0653◎往生0683礼讃
沙門*善導集記
一 明願生要示用讃意【前序】
【1】 ◎^一切衆生を勧めて、 西方極楽世界の阿弥陀仏国に生ぜんと願る六時礼讃の偈。
◎勧0911メテ↢一切衆生ヲ↡、†願ゼシムル↠生ゼムト↢西方極楽世界ノ阿弥陀仏‡国ニ↡六時礼讃ノ偈。
一 Ⅰ 略叙造意
ⅰ 正明造意
a 出讃体
^つつしみて ¬*大経¼、 および*龍樹・*天親、 この土 (中国) の沙門等の所造の往生礼讃によりて、 集めて一処に在き、 分ちて六時を作る。
謹ミテ依[リ]テ↢¬*大経¼及[ビ]龍樹・天親、此ノ土ノ沙門等ノ所造ノ往生礼讃ニ↡、集メテ在†キ↢一処ニ↡、分[チ]テ作ル‡↢六時ヲ↡。
一 Ⅰ ⅰ b 示所為
^ただ相続して心を係けて*往益を助成せんと欲す。 また願はくは*未聞を暁悟して、 遠く*遐代を沾さんのみ。
唯欲ス↣相続シテ係[ケ]テ↠心ヲ助↢成セムト往益ヲ↡。亦願クハ暁↢悟シテ未聞ヲ↡、遠ク沾サム↢遐代ヲ↡†耳。
一 Ⅰ ⅱ 叙六時
^何者ぞ。 ↓第一につつしみて ¬大経¼ に釈迦および十方の諸仏、 *弥陀の十二光の名を讃歎して、 「*称・礼・念すればさだめてかの国に生ず」 と勧めたまふによりて、 十九拝、 *日没の時に当りて礼す。
†何者ゾ。第一†ニ*謹ミテ依[リ]テ↫¬*大経ニ¼釈迦及ビ十方ノ諸仏‡讃↢歎†シテ弥陀ノ十二光ノ名ヲ↡、勧メ†タマフニ↣称礼念†スレバ定[メ]テ生†ズト↢彼[ノ]国ニ↡、十九拝、†当リテ↢日没ノ時ニ↡礼ス。
^↓第二につつしみて *¬大経¼ によりて要文を採集して、 もつて礼讃の偈となす。 二十四拝、 *初夜の時に当りて礼す。
第二ニ謹[ミ]テ依[リ]テ↢¬大経ニ¼↡†採↢集シテ要文ヲ↡、以テ為ス↢礼讃ノ偈ト↡。二十*四拝、†当リテ↢初夜ノ時ニ↡礼ス。
^↓第三につつしみて龍樹菩薩の願往生礼讃の偈 (*十二礼) によりて、 十六拝、 *中夜の時に当りて礼す。
第三ニ*謹[ミ]テ依†リテ↢龍樹菩薩ノ願往生礼讃ノ偈ニ↡、十六拝、†当リテ↢中夜ノ時ニ↡礼ス。
^↓第四につつしみて天親菩薩の願往生礼讃の偈 (*浄土論) に0654よりて、 二十拝、 *後夜の時に当りて礼す。
第四ニ*謹[ミ]テ依†リテ↢天親菩薩ノ願往生礼讃ノ偈ニ↡、二十拝、†当リテ↢後夜ノ時ニ↡礼ス。
^↓第五につつしみて**彦琮法師の願往生礼讃の偈によりて、 二十一拝、 *晨朝の時に当りて礼す。
第五ニ*謹[ミ]テ依†リテ↢彦琮法師ノ願往生礼讃ノ偈ニ↡、二十*一拝、†当リテ↢晨朝ノ時ニ↡礼ス。
^↓第六に沙門善導の願往生礼讃の偈、 つつしみて*十六観によりて二十拝を作る。 *午時に当りて礼す。
第六[ニ]*沙門善導[ノ]願往生礼讃[ノ]偈、*謹[ミ]テ依[リ]テ↢十六観ニ↡作†ル↢二十拝ヲ↡。†当リテ↢午‡時ニ↡礼ス。
一 Ⅱ 広明願生要
ⅰ 問
【2】 ^0684▼問ひていはく、 いま人を勧めて往生せしめんと欲せば、 いまだ知らず、 いかんが安心・起行・作業してさだめてかの国土に往生することを得るや。
▲問0912[ヒテ]曰[ク]、今欲セ†バ↢勧[メ][テ]↠人ヲ往生[セシ]メムト↡者、未ズ ダ↠知ラ、何為安心・起行・作業†シテ定[メ]テ得ル↣往↢生[スル]コトヲ彼[ノ]国土ニ↡也。
一 Ⅱ ⅱ 答
a 約開明安心行業
イ【安心】
(一)標
^◆答へていはく、 かならずかの国土に生ぜんと欲せば、 ▼¬*観経¼ に説きたまふがごときは、 ▲三心を具してかならず往生を得。 なんらをか三となす。
~答[ヘテ]曰[ク]、必ズ欲[セバ]↠生[ゼ]ムト↢彼[ノ]国土ニ↡者、如キ↢¬観経ニ¼説[キタマフ]ガ↡*者、具シテ↢三心ヲ↡必ズ得↢往生ヲ↡。何*等ヲカ†為ス↠三ト。
一 Ⅱ ⅱ a イ (二)列三心
(Ⅰ)至誠心
^▲一には至誠心。 ▲いはゆる身業にかの仏を礼拝し、 口業にかの仏を讃歎称揚し、 意業にかの仏を専念観察す。 *おほよそ三業を起さば、 かならずすべからく真実なるべし。 ゆゑに至誠心と名づく。
~一ニ者至誠心。†所謂ル身業ニ礼↢拝シ彼ノ仏ヲ↡、口業[ニ]讃↢歎称↣*揚シ彼[ノ]仏ヲ↡、意業ニ専↢念観↣察ス彼[ノ]仏[ヲ]↡。凡ソ起[サ]†バ↢三業ヲ↡必ズ†須クシ↢真実ナル↡。故ニ名ク↢至誠心ト↡。
一 Ⅱ ⅱ a イ (二)(Ⅱ)深心
^▲二には▼深心。 すなはちこれ▼真実の信心なり。 ▲自身はこれ煩悩を具足する凡夫、 善根薄少にして三界に流転して火宅を出でずと信知し、 ▼いま▲弥陀の*本弘誓願は、 名号を称すること下▼*十声・一声等に至るに及ぶまで、 さだめて往生を得と信知して、 すなはち一念に至るまで疑心あることなし。 ゆゑに深心と名づく。
~二[ニ]者深心。即[チ]是真実ノ信心ナリ。信↧知†シ自身ハ是具↢足セル煩悩ヲ↡凡夫、善根薄少†ニシテ流↢転シテ三界ニ↡不ト↞出[デ]↢火宅ヲ↡、今信↪知シテ弥陀ノ本弘誓願ハ、及[ブ]マデ↧称スルコト↢名号ヲ↡†下至ルニ十声*一声等ニ↥、定[メ]テ得ト↩往生ヲ↨、†乃チ至ルマデ↢一念ニ↡無シ↠有[ルコト]↢疑心↡。故[ニ]名ク↢深心ト↡。
一 Ⅱ ⅱ a イ (二)(Ⅲ)回向発願心
^▲三には回向発願心。 所作の一切の善根ことごとくみな回して往生を願ず。 ゆゑに回向発願心と名づく。
~三[ニ]者廻向発願心。所作ノ一切ノ善根悉ク皆廻シテ願ズ↢往生ヲ↡。故[ニ]名ク↢廻向発願心ト↡。
一 Ⅱ ⅱ a イ (三)判具欠
^▲この三心を具すれば、 かならず生ずる0655ことを得。 ▼*もし一心も少けぬれば、 すなはち生ずることを得ず。 ¬観経¼ につぶさに説くがごとし、 知るべし。
~具†スレバ↢此[ノ]三心ヲ↡必ズ得↠†生ズルコトヲ也。若[シ]少[ケ]ヌレバ↢一心[モ]↡、即[チ]不↠*得↠生[ズルコト]ヲ。如シ↢¬観経ニ¼具ニ説[ク]ガ↡、応[シ]↠知[ル]。
一 Ⅱ ⅱ a ロ【起行】
(一)標
【3】 ^▼また天親の ¬浄土論¼ にいふがごとし。 もしかの国に生ぜんと願ずることあるものには、 ▼勧めて*五念門を修せしむ。 五門もし具すれば、 さだめて往生を得。 何者をか五となす。
~又如[シ]↢天親ノ¬浄土論ニ¼云フガ↡。若[シ]有ル↠願[ズル]コト↠†生ゼムト↢彼ノ国ニ↡者ニハ、勧メテ修[セ]シム↢五念門ヲ↡。五門若[シ]具†スレバ定[メ]テ得↢往生ヲ↡。何者[ヲ]カ為[ス]↠五ト。
一 Ⅱ ⅱ a ロ (二)列
(Ⅰ)礼拝門
^一には身業礼拝門。 いはゆる一心にもつぱら恭敬を至して、 合掌し香華供養して、 かの阿弥陀仏を礼拝す。 礼するにはすなはちもつぱらかの仏を礼して、 畢命を期となして*余礼を雑へず。 ゆゑに礼拝門と名づく。
~一[ニ]者身業礼拝門。†所謂ル†一心ニ専ラ至シテ↢恭敬ヲ↡、合掌シ香華供養シテ、礼↢拝ス彼[ノ]阿弥陀仏ヲ↡。礼[ス]ルニハ即[チ]専ラ礼シテ↢彼[ノ]仏ヲ↡、畢命ヲ為シテ↠期ト不↠雑ヘ↢余礼ヲ↡。故ニ名ク↢礼拝門ト↡。
一 Ⅱ ⅱ a ロ (二)(Ⅱ)讃嘆門
^二には口業讃歎門。 いはゆる意をもつぱらにして、 かの仏の身相・光明、 一切の聖衆の身相・光明、 およびかの国中の一切の宝荘厳・光明等を讃歎す。 ゆゑに讃歎門と名づく。
~二[ニ]者口業讃歎門。†所謂ル専[ニ]シテ↠*意[ヲ]、讃↢歎ス彼ノ仏[ノ]身相・光明、一切ノ聖衆ノ身相・光明、及[ビ]彼ノ国‡中ノ一切ノ宝荘厳・光明等ヲ↡。故ニ名ク↢讃歎門ト↡。
一 Ⅱ ⅱ a ロ (二)(Ⅲ)観察門
^三には意0685業憶念観察門。 いはゆる意をもつぱらにして、 かの仏および一切の聖衆の身相・光明、 国土の荘厳等を念観す。 ¬観経¼ に説きたまふがごとく、 ただ睡時を除きて、 この事等をつねに憶しつねに念じつねに想しつねに観ず。 ゆゑに観察門と名づく。
~三[ニ]者意0913業憶念観察門。†所謂ル専[ニ]シテ↠意[ヲ]、念↢観ス彼[ノ]仏及[ビ]一切ノ聖衆ノ身相・光明[、]国土ノ荘厳等ヲ↡。如†ク↢¬観経[ニ]¼説[キタマフ]ガ↡、唯除キテ↢睡時ヲ↡、†恒ニ↢憶シ恒ニ↣念ジ恒ニ↤想シ恒ニ↯観ズ此ノ事等ヲ↡。故[ニ]名ク↢観察門ト↡。
一 Ⅱ ⅱ a ロ (二)(Ⅳ)作願門
^四には作願門。 いはゆる心をもつぱらにして、 もしは昼、 もしは夜、 一切時、 一切処に、 三業・四威儀の所作の功徳、 初・中・後を問はず、 みなすべからく真実心のうちに発願して、 かの国に0656生ぜんと願ずべし。 ゆゑに作願門と名づく。
~四[ニ]者作願門。†所謂ル専[ニ]シテ↠心ヲ、若シハ昼若[シハ]夜、一切‡時一切‡処[ニ]、三業四威儀ノ所作ノ功徳、不↠問ハ↢初・中・後ヲ↡、皆†須クシ↢真実心ノ中ニ発願シテ願ズ↟生ゼムト↢彼ノ国ニ↡。故ニ名[ク]↢作願門ト↡。
一 Ⅱ ⅱ a ロ (二)(Ⅴ)回向門
(ⅰ)往相
^五には回向門。 いはゆる心をもつぱらにして、 もしは自作の善根、 および一切の三乗・五道、 一々の*聖凡等の所作の善根に深く随喜を生じ、 諸仏・菩薩の所作の随喜のごとく、 われもまたかくのごとく随喜して、 この随喜の善根およびおのが所作の善根をもつて、 みなことごとく衆生とこれをともにしてかの国に回向す。 ゆゑに回向門と名づく。
~五[ニ]者廻向門。†所謂ル専[ニ]シテ↠心ヲ、若[シ]ハ自作ノ善根、及ビ一切ノ三乗・五道、一一ノ聖凡等ノ所作ノ善根ニ深ク生ジ↢随喜ヲ↡、如ク↢諸仏・菩薩ノ所作ノ随喜ノ↡、我モ亦如ク↠是[クノ]随喜†シテ、以テ↢此ノ随喜ノ善根及[ビ]己[ガ]所作ノ善根ヲ↡、皆悉ク与↢衆生↡†共ニシテ↠之ヲ廻↢向ス彼[ノ]国ニ↡。故[ニ]名[ク]↢廻向門ト↡。
一 Ⅱ ⅱ a ロ (二)(Ⅴ)(ⅱ)還相
^またかの国に到りをはりて六神通を得て*生死に回入して、 衆生を教化すること*後際を徹窮して心に*厭足なく、 すなはち成仏に至るまでまた回向門と名づく。
~又到リ↢彼[ノ]国ニ↡已[リ]テ得テ↢六神通ヲ↡廻↢入シテ生死ニ↡、教↢化†スルコト衆生ヲ↡徹↢窮シテ後際ヲ↡心ニ無ク↢厭足↡、†乃チ至ルマデ↢成仏ニ↡亦名ク↢廻向門ト↡。
一 Ⅱ ⅱ a ロ (三)結釈心行合起
^五門すでに具しぬれば、 さだめて往生を得。 一々の門上の三心と合して、 随ひて業行を起せば、 多少を問はず、 みな真実の業と名づく、 知るべし。
~五門既ニ具[シ]ヌレバ定[メ]テ得↢往生ヲ↡。一一ノ門与↢上ノ三心↡合シテ、随[ヒ]テ起†セバ↢業行ヲ↡、不↠問[ハ]↢多少ヲ↡、皆名ク↢真実[ノ]業ト↡也、応[シ]↠知[ル]。
一 Ⅱ ⅱ a ハ【作業】
(一)正明念仏四修
(Ⅰ)標三法合用
【4】 ^▼また勧めて四修の法を行ぜしめて、 もつて三心・五念の行を策ましてすみやかに往生を得しむ。 何者をか四となす。
~又勧[メ]テ行ゼシメテ↢四修ノ法[ヲ]↡、用テ策シテ↢三心・五念之行ヲ↡、速ニ得シム↢往生ヲ↡。何者[ヲ]カ†為ス↠四ト。
一 Ⅱ ⅱ a ハ (一)(Ⅱ)正明四修
(ⅰ)恭敬修
^◆一には恭敬修。 いはゆるかの仏およびかの一切の聖衆等を恭敬礼拝す。 ゆゑに恭敬修と名づく。 ▼畢命を期となして誓ひて0657中止せざる、 すなはちこれ長時修なり。
~一[ニ]者恭敬修。†所謂ル恭↢敬礼↣拝ス彼[ノ]仏及[ビ]彼[ノ]一切[ノ]聖衆等ヲ↡。故[ニ]名ク↢恭敬修ト↡。畢命[ヲ]為シテ↠期ト誓[ヒ]テ不ル↢中止セ↡、即[チ]是長時修ナリ。
一 Ⅱ ⅱ a ハ (一)(Ⅱ)(ⅱ)無余修
^◆二には無余修。 いはゆる▼もつぱらかの仏の名を称して、 かの仏および一切の聖衆等を専念し、 専想し、 専礼し、 専讃して、 *余業を雑へず。 ゆゑに無余修と名づく。 畢命を期0686となして誓ひて中止せざる、 すなはちこれ長時修なり。
~二[ニ]者無余修。†所謂ル†専ラ称シ[テ]↢彼ノ仏[ノ]名ヲ↡、専↢念[シ]専↣想[シ]専↤礼[シ]専↯讃†シテ彼ノ仏及ビ一切[ノ]聖衆等ヲ↡不↠雑ヘ↢余業ヲ↡。故[ニ]名ク↢無余修ト↡。畢命ヲ為シテ↠期0914ト誓[ヒ]テ不ル↢中止セ↡、即[チ]是長時修ナリ。
一 Ⅱ ⅱ a ハ (一)(Ⅱ)(ⅲ)無間修
^◆三には無間修。 いはゆる▼相続して恭敬礼拝し、 称名讃歎し、 憶念観察し、 回向発願し、 ▼心々相続して余業をもつて来し間へず。 ゆゑに無間修と名づく。 また▼*貪瞋煩悩をもつて来し間へず。 *随犯随懴して、 念を隔て時を隔て日を隔てしめず、 つねに清浄ならしむるをまた無間修と名づく。 ▼畢命を期となして誓ひて中止せざる、 すなはちこれ長時修なり。
~三[ニ]者無間修。†所謂ル相続シテ恭敬礼拝[シ]、†称名讃歎[シ]、憶念観察[シ]、廻向発願†シ、心心相続シテ不↧以テ↢余業ヲ↡来シ†間ヘ↥。故ニ名ク↢無*間修ト↡。又不↧以テ↢貪瞋煩悩ヲ↡来シ†間ヘ↥。†随犯随懴シテ、不↠令メ↢隔テ↠念[ヲ]隔テ↠時[ヲ]隔テ↟日ヲ、常ニ使ムルヲ↢清浄ナラ↡亦名ク↢無間修ト↡。畢命ヲ為シテ↠期ト誓[ヒ]テ不†ル↢中止セ↡、即[チ]是長時修ナリ。
一 Ⅱ ⅱ a ハ (二)菩薩作業
^▼また菩薩すでに生死を免れて、 所作の善法*回して仏果を求むるは、 すなはちこれ自利なり。 衆生を教化して*未来際を尽すは、 すなはちこれ利他なり。 しかるにいまの時の衆生ことごとく煩悩のために*繋縛せられて、 いまだ悪道生死等の苦を免れず。 縁に随ひて行を起して、 一切の善根つぶさにすみやかに回して、 阿弥陀仏国に往生せんと願ぜよ。 かの国に到りをはりて、 さらに畏るるところなし。 上のごとき四修*自然任運にして、 自利利他具足せざるはなし、 知るべし。
~又菩薩已ニ免レテ↢生死ヲ↡、所作ノ善法廻シテ求ムルハ↢仏果ヲ↡、即[チ]是自利ナリ。教↢化シテ衆生ヲ↡尽スハ↢未来際ヲ↡、即[チ]是利他ナリ。然ル†ニ今[ノ]時ノ衆生悉ク為[ニ]↢煩悩ノ↡繋縛[セラ]レテ、未ズ ダ↠免レ↢悪道生死等ノ苦ヲ↡。†随ヒテ↠縁ニ起シテ↠行ヲ、一切ノ善根*具ニ速ニ廻シテ、願ゼヨ↣往↢生セムト*阿弥陀仏国ニ↡。到リ↢彼[ノ]国ニ↡已[リ]†テ、更ニ無シ↠所↠畏ルル。如[キ]↠上ノ四修自然任マカセ運ハコブニシテ、自利・利他無シ↠†不ルハ↢具足セ↡、応[シ]↠知[ル]。
一 Ⅱ ⅱ b 約合明一行三昧
イ 正明
【5】 ^▼また ¬*文殊般若¼ (意) にのたまふがごとし。 「▲*一行三昧を明かさば、 ただ独り*空閑に処してもろもろの乱意を捨て、 心を一仏に係けて*相貌を観ぜず、 もつぱら名字を称することを勧む。 すなはち念のうちにおいて、 かの阿弥陀仏お0658よび一切の仏等を見たてまつることを得」 と。
~又如シ↢¬文殊*般若ニ¼云[フ]ガ↡。「†明サバ↢一行三昧[ヲ]↡、唯†勧ム↧独リ処シテ↢空閑ニシヅカ↡捨テ‡↢諸ノ乱意ヲ↡、係ケテ↢心ヲ一仏ニ↡不↠観ゼ↢相貌ヲ↡、専ラ称スルコトヲ↦名字ヲ↥。即[チ]於テ↢念ノ中ニ↡得[ト]↠見[タテマツル]コトヲ↢彼ノ阿弥陀仏及ビ一切ノ仏等ヲ↡。」
一 Ⅱ ⅱ b ロ 問答
(一)決観称難易
(Ⅰ)問
^▼問ひていはく、 なんがゆゑぞ、 観をなさしめずしてただもつぱら名字を称せしむるは、 なんの意かあるや。
~問[ヒテ]曰[ク]、何ガ故ゾ不シテ↠令メ↠作サ↠観ヲ†直遣ムル↣専ラ称セ↢名字ヲ↡者、有[ル]↢何[ノ]意カ↡也。
一 Ⅱ ⅱ b ロ (一)(Ⅱ)答
^◆答へていはく、 すなはち▼衆生障重くして、 *境は細に心は粗なるによりて、 *識颺り神飛びて、 観成就しがたし。 ここをもつて大聖 (*釈尊) 悲憐して、 ただ勧めてもつぱら名字を称せしむ。 まさしく称名は易きによるがゆゑに、 相続してすなはち生ず。
~答[ヘテ]曰[ク]、†乃チ†由[リ]テ↢衆生障重[ク]シテ、境ハ細ニ心ハ麁ナルニ↡、識颺リ†神飛[ビ]テ、観難シ↢成就シ↡*也。是ヲ以テ大聖悲憐シテ、†直ダ勧[メ]テ専ラ称[セ]シム↢名字ヲ↡。正[シ]ク由ルガ↢称名ハ易[キ]ニ↡故ニ、相続シテ即[チ]生ズ。
一 Ⅱ ⅱ b ロ (二)決念境応否
(Ⅰ)問
^◆問ひていはく、 すでにもつぱら一仏を称せしむるに、 なんがゆゑぞ、 *境現ずることすなはち多き。 これあに*邪正あひ交はり、 *一多雑現するにあらずや。
~問[ヒテ]曰[ク]、既ニ遣ム[ルニ]↣専[ラ]称セ↢一仏ヲ↡、何ガ故ゾ境現[ズル]コト即[チ]多キ。此豈ニ非ズ‡↢邪正相交リマジリ一多雑現[ス]ルニ↡也。
一 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)答
(ⅰ)正釈念仏義
^◆答へていはく、 仏と仏と斉しく証して、 形二0687の別なし。 たとひ一を念じて多を見ること、 なんの大道理にか乖かんや。
~答[ヘテ]曰[ク]、仏ト仏ト斉[シ]ク証シテ、形無0915[シ]↢二[ノ]別↡。縦使念ジテ↠一[ヲ]見[ル]†コト↠多ヲ、乖カム↢何ノ大道理ニ[カ]↡也。
一 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)因示向西軌
^◆また ¬観経¼ にのたまふがごとし。 仏、 *坐観・礼念等、 みな▼面を西方に向かふるを須ゐるは最勝なりと勧めたまふ。 ▲樹の先より傾けるは倒るるに、 かならず曲れるに随ふがごとくなるがゆゑなり。 かならず事の礙ありて西方に向かふに及ばずは、 ただ西に向かふ想をなすもまた得たり。
~又如[シ]↢¬観経ニ¼云[フ]ガ↡。*仏†勧メタマフ↧坐観・礼念等、皆須[ヰ]ル↣面ヲ向[フ]ル‡ヲ↢西方ニ↡者最勝ナリト↥。†如クナルガ↢†樹ノ先ヨリ傾ケルハ倒ルル†ニ必ズ随フガ↟曲レルニ故ナリ。必[ズ]有[リ]テ↢事ノ礙↡不ハ↠及[バ]↠向フニ↢西*方ニ↡、但†作スモ↢向フ↠西ニ想ヲ↡亦得タリ。
一 Ⅱ ⅱ b ロ (三)明専勧因縁
(Ⅰ)問
^▼問ひていはく、 一切の諸仏三身同じく証し、 *悲智の果円かにしてまた無二なる0659べし。 方に随ひて一仏を礼念し課称せんに、 また生ずることを得べし。 なんがゆゑぞ、 ひとへに西方を歎じて、 勧めて礼念等をもつぱらにせしむるは、 なんの義かあるや。
~問[ヒテ]曰[ク]、一切ノ諸仏‡三身同[ジ]ク証シ、悲・智[ノ]果円カニ[シテ]亦応シ↢†無二ナル↡。随[ヒ]テ↠方ニ†礼↢念シ*課↣称セムニ一仏ヲ↡、亦応シ↠得↠生[ズル]コトヲ。何ガ故ゾ偏ニ†歎ジテ↢西方ヲ↡、†勧メテ専ニセシムルハ↢礼念等ヲ↡、有[ル]↢何ノ義カ↡也。
一 Ⅱ ⅱ b ロ (三)(Ⅱ)答
(ⅰ)明同即別遮初問
^◆答へていはく、 ▼諸仏の所証は平等にしてこれ一なれども、 もし願行をもつて来し収むるに因縁なきにあらず。
~答[ヘテ]曰[ク]、諸仏ノ所証[ハ]平等ニシテ是一ナレドモ、若[シ]以テ↢願行ヲ↡†来シ収ムルニ非ズ↠無キニ↢因縁↡。
一 Ⅱ ⅱ b ロ (三)(Ⅱ)(ⅱ)正明専勧深由【光号摂化】
^◆しかるに弥陀世尊、 本深重の誓願を発して、 ▲光明・名号をもつて十方を*摂化したまふ。 ただ信心をもつて求念すれば、 ▼上*一形を尽し下十声・一声等に至るまで、 仏願力をもつて易く往生を得。 このゆゑに釈迦および諸仏勧めて西方に向かはしむるを*別異となすのみ。 またこれ余仏を称念して障を除き、 罪を滅することあたはざるにはあらず、 知るべし。
~然†ルニ弥陀世尊、本発シテ↢深重ノ誓願ヲ↡、*以テ↢光明・名号ヲ↡摂↢化[シ]タマフ十方ヲ↡。但使‡信心†ヲモテ求念スレバ、上尽シ↢一形ヲ↡下至[ル]マデ↢十声一声等ニ↡、以テ↢仏願力ヲ↡†易ク得↢往生ヲ↡。是ノ故ニ釈迦及以諸仏勧メテ向†ハシムルヲ↢西方ニ↡為ス↢別異ト↡*耳。亦非ズ↧是称↢念シテ余仏ヲ↡不[ル]ニハ↞能ハ↢除キ↠障ヲ、滅[スル]コト↟罪ヲ也、応シ↠知[ル]。
一 Ⅱ ⅱ c 決判専雑得失【専雑得失】
イ 正拠教理判
(一)判専修得
【6】 ^▼もしよく▼上のごとく▼念々相続して、 畢命を期となすものは、 十はすなはち十ながら生じ、 ▼百はすなはち百ながら生ず。 ◆なにをもつてのゆゑに。 ▼1*外の雑縁なくして▼正念を得るがゆゑに、 ▼2仏の本願と相応することを得るがゆゑに、 3教に違せざるがゆゑに、 4仏語に随順するがゆゑなり。
~若[シ]能ク如ク↠上ノ念念相続シテ、畢命ヲ†為ス↠期ト†者ハ、十[ハ]即[チ]十[ナガ]ラ生ジ、百[ハ]即[チ]百[ナガラ]生ズ。何ヲ以[テ]ノ故ニ。無ク[シテ]↢外ノ雑縁↡得ルガ↢正念ヲ↡故ニ、与↢仏ノ本願↡得ルガ↢相応[スル]コトヲ↡故ニ、不ル[ガ]↠違セ↠教ニ故ニ、随↢順[スル]ガ仏語ニ↡故†ナリ。
一 Ⅱ ⅱ c イ (二)決雑修失
・決不定失
^▼もし*専を捨てて*雑業を修せんと欲するものは、 百は時に希に一二を得、 千は時に希に三五を得。
~若[シ]†欲スル↣捨テテ↠専ヲ修セムト↢雑業ヲ↡者ハ、百†ハ時ニ希ニ†得↢一二ヲ↡、千†ハ時ニ希ニ得↢*三五ヲ↡。
・挙十三失
^▼なにをもつてのゆゑに。 すなはち1雑縁乱動するによりて正念を失するがゆゑに、 2仏の本願0660と相応せざるがゆゑに、 3教と相違せるがゆゑに、 4仏語に順ぜざるがゆゑに、 5*係念相続せざるがゆゑに、 6*憶想間断するがゆゑに、 7回願慇重真実ならざるがゆゑに、 ▼8貪・瞋・諸見の煩悩来0688り間断するがゆゑに、 ▼9慚愧・懴悔の心あることなきがゆゑなり。
~何ヲ以[テ]ノ故ニ。乃チ†由リテ↢雑縁乱動スルニ↡失スルガ↢正念ヲ↡故ニ、与↢仏ノ本願↡不[ル]ガ↢相応セ↡故ニ、与↠教相違[セ]ルガ故ニ、不ル[ガ]↠順ゼ↢仏語ニ↡故ニ、係念不ルガ↢相続セ↡故ニ、憶想間断スルガ故ニ、廻願不ルガ↢慇重真実[ナラ]↡故[ニ]、貪・瞋・諸見[ノ]煩悩0916来[リ]‡間断スルガ故ニ、無キガ↠有[ル]コト↢慚愧・懴悔ノ心↡故†ナリ。
^◆懴悔に三品あり。 一には要、 二には略、 三には広なり。 ▽下につぶさに説くがごとし。 意に随ひて用ゐるにみな得たり。
~懴悔ニ有リ↢三品↡。一[ニ]ハ要、二[ニ]ハ略、三[ニ]ハ広[ナリ]。如シ↢下ニ具ニ説[ク]ガ↡。随[ヒ]テ↠意ニ用ヰルニ皆得タリ。
^▼また10相続して▼かの仏恩を念報せざるがゆゑに、 11心に*軽慢を生じて業行をなすといへども、 つねに*名利と相応するがゆゑに、 12*人我おのづから覆ひて▼同行善知識に親近せざるがゆゑに、 13楽ひて雑縁に近づきて、 ▼往生の正行を*自障障他するがゆゑなり。
~又不ルガ↣相続シテ念↢報セ彼ノ仏恩ヲ↡故ニ、心ニ生ジテ↢軽慢ヲ↡雖モ↠作スト↢業行ヲ↡、常ニ与↢名利↡相応[スル]ガ故ニ、人我†自ラ覆ヒテ不ル[ガ]↣親↢近セ同行善知識ニ↡故ニ、楽ヒテ近[ヅ]キテ↢雑縁ニ↡、自↢障障↣他[ス]ルガ往生ノ正行ヲ↡故†ナリ。
一 Ⅱ ⅱ c ロ 挙自見聞証
^◆なにをもつてのゆゑに。 ▼余、 このごろみづから諸方の道俗を見聞するに、 *解行不同にして専雑異なることあり。 ▼ただ意をもつぱらにしてなせば、 十はすなはち十ながら生ず。 雑を修して至心ならざれば、 ▼千がなかに一もなし。 この二行の得失、 △前にすでに弁ぜるがごとし。
~何ヲ以[テ]ノ故ニ。*餘比*日自ラ見↢聞[ス]ルニ諸方ノ道俗[ヲ]↡、解行不同ニシテ専雑有リ↠異[ナルコト]。但使‡†専ニシテ↠意ヲ作セバ者、十ハ即[チ]十[ナガ]ラ生ズ。修シテ↠雑ヲ不レ†バ↢†至心ナラ↡者、千ガ中ニ無シ↠一モ。此ノ二行ノ得失、如[シ]↢前ニ已ニ*弁[ゼ]ルガ↡。
一 Ⅱ ⅱ d 挙勝利結勧
^▲仰ぎ願はくは一切の往生人等*よくみづから思量せよ。 すでによく今身にかの国に生ぜんと願ずるものは、 *行住坐臥にかならずすべからく心を励まし、 おのれを剋して昼夜に廃することなく、 畢命を期となすべし。 上一形にありては少苦に似如たれども、 *▼前念に命終して▼後念にすなはちか0661の国に生じ、 長時永劫につねに*無為の法楽を受く。 すなはち成仏に至るまで生死を経ず。 あに快きにあらずや、 知るべし。
~仰ギ願[ク]ハ一切ノ往生人等善ク自[ラ]思量セヨ。已ニ能ク今身ニ願†ズル↠†生ゼムト↢彼ノ国ニ↡者ハ、行住坐臥[ニ]必ズ須ベ クシ↢励シ↠心ヲ、剋シテ↠己ヲ昼夜ニ莫ク↠廃[ス]ルコト、畢命[ヲ]為ス↟期ト。*上在リテ[ハ]↢一形ニ↡似↢如タレドモ少苦ニ↡、前念ニ命終シテ後念ニ即[チ]生†ジ↢彼[ノ]国ニ↡、長時永劫ニ常ニ受†ク↢無為ノ法楽ヲ↡。†乃チ至ルマデ↢成仏ニ↡不↠経↢生死ヲ↡。豈ニ非ズ↠快キニ哉、応[シ]↠知[ル]。△
二 正出礼讃
Ⅰ【日没讃】
ⅰ 正文
a 総標【十二光名】
【7】 ^↑第一につつしみて ¬大経¼ (上) に釈迦仏、 阿弥陀仏の十二光の名を礼讃して往生を求願せよと勧めたまふによりて、 一十九拝、 日没の時に当りて礼す。 中・下の懴悔を取るもまた得たり。
第一[ニ]*謹[ミ]テ†依リテ↫¬大経ニ¼釈迦仏勧メタマフニ↪礼↢讃シテ阿弥陀仏ノ十二光ノ名ヲ↡求↩願セヨト往生ヲ↨、一十九拝、†当リテ↢日没ノ時ニ↡礼ス。†取ルモ↢中・下ノ懴悔ヲ↡亦得タリ。
二 Ⅰ ⅰ b 正出
イ 総礼
(一)礼釈迦法中三宝
【8】 ^釈迦牟尼仏等の一切の三宝に南無したてまつる。 われいま*稽首して礼し、 回して無量寿国に往生せんと願ず。
南↢無シ†タテマツル釈迦牟尼仏等ノ一切ノ三宝ニ↡。我今†稽首シテ礼シ、†廻シテ願ズ↣往↢生セムト無量寿国ニ↡。
^この一仏 (釈尊) は現にこれ今時道俗等の師なり。 「三宝」 といふはすなはちこれ*福田無量なり。 もしよくこれを礼すること一拝すれば、 すなはちこれ師恩を念報して、 もつておのが行を成ず。 この一行をもつて回して往生を願ず。
此之一仏ハ現ニ是†今時道俗等ノ師ナリ。言フ↢三宝ト↡者即チ是福田無量ナリ。*若シ能ク礼[スル]コト↠之ヲ一拝スレバ、即チ是念↢報シテ師‡恩ヲ↡、以テ成ズ↢己ガ行ヲ↡。以テ↢斯ノ一行ヲ↡†廻シテ願ズ↢往生ヲ↡。
二 Ⅰ ⅰ b イ (二)礼十方無辺三宝
^0689十方三世の*尽虚空遍法界の*微塵刹土中の一切の三宝に南無したてまつる。 われいま稽首して礼し、 回して無量寿国に往生せんと願ず。
†南0917↢無シタテマツル十方三世ノ尽虚空遍法界ノ微塵刹土中ノ一切ノ三宝ニ↡†。我今稽首シテ礼シ†、廻シテ願ズ↣往↢生セムト無量寿国ニ↡。
^しかるに十方虚空無辺にして、 三宝無尽なり。 もし礼すること一拝すれば、 すなはちこれ福田無量なり、 功徳無窮なり。 よく心を至してこれを礼すること一拝すれば、 一々の仏の上、 一々の法の上、 一々の菩薩・聖僧の上、 一々の*舎利の上に、 みな身口意業に*解脱分の善根を得、 来りて行者を資益し、 もつ0662ておのが業を成ず。 この一行をもつて回して往生を願ず。
然†ルニ十方‡虚空無辺†ニシテ、三宝無尽ナリ。若[シ]礼スルコト一拝スレバ、即チ是福田無量ナリ、功徳無窮ナリ。能ク至シテ↠心ヲ礼スルコト↠之ヲ一拝スレバ、一一ノ仏[ノ]上、一一ノ法[ノ]*上、一一[ノ]菩*薩・聖僧[ノ]上、一一ノ舎利[ノ]上ニ、皆得‡↢*身口意業[ニ]解脱分ノ善根ヲ↡、来[リ]テ資↢益シ行者ヲ↡、以テ成ズ↢己ガ業ヲ↡。以テ↢斯ノ一行ヲ↡†廻シテ願ズ↢往生ヲ↡。
二 Ⅰ ⅰ b ロ 別礼
(一)本名
【9】 ^西方極楽世界の阿弥陀仏に南無したてまつる。
†南↢無シタテマツル西方極楽世界ノ阿弥陀仏ニ↡。
^願はくは衆生とともにことごとく帰命せん。 ゆゑにわれ*頂礼してかの国に生ぜん。
†願クハ共ニ↢衆生ト↡咸ク帰命セム 故ニ我頂礼シテ生ゼム↢彼ノ国ニ↡
^問ひていはく、 なんがゆゑぞ阿弥陀と号けたてまつる。
▲問[ヒ]テ曰ク、何ガ故ゾ*号ヅケタテマツル↢阿弥陀ト↡。
^答へていはく、 ▼¬*弥陀経¼ および ¬観経¼ にのたまはく、 「▲かの仏の光明は無量にして十方国を照らすに*障礙するところなし。 ▼ただ念仏の衆生を観そなはして、 ▼*摂取して捨てたまはざるがゆゑに阿弥陀と名づけたてまつる。 ▲かの仏の寿命およびその人民も無量無辺阿僧祇劫なり。 ゆゑに阿弥陀と名づ」 と。
~答[ヘ]テ曰ク、¬弥陀経¼及ビ¬観経ニ¼云ク、彼ノ仏ノ光明[ハ]無量ニシテ照[ス]ニ↢十方‡国ヲ↡無シ↠所↢障礙スル↡。唯†観ソナハシテ↢念仏ノ衆生ヲ↡、摂取シテ†不ルガ↠捨[テ]タマハ故ニ名[ヅ]†ケタテマツル↢阿弥陀ト↡。彼ノ仏ノ寿命及ビ其ノ人民[モ]無量無辺阿僧祇劫ナリ。故ニ名[ヅ]†ケタテマツル↢阿弥*陀ト↡。
^また釈迦仏および十方の仏、 弥陀の光明に*十二種の名あることを讃歎し、 あまねく衆生を勧めたまへり。 称名し礼拝し相続して断えざれば、 現世に無量の功徳を得、 命終の後さだめて往生を得。
~又釈迦仏及ビ十方ノ仏、†讃↣歎シ弥陀ノ光明ニ有ルコトヲ↢十二種ノ名↡、普ク勧†メタマヘリ↢衆生ヲ↡。称名[シ]礼拝シ相続[シテ]†不レバ↠断エ者、現世ニ得↢無量ノ功徳ヲ↡、命終之後‡定メテ得↢往生ヲ↡。
^¬*無量寿経¼ (上・意) に説きてのたまふがごとし。 「▲それ衆生ありてこの光に遇ふものは、 三垢消滅して身意柔軟なり。 歓喜踊躍して善心生ず。 ◆もし三塗勤苦の処にありて、 この光明を見たてまつれば、 また苦悩なし。 寿終りて後みな解脱を蒙る。 ◆無量寿仏の光明顕赫にして十方を照耀して、 諸仏の国土は聞えざるはなし。 ただわれのみいまその光明を称するにあらず、 一切諸仏、 声聞、 縁覚、 もろもろの菩薩衆ことごとくともに歎誉したまふこと、 またかくのごとし。
~如シ↢¬無量寿経ニ¼説[キ]テ云[フ]ガ↡。「其レ有[リ]テ↢衆生↡遇フ↢斯ノ光ニ↡者ハ、三垢消滅シテ身意柔軟ナリ。歓喜踊躍シテ善心†生ズ焉。若シ在[リ]テ↢三塗勤苦之処ニ↡、見[タテマツレ]バ↢此ノ光明ヲ↡、無シ↢復苦悩↡。†寿終リテ之後皆蒙ル↢解脱ヲ↡。無量寿仏†ノ光明顕赫ニシテ†照↢耀シテ十方ヲ↡、諸仏ノ国土ニ莫シ↠†不ルハ↠聞エ焉。不ズ↣但我ノミ今称スルニ↢其ノ光明ヲ↡、一切‡諸仏、声聞、縁覚、諸ノ菩薩衆咸ク共ニ歎誉シ†タマフコト、亦復如[シ]↠是[クノ]。
^◆もし衆生ありて、 その光明の威神功徳を聞きて、 日夜に称0663説して、 心を至して断えざれば、 その所願に随ひてその国に生ずることを得。 つねにもろもろの菩薩、 声聞の衆のためにともに歎誉してその功徳を称せらる。 ▲仏 (釈尊) のたまはく、 ªわれ、 無量寿仏の光明の威神巍々殊妙なるを説かんに、 昼夜一劫すとも、 なほ尽すことあたはずº」 と。
~若シ有リテ↢衆生↡、聞[キ]テ↢其ノ光明[ノ]威神‡功徳ヲ↡、日夜ニ称説シテ、至シテ↠心ヲ不レ†バ↠†断エ者、随[ヒ]テ↢其ノ所願ニ↡得↠生[ズルコト]ヲ↢其ノ国ニ↡。常ニ為ニ↢諸ノ菩薩・声聞之衆ノ↡†所ル↣共ニ歎誉シテ称セ↢其ノ功徳ヲ↡。仏‡言ク、我説†カムニ↢無量寿仏ノ光明[ノ]威神‡巍巍‡殊妙ナルヲ↡、昼夜一劫ストモ、尚不[ト]↠能ハ↠尽スコト。」
^もろもろの行者にまうす。 まさに知るべし、 弥陀の身相・光明は、 釈迦如来一劫に説きたまふとも、 尽0690すことあたはざるものなり。
~白ス↢諸ノ行者ニ↡。当ニシ↠知ル、弥陀ノ身相光明ハ、釈迦如来一劫[ニ]説0918[キ]タマフトモ、不[ル]↠能ハ↠尽[ス]コト者[ナリ]。
^¬観経¼ にのたまふがごとし。 「▲一々の光明あまねく十方世界を照らし、 念仏の衆生を摂取して捨てたまはず」 と。
~如シ↢¬観経[ニ]¼云[フ]ガ↡。「一一[ノ]光明遍ク†照シ↢十方世界ノ念仏ノ衆生ヲ↡、摂取シテ不[ト]↠捨[テ]タマハ。」
^いますでに ¬観経¼ にかくのごとき*不思議増上の勝縁ありて、 行者を*摂護したまふ。 なんぞ相続して*称・観・礼・念して往生を願ぜざらんや、 知るべし。
~今既ニ¬観経ニ¼有リ[テ]↢如[キ]↠此[クノ]不思議‡増上[ノ]勝縁↡、摂↢護[シタマフ]行者ヲ↡。何ゾ不ラム↣相続シテ称観礼念シテ願[ゼ]↢往生ヲ↡也、応[シ]↠知[ル]。△
二 Ⅰ ⅰ b ロ (二)異名
【10】^西方極楽世界の*無量光仏に南無したてまつる。
南↢無[シ]タテマツル西方極楽世界[ノ]無量光仏ニ↡。
願はくは衆生とともにことごとく帰命せん。 ゆゑにわれ頂礼してかの国に生ぜん。
願[ク]ハ共ニ↢衆生ト↡咸ク帰命セム 故ニ我頂礼シテ生[ゼ]ム↢彼[ノ]国ニ↡
^西方極楽世界の*無辺光仏に南無したてまつる。
†南↢無シタテマツル西方極楽世界ノ無辺光仏ニ↡。
願はくは衆生とともにことごとく帰命せん。 ゆゑにわれ頂礼してかの国に生ぜん。
†願クハ共ニ↢衆生ト↡咸ク帰命セム 故ニ我頂礼シテ生ゼム↢彼ノ国ニ↡
^西方極楽世界の*無礙光仏に南無したてまつる。
†南↢無シタテマツル西方極楽世界ノ無礙光仏ニ↡。
0664願はくは衆生とともにことごとく帰命せん。 ゆゑにわれ頂礼してかの国に生ぜん。
†願クハ共ニ↢衆生ト↡咸ク帰命セム 故ニ我頂礼シテ生ゼム↢彼ノ国ニ↡
^西方極楽世界の*無対光仏に南無したてまつる。
†南↢無シタテマツル西方極楽世界ノ無対光仏ニ↡。
願はくは衆生とともにことごとく帰命せん。 ゆゑにわれ頂礼してかの国に生ぜん。
†願クハ共ニ↢衆生ト↡咸ク帰命セム 故ニ我頂礼シテ生ゼム↢彼ノ国ニ↡
^西方極楽世界の*炎王光仏に南無したてまつる。
†南↢無シタテマツル西方極楽世界ノ*炎王光仏ニ↡。
願はくは衆生とともにことごとく帰命せん。 ゆゑにわれ頂礼してかの国に生ぜん。
†願クハ共ニ↢衆生ト↡咸ク帰命セム 故ニ我頂礼シテ生ゼム↢彼ノ国ニ↡
^西方極楽世界の*清浄光仏に南無したてまつる。
†南↢無シタテマツル西方極楽世界ノ清浄光仏ニ↡。
願はくは衆生とともにことごとく帰命せん。 ゆゑにわれ頂礼してかの国に生ぜん。
†願クハ共ニ↢衆生ト↡咸ク帰命セム 故ニ我頂礼シテ生ゼム↢彼ノ国ニ↡
^0691西方極楽世界の*歓喜光仏に南無したてまつる。
†南0919↢無シタテマツル西方極楽世界ノ歓喜光仏ニ↡。
願はくは衆生とともにことごとく帰命せん。 ゆゑにわれ頂礼してかの国に生ぜん。
†願クハ共ニ↢衆生ト↡咸ク帰命セム 故ニ我頂礼シテ生ゼム↢彼ノ国ニ↡
^西方極楽世界の*智慧光仏に南無したてまつる。
†南↢無シタテマツル西方極楽世界ノ智慧光仏ニ↡。
0665願はくは衆生とともにことごとく帰命せん。 ゆゑにわれ頂礼してかの国に生ぜん。
†願クハ共ニ↢衆生ト↡咸ク帰命セム 故ニ我頂礼シテ生ゼム↢彼ノ国ニ↡
^西方極楽世界の*不断光仏に南無したてまつる。
†南↢無シタテマツル西方極楽世界ノ不断光仏ニ↡。
願はくは衆生とともにことごとく帰命せん。 ゆゑにわれ頂礼してかの国に生ぜん。
†願クハ共ニ↢衆生ト↡咸ク帰命セム 故ニ我頂礼シテ生ゼム↢彼ノ国ニ↡
^西方極楽世界の*難思光仏に南無したてまつる。
†南↢無シタテマツル西方極楽世界ノ難思光仏ニ↡。
願はくは衆生とともにことごとく帰命せん。 ゆゑにわれ頂礼してかの国に生ぜん。
†願クハ共ニ↢衆生ト↡咸ク帰命セム 故ニ我頂礼シテ生ゼム↢彼ノ国ニ↡
^西方極楽世界の*無称光仏に南無したてまつる。
†南↢無シタテマツル西方極楽世界ノ無称光仏ニ↡。
願はくは衆生とともにことごとく帰命せん。 ゆゑにわれ頂礼してかの国に生ぜん。
†願クハ共ニ↢衆生ト↡咸ク帰命セム 故ニ我頂礼シテ生ゼム↢彼ノ国ニ↡
^西方極楽世界の*超日月光仏に南無したてまつる。
†南↢無シタテマツル西方極楽世界ノ超日月光仏ニ↡。
願はくは衆生とともにことごとく帰命せん。 ゆゑにわれ頂礼してかの国に生ぜん。
†願クハ共ニ↢衆生ト↡咸ク帰命セム 故ニ我頂礼シテ生ゼム↢彼ノ国ニ↡
二 Ⅰ ⅰ b ハ 重礼
【11】^西方極楽世界の阿弥陀仏に南無したてまつる。
†南↢無シタテマツル西方極楽世界ノ阿弥陀仏ニ↡。
0666われを*哀愍して*覆護し、 *法種をして増長せしめたまへ。
†哀↢愍シテ覆↣護シ我ヲ↡ | 令メタマヘ↢法種ヲシテ増長セ↡ |
此世および後生に、 願はくは仏つねに*摂受したまへ。
0692願はくは衆生とともにことごとく帰命せん。 ゆゑにわれ頂礼してかの国に生ぜん。
†願0920クハ共ニ↢衆生ト↡咸ク帰命セム 故ニ我頂礼シテ生ゼム↢彼ノ国ニ↡
^西方極楽世界の*観世音菩薩に南無したてまつる。
†南↢無シタテマツル西方極楽世界ノ観世音菩薩ニ↡。
願はくは衆生とともにことごとく帰命せん。 ゆゑにわれ頂礼してかの国に生ぜん。
†願クハ共ニ↢衆生ト↡咸ク帰命セム 故ニ我頂礼シテ生ゼム↢彼ノ国ニ↡
^西方極楽世界の*大勢至菩薩に南無したてまつる。
†南↢無シタテマツル西方極楽世界ノ大勢至菩薩ニ↡。
願はくは衆生とともにことごとく帰命せん。 ゆゑにわれ頂礼してかの国に生ぜん。
†願クハ共ニ↢衆生ト↡咸ク帰命セム 故ニ我頂礼シテ生ゼム↢彼ノ国ニ↡
^この二菩薩は一切衆生の命終の時に臨みて、 ともに華台を持して行者に授与し、 阿弥陀仏は大光明を放ちて、 行者の身を照らしたまふ。 また無数の化仏・菩薩・声聞大衆等と一時に授手して、 *弾指のあひだのごとくにすなはち往生を得。 仏恩を報ぜんがためのゆゑに、 心を至してこれを礼すること一拝す。
此ノ二‡菩薩ハ一切衆生ノ†臨ミテ↢命終ノ時ニ↡、共ニ持シテ↢華台ヲ↡授↢与シ‡行者ニ↡、阿弥陀仏ハ放[チ]テ↢大光明ヲ↡、照シタマフ↢行者ノ身ヲ↡。復与↢無数ノ化仏・菩薩・声聞大衆等↡一時ニ†授手シテ、如ク[ニ]↢弾指ノ頃ノ↡即チ得↢往生ヲ↡。為ノ↠報[ゼムガ]↢仏恩ヲ↡故ニ、至[シテ]↠心[ヲ]礼スルコト↠之ヲ一拝ス。
^西方極楽世界のもろもろの菩薩・*清浄大海衆に南無したてまつる。
†南↢無シタテマツル西方極楽世界ノ諸菩薩・清浄大海衆ニ↡。
0667願はくは衆生とともにことごとく帰命せん。 ゆゑにわれ頂礼してかの国に生ぜん。
†願クハ共ニ↢衆生ト↡咸ク帰命セム 故ニ我頂礼シテ生ゼム↢彼ノ国ニ↡
^これらのもろもろの菩薩、 また仏 (阿弥陀仏) に随ひ来りて、 行者を*迎接したまふ。 恩を報ぜんがためのゆゑに、 心を至してこれを礼すること一拝す。
此等ノ諸ノ菩薩亦随[ヒ]‡↠仏[ニ]来[リ]テ、迎↢接†シタマフ行者ヲ↡。為ノ↠報[ゼム]ガ↠恩ヲ故ニ、至シテ↠心ヲ礼スルコト↠之ヲ一拝[ス]。
二 Ⅰ ⅰ b ニ 懴悔
(一)標挙
【12】^▽あまねく師僧・父母および善知識、 法界の衆生、 三障を断除して、 同じく阿弥陀仏国に往生することを得んがために、 帰命し懴悔したてまつる。
普ク†為ニ↫師僧・父母及ビ善知識、法界ノ衆生、断↢除シテ三障ヲ↡、同[ジ]ク得ムガ↪往↩生スルコトヲ阿弥陀仏国ニ↨、帰命[シ]懴悔†シタテマツル。
二 Ⅰ ⅰ b ニ (二)挙文
^心を至して懴悔す。
†至シテ↠心ヲ懴悔ス。
^十方の仏に南無し懴悔したてまつる。 願はくは一切のもろもろの罪根を滅したまへ。
南↢無シ‡*懴↣悔[シタテマツル]十方ノ仏ニ↡ | 願[ク]ハ滅[シ]タマヘ↢一切ノ諸ノ罪根ヲ↡ |
0693いま*久近に修するところの善をもつて、 回して*自他安楽の因となす。
0921今将テ↢久近[ニ]†所ノ↠修スル善ヲ↡ | 廻シテ作ス↢自他安楽[ノ]因ト↡ |
^▼つねに願はくは一切臨終の時、 *勝縁・勝境ことごとく現前せん。
恒ニ願[ク]ハ一切臨終ノ時 | 勝縁・勝境悉ク現前†セム |
願はくは弥陀大悲主、 観音・勢至・十方尊を覩たてまつらん。
願[クハ]覩タテマツラム↢弥陀大悲主 | 観音・勢至・十方‡尊ヲ↡ |
仰ぎ願はくは*神光授手を蒙りて、 仏の本願に乗じてかの国に生ぜん。
仰ギ*願[ク]ハ神光蒙[リ]テ↢授手ヲ↡ | 乗ジテ↢仏[ノ]*本願ニ↡生[ゼ]ム↢彼[ノ]国ニ↡ |
^懴悔し回向し*発願しをはりて、 心を至して阿弥陀仏に帰命したてまつる。
懴悔[シ]廻向[シ]発願[シ]已[リ]テ、至[シテ]↠心[ヲ]帰命[シ]タテマツル↢阿弥陀仏ニ↡。
二 Ⅰ ⅰ b ホ 作梵
ヘ 説偈発願
【13】 ^次に*梵をなし、 偈を説きて発願せよ。 ¬*宝性論¼ に出でたり。
次ニ作†シ↠梵ヲ、 †説キテ↠偈ヲ発願セヨ。 出[デタ]リ↢¬宝性論ニ¼↡
^0668「*礼懴のもろもろの功徳をもつて、 願はくは命終の時に臨みて、
「礼懴ノ諸ノ功*徳ヲモテ | 願[ク]ハ†臨ミテ↢命終ノ時ニ↡ |
無量寿仏の無辺の功徳身を見たてまつらん。
^われおよび余の信者、 すでにかの仏を見たてまつりをはりて、
我及ビ余ノ信者 | 既[ニ]見[タテマツリ]↢彼[ノ]仏ヲ↡已[リ]テ |
願はくは*離垢の眼を得、 安楽国に往生して、
無上菩提を成ぜん」 と。
二 Ⅰ ⅰ b ト 一切恭敬
【14】 ^礼懴しをはりて一切恭敬す。
*礼懴[シ]已[リ]テ一切恭敬†ス。
仏の菩提を得たまふに帰す。 *道心つねに退せざらん。
帰[ス]↣仏[ノ]得[タマフニ]↢菩提ヲ↡ | 道心恒ニ†不ラム↠退セ |
^願はくはもろもろの衆生とともに回して無量寿国に往生せんと願ず。
*願[ク]ハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡†廻シテ願ズ↣往↢生セムト無量寿国ニ↡。
法の*薩婆若に帰す。 *大総持門を得ん。
^願はくはもろもろの衆生とともに回して無量寿国に往生せんと願ず。
*願[ク]ハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡†廻シテ願ズ↣往↢生セムト無量寿国ニ↡。
0694僧の*諍論を息むるに帰す。 同じく*和合海に入らん。
0922帰ス↣僧ノ息[ム]ルニ↢諍論ヲ↡ | 同[ジ]ク入†ラム↢和合海ニ↡ |
^願はくはもろもろの衆生とともに回して無量寿国に往生せんと願ず。
*願[ク]ハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡†廻シテ願ズ↣往↢生セムト無量寿国ニ↡。
^願はくはもろもろの衆生、 三業清浄にして、 仏教を奉持し*一切の賢聖を*和南せん。
願[ク]ハ諸ノ衆生三業清浄ニシテ、奉↢持シ仏教ヲ↡和↢南†セム一切ノ賢聖ヲ↡。
^願はくはもろもろの衆生とともに回して無量寿国に往生せんと願ず。
*願[ク]ハ共ニ↢諸ノ衆生[ト]↡†廻シテ願ズ↣往↢生セムト無量寿国ニ↡。
二 Ⅰ ⅰ b チ 無常偈
【066915】 ^もろもろの衆等聴け。 日没の無常の偈を説かん。
諸ノ衆等聴ケ。説†カム↢*日没[ノ]無常ノ偈ヲ↡。
^人間*怱々として*衆務を営み、 年命の日夜に去ること覚えず。
人間怱怱[ト]シテ営†ミ↢衆務ヲ↡ | 不↠†覚エ↢年命ノ日夜ニ去[ルコト]ヲ↡ |
灯の風中にありて滅すること期しがたきがごとし。 *忙々たる六道に*定趣なし。
如シ↢灯ノ風‡中ニ[アリテ]滅†スルコト難キガ↟期シ | 忙忙タル六道[ニ]無シ↢†定趣↡ |
^いまだ解脱して苦海を出づることを得ず。 いかんが*安然として*驚懼せざらん。
未ズ ダ↠得↣解脱シテ出[ヅ]ルコトヲ↢苦海ヲ↡ | 云何ガ安然トシテ不ラム↢驚懼セ↡ |
おのおの聞け。 *強健有力の時、 *自策自励して*常住を求めよ。
各ノ聞ケ強健有力ノ時 | †自策自励シテ求†メヨ↢常住ヲ↡ |
二 Ⅰ ⅰ b リ 発願
【16】 ^この偈を説きをはりて、 さらにまさに心口に発願すべし。
説[キ]↢此[ノ]偈ヲ↡已[リ]テ、更ニ†当ニシ↢心口ニ発願ス↡。
^▼願はくは弟子等、命終の時に臨みて心顛倒せず、 心錯乱せず、 心*失念せず、 身心もろもろの苦痛なく、 身心快楽なること禅定に入れるがごとくして、 聖衆現前し、 仏の本願に乗じて▼阿弥陀仏国に上品往生せん。 かの国に到りをはりて、 六神通を得て十方界に入りて、 苦の衆生を*救摂せん。 *虚空法界尽きんや、 わが願もまたかくのごとくならん。 発願しをはりて、 心を至して阿弥陀仏に帰命したてまつる。
願[ク]ハ弟子*等、†臨ミテ↢命終ノ時ニ↡心不↢顛倒セ↡、心不↢錯乱[セ]↡、心不↢失念[セ]↡、身心‡無ク↢諸ノ苦痛↡、身*心快楽†ナルコト如ク[シテ]↠入レルガ↢禅定[ニ]↡、聖衆現前シ‡、乗ジテ↢仏ノ本願ニ↡†上↢品往↣生セム阿弥陀仏国ニ↡。到リ↢彼ノ国ニ↡已[リ]テ[、]得[テ]↢六神*通ヲ↡‡入[リ]テ↢十方界ニ↡、†救↢摂セム苦ノ衆生ヲ↡。虚空法界尽キムヤ、我[ガ]願[モ]亦如[クナラム]↠是[クノ]。発願[シ]已[リ]テ、至[シ]テ↠心ヲ帰↢*命†シタテマツル阿弥陀仏ニ↡。
二 Ⅰ ⅱ 因列諸無常偈
a 初夜偈
【17】 0695^初夜の偈にのたまはく (坐禅三昧経・意)、
0923†初夜ノ偈ニ*云ク、
^0670「煩悩深くして底なく、 生死の海無辺なり。
「煩悩深[ク]シテ無†ク↠底 | 生死[ノ]海†無辺ナリ |
苦を度する船いまだ立たず。 いかんが睡眠を楽まん。
度ス[ル]↠苦ヲ船未 ズ ダ↠立タ | 云何[ガ]楽マム↢睡眠ヲ↡ |
^勇猛に勤精進して、 心を摂してつねに*禅に在け」 と。
勇猛ニ†勤精進シテ | 摂[シ]テ↠心ヲ常ニ在ケ[ト]↠*禅ニ」 |
二 Ⅰ ⅱ b 中夜偈
【18】 ^中夜の偈にいはく (大智度論)、
†中夜ノ偈ニ*云ク、
^「なんぢら臭き屍を抱きて臥することなかれ。 種々の不浄をかりに人と名づく。
「汝*等勿レ↧抱キテ↢臭キ*屍ヲ↡臥[スル]コト↥ | 種種ノ不浄ヲ‡仮ニ名ク↠人ト |
重病を得、 箭の体に入るがごとし。 もろもろの苦痛集まる。 いづくんぞ眠るべけん」 と。
如†シ↧得↢重病ヲ↡箭ノ入ルガ↞体ニ | 衆ノ苦痛集†ル安ンゾ可†ケム[ト]↠眠ル」 |
二 Ⅰ ⅱ c 後夜偈
【19】 ^*後夜の偈にいはく、
†後夜ノ偈ニ*云ク、
^*時光遷りて流転し、 たちまちに*五更の初めに至る。
時光†遷リテ流転シ | 忽ニ至ル↢五更ノ†初ア カ ツ キ ニ↡ |
無常念々に至り、 つねに*死王と居す。
^もろもろの*行道のものを勧む。 勤修して*無余に至れ。
勧ム↢諸ノ行道ノ者ヲ↡ | 勤修シテ至†レ[ト]↢無余ニ↡ |
二 Ⅰ ⅱ d 晨朝偈
【20】 ^*平旦の偈にのたまはく (僧祇律・意)、
†平旦ノ偈ニ*云ク、
^「寂滅の楽を求めんと欲せば、 まさに沙門の法を学すべし。
「欲[セバ]↠求メムト↢寂滅ノ楽ヲ↡ | 当ベ ニシ↠学[ス]↢沙門[ノ]法ヲ↡ |
衣食は身命を支ふ。 *精粗、 衆に随ひて得よ。
衣食ハ支フ↢身命ヲ↡ | 精コマカ 麁アラシ随[ヒ]テ↠衆ニ*†得ヨ |
^0671*もろもろの衆等、 今日晨朝におのおの六念を誦せよ」 と。
諸ノ*衆等、今日‡晨朝[ニ]各[ノ]*誦†セヨ[ト]↢六念ヲ↡。」 |
二 Ⅰ ⅱ e 日中偈
【21】 ^*日中の偈にのたまはく (六方礼経・意)、
†日中ノ偈ニ*云ク、
^「人生れて精進せずは、 たとへば樹に根なきがごとし。
人生レテ†不ハ↢精進†セ↡ | 喩ヘバ若[シ]↢樹†ニ無[キ]ガ↟根 |
華を採りて日中に置くに、 よくいくばくの時か鮮やかなることを得ん。
採[リ]テ↠華ヲ置クニ↢日*中ニ↡ | 能ク†得ム↢幾ノ時カ鮮カナルコトヲ↡ |
^0696人の命もまたかくのごとし。 無常は須臾のあひだなり。
0924人ノ命モ亦如シ↠是[クノ] | 無常[ハ]須臾ノ間ナリ |
もろもろの行道の衆を勧む。 勤修してすなはち*真に至れ」 と。
勧ム↢諸ノ行道ノ衆ヲ↡ | 勤修シテ乃チ至†レ[ト]↠真ニ」 |
二 Ⅱ【初夜讃】
ⅰ 総標
【22】^↑第二に沙門善導、 つつしみて ¬大経¼ によりて要文を採集して、 もつて礼讃の偈となす。 二十四拝、 初夜の時に当りて礼す。 懴悔は前後に同じ。
第二ニ*沙門善導、謹[ミ]テ依[リ]テ↢¬*大経ニ¼↡†採↢集シテ要文ヲ↡、以テ為ス↢*礼讃[ノ]偈†ト↡。二十*四拝、†当リテ↢初夜ノ時ニ↡礼ス。懴悔[ハ]同[ジ]↢前後ニ↡。
二 Ⅱ ⅱ 正出
a 別讃
【23】^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
南無[シテ]†至シ↠心ヲ帰命シテ、礼[シタテマツ]ル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^▲弥陀の智願海は、 深広にして涯底なし。
▲名を聞きて往生せんと欲すれば、 みなことごとくかの国に到る。
聞[キ]テ↠名ヲ欲[スレ]バ↢往生セムト↡ | 皆悉ク到ル↢彼ノ国ニ↡ |
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^▲*この世界のなかにおいて、 六十有七億の
不退のもろもろの菩薩あり。 みなまさにかしこに生ずることを得べし。
†不退ノ諸ノ菩薩アリ | 皆当ニシ↠得↠生ズルコトヲ↠彼ニ |
^0672願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^▲小行のもろもろの菩薩、 および*少福を修するもの、
その数計るべからず。 みなまさにかしこに生ずることを得べし。
其ノ数不↠可[カ]ラ↠計ル | 皆当ニシ↠得↠生[ズル]コトヲ↠彼ニ |
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^▲十方*仏刹のなかの菩薩・比丘衆は、
劫を窮むるも計るべからず。 みなまさにかしこに生ずることを得べし。
窮†ムルモ↠劫ヲ不↠可[カ]ラ↠計ル | 皆当ニシ↠得↠*生[ズルコトヲ]↠彼ニ |
^0697願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願0925クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^▲一切のもろもろの菩薩、 おのおの天の妙華、
宝香、 無価衣を齎ちて弥陀仏を供養したてまつる。
宝香・無価‡衣ヲ↡ | 供↢養[シタテマツ]ル弥陀仏ヲ↡ |
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^▲咸然として天楽を奏し、 和雅の音を暢発して、
咸然[ト]シテ奏シ↢天楽ヲ↡ | 暢↢発シテ和雅[ノ]音ヲ↡ |
0673最勝の尊を歌歎して、 弥陀仏を供養したてまつる。
歌↢歎シ[テ]最勝[ノ]尊ヲ↡ | 供↢養[シタテマツ]ル弥陀仏ヲ↡ |
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^▲慧日世間を照らして、 生死の雲を消除す。
恭敬して繞ること三帀して、 弥陀尊を稽首したてまつる。
恭敬シテ†遶ルコト三帀シテ | 稽↢首†シタテマツル弥陀尊ヲ↡ |
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^▲かの厳浄土の微妙にして思議しがたきを見て、
よりて無上心を発す。 願はくはわが国もまたしからんと。
因[リ]テ発†ス↢無上‡心ヲ↡ | 願クハ我ガ国モ亦然ラムト |
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^0698▲時に応じて無量尊 (阿弥陀仏)、 容を動かし欣笑を発し、
0926応ジテ↠時ニ無量尊 | 動シ‡↠容[ヲ]発シ↢欣笑ヲ↡ヨロコビエミ下 |
口より無数の光を出して、 あまねく十方の国を照らしたまふ。
口ヨリ出シテ↢無数[ノ]光ヲ↡ | 遍ク照†シタマフ↢十方ノ国ヲ↡ |
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^0674▲光を回らし身を囲繞すること、 三帀して頂より入る。
†廻シ↠光ヲ囲↢遶[スルコト]身ヲ↡ | 三帀シテ従リ↠頂入ル |
一切の天・人衆、 踊躍してみな歓喜す。
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^▲梵声は雷震のごとく、 八音妙響を暢ぶ。
梵声[ハ]如†ク↢†雷震ノ↡ | 八音暢ブ↢†妙響ヲ↡ |
▲十方より来れる正士、 われことごとくかの願を知れり。
十方ヨリ来[レ]ル正士 | 吾悉ク知†レリ↢彼ノ願ヲ↡ |
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^▲かの厳浄国に至れば、 すなはちすみやかに神通を得て、
至†レバ↢彼ノ厳浄‡*国ニ↡ | 便チ速ニ得[テ]↢神通ヲ↡ |
かならず無量尊 (阿弥陀仏) において、 記を受けて等覚を成ず。
必ズ於テ↢無量尊ニ↡ | 受[ケ]テ↠記[ヲ]†成ズ↢等覚ヲ↡ |
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^▲億の如来に奉事し、 飛化して*諸刹に遍し、
恭敬し歓喜して去り、 還りて安養国に到る。
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^0675南無0699して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南0927無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^▲もし人善本なければ、 仏の名を聞くことを得ず。
若[シ]人無[ケ]レバ↢善本↡ | 不↠得↠聞[ク]コトヲ↢仏[ノ]名ヲ↡ |
▲憍慢と弊と懈怠とは、 もつてこの法を信ずること難し。
憍慢ト弊ト懈怠トハ | 難シ↣以テ信ズルコト↢此ノ法ヲ↡ |
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^▲宿世に諸仏を見たてまつりしものは、 すなはちよくこの事を信ず。
宿世ニ見†タテマツリシモノハ↢諸仏ヲ↡ | 則チ能ク信ズ↢此[ノ]事ヲ↡ |
▲謙敬に聞きて奉行し、 踊躍して大きに歓喜す。
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
【24】^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^▲それかの弥陀仏の名号を聞くことを得ることありて、
其レ有[リテ]↠得[ルコト]↠聞[ク]コト[ヲ]↢彼ノ | 弥陀仏ノ名号ヲ↡ |
▼歓喜して一念に至るまで、 みなまさにかしこに生ずることを得べし。
歓喜シテ至ル[マデ]↢一*念ニ↡ | 皆当ニシ↠得↠生[ズルコト]ヲ↠彼ニ |
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^▲たとひ*大千に満てらん火をも、 ただちに過ぎて仏の名を聞け。
設ヒ満[テ]ラム↢大千ニ↡火[ヲ]モ | 直ニ過[ギ]テ聞†ケ↢仏ノ名ヲ↡ |
▼名を聞きて歓喜して讃ずれば、 みなまさにかしこに生ずることを得べし。
聞[キ]テ↠名ヲ歓喜シテ讃ズレバ | 皆当ニシ↠得↠生[ズルコトヲ]↠彼ニ |
^0676願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^▲*万年にして三宝滅せんに、 *この ¬経¼ (大経) 住すること百年せん。
万年ニ[シテ]三宝滅†セムニ | 此ノ¬経¼住[スル]コト百年†セム |
▼その時聞きて一念せんに、 みなまさにかしこに生ずることを得べし。
†爾ノ時†聞キテ一念セムニ | 皆当ニシ↠得↠生[ズルコト]ヲ↠彼ニ |
^0700願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願0928クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^▲仏世にははなはだ値ひがたく、 人信慧あること難し。
仏世ニ[ハ]甚ダ難†ク↠値ヒ | 人有[ル]コト↢信慧↡難シ |
たまたま希有の法を聞く、 これまたもつとも難しとなす。
†遇マ聞ク↢希有ノ法ヲ↡ | 此復最モ為ス↠難[シ]ト |
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^▲*みづから信じ人を教へて信ぜしむること、 難きがなかに*うたたさらに難し。
自ラ信[ジ]教ヘテ↠人ヲ信†ゼシムルコト | 難[キ]ガ中ニ転タ更ニ難シ |
▼大悲をもつて伝へてあまねく化するは、 まことに仏恩を報ずるになる。
大悲[ヲモテ]*伝ヘテ普ク化[ス]ル[ハ] | *真ニ†成ル↠報ズルニ↢仏恩ヲ↡ |
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
二 Ⅱ ⅱ b 重礼
【25】^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^われを哀愍して覆護し、 法種をして増長せしめたまへ。
†哀↢愍シテ覆↣護シ我ヲ↡ | 令†メタマヘ↢法種ヲシテ増長セ↡ |
0677此世および後生に、 願はくは仏つねに摂受したまへ。
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方極楽世界の観世音菩薩を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方*極楽世界ノ観世音菩薩ヲ↡。
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方極楽世界の大勢至菩薩を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方*極楽世界ノ大勢至菩薩ヲ↡。
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^0701南無して心を至し帰命して、 西方極楽世界の諸菩薩・清浄大海衆を礼したてまつる。
†南0929無テ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方*極楽世界ノ諸菩薩・清浄大海衆ヲ↡。
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
二 Ⅱ ⅱ c 懴悔
【26】^あまねく師僧・父母および善知識、 法界の衆生、 三障を断除して、 同じく阿弥陀仏国に往生することを得んがために、 帰命し懴悔したてまつる。
†普ク為ニ↫師僧・父母及ビ善知識、法界ノ衆生、断↢除シテ三障ヲ↡、同ジク得ムガ↪往↩生スルコトヲ阿弥陀仏国ニ↨、帰命シ懴悔シタテマツル。
二 Ⅲ【中夜讃】
ⅰ 総標
【27】^↑第三につつしみて龍樹菩薩の願往生礼讃の偈 (十二礼) によりて、 一十六拝、 中夜の時に当りて礼す。 懴悔は前後に同じ。
第三[ニ]*謹[ミテ]依[リテ]↢龍樹菩薩ノ¬願*往生礼讃ノ偈ニ¼↡、一十六拝、当[リテ]↢中夜[ノ]時ニ↡礼ス。懴悔[ハ]同[ジ]↢前後[ニ]↡。
二 Ⅲ ⅱ 正出
a 別讃【十二礼】
【28】^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^▲天・人に恭敬せられたまふ、 阿弥陀仙両足尊を稽首したてまつる。
稽↧首†シタテマツル天・人ニ所レタマフ↢恭敬セ↡ | 阿弥陀*仙両足尊ヲ↥ |
0678かの微妙の安楽国にましまして、 無量の仏子衆に囲繞せられたまへり。
在[シ]テ↢彼ノ微妙[ノ]安楽‡国ニ↡ | 無量ノ†仏子衆ニ囲*遶セラレタマヘリ |
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^金色の身浄くして山王のごとし。 奢摩他の行は象の歩むがごとし。
金色[ノ]身浄[ク]シテ如シ↢山王ノ↡ | 奢摩他ノ行ハ如シ↢*象ノ歩ムガ↡ |
両目の浄きこと青蓮華のごとし。 ゆゑにわれ弥陀尊を頂礼したてまつる。
両目[ノ]浄[キ]コト若シ↢青蓮華ノ↡ | 故[ニ]我頂↢礼†シタテマツル弥陀尊ヲ |
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^0702南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南0930無テ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^面よく円浄なること満月のごとし。 威光はなほ千の日月のごとし。
面善ク円浄[ナル]コト如シ↢満月ノ↡ | 威光ハ猶如シ↢*千ノ日月ノ↡ |
声は天鼓と倶翅羅のごとし。 ゆゑにわれ弥陀尊を頂礼したてまつる。
声ハ*如シ↢天鼓ト倶翅羅ノ↡ | 故ニ我頂↢礼†シタテマツル弥陀尊[ヲ]↡ |
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^▲観音頂戴の冠中に住したまふ。 種々の妙相宝をもつて荘厳せり。
観音頂戴†ノ冠中ニ住シタマフ | 種種ノ妙相宝[ヲ]モテ荘厳セリ |
よく外道と魔との憍慢を伏す。 ゆゑにわれ弥陀尊を頂礼したてまつる。
能ク伏ス↢外道ト魔トノ憍慢ヲ↡ | †故ニ我頂↢礼シタテマツル弥陀尊ヲ |
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^0679無比・無垢にして広く清浄なり。 衆徳皎潔なること虚空のごとし。
無比・無垢ニシテ広ク清浄ナリ | 衆徳皎潔ナルコト如シ↢虚空ノ↡ |
所作の利益に自在を得たまへり。 ゆゑにわれ弥陀尊を頂礼したてまつる。
所作ノ利益ニ†得タマヘリ↢自在ヲ↡ | †故ニ我頂↢礼シタテマツル弥陀尊ヲ |
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^十方に名の聞ゆる菩薩衆、 無量の諸魔つねに讃歎す。
0703もろもろの衆生のために願力をもつて住したまふ。 ゆゑにわれ弥陀尊を頂礼したてまつる。
0931為ニ↢諸ノ衆生[ノ]↡願力ヲモテ住[シ]タマフ | †故ニ我頂↢礼シタテマツル弥陀尊ヲ |
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^金を底とし宝間はりたる池に生ぜる華、 善根の成ぜるところの妙台座なり。
金ヲ底トシ†宝*間リタル池ニ生ゼル華 | 善根ノ所[ノ]↠成ゼル妙台座†ナリ |
かの座の上において山王のごとし。 ゆゑにわれ弥陀尊を頂礼したてまつる。
†於テ↢彼ノ座ノ上ニ↡如シ↢山王ノ↡ | †故ニ我頂↢礼シタテマツル弥陀尊ヲ |
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡。
^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^十方より来れるところのもろもろの仏子、 神通を顕現して安楽に至り、
十方ヨリ所ノ↠来レル諸ノ仏子 | 顕↢現シテ神通ヲ↡至リ↢安楽ニ↡ |
尊顔を瞻仰してつねに恭敬す。 ゆゑにわれ弥陀尊を頂礼したてまつる。
瞻↢仰シテ尊顔ヲ↡常ニ恭敬ス | †故ニ我頂↢礼シタテマツル弥陀尊ヲ |
^0680願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^諸有は無常・無我等なり。 また水月・電・影・露のごとし。
所有ハ無常・無我等ナリ | 亦如シ↢水月・†電・影・露ノ↡ |
衆のために*法に名字なきことを説きたまふ。 ゆゑにわれ弥陀尊を頂礼したてまつる。
為ニ↠衆[ノ]†説キタマフ↣法ニ無キコトヲ↢名字↡ | †故ニ我頂↢礼シタテマツル弥陀尊ヲ |
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^0704南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南0932無テ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^かの尊の仏刹には悪の名なし。 また女人と悪道との怖れなし。
彼ノ尊ノ仏刹ニハ無シ↢悪ノ名↡ | 亦無シ↢女人ト悪道トノ怖レ↡ |
衆人、 心を至してかの尊を敬ひたてまつる。 ゆゑにわれ弥陀尊を頂礼したてまつる。
衆人至[シ]テ↠心ヲ敬†ヒタテマツル↢彼ノ尊[ヲ]↡ | †故ニ我頂↢礼シタテマツル弥陀尊ヲ |
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡。
^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^かの尊の無量方便の境には、 諸趣と悪知識とあることなし。
彼[ノ]尊ノ無量方便ノ境ニハ | 無シ↠有[ル]コト↢諸趣ト悪知識ト↡ |
往生すれば退せずして菩提に至る。 ゆゑにわれ弥陀尊を頂礼したてまつる。
往生†スレバ不シテ↠退[セ]至ル↢菩提ニ↡ | †故ニ我頂↢礼シタテマツル弥陀尊ヲ |
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^0681南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^われかの尊の功徳の事を説けり。 衆善無辺にして海水のごとし。
我説†ケリ↢彼ノ尊ノ功徳ノ事ヲ↡ | 衆善無辺ニシテ如シ↢海水ノ↡ |
獲るところの善根清浄なるもの、 衆生に回施してかの国に生ぜん。
所ノ↠*獲ル善根清浄†ナル者 | 廻↢施シテ衆生ニ↡生ゼ†ム↢彼[ノ]*国ニ↡ |
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
二 Ⅲ ⅱ b 重礼
【29】^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^われを哀愍して覆護し、 法種をして増長せしめたまへ。
†哀↢愍シテ覆↣護シ我ヲ↡ | 令メタマヘ↢法種ヲシテ増長セ↡ |
此世および後生に、 願はくは仏つねに摂受したまへ。
^0705願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願0933クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方極楽世界の観世音菩薩を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方極楽世界ノ観世音菩薩ヲ↡。
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方極楽世界の大勢至菩薩を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方極楽世界ノ大勢至菩薩ヲ↡。
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方極楽世界の諸菩薩・清浄大海衆を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方極楽世界ノ諸菩薩・清浄大海衆ヲ↡。
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
二 Ⅲ ⅱ c 懴悔
イ 標挙
【068230】^▽あまねく師僧・父母および善知識、 法界の衆生、 三障を断除して、 同じく阿弥陀仏国に往生することを得んがために、 帰命し懴悔したてまつる。
†普ク為ニ↫師僧・父母及ビ善知識、法界ノ衆生、断↢除シテ三障ヲ↡、同ジク得ムガ↪往↩生スルコトヲ阿弥陀仏国ニ↨、帰命シ懴悔シタテマツル。
二 Ⅲ ⅱ c ロ 出文
(一)懴悔
^心を至して懴悔す。
†至シテ↠心ヲ懴悔。
^無始に身を受けてよりこのかた、 つねに十悪をもつて衆生に加ふ。
†自↢従無始ニ受ケテ↟身ヲ来タ | 恒ニ以テ↢十悪ヲ↡加フ↢衆生ニ↡ |
父母に孝せず三宝を謗り、 五逆・不善業を造作す。
不↠孝セ↢父母ニ↡†謗リ↢三宝ヲ↡ | 造↢作ス五逆・不善業ヲ↡ |
^この衆罪の因縁をもつてのゆゑに、 *妄想顛倒して*纏縛を生じ、
以[テ]ノ↢是ノ衆罪ノ因縁ヲ↡故ニ | 妄想顛倒シテ生ジ↢纏マトイ縛ヲシバル↡ |
無量の生死の苦を受くべし。 頂礼し懴悔したてまつる。 願はくは滅除せしめたまへ。
応シ↠受ク↢無量[ノ]生死ノ苦ヲ↡ | 頂礼シ‡懴悔†シタテマツル願[ク]ハ滅除[セ]シメタマヘ |
^0706懴悔しをはりて、 心を至して阿弥陀仏に帰命したてまつる。
†懴0934悔シ已リテ、至シテ↠心ヲ帰↢*命シタテマツル阿弥陀仏ニ↡。
二 Ⅲ ⅱ c ロ (二)勧請
^心を至して*勧請す。
†至シテ↠心ヲ勧請ス。
^諸仏大慈無上尊、 つねに*空慧をもつて三界を照らしたまふ。
諸仏大慈無上尊 | 恒ニ以テ↢空慧ヲ↡照[シ]タマフ↢三界ヲ↡ |
衆生*盲冥にして覚知せず。 永く生死の大苦海に没す。
衆生盲冥ニシテ不↢覚知セ↡ | 永ク†没ス↢生死ノ大苦海ニ↡ |
^*群生を抜きて諸苦を離れしめんがために、 勧請したてまつる。 つねに住して*法輪を転じたまへ。
為ニ↧抜キテ↢群生ヲ↡離[レ]シメムガ↦諸苦ヲ↥ | 勧請シタテマツル常[ニ]住シテ転ジタマヘ↢法輪ヲ↡ |
^勧請しをはりて、 心を至して阿弥陀仏に帰命したてまつる。
†勧請シ已リテ、至シテ↠心ヲ帰↢*命シタテマツル阿弥陀仏ニ↡。
二 Ⅲ ⅱ c ロ (三)随喜
^0683心を至して随喜す。
†至シテ↠心ヲ随喜ス。
^*歴劫よりこのかた懐ける嫉妬、 *我慢、 *放逸は*痴によりて生ず。
†歴劫ヨリ已来タ†懐ケル嫉妬 | 我慢・放逸ハ由[リ]テ↠痴ニ生ズ |
つねに瞋恚毒害の火をもつて、 智慧・慈・善根を*焚焼す。
恒ニ以[テ]↢瞋恚毒害ノ火ヲ↡ | 焚↢焼ス智慧・慈・善根ヲ↡ |
^今日思惟しはじめて*惺悟して、 大精進随喜の心を発す。
今日思惟シ‡†始テ惺悟シテ | 発ス↢大精進随喜ノ心ヲ↡ |
^随喜しをはりて、 心を至して阿弥陀仏に帰命したてまつる。
†随喜シ已リテ、至シテ↠心ヲ帰↢*命シタテマツル阿弥陀仏ニ↡。
二 Ⅲ ⅱ c ロ (四)回向
^心を至して回向す。
†至シテ↠心ヲ廻向ス。
^三界のうちに*流浪して、 *痴愛をもつて*胎獄に入る。
流↢浪シテ三界ノ内ニ↡ | 痴愛†ヲモテ入†ル↢胎獄ニ↡ |
生じをはりて老死に帰し、 苦海に沈没す。
生ジ已[リ]†テ帰シ‡↢老死ニ↡ | †沈↢没ス於苦海ニ↡ |
^われいまこの福を修して、 回して安楽土に生ぜん。
我今修[シテ]↢此ノ福ヲ↡ | 廻シテ生ゼム↢安楽土ニ↡ |
^0707回向しをはりて、 心を至して阿弥陀仏に帰命したてまつる。
†廻0935向シ已リテ、至シテ↠心ヲ帰↢*命シタテマツル阿弥陀仏ニ↡。
二 Ⅲ ⅱ c ロ (五)発願
^心を至して発願す。
†至シテ↠心ヲ発願ス。
^願はくは*胎蔵の形を捨てて、 安楽国に往生し、
願[ク]ハ捨テテ↢胎蔵ノ形ヲ↡ | 往↢生シ‡安楽国ニ↡ |
すみやかに弥陀仏の無辺功徳の身を見たてまつり、
^つつしみてもろもろの如来を覲たてまつらん。 *賢聖もまたしかなり。
†奉ミテ覲タテマツラム↢諸ノ如来ヲ↡ | 賢聖モ亦復然ナリ |
六神通力を獲て、 苦の衆生を救摂せん。
^0684虚空法界尽きんや。 わが願もまたかくのごとくならん。
虚空法界尽†キムヤ | 我ガ願モ亦如†クナラム↠是[クノ] |
^発願しをはりて、 心を至して阿弥陀仏に帰命したてまつる。
†発願シ已リテ、至シテ↠心ヲ帰↢*命シタテマツル阿弥陀仏ニ↡。
二 Ⅲ ⅱ c ハ 例余
^余はことごとく上の法に同じ。
†余ハ悉ク同ジ↢上ノ法ニ↡。
二 Ⅳ【後夜讃】
ⅰ 総標
【31】^↑第四につつしみて天親菩薩の願往生礼讃の偈 (浄土論) によりて、 二十拝、 後夜の時に当りて礼す。 懴悔は前後に同じ。
第四ニ謹[ミテ]依[リ]テ↢天親菩薩[ノ]願往生礼讃ノ偈ニ↡、二十拝、†当リテ↢後夜ノ時ニ↡礼ス。懴悔[ハ]同ジ↢前後ニ↡。
二 Ⅳ ⅱ 正出
a 別讃【願生偈】
【32】^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^▲世尊、 *われ一心に尽十方無礙光如来に帰命したてまつりて、
▲仏教と相応せん。
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^◆かの世界の相を観ずるに、 三界の道に勝過せり。
観[ズ]ルニ↢彼ノ世界[ノ]相ヲ↡ | 勝↢過セリ三界ノ道ニ↡ |
◆究竟して虚空のごとく、 広大にして辺際なし。
究竟シテ如†ク↢虚空ノ↡ | 広大ニシテ無シ↢辺際↡ |
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^0708南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南0936無テ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^◆正道の大慈悲、 出世の善根より生ず。
0685◆浄光明の満足せること、 鏡と日月輪とのごとし。
浄光明[ノ]満足†セルコト | 如シ↢鏡ト日月輪[ト]ノ↡ |
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^◆もろもろの珍宝の性を備へて、 妙荘厳を具足せり。
備ヘ[テ]↢諸ノ珍宝ノ性ヲ↡ | 具↢足†セリ妙荘厳ヲ↡ |
◆無垢の光焔熾りにして、 明浄にして世間を曜かす。
無垢ノ光焔熾ニシテ | 明浄ニシテ曜カス↢世間ヲ↡ |
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^▲宝華千万種にして、 池・流・泉に弥覆せり。
宝華千万種ニシテ | 弥↢覆セリ池・流・泉ニ↡ |
微風華葉を動かすに、 交錯して光乱転す。
微風動†スニ↢華葉ヲ↡ | 交錯マジワルシテ光乱転ス |
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^◆宮殿・もろもろの楼閣にして、 十方を観ること無礙なり。
雑樹に異の光色あり、 宝欄あまねく囲繞せり。
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^0686◆無量の宝交絡して、 羅網虚空にあまねし。
無量ノ宝‡交絡マジワルシテ | 羅網†遍シ↢虚空ニ↡ |
種々の鈴響きを発して、 妙法の音を宣べ吐く。
種種ノ鈴リヤウ発ホチシ[テ]↠響カウ ヲ | 宣ベ↢吐ク妙法ノ音ヲ↡ |
^0709願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願0937クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^▲*梵音悟らしむること深遠にして微妙なり。 十方に聞ゆ。
梵音†悟ラシムルコト深遠†ニシテ | 微妙†ナリ聞†ユ↢十方ニ↡ |
◆正覚の阿弥陀法王、 よく住持したまへり。
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^◆如来浄華の衆は、 正覚の華より化生す。
◆仏法の味はひを愛楽し、 禅三昧を食となす。
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^◆永く身心の悩みを離れ、 楽しみを受くることつねにして間なし。
永ク離レ‡↢*身心ノ悩ヲ↡ | 受[ク]ルコト↠楽[ミヲ]常ニ[シテ]無[シ]↠間 |
◆大乗善根の界は、 等しくして譏嫌の名なし。
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^0687南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^◆女人および根欠、 二乗の種生ぜず。
◆衆生の願楽するところ、 一切よく満足す。
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^0710▲無量大宝王の微妙の浄華台あり。
◆相好の光一尋にして、 色像群生に超えたまへり。
相好ノ光一尋ニシテ | 色像超[エ]†タマヘリ↢群生ニ↡ |
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^▲天・人不動の衆、 清浄の智海より生ず。
◆ˆ如来はˇ 須弥山王のごとく、 勝妙にして過ぎたるものなし。
如†ク↢須弥山王ノ↡ | 勝妙ニシテ無シ↢過ギタル者↡ |
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^◆天・人・丈夫の衆、 恭敬して繞りて瞻仰したてまつる。
▲天の楽と華と衣と妙香等とを雨らして供養したてまつる。
†雨ラシテ↢天ノ楽ト華ト衣ト | 妙香等トヲ↡供養シタテマツル |
^0688願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^▲安楽国は清浄にして、 つねに無垢の輪を転ず。
▲一念および一時に、 ▲もろもろの群生を利益す。
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^▲仏のもろもろの功徳を讃ずるに、 分別の心あることなし。
讃[ズ]ルニ↢仏ノ諸ノ功徳ヲ↡ | 無シ↠有[ル]コト↢分別ノ心↡ |
▲よくすみやかに功徳の大宝海を満足せしむ。
^▲願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽*国ニ↡
二 Ⅳ ⅱ b 重礼
【33】^0711南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南0939無テ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^われを哀愍して覆護し、 法種をして増長せしめたまへ。
†哀↢愍シテ覆↣護シ我ヲ↡ | 令メタマヘ↢法種ヲシテ増長セ↡ |
此世および後生に、 願はくは仏つねに摂受したまへ。
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方極楽世界の観世音菩薩を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方極楽世界ノ観世音菩薩ヲ↡。
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^0689南無して心を至し帰命して、 西方極楽世界の大勢至菩薩を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方極楽世界ノ大勢至菩薩ヲ↡。
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方極楽世界の諸菩薩・清浄大海衆を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方極楽世界ノ諸菩薩・清浄大海衆ヲ↡。
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
二 Ⅳ ⅱ c 懴悔
【34】^あまねく師僧・父母および善知識、 法界の衆生、 三障を断除して、 同じく阿弥陀仏国に往生することを得んがために、 帰命し懴悔したてまつる。
†普ク為ニ↫師僧・父母及ビ善知識、法界ノ衆生、断↢除シテ三障ヲ↡、同ジク得ムガ↪往↩生スルコトヲ阿弥陀仏国ニ↨、帰命シ懴悔シタテマツル。
二 Ⅴ【晨朝讃】
ⅰ 総標
【35】^↑第五につつしみて彦琮法師の願往生礼讃の偈によりて、 二十一拝、 *旦起の時に当りて礼したてまつる。 懴悔は前後に同じ。
第五ニ*謹[ミ]テ依†リテ↢彦*琮法師ノ願往生礼讃ノ偈ニ↡、二十*一拝、†当リテ↢旦起ノ時ニ↡礼シタテマツル。懴悔[ハ]同ジ↢前後ニ↡。
二 Ⅴ ⅱ 正出
a 別讃【彦琮礼讃】
【36】^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^0712法蔵の因いよいよ遠ければ、 極楽の果また深し。
0940法蔵ノ因弥ヨ遠[ケ]レバ | 極楽ノ果†還タ深シ |
*異珍参はりて地をなし、 衆宝間はりて林をなす。
異珍参リテ作シ↠地ヲ | 衆宝間リテ為ス↠林†ヲ |
^華は希有の色を開き、 波は実相の音を揚ぐ。
華[ハ]開キ↢希有ノ色ヲ↡ | 波[ハ]揚グ↢実相ノ音ヲ↡ |
いかにしてかまさに授手を蒙りて、 一たび往生の心を遂ぐべき。
何[ニシテカ]当ベ †[ニ]キ↧蒙[リ]テ↢授手ヲ↡ | 一[タ]ビ遂グ↦往生ノ心ヲ↥ |
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^0690南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^濁世に還り入るを難ひ、 浄土の願いよいよ深し。
濁世ニ†難ヒ↢還リ入ルヲ↡ | 浄土ノ願逾ヨ深シ |
金縄直くして道を界ひ、 珠網縵くして林に垂る。
金縄†直クシテ界ヒ↠道ヲ | †珠網縵クシテ垂ル↠林ニ |
^色を見ればみな真色、 音を聞けばことごとく法音なり。
西方遠しといふことなかれ。 ただ十念の心を須ゐよ。
莫レ↠謂フコト↢西方‡遠[シ]ト↡ | 唯須ヰヨ↢十念ノ心ヲ↡ |
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^すでに*窮理の聖となりて、 まことに*遍空の威あり。
已ニ成[リ]テ↢窮理[ノ]聖ト↡ | 真ニ有リ↢遍空ノ威↡ |
西にありて時に*小を現ずるは、 ただこれしばらく機に随ふのみ。
†在リテ↠西ニ時ニ現ズ[ルハ]↠小ヲ | 但是暫ク随フ[ノミ]↠機ニ |
^葉珠あひ映飾し、 砂水ともに澄輝せり。
葉珠相映飾シ | 砂水共ニ*澄スミ 輝セリカヾヤキ |
無生の果を得んと欲せば、 かの土にかならずすべからくよるべし。
†欲セバ↠得ムト↢無生ノ果ヲ↡ | 彼ノ土ニ必ズ須ベ [ク]シ↠依ル |
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^*五山の毫独り朗らかにして、 *宝手の印つねにあきらかなり。
五山ノ毫独リ朗カニシテ | 宝手ノ印恒ニ†分ナリ |
地・水ともに鏡となり、 香華同じく雲となる。
^0691業深ければ往きやすきことを成ず。 因浅ければ実に聞きがたし。
業†深ケレバ成ズ↠易キコトヲ↠往キ | 因浅ケレバ実ニ難シ↠聞キ |
かならず望むらくは疑惑を除きて、 *超然として独り群がらざれ。
必ズ望ムラクハ除[キ]テ↢疑惑ヲ↡ | 超然トシテコエテシカラシメテ独リ†不レ↠群ラ |
^0713願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願0941クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽*国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^心は*真慈を帯びて満ち、 光は法界を含みて団かなり。
心ハ†帯ビテ↢真‡慈ヲ↡満チ | 光ハ含[ミ]テ↢法界ヲ↡*団ナリ |
*無縁よく*物を摂すれば、 *有相さだめて難きにあらず。
無縁能ク摂ス[レバ]ホトケノヘン↠物ヲ | 有*相定[メ]テ非ズ↠難キニ |
^華本心に随ひて変じ、 宮移りて身おのづから安し。
華随[ヒテ]↢本心ニ↡変ジ | 宮移リテ†身自ラ安シ |
*出世の境を聞くことを悕はば、 すべからくともに禅に入りて看るべし。
†悕ハバ↠聞クコトヲ↢出世ノ境ヲ↡ | 須ベ クシ↢共ニ入[リ]テ↠禅[ニ]*看ル↡ |
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^回向やうやく功をなせば、 西方の路やうやく通ず。
*宝幢*厚地を承け、 天香遠風に入る。
^開華重なりて水に布き、 *覆網細かくして空を分つ。
†開華重ナリテ布キ↠水ニ | 覆網細[クシテ]†分ツ↠空ヲ |
願生なんぞ意切なる。 まさしく楽の無窮なるがためなり。
願生†何ゾ意切ナル | 正シク為ナリ↢楽[ノ]無窮ナルガ↡ |
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^0692南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^*当生の処を選ばんと欲せば、 西方もつとも帰すべし。
†欲セバ↠選バムト↢当生ノ処ヲ↡ | 西方最[モ]可シ↠帰ス |
樹を間てて*重閣を開き、 道に満てて*鮮衣を布く。
間テテ↠樹ヲ開キ↢重閣ヲ↡ | 満テテ↠道†ニ布†ク↢鮮衣ヲ↡ |
^香飯、 心に随ひて至り、 宝殿身を逐ひて飛ぶ。
香飯随[ヒ]テ↠心[ニ]至リ | 宝殿†逐ヒテ↠身ヲ飛ブ |
有縁はみな入ることを得。 まさしくみづから往く人希なり。
有縁[ハ]皆得↠入[ルコト]ヲ | *正[シ]ク自[ラ]往ク人希ナリ |
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^0714十劫に*道先になりて、 界を厳りて群萌を引く。
0942十劫ニ道先ニ成[リ]テ | 厳リテ↠界ヲ引ク↢群萌ヲ↡ |
金砂水を徹して照り、 玉葉枝に満ててあきらかなり。
†金砂徹シテ↠水ヲ†照リ | †玉葉満†テテ↠枝ニ明カナリ |
^鳥は本*珠のなかより出で、 人はただ華の上に生ず。
あへて請ふ西方の聖、 いつかさだめてあひ迎へたまへ。
敢テ†請フ西方ノ聖 | 早晩定メテ相迎ヘ†タマヘ |
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^十方諸仏の国は、 ことごとくこれ*法王の家なり。
ひとへに有縁の地を求めて、 冀はくは早く邪なきを得ん。
偏ニ求†メテ↢有縁ノ地ヲ↡ | 冀ハクハ得ム↢早ク無[キ]‡ヲ↟邪 |
^0693*八功如意の水、 七宝自然の華、
かしこに心よく係くれば、 まさにかならず往くべし。 はるかなるにあらず。
於テ↠彼ニ心能ク係[ケ]レバ | 当ベ ニシ↢必ズ往ク↡非ズ↠賖ナルニ |
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^浄国は衰変なし。 一たび立して古今しかなり。
浄国ハ無[シ]↢衰変↡ | 一[タ]ビ立シテ古今然ナリ |
光台には千宝を合し、 音楽*八風に宣ぶ。
^池には多し説法の鳥、 空には満てり散華の天。
生ずることを得れば退くことを畏れず。 意に随ひてすでに蓮を開く。
得レバ↠生ズルコトヲ不↠畏レ↠†退クコトヲ | 随[ヒ]テ↠意ニ*既ニ開ク↠蓮ヲ |
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^華に坐するは一像にあらず。 聖衆また量りがたし。
†坐スルハ↠華ニ非ズ↢一像ニ↡ | 聖衆亦難シ↠量リ |
蓮開けて人独り処し、 波生じて法おのづから揚ぐ。
^災なきは処の静かなるによる。 退かざるは朋の良きためなり。
無[キ]‡ハ↠災由ル↢処ノ静ナルニ↡ | 不ル‡ハ↠退カ為ナリ↢†朋ノ良キ↡ |
かの*前生の輩に問ふ。 「ここに来りてよりいくばくの劫ばかりぞ」 と。
問フ↢彼ノ前生ノ輩ニ↡ | 来†リテヨリ↠斯ニ幾クノ劫強ゾ[ト] |
^0715願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願0943クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^0694南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^▲*光舒べて毘舎を救ひ、 ▲*空に立ちて韋提を引く。
光舒ベテ救ヒ↢毘舎ヲ↡ | *空ニ立[チ]テ引ク↢韋提ヲ↡ |
天来りて香蓋を捧げ、 人去りて宝衣を齎す。
天来[リ]テ香蓋ヲ捧ゲ | 人去[リ]テ宝衣ヲ†齎ス |
^▲*六時に鳥の合するを聞く。 ▲*四寸華を践みて低る。
六時ニ聞†ク↢†鳥ノ合スルヲ↡ | 四寸践ミテ↠華ヲ†低ル |
あひ看るに正しからざるはなし。 あにまた長き迷ひあらんや。
相看ルニ無シ↠不[ル]†ハ↠正シカラ | 豈ニ復有ラムヤ↢†長キ迷ヒ↡ |
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^あまねく勧む、 三福を弘めて、 ことごとく*五焼を滅せしむ。
普ク*勧†ム弘メ[テ]↢三福ヲ↡ | 咸[ク]令ム↠滅セ↢五焼ヲ↡ |
心を発して功すでに至れば、 念を係くるに罪すなはち消ゆ。
†発シテ↠心ヲ功已[ニ]至†レバ | 係†クルニ↠念ヲ罪便チ消[ユ] |
^鳥華やかにして珠光転じ、 風好ましくして楽声調ふ。
†鳥*華ヤカニシテ珠光‡転ジ | 風†好マシク[シテ]楽†声調フ |
ただ*行道の易きことを欣ぶ。 なんぞ*聖果のはるかなるを愁へんや。
*但†忻ブ↢行道ノ易キコトヲ↡ | †寧ゾ愁ヘムヤ↢聖果ノ遥ナル‡ヲ↡ |
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^珠色仍なりて水となる。 金光すなはちこれ台なり。
珠色†仍リテ為ル↠水ト | 金光即チ是台ナリ |
時に到りて華おのづから散じ、 願に随ひて華また開く。
到[リ]テ↠時ニ華自ラ散ジ | 随[ヒ]テ↠願ニ*華†還タ開ク |
^0695池に遊びてかはるがはる出没し、 空を飛びてたがひに往来す。
遊ビテ↠池ニ†更出没シ | 飛[ビ]テ↠空ヲ互ニ往来ス |
*直心をもつてよくかしこに向かふ。 あらゆる善併せてすべからく*回すべし。
*直心[ヲモテ]能ク向フ↠彼ニ | †有ル善†併テ須ベ クシ↠廻[ス] |
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^0716▼心を洗ふ*甘露の水、 目を悦ばしむる妙華の雲。
0944†洗フ↠心ヲ甘露ノ水 | †悦バシムル↠目ヲ妙華ノ雲 |
*同生の機識りやすく、 等しき寿量分ちがたし。
^楽多くとも道を廃することなし。 声遠くとも聞くを妨げず。
楽多ク†トモ無シ↠†廃スルコト↠道ヲ | 声遠ク†トモ不↠妨ゲ↠聞クヲ |
いかんが五濁を貪りて、 安然として火にみづから焚けん。
如何ガ†貪リテ↢五濁ヲ↡ | 安然トシテ火ニ自[ラ]焚ケム |
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^台の裏に人天現れ、 光のなかに侍者看ゆ。
空に懸る四宝の閣、 回に臨む七重の*欄。
^疑多きは辺地に久し。 徳少なきは*上生難し。
しばらく*余願を論ずることなかれ。 西方すでに心に安んず。
且ク莫レ↠論ズルコト↢余‡願ヲ↡ | 西*方已[ニ]心ニ安ズ |
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^0696南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^六根つねに道に合し、 三塗永く名を絶つ。
*念のあひだに遊方あまねくして、 還る時に*得忍成ず。
^地平らかにして極まりなく広し。 風長にしてこの処清し。
地平[カ]ニシテ無ク↠極[リ]広シ | 風†長ニシテ†是ノ処清シ |
言を*有心の輩に寄す。 ともにもつぱら苦なる城を出でよ。
寄ス↢言ヲ有心ノ輩ニ↡ | 共ニ出デ†ヨ↢†一ラ*苦ナル城ヲ↡ |
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
二 Ⅴ ⅱ b 重礼
【37】^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^われを哀愍して覆護し、 法種をして増長せしめたまへ。
†哀↢愍シテ覆↣護シ我ヲ↡ | 令メタマヘ↢法種ヲシテ増長セ↡ |
此世および後生に、 願はくは仏つねに摂受したまへ。
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^0717南無して心を至し帰命して、 西方極楽世界の観世音菩薩を礼したてまつる。
†南0945無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方極楽世界ノ観世音菩薩ヲ↡。
^▲*千輪、 足の下にあきらかにして、 *五道光のなかに現ず。
*千輪明カニ[シテ]↢足[ノ]下[ニ]↡ | 五道現ズ↢光ノ中ニ↡ |
*悲引つねに絶ゆることなければ、 人の帰するもまたいまだ窮まらず。
悲引恒ニ無[ケ]レバ↠絶ユルコト | †人ノ帰スルモ亦未ズ ダ↠窮ラ |
^*口に宣べてなほ定にあり。 *心静かにしてさらに通を飛ばす。
口ニ宣ベテ猶在リ↠定ニ | 心†静ニシテ更ニ飛バス↠通ヲ |
名を聞きてみな往くことを願ぜよ。 日にいくばくの*華叢をか発く。
聞[キ]テ↠名ヲ皆願†ゼヨ↠*往†クコトヲ | 日ニ発ク↢幾[ノ]華叢[ヲカ]↡ |
^0697願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方極楽世界の大勢至菩薩を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方極楽世界ノ大勢至菩薩ヲ↡。
^慧力無上を標し、 ▲身光有縁を備ふ。
*慧力‡標†シ↢無上ヲ↡ | 身光‡†備フ↢有縁ヲ↡ |
▲*もろもろの宝国を動揺して、 一の金蓮に侍座す。
動↢揺シ[テ]諸ノ宝国ヲ↡ | 侍↢座ス一ノ金蓮ニ↡ |
^▲*鳥群、 実の鳥にあらず。 *天類あに真の天ならんや。
†鳥群非ズ↢実ノ鳥ニ↡ | 天‡類豈ニ真ノ天[ナ]ラムヤ |
すべからく知るべし、 妙楽を求めば、 かならずこれ*戒香を全くせよ。
†須ベ クシ↠知ル求メバ↢妙楽ヲ↡ | †会ズ是‡戒香†ヲ全クセヨ |
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方極楽世界の諸菩薩・清浄大海衆を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方極楽世界ノ諸菩薩・清浄大海衆ヲ↡。
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
二 Ⅴ ⅱ c 懴悔
【38】^あまねく師僧・父母および善知識、 法界の衆生、 三障を断除して、 同じく阿弥陀仏国に往生することを得んがために、 帰命し懴悔したてまつる。
†普ク為ニ↫師僧・父母*及ビ善知識、法界ノ衆生、断↢除シテ三障ヲ↡、同ジク得ムガ↪往↩生スルコトヲ阿弥陀仏国ニ↨、帰命シ懴悔シタテマツル。
二 Ⅵ【日中讃】
ⅰ 総標
【39】^↑第六に沙門善導の願往生礼讃の偈、 つつしみて ˆ観経のˇ *十六観によりて二十拝を作る。 日中の時に当りて礼す。 懴悔は前後に同じ。
†第六ニ*沙門善導ノ願往生礼讃ノ偈、*謹ミテ依リテ↢十六観ニ↡作ル↢二十拝ヲ↡。当リテ↢日中ノ時ニ↡礼ス。懴悔ハ同ジ↢前後ニ↡。
二 Ⅵ ⅱ 正出
a 別讃
【40】^0718南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南0946無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^0698かの弥陀の極楽界を観ずるに、 広大*寛平にして衆宝をもつて成ず。
▲観ズルニ↢彼ノ弥陀ノ極楽界ヲ↡ | 広大寛平ニシテ衆宝[ヲ]モテ成ズ |
▼四十八願より荘厳起りて、 もろもろの仏刹に超えてもつとも*精たり。
四十八願†ヨリ荘厳起[リ]テ | 超エテ↢†諸ノ仏刹ニ↡最モ為リ↠精 |
^▼*本国・*他方の大海衆、 劫を窮めて*算数すとも名すら知らず。
本国他方ノ大海衆 | 窮メテ↠劫ヲ算数[ス]トモ†不↠知ラ↠名†スラ |
あまねく勧む、 西に帰してかの*会に同ぜよ。 恒沙の三昧自然に成ず。
普ク勧ム帰シテ↠西ニ同ゼヨ↢彼ノ会ニ↡ | 恒沙ノ三昧自然ニ成ズ |
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
【41】^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^▲地下の荘厳七宝の*幢、 ▼無量無辺無数億なり。
▲*八方八面百宝をもつて成ず。 かれを見れば無生自然に悟る。
八方八面‡百宝ヲモテ成ズ | 見†レバ↠彼ヲ無生自然ニ悟ル |
^無生の宝国永く常たり。 ▲一々の宝無数の光を流す。
無生ノ宝国永ク為リ↠常 | 一一ノ宝流ス↢無数ノ光ヲ↡ |
▼行者心を傾けてつねに目に対して、 *神を騰げ踊躍して西方に入れ。
行者傾ケテ↠心ヲ常ニ対シ[テ]↠目ニ | 騰ゲ‡↠神ヲ踊躍シテ入レ↢西方ニ↡ |
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^▲地上の荘厳うたた極まりなし。 ▼金縄は道を界ふ。 *工匠にあらず。
地上ノ荘厳転[タ]無シ↠極リ | †金縄ハ界フ↠道ヲ非ズ↢†工匠ニ↡ |
0719弥陀の願智巧みに荘厳す。 菩薩・人・天華を散じてたてまつる。
0947弥陀[ノ]願智‡巧ニ荘厳ス | 菩薩・人・天†散ジテ↠華ヲ上ル |
^▲宝地に宝色ありて宝光飛ぶ。 一々の光無数の台となる。
宝地ニ宝色ア[リ]テ宝光*飛ブ | 一一ノ光成ル↢無数ノ台ト↡ |
0699▲台のなかに宝楼千万億あり。 台の側に百億の*宝幢囲めり。
台ノ中ニ宝楼千万億アリ | 台ノ側ニ百億ノ宝幢囲メリメグレリ |
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^▲一々の台上虚空のなか、 荘厳*宝楽また窮まりなし。
一一ノ†台上虚空ノ中‡ | 荘厳宝楽亦無シ↠窮リ |
▲*八種の清風光に尋いで出でて、 時に随ひて楽を鼓つに、 機に応ずる音あり。
八種ノ清風尋ギテ↠光ニ出†デテ | 随[ヒ]テ↠時ニ†鼓ツニ↠楽ヲ†応ズル↠機ニ音アリ |
^*機音の正受やや難しとなす。 行住坐臥に心を摂して観じ、
機音ノ正受稍為ス↠難シト | 行住坐臥ニ摂シテ↠心ヲ観†ジ |
ただ睡時を除きてつねに憶念せよ。 三昧は無為にしてすなはち涅槃なり。
唯除キテ↢睡時ヲ↡常ニ憶念セヨ | 三昧ハ無為ニシテ即チ涅槃ナリ |
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^▲宝国の宝林にもろもろの宝樹あり。 宝華・宝葉・宝根茎なり。
宝国ノ宝林[ニ]諸ノ宝樹†アリ | 宝華・宝葉・宝根茎†ナリ |
あるいは千宝をもつて林を分ちて異なり、 あるいは百宝ありてともに*行を成ず。
或[イハ]以テ↢千宝ヲ↡分[チテ]↠林ヲ異ナリ | 或[イハ]有[リ]テ↢百宝↡共ニ成ズ↠†行ヲ |
^▲行々あひ当り葉あひ次げり。 色おのおの不同にして光またしかなり。
行行相当リ葉相次ゲリ | 色各[ノ]不同†ニシテ光‡亦然ナリ |
0720等量斉高にして三十万なり。 枝条あひ触れて無生を説く。
0948等量斉高ニシテ三十万ナリ | 枝条相触†レテ説ク↢*無生ヲ↡ |
^0700願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^▲七重の羅網・七重の*宮、 綺たがひに光を回らしてあひ*映発す。
七重ノ羅網‡七重ノ宮‡ | †綺互ニ廻シテ↠光ヲ相映発ス |
▲*化天童子みな充満せり。 *瓔珞の輝光日月に超えたり。
化天ノ童子皆充*満セリ | 瓔珞ノ†輝光超エタリ↢日月ニ↡ |
^▲行々の宝葉色*千般なり。 華敷けて等しくして*旋金輪のごとし。
行行ノ宝葉†色千般[ナリ] | 華敷ケテ等シク[シテ]若シ↢†旋金輪ノ↡ |
▲菓光を変じて衆宝の*蓋を成ず。 塵沙の仏刹現じて無辺なり。
†菓変ジテ↠光ヲ†成ズ↢衆宝ノ蓋ヲ↡ | 塵沙ノ仏刹現†ジテ無辺ナリ |
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^▲宝池に宝岸・宝金沙あり、 ▲*宝渠に宝葉・宝蓮華ありて、
十二由旬にしてみな正等なり。 宝羅・宝網・宝欄巡れり。
十二由旬ニシテ皆正等ナリ | 宝‡羅・宝‡網・†宝欄*巡レリ |
^▲*徳水流を分ちて宝樹を尋ぬ。 波を聞き楽を覩て*恬怕を証す。
徳水分[チ]テ↠流ヲ尋†ヌ↢宝樹ヲ↡ | 聞キ↠波ヲ覩テ↠楽ヲ証ス↢恬アハシ怕ヲ↡ |
言を*有縁の同行者に寄す。 ▼つとめて迷ひを翻して*本家に還れ。
寄ス↢*言ヲ有縁ノ同行者ニ↡ | 努力翻シテ↠迷ヲ還レ↢本家ニ↡ |
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^0721南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南0949無テ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^▲一々の金縄は道の上に界ひて、 宝楽・宝楼千万億あり。
一一ノ金縄[ハ]界ヒテ↢道ノ上†ニ↡ | 宝楽・宝*楼千万億†アリ |
0701もろもろの天童子香華を散じ、 他方の菩薩雲のごとくに集まる。
†諸ノ天童子散ジ↢香華ヲ↡ | 他方ノ菩薩如[ク]ニ↠雲ノ集ル |
^無量無辺にしてよく計ることなし。 弥陀を稽首して恭敬して立つ。
無量無辺[ニ]シテ無シ↢能ク計ルコト↡ | 稽↢首シテ弥陀ヲ↡恭敬シテ†立ツ |
▲風鈴樹の響き虚空にあまねくして、 *三尊を歎説すること極まりあることなし。
†風鈴樹ノ響†遍クシテ↢虚空ニ↡ | 歎↢説[ス]ルコト三尊ヲ↡無シ↠有[ル]コト↠極 |
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^▲弥陀本願の華王の座、 一切衆宝もつて成ずることをなせり。
▲弥陀‡本願[ノ]華王ノ座 | 一切‡衆宝‡以テ為†セリ↠成ズルコトヲ |
▲台上に*四幢あり、 *宝縵を張れり。 弥陀独り坐して*真形を顕す。
台‡上ニ四幢アリ張レリ↢宝*縵ヲ↡ | 弥陀独リ坐シテ顕ス↢真形ヲ↡ |
^真形の光明法界にあまねし。 ▼光触を蒙るものは心退せず。
真形ノ光明†遍シ↢法界ニ↡ | 蒙ル↢光触ヲ↡者[ハ]心不↠退セ |
昼夜六時にもつぱら想念すれば、 *終時快楽にして三昧のごとし。
昼夜六時ニ専ラ想念[ス]レバ | †終時快楽[ニシテ]如シ↢三昧ノ↡ |
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^▲弥陀の身心法界にあまねし。 衆生の*心想のうちに*影現したまふ。
▲弥陀ノ*身心†遍シ↢法界ニ↡ | 影↢現[シ]タマフ衆生[ノ]心想ノ中ニ↡ |
0722このゆゑになんぢに勧む。 つねに観察して、 心によりて想を起して*真容を表すべし。
0950是ノ故ニ勧†ム↠汝[ニ]常ニ観察†シテ | 依[リ]テ↠心ニ起シテ↠*想ヲ表ス[ベシ]↢真容ヲ↡ |
^0702▲真容の宝像*華座に臨めり。 心開けてかの国の荘厳を見る。
真容ノ宝像臨メ†リ↢華座ニ↡ | 心開[ケ]テ見ル↢彼ノ国ノ荘厳ヲ↡ |
宝樹に三尊の華遍満し、 風鈴楽の響き、 文と同じ。
宝樹ニ三*尊ノ華遍満†シ | †風鈴楽ノ響与↠文同[ジ] |
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^▲弥陀の身色金山のごとし。 ▲相好の光明十方を照らす。
▲弥陀ノ身色‡如シ↢金山ノ↡ | 相好ノ光明照ス↢十方ヲ↡ |
▼ただ念仏するもののみありて*光摂を蒙る。 まさに知るべし、 本願もつとも強しとなす。
唯有[リ]テ↢†念仏スルモノ[ノミ]↡蒙ル↢光摂ヲ↡ | 当ベ ニシ↠知[ル]本願最モ為ス↠†強シト |
^▼十方の如来舌を舒べて証したまふ。 もつぱら名号を称して西方に至ると。
*十方ノ如来舒ベテ↠舌ヲ証[シ]タマフ | †専ラ称シテ↢名号ヲ↡至ル[ト]↢西方ニ↡ |
かしこに到り華開けて妙法を聞けば、 ▼*十地の願行自然に彰る。
到[リ]‡↠彼ニ華*開[ケ]テ聞†ケバ↢妙法ヲ↡ | 十地ノ願行自然ニ彰ル |
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^▼観音菩薩の大慈悲、 すでに菩提を得るも捨てて証せず。
▲観音菩薩ノ大慈悲 | 已ニ得ル[モ]↢菩提ヲ↡捨テテ不↠証セ |
▲*一切の五道身中に内る。 六時に観察して三輪応ず。
^▲応現の身光は紫金色なり。 相好*威儀うたた極まりなし。
0723▲つねに百億光王の手を舒べて、 あまねく有縁を摂して本国に帰せしむ。
0951恒ニ舒ベテ↢百億光王ノ手ヲ↡ | 普ク*摂シテ↢有縁ヲ↡帰[セ]シム↢本国ニ↡ |
^0703願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^▲勢至菩薩思議しがたく、 ▲威光あまねく無辺際を照らす。
▲勢至菩薩難†ク↢思議シ↡ | 威光普ク照ス↢無辺際ヲ↡ |
有縁の衆生光触を蒙りて、 智慧を増長して三界を超ゆ。
有縁ノ衆生蒙リ[テ]↢光触ヲ↡ | 増↢長シテ智慧ヲ↡超ユ↢三界ヲ↡ |
^▲*法界傾揺して転蓬のごとし。 化仏雲集して虚空に満てり。
法界傾揺†シテ如シ↢転蓬ノ↡ | 化仏†雲集シテ満†テリ↢虚空ニ↡ |
あまねく有縁に勧む。 つねに憶念して、 永く*胞胎を絶ちて、 六通を証せよ。
普ク勧†ム↢有縁†ニ↡常ニ憶念†シテ | 永ク絶[チ]テ↢胞胎ヲ↡証†セヨ↢六通ヲ↡ |
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^▲*正坐跏趺して三昧に入れば、 想心念に乗じて西方に至る。
†正坐*跏趺シテ入レバ↢三昧ニ↡ | 想心乗ジテ↠念ニ至ル↢西方ニ↡ |
▲弥陀の極楽界を覩見するに、 地上・虚空七宝をもつて荘れり。
覩↢見[ス]ルニ弥陀ノ極楽界ヲ↡ | 地上・虚空七宝[ヲ]モテ*荘レリ |
^▲弥陀の身量きはめて無辺なれば、 かさねて衆生を勧めて小身を観ぜしむ。
弥陀ノ身量極メテ無辺†ナレバ | 重テ勧メテ↢衆生ヲ↡観[ゼ]シム↢小身ヲ↡ |
▲*丈六・八尺機に随ひて現じ、 *円光の化仏前の真に等し。
丈六八尺随[ヒ]テ↠機ニ現ジ | 円光[ノ]化仏‡等シ↢前ノ真ニ↡ |
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
【42】^0724南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南0952無テ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^▲上輩は*上行上根の人なり。 浄土に生ずることを求めて貪瞋を断ず。
上輩[ハ]上行上根ノ人[ナリ] | 求†メテ↠†生ズルコトヲ↢浄土ニ↡断ズ↢貪瞋ヲ↡ |
0704行の差別につきて三品を分つ。 *五門相続して*三因を助く。
就キテ↢行ノ差別ニ↡分ツ↢三品ヲ↡ | 五門相続シテ助ク↢三因ヲ↡ |
^一日七日もつぱら精進して、 畢命に台に乗じて*六塵を出づ。
一日七日専ラ精進†シテ | †畢命ニ乗[ジ]テ↠台ニ出ヅ↢六塵ヲ↡ |
慶ばしきかな、 逢ひがたくしていま遇ふことを得たり。 永く*無為法性の身を証せん。
慶シキ哉‡難[ク]シテ↠逢ヒ今得[タ]リ↠遇[フ]コトヲ | 永ク証セム↢無為法性ノ身ヲ↡ |
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡往↢生セム安楽国ニ↡。
^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^▲中輩は*中行中根の人なり。 一日の斎戒をもつて金蓮に処す。
中輩[ハ]中行中根ノ人[ナリ] | 一日ノ斎戒†ヲモテ処†ス↢金蓮ニ↡ |
父母に孝養せるを教へて回向せしめ、 ために西方快楽の因と説く。
孝↢養セルヲ父母ニ↡教ヘテ廻向†セシメ | 為ニ説ク↢西方快楽ノ因ヲ↡ |
^仏、 声聞衆と来り取りて、 ただちに弥陀の華座の辺に到る。
仏与↢声聞衆↡来リ取[リ]テ | 直ニ到ル↢弥陀ノ華座ノ辺ニ↡ |
百宝の華に篭りて七日を経。 三品の蓮開けて*小真を証す。
百宝ノ華ニ篭[リ]テ†経↢七日ヲ↡ | 三品†ノ蓮開[ケ]テ証ス↢小真ヲ↡ |
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^▲下輩は*下行下根の人なり。 ▼十悪・五逆等の貪瞋と、
下輩[ハ]下行下根ノ人[ナリ] | 十悪・五逆等ノ貪瞋[ト] |
0725四重と*偸僧と*謗正法と、 いまだかつて慚愧して前のを悔いず。
0953四重ト偸僧ト謗正法ト | 未ズ ダ↣曽テ慚愧シテ悔イ↢前ノヲ↡ |
^終時に、 苦相、 雲のごとくに集まり、 地獄の猛火罪人の前にあり。
†終時ニ苦‡相*如クニ↠雲ノ集†リ | 地獄ノ猛火罪人ノ前ニアリ |
0705▼たちまちに*往生の善知識の、 急に勧めてもつぱらかの仏の名を称せしむるに遇ふ。
忽ニ遇フ↣往生ノ善知識ノ | 急ニ勧メテ専ラ称[セシム]ルニ↢彼ノ仏ノ名ヲ↡ |
^化仏・菩薩声を尋ねて到りたまふ。 一念心を傾くれば宝蓮に入る。
化仏・菩薩尋ネテ↠声ヲ到リタマフ | 一念傾クレバ↠心ヲ入ル↢宝蓮ニ↡ |
*三華障重くして多劫に開く。 時にはじめて菩提の因を発す。
三†華障重クシテ開ク↢多劫ニ↡ | 于↠時始テ発ス↢菩提ノ因ヲ↡ |
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
【43】^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^弥陀仏国はよく感ずるところなり。 西方極楽は思議しがたし。
†弥陀仏国ハ能ク所ナリ↠感ズル | *西方極楽[ハ]難シ↢思*議シ↡ |
般若を*渇聞して*思漿を絶つ。無生を念食してすなはち飢ゑを断ず。
†渇↢聞シテ*般若ヲ↡†絶ツ↢思漿ヲ↡ | †念↢食シテ無生ヲ↡即[チ]断ズ↠飢ヲ |
^一切の荘厳みな法を説く。 ▼無心に領納して自然に知る。
一切ノ荘厳皆説ク↠法ヲ | †無心ニ領納シテ自然ニ知ル |
*七覚の華池意に随ひて入る。 *八背神を凝らして一枝に会す。
七覚[ノ]華池随[ヒ]テ↠意ニ入ル | 八*背凝シテ↠神ヲ会ス↢一枝ニ↡ |
^無辺の菩薩同学となる。 *性海の如来ことごとくこれ師なり。
*無辺ノ菩薩†為ル↢同学ト↡ | 性海ノ如来‡尽ク是師ナリ |
弥陀の心水身頂に沐す。 観音・勢至、 衣を与へて被す。
弥陀ノ心水沐ス↢身頂†ニ↡ | 観音・*勢至与ヘ[テ]↠†衣ヲ被†ス |
^たちまちに空に騰りて法界に遊び、 須臾に*記を授かり無為と号す。
欻爾ニ†騰リテ↠空ニ遊ビ↢法界ニ↡ | 須臾ニ†授リ↠記ヲ号ス↢無為ト↡ |
かくのごとく*逍遥極まりなき処なり。 わ0726れいま去かずはいづれの時をか待たん。
0954如†ク↠此[ク]ノ逍遥‡無キ↠極処ナリ | †吾今不ハ↠去カ待タム↢何ノ時ヲカ↡ |
^0706願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
二 Ⅵ ⅱ b 重礼
【44】^南無して心を至し帰命して、 西方の阿弥陀仏を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。
^われを哀愍して覆護し、 法種をして増長せしめたまへ。
†哀↢愍シテ覆↣護シ我ヲ↡ | 令メタマヘ↢法種ヲシテ増長セ↡ |
此世および後生に、 願はくは仏つねに摂受したまへ。
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
^南無して心を至し帰命して、 西方極楽世界の観音・勢至・諸菩薩・清浄大海衆を礼したてまつる。
†南無シテ至シ↠心ヲ帰命シテ、礼シタテマツル↢西方*極楽世界ノ観音・勢至・諸菩薩・清浄大海衆ヲ↡。
^願はくはもろもろの衆生とともに、 安楽国に往生せん。
†願クハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡ 往↢生セム安楽国ニ↡
二 Ⅵ ⅱ c 懴悔
イ 総標
【45】^あまねく師僧・父母および善知識、 法界の衆生、 三障を断除して、 同じく阿弥陀仏国に往生することを得んがために、 帰命し懴悔したてまつる。
†普ク為ニ↫師僧・父母及ビ善知識、法界ノ衆生、断↢除シテ三障ヲ↡、同ジク得ムガ↪往↩生スルコトヲ阿弥陀仏国ニ↨、帰命シ懴悔シタテマツル。
二 Ⅵ ⅱ c ロ 因示懴悔方軌
(一)明要等三品通用
(Ⅰ)正示
【46】^上の二品の懴悔・発願等前に同じ。 要がなかの要を須ゐば、 △初めを取れ。 略がなかの略を須ゐば、 △中を取れ。 広がなかの広を須ゐば、 ▽下を取れ。
上[ノ]二品ノ懴悔発願等同ジ↠前ニ。須[ヰ]バ↢要ガ中ノ要ヲ↡、取レ↠初ヲ。須[ヰ]バ↢略†ガ中ノ略ヲ↡、取レ↠中ヲ。須[ヰ]バ↢広ガ中ノ広ヲ↡、取レ↠下ヲ。
二 Ⅵ ⅱ c ロ (一)(Ⅱ)別出広懴軌
^その 「△広」 といふは、 実心に生ぜんと願ずることあるものにつきて勧む。 あるいは四衆に対し、 あるいは十方の仏に対し、 あるいは舎利・尊像・大衆に対し、 あるいは一人に対す。 もしは*独自等なり。 また十方尽虚空の三宝および尽衆生界0707等に向かひ、 つぶさに向かひて*発露懴悔すべし。
其ノ広†トイフ者、就テ↧†実ニ有ル↢心ニ願ズルコト↟生ゼムト者ニ↥†而勧ム。或[イ]ハ対シ↢四衆ニ↡、或[イ]ハ対シ↢十方[ノ]仏ニ↡、或[イ]ハ対シ↢舎利・尊像・大衆ニ↡、或[イハ]対†ス↢一人ニ↡。若[シ]ハ†独自等ナリ。又向[ヒ]‡↢十方尽虚空ノ三宝及ビ尽衆生界等ニ↡、具ニ向[ヒ]テ発露懴悔[ス]ベシ。
二 Ⅵ ⅱ c ロ (二)明上中下三品懴相
(Ⅰ)正明
^懴悔に三品あり。 ▼上・中・下なり。
懴悔ニ有リ↢三品↡、上・中・下ナリ。
・上品
^◆「上品の懴悔」 とは、 ▼身の毛孔のなかより血流れ、 眼のなかより血出づるものを上品の懴悔と名づく。
上品ノ懴悔[ト]者、身ノ毛孔ノ中ヨリ血流レ、眼ノ中ヨリ血出[ヅ]ル者ヲ名ク↢上品ノ懴悔ト↡。
・中品
^◆「中品の懴悔」 とは、 *遍0727身に熱き汗毛孔より出で、 眼のなかより血流るるものを中品の懴悔と名づく。
中品ノ懴悔[ト]者、遍0955身ニ熱キ汗従リ↢毛孔↡出[デ]‡、眼ノ中ヨリ血流ルル者ヲ名ク↢中品ノ懴悔[ト]↡。
・下品
^◆「下品の懴悔」 とは、 遍身徹りて熱く、 眼のなかより涙出づるものを下品の懴悔と名づく。
下品ノ懴悔[ト]者、遍身徹リ[テ]熱ク‡、眼ノ中ヨリ涙出[ヅ]ル者ヲ名ク↢下品[ノ]懴悔[ト]↡。
^▼これらの三品差別ありといへども、 すなはちこれ久しく*解脱分の善根を種ゑたる人なり。 今生に法を敬ひ、 人を重くして身命を惜しまず、 すなはち小罪に至るまで、 もし懴すれば、 すなはちよく心に徹り髄に徹さしむることを致す。
此等ノ三品雖モ↠有[リ]ト↢差別↡、即[チ]是久シク種エタル↢解脱分ノ善根ヲ↡人[ナリ]。致ス↠†使ムルコトヲ↧今生ニ敬†ヒ↠法ヲ、重クシテ↠人ヲ不↠惜マ↢身命ヲ↡、†乃チ至ルマデ↢小罪ニ↡、若シ懴スレバ即チ能ク徹リ↠心ニ徹サ↞髄ニ。
^◆よくかくのごとく懴すれば、 久近を問はず、 あらゆる重障たちまちにみな滅尽す。 もしかくのごとくせざれば、 たとひ*日夜十二時に急に走むとも、 すべてこれ益なし。 なさざるもののごとし。
能ク如ク↠此[ク]ノ懴[ス]レバ者、不↠問ハ↢久近ヲ↡、†所有ル重障†頓チニ皆滅尽ス。若シ不レバ↠如[ク]セ↠此[ク]ノ、縦使日夜十二時[ニ]急ニ†走ムトモ*衆テ是無シ↠益。†若シ↢不ル↠作サ者ノ↡。
二 Ⅵ ⅱ c ロ (二)(Ⅱ)結顕真心益
^▼知るべし、 ▼流涙・流血等にあたはずといへども、 ただよく真心徹到するはすなはち上と同じ。
応シ↠知[ル]、雖モ↠不ト↠能ハ↢†流涙流血等ニ↡、但能ク真心徹到†スル者即[チ]与↠上同ジ。
二 Ⅵ ⅱ c ハ 出懴罪文
【47】^敬ひて十方の諸仏、 十二部経、 諸大菩薩、 一切の賢聖および一切の天・竜八部、 法界の衆生、 現前の大衆等にまうす。 われ某甲 発露懴悔することを証知したまへ。
敬[ヒ]テ白ス↢十方ノ諸仏、十二部‡経、*諸大菩薩、一切ノ賢聖及ビ一切ノ天竜八部†、法界ノ衆生、現前ノ大衆等ニ↡。証↢知[シ]タマヘ我 某甲 発露懴悔[スルコト]ヲ↡。
^無始よりこのかたすなはち今身に至るまで、 一切の三宝・師僧0708・父母・六親眷属・善知識・法界の衆生を殺害せること数を知るべからず。
従リ↢無始↡已来†乃チ至ルマデ↢今身ニ↡、殺↢害セルコト一切ノ三宝・師僧・父母・六親眷属・善知識・法界ノ衆生ヲ↡不↠可[カ]ラ↠知ル↠数ヲ。
^一切の三宝・師僧・父母・六親眷属・善知識・法界の衆生の物を*偸盗せること数を知るべからず。
偸↢盗セルコト一切ノ三宝・師僧・父母・六親眷属・善知識・法界[ノ]衆生ノ物ヲ↡不↠可[カラ]↠知[ル]↠数[ヲ]。
^一切の三宝・師僧・父母・六親眷属・善知識・法界の衆生の上において邪心を起せること数を知るべからず。
於[テ][↢]一切ノ三宝・師僧・父母・六親眷属・善知識・法界[ノ]衆生ノ上[ニ][↡]起†セルコト↢邪心ヲ↡不↠可[カラ]↠知[ル]↠数[ヲ]。
^*妄語をもつて一切の三宝・師僧・父母・六親眷属・善知識・法界の衆生を*欺誑せること数を知るべからず。
妄語ヲモテ欺↢誑セルコト一切[ノ]三宝・師僧・父母・六親眷属・善知識・法界[ノ]衆生ヲ↡不↠可[カラ]↠知[ル]↠数[ヲ]。
^*綺語をもつて一切の三宝・師僧・父母・六親眷属・善知識・法界の衆生を*調弄せること数を知るべからず。
綺語[ヲ]モテ調↢弄†セルコト一切ノ三宝・師僧・父母・六親眷属・善知識・法界[ノ]衆生ヲ↡不↠可[カラ]↠知[ル]↠数[ヲ]。
^*悪口をもつて一切の三宝・師僧・父母・六0728親眷属・善知識・法界の衆生を*罵辱し、 誹謗し、 *毀呰せること数を知るべからず。
悪口[ヲ]モテ罵↢辱[シ]誹↣謗[シ]毀↤呰セルコト一切ノ三宝・師僧・父母・六0956親眷属・善知識・法界[ノ]衆生ヲ↡不↠可[カラ]↠知[ル]↠数[ヲ]。
^*両舌をもつて一切の三宝・師僧・父母・六親眷属・善知識・法界の衆生を闘乱破壊せること数を知るべからず。
両舌†ヲモテ闘↢乱破↣壊[セル]コト一切ノ三宝・師僧・父母・六親眷属・善知識・法界ノ衆生ヲ↡不↠可[カラ]↠知[ル]↠数[ヲ]。
^あるいは五戒・八戒・十戒・十善戒・二百五十戒・五百戒、 菩薩の三聚戒、 十無尽戒、 乃至一切の戒および*一切威儀戒等を破し、 みづから作り他を教へ、 作るを見て随喜せること数を知るべからず。
或[イ]ハ破シ↢五戒・八戒・十戒・十善戒・二百五十戒・五百戒、菩薩[ノ]三聚戒・十無尽戒、乃至一切ノ戒及ビ一切威儀戒等ヲ↡、†自ラ作リ教ヘ↠他ヲ、見テ↠作[ル]ヲ随喜[セル]コト不↠可[カラ]↠知[ル]↠数[ヲ]。
^かくのごとき等の衆罪、 また十方大地の無辺にして*微塵の無数なるがごとく、 われらが作罪もまた無数なり。
如[キ]↠是[クノ]等ノ衆罪、亦如[ク]‡↢十方‡大地ノ無辺ニ[シテ]微塵ノ無数ナルガ↡、我等ガ作罪モ亦*復無数ナリ。
^虚空無辺なり、 われらが作罪もまた無辺なり。
虚空無辺ナリ、我等ガ作罪モ亦復無辺ナリ。
^方便無辺なり、 われらが作罪もまた無辺なり。
*方便無辺ナリ、我等ガ作罪モ亦復無辺ナリ。
^法性無辺なり、 われらが作罪もま0709た無辺なり。
法性無辺ナリ、我等ガ作罪モ亦復無辺ナリ。
^法界無辺なり、 われらが作罪もまた無辺なり。
法界無辺ナリ、我等ガ作罪モ亦復無辺ナリ。
^衆生無辺なり、 われらが*劫奪・殺害もまた無辺なり。
衆生無辺ナリ、我等ガ劫奪・殺害‡[モ]亦復無辺ナリ。
^三宝無辺なり、 われらが*侵損・劫奪・殺害もまた無辺なり。
三宝無辺ナリ、我等侵損・劫奪・殺害‡[モ]亦復無辺ナリ。
^*戒品無辺なり、 われらが毀犯もまた無辺なり。
戒品無辺ナリ、我等ガ毀犯†[モ]亦復無辺。
^かくのごとき等の罪、 上もろもろの菩薩に至り、 下声聞・縁覚に至るまで知ることあたはざるところなり。 ただ仏と仏とのみすなはちよくわが罪の多少を知りたまへり。
如[キ]↠是[クノ]等ノ罪、上至リ↢諸[ノ]菩薩ニ↡、下至†ルマデ↢声聞・縁覚ニ↡所ナリ↠不ル↠能ハ↠知ルコト。唯仏ト与ノミ↠仏乃チ能ク知リタマヘリ↢我ガ罪之多少ヲ↡。
^いま三宝の前、 法界の衆生の前において発露懴悔し、 あへて*覆蔵せず。 ただ願はくは十方の三宝、 法界の衆生、 わが懴悔を受け、 わが清浄を憶したまへ。
今於テ↢三宝ノ前、法界[ノ]衆生ノ前ニ↡発露懴悔シ‡、不↢敢テ覆蔵セ↡。唯願[ク]ハ十方ノ三宝、法界[ノ]衆生、受ケ↢我が懴悔ヲ↡、憶[シ]タマヘ↢我ガ清浄ヲ↡。
^今日よりはじめて、 願はくは法界の衆生とともに、 邪を捨て正に帰し、 菩提心を発して、 慈心をもつてあひ向かひ、 仏眼をもつてあひ看、 菩提まで眷属として、 真の善知識となりて、 同じく阿弥陀仏国に生じ、 すなはち成仏に至るまで、 かくのごとき等の罪永く相続を断じてさらにあへて作らず。
†始テ↠従リ↢今日↡、願[ク]ハ共ニ↢法界ノ衆生ト↡、捨テ↠邪ヲ帰シ‡↠正ニ、発シ[テ]↢菩提心ヲ↡、慈心[ヲ]モテ相向[ヒ]、仏眼ヲモテ相*看、菩提†マデ眷属トシ[テ]、*作[リ]テ↢真ノ善知識ト↡、同[ジ]ク生ジ↢阿弥陀仏国ニ↡、†乃チ至ルマデ↢成仏ニ↡、如キ↠是[ク]ノ等ノ罪永ク断ジテ↢相続ヲ↡更ニ不↢敢テ作ラ↡。
^懴悔しをはりて、 心を至して阿弥陀仏に帰命したてまつる。
懴悔[シ]已[リ]†テ、†至シテ↠心ヲ帰↢*命†シタテマツル阿弥陀仏ニ↡。
^広懴しをはりぬ。
*広懴[シ]竟[ヌ]。
三 因示発願作法
Ⅰ 明願前方便
【48】^0729▼もし入観しおよび睡眠する時は、 この願を発すべし。 もしは坐し、 もしは立して一心に合掌し、 面を正して西に向かへて、 十声、 阿弥陀仏・観音・勢至・諸菩薩・清浄大海衆を称しをはりて、
▲若0957シ入観シ及ビ睡*眠†スル時[ハ]、応[シ]↠発ス↢此[ノ]願ヲ↡。若[シ]ハ坐[シ]若[シ]ハ立シテ、一心ニ合掌シ‡、正シテ↠面ヲ向ヘテ↠西ニ、十声、称シ↢阿弥陀仏・観音・勢至・諸菩薩・清浄大海衆ヲ↡竟[リ]テ、
三 Ⅱ 正発願
ⅰ 往生願
^弟子 某甲 ▼現にこれ生死の凡夫、 罪0710障深重にして六道に淪みて、 苦つぶさにいふべからず。 今日善知識に遇ひて、 弥陀の本願名号を聞くを得たり。 一心に称念して往生を求願せよ。 「願はくは仏の慈悲、 *本弘誓願を捨てたまはずして摂受したまへ。
~弟子 *某甲 現ニ是生死ノ凡夫、罪障深重ニシテ†淪ミテ↢六道ニ↡、苦不↠可[カラ]↢*具ニ云フ↡。今*日遇[ヒ]テ↢善知識ニ↡、得†タリ↠聞[ク]コトヲ↢弥陀[ノ]本願‡名号ヲ↡。一心ニ称念シテ求↢願†セヨ往生ヲ↡。願[ク]ハ仏ノ慈悲[、]不[シテ]↠捨[テ]タマハ↢本弘誓願ヲ↡†摂受シタマヘ。
三 Ⅱ ⅱ 見仏願
^弟子、 ▼弥陀仏の身相・光明を識らず。 ▼願はくは仏の慈悲をもつて弟子に身相、 観音・勢至・諸菩薩等およびかの世界の清浄荘厳・光明等の相を示現したまへ」 と。
~弟子不↠識ラ↢弥陀仏ノ身相光明ヲ↡。願[ク]ハ仏ノ慈悲[ヲ]モテ示↢現[シ]タマヘト弟子ニ身相、観音・勢至・諸菩薩等及ビ彼[ノ]世界ノ清浄‡荘厳光明等ノ相ヲ↡。
三 Ⅲ 願後益相
^◆この語をいひをはりて一心正念にして、 ▼すなはち意に随ひて入観し、 および睡れ。 あるいはまさしく発願する時すなはちこれを見ることを得るあり。 あるいは睡眠する時見ることを得るあり。 至心ならざるを除く。 この願このごろ大きに*現験あり。
噵ヒ↢此ノ語ヲ↡已[リ]テ一心正念[ニ]シテ、即チ随[ヒ]テ↠意ニ入観[シ]、及ビ睡レ。或[イハ]有リ↢正[シ]ク†発願スル時‡即[チ]得ル‡↟見ルコト[ヲ]↠之ヲ。或[イハ]有[リ]↢睡*眠†スル時得ル‡↟見[ル]コト[ヲ]。*除ク↠不ルヲ↢†至心ナラ↡。此[ノ]願比*来大ニ有[リ]↢現験↡。△
四 挙五縁益結勧
Ⅰ 問
【49】^▼問ひていはく、 阿弥陀仏を称念し礼観して、 現世になんの功徳利益かある。
▲問[ヒテ]曰[ク]、称↢念[シ]礼↣観シテ阿弥陀仏ヲ↡、現世ニ有ル↢何ノ功徳利益カ↡。
四 Ⅱ 答
ⅰ 明前三縁
a 正明
イ 滅罪縁
^◆答へていはく、 ▲もし阿弥陀仏を称すること一声するに、 すなはちよく八十億劫の生死の重罪を除滅す。 礼念以下もまたかくのごとし。
~答[ヘテ]曰[ク]、若[シ]称[ス]ルコト↢阿弥陀仏ヲ↡一声[ス]†ルニ、即[チ]能ク除↢滅ス八十億劫ノ生死ノ重罪ヲ↡。礼念已下[モ]亦*如シ↠是[ク]ノ。
四 Ⅱ ⅰ a ロ 護念縁
^▼¬*十往生経¼ (意) にのたまはく、 「もし衆生ありて、 阿弥陀仏を念じて往生せんと願ずれば、 かの仏すなはち▲*二十五の菩薩を遣はして、 行者を擁護せしめたまふ。 もしは行、 もしは坐、 もしは住、 もしは臥、 もしは昼、 もしは夜、 一切時、 一切処に、 悪鬼0711・悪神をしてその便を得しめず」 と。
~¬十往生経ニ¼云ク、「若シ有[リ]テ↢衆生↡念[ジ]テ↢阿弥陀仏ヲ↡願[ズ]†レバ↢往生†セムト↡者、彼ノ仏即[チ]遣シテ↢二十五ノ菩薩ヲ↡、擁↢護[セシメ]タマフ行者ヲ↡。若[シハ]行若[シハ]*坐、若[シハ]住若[シハ]臥、若[シハ]昼若[シハ]夜、一切‡時一切‡処ニ、不[ト]↠令メ↣悪鬼・悪神ヲシテ得↢其ノ便ヲ↡也。」
^◆また ¬観経¼ (意) にのたまふがごとし。 「▲もし阿弥陀仏を称・礼・念して、 かの国に往生せんと願ずれば、 かの仏すなはち無数の化仏、 無数の化観音・勢至菩薩を遣はして、 行者を*護念せしめたまふ」 と。 また前0730の二十五菩薩等と百重千重行者を囲繞して、 行住坐臥、 一切の時処を問はず、 もしは昼、 もしは夜、 つねに行者を離れたまはず。
~又如シ↢¬観経ニ¼云フガ↡。「若[シ]称↢礼↣念シテ阿弥陀仏ヲ↡、願ズ†レバ↣往↢生[セムト]彼ノ国ニ↡者、彼[ノ]仏即[チ]遣シテ↢無数ノ化仏、無数ノ化観音・勢至菩薩ヲ↡、護↢念[セシメ]タマフ[ト]行者ヲ↡。」復0958与↢前ノ二十五菩薩等↡百重千重囲↢遶シテ行者ヲ↡、不↠問[ハ]↢†行住坐臥、一切ノ時処ヲ↡、若[シハ]昼若[シハ]夜、常ニ不↠離レ[タマハ]↢行者ヲ↡。
四 Ⅱ ⅰ b 結勧
^◆いますでにこの*勝益まします、 憑むべし。 願はくはもろもろの行者、 おのおの*すべからく心を至して往くことを求むべし。
~今既ニ†有ス↢斯ノ勝益↡、可シ↠憑†ム。願[ク]ハ諸ノ行者、各[ノ]須クシ↢至[シ]テ↠心ヲ求ム↟往[ク]コトヲ。
四 Ⅱ ⅱ 明後二縁
a 正明
イ 引大経明摂生縁
^◆また ¬無量寿経¼ (上・意) にのたまふがごとし。 「▲もしわれ成仏せんに、 十方の衆生、 ▼わが名号を称すること下十声に至るまで、 もし生ぜずは、 正覚を取らじ」 (第十八願) と。 ▼かの仏▼いま現に世にましまして成仏したまへり。 まさに知るべし、 本誓重願虚しからず、 衆生称念すればかならず往生を得。
~又如シ↢¬無量寿経ニ¼云[フ]ガ↡。「若シ我成仏[セムニ]、十方ノ衆生、称†スルコト↢我ガ名号ヲ↡下至[ル]マデ↢十声ニ↡、若[シ]不†ハ↠†生ゼ者不[ト]↠取[ラ]↢正覚ヲ↡。」彼ノ仏今現ニ在シテ↠世[ニ]成仏[シタマ]ヘリ。当ベ ニシ↠知[ル]、本誓重願不↠虚[シ]カラ、衆生称念[ス]レバ必ズ得‡↢往生‡ヲ↡。
四 Ⅱ ⅱ a ロ 引小経明証生縁
(一)挙文
(Ⅰ)釈尊証
^◆また ¬弥陀経¼ にのたまふがごとし。 「▲もし衆生ありて阿弥陀仏を説くを聞かば、 すなはち名号を執持すること、 もしは一日、 もしは二日、 乃至七日なるべし。 一心に仏を称して乱れざれば、 ◆命終らんと欲する時、 阿弥陀仏、 もろもろの聖衆と現じてその前にまします。 この人終る時、 心顛倒せずしてすなはちかの国に往生することを得。 ◆仏 (釈尊)、 舎利弗0712に告げたまはく、 ªわれこの利を見るがゆゑにこの言を説く。 もし衆生ありてこの説を聞くものは、 まさに発願してかの国に生ぜんと願ずべしº 」 と。
~又如シ↢¬弥陀経ニ¼云[フ]ガ↡。「若[シ]有[リテ]↢衆生↡聞カ†バ↠説[ク]ヲ↢阿弥陀仏ヲ↡、即[チ]†応シ↧執↢持スルコト名号ヲ↡、若シハ一日、若シハ二日、乃至七日ナル↥。一心ニ称シテ↠仏ヲ不レバ↠乱レ、命欲スル↠終[ラム]ト時、阿弥陀仏与↢諸ノ聖衆↡現ジテ在ス↢其ノ前ニ↡。此[ノ]人終ル時‡、心不[シテ]↢顛倒セ↡即[チ]得↣往↢生[スル]コトヲ彼[ノ]国ニ↡。仏告[ゲタマハ]ク↢舎利弗ニ↡、我見ルガ↢是ノ利ヲ↡故ニ説ク↢是ノ言ヲ↡。若[シ]有[リ]テ↢衆生↡聞†ク↢*是ノ説ヲ↡者ハ、†応ニ当シト↢†発願シテ願ズ↟生[ゼ]ムト↢彼ノ国ニ↡。」
四 Ⅱ ⅱ a ロ (一)(Ⅱ)諸仏証
^◆次下に説きてのたまはく (小経・意)、 「▲東方恒河沙のごとき等の諸仏、 南西北方および上下一々の方の恒河沙のごとき等の諸仏、 おのおの本国においてその*舌相を出して、 あまねく三千大千世界を覆ひて、 誠実の言を説きたまはく、 ªなんぢら衆生、 みなこの一切諸仏所護念経を信ずべしº と。
~次‡下ニ説[キテ]云ク、「東方†如キ↢恒河沙ノ↡等ノ諸仏、南西北方及ビ上下、一一ノ方[ノ]†如キ↢恒河沙ノ↡等ノ諸仏、各[ノ]†於テ↢本国ニ↡出シテ↢其ノ舌相ヲ↡、遍ク覆[ヒ]テ↢三千大千世界ヲ↡、説[キ]タマ†ハク↢誠実ノ言ヲ↡、汝等衆生皆応シ[ト]↠信ズ↢†是ノ一切諸仏所護念経ヲ↡。
^◆いかんが護念と名づくる。 もし衆生ありて阿弥陀仏を称念すること、 ▼もしは七日および一日、 下十声乃至▼一声、 一念等に至るまで、 かならず往生を得。 ▼この事を*証誠したまふがゆゑに護念経と名づく」 と。
~云何ガ名[ク]ル↢護念ト↡。若[シ]有[リ]テ↢衆生↡称↢念†スルコト阿弥陀仏ヲ↡、若[シ]ハ七日及ビ一日、下至†ルマデ↢*十声乃至*一声一念等ニ↡、必ズ得‡↢往生ヲ↡。証↢*誠[シ]タマフ[ガ]此ノ事ヲ↡故ニ名ク[ト]↢護念経ト↡。」
四 Ⅱ ⅱ a ロ (二)釈義
^▼次下の文にのたまはく (小経・意)、 ▼「もし仏0731を称して往生するものは、 つねに六方恒河沙等の諸仏のために護念せらる。 ゆゑに護念経と名づく」 と。
~次下ノ*文ニ云0959ク、「若[シ]称シテ↠仏[ヲ]往生スル者ハ、常ニ為ニ↢六*方恒*河沙等ノ諸仏†ノ↡之所ル↢護念セ↡。故ニ名ク[ト]↢護念経ト↡。」
四 Ⅱ ⅱ b 結勧
^◆いますでにこの増上の誓願の憑むべきあり。 もろもろの*仏子等、 なんぞ意を励まし去かざらんや。
~今既ニ†有リ↢此ノ増上ノ誓願ノ可キ↟憑ム。諸ノ仏子等、何ゾ不ラム↢励シ↠意ヲ去[カ]↡也。△
往生礼讃偈
延書の底本は高田派専修寺蔵鎌倉時代刊本ˆ原漢文の底本と同一ˇ。 ただし返点については本派本願寺蔵版によるか。
未聞を暁悟して 未信の人々を教え導いて。
弥陀の十二光の名 ¬大経¼ (上) に説かれる阿弥陀仏の十二種の異名。 →
十二光
彦琮法師の… ほぼ同文の偈文が、 ¬聖武天皇宸翰雑集¼ にみられる。
おほよそ…名づく 親鸞聖人は 「おほよそ三業を起すに、 かならず真実を須ゐるがゆゑに至誠心と名づく」 (化身土文類訓) と読まれた。
十声一声等 智昇撰 ¬集諸経礼懴儀¼ 所収の ¬礼讃¼ では、 「十声等」 (高麗版)、 「十声聞等」 (宋版) などとなっている。 親鸞聖人は 「信文類」 において 「十声聞等」 とある ¬集諸経礼懴儀¼ 所収本をとくに引用されている。
もし一心も少けぬれば 至誠心・深信・回向発願心のうちの一つでも欠けたならばの意。 親鸞聖人は ¬唯信鈔文意¼ では、 この文の 「一心」 を三心即一の一心 (真実信心) と解釈されている。
余礼 阿弥陀仏以外の仏・菩薩等を礼拝すること。
聖凡 聖者と
凡夫。 上の 「三乗」 (
声聞・
縁覚・菩薩) を聖者とし、 「五道」 (地獄・
餓鬼・
畜生・人・天) を凡夫とする。
生死に回入して 生死輪廻の迷いの世界にもどって。
自然任運 おのずから。 ひとりでに。
境は細に心は粗なる 観念の対象は微妙で細やかであるのに、 観念する心の方は粗雑である。
識颺り神飛びて 心のはたらきがうわつき、 精神がつねに動揺して。
境現ずること… 一行三昧によって諸仏が現前することを指している。
邪正あひ交はり 邪境と正境が混ざり合うこと。
一多雑現 一仏と多仏が混在して現れること。
坐観礼念 座って観察し、 礼拝・念仏すること。
悲智の果円かにして 慈悲と智慧よりなる仏果の徳が欠けるところなくそなわって。
外の雑縁 外からのさまざまな妨げ。
係念相続せざる 浄土に想いをかけることが相続しない。
憶想間断 仏をおもう心がとだえる。
よく…願ずるものは 親鸞聖人は 「よくみづからおのれが能を思量せよ。 今身にかの国に生ぜんと願はんものは」 (信文類訓) と読まれた。
微塵刹土 微塵は仏教でいう物質の最小単位。 刹は梵語クシェートラ (kṣetra) の音写で国土の意。 微塵のように無数の国土。
不思議増上の勝縁 はかり知ることのできないすぐれた功徳の因縁。
自他安楽の因となす 自分や他人が安楽浄土に往生する因とする。
梵 梵唄。
偈頌などを
諷誦、 歌唱すること。
離垢の眼 煩悩のけがれを離れた智慧の眼。
大総持門 涅槃のさとりに至る智慧の門。 →
総持
和合海 僧伽 (仏の教団) が和合 (協同・調和) していることを、 海水が一味になっているのに喩えている。
一切の賢聖 ここでは僧宝を指していう。
強健有力の時 健康でいられるとき。
自策自励 みずからつとめはげむこと。
常住 生滅変化を離れた
涅槃のさとり。
後夜の偈にいはく… 異本には下に 「華厳経」 とあるが、 善導大師の自作の偈とみられる。
五更 午前四時頃。
死王 無常のこと。
もろもろの衆等 この礼讃の法会に参集しているすべての人々。
真 さとり。
この世界 娑婆世界。
少福を修するもの わずかな功徳を修めた人々。
諸刹 刹は梵語クシェートラ (kṣetra) の音写で、 国土のこと。 多くの国土。
この経… 法滅の時代になっても、 ¬大経¼ に説かれた念仏の教えだけは、 この世にいつまでもとどまりのこる。 「百年」 は満数の意、 いつまでもということ。。
法に名字なきこと すべては因縁によって生起して仮に存在するもので、 名称によって概念的にとらえられるような実体はないということ。
妄想顛倒 虚妄の分別によって、 真実とは全く逆の見解にとらわれること。
胎蔵の形 人としての身体。 母体への宿りによって生じることからいう。
われ 天親菩薩。
梵音 仏のきよらかな声。 ¬浄土論¼ では 「梵声」 とする。
窮理の聖 真如法性の道理をきわめた聖者。 仏のこと。
遍空の威 虚空法界にゆきわたる威徳。
小 小相。 小なるすがた。
五山の毫 眉間の
白毫の大きさが五つの
須弥山を合わせたようであることをいう。
宝手の印 手に印判で押したような画があることをいう。
真慈 仏の真実の慈悲。
厚地 浄土の厚い大地。
覆網 空中にひろがる飾りあみ。
当生の処 往生すべきところ。
鮮衣 宝石でできているすぐれた衣服。
法王 諸仏を指すとする説と阿弥陀仏を指すとする説とがある。
前生の輩 先に往生した人々。
光舒べて… 阿弥陀仏が光明を放って毘舎離国の人民の五種の重病を除いたという因縁。 ¬請観音経¼ に出る説で、 ¬安楽集¼ 第八大門に言及紹介されている。
空に立ちて… 阿弥陀仏が空中に住立して韋提希の前に現れたという ¬観経¼ 華座観の説。
六時に… 昼夜六時に衆鳥が和雅の音を出すことを指していう。
四寸… 仏土に遍満する華の上をふむと、 四寸くぼみくだすことを指していう。
同生の機 同じく浄土に往生した機類。
欄 欄楯。 垣。
余願 西方願生以外の願い。
念のあひだに… 一念の間にあまねく十方の仏国を訪れ。
有心の輩 往生浄土に志あるもの。
五道光のなかに現ず 観世音菩薩の光明の中に五道 (地獄・餓鬼・畜生・人・天) の衆生のすがたが現れ示されるという意。
口に… 口に教えを説いても、 心は
禅定に入っているという意。
心静かに… 心は静かに禅定にありながら、 身は十方世界におもむくという意。
華叢 蓮華の台座を指していう。
もろもろの… 勢至菩薩が歩むとき、 十方世界はすべて震動するという。
鳥群実の鳥にあらず 極楽世界の鳥は阿弥陀仏の化現であって、 罪報の所生ではないということ。
天類… 極楽世界の諸天は他方世界に順じて天と呼ばれるだけで、 実の天ではないという意。
本国他方 本国は極楽、 他方は極楽以外の世界。
幢 浄土の大地を支える宝でできた柱。
八方八面… 地を支える無数の柱は八角柱の形であって、 その八つの側面は百宝でできあがっているということ。
工匠にあらず 工匠の細工ではなく、 願力によって自然に成ったものであるということ。
八種の清風 四方四隅から吹き寄せる清涼な風。 また八種の特性をもったきよらかな風。
機音の… 根機 (素質能力) に応ずる声を三昧定中に観じ知ることはたやすいことではない。
行を成ず 列をなしている。 「行」 は並ぶ、 列の意の場合 「ごう」 の音となる。
宮 宮殿。
旋金輪 金色にかがやく回転する輪。
宝渠 七宝でできた渠。 渠は支流の意味。
有縁の同行者 縁あってともに念仏する法友たち。
本家 浄土を帰るべき家に喩えていう。
三尊 阿弥陀仏・観音菩薩・勢至菩薩。
四幢 四柱の法幢のこと。 華台の四方にある宝でできた柱。
真形 さとりのすがた。
十地の願行自然に彰る 初地から第十地に至るまでの菩薩がなすべき願と行の徳が、 はからいなくして実現すること。 →
十地
一切の五道 地獄・餓鬼・畜生・人・天の五道のすべてのすがた。
法界… 十方世界が震動することはよもぎが風にひるがえるようであるという意。
円光の… 円光は仏の頭頂から放たれる円形の光明のこと。 阿弥陀仏の円光の中にある無数の化仏のすがたは真仏のすがたと同じであるという意。
上行上根の人 高度の行を修める
根機のすぐれた人。
無為法性の身 すべての限定を超えたさとりの身。
中行中根の人 中度の行を修める
根機の中程度の人。
小真 小乗のさとり。
往生の善知識 往生浄土を勧める善知識。
思漿 飲物 (漿) を思う心。
性海 法性真如海。 存在世界に遍在する真理。
独自 自分ひとり。
一切威儀戒 三業四威儀、 すなわち身口意の三業と行住坐臥のすべてのふるまいに関する戒め。
本弘誓願…摂受したまへ 親鸞聖人は 「本弘誓願を捨てたまはざれば、 弟子を摂受したまへり」 (行文類訓) と読まれた。
すべからく…求むべし 親鸞聖人は 「至心を須ゐて往を求めよ」 (行文類訓) と読まれた。
底本は◎高田派専修寺蔵鎌倉時代刊本[ただし訓は○浄聖全三巻の宗祖加点本と全同ではなく大幅に標準化されているため、 相違を†、 加を‡、 減を [ ] で示した]。 Ⓐ大谷大学蔵鎌倉時代刊本、 Ⓑ龍谷大学蔵(写字台旧蔵)室町時代刊本、 Ⓒ本派本願寺蔵版¬七祖聖教¼所収本、 Ⓓ¬集諸経礼讃儀¼所収本(高麗版ª再雕本º¬大蔵経¼所収本) と対校。
大→Ⓓ大[乗]
謹 Ⓓになし
大経 Ⓓになし
四→Ⓓ三
一→Ⓓ二
沙門→Ⓓ僧
者→Ⓓ先
等→Ⓓ者
揚→Ⓓ楊
一声 Ⓓになし
得→Ⓓ得[往]
意→憶
間→Ⓓ問
具→Ⓓ且
阿 Ⓓになし
般→Ⓓ波
明サバ→○明シ
明→Ⓓ[欲]明
也→Ⓓになし
仏勧→Ⓓ行観
方→Ⓓ方[者]
課 左Ⓒオホセ
以→Ⓓ[願]以
耳→Ⓓ爾
三五→Ⓓ五三
餘→Ⓓ爾
日 Ⓓになし
弁→Ⓓ辨
上→Ⓓ止
謹依大経釈迦 Ⓓになし
若→Ⓓ苦
上→Ⓑ土
薩→Ⓓ薩[上]
身→Ⓓ心
号ヅケタテマツル→○号スル
号→Ⓓ号[為]
観ソナハシ→○観ジ
観→Ⓓ覓
陀→Ⓓ陀[仏]
炎王光→Ⓓ光焔王
懴悔→Ⓓ帰懴
願→Ⓓ維
本願→Ⓓ願力
徳→Ⓓ徳[布施諸有情]
礼 Ⓓになし
願…国13字 Ⓓになし
願共諸衆生 Ⓓになし
日没無常→Ⓓ黄昏
等 Ⓓになし
心→Ⓓ心[安隠]
通→Ⓓ通[廻]
命→Ⓓ命[礼]
云 Ⓒ下に菩薩処胎経とあり
禅→Ⓓ禅[勤修六度行菩提道自然]
云 Ⓒ下に坐禅三昧経とあり
等→Ⓓ起
屍→Ⓓ身
云 Ⓒ下に華厳経とあり
云 Ⓒ下に摩訶僧祗律とあり
得→Ⓓ等
衆→Ⓒ衆[生]
誦→Ⓓ記
云 Ⓒ下に尸迦羅衛経とあり
中→Ⓓ裏
沙門→Ⓓ比丘
大→Ⓓ大[乗]
礼 Ⓓになし
四→Ⓓ三
生彼→Ⓓ往生
国→Ⓓ土
念→Ⓓ心
○(白文)
願…仏23字 Ⓓになし
伝→Ⓓ弘
真 左Ⓒマメヤカニ
極楽世界→Ⓓ阿弥陀仏
往 Ⓓになし
仙→Ⓓ仏
遶→Ⓓ遶[故我頂礼弥陀仏]
象ノ歩ムガ→○象歩ノ
象→Ⓑ為
千日月→Ⓓ百千日
如→Ⓓ若
間→Ⓓ澗
獲→Ⓓ作
国→Ⓓ土
命→Ⓓ命[礼]
没ス→○没ル
没→Ⓓ沈
与…国15字→Ⓓ願生安楽国
身心→ⒶⒷⒸ心身
生→Ⓓ王
国 Ⓒになし
琮→Ⓐ宗
一→Ⓓ二
澄→Ⓒ澂
国→Ⓓ国[至心帰命礼西方観世音菩薩千輪明足下五道光中悲引恒无絶人帰亦未窮口宣猶在定心静更飛通聞名皆願往日発幾花叢願共諸衆生往生安楽国至心帰命礼西方大勢至菩薩慧力標無上身光備有縁動揺処宝国待座一金蓮鳥群非実鳥天類豈真天須知求妙楽会是戒香全願共諸衆生往生安楽国]
団→Ⓓ円
相→Ⓓ想
看→Ⓐ春
正自→Ⓓ只是
既→Ⓓ晩
空→Ⓓ宮
勧→Ⓓ為
華→Ⓓ化
但→Ⓓ倶
華→Ⓓ葉
直→Ⓓ真
人天→ⒶⒷⒸⒹ天人
方→Ⓓ望
苦→Ⓓ危
千…叢 Ⓓになし
往→Ⓒ住
慧…全 Ⓓになし
及 Ⓓになし
沙門→Ⓓ比丘
数億→Ⓓ億数
飛→Ⓓ厳
無生→Ⓓ因縁
満→Ⓓ遍
巡→Ⓓ遮
言→Ⓓ語
楼→Ⓓ樹
縵→Ⓒ幔
身心→Ⓓ仏身
想→Ⓓ宗
尊→Ⓓ身
十→Ⓒ六
開→Ⓓ台
摂→Ⓓ接
跏→Ⓓ加
荘→Ⓓ粧
如→Ⓓ皆
華 ◎業と上欄註記
→Ⓓ業
弥陀仏国能所感 ◎ⒶⒹになし
西方極楽→Ⓓ楽何啻楽事
議→Ⓓ議[無辺菩薩為同学性海如来尽是師]
般→Ⓓ波
背→Ⓓ輩
無…師14字 Ⓓになし
勢至→Ⓓ大勢
極楽世界→Ⓓ阿弥陀仏
衆→Ⓓ終
諸大菩薩 Ⓓになし
復→Ⓓ無辺
方…辺→Ⓓ法界無辺亦如上法性無辺亦如上仏無辺亦如上
看→Ⓓ看[作]
作 Ⓓになし
命→Ⓓ命[礼]
広→Ⓓ礼
眠 Ⓓになし
某甲 Ⓓになし
淪ミテ↢六道ニ↡、苦→○淪ムコト↢六道ノ苦ニ↡
淪→Ⓓ輪廻
具云→Ⓓ言
日 Ⓓになし
除不至心 Ⓓになし
来→Ⓓ来[亦]
如 Ⓓになし
坐→Ⓑ生
是説→Ⓓ説是
十→Ⓓ一
一→Ⓓ十
誠→Ⓓ成
文→Ⓓ又
方→Ⓓ万
河 Ⓓになし
願ゼシムル↠生ゼムト→○願ズル↠生[ゼ]シメムト
○ノ
キ…、→○ク…。
…。→○コトハ…、
耳→○耳
何者ゾ。→○何者、
ニ→○ハ
シテ→○シ下ヘル
タマフニ→○テ
スレバ→○シテ
ズト→○[ズル]コトヲ
当リ→○当テ
採↢集シ…↡→○採リ↢集メ…↡
リテ→○ル
ル…。→○[リ]テ…、
バ…者→○…者
シテ→○スルヤ、
為ス→○為ル
所謂ル→○所ル↠謂ハ
バ→○ム
須クシ↢真実ナル↡→○須ルヤ↢真実ヲ↡
シ…、→○ス…。
ニシテ→○ナリ、
下至ルニ→○下至
乃チ至ルマデ↢一念ニ↡→○乃至一念モ
↠生ズルコトヲ→○↢往生[ヲ]↡ (往は上欄補記)
生ゼ→○生レ
ス→○シヌ
一心ニ専ラ至シテ↢恭敬ヲ↡、合掌シ→○一心専至シ恭敬合掌シ
ク…、→○シ…。
恒ニ↢憶シ恒ニ↣念ジ恒ニ↤想シ恒ニ↯観ズ此ノ事等ヲ↡→○恒ニ憶シ恒ニ念ジ恒ニ想シ恒ニ観ズ↢此ノ事等ヲ↡
須クシ↢…願ズ↟生ゼムト→○須…願ズ↠生ムト
シテ→○ス
共ニシテ↠之ヲ→○共ニ之
スルコト→○シ
乃チ至ルマデ↢成仏ニ↡→○乃至成仏スルヲ
セ→○サ
専ラ称シ→○専称シ
所謂ル→○所↠謂
称名→○称↠名
間ヘ→○間テ
随犯随→○随[ヒ]テ↠犯センニ随[ヒ]テ
ル→○レ
ニ→○ヲ
随ヒテ↠縁ニ起シテ↠行ヲ→○随縁ノ起行
テ→○ヌレバ
不ルハ→○不ト云コト
勧ム↧…、専ラ称スルコトヲ↦名字ヲ↥。→○勧ム。…。専ラ称[ス]レバ↢名字ヲ↡、
○テ
直→○直ニ
乃チ→○乃シ
由リテ↢…麁ナルニ↡、…観難シ↢成就シ↡也→○由[リ]テ↣…麁ナリ、…観難キニ↢成就シ↡也
神→○神
○ヤ
コト→○トモ
勧メタマフ↧坐観・礼念等、…最勝ナリト↥→○勧[メタマフ]↢坐観・礼念等ヲ↡、…最勝ナリ
○コト
如クナルガ…故ナリ。→○如シ…。故ニ
樹→○樹
ニ→○コト
作スモ↢…想ヲ↡→○作セ…想ヲ↡、
○ハ
↢無二ナル↡→○↠無カル↠二ツ
礼↢念シ課↣称セムニ一仏ヲ↡→○礼念シ課セテ称[セムニ]↢一仏ヲ↡
歎ジ→○歎メ
勧メテ専ニセシムルハ→○勧ムル↠専ニセヨト
来シ収ムルニ→○来収[ス]レバ
ルニ→○モ
○シ
ヲモテ→○ニ
易ク得↢往生ヲ↡→○易シ↠得↢往生ヲ↡
ハシムル→○フル
者ハ→○者
ナリ→○ニ
欲スル→○欲フ
ハ→○ノ
得→○得
由リテ↢雑縁乱動スルニ↡失スルガ↢正念ヲ↡→○由ルガ↣雑縁乱動シテ失スルニ↢正念ヲ↡
自ラ→○自ラ
専ニシテ↠意ヲ作セバ者→○専意ヲ作ス者
バ…者→○…者
↢至心ナラ↡→○↠至サ↠心ヲ
ズル…者ハ→○ゼ…者
生ゼ→○生レ
ジ…、→○ズ…。
ク…。→○ケ…、
乃チ至ルマデ↢…ニ↡→○乃至…マデ
依リテ↫¬大経ニ¼釈迦仏勧メタマフニ↪…求↩願セヨト往生ヲ↨→○依[リ]テ↢¬大経¼釈迦仏ノ勧[メ]下ニ↡…求↢願ス往生ヲ↡
取ルモ↢…→○取ル↢…、
タテマツル…。→○…、
稽首シテ礼シ、→○稽首礼ス。
廻シテ願ズ↣往↢生セムト…↡→○廻願シテ往↢生セム…↡
今時→○今ノ時ノ
廻シテ願ズ↢…↡→○廻↢願ス…↡
○(白文)
。→○、
、→○。
ニシテ→○ナレバ
○シム
不ルガ→○不
ケタテマツル→○ク
讃↣歎シ…光明ニ有ルコトヲ↢…↡→○讃↢歎シ下ニ…光明ヲ↡有シテ↢…↡
メタマヘリ→○ム
不レバ↠断エ者→○不↠断[エ]者
○ニ
生ズ焉→○生ズ↠焉ニ
寿終リテ之後→○寿終之後ニ
ノ→○ハ
照↢耀シテ十方ヲ↡、諸仏ノ国土ニ→○照↢耀スルニ十方ノ諸仏ノ国土ヲ↡
莫シ↠不ルハ↠聞エ焉。→○莫シ↠不トイフコト↠聞[エ]。焉ニ
タマフコト→○テ
断エ→○断ヽサ
所ル↣…歎誉シテ称セ↢…↡→○所テ↢…歎誉セ↡称ス↢…↡
カムニ→○イテ
照シ↢十方世界ノ念仏ノ衆生ヲ↡、→○照ス↢十方世界ヲ↡、念仏衆生ヲバ
哀↢愍シテ覆↣護シ我ヲ↡→○哀愍シテ覆↢護シ我ヲ↡
臨ミテ↢命終ノ時ニ↡→○臨命終ノ時ニ
○下
授手シテ→○授[ケテ]↠手ヲ
シタマフ→○ス
為ニ↫…衆生、…得ムガ↪往↩生スルコトヲ阿弥陀仏国ニ↨→○為ス↫…衆生ヲシテ、…得↪往↩生阿弥陀仏ノ国ニ↨
至シテ↠心ヲ→○至心ニ
所ノ↠修スル→○所修ノ
セム→○シ
シ→○セ
○ム
ス→○セヨ
不ラム→○不シテ
廻シテ願ズ↣往↢生セムト…↡→○廻願シテ往↢生セム…↡
ム→○テ
廻シテ願ズ↣往↢生セムト…↡→○廻願シテ往↢生セヨ…↡
ラム→○[リ]テ
セム→○シテ
カム→○クベシ
ミ→○ム
覚エ→○覚ラ
スルコト→○シテ
定趣→○定ル趣
自策自励シテ→○自[ラ]策ミ自[ラ]励ムデ
メヨ→○[ム]ベシ
当ニシ↢…発願ス↡→○当ニ…発願シ
ナルコト→○ニシテ
上↢品往↣生セム…↡→○上品ニ往↢生セヨ…↡
○、
シタテマツル→○ス
救↢摂セム…↡→○救ヒ↢摂セム…↡
ク→○シ
無辺ナリ→○無シ↠辺
勤→○勤メ
○モテ
シ→○[ク]シテ
ル→○レリ
ケム→○キヤ
遷リテ流転シ→○遷流シテ転ジテ
初→○初
ス→○セリ
レ→○ルベシ
得ヨ→○得ベシ
セヨ→○スベシ
不→○不ル
セ→○ナラ
ニ→○ノ
得ム→○得ル
レ→○ルベシ
採↢集シ→○採リ↢集メ
ト→○ヲ
当リテ↢…時ニ↡礼ス。→○当レリ↢…時ニ↡。礼ス、
至シ↠心ヲ→○至心ニ
ムルモ→○メテ
天ノ妙華→○天妙ノ華
遶ルコト→○遶
テ→○ルニ
ス→○[シ]テ
シタマフ→○ス
廻シ↠光ヲ→○廻光
雷震ノ→○雷ノ震ウガ
妙響→○妙ナル響
レリ→○ルト
レバ→○[リ]テ
成ズ→○成ルベシ
タテマツリシモノハ→○ルモノ
ニ→○シテ
ケ→○クベシ
セムニ→○シテ
セム→○ナラム
爾ノ時→○爾時ニ
聞キテ一念セムニ→○聞一念セバ
遇マ聞ク↢…↡→○遇フコト聞クニ↢…↡
ゼシムルコト→○ゼンハ
成ル↠報ズルニ→○成ズ↠報[ズル]コトヲ
メタマヘ→○ム
仏子衆ニ囲遶セラレタマヘリ→○仏子衆囲遶ス
ノ→○シテ
得タマヘリ→○得
十方ニ名ノ聞ユル→○十方名聞ノ
宝間リタル→○宝ヲ間エタル
ナリ→○アリ
於→○於
電・影・露→○電ノ影・露
説キタマフ↣法ニ無キコトヲ↢名字↡→○説クニ↠法ヲ無[シ]↢名字↡
ヒタテマツル→○フ
ス→○[シ]ヌ
ケリ→○クニ
ナル者→○[ナ]レ者
ム→○シム
自↢従無始ニ受ケテ↟身ヲ→○自従リ↢無始受ケテ↠身ヲ
謗リ→○謗ジ
歴劫→○歴テ↠劫ヲ
懐ケル嫉妬→○懐ケリ↢嫉ヲ妬↡
始テ惺悟シテ→○始惺悟シ
ヲモテ→○ニシテ
ル→○リ
沈↢没ス於苦海ニ↡→○沈↣没ス於↢苦海↡
奉ミテ覲タテマツラム→○奉ラム↠覲
キムヤ→○キバ
クナラム→○シ
当リテ↢…時ニ↡礼ス→○当レリ↢…時[ノ]礼ニ↡
セム→○ス
セルコト→○ニシテ
セリ→○シ
スニ→○セバ
○ヲモテ
遍シ→○遍セリ
悟ラシムルコト→○悟
ナリ→○ニシテ
ユ→○エ
味→○味
ハ→○ナリ
アリ→○ニ
タマヘリ→○タリ
雨ラシテ↢…楽ト華ト衣ト 妙香等トヲ↡→○雨リ↢…楽華衣ヲ↡ 妙香等ヲモテ
当リテ↢…時ニ↡礼シタテマツル→○当レリ↢…時ノ礼ニ↡
還タ→○還[リ]テ
ヲ→○ト
キ →○シ
難ヒ↢還リ入ルヲ↡→○難ケレバ↢還リ入リ↡
直クシテ→○直ニ
珠網縵クシテ→○珠ノ網縵
○ナリ
○ヲ
在リテ↠西ニ時ニ→○在ル↠西ニ時ハ
欲セ→○欲ハ
分ナリ→○分レタリ
為リ↠鏡ト→○為タリ↠鏡ニ
深ケレバ成ズ↠易キコトヲ↠往キ→○深ク成ジテ易シ↠往キ
不レ↠群ラ→○不↠群セ
帯ビ→○帯シ
身…安シ→○身ヲ安ジ
悕ハバ↠聞クコトヲ…→○悕ハクハ聞カムト…
功→○功
路…通ズ→○路…通ス
開華→○開[ク]ル華
分ツ↠空ヲ→○分レタリ↠空ニ
何ゾ意→○スルコト何意ゾ
ク→○ケリ
逐ヒテ↠身ヲ→○逐ヒテ↠身ニ
金砂→○金ノ砂
照リ→○照シ
玉葉→○玉ノ葉
テ→○チ
デ→○ヅ
請フ…→○請フ↢…・ニ
タマヘ→○ム
諸仏ノ国→○諸ノ仏国
メテ→○ム
ニ→○ヨリ
多シ説法ノ鳥→○多シ↢説法鳥↡
満テリ散華ノ天→○満テリ↢散華天ニ↡
退ク→○退セム
坐スルハ↠華ニ→○坐華
生ジテ法→○生シテ↠法ヲ
朋ノ良キ→○朋良ノ
リテヨリ→○ルコト
齎ス→○齎テリ
ク→○[キ]テ
鳥ノ合スルヲ→○鳥合[スル]ヲ
低ル→○低ル
ハ→○コト
長キ迷ヒ→○長迷
ム→○メテ
発シテ↠心ヲ→○発心ノ
レバ→○[リ]テ
クルニ→○ケレバ
鳥華ヤカニシテ→○鳥華ハ
○ヨリ
好マシクシテ→○好ク
声調フ→○声ヲ調ブ
忻ブ→○忻フ
寧ゾ→○寧ロ
仍リテ→○仍
更→○更ニ
有ル善→○有レバ↠善
併テ→○併ラ
洗フ↠心ヲ甘露ノ水→○洗ヒ↢心ヲ甘露ノ水ニ↡
悦バシムル↠目ヲ妙華ノ雲→○悦バシム↢目ヲ妙華雲ニ↡
易ク↠識リ→○易シ↠識リ
等シキ寿量→○等寿ノ量
トモ→○シテ
廃スル→○廃ルヽ
貪リ→○貪ジ
裏→○裏
現レ→○現ジ
看ユ→○ヲ看ル
ル→○レル
臨ム↠廻ニ→○臨ミテ↠廻リ
キハ→○[ケ]レバ
キハ→○[ク]シテ
合シ→○合ヒ
長ニ→○長ク
是ノ→○是
ヨ→○ン
一ラ苦ナル城→○一苦城
人ノ帰スルモ→○人帰
静ニシテ→○静シテ
ゼヨ→○ズ
クコトヲ→○カムト
シ→○ス
備フ↢…ヲ↡→○備ヘ↢…ニ↡
鳥群→○鳥ノ群レルハ
須クシ知ル求メバ↢…↡→○須ベ クシ知ル↠求[ム]ルコトヲ↢…↡
会ズ→○会スルニ
ヲ全クセヨ→○全シ
ヨリ荘厳→○ノ荘厳ヨリ
諸ノ仏刹→○諸仏ノ刹
不→○不
スラ→○ヲ
○ニシテ
レバ→○ルニ
金縄ハ界フ↠道ヲ→○金縄界ノ道
工匠→○工匠
散ジテ↠華ヲ上ル→○散ズ↢華[ノ]上ニ↡
台上→○台ノ上
デテ→○ヅ
鼓ツニ↠楽ヲ→○鼓楽シ
応ズル↠機ニ音アリ→○応ズ↢機音ニ↡
ジ→○ズベシ
アリ→○ニ
行→○行
○モ
レテ→○ルヽニ
○アリ
綺→○綺エテ
輝光→○輝ケル光
色→○色
↢旋金輪ノ↡→○↠旋レル↢金輪ノ↡
菓変ジテ↠光ヲ→○菓変ゼリ光
成ズ↢衆宝ノ蓋ヲ↡→○成ル↢衆ノ宝蓋ト↡
ジテ→○[ズル]コト
宝欄巡レリ→○宝ノ欄巡アリ
ヌ→○ネ
アリ→○ナリ
諸ノ天童子→○諸天ノ童子
立ツ→○立ス
風鈴→○風ノ鈴
遍クシテ→○遍シ
セリ→○ス
遍シ→○遍ス
終時→○終ル時
遍シ→○遍スレバ
シテ→○[セ]シム
リ→○バ
シ→○[セ]リ
念仏スルモノ→○念[ズ]ルモノ↠仏ヲ
強シ→○強シ
専ラ称シテ↢…↡→○専↢称スルモノ…↡
ケバ→○キ
シテ→○スルコト
雲集シ→○雲ノゴトク集[リ]
テリ→○ツ
シテ→○セシム
セヨ→○ス
正坐→○正[シ]ク坐シ
ナレバ→○ナリ
メテ→○[ム]ルニ
生ズルコトヲ→○生レムト
シテ→○[ス]レバ
畢命ニ→○畢ヘテ↠命ヲ
ヲモテ→○ニ
ス→○シ
セシメ→○ス
経→○経テ
ノ→○ニ
リ→○ル
渇↢聞シテ…↡→○渇シテ聞ケバ↢…↡
絶ツ↢思漿ヲ↡→○絶チ↠思フヲ↠漿ヲ
念↢食シテ無生ヲ↡→○念[ズ]レバ↢食ノ無生ヲ↡
無心ニ領納シテ→○無[ク]シテ↢心ノ領納↡
為ル→○ヲ為ス
衣→○衣
ス→○セ下フ
騰リ→○騰リ
授リ→○授ケテ
ク→○キ
○シテ
ガ→○ノ
トイフ者→○者
↧実ニ有ル↢心ニ願ズルコト↟生ゼムト者ニ↥→○↢実ノ有心願生[ノ]者ニ↡
而→○而モ
ス…。→○シ…、
独自等ナリ→○独リ自等
使ムルコトヲ↧…敬ヒ↠…、重クシテ↠人ヲ…徹サ↞髄ニ→○使ムルコトヲ↢…敬フ↠…、重ク↟人ヲ、…徹ル↠髄ニ
所有ル→○所有ノ
頓チ→○頓
走ム→○走ル
若シ↢不ル↠作サ者ノ↡。→○若シ↢不ル↠作サ者ノ、
流涙流血等→○流シ↠涙ヲ流ス↠血ヲ等
スル者→○スレバ者
、→○ノ
セル→○ス
セル→○スル
ヲモテ→○シテ
自ラ作リ→○自作シ
○[セル]コト
○セルコト
○[セ]ルコト
ルマデ→○[リ]テ
始テ↠→○始テ
マデ→○ノ
テ→○ヌ
スル→○セム
タリ…。→○テ…、
摂受シタマヘ。/弟子→○摂↢受[シ]タマヘ/弟子ヲ↡、
発願スル→○発ス↠願ヲ
スル→○ノ
↢至心ナラ↡→○↠至[サ]↠心[ヲ]
ルニ→○レバ
レバ…者→○レ…者
セムト→○ヲ
↢行住坐臥、一切ノ時処ヲ↡→○↢行住坐臥ヲ↡、一切時処ニ
有ス→○有リ
ム→○ミツ
ハ…者→○ト…者
○[スル]コト
○ト
応シ↧執↢持スルコト名号ヲ↡、若シハ一日、若シハ二日、乃至七日ナル↥。→○応執↢持シテ名号ヲ↡、若一日、若二日、乃至七日、
ク…者ハ→○カ…者
応ニ当シ↢…↡→○応シ当ニ…↡
発願シテ→○発シテ↠願ヲ
如キ↢恒河沙ノ↡→○如恒河沙
ハク→○フ
↢是ノ一切諸仏所護念経ヲ↡→○↧是ノ一切諸仏ノ所ノ↠護念シ下フ↡経ヲ↥
↢…ノ↡之→○↢…之↡
有リ↢此ノ増上ノ誓願ノ可キ↟憑ム→○有リ↢此ノ増上ノ誓願↡、可シ↠憑ム