 ^たとひわれぶつたらんに、 十方じっぽうしゅじょう*しん*しんぎょうしてわがくに*しょうぜんとおもひてないじゅうねんせん もししょうぜずは、 しょうがくらじ。 *ただ ぎゃくほうしょうぼうとをばのぞく。

我得タラムニ↠仏、十方衆生、至信楽シテ、欲↠生ゼムト↢我↡、乃ルマデセム十念。若↠生者、不↠取↢正覚↡。唯除↢五逆誹謗正法トヲ↡。

19. しん発願ほつがんの願(臨終現前の願 現前導生の願 来迎引接の願 修諸功徳の願

 ^たとひわれぶつたらんに、 十方じっぽうしゅじょうだいしんおこし、 *もろもろのどくしゅして、 しん発願ほつがんしてわがくにしょうぜんとほっせん寿いのちおわるときにのぞんでたとひ大衆だいしゅ*にょうしてそのひとまえげんぜずはしょうがくらじ。

我得タラムニ↠仏、十方衆生、発↢菩提心↡、修シテ↢諸功徳↡、至発願シテ、欲セム↠生ゼムト↢我↡。臨ミテ↢寿終↡、仮令 タトヒ ↧与↢大衆↡囲繞セラレ↦其↥者、不↠取↢正覚↡。

20. しんこうの願(係念定生の願 不果遂者の願 植諸徳本の願)

 ^たとひわれぶつたらんに、 十方じっぽうしゅじょう、 わがみょうごうきて、 ねんをわがくに*もろもろの徳本とくほんゑて、 しんこうしてわがくにしょうぜんとほっせんすいハタシトせずゲズハ は、 しょうがくらじ。

0026我得タラムニ↠仏、十方衆生、聞キテ↢我名号↡、↢念↡、ヱテ徳本↡、至廻向シテ、欲セム↠生ゼムト↢我↡。不↢果遂↡者、不↠取↢正覚↡。

21. そく諸相しょそうの願(具三十二相の願

 ^たとひわれぶつたらんに、 こくちゅう人天にんでん、 ことごとく*さんじゅう大人相だいにんそうじょう0019まんせずは0262しょうがくらじ。

我得タラムニ↠仏、国中人天、不↣悉成↢満三十二大人相↡者、不↠取↢正覚↡。

22. 還相げんそうこうの願(一生補処の願 必至補処の願

 ^たとひわれぶつたらんに、 ほうぶつしょさつしゅ、 わがくにらいしょうして、 きょうしてかならずいっしょうしょいたらん。 その本願ほんがんざいしょしゅじょうのためのゆゑに、 *ぜいよろい徳本とくほんしゃくるい一切いっさいだつし、 諸仏しょぶつくにあそんでさつぎょうしゅし、 十方じっぽう諸仏しょぶつ如来にょらいようし、 恒沙ごうじゃりょうしゅじょうかいして*じょうしょうしんどうりゅうせしめんをばのぞく。 *じょうりん超出ちょうしゅつし、 *しょぎょう現前げんぜんし、 げんとくしゅじゅうせん 。 もししからずは、 しょうがくらじ。

我得タラムニ↠仏、他方仏土菩薩衆、来↢生シテ↡、究竟シテラム↢一生補処↡。除↧其本願アリテ、自在スル、為↢衆生↡故、被↢弘誓↡、積↢累徳本↡、度↢脱一切↡、遊ビテ↢諸仏↡、修↢菩薩↡、供↢養タテマツリ十方諸仏如来↡、開↢化シテ恒沙無量衆生↡使↠立↢無上正真之道超↢出常倫諸地之行↡、現前スルヲ普賢之徳。若↠爾者、不↠取↢正覚↡。

23. よう諸仏しょぶつの願

 ^たとひわれぶつたらんに、 こくちゅうさつぶつ*神力じんりきけて、 諸仏しょぶつようし、 *一食いちじきのあひだにあまねくしゅりょう由他ゆた諸仏しょぶつくにいたることあたはずは、 しょうがくらじ。

我得タラムニ↠仏、国中菩薩、承ケテ↢仏神力↡、供↢養タテマツリ諸仏↡、一食之↠能↣徧ルコト↢無数無量那由他諸仏↡者、不↠取↢正覚↡。

24. ようにょの願

 ^たとひわれぶつたらんに、 こくちゅうさつ諸仏しょぶつみまえにありて、 その徳本とくほんげんじ、 もろもろのよくせんところのよう、 もしこころのごとくならずは、 しょうがく0263らじ。

我得タラムニ↠仏、国中菩薩、在リテ↢諸仏↡、現↢其徳本↡、諸欲求スル↡供養之具、若↠如クナラ↠意者、不↠取↢正覚↡。

25. せつ一切いっさいの願

 ^たとひわれぶつたらんに、 こくちゅうさつ*一切いっさい演説えんぜつすることあたはずは、 しょうがくらじ。

我得タラムニ↠仏、国中菩薩、不↠能↣演↢説スルコト一切智↡者、不↠取↢正覚↡。

26. 得金剛身とくこんごうしんの願

 ^0020たとひわれぶつたらんに、 こくちゅうさつ*金剛こんごう那羅ならえんしんずは、 しょうがくらじ。

我得タラムニ↠仏、国中菩薩、不↠得↢金剛那羅延↡者、不↠取↢正覚↡。

27. 万物まんもつごんじょうの願

 ^たとひわれぶつたらんに、 こくちゅう人天にんでん一切いっさい万物まんもつごんじょう光麗こうらいにして、 ぎょうしき殊特しゅどくにして窮微ぐみごくみょうなること、 よく*しょうりょうすることなけん。 そのもろもろのしゅじょうない天眼てんげん*逮得たいとくせん。 よく明了みょうりょうにそのみょうしゅわきまることあらば、 しょうがくらじ。

0027我得タラムニ↠仏、国中人天、一切万物厳浄光麗ニシテ、形色殊特ニシテ、窮微極妙ナルコト、無カラ↢能称量スルコト↡。其衆生、乃逮↢得スルニ天眼ラバ↣能明了ズルコト↢其名数↡者、不↠取↢正覚↡。

28. 道場樹どうじょうじゅの願

 ^たとひわれぶつたらんに、 こくちゅうさつないしょうどくのもの、 そのどうじょうじゅりょう光色こうしきありて、 たかひゃくまんなるをけんすることあたはずは、 しょうがくらじ。

我得タラムニ↠仏、国中菩薩、乃ルマデ少功徳、不↠能↣知↢見スルコト道場樹、無量光色アリテ四百万里ナルヲ↡者、不↠取↢正覚↡。

29.0264 得弁才とくべんざいの願

 ^たとひわれぶつたらんに、 こくちゅうさつ、 もしきょうぼう受読じゅどくじゅせつして、 *弁才べんざい智慧ちえずは、 しょうがくらじ。

我得タラムニ↠仏、国中菩薩、若受↢読経法↡諷誦持説シテ而不↠得↢弁才智慧↡者、不↠取↢正覚↡。

30. 弁才べんざいじんの願

 ^たとひわれぶつたらんに、 こくちゅうさつ智慧ちえ弁才べんざいもしげんりょうすべくは、 しょうがくらじ。

我得タラムニ↠仏、国中菩薩、智慧弁才若クハ↢限量↡者、不↠取↢正覚↡。

31. こく清浄しょうじょうの願

 ^たとひわれぶつたらんに、 こく清浄しょうじょうにして、 みなことごとく十方じっぽう一切いっさいりょうしゅ不可ふか思議しぎ諸仏しょぶつかいしょうけんすること、 なほ明鏡みょうきょうにその面像めんぞう0021がごとくならん。 もししからずは、 しょうがくらじ。

我得タラムニ↠仏、国土清浄ニシテ、皆悉照↢見スルコト十方一切無量無数不可思議諸仏世界↡、猶如クナラム↣明鏡ルガ↢其面像↡。若↠爾者、不↠取↢正覚↡。

32. みょうこうごうじょうの願

 ^たとひわれぶつたらんに、 より以上いじょうくういたるまで、 殿でん楼観ろうかん池流ちるじゅこくちゅうのあらゆる一切いっさい万物まんもつ、 みなりょう雑宝ざっぽうひゃく千種せんじゅこうをもつてともにごうじょうし、 厳飾ごんじきみょうにしてもろもろの人天にんでんえん。 そのこうあまねく十方じっぽうかいくんじて、 さつがんもの、 みなぶつぎょうしゅせん。 もしかくのごとくならずは、 しょう0265がくらじ。

我得タラムニ↠仏、自↠地已上至ルマデ↢于虚空↡、宮殿・楼観・池流・華樹、国所有一切万物、皆以↢無量雑宝・百千種↡而共合成、厳飾奇妙ニシテ↢諸人天香普ジテ↢十方世界↡、菩薩カガ者、皆修セム↢仏行↡。若クナラ↠是クノ者、不↠取↢正覚↡。

33. 触光そくこうにゅうなんの願(身心柔軟の願)

 ^たとひわれぶつたらんに、 十方じっぽうりょう不可ふか思議しぎ諸仏しょぶつかいしゅじょうるい、 わがこうみょうこうぶりてそのれんもの、 *身心しんしんにゅうなんにして人天にんでんちょうせん。 もししからずは、 しょうがくらじ。

我得タラムニ↠仏、十方無量不可思議諸仏世界衆生之類、蒙リテ↢我光明↡触レム↢其0028↡者、身心柔軟ニシテ超↢過セム人天↡。若↠爾者、不↠取↢正覚↡。

34. もんみょう得忍とくにんの願

 ^たとひわれぶつたらんに、 十方じっぽうりょう不可ふか思議しぎ諸仏しょぶつかいしゅじょうるいわがみょうきてさつしょう法忍ぼうにんもろもろの*じんそうずは、 しょうがくらじ。

我得タラムニ↠仏、十方無量不可思議諸仏世界衆生之類、聞キテ↢我名字↡、不↠得↢菩薩無生法忍、諸深総持↡者、不↠取↢正覚↡。

35. 女人にょにんおうじょうの願(変成男子の願 転女成男の願 聞名転女の願)

 ^たとひわれぶつたらんに、 十方じっぽうりょう不可ふか思議しぎ諸仏しょぶつかいに、 それ女人にょにんありて、 わがみょうきて、 かんしんぎょうし、 だいしんおこして、 女身にょしんえんせんイトヒニクマン 寿いのちおわりてののちに、 また女像にょぞうとならば、 しょうがくらじ。

我得タラムニ↠仏、十方無量不可思議諸仏世界、其リテ↢女人↡、聞キテ↢我名字↡、歓喜信楽、発シテ↢菩提心↡、厭↢悪セム女身寿終リテ之後、復為ラバ↢女像↡者、不↠取↢正覚↡。

36. もんみょうぼんぎょうの願

 ^0022たとひわれぶつたらんに、 十方じっぽうりょう不可ふか思議しぎ諸仏しょぶつかいしょさつしゅ、 わがみょうきて、 寿いのちおわりてののちに、 つねに*ぼんぎょうしゅして仏道ぶつどうるにいたらん。 もししから0266ずは、 しょうがくらじ。

我得タラムニ↠仏、十方無量不可思議諸仏世界菩薩衆、聞キテ↢我名字↡、寿終リテ之後、常シテ↢梵行↡至ラム↠成ズル↢仏道↡。若↠爾者、不↠取↢正覚↡。

37. らいきょうの願

 ^たとひわれぶつたらんに、 十方じっぽうりょう不可ふか思議しぎ諸仏しょぶつかい諸天しょてん人民にんみんわがみょうきて、 たいげて、 けいしゅらいかんしんぎょうして、 さつぎょうしゅせんに、 諸天しょてんにんうやまひをいたさずといふことなけん。 もししからずは、 しょうがくらじ。

我得タラムニ↠仏、十方無量不可思議諸仏世界諸天・人民、聞キテ↢我名字↡、五体↠地、稽首シテ歓喜信楽シテ、修セムニ↢菩薩↡、諸天・世人、莫カラ↠不ルハ↠致↠敬。若↠爾者、不↠取↢正覚↡。

38. ぶく随念ずいねんの願

 ^たとひわれぶつたらんに、 こくちゅう人天にんでんぶくんとおもねんしたがひてすなはちいたらん。 ぶつ所讃しょさん*応法おうほうみょうぶくのごとく、 ねんにあらん。 もしざいタチヌイ*とうソメぜんヲサメかんアラヒじょくスヽグすることあらば、 しょうがくらじ。

我得タラムニ↠仏、国中人天、欲↠得ムト↢衣服↡、随ヒテ↠念ラム。如↢仏所讃応法妙服、自然ラム↠身ラバ↢裁縫・擣染・浣濯スルコト↡者、不↠取↢正覚↡。

39. じょうじゅらくの願

 ^たとひわれぶつたらんに、 こくちゅう人天にんでんけんところらく*じん比丘びくのごとくならずは、 しょうがくらじ。

我得タラムニ↠仏、国中人天、所↠受快楽、不↠如クナラ↢漏尽比丘↡者、不↠取↢正覚↡。

40. 見諸仏けんしょぶつの願

 ^たとひわれぶつたらんに、 こくちゅうさつこころしたがひて十方じっぽうりょうごんじょうぶつんとおもはん。 ときおうじてがんのごとく、 宝樹ほうじゅのなかにして、 みなこと0267ごとくしょうけんせんこと、 なほ明鏡みょうきょうにその面像めんぞうるがごとくならん。 もししから0023ずは、 しょうがくらじ。

我得タラムニ↠仏、国中菩薩、随ヒテ↠意セバ↠見ムト↢十方無量厳浄仏土ジテ↠時↠願↢宝0029↡、皆悉照見スルコト、猶如クナラム↣明鏡ルガ↢其面像↡。若↠爾者、不↠取↢正覚↡。

41. もんみょうこんの願

 ^たとひわれぶつたらんに、 ほうこくしょさつしゅ、 わがみょうきて、 ぶつるにいたるまで、 *諸根しょこんけつしてそくせずは、 しょうがくらじ。

我得タラムニ↠仏、他方国土菩薩衆、聞キテ↢我名字↡、至ルマデ↢于得ルニ↟仏、諸根闕陋シテ↢具足↡者、不取正覚。

42. もんみょうとくじょうの願

 ^たとひわれぶつたらんに、 ほうこくしょさつしゅ、 わがみょうきて、 みなことごとく*清浄しょうじょうだつ三昧ざんまい逮得たいとくせん。 この三昧さんまいじゅうして、 ひとたびこころおこさんあひだに、 りょう不可ふか思議しぎ諸仏しょぶつそんようしたてまつりて*じょうしっせじ。 もししからずは、 しょうがくらじ。

我得タラムニ↠仏、他方国土菩薩衆、聞キテ↢我名字↡、皆悉逮↢得セム清浄解脱三昧↡。住シテ↢是三昧↡、一タビ↠意、供↢養シタテマツリテ無量不可思議諸仏世尊↡而不ラム↠失↢定意↡。若↠爾者、不↠取↢正覚↡。

43. もん名生みょうしょうの願

 ^たとひわれぶつたらんに、 ほうこくしょさつしゅ、 わがみょうきて、 寿いのちおわりてののちに、 そんいえしょうぜん。 もししからずは、 しょうがくらじ。

我得タラムニ↠仏、他方国土菩薩衆、聞キテ↢我名字↡、寿終リテ之後ゼム↢尊貴↡。若↠爾者、不↠取↢正覚↡。

44. もんみょうとくの願

 ^たとひわれぶつたらんに、 ほうこくしょさつしゅ、 わがみょうきて、 かんやく0268さつぎょうしゅ徳本とくほんそくせん。 もししからずは、 しょうがくらじ。

我得タラムニ↠仏、他方国土菩薩衆、聞キテ↢我名字↡、歓喜踊躍シテ↢菩薩↡具↢足セム徳本↡。若↠爾者、不↠取↢正覚↡。

45. もんみょう見仏けんぶつの願

 ^たとひわれぶつたらんに、 ほうこくしょさつしゅわがみょうきて、 みなことごとく*とう三昧ざんまい逮得たいとくせん。 この三昧さんまいじゅうしてじょうぶついたるまで、 つねにりょう不可ふか思議しぎ一切いっさい諸仏しょぶつたてまつらん。 もししからずは、 しょうがくらじ。

我得タラムニ↠仏、他方国土菩薩衆、聞キテ↢我名字↡、皆悉逮↢得セム普等三昧↡。住シテ↢是三昧↡、至ルマデ↢于成仏↡、常タテマツラム↢無量不可思議一切諸仏↡。若↠爾者、不↠取↢正覚↡。

46. ずい聞法もんぼうの願

 ^0024たとひわれぶつたらんに、 こくちゅうさつ、 そのがんしたがひて、 かんとおもはんところのほうねんくことをん。 もししからずは、 しょうがくらじ。

我得タラムニ↠仏、国中菩薩、随ヒテ↢其志願↡、所↠欲スル↠聞カムト法、自然↠聞クコトヲ。若↠爾者、不0030↠取↢正覚↡。

47. もんみょう退たいの願

 ^たとひわれぶつたらんに、 ほうこくしょさつしゅ、 わがみょうきて、 すなはち退転たいてんいたることをずは、 しょうがくらじ。

我得タラムニ↠仏、他方国土菩薩衆、聞キテ↢我名字↡、不↢即得↟至ルコトヲ↢不退転↡者、不↠取↢正覚↡。

48. 得三法忍とくさんぼうにんの願

 ^たとひわれぶつたらんに、 ほうこくしょさつしゅ、 わがみょうきて、 すなはち*だいいちだい第三だいさん法忍ぼうにんいたることをず、 *諸仏しょぶつほうにおいて、 すなはち退たいてんることあたはずは、 しょうがくらじº」

我得タラムニ↠仏、他方国土菩薩衆、聞キテ↢我名字↡、不↢即得↟至ルコトヲ↢第一・第二・第三法忍↡、於↢諸仏↡、不↠能↣即ルコト↢不退転↡者、不↠取↢正覚↡。

 0269

二 Ⅰ ⅱ 偈を説きて重誓し証を請ふ【重誓偈
        結前生後

【8】 ^ぶつ0270なんげたまはく、 「そのときに、 法蔵ほうぞう比丘びく、 このがんきをはりて、 *じゅきていはく、

仏告ゲタマハク↢阿難↡、爾法蔵比丘説↢此↡已リテ而説キテ

二 Ⅰ ⅱ c 正しく偈を説く
          (一)重誓
            (Ⅰ)三誓を立つ

^ªわれちょうがんつ、 かならずじょうどういたらん。

我建↢超世ラム↢無上道

^このがん満足まんぞくせずは、 ちかひてしょうがくらじ。

 斯願不↢満ヒテ不↠成正覚

^われりょうこうにおいて、 だいしゅとなりて、

我於↢無量劫↧為リテ↢大施主

^あまねくもろもろの*びんすくはずは、 ちかひてしょうがくらじ。

 普↦諸貧苦ヒテ不↠成正覚

^われ仏道ぶつどうるにいたりて *名声みょうしょう十方じっぽうえん。

我至リテ↠成ズル↢仏道名声超エム↢十方

^きょうして*きこゆるところなくは、 ちかひてしょうがくらじ。

 究竟シテクハ所↠聞ユルヒテ不↠成正覚

二 Ⅰ ⅱ c ロ (一)(Ⅱ)総じて果上の徳を誓ふ
              (ⅰ)因を挙げ果を求む

^0025よく*じんしょうねんと、 じょうをもつてぼんぎょうしゅ

離欲深正念浄慧トヲモテ↢梵行

^じょうどう志求しぐして、 しょ天人てんにんとならん。

 志↢求シテ無上ラム↢諸天人

二 Ⅰ ⅱ c ロ (一)(Ⅱ)(ⅱ)正しく果徳を誓ふ
                (a)慈悲徳

^神力じんりき大光だいこうべて、 あまねく*さいらし、

神力演ベテ↢大光↢無際

^さんみょうしょうじょして、 ひろくもろもろの厄難やくなんすくはん。

 消↢除シテ三垢ハム↢衆厄難

^0271智慧ちえまなこひらきて、 この*昏盲こんもうあんめっし、

キテ↢彼智慧↢此昏盲

^もろもろの悪道あくどう閉塞へいそくして、 善趣ぜんしゅもん通達つうだつせん。

 閉↢塞シテ悪道通↢達セム善趣

二 Ⅰ ⅱ c ロ (一)(Ⅱ)(ⅱ)(b)智慧徳

^こうじょう満足まんぞくして、 *よう十方じっぽうほがらかならん。

功祚成満足シテ威曜朗カナラム↢十方

^日月にちがつ*じゅうおさてんひかりかくれてげんぜじ。

 日月戢メテ↢重レテ不↠現

・万徳回施

^しゅうのために*法蔵ほうぞうひらきて、 ひろ*どくほうせん

↠衆キテ↢法蔵↢功徳

^つねに大衆だいしゅのなかにして、 ほうきて*獅子吼ししくせん

 常↢大衆キテ↠法師子セム

二 Ⅰ ⅱ c ロ (一)(Ⅱ)(ⅲ)願を結し師に帰す

^一切いっさいぶつようしたてまつりて、 もろもろの徳本とくほんそくし、

0031供↢養シマツリテ一切具↢足徳本

^がんことごとくじょうまんして、 三界さんがいおうたることを

 願成満シテ↠為ルコトヲ↢三界

^ぶつ (世自在王仏) 無礙むげのごとく、 通達つうだつしてらさざることなん。

↢仏礙智通達シテカラ↠不

^ねがはくはわが功慧くえちから、 このさいしょうそん (世自在王仏) ひとしからん

 願クハシカラム↢此最勝尊

二 Ⅰ ⅱ c ロ (二)請証

^このがんもしこっせば、 大千だいせんまさに感動かんどうすべし。

願若剋果セバ大千応↢感動

^0026くう諸天人しょてんにん、 まさにちんみょうはなあめふらすべしº」

 虚空シト↠雨ラス↢珍妙

二 Ⅰ 現瑞証誠
      結前生後

【9】 ^ぶつなんげたまはく、 「法蔵ほうぞう比丘びく、 このじゅきをはるに、

ゲタマハク↢阿難↡、法蔵比丘説↢此↡已ルニ

二 Ⅰ ⅲ 正明

^ときおうじてあまねく*六種ろくしゅ震動しんどうす。 てんよりみょうあめふらして、 もつてそのうえさんず。 ねん音楽おんがくくうちゅうめていはく、〈けつじょうしてかならずじょうしょうがくるべしº と。

ジテ↠時地、六種震動。天ヨリラシテ↢妙華↡、以↢其↡。自然音楽、空中、決定シテベシト↢無上正覚↡。

二 Ⅰ ⅲ 総じて誓願を結し修因の志を決定す

^ここにおいて法蔵ほうぞう0272、 かくのごときの大願だいがんそく修満しゅまんして、 *じょうたいにしてむなしからず。 けん超出ちょうしゅつしてふかじゃくめつねがふ。

↠是法蔵比丘、具↢足修↣満シテ↠是クノ大願↡、誠諦ニシテ不↠虚カラ。超↢出シテ世間↡深↢寂滅↡。

二 Ⅰ 願に依り勝行を起す【法蔵修行】
      結前生後

^なんときにかの比丘びく、 そのぶつみもと諸天しょてんぼんりゅうじんはち大衆だいしゅのなかにして、 このぜいおこす。 このがんてをはりて、 一向いっこうせんしてみょうしょうごんす。

阿難、比丘於所、諸天・魔・梵・龍神八部・大衆之中↡発↢斯弘誓↡。建↢此↡已リテ、一向ニシテ荘↢厳妙土↡。

二 Ⅰ ⅳ 正明
        所修の浄土を讃ず

^所修しょしゅ仏国ぶっこく*恢廓かいかく広大こうだいにして超勝ちょうしょうどくみょうなり。 こんりゅう ˆせられし仏国ぶっこくはˇ じょうねんにして、 すいなくへんなし。

所修仏国、恢廓広大ニシテ超勝独妙ナリ。建立常然ニシテ、無↠衰無↠変。

二 Ⅰ ⅳ b 能修の徳行を讃ず
          (一)挙時総標〔兆載永劫〕

^不可ふか思議しぎちょうさい永劫ようごうにおいて、 さつりょうとくぎょうしゃくじきして、

↢不可思議兆載永劫↡、積↢シテ菩薩無量徳行↡、

二 Ⅰ ⅳ b ロ (二)別明
            (Ⅰ)勝行を明す
              (ⅰ)別して六度の行を挙ぐ

^*欲覚よくかく瞋覚しんかく害覚がいかくしょうぜず。 *欲想よくそう瞋想しんそう害想がいそうおこさず。 *しきしょうこうそくほうじゃくせず。 忍力にんりきじょうじゅしてしゅはからず。 しょうよくそくにして*ぜんなし。 三昧さんまい常寂じょうじゃくにして智慧ちえ無礙むげなり。

不↠生↢欲覚・瞋覚・害覚不↠起↢欲想・瞋想・害想不↠著↢色・声・香・味・触・法忍力成就シテ不↠計↢衆苦少欲知足ニシテ染・恚・痴↡。三昧常寂ニシテ智慧無礙ナリ

二 Ⅰ ⅳ b ロ (二)(Ⅰ)(ⅱ)総じて広く浄土の行を明す
                (a)直心相

^*虚偽こぎ諂曲てんごくしんあることなし。 ^*げんあいにして、 *こころさきにしてじょうもんす。

↠有ルコト↢虚偽・諂曲之心↡。和顔愛語シテンジ↠意承問

二 Ⅰ ⅳ b ロ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(b)深心相

^ゆうみょうしょうじんにしてがんむことなし。

勇猛精進ニシテ志願無↠倦ムコト

二 Ⅰ ⅳ b ロ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(c)大乗心相

^もつぱら*清白しょうびゃくほうもとめて、 もつてぐんじょう恵利えりす。

メテ↢清白之法↡、以恵↢利群生↡。

二 Ⅰ ⅳ b ロ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(d)回向心相

^三宝さんぼうぎょうし、 ちょう奉事ぶじす。 *だいしょうごんをもつてしゅ0027ぎょうそくし、 もろもろのしゅじょうをしてどくじょうじゅせしむ。

恭↢敬三宝↡、奉↢事師長↡。以↢大荘厳↡具↢足↡、令↢諸衆生ヲシテ功徳成就↡。

二 Ⅰ ⅳ b ロ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(e)方便心相

^*くうそうがんほうじゅうして、 *なくく、 *ほうのごとしとかんじて、 ごんがいがいと、 彼此ひしともにがいするをおんし、 ぜん自利じりにんにんねてするをしゅじゅうす。

シテ↢空・無相・無願之法↡、無↠作無↠起、観↢法シト↟化遠↢離麁言0032彼此倶スルヲ↡、修↢習善語人我兼ネテスルヲ↡。

^くにおうてて*財色ざいしき、 みづからろっ波羅ぱらみつぎょうじ、 ひとおしへてぎょうぜしむ。

↠国テテ↠王↢去財色↡、自↢六波羅蜜↡、教ヘテ↠人↠行

二 Ⅰ ⅳ b ロ (二)(Ⅱ)勝徳を明す
              (ⅰ)総標

^央数おうしゅこうこうとくかさぬるに

央数劫↠功ヌルニ↠徳

二 Ⅰ ⅳ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)別明
                (a)生所勝

^その*しょうじょしたがひてこころ0273所欲しょよくにあり。 りょう宝蔵ほうぞうねん発応ほっとうし、 しゅしゅじょうきょうあんりゅうして、 じょうしょうしんどうじゅうせしむ

ヒテ↢其生処↡在↢意所欲↡。無量宝蔵、自然発応、教↢化安↣立シテ無数衆生↡、住セシム↢於無上正真之道↡。

^あるいはちょうじゃ*居士こじ*ごうしょうそんとなり、 あるいは*せつ国君こくくん*転輪てんりんじょうたいとなり、 あるいは*六欲ろくよく天主てんじゅない*梵王ぼんのうとなりて、 つねに四事しじをもつて一切いっさい諸仏しょぶつようぎょうしたてまつる。 かくのごときのどく*しょうせつすべからず。

イハ↢長者・居士・豪姓・尊貴↡、或イハ↢刹利国君・転輪聖帝↡、或イハリテ↢六欲天主、乃至梵王↡、↢四事↡供↢養恭↣敬シタテマツル一切諸仏↡。如↠是クノ功徳、不↠可カラ↢称説↡。

二 Ⅰ ⅳ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)受身勝

^口気くけ香潔こうけつにして、 *鉢羅はらのごとし。 のもろもろのもうより*栴檀せんだんこういだす。 そのこう、 あまねくりょうかいくんず。 容色ようしきたんじょうにして相好そうごうしゅみょうなり。 そのよりつねにじんたからぶく飲食おんじきちんみょうこう*繒蓋ぞうがい*幢幡どうばんしょうごんいだす。 かくのごときらのもろもろの天人てんにんえたり。

口気香潔ニシテ、如↢優鉢羅華↡。身毛孔ヨリ栴檀香↢無量世界↡。容色端ニシテ相好殊妙ナリ。其ヨリ↢無尽之宝・衣服・飲食・珍妙華香・繒蓋・幢旛、荘厳之具↡。如↠是クノ事、超タリ↢諸天人

二 Ⅰ ⅳ b ロ (二)(Ⅲ)総結

^一切いっさいほうにおいてざいたりき」

↢一切↡而得タリ↢自在↡。

広く本願成就相を明す【弥陀果徳】
    権に問答を設け建立浄土の相を明す
      正問答
        時処名を定む
          (一)

【10】^なんぶつにまうさく、 「法蔵ほうぞうさつ、 すでにじょうぶつしてめつりたまへりと0028やせん、 いまだじょうぶつしたまはずとやせん、 いまげんにましますとやせん」 と。

阿難白サク↠仏、法蔵菩薩為↣已成仏シテ而取リタマヘリトヤ↢滅度↡、為↠未トヤ↢成仏シタマハ↡、為ムト↢今現ストヤ↡。

二 Ⅱ ⅰ a イ (二)仏答

^ぶつなんげたまはく、 「法蔵ほうぞうさつ、 いますでにじょうぶつして、 げん西方さいほうにまします。 *ここをることじゅう万億まんおくせつなり。 そのぶつかいをばづけて安楽あんらくといふ」

仏告ゲタマハク↢阿難↡、法蔵菩薩、今已成仏シテ↢西方↡。去ルコト↠此十万億刹ナリ。其世界ケテフト↢安楽↡。

二 Ⅱ ⅰ a 成道の久近を定む【十劫成道】
          (一)

^なん、 またひたてまつる、 「そのぶつじょうどうしたまひしよりこのかた、 いくばくのときたまへりとせん」 と。

阿難、又問ヒタテマツル、其仏成道タマヒシヨリ已来ムトタマヘリトヤ↢幾↡。

二 Ⅱ ⅰ a ロ (二)仏答
            (Ⅰ)正しく久近を定む

^ぶつのたまはく、 「じょうぶつよりこのかた、 おほよそ十劫じっこうたまへり。

仏言、成仏ヨリ已来タマヘリ↢十劫↡。

二 Ⅱ ⅰ a ロ (二)(Ⅱ)略して仏土の相を明す〔第32願成就〕
              (ⅰ)総じて体量の相を明す

^その仏国ぶっこくは、 ねん七宝しっぽうこんごん瑠璃るりさん0274はくしゃのうごうじょうしてとせり。 *恢廓かいかく曠蕩こうとうして、 限極げんごくすべからず。

仏国土、自然七宝、金・銀・瑠璃・珊瑚・珀・硨磲・碯合成シテ↠地。恢廓曠蕩ニシテ不↠可カラ↢限極↡。

^ことごとくあひ*ざっし、 うたたあひ*にゅうけんせり。 *こうかく焜耀こんようにしてみょうらいなり。 清浄しょうじょうしょうごんして十方じっぽう一切いっさいかいちょうせり。 衆宝しゅほうのなかのしょうなり。 そのたからなほ*だい六天ろくてんたからのごとし。

相雑廁、転入間セリ。光赫焜耀ニシテ微妙奇麗ナリ。清浄荘厳シテ超↢踰セリ十方一切世界↡。衆宝ナリ。其宝猶如↢第六0033↡。

二 Ⅱ ⅰ a ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)離穢の相を明す
                (a)無高下相〔第31願成就〕

^またそのこくには、 しゅせんおよび*金剛こんごうてっ一切いっさい諸山しょせんなし。 また大海だいかいしょうかい*谿けいしょうこくなし。 ぶつ神力じんりきのゆゑに、 んとおもへばすなはちげんず。

又其国土ニハ↢須弥山及金剛鉄囲、一切諸山↡。亦無↢大海・小海・谿渠・井谷↡。仏神力、欲↠見ムト

二 Ⅱ ⅰ a ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)無苦難〔第1願成就〕

^またごく餓鬼がきちくしょう*諸難しょなんしゅなし。

亦無↢地獄・餓鬼・畜生、諸難之趣↡。

二 Ⅱ ⅰ a ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(c)無寒熱

^また四時しじ春秋しゅんじゅうとうなし。 さむからず、 あつからず。 つねにやわらかにして*調適じょうちゃくなり」

亦無↢四時春・秋・冬・夏↡。不↠寒カラ不↠熱カララカニシテ調適ナリト

二 Ⅱ ⅰ a 其の所依を定む
          (一)

^そのときに、 なんぶつにまうしてまうさく、 「そん、 もしかのこくしゅせんなくは、 その天王てんのうおよびとうてん、 なにによりてかじゅうする」 と。

阿難白シテ↠仏、世尊、若国土クハ↢須弥山↡、其四天王及忉利天、依リテカ↠何而住スルト

二 Ⅱ ⅰ a ハ (二)仏答
            (Ⅰ)反質
              (ⅰ)仏問

^ぶつなんかたりたま0029はく、 「第三だいさん焔天えんてんないしききょうてん、 みななにによりてかじゅうする」 と。

仏語リタマハク↢阿難↡、第三焔天ヨリルマデ色究竟天、皆依リテカ↠何スルト

二 Ⅱ ⅰ a ハ (一)(Ⅰ)(ⅱ)阿難答

^なんぶつにまうさく、 「ぎょうごうほう不可ふか思議しぎなればなり」

阿難白サク↠仏、行業果報不可思議ナレバナリト

二 Ⅱ ⅰ a ハ (一)(Ⅱ)正答

^ぶつなんかたりたまはく、 「ぎょうごうほう不可ふか思議しぎならば、 諸仏しょぶつかいもまた不可ふか思議しぎなり。 その*もろもろのしゅじょうどく善力ぜんりきをもつてぎょうごうじゅうす。 ゆゑによくしかる のみ」

仏語リタマハク↢阿難↡、行業果報不可思議、諸仏世界亦不可思議ナリ。其衆生、功徳善力ヲモテ↢行業之地↡。故

二 Ⅱ ⅰ 疑問の所以を述ぶ

^なんぶつにまうさく、 「われこのほううたがはず。 ただしょうらいしゅじょうのために、 そのわくのぞかんとほっるがゆゑに、 このひたてまつる」 と。

阿難白サク↠仏、我不↠疑↢此↡。但為↢将来衆生↡、欲シテ↠除カムト↢其疑惑↡、故ラニヒタテマツルト↢斯↡。

二 Ⅱ 正しく本願成就の相を明す
      摂法身
        光明無量徳【光明無量】〔第12願成就〕
          (一)総標

【11】^ぶつ0275なんげたまはく、 「りょう寿じゅぶつじんこうみょう最尊さいそん第一だいいちなり。 諸仏しょぶつこうみょうおよぶことあたはざるところなり。

仏告ゲタマハク↢阿難↡、無量寿仏威神光明、最尊第一ニシテ諸仏光明ナリ↠不↠能↠及ブコト

二 Ⅱ ⅱ a イ (二)広明其徳
            (Ⅰ)比挍顕勝
              (ⅰ)諸仏の有量光明を挙ぐ

^あるいは仏光ぶっこうありて、 ひゃくぶつかい あるいは千仏せんぶつかいらすようりてこれをいはば、 すなはち東方とうぼう恒沙ごうじゃ仏刹ぶっせつらす。 南西なんざい北方ほっぽう*ゆいじょうもまたまたかくのごとし。

イハリテ↢仏光↡照↢百仏世界、或イハ千仏世界↡。取リテ↠要ハバ↠之、乃↢東方恒沙仏刹南西北方・四維・上下亦復如↠是クノ

^あるいは仏光ぶっこうありてしちしゃく、 あるいはいちじゅんさんじゅんらす。 かくのごとく*うたたばいして、 ないいちぶっせつらす。

イハリテ↢仏光↡、照于七↡、或イハ↢一由旬、二・三・四・五由旬↡。如↠是クノシテ、乃於一仏刹↡。

二 Ⅱ ⅱ a イ (二)(Ⅰ)(ⅱ)顕勝して徳号を列ぬ【十二光

^このゆゑにりょう寿じゅぶつをば、 *1りょうこうぶつ2へんこうぶつ3無礙むげこうぶつ4たいこうぶつ5焔王えんのうこうぶつ6清浄しょうじょうこうぶつ7かんこうぶつ8智慧ちえこうぶつ9だんこうぶつ10なんこうぶつ11しょうこうぶつ12ちょうにち月光がっこうぶつごうす。

無量寿仏、号↢無量光仏・無辺光仏・無礙光仏・無対光仏・焔王光仏・清浄光仏・歓喜光仏・智慧光仏・不断光仏・難思光仏・無称光仏・超日月光仏↡。

二 Ⅱ ⅱ a イ (二)(Ⅱ)其の徳用を明す
              (ⅰ)光照益
                (a)転悪成善益〔第33願成就〕

^それしゅじょうありて、 このひかりもうあふものは、 さんしょうめつし、 しん*にゅうなんなり。 かんやくして善心ぜんしんしょうず。

0034リテ↢衆生↡、遇↢斯↡者、三垢消滅、身意柔軟ナリ。歓喜踊躍シテ善心生焉。

二 Ⅱ ⅱ a イ (二)(Ⅱ)(ⅰ)(b)脱苦与楽益【三塗見光】

^0030もしさんごんところにありて 、 このこうみょうたてまつれば、 みなそくまたのうなし。 寿いのちおわりてののちに、 みなだつこうぶる。

リテ↢三塗勤苦之処↡、見マツレバ↢此光明↡、皆得↢休息↡無↢復苦悩↡。寿終リテ之後、皆蒙↢解脱↡。

二 Ⅱ ⅱ a イ (二)(Ⅱ)(ⅱ)名称益〔第17願成就〕
                (a)聖衆称嘆益

^りょう寿じゅぶつこうみょう*顕赫けんかくにして、 十方じっぽう 諸仏しょぶつこく*しょう耀ようしたまふに、 *きこえざることなし。

無量寿仏光明顕赫ニシテ、照↢燿スル十方諸仏国土↡、莫↠不↠聞焉。

^ただわれのみいまそのこうみょうしょうするにあらず。 一切いっさい諸仏しょぶつしょうもん縁覚えんがく・もろもろのさつしゅ、 ことごとくともにたんすること、 またまたかくのごとし。

↣但我ノミ今称ルニ↢其光明↡。一切諸仏・声聞・縁覚・諸菩薩衆、咸歎誉スルコト、亦復如↠是クノ

二 Ⅱ ⅱ a イ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)能度衆生益
                  (イ)聞名往生益〔第37願成就〕

^もししゅじょうありて、 そのこうみょうじんどくきて、 にちしょうせつしてしんだんなれば、 こころ所願しょがんしたがひて、 そのくにしょうずること0276て、 もろもろのさつしょうもん大衆だいしゅのために、 ともにたんしてそのどくしょうせられん。

リテ↢衆生↡、聞キテ↢其光明威神功徳↡、日夜称説シテシテレバ、随ヒテ↢意所願↡得↠生ズルコトヲ↢其↡、為↢諸菩薩・声聞大衆↡、所↣共歎誉シテ↢其功徳↡。

二 Ⅱ ⅱ a イ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)因光成仏益

^それしかうしてのち仏道ぶつどうときいたりて、 あまねく十方じっぽう諸仏しょぶつさつのために、 そのこうみょうめられんこと、 またいまのごとくならん」

リテ↧其シテ後、得↢仏道↡時↥、普↢十方諸仏・菩薩↡、歎セラルルコト↢其光明↡、亦如クナラムト↠今也。

二 Ⅱ ⅱ a イ (三)結嘆

^ぶつのたまはく、 「われ、 りょう寿じゅぶつこうみょうじん巍々ぎぎしゅみょうなるをかんにちゅう一劫いっこうすとも、 なほいまだつくすことあたはじ」

仏言、我説カムニ↢無量寿仏光明威神巍巍殊妙ナルヲ↡、昼夜一劫ストモ、尚↠能↠尽スコト

二 Ⅱ ⅱ a 寿命無量徳【寿命無量】〔第13願成就〕
          (一)総標

【12】^ぶつなんかたりたまはく、 りょう寿じゅぶつ寿じゅみょうじょうにして*しょうすべからず。 なんぢむしろれりや。

仏語リタマハク↢阿難↡、無量寿仏寿命長久ニシテ不↠可カラ称計↡。汝寧ンゾラム乎。

二 Ⅱ ⅱ a ロ (二)譬を設けて示す

^たとひ十方じっぽうかいりょうしゅじょう、 みな人身にんじんて、 ことごとくしょうもん縁覚えんがくじょうじゅせしめて、 すべてともにしゅうし、 *ぜん一心いっしんそのりきつく ひゃく千万せんまんごうにおいてことごとくともに推算すいさんしてその寿じゅみょうじょうおん0031かずはからんに、 じんしてその限極げんごくることあたはじ。

仮使 タトヒ 十方世界無量衆生、皆得↢人身↡、悉メテ↣成↢就声聞・縁覚↡、都集会、禅思一心ツク↢其智力↡、於↢百千万劫↡悉推算シテムニ↢其寿命長遠之数↡、不↠能↣窮尽シテルコト↢其限極↡。

二 Ⅱ ⅱ a ロ (三)主に因りて眷属長寿なるを明す〔第15願成就〕

^しょうもんさつてんにんしゅう寿じゅみょうちょうたんも、 またまたかくのごとし。 算数さんじゅ譬喩ひゆのよくるところにあらざるなり

声聞・菩薩・天・人之衆寿命長短亦復如↠是クノ。非↣算数・譬喩↢能↡也。

二 Ⅱ ⅱ a 聖衆無量徳【聖衆無量】〔第14願成就〕
          (一)総じて数多を標す

^またしょうもんさつ、 そのかずはかりがたししょうせつすべからず。

又声聞・菩薩↠量不↠可カラ↢称説↡。

二 Ⅱ ⅱ a ハ (二)其の徳を嘆ず〔第26願成就?〕

^*じん洞達どうだつして、 りきざいなり。 よくたなごころのうちにおいて、 一切いっさいかいせり」

神智洞達シテ、威力自在ナリ。能↢掌↡、持セリト↢一切世界↡。

二 Ⅱ ⅱ a ハ (三)譬を設けて示す
            (Ⅰ)標起

【13】^ぶつなんかたりたまはく、 「かのぶつ*しょしょうもんしゅかずしょうすべからず。 0277さつもまたしかなり。 いまの大目だいもく犍連けんれんのごとひゃく千万せんまんおくりょうしゅにして、 そう由他ゆたこうにおいて、 ないめつまでことごとくともにきょうすとも、 しょうかずりょうすることあたはじ。

0035リタマハク↢阿難↡、彼初会声聞衆数、不↠可カラ↢称計↡。菩薩亦然ナリ大目犍連↡、百千万億無量無数ニシテ、於↢阿僧祇那由他劫↡、乃ルマデ滅度計挍ストモ、不↠能↣究↢了スルコト多少之数↡。

二 Ⅱ ⅱ a ハ (三)(Ⅱ)正譬
              (ⅰ)問答し譬を設く

^たとへば大海だいかい深広じんこうにしてりょうなるを、 たとひひとありて、 その一毛いちもうくだきてもつてひゃくぶんとなして、 一分いちぶんもうをもつて*一渧いったいヒトシタヾリ*沾取てんしゅシホシトランんがごとし。 こころにおいていかん、 そのしただるところのもの、 かの大海だいかいにおいていづれをかおおしとする」

ヘバ↧大海深広ニシテ無量ナル仮使 タトヒ リテ↠人クダキテ↢其一毛↡以シテ↢百分↡、以↢一分沾↦取一渧↥。於↠意云何シタタ↢彼大海何所 イヅレ ヲカ↠多

^なんぶつにまうさく、 「かのしただるところのみず大海だいかいするに、 しょうりょう*巧暦きょうりゃく算数さんじゅごんるいのよくるところにあらざるなり

阿難白サク↠仏、彼シタタ、比スルニ↢於大海↡、多少之量、非↣巧暦・算数・言辞・譬類↢能↡也。

二 Ⅱ ⅱ a ハ (Ⅰ)(Ⅱ)(ⅱ)合譬結嘆

^ぶつなんかたりたまはく、 「目連もくれんとうのごとき、 ひゃく千万せんまんおく由他ゆたこうにおいて、 かのしょしょうもんさつかぞへて、 らんところのかずなほ一渧いったいのごとし。 そのらざるところは大海だいかいみずのごとし。

仏語リタマハク↢阿難↡、如↢目連等↡、於↢百千万億那由他劫↡、計ムニ↢彼初会声聞・菩薩↡、所↠知数者猶如クシテ↢一渧↠不↠知↢大海↡。

二 Ⅱ ⅱ 摂浄土
        宝樹荘厳を明す【宝樹荘厳】〔第32(・40)願成就〕
          (一)総じて諸樹を列ぬ
            (Ⅰ)総標

003214】^また、 そのこく七宝しっぽうのもろもろのかいしゅうまんせり。 金樹こんじゅ銀樹ごんじゅ瑠璃るりじゅ玻瓈はりじゅさんじゅのうじゅしゃじゅなり。

又其国土七宝樹、周↢満セリ世界↡。金樹・銀樹・瑠璃樹・玻瓈樹・珊瑚樹・碯樹・硨磲樹ナリ

二 Ⅱ ⅱ b イ (一)(Ⅱ)別列
              (ⅰ)二宝三宝等合成

^あるいはほう三宝さんぼうない七宝しっぽう、 うたたともにごうじょうせるあり。

イハ↢二宝・三宝、乃至七宝合成セル↡。

^あるいは金樹こんじゅしろがねはなこのみなるあり。 あるいは銀樹ごんじゅこがねはなこのみなるあり。

イハ↢金樹葉・華・果ナル↡。或イハ↢銀樹葉・華・果ナル↡。

^あるいは瑠璃るりじゅ玻瓈はりとす、 はなこのみまたしかなり。 あるいはすいしょうじゅ瑠璃るりとす、 はなこのみまたしかなり。 あるいはさんじゅ0278のうとす、 はなこのみまたしかなり。 あるいはのうじゅ瑠璃るりとす、 はなこのみまたしかなり。 あるいはしゃじゅ衆宝しゅぼうとす、 はなこのみまたしかなり。

イハ瑠璃樹アリ玻瓈↠葉、華・果亦然ナリ。或イハ水精樹アリ瑠璃↠葉、華・果亦然ナリ。或イハ珊瑚樹アリ↠葉、華・果亦然ナリ。或イハ碯樹アリ瑠璃↠葉、華・果亦然ナリ。或イハ硨磲樹アリ、衆宝↠葉、華・果亦然ナリ

二 Ⅱ ⅱ b イ (一)(Ⅱ)(ⅱ)七宝合成

^ある*いは宝樹ほうじゅあり、 *こん*もととし、 びゃくごん*くきとし、 瑠璃るりえだとし、 すいしょうこえだとし、 さんとし、 のうはなとし、 しゃとす。

イハ↢宝樹↡、紫金↠本、白銀↠茎瑠璃↠枝、水精↠条、珊瑚↠葉↠華、硨磲↠実

^あるいは宝樹ほうじゅあり、 びゃくごんもととし、 瑠璃るりくきとし、 すいしょうえだとし、 さんこえだとし、 のうとし、 しゃはなとし、 こんとす。

イハ↢宝樹↡、白銀↠本瑠璃↠茎、水精↠枝、珊瑚↠条0036↠葉、硨磲↠華、紫金↠実

^あるいは宝樹ほうじゅあり、 瑠璃るりもととし、 すいしょうくきとし、 さんえだとし、 のうこえだとし、 しゃとし、 こんはなとし、 びゃくごんとす。

イハ↢宝樹↡、瑠璃↠本、水精↠茎、珊瑚↠枝↠条、硨磲↠葉、紫金↠華、白銀↠実

^あるいは宝樹ほうじゅあり、 すいしょうもととし、 さんくきとし、 のうえだとし、 しゃこえだとし、 こんとし、 びゃくごんはなとし、 瑠璃るりとす。

イハ↢宝樹↡、水精↠本、珊瑚↠茎↠枝、硨磲↠条、紫金↠葉、白銀↠華瑠璃↠実

^あるいは宝樹ほうじゅあり、 さんもととし、 のうくきとし、 しゃえだとし、 こんこえだとし、 びゃくごん0033とし、 はなとし、 すいしょうとす。

イハ↢宝樹↡、珊瑚↠本↠茎、硨磲↠枝、紫金↠条、白銀↠葉瑠璃↠華、水精↠実

^あるいは宝樹ほうじゅあり、 のうもととし、 しゃくきとし、 こんえだとし、 びゃくごんこえだとし、 瑠璃るりとし、 すいしょうはなとし、 さんとす。

イハ↢宝樹↡、↠本、硨磲↠茎、紫金↠枝、白銀↠条瑠璃↠葉、水精↠華、珊瑚↠実

^あるいは宝樹ほうじゅあり、 しゃもととし、 こんくきとし、 びゃくごんえだとし、 瑠璃るりこえだとし、 すいしょうとし、 さんはなとし、 のうとす。

イハ↢宝樹↡、硨磲↠本、紫金↠茎、白銀↠枝瑠璃↠条、水精↠葉、珊瑚↠華↠実

二 Ⅱ ⅱ b イ (一)(Ⅲ)略して徳を嘆ず
              (ⅰ)樹相殊異

^このもろもろの宝樹ほうじゅ*行々ごうごうあひひ、 茎々きょうきょうあひのぞみ、 枝々ししあひしたがひ、 葉々ようようあひかひ、 華々けけあひしたがひ、 実々じつじつあひあたれり。 栄色ようしき光耀こうようたること*げてるべからず。

宝樹、行行相値、茎茎相望、枝枝相、葉葉相向、華華相順、実実相当レリ。栄色光燿タルコト不↠可カラ↢勝ゲテ↡。

二 Ⅱ ⅱ b イ (一)(Ⅲ)(ⅱ)樹声微妙

^しょうふうときおこりて*いつつのおんじょういだす。 みょうにして宮商きゅうしょうねんにあひす。

清風時リテ↢五音声微妙ニシテ宮・商、自然相和

二 Ⅱ ⅱ b イ (二)別して道場樹を嘆ず【道樹楽音荘厳】
            (Ⅰ)体量荘厳〔第28願成就〕

【15】^また、 りょう寿じゅぶつのそのどうじょうじゅたかひゃくまんそのもとしゅうじゅうじゅんなり。 ようよもけることじゅうまんなり。 一切いっさい衆宝しゅぼうねんごうじょうせり*月光がっこう摩尼まに*かい輪宝りんぼう衆宝しゅぼうおうたるをもつて、 これをしょうごんせり

又無量寿仏道場樹、高四百万里ナリ周囲五十由旬ナリ。枝葉四モニコト二十万里ナリ。一切衆宝自然合成↢月光摩尼・持海輪宝衆宝之王タル↡而荘↢厳之

^えだのあひだに*しゅうそうして、 たから瓔珞ようらくれたり。 ひゃく千万せんまんじきにして種々しゅじゅへんす。 りょう光焔こうえんしょう耀ようきわまりなし。 ちんみょう宝網ほうもうそのうえ*羅覆らふせり。 一切いっさいしょうごんおうしたがひてげんず。

周↢帀シテ↡、垂レタリ↢宝瓔珞↡。百千万ニシテ、種種異変無量光焔、照燿無↠極。珍妙宝網羅↢覆セリ↡。一切荘厳随ヒテ↠応而現

二 Ⅱ ⅱ b イ (二)(Ⅱ)其の徳用を明す
              (ⅰ)別して妙音益を挙ぐ〔第34願成就〕

^ふう*やうやくうごきてもろもろのようくに、 りょうみょうほうおんじょう演出えんすいす。 そのこえ流布るふして諸仏しょぶつくにへんす。 そのこえくものは、 *じん法忍ぼうにん退たいてんじゅうす。 仏道ぶつどういたるまで、 こんしょうてつにしてげんはず。

微風ヤウヤキテクニ↢諸枝葉↡、演↢出無量妙法↡。其声流布シテ↢諸仏↡。↠音↢深法0037↡住↢不退転ルマデ↠成ルニ↢仏道耳根清徹ニシテ不↠遭↢苦患↡。

二 Ⅱ ⅱ b イ (二)(Ⅱ)(ⅱ)通じて六根益を挙ぐ〔第47願成就〕

^にそ0034いろみみ0279そのこえき、 はなにそのり、 したにそのあじはひをめ、 にそのひかりれ、 こころほうをもつて*えんるに一切いっさいみな甚深じんじん法忍ほうにん退たいてんじゅうす。 仏道ぶつどういたるまで、 六根ろっこんしょうてつにしてもろもろの悩患のうげんなし。

覩↢其↡、↢其↡、鼻↢其↡、↢其↡、身↢其↡、心↠法ズルニ一切皆得↢甚深法忍↡住↢不退転ルマデ↠成ルニ↢仏道↡六根清徹ニシテ↢諸悩患↡。

二 Ⅱ ⅱ b イ (二)(Ⅱ)(ⅲ)別して得忍益を挙ぐ〔第48願成就〕

^なん、 もしかのくに人天にんでん、 このるものはさん法忍ぼうにんひとつには音響おんこうにんふたつには柔順にゅうじゅんにんつにはしょう法忍ぼうにんなり。

阿難、若人天、見↢此↡者得↢三法忍↡。一者音響忍、二者柔順忍、三者無生法忍ナリ

二 Ⅱ ⅱ b イ (二)(Ⅲ)徳を結して願力に帰す

^これみなりょう寿じゅぶつじんりきのゆゑ本願ほんがんりきのゆゑ満足まんぞくがんのゆゑ明了みょうりょうがんのゆゑけんがんのゆゑきょうがんのゆゑなり

此皆無量寿仏威神力、本願力、満足願、明了願、堅固願、究竟願ナリト

二 Ⅱ ⅱ b 楽音殊妙
          (一)顕勝を比挍す

^ぶつなんげたまはく、 「けん帝王たいおうひゃくせん音楽おんがくあり。 転輪てんりんじょうおうより、 ないだい六天ろくてんじょう*がくおんじょう*展転てんでんしてあひすぐれたること、 千億せんおく万倍まんばいなり。 だい六天ろくてんじょう万種まんじゅ楽音がくおんりょう寿じゅこくのもろもろの七宝しっぽうじゅ一種いっしゅおんじょうにしかざること、 千億せんおくばいなり。

仏告ゲタマハク↢阿難↡、世間帝王↢百千音楽↡。自↢転輪聖王↡乃ルマデ第六天上、伎楽音声、展転シテ相勝ルルコト億万倍ルモ第六天上万種楽音、不ルコト↠如↢無量寿国七宝樹一種音声↡千億倍也。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)正明

^またねん万種まんじゅがくあり。 またそのがくこえ法音ほうおんにあらざることなし。 *しょうようあいりょうにしてみょう和雅わげなり。 十方じっぽうかいおんじょうのなかに、 もつとも第一だいいち とす。

亦有↢自然万種伎楽↡。又其声無↠非ザル↢法音↡。清揚哀亮ニシテ微妙和雅ナリ。十方世界音声之中↢第一↡。

二 Ⅱ ⅱ b 宝楼荘厳【講堂宝池荘厳】〔第32願成就〕

【16】^また講堂こうどうしょうじゃ殿でん楼観ろうかん、 みな七宝しっぽうしょうごんしてねんじょうす。 また真珠しんじゅ*みょうがつ摩尼まに衆宝しゅぼうをもつて、 もつて*きょうとしてそのうえがいせり。

又講堂・精舎・宮殿・楼観、皆七宝荘厳シテ自然化成復以↢真珠・明月摩尼衆宝↡、以↢交↡覆↢蓋セリ↡。

二 Ⅱ ⅱ b 宝池荘厳
          (一)池相量

^ない左右さうにもろもろのよくあり。 ˆおおきさˇ あるいはじゅうじゅん、 あるいはじゅうさんじゅうない0035ひゃくせんじゅんなり。 じゅうこう0280深浅じんせん、 おのおのみな*一等いっとうなり。

内外左右↢諸浴池↡。イハ十由旬、或イハ二十・三十、乃至百千由旬ニシテ縦広・深浅、皆一等ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ニ (二)池水相

^はっどくすい湛然たんねんとして盈満ようまんせり。 清浄しょうじょう香潔こうけつにして、 あじはひかんのごとし。

八功徳水、湛然トシテ盈満清浄香潔ニシテ味如↢甘露↡。

二 Ⅱ ⅱ b ニ (三)池中荘厳

^黄金おうごんいけには、 そこびゃくごんいさごあり。 びゃくごんいけには、 そこ黄金おうごんいさごあり。 すいしょういけには、 そこ瑠璃るりいさごあり。 瑠璃るりいけには、 そこすいしょういさごあり。 さんいけには、 そこはくいさごあり。 はくいけには、 そこさんいさごあり。 しゃいけには、 そこのういさごあり。 のういけには、 そこしゃいさごあり。 びゃくごくいけには、 そここんいさごあり。 こんいけには、 そこびゃくごくいさごあり。

黄金者、底白銀アリ。白銀者、底黄金アリ。水精者、底瑠璃アリ瑠璃者、底水精アリ。珊瑚者、底琥珀アリ琥珀0038者、底珊瑚アリ。硨磲者、底碼碯アリ碼碯者、底硨磲アリ。白玉者、底紫金アリ。紫金者、底白玉アリ

^あるいはほう三宝さんぼうない七宝しっぽう、 うたたともにごうじょうせり。

イハ二宝・三宝、乃至七宝、転合成セリ

二 Ⅱ ⅱ b ニ (四)池上荘厳

^そのいけきしうえ栴檀せんだんじゅあり。 ようきて、 こうあまねくくんず。 てん*鉢羅はら*どん*物頭もず*ふん陀利だり*雑色ざっしきこうにして、 ひろみずうえおおへり。

栴檀樹↡。華葉垂キテ、香気普優鉢羅華・鉢曇摩華・拘物頭華・分陀利華、雑色光茂ニシテ、弥セリ↡。

二 Ⅱ ⅱ b ニ (五)池水功徳
            (Ⅰ)浅深称意

^かのしょさつおよびしょうもんしゅ、 もしほうりて、 こころみずをしてあしひたさしめんとおもへば、 みずすなはちあしひたす。 ひざいたらしめんとおもへば、 すなはちひざいたる。 こしいたらしめんとおもへば、 みずすなはちこしいたる。 くびいたらしめんとおもへば、 みずすなはちくびいたる。 そそがしめんとおもへば、 ねんそそぐ。 還復げんぶくせしめんとおもへば、 みずすなはちげん0281ぶくす。

諸菩薩及声聞衆、若リテ↢宝池↡、意スレ↠令メムト↢水ヲシテ↟足、水即↠足。欲スレ↠令メムト↠至↠膝、即↢于膝↡。欲スレ↠令メムト↠至↠腰、水即↠腰。欲スレ↠令メムト↠至↠頚、水即↠頚。欲スレ↠令メムト↠潅↠身、自然↠身。欲スレ↠令メムト↢還復↡、水スナハ還復

二 Ⅱ ⅱ b ニ (五)(Ⅱ)適悦身心

^りょうなん調じょうするに、 ねんこころしたが^ˆ水浴すいよくせばˇ たましいひらき、 よろこばしめて、 *しん蕩除とうじょす。

調↢和スルニ冷煖↡、自然↠意タマシヒ、悦バシメテ↠体、蕩↢除心垢↡。

二 Ⅱ ⅱ b ニ (五)(Ⅲ)水性澄潔

^ˆみずはˇ しょうみょう0036ちょうけつにして、 きよきことかたちなきがごとし。 ˆていのˇ 宝沙ほうしゃ*映徹ようてつして、 ふかきをもらさざることなし。

清明澄潔ニシテ、浄キコト↠無キガ↠形。宝沙映徹シテ↢深キヲモ↟照

二 Ⅱ ⅱ b ニ (五)(Ⅳ)水声演法〔第46願成就〕

^*らん回流えるしてうたたあひ*かんちゅうす。 *あんじょうとしてやうやくきて、 おそからず、 からず。

微瀾廻流シテ相潅注。安詳トシテヤウヤキテ、不↠遅カラ不↠疾カラ

^なみあがりてりょうなり。 ねん妙声みょうしょう、 その*所応しょおうしたがひてきこえざるものなし。 あるいはぶっしょうき、 あるいはほうしょうき、 あるいはそうしょうく。 あるいは寂静じゃくじょうこえくう無我むがこえだい慈悲じひこえ波羅はらみつこえ、 あるいはじゅうりき無畏むい不共ふぐほうこえもろもろの*つうこえ*しょこえ*不起ふきめつこえしょうにんこえない*かんかんじょう、 もろもろのみょうほうこえ、 かくのごときらのこえ、 そのくところかなひて、 かんすることりょうなり。

波揚リテ無量ナリ自然妙声随ヒテ↢其所応↡莫↢不↠聞者↡。或イハ↢仏↡、或イハ↢法↡、或イハ↢僧↡。或イハ寂静声、空・無我声、大慈悲声、波羅蜜声、或イハ十力・無畏・不共法声、諸通慧声、無所作声、不起滅声、無生忍声、乃至甘露潅頂妙法声、如↠是クノ声、称ヒテ↢其↟聞、歓喜スルコト無量ナリ

^ˆくひとはˇ 清浄しょうじょうよくじゃくめつ真実しんじつずいじゅんし、 *三宝さんぼうˆじゅうˇ りきしょ不共ふぐほうずいじゅんし、 つうさつしょうもんしょぎょうどうずいじゅんす。

随↢順清浄・離欲・寂滅・真実之義↡、随↢順三宝・力・無所畏・不共之法↡、随↢順通慧菩薩・声聞所行之道↡。

二 Ⅱ ⅱ b ニ (六)因みに処名を解す〔第16願成就〕

^さんなんあることな、 ただねんらくこえのみあり。 このゆゑに、 そのくにづけて安楽あんらくといふ。

↠有ルコト↢三塗苦難之名↡、但有↢自然快楽之音ノミ↡。是ケテ0039安楽↡。

二 Ⅱ ⅱ b 双べて依正を嘆ず【眷属荘厳】〔第27・38願成就〕
          (一)総標

【17】^なん、 かの仏国ぶっこくにもろもろのおうじょうするものは、 かくのごときの清浄しょうじょう色身しきしんもろもろのみょうおんじょう神通じんずうどくそくす。 しょするところの殿でんぶく飲食おんじきしゅみょうこうしょうごんなほだい六天ろくてんねんもののごとし。

阿難、彼仏国土往生スル具↢足↠是クノ清浄色身、諸妙音声、神通功徳↡。↠処スル宮殿・衣服・飲食・衆妙華香・荘厳之具、猶↢第六天自然之物↡。

二 Ⅱ ⅱ b ホ (二)別嘆
            (Ⅰ)飲食自然を嘆ず

^もしじきせんとおもときは、 七宝しっぽう*はっ0282ねんまえにあり。 こんごん瑠璃るりしゃのうさん0037はくみょうがつ真珠しんじゅ、 かくのごときの諸鉢しょはつこころしたがひていたる。 *ひゃく飲食おんじきねん盈満ようまんす。

スル↠食セムト、七宝鉢器、自然↠前。金・銀・瑠璃・硨磲・碼碯・珊瑚・琥珀・明月真珠、如↠是クノ鉢、随ヒテ↠意而至百味飲食、自然盈満

^このじきありといへども、 じつじきするものなし。 ただいろぐに、 こころじきをなすとおもへり。 ねん*飽足ほうそくして身心しんしんにゅうなんなり。 *じゃくするところなし。 ことおわればしてときいたればまたげんず。

↠有リト↢此食↡、実↢食スル者↡。但見↠色グニ↠香、意↠為スト↠食自然飽足、身心柔軟ニシテ↠所↢味著スル↡。事已レバシテ、時至レバ復現

二 Ⅱ ⅱ b ホ (二)(Ⅱ)広く聖衆の徳を嘆ず
              (ⅰ)略して所居を嘆ず〔第11願成就〕

^かの仏国ぶっこくは、 清浄しょうじょう安穏あんのんにしてみょうらくなり。 無為むい泥洹ないおんどうちかし。

仏国土清浄安ニシテ微妙快楽ナリチカ↢於無為泥洹之道↡。

二 Ⅱ ⅱ b ホ (二)(Ⅱ)(ⅱ)正しく聖衆を嘆ず
                (a)直嘆〔第3・4・35願成就〕

^そのもろもろのしょうもんさつてんにんは、 智慧ちえこうみょうにして神通じんずう洞達どうだつせり。

声聞・菩薩・天・人、智慧高明ニシテ神通洞達セリ

^ことごとくおなじく一類いちるいにして、 かたちじょうなし。*ただほういんじゅんするがゆゑに、 天人てんにんあり。

ジク一類ニシテ、形↢異状↡。但因↢順ズルガ余方↡故、有天・人之名↡。

^げんみょうたんじょうにしてちょう希有けうなり。 容色ようしきみょうにして、 てんにあらずにんにあらず。みな*ねん虚無こむしんごくたいけたり

顔貌端正ニシテエテ希有ナリ。容色微妙ニシテ、非↠天↠人。皆受ケタリト↢自然虚無之身、無極之体↡。

二 Ⅱ ⅱ b ホ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)顕勝を比挍す
                  (イ)譬を設けて勝劣を定む
                    [一]仏問

【18】^ぶつなんげたまはく、 「*たとへばけんびん乞人こつにんの、 帝王たいおうほとりにあらんがごとしぎょうみょうようじょう、 むしろるいすべけんや」

仏告ゲタマハク↢阿難↡、譬ヘバ↣世間貧窮・乞人↢帝王↡。形貌・容状、寧ンゾケム↠類

二 Ⅱ ⅱ b ホ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(イ)[二]阿難答
                      [Ⅰ]略答

^なんぶつにまうさく、 「たとひこのひと帝王たいおうほとりにあらんに、 *るいしゅうあくにして、 もつてたとへとすることなきことひゃく千万せんまんおく*不可計ふかけばいなり。

阿難白サク↠仏仮令 タトヒ 人在ラムニ↢帝王↡、羸陋醜悪ニシテ、無キコト↢以コト↟喩、百千万億不可計倍ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ホ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(イ)[二][Ⅱ]広く其の所以を弁ず
                        [ⅰ]貧苦相

^しかるゆゑは、 びん乞人こつにん*底極たいごく廝下しげにして、 ころもかたちかくさず。 じきわずかにいのちささふ。 かんこんして*にんほとほときなんとす。

所↢以然↡者、貧窮・乞人底極廝下ニシテ、衣不↠蔽↠形ワヅカ↠命。飢寒困苦シテ、人理殆キナムトス

^みなぜん徳本とくほんず、 ざいみてほどこさず、 富有ふう0283にしてますます0038み、 ただいたづらにんとおもひて、 とんしていとふことなく、 *あへてぜんしゅず、 あくおかすことやまのごとくにつもによりてなり

リテナリ前世ルニ↢徳本ミテ↠財不↠施、富有ニシテマスヲシ、但欲イタヅラムト↡、貪0040シテ↠厭フコト、不↢↟善、犯スコト↠悪ノゴトクニ

^かくのごとくして、 寿いのちおわりて財宝ざいほうしょうさんす。 くる*じゅしゃくしてこれがためにのうすれども、 おのれにおいてやくなし。 いたづらに*となる。 ぜんとしてたのむべきなし、 とくとしてたのむべきなし。 このゆゑに、 して悪趣あくしゅしてこのじょうく。 つみおわづることをて、 うまれてせんとなり、 *愚鄙ぐひごくにして*人類にんるいどうす。

クシテ↠是クノ寿終リテ財宝消散↠身聚積シテ、為↠之憂悩スレドモ、於↠己↠益↢他↡。無↢善トシテ↟怙、無↢徳トシテ↟恃。是、死シテ↢悪趣↡、受↢此長苦↡。罪畢↠出ヅルコトヲ、生↢下賎↡、愚鄙廝極ニシテ示↢同人類↡。

二 Ⅱ ⅱ b ホ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(イ)[二][Ⅱ][ⅱ]帝王相

^けん帝王たいおう にんちゅう独尊どくそんなるゆゑは、 みな*宿しゅくとくめるによりていたすところなり。 慈恵じえひろほどこし、 仁愛にんあいねてすくふ。 しんぜんしゅして、 *じょうするところなし。

所↢以世間帝王人中独尊ナル↡、皆由リテ↢宿世メルニ↟徳ナリ↠致。慈ヲモテ、仁愛ヲモテ↠信↠善、無↠所↢違スル↡。

^ここをもつて寿いのちおわれば、 ふくおうじて善道ぜんどうのぼることをてんじょう上生じょうしょうしてこの福楽ふくらくく。 *しゃくぜんきょうに、 いまひととなることをて、 たまたまおううまれて、 ねんそんなり。 *ようたんじょうにしてしゅうきょうするところなり。 みょう珍饍ちんぜんこころしたがひて*ぶくす。 *宿しゅくふくふところなるがゆゑに、 よくこれをいたす」

寿終レバ、福応ジテ得↠ルコトヲ↢善道↡、上↢生シテ天上↢茲福楽↡。積善余慶、今得↠為ルコトヲ↠人↢王家↡、自然尊貴ナリ。儀容端正ニシテナリ↢敬事スル↡。妙衣・珍饍随ヒテ↠心服御。宿福ナルガ↠追、能スト↠此

二 Ⅱ ⅱ b ホ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)合譬正明

【19】^ぶつなんげたまはく、 「なんぢがことばなり。 たとひ帝王たいおうのごとき、 にんちゅうそんにしてぎょうしきたんじょうなりといへども、 これを転輪てんりんじょうおうならぶるに、 はなはだ*0284なりとす。 なほかの乞人こつにん帝王たいおうほとりにあらんがごときなり

仏告ゲタマハク↢阿難↡、汝言是也。↢帝王↡雖↢人中尊貴ニシテ形色端正ナリト↡、比スル↢之転輪聖王↡、甚↢鄙陋ナリ↡。猶↣彼乞人↢帝王也。

^転輪てんりんじょう0039おうそうしゅみょうにしててん 第一だいいちなれども、 これを*とう天王てんのうならぶるに、 またしゅうあくにしてあひたとふるざること万億まんおくばいなり。

転輪聖王、威相殊妙ニシテ天下第一ナレドモ、比スル忉利天王↡、又復醜悪ニシテルコト↠得↢相喩フルコト↡万億倍也。

^たとひ天帝てんたい*第六だいろく天王てんのうならぶるに、 ひゃく千億せんおくばいあひるいせざるなり。

仮令 タトヒ 天帝ナレドモ、比スル↢第六天王↡、百千億倍ニシテ↢相類↡也。

^たとひ第六だいろく天王てんのうりょう寿じゅ仏国ぶっこくさつしょうもんならぶるに、 光顔こんげん容色ようしきあひ及逮およばざることひゃく千万せんまんおく不可ふかばいなり」

第六天王ナレドモ、比スル↢無量寿仏国菩薩・声聞↡、光顔・容色不ルコト↢相及逮 オヨ ↡百千万億不可計倍ナリト

二 Ⅱ ⅱ b ホ (二)(Ⅲ)総じて所須の厳浄を嘆ず

【20】^ぶつなんげたまはく、 「りょう寿じゅこくの、 そのもろもろのてんにんぶく飲食おんじきこう瓔珞ようらく繒蓋ぞうがい幢幡どうばんみょうおんじょうしょ舎宅しゃたく殿でん楼閣ろうかく、 その*ぎょうしきかなひてこうだいしょうあり。 あるいは一宝いっぽうほうないりょう衆宝しゅぼうこころ所欲しょよくしたがひて、 ねんおうじてすなはちいたる。

仏告ゲタマハク↢阿難↡、無量寿国、其天人衣服・飲食・華香・瓔珞・繒蓋・幢旛、微妙音声、所居舎宅・宮殿・楼閣カナヒテ↢其形色↡高下大小アリ。或イハ一宝・二宝、乃至0041無量衆宝、随ヒテ↢意所欲↡、応ジテ↠念

^また衆宝しゅぼうみょうをもつてあまねくそのけり。 一切いっさいてんにんこれをみてく。

又以↢衆宝妙衣↡徧↢其一切天人践ミテ↠之而行

二 Ⅱ ⅱ b 虚空荘厳
          (一)宝網

^りょう宝網ほうもうぶつ弥覆みふせり。 みな*こん真珠しんじゅひゃくせん雑宝ざっぽうみょうちんなるをもつてしょうごん*きょうじきせり。 めんしゅうそうして、 るるにほうりょうをもつてす。 光色こうしき晃耀こうようにして、 ことごとく厳麗ごんらいきわむ。

無量宝網弥↢覆皆以↢金縷・真珠百千雑宝奇妙珍異ナルヲ↡荘厳校飾セリ。周↢帀シテ四面↡、ルルニテス↢宝鈴↡。光色晃燿ニシテ、尽↢厳麗↡。

二 Ⅱ ⅱ b ヘ (二)徳風
            (Ⅰ)風質調和

^ねん徳風とくふうやうやくおこりてどうす。 そのかぜ調じょうにしてさむからず、 あつからず。 おんりょうにゅうなんにして、 おそからず、 からず。

自然徳風ヤウヤリテ微動ルニ風調和シテ、不↠寒カラ不↠暑カラ。温涼柔軟ニシテ、不↠遅カラ不↠疾カラ

二 Ⅱ ⅱ b ヘ (二)(Ⅱ)風吹利益
              (ⅰ)妙声流香

^もろもろのもうおよびもろもろの宝樹ほうじゅくに、 りょうみょう法音ほうおん演発えんぽつし、 万種まんじゅおん徳香とくこう流布るふす。 ^それぐことあるものは、 *じん0285ろうじゅうねんおこらず

クニ↢諸羅網及宝樹↡、演↢発無量微妙法音↡、流↢布万種温雅徳香↡。其レバコト↡、塵労垢習、自然不↠起

二 Ⅱ ⅱ b ヘ (二)(Ⅱ)(ⅱ)触身生楽〔第39願成就〕

^かぜ、 そのるるに、 み0040らく。 たとへば比丘びく*滅尽めつじん三昧ざんまいるがごとし。

風触ルルニ↢其↡、皆得ルコト↢快楽ヘバ↣比丘ルガ↢滅尽三昧↡。

二 Ⅱ ⅱ b ヘ (二)(Ⅱ)(ⅲ)散華厳土〔第32願成就〕

【21】^またかぜ きてはな らし ぶつ遍満へんまんす。 いろだいしたがひて雑乱ぞうらんせず。 にゅうなん光沢こうたくにして*きょうこう芬烈ふんれつり。 あしそのうえむに、 くぼくだることすんあしげをはるにしたがひて、 還復げんぶくすることもとのごとし。

又風吹キテ↠華、徧↢満仏土↡。随ヒテ↢色次第↡而不↢雑乱柔軟光沢ニシテ馨香芬烈ナリ。足履ムニ↢其↡、クボルコト四寸、随ヒテ↢挙↠足ルニ↡、還復スルコトモト

^はなもちゐることすでにおわれば、 すなはちひらいでをもつてもつす。 清浄しょうじょうにしてのこりなし。 そのせつしたがひて、 かぜきてはならす。 かくのごとく*六返ろっぺんす。

華用ルコト已訖 ヲハ レバスナハ、以↠次デヲ化没。清浄ニシテ↠遺。随ヒテ↢其時節↡、風吹キテズルコト↠華↠是クノ

二 Ⅱ ⅱ b 依正互融徳【華光出仏〔第45願成就?〕

^また衆宝しゅぼうれんかいしゅうまんせり。 一々いちいちほうひゃく千億せんおくはなびらあり。 そのはなこうみょうりょうしゅいろあり。 しょうしきしょうこうびゃくしきびゃくこうあり、 げんおうしゅ光色こうしきもまたしかなり。 *よう煥爛かんらんとして日月にちがつよりもみょうようなり

又衆宝蓮華周↢満世界一一宝華百千億ハナビラアリ。其光明無量種アリ。青色青光、白色白光アリ玄・黄・朱・紫光色亦然ナリ暐曄煥爛トシテ明↢曜ナリ日月ヨリモ↡。

^一々いちいちはなのなかより*さんじゅうろっぴゃく千億せんおくひかりいだす。 一々いちいちひかりのなかよりさんじゅうろっぴゃく千億せんおくぶついだす。 身色しんじきこんにして相好そうごう殊特しゅどくなり。 一々いちいち諸仏しょぶつ、 またひゃくせんこうみょうはなちて、 あまねく十方じっぽうのためにみょうほうきたまふ。 かくのごときの諸仏しょぶつ各々かくかくりょうしゅじょうぶつしょうどうあんりゅうせしめたまふ」

一一ヨリ↢三十六百千億一一ヨリ↢三十六百千億↡。身色紫金ニシテ相好殊特ナリ。一一諸仏又放チテ↢百千光明↡、普↢十方↡説タマ↢微妙↠是クノ諸仏、各各安↢立セシメタマフト無量衆生於仏正道↡。

仏説ぶっせつりょう寿じゅきょう かんじょう

 

延書の底本は兵庫県毫摂寺蔵本。 なお、 宗祖加点本を元にした延書と対校し、 相違箇所を赤の点下線(クリックで内容表示)、 減語句を青の点下線で示している。 ただし、 こう功祚くそなどの音の違いは割愛した。
曹魏 三国時代の魏 (220-265) の別称。 王室の姓をとって曹魏と呼ぶ。
大比丘の衆 大いなる比丘の集まり。 後に列挙する菩薩衆に対すればしょう聞衆もんしゅである。
妙徳菩薩 文殊もんじゅさつのこと。
普賢大士の徳に遵へり 普賢菩薩のように、 慈悲行を実践するという意。
仏法蔵 真如しんにょほっしょうのこと。
 神識じんしき。 こころ。
色味 五欲 (しきしょうこうそくを対象とする欲) の中の二つを挙げて、 欲望を代表的に示す。
金流 清流。 釈尊の場合では、 ブッダガヤー(Buddha-gayā)に近いナイランジャナー(Nairañjanā)河を指す。
感徴 仏が成道するというずいを感得すること。
跏趺して坐す けっ跏趺坐かふざのこと。
官属 一族の者。 配下の者。
分衛 梵語ピンダ・パータ(piṇḍa-pāta)の音写。 こつじき・托鉢の意。
諸漏 もろもろの煩惱。 →
本学 幻師 (幻術者) の学問を指す。
貫綜縷練 徹底的に学び通達すること。
所住安諦 学んだ教えの上に心を落ち着かせて、 安らかになること。
仏の所住 仏のそなえるどく
大聖の所立 大聖は仏のこと。 仏の清浄しょうじょうな行い。
諸法の性 あらゆる存在の本性。
幻化の法 すべての事物は因縁いんねんによって生起したもので、 それ自身に固有な本性がないから幻のようである、 という道理。
中下 縁覚えんがくしょうもん
諸根智慧 一切しゅじょうの素質能力を知りわける智慧。
弁才の智 →四無礙智しむげち
所有の法 有為ういほう。 迷いによって現れたあらゆる世間の事柄。
諸根悦予 全身によろこびがあふれているさま。
光顔巍巍 光り暉く顔が気高くすぐれているさま。
明浄なる鏡…ごとし 底本延書には「あきらかなる鏡、 浄き影表裏に暢るがごとし」とある。
威容顕曜 姿がおごそかで、 光り輝いているさま 。
希特の法 とくにすぐれたぜんじょう
仏の所住 普遍平等の真理に安住する仏の境地。 とう三昧ざんまい
導師の行 人々を真実の世界へ導く師としての行。
最勝の道 最もすぐれたの境地。
如来の徳 自利利他を円満した徳。
慧見無碍 仏の智慧ちえが自在であること。
一餐 一度の食事。
如来…仏世尊 如来にょらいじゅうごう
無上正真道の意 この上ないさとりを求める心。 だいしんのこと。
戒と聞 かいもん
無明と欲と怒り 三毒煩悩ぼんのう無明は真理に対する無知、 欲は貪欲とんよく、 怒はしんの意。
聖法王 ここではざいおうぶつを指す。
大聖 仏のこと。
信明 信は誠信、 明は証明。 まことにして偽りなきことを証明すること。
真証 真実の証明。
無上正覚の心 だいしんのこと。
無上正覚の心 だいしんのこと。
世饒王仏 ざい王仏おうぶつのこと。
諸仏如来の浄土の行 諸仏がそれぞれの浄土を建立するための行。
無上殊勝の願 この上なくすぐれた本願。 →補註17
これ時なり 今が本願を説くべき時であるという意。
発起し悦可せしめよ 浄土願生の心を起さしめ、 よろこびの心を起さしめなさい。
他心を見る智 他心通のこと。
補註1
下三千…知るに至らば 底本延書には「乃至三千…知らば」とある。
不善の名 このましくない言葉。
 称揚の意で、 みょうごうをほめたたえること。
ただ 底本延書には「ただし」とある。
もろもろの功徳 定散の諸善のこと。 →じょうぜん散善さんぜん
もろもろの徳本を植ゑて 名号を称えるという意。
三十二大人相 さんじゅうそうのこと。
無上正真の道 のく多羅たらさんみゃくさんだいのこと。
常倫に…現前し 通常は 「常倫諸地の行を超出し、 現前に」 と読む。 常倫はつねなみ、 普通一般の意。
一食のあひだ 一度食事をするほどの短い時間。
金剛那羅延の身 堅固で那羅ならえんのように何者にも破壊されることのない力強い身体。
身心柔軟 摂取せっしゅこうみょうにつつまれた者は、 とんしんの三毒の煩悩ぼんのうが消えて、 身も心もやわらぐこと。 我執がしゅうがなくなること。
擣染 底本延書には、「染治」とある。
諸根闕陋 →補註14
定意 禅定のこころ。
第一第二第三法忍 三法忍さんぽうにんのこと。
諸仏の法 仏のさとりのこと。 「もろもろの仏法」 と読み、 第一、 第二、 第三法忍の法を指すとする説もある。
頌を説きていはく 底本延書には、 「偈をもって頌していはく」とある。
聞ゆるところなくは 聞えないところがあるならという意。
深正念 深い禅定ぜんじょう (精神統一) の境地。
無際の土 果てしのない世界。
昏盲の闇 昏盲とは智慧ちえのない暗い状態で、 その暗さを闇に喩える。
重暉 日と月の光による二重の輝き。
恢廓広大 限りなく広く大きいさま。
欲覚瞋覚害覚 むさぼり、 いかり、 害を加えようとする分別作用。 →三覚
欲想瞋想害想 想は外界の対象を知覚表象するはたらきで、 欲覚・瞋覚・害覚を生ぜしめる原因となる。 →三想
色声香味触法 感覚器官のはたらく対象。 →ろっきょう
染恚痴 さんどくのこと。
虚偽諂曲の心 うそいつわりの心、 相手にこびへつらう心。
意を先にして承問す 相手の意思を先んじて知り、 よく受け入れて教え導くこと。
大荘厳 三法さんぽう恭敬くぎょうし、 師長を奉事することによって得られた福徳ふくとく智慧ちえの二つの荘厳。 また、 誓願せいがんを指すという説もある。
空無相無願 さんだつもんのこと。
作なく起なく はからいがないという意。
法は化のごとし もろもろの現象 (法) は、 仮にすがたをとって現れた存在にすぎない。
転輪聖帝 転輪てんりんじょうおうのこと。
六欲天主 ろく欲天よくてんの各々の主。
栴檀香 栴檀せんだんの香気。
ここ しゃ世界。
恢廓曠蕩 果てしなく広々とし、 大きいさま。
光赫焜耀 光り輝くこと。
金剛鉄囲 てっせんのこと。
谿渠井谷 谿は谷、 渠は溝、井は井戸、 谷は水のない谷。
諸難の趣 もろもろの苦しみの世界。
もろもろの衆生 浄土のしょうじゃ
無量光仏…超日月光仏 阿弥陀仏の十二種の異名。 →十二光じゅうにこう
聞え 聞はこうみょうやくがそのままみょうごうどくであることを示す。
禅思一心に 思いを静め、 心を一つにして。
神智洞達 神通じんずう智慧ちえ弁才べんざいに通達していること。 あるいは、 不可思議の智慧に深く熟達していること。
一渧 ひとしずく。
 のこと。
 みきのこと。
行々 列と列。
勝げて視るべからず ことごとく見尽すことができない。
五つの音声 きゅうしょうかくの五音階。 →いん七声しちせい
深法忍 無生法忍のことで、 これをもって三法忍さんぼうにんを代表させるものとみられる。
縁ずる 対象を認識する。
清揚哀亮 音がきよらかであり、 あわれにしてさえわたること。「清揚」は底本延書には「清暢」とある。
一等 平等。 ひとしいこと。
雑色光茂 色とりどりに咲き乱れるさま。
所応 ねがい。 望み。
無所作 とらわれのない修行。
不起滅 しょうめつの真理。 消滅を超えた真理。
ただ余方に… 浄土の聖者しょうじゃを他方世界に順じて天とか人とか呼ぶのみで実の天でも人でもないという意。
たとへば… →補註5
不可計倍 はかることができないほどの倍数。
底極廝下 最低の暮しをしていること。
人理ほとほと… 人間らしい生活をほとんどしていないという意。
あへて善を修せず 底本延書には、「善を修することを信ぜず」とある。
他の有 他人の所有。
愚鄙廝極 最低の生活をしていること。
人類に示同す どうにか人間として暮しているというほどの意。
積善の余慶 過去に積んだ善の報いとして受ける幸福。
忉利天王 とうてんの主神。
第六天王 欲界よくかい第六天である他化たけざいてんの主のこと。
形色 (浄土の聖者しょうじゃの) すがたかたち。
校飾 宝を交えて飾りたてること。
馨香芬烈 香気が強いこと。
六返 昼夜六時 (晨朝じんじょう日中にっちゅう日没にちもつしょ中夜ちゅうや後夜ごや) に行うこと。
三十六百千億 浄土のれんには百千億の花びらがあり、 その花びらに青・白・玄・黄・朱・紫の六光があって相互に照らし合うから、 六六三十六の百千億の光になる。 一即一切、 一切即一という無礙むげの相をあらわしている。
底本は◎本派本願寺蔵版本。 Ⓐ高麗版(再雕本)¬大蔵経¼所収本、 Ⓑ宋版(思溪版)¬大蔵経¼所収本、 Ⓒ元版(普寧寺版)¬大蔵経¼所収本、 Ⓓ明版(万歴版)¬大蔵経¼所収本、 Ⓔ京都府清浄華院蔵平安時代書写本、 Ⓕ本派本願寺蔵正平六年書写本、 Ⓖ愛知県祐誓寺蔵建仁四年刊本 と対校。 ª全部対校º 人天→ⒷⒸⒹ天人、 硨磲→ⒶⒺⒻⒼ車
→Ⓖ
→Ⓐ
碼碯→Ⓐ瑪瑙→ⒺⒻⒼ馬瑙
→ⒶⒺⒻⒼ→ⒷⒸⒹ
→ⒶⒷⒸⒹⒺⒻⒼ
→Ⓐ障[閡]
→Ⓐ
→Ⓐ
→ⒷⒸⒹ
→ⒷⒸⒹ
→Ⓐ
→ⒺⒼ
→ⒷⒸⒹ
→Ⓐ
→ⒶⒷⒸⒹⒺⒻⒼ
→Ⓔ
→Ⓐ
→Ⓑ
→ⒶⒼ
→ⒶⒷⒸⒹ
→ⒷⒸⒹ
之網 Ⓐになし
化之 Ⓐになし
→Ⓕ
中下→Ⓓ化終
→Ⓕ
→ⒶⒷⒸⒹⒺⒻⒼ
→Ⓖ
→ⒺⒻⒼ
 Ⓐになし
諸庶→Ⓐ衆生
→Ⓐ
如純→Ⓐ猶如
 Ⓐになし
→Ⓓ
若自己→Ⓐ之若己
→Ⓕ
之等 Ⓐになし
→Ⓐ[無量]大
浄鏡→ⒶⒷⒸⒹ鏡浄
→ⒷⒸ→Ⓓ
→ⒷⒸⒹ特[之]
→ⒷⒸⒹⒺⒻ[諸]仏
→ⒷⒸⒹ師[之]
→ⒷⒸⒹ勝[之]
→ⒷⒸⒹ来[之]
→ⒶⒷⒸⒹ
→Ⓕ
→ⒺⒻⒼ
→ⒶⒷⒸⒹⒺⒻⒼ
欲拯→Ⓐ普令
→ⒷⒸⒹ拯[済]
恵以真実之→Ⓐ獲真法
→Ⓐ
→ⒺⒻⒼ
→Ⓓ
→ⒶⒷⒸⒹ
→ⒶⒷⒸⒹⒼ
→ⒶⒷⒸⒹⒺⒻⒼ
→ⒶⒷⒸⒹ
容顔→ⒷⒸⒹ顔容
→Ⓐ
→Ⓐ
使→ⒶⒷⒸⒹ
哀愍→ⒶⒷⒸⒹ愍哀
→ⒷⒸⒹ
→ⒶⒷⒸⒹ
信明→ⒷⒸⒹ明信
→Ⓐ
→ⒷⒸⒹ使
→ⒺⒻⒼ
→ⒷⒸⒹ
→ⒶⒷⒸⒹ自在
→ⒷⒸⒹ
→ⒺⒻⒼ
→ⒶⒷⒸⒹ
→ⒶⒷⒸⒹ
→ⒷⒸⒹ
 Ⓐになし
→Ⓐ不[悉]
 ⒶⒷⒸⒹになし
→Ⓐ
 ⒷⒸⒹになし
→ⒶⒷⒸⒹ
声聞→Ⓐ衆生→ⒷⒸⒹ衆生悉成
→ⒸⒹ
→ⒶⒷⒸⒺⒻⒼ
→ⒷⒸⒹ
→Ⓐ
→Ⓐ
→Ⓐ数億→ⒷⒸⒹ量[億]
→Ⓕ
欲求→ⒶⒷⒸⒹ求欲
→ⒶⒺ→ⒻⒼ
→Ⓔ→ⒻⒼ
→ⒶⒷⒸⒹ
如是→Ⓐ
 ⒷⒸⒹになし
→Ⓐ
若有→ⒷⒸⒹ有求
擣染→Ⓐ染治
→ⒷⒸⒹ覩[見]
→ⒶⒸⒹ
→Ⓐ
諸仏→Ⓐ如来
→ⒷⒸⒹ一[忍]
而説→ⒷⒸⒹ以偈
→Ⓕと右傍註記
→ⒷⒸ
→ⒷⒸ
→ⒶⒷⒸⒹ
→ⒶⒹ
→ⒷⒸⒹ
→ⒶⒷⒸⒹ
→ⒷⒸⒹ
→Ⓔ耀
→Ⓔ
→Ⓐ
→Ⓐ
→ⒶⒷⒸⒹ
→ⒷⒸⒹ
→ⒶⒷⒸⒹ
時彼→ⒶⒷⒸⒹ法蔵
→Ⓐ
→ⒶⒷⒸⒹⒼ
→ⒶⒷⒸⒹⒺⒻⒼ
→Ⓐ触[之]
→Ⓖ
→Ⓐ
→Ⓐ
→Ⓐ
→ⒺⒻⒼ
→Ⓓ
→Ⓕ
→ⒶⒷⒸⒺⒻⒼ
天人→Ⓐ人天
→ⒶⒷⒸⒹ
瑠璃→Ⓕ璃瑠
→Ⓐ
琥珀→ⒺⒼ虎魄
→Ⓑ
→Ⓕ
→Ⓑ
碼碯→Ⓐ瑪瑙→ⒷⒺⒻⒼ馬瑙
→Ⓒ
→ⒷⒸⒹ
入間→Ⓓ間入
焜耀→ⒷⒸⒹ煜爍
→ⒺⒻⒼ 
 ⒶⒷⒸⒹになし
→ⒶⒷⒸⒹ
→Ⓖ
有仏光 ⒷⒸⒹになし
→Ⓔ→Ⓖ
→ⒷⒸ
 ⒷⒸⒹになし
 ⒶⒷⒸⒹになし
 ⒶⒷⒸⒹになし
焔王光→ⒷⒸ光炎王
→Ⓓ→Ⓖ
→Ⓐ
→ⒷⒸⒹ
→Ⓐ
→ⒷⒸⒹ[又]無
→ⒺⒻⒼ
→Ⓔ
→Ⓐ
→Ⓐ[能]如
 ⒶⒷⒸⒹになし
→ⒶⒷⒸⒹⒺⒻⒼ
→ⒺⒻⒼ
→ⒶⒺⒻⒼ
→ⒶⒷⒸ
玻瓈→ⒶⒺⒻⒼ頗梨
→ⒷⒸ
→Ⓐ→ⒺⒻⒼ
→ⒶⒷⒸ→ⒺⒻⒼ
→ⒷⒸⒹ磲[之]
→ⒶⒷ→ⒺⒻⒼ
→ⒷⒸ
→ⒶⒺⒻⒼ
→ⒶⒸⒺⒻⒼ
此諸宝樹 ⒶⒷⒸⒹになし
→ⒶⒷⒸⒹⒺⒻⒼ
→ⒶⒷⒸⒹ
→Ⓒ
吹諸枝葉演 Ⓐになし
枝葉→ⒷⒸⒹ宝樹
無量 Ⓐになし
声其声流布徧諸→Ⓐ普流十方一切
其聞→ⒸⒸⒹ聞其
耳根清徹 Ⓐになし
耳聞其音 ⒷⒸⒹになし
→ⒷⒸⒹ
一切 ⒷⒸⒹになし
→ⒷⒸⒹ国[土]
→Ⓔ
→ⒶⒷⒸⒹⒻ
→ⒷⒸⒹ
→Ⓓ
各皆→ⒷⒸⒹ皆各
琥珀→ⒺⒻⒼ虎魄
碼碯→Ⓐ瑪瑙→ⒺⒻⒼ馬脳
→ⒷⒸⒹ或[有]
→Ⓓ
→ⒷⒸⒹ
→Ⓐ
→Ⓐ
琥珀→ⒺⒻⒼ虎魄
→ⒶⒷ
→Ⓐ
→ⒺⒻⒼ
→ⒶⒷⒸⒹ
天人→Ⓐ人天
→Ⓔ
→ⒷⒸⒹⒼ
→ⒶⒷⒸⒺⒻⒼ
→ⒶⒷⒸⒹ
聚積→Ⓐ積聚
→Ⓑ
→ⒶⒷⒸⒸⒼ
→Ⓐ
→ⒷⒸⒹⒺⒻⒼ
→ⒷⒸⒹ
→Ⓑ𧬰
→ⒶⒷⒸⒻ→Ⓓ
→ⒶⒷⒸⒹⒺⒻⒼ
 Ⓐになし
 Ⓐになし
→ⒶⒷⒸⒺⒻⒼ
天人→Ⓐ人天
→Ⓐ
→Ⓐ
→Ⓔ
→ⒷⒸⒹ
→ⒷⒸⒹ
→ⒶⒷⒸⒹⒺⒻⒼ
→Ⓐ
→ⒷⒸⒹ
暐曄→ⒶⒷⒸⒹⒺⒼ煒燁
たまへ
なり。
けん
ありき。
す。
げんじて
なる
ぎやう
しやう
こう
えん
して
てい
し、
れい
く。
し。
しかうして
なをし
しむ
せらるゝ
ざる
たく
なん
によ
偏袒へんだんけん
けふ
あきらかなるかゞみ、 きよきかげ
のひかり、 ひかり
まく
したまふ
すらくをきかん
しゆ
ねう
ごくなり
ともがら
じむ
あう
ぶちして
からん。
不可計ふかけ
諸国しよこく
わがぶち
等双とうさうなけん
りて
なか
如説によせち
く、
仏所ぶちしよ
けいして
礼足らいそく
繞仏ねうぶち
しやうごむぶち
て、
よて
寿終じゆじゆ之後しご
所説しよせち
ない
りん寿終じゆじゆ
わがくにをねむして
あそび
をばのぞく
せん。
よくする
にして
べん
しよ
きやうせざることなからん
所受しよじゆ
をもてじゆして
じやう仏道ぶちだうにいたらんに
しゆぼむぎやうとをして
てんくわう
説法せちぽふ
たまへる
から
ふり
にさいだて
けん
しやく累徳るいとく
をいだす。
現在げんざいしたまふ
もん
らい
しき
ぼう
この
、 かるがゆへに
をてらすあり、
すあり
転倍てんばい
照耀せうえうす。
くこと
また
おもひをもはらにししんをひとつにし
りやうなり
てい
うへき
銀葉ごむえふ
くゑ
くわ
金葉こむえふ
真筆延書:以下 まで一葉欠失
きて
のいろ
しゆち
じやう仏道ぶちだう
れば
ちやう
なり
はく
ぎよく
調でうりやうなんにして、 ねんずいなり
所聞しよもん
咸同げんどう
へん
けん
ざるによりてなり。
たから
あるにとみ
ぜんしゆすることをしん
をへ
ましめて
をへて
る。
けい
こと
ふき
開裂かいれちして
えふ