0653おうじょう0683礼讃らいさん

沙門しゃもん*善導ぜんどうしゅう

明願生要示用讃意【前序】

【1】 ^一切いっさいしゅじょうすすめて、 西方さいほう極楽ごくらくかい弥陀みだぶつこくしょうぜんとがんろく礼讃らいさん

0911メテ↢一切衆生↡、願ゼシムル↠生ゼムト↢西方極楽世界阿弥陀仏国↡六時礼讃偈。

略叙造意
    正明造意
      出讃体

 ^つつしみて ¬*だいきょう¼ および*りゅうじゅ*天親てんじん、 この (中国)沙門しゃもんとう所造しょぞうおうじょう礼讃らいさんによりて、 あつめて一処いっしょき、 わかちてろくつく

ミテリテ↢¬大経¼及龍樹・天親、此沙門等所造往生礼讃↡、集メテ↢一処↡、分チテ↢六時↡。

一 Ⅰ ⅰ 示所為

^ただ相続そうぞくしてしんけて*往益おうやくじょじょうせんとほっす。 またねがはくは*もんぎょうして、 とお*だいうるおさんのみ。

唯欲↣相続シテケテ↠心助↢成セムト往益↡。亦願クハ暁↢悟シテ未聞↡、遠サム↢遐代↡耳。

一 Ⅰ 叙六時

^何者なにものぞ。 第一だいいちつつしみて ¬だいきょう¼ に しゃおよび十方じっぽう諸仏しょぶつ*弥陀みだじゅうこうみな讃歎さんだん、 「*しょうらいねんすればさだめてかのくにしょう すすたまふによりて、 じゅうはい*日没にちもつときあたらいす。

何者。第一ミテリテ↫¬大経¼釈迦及十方諸仏讃↢歎シテ弥陀十二光↡、勧メタマフニ↪称礼念スレバメテズト↩彼↨、十九拝、当リテ↢日没↡礼

^だいにつつしみて *¬だいきょう¼ によりて要文ようもんさいしゅうて、 もつて礼讃らいさんとなす。 じゅうはい*しょときあたらいす。

第二ミテリテ↢¬大経¼↡採↢集シテ要文↡、以↢礼讃↡。二十四拝、当リテ↢初夜↡礼

^第三だいさんにつつしみてりゅうじゅさつがんおうじょう礼讃らいさん (*十二礼) によりてじゅうろっぱい*ちゅうときあたらいす。

第三ミテリテ↢龍樹菩薩願往生礼讃↡、十六拝、当リテ↢中夜↡礼

^だいにつつしみて天親てんじんさつがんおうじょう礼讃らいさん (*浄土論)0654りてじっぱい*後夜ごやときあたらいす。

第四ミテリテ↢天親菩薩願往生礼讃↡、二十拝、当リテ↢後夜↡礼

^だいにつつしみて**彦琮げんそうほっがんおうじょう礼讃らいさんによりてじゅういっぱい*じんじょうときあたらいす。

第五ミテリテ↢彦琮法師願往生礼讃↡、二十一拝、当リテ↢晨朝↡礼

^第六だいろく沙門しゃもん善導ぜんどうがんおうじょう礼讃らいさん、 つつしみて*じゅうろっかんによりてじっぱいつくる。 * あたらいす。

第六沙門善導願往生礼讃偈、ミテリテ↢十六観↡作↢二十拝↡。当リテ↢午時↡礼

広明願生要
   

【2】 ^0684ひていはく、 いまひとすすめておうじょうせしめんとほっせば、 いまだらず、 いかんが安心あんじんぎょうごうしてさだめてかのこくおうじょうすることをるや。

0912ヒテ、今欲セバ↢勧メテ↠人往生セシメムト↡者、未↠知何為イカンガ安心・起行・作業シテメテ↣往↢生スルコトヲ国土↡也。

一 Ⅱ
      約開明安心行業
        【安心】
          (一)

^こたへていはく、 かならずかのこくしょうぜんとほっせば、 ¬*かんぎょう¼ にきたまふがごときは、 三心さんしんしてかならずおうじょう。 なんらをかさんなす

ヘテ、必セバ↠生ゼムト↢彼国土↡者、如↢¬観経¼説キタマフガ者、具↢三心↡必得↢往生↡。何ヲカ↠三

一 Ⅱ ⅱ a イ (二)列三心
            (Ⅰ)至誠心

^いちじょうしんいはゆる身業しんごうにかのぶつ礼拝らいはいし、 ごうにかのぶつ讃歎さんだんしょうようし、 ごうにかのぶつ専念せんねん観察かんざつす。 *おほよそ三業さんごうおこ、 かならずすべからく真実しんじつなるべし。 ゆゑにじょうしんづく。

者至誠心。所謂身業礼↢拝↡、口業讃↢歎称↣↡、意業専↢念観↣察↡。凡サバ↢三業↡必↢真実ナル↡。故↢至誠心↡。

一 Ⅱ ⅱ a イ (二)(Ⅱ)深心

^深心じんしん。 すなはちこれ真実しんじつ信心しんじんなり。 しんはこれ煩悩ぼんのうそくぼん善根ぜんごんはくしょうにして三界さんがいてんしてたくでずとしんし、 いま弥陀みだ*ほんぜいがんは、 みょうごうしょうすることしも*じっしょういっしょうとういたおよぶまで、 さだめておうじょうしんしてすなはち一念いちねんいたまでしんあることなし。 ゆゑに深心じんしんづく。

者深心。即是真実信心ナリ。信↧知自身是具↢足セル煩悩↡凡夫、善根薄少ニシテ流↢転シテ三界↡不↞出↢火宅↡、今信↪知シテ弥陀本弘誓願、及ブマデ↧称スルコト↢名号↡下至ルニ十声一声等↥、定メテ↩往生↨、乃ルマデ↢一念↡無↠有ルコト↢疑心↡。故↢深心↡。

一 Ⅱ ⅱ a イ (二)(Ⅲ)回向発願心

^さんこう発願ほつがんしんしょ一切いっさい善根ぜんごんことごとくみなしておうじょうがんず。 ゆゑにこう発願ほつがんしんづく。

者廻向発願心。所作一切善根悉皆廻シテ↢往生↡。故↢廻向発願心↡。

一 Ⅱ ⅱ a イ (三)判具欠

^この三心さんしんすればかならずしょうずる0655こと*もし一心いっしんけぬれば、 すなはちしょうずることをず。 ¬かんぎょう¼ につぶさにくがごとし、 るべし。

スレバ↢此三心↡必得↠生ズルコトヲ也。若ケヌレバ↢一心↡、即不↠得↠生ズルコトヲ。如↢¬観経¼具クガ↡、応↠知

一 Ⅱ ⅱ a 【起行】
          (一)

【3】 ^また天親てんじんの ¬じょうろん¼ にいふがごとし。 もしかのくにしょうんとがんずることあるものには、 すすめて*念門ねんもんしゅせしむ。 もんもしすれば、 さだめておうじょう何者なにものとなす。

又如↢天親¬浄土論¼云フガ↡。若↠願ズルコト↠生ゼムト↢彼↡者ニハ、勧メテセシム↢五念門↡。五門若スレバメテ得↢往生↡。何者ヲカ↠五

一 Ⅱ ⅱ a ロ (二)
            (Ⅰ)礼拝門

^いち身業しんごう礼拝らいはいもん。 いはゆる一心いっしんもつぱらぎょういたして、 がっしょうこうようして、 かの弥陀みだぶつ礼拝らいはいす。 らいするにはすなはちもつぱらかのぶつらいして、 ひつみょうとなして*らいまじへず。 ゆゑに礼拝らいはいもんづく。

者身業礼拝門。所謂一心シテ↢恭敬↡、合掌香華供養シテ、礼↢拝阿弥陀仏↡。礼スルニハシテ↢彼↡、畢命シテ↠期不↠雑↢余礼↡。故↢礼拝門↡。

一 Ⅱ ⅱ a ロ (二)(Ⅱ)讃嘆門

^ごう讃歎さんだんもん。 いはゆるこころをもつぱらにして、 かのぶつ身相しんそうこうみょう一切いっさいしょうじゅ身相しんそうこうみょう、 およびかのこく ちゅう一切いっさいほうしょうごんこうみょうとう讃歎さんだんす。 ゆゑに讃歎さんだんもんづく。

者口業讃歎門。所謂ニシテ、讃↢歎身相・光明、一切聖衆身相・光明、及国中一切宝荘厳・光明等↡。故↢讃歎門↡。

一 Ⅱ ⅱ a ロ (二)(Ⅲ)観察門

^さん0685ごう憶念おくねん観察かんざつもん。 いはゆるこころをもつぱらにして、 かのぶつおよび一切いっさいしょうじゅ身相しんそうこうみょうこくしょうごんとう念観ねんかんす。 ¬かんぎょう¼ にきたまふがごとく、 ただすいのぞきて、 このとうつねにおくしつねにねんじつねにそうしつねに かんず。 ゆゑに観察かんざつもんづく。

者意0913業憶念観察門。所謂ニシテ↠意、念↢観仏及一切聖衆身相・光明、国土荘厳等↡。如↢¬観経¼説キタマフガ↡、唯除キテ↢睡時↡、恒↢憶↣念↤想↯観事等↡。故↢観察門↡。

一 Ⅱ ⅱ a ロ (二)(Ⅳ)作願門

^がんもん。 いはゆるしんをもつぱらにして、 もしはひるもしはよる一切いっさい 一切いっさい しょ三業さんごう威儀いぎしょどくしょちゅうはず、 みなすべからく真実しんじつしんのうちに発願ほつがんしてかのくに0656しょうんとがんべし。 ゆゑにがんもんづく。

者作願門。所謂ニシテ↠心、若シハ昼若シハ夜、一切時一切処、三業四威儀所作功徳、不↠問↢初・中・後↡、皆須↢真実心発願シテ↟生ゼムト↢彼↡。故↢作願門↡。

一 Ⅱ ⅱ a ロ (二)(Ⅴ)回向門
              (ⅰ)往相

^こうもん。 いはゆるしんをもつぱらにして、 もしは自作じさ善根ぜんごん、 および一切いっさいさんじょうどう一々いちいち*しょうぼんとうしょ善根ぜんごんふかずいしょうじ、 諸仏しょぶつさつしょずいのごとく、 われもまたかくのごとくずいして、 このずい善根ぜんごんおよびおのがしょ善根ぜんごんをもつて、 みなことごとくしゅじょうこれをともにしてかのくにこうす。 ゆゑにこうもんづく。

者廻向門。所謂ニシテ↠心、若シハ自作善根、及一切三乗・五道、一一聖凡等所作善根↢随喜↡、如↢諸仏・菩薩所作随喜↡、我亦如↠是クノ随喜シテ、以↢此随喜善根及所作善根↡、皆悉与↢衆生↡共ニシテ↠之廻↢向↡。故↢廻向門↡。

一 Ⅱ ⅱ a ロ (二)(Ⅴ)(ⅱ)還相

^またかのくにいたりをはりてろく神通じんずう*しょうにゅうして、 しゅじょうきょうすること*さいてつしてしん*厭足えんそくなく、 すなはちじょうぶついたるまでまたこうもんづく。

又到↢彼↡已リテ↢六神通↡廻↢入シテ生死↡、教↢化スルコト衆生↡徹↢窮シテ後際↡心↢厭足↡、乃ルマデ↢成仏↡亦名↢廻向門↡。

一 Ⅱ ⅱ a ロ (三)結釈心行合起

^もんすでにしぬれば、 さだめておうじょう一々いちいちもんかみ三心さんしんがっして、 したがひてごうぎょうおこせば、 しょうはず、 みな真実しんじつごうづく、 るべし。

五門既シヌレバメテ得↢往生↡。一一門与↢上三心↡合シテ、随ヒテサバ↢業行↡、不↠問↢多少↡、皆名↢真実↡也、応↠知

一 Ⅱ ⅱ a 【作業】
          (一)正明念仏四修
            (Ⅰ)標三法合用

【4】 ^またすすめてしゅほうぎょうぜしめて、 もつて三心さんしんねんぎょうはげまして すみやかにおうじょうしむ。 何者なにものなす

又勧メテゼシメテ↢四修↡、用ハゲマシテ↢三心・五念之行↡、速シム↢往生↡。何者ヲカ↠四

一 Ⅱ ⅱ a ハ (一)(Ⅱ)正明四修
              (ⅰ)恭敬修

^いちぎょうしゅ。 いはゆるかのぶつおよびかの一切いっさいしょうじゅとうぎょう礼拝らいはいす。 ゆゑにぎょうしゅづく。 ひつみょうとなしてちかひて0657ちゅうせざる、 すなはちこれじょうしゅなり。

者恭敬修。所謂恭↢敬礼↣拝仏及一切聖衆等↡。故↢恭敬修↡。畢命シテ↠期ヒテ↢中止↡、即是長時修ナリ

一 Ⅱ ⅱ a ハ (一)(Ⅱ)(ⅱ)無余修

^無余むよしゅ。 いはゆるもつぱらかのぶつみなしょう、 かのぶつおよび一切いっさいしょうじゅとう専念せんねんし、 専想せんそうし、 専礼せんらいし、 専讃せんさんして*ごうまじへず。 ゆゑに無余むよしゅづく。 ひつみょう0686となしてちかひてちゅうせざる、 すなはちこれじょうしゅなり。

者無余修。所謂シテ↢彼↡、専↢念専↣想専↤礼専↯讃シテ仏及一切聖衆等↡不↠雑↢余業↡。故↢無余修↡。畢命シテ↠期0914ヒテ↢中止↡、即是長時修ナリ

一 Ⅱ ⅱ a ハ (一)(Ⅱ)(ⅲ)無間修

^さんけんしゅ。 いはゆる相続そうぞくしてぎょう礼拝らいはいし、 称名しょうみょう讃歎さんだんし、 憶念おくねん観察かんざつし、 こう発願ほつがんし、 心々しんしん相続そうぞくしてごうをもつてきたまじず。 ゆゑにけんしゅづく。 また*貪瞋とんじん煩悩ぼんのうをもつてきたまじへず。 *随犯ずいぼんずいさんして、 ねんへだときへだへだてしめず、 つねに清浄しょうじょうならしむるをまたけんしゅづく。 ひつみょうとなしてちかひてちゅうせざる、 すなはちこれじょうしゅなり。

者無間修。所謂相続シテ恭敬礼拝、称名讃歎、憶念観察、廻向発願、心心相続シテ不↧以↢余業↡来マジ↥。故↢無間修↡。又不↧以↢貪瞋煩悩↡来マジ↥。随犯随懴シテ、不↠令↢隔↠念↠時↟日、常使ムルヲ↢清浄ナラ↡亦名↢無間修↡。畢命シテ↠期ヒテ↢中止↡、即是長時修ナリ

一 Ⅱ ⅱ a ハ (二)菩薩作業

^またさつすでにしょうまぬかれて、 しょ善法ぜんぽう*してぶっもとむるは、 すなはちこれ自利じりなり。 しゅじょうきょうして*らいさいつくすは、 すなはちこれ利他りたなり。 しかるいまのときしゅじょうことごとく煩悩ぼんのうのために*ばくせられて、 いまだ悪道あくどうしょうとうまぬかれず。 えんしたがひてぎょうおこして一切いっさい善根ぜんごんつぶさにすみやかにして、 弥陀みだぶつこくおうじょうせんとがんぜよ。 かのくにいたりをはり、 さらにおそるるところなし。 かみのごときしゅ*ねん任運にんうんにして、 自利じり利他りたそくざるはなし、 るべし。

又菩薩已レテ↢生死↡、所作善法廻シテムルハ↢仏果↡、即是自利ナリ。教↢化シテ衆生↡尽スハ↢未来際↡、即是利他ナリ。然ルニ衆生悉↢煩悩↡繋縛セラレテ、未↠免↢悪道生死等↡。随ヒテ↠縁シテ↠行、一切善根シテ、願ゼヨ↣往↢生セムト阿弥陀仏国↡。到↢彼↡已リテ、更↠所↠畏ルル。如↠上四修自然任運ニシテ、自利・利他無↠不ルハ↢具足↡、応↠知

一 Ⅱ ⅱ 約合明一行三昧
        正明

【5】 ^また ¬*文殊もんじゅ般若はんにゃ¼ (意) にのたまふがごとし。 「*いちぎょう三昧ざんまいかさば、 ただ ひと*空閑くうげんしょしてもろもろのらん しん一仏いちぶつけて*そうみょうかんぜずもつぱらみょうしょうることをすすむ。 すなはちねんのうちにおいてかの弥陀みだぶつ0658よび一切いっさいぶつとうたてまつることを

又如↢¬文殊般若¼云フガ↡。「サバ↢一行三昧↡、唯勧↧独シテ↢空閑↡捨↢諸乱意↡、係ケテ↢心一仏↡不↠観↢相貌↡、専スルコトヲ↦名字↥。即↢念↡得↠見タテマツルコトヲ↢彼阿弥陀仏及一切仏等↡。」

一 Ⅱ ⅱ b 問答
          (一)決観称難易
            (Ⅰ)

 ^ひていはく、 なんがゆゑぞ、 かんをなさしめずしてただもつぱらみょうしょうせしむるは、 なんのこころかあるや。

ヒテ、何シテ↠令↠作↠観ムル↣専↢名字↡者、有↢何↡也。

一 Ⅱ ⅱ b ロ (一)(Ⅱ)

^こたへていはく、 すなはちしゅじょうさわりおもくして、 *きょうさいしんるによりて*しきあがじんびてかん成就じょうじゅしがた。 ここをもつて大聖だいしょう (*釈尊) れんして、 ただ すすめてもつぱらみょうしょうせしむ。 まさしく称名しょうみょうやすきによるがゆゑに、 相続そうぞくしてすなはちしょうず。

ヘテ、乃リテ↢衆生障重クシテ、境ナルニ↡、識颺神飛ビテ、観難↢成就也。是大聖悲憐シテ、直メテセシム↢名字↡。正シクルガ↢称名キニ↡故、相続シテ

一 Ⅱ ⅱ b ロ (二)決念境応否
            (Ⅰ)

 ^ひていはく、 すでにもつぱら一仏いちぶつ しょうせしむるに、 なんがゆゑぞ*きょうげんずることすなはちおおき。 これあに*じゃしょうあひまじはり*いっ雑現ぞうげんするにあらずや。

ヒテ、既ムルニ↣専↢一仏↡、何境現ズルコト。此豈↢邪正相交一多雑現スルニ↡也。

一 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)
              (ⅰ)正釈念仏義

^こたへていはく、 ぶつぶつひとしくしょうして、 かたち0687べつなし。 たとひいちねんじてこと、 なんのだいどうにかそむかん

ヘテ、仏シクシテ、形無0915↢二別↡。縦使 タトヒ ジテ↠一ルコト↠多、乖↢何大道理ニカ↡也。

一 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)因示向西軌

^また ¬かんぎょう¼ にのたまふがごとし。 ぶつ*かん礼念らいねんとう 、 みなおもて西方さいほうかふる もちゐるは最勝さいしょうなりすすめたまふじゅさきよりかたむけるはたおるるに、 かならずまがれるにしたがふがごとくなるがゆゑなり かならずさわりありて西方さいほうかふにおよばずは、 ただ西にしかふ おもいをなすもまたたり。

又如↢¬観経¼云フガ↡。仏勧メタマフ↧坐観・礼念等、皆須ヰル↣面フルヲ↢西方↡者最勝ナリト↥。如クナルガ↢樹ヨリケルハルルニフガ↟曲レルニナリ。必リテ↢事礙↡不↠及↠向フニ↢西↡、但作スモ↢向↠西↡亦得タリ

一 Ⅱ ⅱ b ロ (三)明専勧因縁
            (Ⅰ)

 ^ひていはく、 一切いっさい諸仏しょぶつ 三身さんしんおなじくしょうし、 * まどかにしてまた無二むに0659べし。 ほうしたがひて一仏いちぶつ礼念らいねんしょうせんに、 またしょうずることをべし。 なんがゆゑぞひとへに西方さいほうたんじて、 すすめて礼念らいねんとうをもつぱらにせしむるは、 なんのかある

ヒテ、一切諸仏三身同ジク、悲・智果円カニシテ亦応↢無二ナル↡。随ヒテ↠方礼↢念課↣称セムニ一仏↡、亦応↠得↠生ズルコトヲ。何ジテ↢西方↡、勧メテニセシムルハ↢礼念等↡、有↢何↡也。

一 Ⅱ ⅱ b ロ (三)(Ⅱ)
              (ⅰ)明同即別遮初問

^こたへていはく、 諸仏しょぶつしょしょうびょうどうにしてこれいちなれども、 もしがんぎょうをもつてきたおさるに因縁いんねんなきにあらず。

ヘテ、諸仏所証平等ニシテ是一ナレドモ、若↢願行↡来ムルニ↠無キニ↢因縁↡。

一 Ⅱ ⅱ b ロ (三)(Ⅱ)(ⅱ)正明専勧深由【光号摂化】

^しかるに弥陀みだそんもとじんじゅう誓願せいがんおこして、 こうみょうみょうごうをもつて十方じっぽう*せっしたまふ。 ただ 信心しんじんをもつてねんすれば、 かみ*いちぎょうつくしもじっしょういっしょうとういたるまで、 仏願ぶつがんりきをもつてやすおうじょう このゆゑにしゃおよび諸仏しょぶつすすめて西方さいほうはしむるを*べつとなすのみ。 またこれぶつしょうねんしてさわりのぞつみめっすることあたはざるにはあらず、 るべし。

ルニ弥陀世尊、本発シテ↢深重誓願↡、↢光明・名号↡摂↢化シタマフ十方↡。但使 タダ 信心ヲモテ求念スレバ、上尽↢一形↡下至ルマデ↢十声一声等↡、以↢仏願力↡易得↢往生↡。是釈迦及以 オヨビ 諸仏勧メテハシムルヲ↢西方↡為↢別異耳。亦非↧是称↢念シテ余仏↡不ルニハ↞能↢除↠障、滅スルコト↟罪也、応↠知

一 Ⅱ ⅱ 決判専雑得失【専雑得失】
        正拠教理判
          (一)判専修得

【6】 ^もしよくかみのごとく念々ねんねん相続そうぞくして、 ひつみょうなすものは、 じゅうはすなはちじゅうながらしょうじ、 ひゃくはすなはちひゃくながらしょうず。 なにをもつてのゆゑに。 1*雑縁ぞうえんなくしてしょうねんるがゆゑに、 2ぶつ本願ほんがん相応そうおうすることをるがゆゑに、 3きょうせざるがゆゑに、 4ぶつずいじゅんするがゆゑなり

↠上念念相続シテ、畢命↠期、十ナガラ、百ナガラ。何テノ。無クシテ↢外雑縁↡得ルガ↢正念↡故、与↢仏本願↡得ルガ↢相応スルコトヲ↡故、不ルガ↠違↠教、随↢順スルガ仏語↡故ナリ

一 Ⅱ ⅱ c イ (二)決雑修失

・決不定失

^もし*せんてて*雑業ぞうごうしゅせんとほっするものは、 ひゃくときまれいちせんときまれさん

スル↣捨テテ↠専セムト↢雑業↡者、百得↢一二↡、千得↢三五↡。

・挙十三失

^なにをもつてのゆゑに。 すなはち1雑縁ぞうえん乱動らんどうするによりしょうねんしっする がゆゑに、 2ぶつほんがん0660相応そうおうせざるがゆゑに、 3きょうそうせるがゆゑに、 4ぶつじゅんぜざるがゆゑに、 5*ねん相続そうぞくせざるがゆゑに、 6*憶想おくそう間断けんだんするがゆゑに、 7がんおんじゅう真実しんじつならざるがゆゑに、 8とんしん諸見しょけん煩悩ぼんのうきた0688 間断けんだんするがゆゑに、 9ざんさんしんあることなきがゆゑなり。

テノ。乃リテ↢雑縁乱動スルニ↡失スルガ↢正念↡故、与↢仏本願↡不ルガ↢相応↡故、与↠教相違セルガ、不ルガ↠順↢仏語↡故、係念不ルガ↢相続↡故、憶想間断スルガ、廻願不ルガ↢慇重真実ナラ↡故、貪・瞋・諸見煩悩0916間断スルガ、無キガ↠有ルコト↢慚愧・懴悔心↡故ナリ

^さん三品さんぼんあり。 いちようりゃくさんこうなりしもにつぶさにくがごとし。 こころしたがひてもちゐるにみなたり。

懴悔↢三品↡。一ニハ要、二ニハ略、三ニハナリ。如↢下クガ↡。随ヒテ↠意ヰルニ皆得タリ

^また10相続そうぞくしてかの仏恩ぶっとん念報ねんぽうせざるがゆゑに、 11しん*きょうまんしょうじてごうぎょうをなすといへども、 つねに*みょう相応そうおうするがゆゑに、 12*にんおのづからおおひてどうぎょうぜんしき親近しんごんせざるがゆゑに、 13ねがひて雑縁ぞうえんちかづきて、 おうじょう正行しょうぎょう*しょうしょうするがゆゑなり

又不ルガ↣相続シテ念↢報仏恩↡故、心ジテ↢軽慢↡雖↠作スト↢業行↡、常与↢名利↡相応スルガ、人我自ヒテルガ↣親↢近同行善知識↡故、楽ヒテヅキテ↢雑縁↡、自↢障障↣他スルガ往生正行↡故ナリ

一 Ⅱ ⅱ c 挙自見聞証

^なにをもつてのゆゑに。 このごろみづから諸方しょほう道俗どうぞく見聞けんもんするに、 *ぎょうどうにして専雑せんぞうことなることあり。 ただ こころをもつぱらにしてなせばじゅうはすなはちじゅうながらしょうず。 ぞうしゅしてしんならざれば、 せんがなかにいちもなし。 このぎょう得失とくしつさきにすでにべんぜるがごとし。

テノコノゴロ見↢聞スルニ諸方道俗↡、解行不同ニシテ専雑有↠異ナルコト但使 タダ ニシテ↠意セバ者、十ナガラ。修シテ↠雑レバ↢至心ナラ↡者、千↠一。此二行得失、如↢前ゼルガ↡。

一 Ⅱ ⅱ 挙勝利結勧

^あおねがはくは一切いっさいおうじょうにんとう*よくみづからりょうせよ。 すでによく今身こんじんにかのくにしょうんとがんずるものは*行住ぎょうじゅう坐臥ざがにかならずすべからくしんはげまし、 おのれをこくしてちゅうはいすることなく、 ひつみょうとなすべし。 かみいちぎょうにありてしょう似如たれども、 *前念ぜんねん命終みょうじゅうしてねんにすなはちか0661くにしょう じょう永劫ようごうにつねに*無為むい法楽ほうらくく。 すなはちじょうぶついたまでしょうず。 あにこころよきにあらずや、 るべし。

クハ一切往生人等善思量セヨ。已今身ズル↠生ゼムト↢彼↡者、行住坐臥↢励↠心、剋シテ↠己昼夜↠廃スルコト、畢命↟期上在リテハ↢一形似↢如タレドモ少苦↡、前念命終シテ後念↢彼↡、長時永劫↢無為法楽↡。乃ルマデ↢成仏↡不↠経↢生死↡。豈↠快キニ哉、応↠知

正出礼讃
  【日没讃】
    正文
      総標【十二光名】

【7】 ^第一だいいちつつしみて ¬だいきょう¼ (上) しゃぶつ弥陀みだぶつじゅうこうみな礼讃らいさんしておうじょうがんせよとすすめたまふによりていちじゅうはい日没にちもつときあたりてらいす。 ちゅうさんまたたり。

第一ミテリテ↫¬大経¼釈迦仏勧メタマフニ↪礼↢讃シテ阿弥陀仏十二光↡求↩願セヨト往生↨、一十九拝、当リテ↢日没↡礼。取ルモ↢中・下懴悔↡亦得タリ

二 Ⅰ ⅰ 正出
        総礼
          (一)礼釈迦法中三宝

【8】 ^しゃ牟尼むにぶつとう一切いっさい三宝さんぼう南無なもたてまつる。 われいま*稽首けいしゅしてらいし、 してりょう寿じゅこくおうじょうせんがん

南↢無シタテマツル釈迦牟尼仏等一切三宝↡。我今稽首シテ、廻シテ↣往↢生セムト無量寿国↡。

 ^この一仏いちぶつ (釈尊) はげんにこれこん 道俗どうぞくとうなり。 「三宝さんぼう」 といふはすなはちこれ*福田ふくでんりょうなり。 もしよくこれをらいすること一拝いっぱいすれば、 すなはちこれ おん念報ねんぽうして、 もつておのがぎょうじょうず。 このいちぎょうをもつてしておうじょうがん

此之一仏是今時道俗等ナリ。言↢三宝↡者即是福田無量ナリスルコト↠之一拝スレバ、即是念↢報シテ師恩↡、以↢己↡。以↢斯一行↡廻シテ↢往生↡。

二 Ⅰ ⅰ b イ (二)礼十方無辺三宝

 ^0689十方じっぽうさん*じんくうへん法界ほうかい*じんせつちゅう一切いっさい三宝さんぼう南無なもたてまつる。 われいま稽首けいしゅしてらいし、 してりょう寿じゅこくおうじょうせんがん

0917↢無シタテマツル十方三世尽虚空遍法界微塵刹土中一切三宝↡。我今稽首シテ、廻シテ↣往↢生セムト無量寿国↡。

 ^しかるに十方じっぽう くうへんにして三宝さんぼうじんなり。 もしらいすること一拝いっぱいすれば、 すなはちこれ福田ふくでんりょうなり、 どくぐうなり。 よくしんいたしてこれをらいすること一拝いっぱいすれば、 一々いちいちぶつうえ一々いちいちほううえ一々いちいちさつしょうそううえ一々いちいち*しゃうえに、 みなしん口意くいごう*だつぶん善根ぜんごん きたりてぎょうじゃやくし、 もつ0662ておのがごうじょうず。 このいちぎょうをもつてしておうじょうがん

ルニ十方虚空無辺ニシテ、三宝無尽ナリ。若スルコト一拝スレバ、即是福田無量ナリ、功徳無窮ナリ。能シテ↠心スルコト↠之一拝スレバ、一一上、一一上、一一薩・聖僧上、一一舎利、皆得↢身口意業解脱分善根↡、来リテ資↢益行者↡、以↢己↡。以↢斯一行↡廻シテ↢往生↡。

二 Ⅰ ⅰ b 別礼
          (一)本名

【9】 ^西方さいほう極楽ごくらくかい弥陀みだぶつ南無なもしたてまつる。

南↢無シタテマツル西方極楽世界阿弥陀仏↡。

^ねがはくはしゅじょうとともにことごとくみょうせん。 ゆゑにわれ*ちょうらいしてかのくにしょうぜん。

クハ↢衆生↡咸帰命セム 故我頂礼シテゼム↢彼

 ^ひていはく、 なんがゆゑぞ弥陀みだなづけたてまつる。

ヒテ、何ヅケタテマツル↢阿弥陀↡。

^こたへていはく、 ¬*弥陀みだきょう¼ および ¬かんぎょう¼ にのたまはく、 「かのぶつこうみょうりょうにして十方じっぽう こくらすに*しょうするところなし。 ただ念仏ねんぶつしゅじょうそなはして、 *摂取せっしゅしてたまはざるがゆゑに弥陀みだけたてまつる かのぶつ寿じゅみょうおよびその人民にんみんりょうへんそうこうなり。 ゆゑに弥陀みだけたてまつる

ヘテ、¬弥陀経¼及¬観経¼云、彼光明無量ニシテスニ↢十方国↡無↠所↢障礙スル↡。唯ソナハシテ↢念仏衆生↡、摂取シテルガ↠捨テタマハヅケタテマツル↢阿弥陀↡。彼寿命及人民無量無辺阿僧祇劫ナリ。故ヅケタテマツル↢阿弥↡。

^またしゃぶつおよび十方じっぽうぶつ弥陀みだこうみょう*じゅうしゅあることを讃歎さんだん、 あまねくしゅじょうすすめたまへり称名しょうみょう礼拝らいはい相続そうぞくしてえざれば、 げんりょうどく命終みょうじゅうのち さだめておうじょう

又釈迦仏及十方仏、讃↣歎弥陀光明ルコトヲ↢十二種名↡、普メタマヘリ↢衆生↡。称名礼拝相続シテレバ↠断者、現世得↢無量功徳↡、命終之後定メテ得↢往生↡。

^¬*りょう寿じゅきょう¼ (上・意) にきてのたまふがごとし。 「それしゅじょうありてこのひかりふものは、 さんしょうめつしてしんにゅうなんなり。 かんやくして善心ぜんしん しょうず。 もしさんごんところにありて、 このこうみょうたてまつれば、 またのうなし。 寿いのちおわりてのち みなだつこうむる。 りょう寿じゅぶつこうみょう顕赫けんかくにして十方じっぽう しょう耀ようして諸仏しょぶつこくきこざるはなし。 ただわれのみいまそのこうみょうしょうするにあらず、 一切いっさい 諸仏しょぶつしょうもん縁覚えんがく、 もろもろのさつしゅことごとくともにたんたまふこと、 またかくのごとし。

↢¬無量寿経¼説キテフガ↡。「其リテ↢衆生↡遇↢斯↡者、三垢消滅シテ身意柔軟ナリ。歓喜踊躍シテ善心生焉。若リテ↢三塗勤苦之処↡、見タテマツレバ↢此光明↡、無↢復苦悩↡。寿終リテ之後皆蒙↢解脱↡。無量寿仏光明顕赫ニシテ照↢耀シテ十方↡、諸仏国土↠不ルハ↠聞焉。不↣但我ノミ今称スルニ↢其光明↡、一切諸仏、声聞、縁覚、諸菩薩衆咸歎誉シタマフコト、亦復如↠是クノ

^もししゅじょうありて、 そのこうみょうじん どくきて、 にちしょう0663せつして、 しんいたしてざれば、 その所願しょがんしたがひてそのくにしょうずることを。 つねにもろもろのさつしょうもんしゅうのためにともにたんてそのどくしょうせらるぶつ (釈尊) のたまはく、 ªわれ、 りょう寿じゅぶつこうみょうじん 巍々ぎぎ しゅみょうなるをかんに、 ちゅう一劫いっこうすとも、 なほつくすことあたはずº」

リテ↢衆生↡、聞キテ↢其光明威神功徳↡、日夜称説シテ、至シテ↠心レバ↠断者、随ヒテ↢其所願↡得↠生ズルコトヲ↢其↡。常↢諸菩薩・声聞之衆↡所↣共歎誉シテ↢其功徳↡。仏言、我説カムニ↢無量寿仏光明威神巍巍殊妙ナルヲ↡、昼夜一劫ストモ、尚不↠能↠尽スコト。」

^もろもろのぎょうじゃにまうす。 まさにるべし、 弥陀みだ身相しんそうこうみょうは、 しゃ如来にょらい一劫いっこうきたまふとも、 つく0690すことあたはざるものなり

↢諸行者↡。当↠知、弥陀身相光明、釈迦如来一劫0918キタマフトモ、不↠能↠尽スコトナリ

^¬かんぎょう¼ にのたまふがごとし。 「一々いちいちこうみょうあまねく十方じっぽうかい念仏ねんぶつしゅじょう 摂取せっしゅしててたまはず」

↢¬観経¼云フガ↡。「一一光明遍↢十方世界念仏衆生、摂取シテ↠捨テタマハ。」

^いますでに ¬かんぎょう¼ にかくのごとき*思議しぎ ぞうじょうしょうえんありて、 ぎょうじゃ*しょうしたまふ。 なんぞ相続そうぞくして*しょうかんらいねんしておうじょうがんぜざらんや、 るべし。

今既¬観経¼有リテ↢如↠此クノ不思議増上勝縁↡、摂↢護シタマフ行者↡。何ラム↣相続シテ称観礼念シテ↢往生↡也、応↠知

二 Ⅰ ⅰ b ロ (二)異名

【10】^西方さいほう極楽ごくらくかい*りょうこうぶつ南無なもしたてまつる。

南↢無シタテマツル西方極楽世界無量光仏↡。

ねがはくはしゅじょうとともにことごとくみょうせん。 ゆゑにわれちょうらいしてかのくにしょうぜん。

クハ↢衆生↡咸帰命セム 故我頂礼シテゼム↢彼

 ^西方さいほう極楽ごくらくかい*へんこうぶつ南無なもしたてまつる。

南↢無シタテマツル西方極楽世界無辺光仏↡。

ねがはくはしゅじょうとともにことごとくみょうせん。 ゆゑにわれちょうらいしてかのくにしょうぜん。

クハ↢衆生↡咸帰命セム 故我頂礼シテゼム↢彼

 ^西方さいほう極楽ごくらくかい*無礙むげこうぶつ南無なもしたてまつる。

南↢無シタテマツル西方極楽世界無礙光仏↡。

0664ねがはくはしゅじょうとともにことごとくみょうせん。 ゆゑにわれちょうらいしてかのくにしょうぜん。

クハ↢衆生↡咸帰命セム 故我頂礼シテゼム↢彼

 ^西方さいほう極楽ごくらくかい*たいこうぶつ南無なもしたてまつる。

南↢無シタテマツル西方極楽世界無対光仏↡。

ねがはくはしゅじょうとともにことごとくみょうせん。 ゆゑにわれちょうらいしてかのくにしょうぜん。

クハ↢衆生↡咸帰命セム 故我頂礼シテゼム↢彼

 ^西方さいほう極楽ごくらくかい*炎王えんのうこうぶつ南無なもしたてまつる。

南↢無シタテマツル西方極楽世界炎王光仏↡。

ねがはくはしゅじょうとともにことごとくみょうせん。 ゆゑにわれちょうらいしてかのくにしょうぜん。

クハ↢衆生↡咸帰命セム 故我頂礼シテゼム↢彼

 ^西方さいほう極楽ごくらくかい*清浄しょうじょうこうぶつ南無なもしたてまつる。

南↢無シタテマツル西方極楽世界清浄光仏↡。

ねがはくはしゅじょうとともにことごとくみょうせん。 ゆゑにわれちょうらいしてかのくにしょうぜん。

クハ↢衆生↡咸帰命セム 故我頂礼シテゼム↢彼

 ^0691西方さいほう極楽ごくらくかい*かんこうぶつ南無なもしたてまつる。

0919↢無シタテマツル西方極楽世界歓喜光仏↡。

ねがはくはしゅじょうとともにことごとくみょうせん。 ゆゑにわれちょうらいしてかのくにしょうぜん。

クハ↢衆生↡咸帰命セム 故我頂礼シテゼム↢彼

 ^西方さいほう極楽ごくらくかい*智慧ちえこうぶつ南無なもしたてまつる。

南↢無シタテマツル西方極楽世界智慧光仏↡。

0665ねがはくはしゅじょうとともにことごとくみょうせん。 ゆゑにわれちょうらいしてかのくにしょうぜん。

クハ↢衆生↡咸帰命セム 故我頂礼シテゼム↢彼

 ^西方さいほう極楽ごくらくかい*だんこうぶつ南無なもしたてまつる。

南↢無シタテマツル西方極楽世界不断光仏↡。

ねがはくはしゅじょうとともにことごとくみょうせん。 ゆゑにわれちょうらいしてかのくにしょうぜん。

クハ↢衆生↡咸帰命セム 故我頂礼シテゼム↢彼

 ^西方さいほう極楽ごくらくかい*なんこうぶつ南無なもしたてまつる。

南↢無シタテマツル西方極楽世界難思光仏↡。

ねがはくはしゅじょうとともにことごとくみょうせん。 ゆゑにわれちょうらいしてかのくにしょうぜん。

クハ↢衆生↡咸帰命セム 故我頂礼シテゼム↢彼

 ^西方さいほう極楽ごくらくかい*しょうこうぶつ南無なもしたてまつる。

南↢無シタテマツル西方極楽世界無称光仏↡。

ねがはくはしゅじょうとともにことごとくみょうせん。 ゆゑにわれちょうらいしてかのくにしょうぜん。

クハ↢衆生↡咸帰命セム 故我頂礼シテゼム↢彼

 ^西方さいほう極楽ごくらくかい*ちょう日月にちがつこうぶつ南無なもしたてまつる。

南↢無シタテマツル西方極楽世界超日月光仏↡。

ねがはくはしゅじょうとともにことごとくみょうせん。 ゆゑにわれちょうらいしてかのくにしょうぜん。

クハ↢衆生↡咸帰命セム 故我頂礼シテゼム↢彼

二 Ⅰ ⅰ b 重礼

【11】^西方さいほう極楽ごくらくかい弥陀みだぶつ南無なもしたてまつる。

南↢無シタテマツル西方極楽世界阿弥陀仏↡。

0666われを*哀愍あいみんして *覆護ふごし、 *法種ほうしゅをしてぞうじょうせしめたまへ。

哀↢愍シテ覆↣護メタマヘ↢法種ヲシテ増長

およびしょうに、 ねがはくはぶつつねに*しょうじゅしたまへ。

此世及後生クハ仏常摂受シタマヘ

0692ねがはくはしゅじょうとともにことごとくみょうせん。 ゆゑにわれちょうらいしてかのくにしょうぜん。

0920クハ↢衆生↡咸帰命セム 故我頂礼シテゼム↢彼

 ^西方さいほう極楽ごくらくかい*かんおんさつ南無なもしたてまつる。

南↢無シタテマツル西方極楽世界観世音菩薩↡。

ねがはくはしゅじょうとともにことごとくみょうせん。 ゆゑにわれちょうらいしてかのくにしょうぜん。

クハ↢衆生↡咸帰命セム 故我頂礼シテゼム↢彼

 ^西方さいほう極楽ごくらくかい*だいせいさつ南無なもしたてまつる。

南↢無シタテマツル西方極楽世界大勢至菩薩↡。

ねがはくはしゅじょうとともにことごとくみょうせん。 ゆゑにわれちょうらいしてかのくにしょうぜん。

クハ↢衆生↡咸帰命セム 故我頂礼シテゼム↢彼

 ^この さつ一切いっさいしゅじょう 命終みょうじゅうときのぞみて、 ともにだいしてぎょうじゃじゅ 弥陀みだぶつだいこうみょうはなちて、 ぎょうじゃらしたまふ。 またしゅぶつさつしょうもん大衆だいしゅとういち授手じゅしゅして*だんのあひだのごとくにすなはちおうじょう仏恩ぶっとんほうぜんがためのゆゑに、 しんいたしてこれをらいすること一拝いっぱいす。

二菩薩一切衆生ミテ↢命終↡、共シテ↢華台↡授↢与行者↡、阿弥陀仏チテ↢大光明↡、照シタマフ↢行者↡。復与↢無数化仏・菩薩・声聞大衆等↡一時授手シテ、如クニ↢弾指↡即得↢往生↡。為↠報ゼムガ↢仏恩↡故、至シテ↠心スルコト↠之一拝

 ^西方さいほう極楽ごくらくかいもろもろのさつ*清浄しょうじょう大海だいかいしゅ南無なもしたてまつる。

南↢無シタテマツル西方極楽世界諸菩薩・清浄大海衆↡。

0667ねがはくはしゅじょうとともにことごとくみょうせん。 ゆゑにわれちょうらいしてかのくにしょうぜん。

クハ↢衆生↡咸帰命セム 故我頂礼シテゼム↢彼

 ^これらのもろもろのさつまたぶつ (阿弥陀仏) にしたが きたりて、 ぎょうじゃ*こうしょうしたまふおんほうぜんがためのゆゑに、 しんいたしてこれをらいすること一拝いっぱいす。

此等菩薩亦随↠仏リテ、迎↢接シタマフ行者↡。為↠報ゼムガ↠恩、至シテ↠心スルコト↠之一拝

二 Ⅰ ⅰ b 懴悔
          (一)標挙

【12】^あまねくそう父母ぶもおよびぜんしき法界ほうかいしゅじょう さんしょう断除だんじょして、 おなじく弥陀みだぶつ こくおうじょうすることをんがために、 みょうさんしたてまつる

↫師僧・父母及善知識、法界衆生、断↢除シテ三障↡、同ジクムガ↪往↩生スルコトヲ阿弥陀仏国↨、帰命懴悔シタテマツル

二 Ⅰ ⅰ b ニ (二)挙文

 ^しんいたしてさんす。

シテ↠心懴悔

^十方じっぽうぶつ南無なも さんしたてまつる。 ねがはくは一切いっさいのもろもろの罪根ざいこんめっしたまへ。

南↢無懴↣悔シタテマツル十方クハシタマヘ↢一切罪根

0693いま*ごんしゅするところぜんをもつて、 して*自他じた安楽あんらくいんとなす。

0921今将↢久近↠修スルシテ↢自他安楽

^つねにねがはくは一切いっさいりんじゅうとき*しょうえんしょうきょうことごとく現前げんぜんせん

クハ一切臨終勝縁・勝境悉現前セム

ねがはくは弥陀みだだいしゅ観音かんのんせい十方じっぽう そんたてまつらん。

クハタテマツラム↢弥陀大悲主観音・勢至・十方尊

あおねがはくは*神光じんこう授手じゅしゅこうむりて、 ぶつ本願ほんがんじょうじてかのくにしょうぜん。

クハ神光蒙リテ↢授手ジテ↢仏本願↡生ゼム↢彼

 ^さんこう*発願ほつがんをはりて、 しんいたして弥陀みだぶつみょうしたてまつる。

懴悔廻向発願リテ、至シテ↠心帰命シタテマツル↢阿弥陀仏↡。

二 Ⅰ ⅰ b 作梵
        説偈発願

【13】 ^つぎ*ぼんをなきて発願ほつがんせよ。 ¬*ほうしょうろん¼ にでたり。

 次↠梵、 説キテ↠偈発願セヨデタリ↢¬宝性論¼↡

^0668*礼懴らいさんのもろもろのどくをもつて、 ねがはくは 命終みょうじゅうときのぞみて

「礼懴ヲモテクハミテ↢命終

りょう寿じゅぶつへんどく しんたてまつらん。

タテマツラム↢無量寿仏無辺功徳身

^われおよび信者しんじゃ、 すでにかのぶつたてまつりをはりて、

我及信者タテマツリ↢彼↡已リテ

ねがはくは*離垢りくまなこ 安楽あんらくこくおうじょうして、

クハ得↢離垢往↢生シテ安楽国

じょうだいじょうぜん」

ゼム↢無上菩提↡」

二 Ⅰ ⅰ b 一切恭敬

【14】 ^礼懴らいさんをはりて一切いっさいぎょう

礼懴リテ一切恭敬

ぶつだいたまふにす。 *道心どうしんつねに退たいざらん

↣仏タマフニ↢菩提道心恒ラム↠退

 ^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに してりょう寿じゅこくおうじょうがん

クハ↢諸衆生↡廻シテ↣往↢生セムト無量寿国↡。

ほう*薩婆さはにゃす。 *だいそうもん

↢法薩婆若↢大総持門

 ^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに してりょう寿じゅこくおうじょうがん

クハ↢諸衆生↡廻シテ↣往↢生セムト無量寿国↡。

0694そう*じょうろんむるにす。 おなじく*ごうかいらん

0922↣僧ムルニ↢諍論ジクラム↢和合海

 ^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに してりょう寿じゅこくおうじょうせんがん

クハ↢諸衆生↡廻シテ↣往↢生セムト無量寿国↡。

 ^ねがはくはもろもろのしゅじょう三業さんごう清浄しょうじょうにして、 ぶっきょう奉持ぶじ*一切いっさいげんじょう*なんせん。

クハ衆生三業清浄ニシテ、奉↢持仏教↡和↢南セム一切賢聖↡。

 ^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに してりょう寿じゅこくおうじょうせんがん

クハ↢諸衆生↡廻シテ↣往↢生セムト無量寿国↡。

二 Ⅰ ⅰ b 無常偈

066915】 ^もろもろの衆等しゅとうけ。 日没にちもつじょうかん

 諸衆等聴。説カム日没無常↡。

^人間にんげん*怱々そうそうとして*しゅいとなねんみょうにちることをおぼず。

人間怱怱トシテ↢衆務不↠覚↢年命日夜ルコトヲ

ともしびふう ちゅうありてめっすることしがたきがごとし。 *忙々もうもうたる六道ろくどう*じょうしゅなし。

↢灯風中ニアリテスルコトキガ↟期忙忙タル六道↢定趣↡

^いまだだつしてかいづることをず。 いかんが*安然あんねんとして*きょうせざらん。

↠得↣解脱シテヅルコトヲ↢苦海云何安然トシテラム↢驚懼

おのおのけ。 *強健ごうごんりきとき*しゃくれいして*常住じょうじゅうもとめよ

強健有力自策自励シテメヨ↢常住

二 Ⅰ ⅰ b 発願

【16】 ^このきをはりて、 さらにまさにしん発願ほつがんすべし。

 説↢此↡已リテ、更↢心口発願↡。

 ^ねがはくは弟子でしとう 命終みょうじゅうときのぞみてしん顛倒てんどうせず、 しん錯乱さくらんせず、 しん*失念しつねんせず、 身心しんしん もろもろのつうなく、 身心しんしんらくなることぜんじょうれるがごとくしてしょうじゅ現前げんぜん ぶつ本願ほんがんじょうじて弥陀みだぶつこくじょうぼん おうじょう。 かのくにいたりをはりて、 ろく神通じんずう十方じっぽうかいりてしゅじょう*しょうせん*くう法界ほうかいきんや、 わががんまたかくのごとくならん発願ほつがんをはりて、 しんいたして弥陀みだぶつみょうしたてまつる

クハ弟子等、臨ミテ↢命終↡心不↢顛倒↡、心不↢錯乱↡、心不↢失念↡、身心無↢諸苦痛↡、身心快楽ナルコトクシテ↠入レルガ↢禅定↡、聖衆現前、乗ジテ↢仏本願↡上↢品往↣生セム阿弥陀仏国↡。到↢彼↡已リテ、得↢六神↡入リテ↢十方界↡、救↢摂セム衆生↡。虚空法界尽キムヤ、我亦如クナラム↠是クノ。発願リテ、至シテ↠心帰↢シタテマツル阿弥陀仏↡。

二 Ⅰ 因列諸無常偈
      初夜偈

【17】 0695^しょにのたまはく (坐禅三昧経・意)

 0923初夜

^0670煩悩ぼんのうふかくしてそこしょううみへんなり

「煩悩深クシテ↠底生死海無辺ナリ

ふねいまだたず。 いかんが睡眠すいめんこのまん。

スル↠苦船未↠立云何マム↢睡眠

^ゆうみょうごんしょうじんして、 しんせっしてつねに*ぜん

勇猛勤精進シテ↠心ケト

二 Ⅰ ⅱ 中夜偈

【18】 ^ちゅうにいはく (大智度論)

 中夜

^「なんぢらくさかばねいだきてすることなかれ。 種々しゅじゅじょう かりにひとづく。

「汝等勿↧抱キテ↢臭↡臥スルコト種種不浄↠人

重病じゅうびょうたいるがごとし。 もろもろのつうあつ。 いづくんぞねむるべけん

↧得↢重病↡箭ルガ↞体苦痛集ンゾケムト↠眠

二 Ⅰ ⅱ 後夜偈

【19】 ^*後夜ごやにいはく、

 後夜

^*こううつりててん、 たちまちに*こうはじいたる。

時光遷リテ流転↢五更

じょう念々ねんねんいた 、 つねに*おう

無常念念与↢死王↡居

^もろもろの*ぎょうどうのものをすすむ。 勤修ごんしゅして*無余むよいたれ。

↢諸行道勤修シテレト↢無余

二 Ⅰ ⅱ 晨朝偈

【20】 ^*びょうたんにのたまはく (僧祇律・意)

 平旦

^じゃくめつらくもとめんとほっせば、 まさに沙門しゃもんほうがくすべし。

「欲セバ↠求メムト↢寂滅↠学↢沙門

じきしんみょうささふ。 *しょうしゅうしたがひて

衣食↢身命精麁随ヒテ↠衆

^0671*もろもろの衆等しゅとう今日こんにち じんじょうおのおの六念ろくねんじゅせよ

衆等、今日晨朝セヨト↢六念↡。」

二 Ⅰ ⅱ 日中偈

【21】 ^*にっちゅうにのたまはく (六方礼経・意)

 日中

^ひとうまれてしょうじんせずは、 たとへばじゅなきがごとし。

人生レテ↢精進ヘバ↢樹キガ↟根

はなりてにっちゅうくに、 よくいくばくのときあざやかなることを

リテ↠華クニ↢日↢幾カナルコトヲ

^0696ひといのちもまたかくのごとし。 じょうしゅのあひだなり。

0924亦如↠是クノ無常須臾ナリ

もろもろのぎょうどうしゅうすすむ。 勤修ごんしゅしてすなはち*しんいた

↢諸行道勤修シテレト↠真

【初夜讃】
    総標

【22】^だい沙門しゃもん善導ぜんどう、 つつしみて ¬だいきょう¼ によりて要文ようもんさいしゅうて、 もつて礼讃らいさんなす。 じゅうはいしょときあたりてらいさんぜんおなじ。

第二沙門善導、謹ミテリテ↢¬大経¼↡採↢集シテ要文↡、以礼讃↡。二十四拝、当リテ↢初夜↡礼。懴悔↢前後↡。

二 Ⅱ 正出
      別讃

【23】^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^弥陀みだがんかいは、 深広じんこうにして涯底がいたいなし。

弥陀智願海深広ニシテ↢涯底↡

みなきておうじょうせんとほっすれば、 みなことごとくかのくにいたる。

キテ↠名スレバ↢往生セムト皆悉↢彼

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^*このかいのなかにおいて、 ろくじゅうゆう七億しちおく

↢此世界六十有七億

退たいのもろもろのさつあり。 みなまさにかしこにしょうずることをべし。

不退菩薩アリ皆当↠得↠生ズルコトヲ↠彼

^0672ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^小行しょうぎょうのもろもろのさつ、 および*しょうふくしゅするもの、

小行菩薩スル↢少福↡者

そのかずはかるべからず。 みなまさにかしこにしょうずることをべし。

数不↠可カラ↠計皆当↠得↠生ズルコトヲ↠彼

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^十方じっぽう*仏刹ぶっせつのなかのさつ比丘びくしゅ

十方仏刹菩薩・比丘衆

こうきわむるもはかるべからず。 みなまさにかしこにしょうずることをべし。

ムルモ↠劫不↠可カラ↠計皆当↠得↠ズルコトヲ↠彼

^0697ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

0925クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^一切いっさいのもろもろのさつ、 おのおのてんみょう

一切菩薩チテ↢天妙華・

宝香ほうこう無価むげ ちて弥陀みだぶつようしたてまつる。

宝香・無価衣供↢養シタテマツル弥陀仏

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^咸然げんねんとしててん がくそうし、 和雅わげこえちょうほつして、

咸然トシテ↢天楽暢↢発シテ和雅

0673さいしょうそんたんして、 弥陀みだぶつようしたてまつる。

歌↢歎シテ最勝供↢養シタテマツル弥陀仏

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^にちけんらして、 しょうくもしょうじょす。

慧日照シテ↢世間消↢除生死

ぎょうしてめぐること三帀さんぞうして、 弥陀みだそん稽首けいしゅしたてまつる

恭敬シテルコト三帀シテ稽↢首シタテマツル弥陀尊

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^かのごんじょう みょうにして思議しぎしがたきを

↣彼厳浄土微妙ニシテキヲ↢思議

よりてじょうしんおこす。 ねがはくはわがくにもまたしからんと。

リテ↢無上心クハ亦然ラムト

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^0698ときおうじてりょうそん (阿弥陀仏)みかおうごかし ごんしょうおこし、

0926ジテ↠時無量尊ミカホ↢欣笑

くちよりしゅひかりいだして、 あまねく十方じっぽうくにしたまふ

ヨリシテ↢無数シタマフ↢十方

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^0674ひかりめぐらしにょうすること、 三帀さんぞうしていただきよりる。

↠光囲↢遶スルコト三帀シテ↠頂入

一切いっさいてんにんしゅやくしてみなかんす。

一切天人衆踊躍シテ皆歓喜

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^ぼんしょう雷震らいしんごと八音はっとんみょうこうぶ。

梵声↢雷震八音暢↢妙響

十方じっぽうよりきたれるしょう、 われことごとくかのがんれり

十方ヨリレル正士吾悉レリ↢彼

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^かのごんじょう こくいたれば、 すなはちすみやかに神通じんずう

レバ↢彼厳浄便↢神通

かならずりょうそん (阿弥陀仏) において、 けて等覚とうがくじょう

↢無量尊ケテ↠記↢等覚

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^おく如来にょらい奉事ぶじ 飛化ひけして*諸刹しょせつへんし、

奉↢事如来飛化シテ↢諸刹

ぎょうかんして かえりてあんにょうこくいたる。

恭敬歓喜シテリテ↢安養国

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^0675南無なも0699してしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

0927シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^もしひと善本ぜんぽんなければ、 ぶつみなくことをず。

人無ケレバ↢善本↡不↠得↠聞クコトヲ↢仏

きょうまんへいだいとは、 もつてこのほうしんずることかたし。

憍慢懈怠トハ↣以ズルコト↢此

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^宿しゅく諸仏しょぶつたてまつりしもの、 すなはちよくこのしんず。

宿世タテマツリシモノハ↢諸仏↢此

けんきょうきてぎょうし、 やくしておおきにかんす。

謙敬キテ奉行踊躍シテ歓喜

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

【24】^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^それかの弥陀みだぶつみょうごうくことをることありて、

リテ↠得ルコト↠聞クコトヲ↢彼弥陀仏名号

かんして一念いちねんいたまで、 みなまさにかしこにしょうずることをべし。

歓喜シテルマデ↢一皆当↠得↠生ズルコトヲ↠彼

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^たとひ*大千だいせんてらんも、 ただちにぎてぶつみな

テラム↢大千↡火ヲモギテ↢仏

みなきてかんしてさんずれば、 みなまさにかしこにしょうずることをべし。

キテ↠名歓喜シテスレバ皆当↠得↠生ズルコトヲ↠彼

^0676ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^*万年まんねんして三宝さんぼうめっせんに*この ¬きょう¼ (大経) じゅうすることひゃくねんせん

万年ニシテ三宝滅セムニ¬経¼住スルコト百年セム

そのとき きて一念いちねんんに、 みなまさにかしこにしょうずることをべし。

時聞キテ一念セムニ皆当↠得↠生ズルコトヲ↠彼

^0700ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

0928クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^ぶっにははなはだひがたひとしんあることかたし。

仏世ニハ↠値人有ルコト↢信慧↡難

たまたま希有けうほう 、 これまたもつともかたしとなす。

↢希有此復最↠難シト

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^*みづからしんひとおしへてしんしむることかたきがなかに*うたたさらにかたし。

ヘテ↠人ゼシムルコトキガ

だいをもつてつたへてあまねくする、 まことに仏恩ぶっとんほうずるになる

大悲ヲモテヘテスルハ↠報ズルニ↢仏恩

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

二 Ⅱ ⅱ 重礼

【25】^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^われを哀愍あいみんして 覆護ふご 法種ほうしゅをしてぞうじょうせしめたまへ

哀↢愍シテ覆↣護メタマヘ↢法種ヲシテ増長

0677 およびしょうに、 ねがはくはぶつつねにしょうじゅしたまへ。

此世及後生クハ仏常摂受シタマヘ

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう極楽ごくらくかいかんおんさつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方極楽世界観世音菩薩↡。

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう極楽ごくらくかいだいせいさつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方極楽世界大勢至菩薩↡。

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^0701南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう極楽ごくらくかいしょさつ清浄しょうじょう大海だいかいしゅらいしたてまつる。

0929↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方極楽世界諸菩薩・清浄大海衆↡。

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

二 Ⅱ ⅱ 懴悔

【26】^あまねくそう父母ぶもおよびぜんしき法界ほうかいしゅじょうさんしょう断除だんじょして、 おなじく弥陀みだぶつこくおうじょうすることをんがために、 みょうさんしたてまつる。

↫師僧・父母及善知識、法界衆生、断↢除シテ三障↡、同ジクムガ↪往↩生スルコトヲ阿弥陀仏国↨、帰命懴悔シタテマツル

【中夜讃】
    総標

【27】^第三だいさんにつつしみてりゅうじゅさつがんおうじょう礼讃らいさん (十二礼) によりて、 いちじゅう六拝ろっぱいちゅうときあたりてらいす。 さんぜんおなじ。

第三ミテリテ↢龍樹菩薩¬願往生礼讃¼↡、一十六拝、当リテ↢中夜↡礼。懴悔↢前後↡。

二 Ⅲ 正出
      別讃【十二礼】

【28】^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^てんにんぎょうせられたまふ、 弥陀みだせんりょうぞくそん稽首けいしゅしたてまつる

稽↧首シタテマツル天・人レタマフ↢恭敬阿弥陀仙両足尊

0678かのみょう安楽あんらく こくにましまして、 りょうぶっしゅにょうせられたまへり

シテ↢彼微妙安楽国無量仏子衆セラレタマヘリ

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^金色こんじきしんきよくして山王せんのうのごとし。 しゃ摩他またぎょうぞうあゆむがごとし。

金色身浄クシテ↢山王奢摩他ムガ

りょうもくきよきことしょうれんのごとし。 ゆゑにわれ弥陀みだそんちょうらいしたてまつる

両目キコト↢青蓮華我頂↢礼シタテマツル弥陀尊

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^0702南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる

0930↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^おもてよくえんじょうなること満月まんがつのごとし。 こうはなほせん日月にちがつのごとし。

面善円浄ナルコト↢満月威光猶如日月

みこえてん倶翅羅くしらのごとし。 ゆゑにわれ弥陀みだそんちょうらいしたてまつる

↢天鼓倶翅羅我頂↢礼シタテマツル弥陀尊

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^観音かんのんちょうだいかんちゅうじゅうしたまふ。 種々しゅじゅみょうそうたからをもつてしょうごんせり。

観音頂戴冠中シタマフ種種妙相宝ヲモテ荘厳セリ

よくどうとのきょうまんぶくす。 ゆゑにわれ弥陀みだそんちょうらいしたてまつる

↢外道トノ憍慢我頂↢礼シタテマツル弥陀尊

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^0679無比むひ無垢むくにしてひろ清浄しょうじょうなり。 衆徳しゅとくきょうけつなることくうのごとし。

無比・無垢ニシテ清浄ナリ衆徳皎潔ナルコト↢虚空

しょやくざいたまへり。 ゆゑにわれ弥陀みだそんちょうらいしたてまつる

所作利益タマヘリ↢自在我頂↢礼シタテマツル弥陀尊

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^十方じっぽうきこゆるさつしゅりょうしょつねに讃歎さんだんす。

十方ユル菩薩衆無量諸魔常讃歎

0703もろもろのしゅじょうのために願力がんりきをもつてじゅうしたまふ。 ゆゑにわれ弥陀みだそんちょうらいしたてまつる

0931↢諸衆生↡願力ヲモテシタマフ我頂↢礼シタテマツル弥陀尊

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^こがねそことしたから まじはりたるいけしょうぜるはな善根ぜんごんじょうぜるところみょうだいなり。

トシマジハリタルゼル善根↠成ゼル妙台座ナリ

かのうえおい山王せんのうのごとし。 ゆゑにわれ弥陀みだそんちょうらいしたてまつる

↢彼↡如↢山王我頂↢礼シタテマツル弥陀尊

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国↡。

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^十方じっぽうよりきたれるところのもろもろのぶっ神通じんずう顕現けんげんして安楽あんらくいたり、

十方ヨリ↠来レル仏子顕↢現シテ神通↡至↢安楽

尊顔そんげん瞻仰せんごうしてつねにぎょうす。 ゆゑにわれ弥陀みだそんちょうらいしたてまつる

瞻↢仰シテ尊顔↡常恭敬我頂↢礼シタテマツル弥陀尊

^0680ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^しょじょう無我むがとうなり。 また水月すいがつでんようのごとし。

所有無常・無我等ナリ亦如↢水月・電・影・露

しゅうのために*ほうみょうなきことをきたまふ。 ゆゑにわれ弥陀みだそんちょうらいしたてまつる

↠衆キタマフ↣法キコトヲ↢名字↡我頂↢礼シタテマツル弥陀尊

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^0704南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

0932↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^かのそん仏刹ぶっせつにはあくなし。 また女人にょにん悪道あくどうとのおそれなし。

仏刹ニハ↢悪名↡亦無↢女人悪道トノ

衆人しゅにんしんいたしてかのそんうやまひたてまつる。 ゆゑにわれ弥陀みだそんちょうらいしたてまつる

衆人至シテ↠心ヒタテマツル↢彼↡  故我頂↢礼シタテマツル弥陀尊

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国↡。

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^かのそんりょう方便ほうべんきょうには、 諸趣しょしゅあくしきとあることなし。

無量方便ニハ↠有ルコト↢諸趣悪知識

おうじょうすれば退たいせずしてだいいたる。 ゆゑにわれ弥陀みだそんちょうらいしたてまつる

往生スレバシテ↠退↢菩提我頂↢礼シタテマツル弥陀尊

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^0681南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^われかのそんどくけり衆善しゅぜんへんにして海水かいすいのごとし。

我説ケリ↢彼功徳衆善無辺ニシテ↢海水

るところの善根ぜんごん清浄しょうじょうるものしゅじょう回施えせしてかのくにしょう

善根清浄ナル廻↢施シテ衆生↡生ゼム↢彼

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

二 Ⅲ ⅱ 重礼

【29】^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^われを哀愍あいみんして 覆護ふご 法種ほうしゅをしてぞうじょうせしめたまへ

哀↢愍シテ覆↣護メタマヘ↢法種ヲシテ増長

およびしょうに、 ねがはくはぶつつねにしょうじゅしたまへ。

此世及後生クハ仏常摂受シタマヘ

^0705ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

0933クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう極楽ごくらくかいかんおんさつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方極楽世界観世音菩薩↡。

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう極楽ごくらくかいだいせいさつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方極楽世界大勢至菩薩↡。

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう極楽ごくらくかいしょさつ清浄しょうじょう大海だいかいしゅらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方極楽世界諸菩薩・清浄大海衆↡。

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

二 Ⅲ ⅱ 懴悔
        標挙

068230】^あまねくそう父母ぶもおよびぜんしき法界ほうかいしゅじょう さんしょう断除だんじょして、 おなじく弥陀みだぶつ こくおうじょうすることをんがために、 みょうさんしたてまつる

↫師僧・父母及善知識、法界衆生、断↢除シテ三障↡、同ジクムガ↪往↩生スルコトヲ阿弥陀仏国↨、帰命懴悔シタテマツル

二 Ⅲ ⅱ c 出文
          (一)懴悔

 ^しんいたしてさんす。

シテ↠心懴悔。

^ 無始むしけてよりこのかた、 つねにじゅうあくをもつてしゅじょうくわふ。

自↢従 ヨリ 無始ケテ↟身コノカ↢十悪↡加↢衆生

父母ぶもきょうせず三宝さんぼうそしぎゃく善業ぜんごうぞうす。

不↠孝↢父母↡謗↢三宝造↢作五逆・不善業

^この衆罪しゅざい因縁いんねんをもつてのゆゑに、 *妄想もうぞう顛倒てんどうして*纏縛てんばくしょうじ、

テノ↢是衆罪因縁↡故妄想顛倒シテ↢纏縛

りょうしょうくべし。 ちょうらい さんしたてまつるねがはくは滅除めつじょせしめたまへ。

↠受↢無量生死頂礼懴悔シタテマツルクハ滅除セシメタマヘ

 ^0706さんしをはりて、 しんいたして弥陀みだぶつみょうしたてまつる。

0934リテ、至シテ↠心帰↢シタテマツル阿弥陀仏↡。

二 Ⅲ ⅱ c ロ (二)勧請

 ^しんいたして*かんじょうす。

シテ↠心勧請

^諸仏しょぶつだいじょうそん、 つねに*くうをもつて三界さんがいらしたまふ。

諸仏大慈無上尊↢空慧↡照シタマフ↢三界

しゅじょう*もうみょうにしてかくせず。 ながしょうだいかいもっ

衆生盲冥ニシテ不↢覚知↢生死大苦海

^*ぐんじょうきてしょはなれしめんがために、 かんじょうしたてまつる。 つねにじゅうして*法輪ほうりんてんじたまへ。

↧抜キテ↢群生↡離レシメムガ↦諸苦勧請シタテマツルシテジタマヘ↢法輪

 ^かんじょうしをはりて、 しんいたして弥陀みだぶつみょうしたてまつる。

勧請リテ、至シテ↠心帰↢シタテマツル阿弥陀仏↡。

二 Ⅲ ⅱ c ロ (三)随喜

 ^0683しんいたしてずいす。

シテ↠心随喜

^*りゃくこうよりこのかたいだけるしっ *まん*放逸ほういつ*によりてしょうず。

歴劫ヨリ已来ケル嫉妬我慢・放逸リテ↠痴

つねにしん毒害どくがいをもつて、 智慧ちえ善根ぜんごん*ぼんじょうす。

↢瞋恚毒害焚↢焼智慧・慈・善根

^今日こんにちゆい はじめて*しょうだいしょうじんずいしんおこす。

今日思惟惺悟シテ↢大精進随喜

 ^ずいしをはりて、 しんいたして弥陀みだぶつみょうしたてまつる。

随喜リテ、至シテ↠心帰↢シタテマツル阿弥陀仏↡。

二 Ⅲ ⅱ c ロ (四)回向

 ^しんいたしてこうす。

シテ↠心廻向

^三界さんがいのうちに*ろうして、 *あいをもつ*胎獄たいごく

流↢浪シテ三界痴愛ヲモテ↢胎獄

しょうじをはりろう かい沈没ちんもつす。

リテ↢老死沈↢没於苦海

^われいまこのふくしゅして、 して安楽あんらくしょうぜん。

我今修シテ↢此シテゼム↢安楽土

 ^0707こうしをはりて、 しんいたして弥陀みだぶつみょうしたてまつる。

0935リテ、至シテ↠心帰↢シタテマツル阿弥陀仏↡。

二 Ⅲ ⅱ c ロ (五)発願

 ^しんいたして発願ほつがんす。

シテ↠心発願

^ねがはくは*胎蔵たいぞうかたちてて、 安楽あんらくこくおうじょう

クハテテ↢胎蔵往↢生安楽国

すみやかに弥陀みだぶつへんどくしんたてまつり、

タテマツリ↢弥陀仏無辺功徳

^つつしみてもろもろの如来にょらいたてまつらん。 *げんじょうもまたしかなり。

ツツシミテタテマツラム↢諸如来賢聖亦復然ナリ

ろく神通じんずうりきて、 しゅじょうしょうせん。

↢六神通力救↢摂セム衆生

^0684くう法界ほうかいんや。 わががんもまたかくのごとくならん

虚空法界尽キムヤ亦如クナラム↠是クノ

 ^発願ほつがんしをはりて、 しんいたして弥陀みだぶつみょうしたてまつる。

発願リテ、至シテ↠心帰↢シタテマツル阿弥陀仏↡。

二 Ⅲ ⅱ c 例余

^はことごとくかみほうおなじ。

↢上↡。

【後夜讃】
    総標

【31】^だいにつつしみて天親てんじんさつがんおうじょう礼讃らいさん (浄土論) によりて、 じっぱい後夜ごやとき あたりてらいさんぜんおなじ。

第四ミテリテ↢天親菩薩願往生礼讃↡、二十拝、当リテ↢後夜↡礼。懴悔↢前後↡。

二 Ⅳ 正出
      別讃【願生偈】

【32】^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^そん*われ一心いっしんじん十方じっぽう 無礙むげこう如来にょらいみょうたてまつりて、

世尊我一心帰↢命シタテマツリテ尽十方

ぶっきょう相応そうおうせん

無礙光如来与↢仏教↡相応セム

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^かのかいそうかんずるに、 三界さんがいどうしょうせり。

ズルニ↢彼世界勝↢過セリ三界

きょうしてくうのごと広大こうだいにして辺際へんざいなし。

究竟シテ↢虚空広大ニシテ↢辺際↡

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^0708南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

0936↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^しょうどうだい慈悲じひ しゅっ善根ぜんごんよりしょうず。

正道大慈悲出世善根ヨリ

0685じょうこうみょう満足まんぞくせることかがみ日月にちがつりんのごとし。

浄光明満足セルコト↢鏡日月輪トノ

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^もろもろの珍宝ちんぽうしょうそなみょうしょうごんそくせり

ヘテ↢諸珍宝具↢足セリ妙荘厳

無垢むく光焔こうえんさかりにして、 明浄みょうじょうにしてけんかがやかす。

無垢光焔サカリニシテ明浄ニシテカス↢世間

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^ほう千万せんまんじゅにして、 せん弥覆みふせり。

宝華千万種ニシテ弥↢覆セリ池・流・泉

ふうよううごすにきょうさくしてひかり乱転らんでんす。

微風動スニ↢華葉交錯シテ光乱転

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^殿でんもろもろの楼閣ろうかくにして、 十方じっぽうること無礙むげなり。

宮殿諸楼閣ニシテルコト↢十方↡無礙ナリ

雑樹ぞうじゅ光色こうしきあり、 宝欄ほうらんあまねくにょうせり。

雑樹光色アリ宝欄遍囲遶セリ

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^0686りょうたからきょうらくして、 もうくうあまねし

無量宝交絡シテ羅網遍↢虚空

種々しゅじゅすずひびきをおこみょうほうおとく。

種種鈴発シテ↠響↢吐妙法

^0709ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

0937クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^*梵音ぼんのんさとらしむること深遠じんのんにしてみょうなり。 十方じっぽうきこゆ。

梵音悟ラシムルコト深遠ニシテ微妙ナリ↢十方

しょうがく弥陀みだ法王ほうおう、 よくじゅうしたまへり。

正覚阿弥陀法王善住持シタマヘリ

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^如来にょらいじょうしゅうしょうがくはなよりしょうす。

如来浄華正覚ヨリ化生

仏法ぶっぽうあじはひあいぎょうし、 ぜん三昧ざんまいを食となす。

愛↢楽仏法禅三昧↠食

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^なが身心しんしんなやみをはな たのしみをくることつねにしてひまなし。

身心クルコト↠楽ミヲニシテヒマ

だいじょう善根ぜんごんさかいひとしくしてげんなし。

大乗善根シクシテ↢譏嫌名↡

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^0687南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^女人にょにんおよび根欠こんけつじょうしゅ しょうぜず。

女人及根欠二乗種不↠生

しゅじょうがんぎょうするところ、 一切いっさいよく満足まんぞくす。

衆生所↢願楽スル一切能満足

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^0710りょう だい宝王ほうおうみょうじょうだいあり。

0938無量大宝王微妙浄華台アリ

相好そうごうひかり一尋いちじんにして、 色像しきぞうぐんじょうえたまへり。

相好光一尋ニシテ色像超エタマヘリ↢群生

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^てんにんどうしゅう清浄しょうじょうかいよりしょうず。

天人不動清浄智海ヨリ

ˆ如来にょらいはˇ しゅ山王せんのうのごと勝妙しょうみょうにしてぎたるものなし。

↢須弥山王勝妙ニシテ↢過ギタル者↡

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^てんにんじょうしゅうぎょうしてめぐりて瞻仰せんごうたてまつる。

天人丈夫恭敬シテリテ瞻仰シタテマツル

てんがくみょうこうとうとをあめふらしてようしたてまつる。

ラシテ↢天妙香等トヲ↡供養シタテマツル

^0688ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^安楽あんらくこく清浄しょうじょうにして、 つねに無垢むくりんてんず。

安楽国清浄ニシテ↢無垢

一念いちねんおよびいちに、 もろもろのぐんじょうやくす。

一念及一時利↢益群生

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^ぶつのもろもろのどくさんずるに、 分別ふんべつしんあることなし。

ズルニ↢仏功徳↠有ルコト↢分別心↡

よくすみやかにどくだい宝海ほうかい満足まんぞくせしむ。

↣速満↢足功徳大宝海

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽

二 Ⅳ ⅱ 重礼

【33】^0711南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

0939↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^われを哀愍あいみんして覆護ふごし、 法種ほうしゅをしてぞうじょうせしめたまへ。

哀↢愍シテ覆↣護メタマヘ↢法種ヲシテ増長

此世しせおよびしょうに、 ねがはくはぶつつねにしょうじゅしたまへ。

此世及後生クハ仏常摂受シタマヘ

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう極楽ごくらくかいかんおんさつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方極楽世界観世音菩薩↡。

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^0689南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう極楽ごくらくかいだいせいさつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方極楽世界大勢至菩薩↡。

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう極楽ごくらくかいしょさつ清浄しょうじょう大海だいかいしゅらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方極楽世界諸菩薩・清浄大海衆↡。

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

二 Ⅳ ⅱ 懴悔

【34】^あまねくそう父母ぶもおよびぜんしき法界ほうかいしゅじょうさんしょう断除だんじょして、 おなじく弥陀みだぶつこくおうじょうすることをんがために、 みょうさんしたてまつる。

↫師僧・父母及善知識、法界衆生、断↢除シテ三障↡、同ジクムガ↪往↩生スルコトヲ阿弥陀仏国↨、帰命懴悔シタテマツル

【晨朝讃】
    総標

【35】^だいにつつしみてげんそうほっがんおうじょう礼讃らいさんによりて、 じゅう一拝いっぱい*たんとき あたりてらいしたてまつるさんぜんおなじ。

第五ミテリテ↢彦琮法師願往生礼讃↡、二十一拝、当リテ↢旦起↡礼シタテマツル。懴悔↢前後↡。

二 Ⅴ 正出
      別讃【彦琮礼讃】

【36】^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^0712法蔵ほうぞういんいよいよとおければ、 極楽ごくらくまたふかし。

0940法蔵因弥ケレバ極楽果還

*ちんまじはりてをなし、 衆宝しゅぼうまじはりてはやしす。

異珍マジハリテ↠地衆宝マジハリテ↠林

^はな希有けういろひらき、 なみ実相じっそうおとぐ。

↢希有↢実相

いかにしてかまさに授手じゅしゅこうむりて、 ひとたびおうじょうしんぐべ

ニシテカ↧蒙リテ↢授手タビ↦往生

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^0690南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^じょくかえるをうれじょうがんいよいよふかし。

濁世ウレ↢還ルヲ浄土願逾

こんじょうなおくしてどうさかひ、 珠網しゅもうゆるくしてはやしる。

金縄直クシテサカ↠道珠網縵クシテ↠林

^いろればみな真色しんじき おとけばことごとく法音ほうおんなり。

レバ↠色皆真色ケバ↠音法音ナリ

西方さいほう とおしといふことなかれ。 ただじゅうねんしんもちゐよ。

↠謂フコト↢西方遠シト唯須ヰヨ↢十念

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^すでに*窮理ぐりしょうとなりて、 まことに*遍空へんくうあり。

リテ↢窮理↢遍空威↡

西にしにありてとき*しょうげんるは、 ただこれしばらくしたがのみ

リテ↠西ズルハ↠小但是暫フノミ↠機

^葉珠ようしゅあひ映飾ようじきし、 砂水しゃすいともにちょうせり。

葉珠相映飾砂水共澄輝セリ

しょうんとほっば、 かのにかならずすべからくよるべし。

セバ↠得ムト↢無生↠依

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^*せんごうひとほがらかにして、 *宝手ほうしゅいんつねにあきらかなり。

五山毫独カニシテ宝手印恒アキラカナリ

すいともにかがみとなりこうおなじくくも

地水倶↠鏡香華同ジク↠雲

^0691ごうふかければきやすことをじょういんあさければじつきがたし。

業深ケレバ↠易キコトヲ↠往因浅ケレバ↠聞

かならずのぞむらくはわくのぞきて、 *ちょうねんとしてひとむらがらざれ

ムラクハキテ↢疑惑超然トシテ↠群

^0713ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

0941クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^しん*しん ち、 ひかり法界ほうかいふくみてまどかなり。

ビテ↢真慈↡満ミテ↢法界マドカナリ

*えんよく*ものせっれば*そうさだめてかたきにあらず。

無縁能スレバ↠物相定メテ↠難キニ

^はな本心ほんしんしたがひてへんじ、 うつりておのづからやすし。

華随ヒテ↢本心↡変宮移リテ身自

*しゅっきょうくことをねがはば、 すべからくともにぜんりてるべし。

ハバ↠聞クコトヲ↢出世↢共リテ↠禅

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^こうやうやくこうをなせば、 西方さいほうみちやうやくつう

廻向漸セバ↠功西方ヤウヤ

*宝幢ほうどう*こうけ、 天香てんこう遠風おんぷうる。

宝幢承↢厚地天香入↢遠風

^かいかさなりてみずき、 *もうこまかくしてくうわか

開華重ナリテ↠水覆網細クシテ↠空

がんしょう なんぞこころ せつなる。 まさしくらくぐうなるがためなり。

願生何意切ナルシクナリ↢楽無窮ナルガ

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^0692南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^*とうしょうしょえらばんとほっば、 西方さいほうもつともすべし。

セバ↠選バムト↢当生西方最↠帰

じゅへだてて*じゅうかくひらき、 みちてて*せん

ヘダテテ↠樹↢重閣テテ↠道↢鮮衣

^香飯こうぼんしんしたがひていたり、 宝殿ほうでんひてぶ。

香飯随ヒテ↠心宝殿逐ヒテ↠身

えんはみなることを。 まさしくみづからひとまれなり。

有縁皆得↠入ルコトヲシク人希ナリ

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^0714十劫じっこう*どうさきになりて、 さかいかざりて群萌ぐんもうく。

0942十劫道先リテカザリテ↠界↢群萌

こん しゃみずとおしてぎょく ようえだてあきらかなり。

金砂徹シテ↠水玉葉満テテ↠枝カナリ

^とりもと*たまのなかよりひとはただはなうえしょうず。

本珠ヨリ唯華

あへて西方さいほうしょう 、 いつかさだめてあひむかたまへ

西方早晩 イツカ メテ相迎ヘタマヘ

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^十方じっぽうしょ ぶつくには、 ことごとくこれ*法王ほうおういえなり。

十方諸仏是法王ナリ

ひとへにえんもとめてこいねがはくははやじゃなき ん。

メテ↢有縁コヒネガハクハ↢早キヲ↟邪

^0693*はっにょみず七宝しっぽうねんはな

八功如意七宝自然

かしこに しんよくくれば、 まさにかならずくべし。 はるかなるにあらず。

↠彼心能ケレバ↢必↡非ハルカナルニ

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^じょうこく衰変すいへんなし。 ひとたびりゅうしてこんしかなり。

浄国↢衰変↡タビシテ古今然ナリ

光台こうだいには千宝せんぽうがっし、 音楽おんがく*八風はっぷうぶ。

光台ニハ千宝音楽八風

^いけにはおお説法せっぽうとり そらにはてりさんてん

ニハ説法ニハテリ散華

しょうずることをれば退しりぞことをおそれず。 こころしたがひてすでにはちすひらく。

レバ↠生ズルコトヲ不↠畏↠退クコトヲヒテ↠意↠蓮

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^するは一像いちぞうにあらず。 しょうじゅまたはかりがたし。

スルハ↠華↢一像聖衆亦難↠量

はちすひらけてひとひとしょし、 なみしょうほうおのづからぐ。

蓮開ケテ人独波生ジテ法自

^わざわいなき ところしずかなるによる。 退しりぞざる ともためなり。

キハ↠災由↢処ナルニルハ↠退ナリ↢朋

かの*ぜんしょうともがらふ。 「ここにきたりてよりいくばくのこうばかりぞ」

↢彼前生リテヨリ↠斯クノバカリゾト

^0715ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

0943クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^0694南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^*ひかり べてしゃすくひ、 *くうちてだいく。

光舒ベテ↢毘舎チテ↢韋提

てんきたりて香蓋こうがいささげ、 ひとりてほうもたら

天来リテ香蓋人去リテ宝衣モタラ

^*ろくとりがっする*すん はなみてる。

六時↢鳥スルヲ四寸践ミテ↠華

あひるにただしからざるなし。 あにまたながまよあらんや。

相看ルニ↠不ルハ↠正シカラ復有ラムヤ↢長

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^あまねくすすむ、 三福さんぷくひろ、 ことごとく*しょうめっせしむ。

メテ↢三福↠滅↢五焼

しんおこしてこうすでにいたれば、 ねんくるにつみすなはちゆ。

シテ↠心功已レバクルニ↠念罪便

^とりはなやかにして珠光しゅこう てんじ、 かぜこのましくしてがくしょう調ととの

ヤカニシテ珠光転風好マシクシテ楽声調

ただ*ぎょうどうやすきことをよろこなんぞ*しょうのはるかなる うれへんや。

但忻↢行道キコトヲヘムヤ↢聖果ナルヲ

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^珠色しゅしきかさなりてみずとなる。 金光こんこうすなはちこれうてななり。

珠色カサナリテ↠水金光即是台ナリ

ときいたりてはなおのづからさんじ、 がんしたがひてはなまたひらく。

リテ↠時華自ヒテ↠願華還

^0695いけあそびてかはるがはるしゅつもつし、 そらびてたがひに往来おうらいす。

ビテ↠池カハルガハル出没↠空往来

*直心じきしんをもつてよくかしこにかふ。 あらゆるぜん あわせてすべからく*すべし。

直心ヲモテ↠彼アラユ善併↠廻

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^0716しんあら*かんみず よろこばしむるみょうくも

0944↠心甘露バシムル↠目妙華

*どうしょうさとりやすひとしき寿じゅりょうわかちがたし。

同生機易サトシキ寿量難↠分

^らくおおともどうはいることなし。 こえとおともくをさまたげず。

楽多クトモ↠廃スルコト↠道声遠クトモ不↠妨↠聞クヲ

いかんがじょくむさぼて、 安然あんねんとしてにみづからけん。

如何リテ↢五濁安然トシテケム

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^うてなうら人天にんでんあらわひかりのなかにしゃ

人天現侍者看

くうかかほうかくかいのぞしちじゅう*らん

カル↠空四宝↠廻七重

^うたがいおおきはへんひさし。 とくすくきは*上生じょうしょうかたし。

疑多キハ辺地徳少キハ上生難

しばらく*がんろんずることなかれ。 西方さいほうすでにしんやすんず。

↠論ズルコト↢余願西方已

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^0696南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^六根ろっこんつねにどうがっさんながつ。

六根常↠道三塗永↠名

*ねんのあひだにほうあまねくしてかえとき*得忍とくにんじょうず。

遊方遍クシテ得忍成

^たいらかにしてきわまりなくひろし。 かぜじょうしてこところきよし。

地平カニシテ↠極風長ニシテ処清

ことば*しんともがらす。 ともにもつぱらなるしろでよ。

↢言有心デヨ↢一ナル

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

二 Ⅴ ⅱ 重礼

【37】^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^われを哀愍あいみんして覆護ふごし、 法種ほうしゅをしてぞうじょうせしめたまへ。

哀↢愍シテ覆↣護メタマヘ↢法種ヲシテ増長

此世しせおよびしょうに、 ねがはくはぶつつねにしょうじゅしたまへ。

此世及後生クハ仏常摂受シタマヘ

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^0717南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう極楽ごくらくかいかんおんさつらいしたてまつる。

0945シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方極楽世界観世音菩薩↡。

^*千輪せんりんあししたにあきらかにして*どうひかりのなかにげんず。

千輪明カニシテ↢足五道現↢光

*いんつねにゆることなければ、 人のするもまたいまだきわまらず。

悲引恒ケレバ↠絶ユルコトスルモ亦未↠窮

^*くちべてなほじょうにあり。 *しんしずかにしてさらにつうばす。

ベテ猶在↠定心静ニシテ↠通

みなきてみなくことをがんぜよにいくばくの*そうをかひらく。

キテ↠名皆願ゼヨクコトヲヒラ↢幾ヲカ

^0697ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう極楽ごくらくかいだいせいさつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方極楽世界大勢至菩薩↡。

^りき じょうひょう身光しんこう えんすくふ。

慧力標↢無上身光スク↢有縁

*もろもろの宝国ほうこく動揺どうよういち金蓮こんれん侍座じざす。

動↢揺シテ宝国侍↢座金蓮

^*ちょうぐんじつとりにあらず。 *てん るいあにしんてんならんや。

鳥群非↢実天類豈ナラムヤ

すべからくるべし、 みょうらくもとめばかならずこれ *戒香かいこうまったくせよ

↠知メバ↢妙楽是戒香クセヨ

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう極楽ごくらくかいしょさつ清浄しょうじょう大海だいかいしゅらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方極楽世界諸菩薩・清浄大海衆↡。

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

二 Ⅴ ⅱ 懴悔

【38】^あまねくそう父母ぶもおよびぜんしき法界ほうかいしゅじょうさんしょう断除だんじょして、 おなじく弥陀みだぶつこくおうじょうすることをんがために、 みょうさんしたてまつる。

↫師僧・父母善知識、法界衆生、断↢除シテ三障↡、同ジクムガ↪往↩生スルコトヲ阿弥陀仏国↨、帰命懴悔シタテマツル

【日中讃】
    総標

【39】^第六だいろく沙門しゃもん善導ぜんどうがんおうじょう礼讃らいさん、 つつしみて ˆかんぎょうのˇ *じゅう六観ろっかんによりてじゅうぱいつくる。 にっちゅうときあたりてらいす。 さんぜんおなじ。

第六沙門善導願往生礼讃偈、ミテリテ↢十六観↡作↢二十拝↡。当リテ↢日中↡礼。懴悔↢前後↡。

二 Ⅵ 正出
      別讃

【40】^0718南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

0946シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^0698かの弥陀みだ極楽ごくらくかいかんずるに、 広大こうだい*かんぴょうにして衆宝しゅぼうをもつてじょうず。

ズルニ↢彼弥陀極楽界広大寛平ニシテ衆宝ヲモテ

じゅうはちがんよりしょうごん おこりて、 もろもろのぶっ せつえてもつとも*しょうたり。

四十八願ヨリ荘厳起リテエテ↢諸仏刹↡最↠精

^*本国ほんごく*ほう大海だいかいしゅこうきわめて*算数さんじゅすともすら

本国他方大海衆メテ↠劫算数ストモ不↠知↠名スラ

あまねくすすむ、 西にししてかの*どうぜよ。 恒沙ごうじゃ三昧さんまいねんじょうず。

シテ↠西ゼヨ↢彼恒沙三昧自然

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

【41】^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^地下じげしょうごん七宝しっぽう*どうりょうへんしゅおくなり。

地下荘厳七宝無量無辺無数億ナリ

*八方はっぽう八面はちめん ひゃっぽうをもつてじょうず。 かれをればしょうねんさとる。

八方八面百宝ヲモテレバ↠彼無生自然

^しょう宝国ほうこくながじょうたり。 一々いちいちたからしゅひかりながす。

無生宝国永↠常一一宝流↢無数

ぎょうじゃしんかたむけてつねにたい*じん やくして西方さいほうれ。

行者傾ケテ↠心シテ↠目↠神踊躍シテ↢西方

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^じょうしょうごんうたたきわまりなし。 こんじょうどうさかふ。 *しょうにあらず。

地上荘厳転↠極金縄サカ↠道↢工匠

0719弥陀みだがん たくみにしょうごんす。 さつにんてんはな さんじてたてまつる

0947弥陀願智巧荘厳菩薩・人・天散ジテ↠華タテマツ

^ほう宝色ほうしきありて宝光ほうこうぶ。 一々いちいちひかりしゅだいとなる。

宝地宝色アリテ宝光一一光成↢無数

0699だいのなかに宝楼ほうろう千万億せんまんおくあり。 だいほとりひゃくおく*宝幢ほうどうかこめり。

宝楼千万億アリホトリ百億宝幢囲メリ

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^一々いちいちだい じょうくうのなか しょうごん*宝楽ほうがくまた窮まりなし。

一一台上虚空荘厳宝楽亦無↠窮

*八種はっしゅしょうふうひかりいででてときしたがひてがくつに おうおんあり

八種清風↠光デテヒテ↠時ツニ↠楽ズル↠機アリ

^*おんしょうじゅややかたしとなす。 行住ぎょうじゅう坐臥ざがしんせっしてかん

機音正受稍為↠難シト行住坐臥シテ↠心

ただすいのぞきてつねに憶念おくねんせよ三昧さんまい無為むいにしてすなはちはんなり。

唯除キテ↢睡時↡常憶念セヨ三昧無為ニシテ涅槃ナリ

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^宝国ほうこく宝林ほうりんもろもろの宝樹ほうじゅありほう宝葉ほうようほうこんきょうり。

宝国宝林宝樹アリ宝華・宝葉・宝根茎ナリ

あるいは千宝せんぽうをもつてはやしわかちてことなり、 あるいはひゃっぽうありてともに*ごうじょうず。

イハ↢千宝↡分チテ↠林ナリイハリテ↢百宝↡共↠行

^行々ごうごうあひあたようあひげり。 いろおのおのどうにしてひかり またしかなり。

行行相当葉相次ゲリ色各不同ニシテ光亦然ナリ

0720とうりょう斉高ざいこうにしてさんじゅうまんなり。 じょうあひれてしょうく。

0948等量斉高ニシテ三十万ナリ枝条相触レテ無生↡

^0700ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^しちじゅうもうしちじゅう* たがひにひかりめぐらしてあひ*映発ようほつす。

七重羅網七重綺互シテ↠光相映発

*てん どうみなじゅうまんせり。 *瓔珞ようらくこう日月にちがつえたり。

化天童子皆充セリ瓔珞輝光超エタリ↢日月

^行々ごうごう宝葉ほうようしき*千般せんぱんなり。 はなひらけてひとしくして*せん金輪こんりん ごとし。

行行宝葉色千般ナリ華敷ケテシクシテ↢旋金輪

このみ ひかりへんじてしゅ ぼう*がいじょう塵沙じんじゃ仏刹ぶっせつげんじてへんなり。

菓変ジテ↠光↢衆宝塵沙仏刹現ジテ無辺ナリ

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^ほう宝岸ほうがんほう金沙こんしゃあり*ほう宝葉ほうようほうれんありて

宝池宝岸・宝金沙アリ宝渠宝葉・宝蓮華アリテ

じゅうじゅんにしてみなしょうとうなり。 ほう ほう もうほう らんめぐれり

十二由旬ニシテ皆正等ナリ宝羅・宝網・宝欄レリ

^*徳水とくすいながれわかちて宝樹ほうじゅたずぬ。 なみがく*恬怕てんぱくしょうす。

徳水分チテ↠流↢宝樹↠波↠楽↢恬怕

ことば*えんどうぎょうしゃす。 つとめまよひをひるがえして*ほんかえれ。

有縁同行者努力ツトメテシテ↠迷↢本家

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^0721南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

0949↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^一々いちいちこんじょうどううえさかひて、 宝楽ほうがく宝楼ほうろう千万億せんまんおくり。

一一金縄サカヒテ↢道宝楽・宝楼千万億アリ

0701もろもろのてん どうこうさんじ、 ほうさつくものごとくにあつまる。

天童子散↢香華他方菩薩如クニ↠雲

^りょうへんにしてよくはかることなし。 弥陀みだ稽首けいしゅしてぎょうして

無量無辺ニシテ↢能ルコト稽↢首シテ弥陀↡恭敬シテ

ふうりょうじゅひびくうにあまねくして*三尊さんぞん歎説たんせつすることきわまりあることなし。

風鈴樹クシテ↢虚空歎↢説スルコト三尊↡無↠有ルコト↠極

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^弥陀みだ 本願ほんがんおう一切いっさい 衆宝しゅぼうもつてじょうずることをなせり

弥陀本願華王一切衆宝以セリ↠成ズルコトヲ

だい じょう*どうあり、 *宝縵ほうまんれり。 弥陀みだひとして*しんぎょうあらわす。

台上四幢アリレリ↢宝弥陀独シテ↢真形

^しんぎょうこうみょう法界ほうかいあまねし光触こうそくこうむるものしん退たいせず。

真形光明遍↢法界↢光触↡者心不↠退

ちゅうろくにもつぱら想念そうねんすれば、 *じゅうらくにして三昧さんまいのごとし。

昼夜六時想念スレバ終時快楽ニシテ↢三昧

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^弥陀みだ身心しんしん法界ほうかいあまねし。 しゅじょう*心想しんそうのうちに*影現ようげんしたまふ。

弥陀身心遍↢法界影↢現シタマフ衆生心想

0722このゆゑになんぢにすすむ。 つねに観察かんざつしてしんによりておもいおこして*真容しんようあらわべし

0950↠汝観察シテリテ↠心シテスベシ↢真容

^0702真容しんよう宝像ほうぞう*華座けざのぞり。 しんひらけてかのくにしょうごんる。

真容宝像臨メリ↢華座心開ケテ↢彼荘厳

宝樹ほうじゅ三尊さんぞんはな遍満へんまんふうりょうがくひびき、 もんおなじ。

宝樹華遍満風鈴楽与↠文同

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^弥陀みだ身色しんじき 金山こんぜんのごとし。 相好そうごうこうみょう十方じっぽうらす。

弥陀身色如↢金山相好光明照↢十方

ただ念仏ねんぶつるもののみありて*こうしょうこうむる。 まさにるべし、 本願ほんがんもつともこわしとなす。

唯有リテ↢念仏スルモノノミ↡蒙↢光摂↠知本願最↠強シト

^十方じっぽう如来にょらいしたべてしょうしたまふ。 もつぱらみょうごうしょうして西方さいほういた

十方如来舒ベテ↠舌シタマフシテ↢名号↡至ルト↢西方

かしこにいた はなひらけてみょうほうけば*じゅうがんぎょうねんあらわる。

↠彼ケテケバ↢妙法十地願行自然

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^観音かんのんさつだい慈悲じひ、 すでにだいててしょうせず。

観音菩薩大慈悲ルモ↢菩提↡捨テテ不↠証

*一切いっさいどうしんちゅうる。 ろく観察かんざつして三輪さんりんおうず。

一切五道↢身中六時観察シテ三輪応

^応現おうげん身光しんこう金色こんじきなり。 相好そうごう*威儀いぎうたたきわまりなし。

応現身光紫金色ナリ相好威儀転↠極

0723つねにひゃくおく光王こうおうみてべて、 あまねくえんせっして本国ほんごくせしむ。

0951ベテ↢百億光王シテ↢有縁↡帰セシム↢本国

^0703ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^せいさつ思議しぎしがたこうあまねくへんざいらす。

勢至菩薩難↢思議威光普↢無辺際

えんしゅじょう光触こうそくこうむ智慧ちえぞうじょうして三界さんがいゆ。

有縁衆生蒙リテ↢光触増↢長シテ智慧↡超↢三界

^*法界ほうかいきょうようして転蓬てんぽうのごとし。 ぶつうんじゅうくうてり

法界傾揺シテ↢転蓬化仏雲集シテテリ↢虚空

あまねくえんすすむ。 つねに憶念おくねんして、 なが*胞胎ほうたいちて、 六通ろくつうしょうせよ

↢有縁↡常憶念シテチテ↢胞胎↡証セヨ↢六通

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^*しょう跏趺かふして三昧さんまいれば、 想心そうしんねんじょうじて西方さいほういたる。

正坐跏趺シテレバ↢三昧想心乗ジテ↠念↢西方

弥陀みだ極楽ごくらくかいけんするに、 じょうくう七宝しっぽうをもつてかざれり。

覩↢見スルニ弥陀極楽界地上・虚空七宝ヲモテカザレリ

^弥陀みだしんりょうきはめてへんれば、 かさねてしゅじょうすすめてしょうしんかんぜしむ。

弥陀身量極メテ無辺ナレバメテ↢衆生↡観ゼシム↢小身

*じょうろくはっしゃくしたがひてげんじ、 *円光えんこうぶつ さきしんひとし。

丈六八尺随ヒテ↠機円光化仏等↢前

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

【42】^0724南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

0952↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^じょうはい*上行じょうぎょうじょうこんひとなりじょうしょうずることをもとめて貪瞋とんじんだんず。

上輩上行上根ナリメテ↠生ズルコトヲ↢浄土↡断↢貪瞋

0704ぎょう差別しゃべつにつきて三品さんぼんわかつ。 *もん相続そうぞくして*三因さんいんたすく。

キテ↢行差別↡分↢三品五門相続シテ↢三因

^一日いちにち七日しちにちもつぱらしょうじんしてひつみょうだいじょうじて*六塵ろくじんづ。

一日七日専精進シテ畢命ジテ↠台↢六塵

よろこばしきかな ひがたくしていまふことをたり。 なが*無為むいほっしょうしんしょうせん。

シキ哉難クシテ↠逢今得タリ↠遇フコトヲセム↢無為法性

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡往↢生セム安楽国↡。

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^ちゅうはい*中行ちゅうぎょうちゅうこんひとなり一日いちにち斎戒さいかいをもつて金蓮こんれんしょす。

中輩中行中根ナリ一日斎戒ヲモテ↢金蓮

父母ぶもきょうようせるをおしへてこうせしめ、 ために西方さいほうらくいんく。

孝↢養セルヲ父母↡教ヘテ廻向セシメ↢西方快楽

^ぶつしょうもんしゅきたりて、 ただちに弥陀みだ華座けざほとりいたる。

仏与↢声聞衆↡来リテ↢弥陀華座

ひゃっぽうはなこもりて七日しちにち 三品さんぼんはなひらけて*しょうしんしょうす。

百宝リテ経↢七日三品蓮開ケテ↢小真

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^はい*ぎょうこんひとなりじゅうあくぎゃくとう貪瞋とんじん

下輩下行下根ナリ十悪・五逆等貪瞋

0725じゅう*ちゅうそう*ほうしょうぼうと、 いまだかつてざんしてさきとがいず。

0953四重偸僧謗正法↣曽慚愧シテ↢前トガ

^じゅう そうくものごとくにあつごくみょう罪人ざいにんまえにあり。

終時苦相クニ↠雲地獄猛火罪人ニアリ

0705たちまちに*おうじょうぜんしきの、 きゅうすすめてもつぱらかのぶつみなしょうせしむるにふ。

↣往生善知識メテセシムルニ↢彼

^ぶつさつこえたずねていたりたまふ。 一念いちねんしんかたむくれば宝蓮ほうれんる。

化仏・菩薩尋ネテ↠声リタマフ一念傾クレバ↠心↢宝蓮

*さんさわりおもくしてこうひらく。 ときにはじめてだいいんおこす。

華障重クシテ↢多劫于↠時始↢菩提

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

【43】^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^弥陀みだ仏国ぶっこくはよくかんずるところなり。 西方さいほう極楽ごくらく思議しぎしがたし。

弥陀仏国ナリ↠感ズル西方極楽↢思

般若はんにゃ*かつもんして*漿しょうつ。 しょう念食ねんじきしてすなはちゑをだんず。

渇↢聞シテ般若↡絶↢思漿念↢食シテ無生↡即↠飢

^一切いっさいしょうごんみなほうく。 しんりょうのう してねんる。

一切荘厳皆説↠法無心領納シテ自然

*七覚しちかく華池けちこころしたがひてる。 *はちはいじんらしていっす。

七覚華池随ヒテ↠意背凝シテ↠神↢一枝

^へんさつ 同学どうがくとな*しょうかい如来にょらい ことごとくこれなり。

無辺菩薩為↢同学性海如来尽是師ナリ

弥陀みだ心水しんすいしんちょうもくす。 観音かんのんせいころもあた

弥陀心水沐↢身頂観音・勢至与ヘテ↠衣

^たちまちにくうあがりて法界ほうかいあそび、 しゅ*さずかり無為むいごうす。

欻爾タチマチリテ↠空↢法界須臾↠記↢無為

かくのごと*しょうよう きわまりなきところなり。 わ0726れいまかずはいづれのときをかたん。

0954↠此クノ逍遥無↠極ナリ吾今不↠去タム↢何ヲカ

^0706ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

二 Ⅵ ⅱ 重礼

【44】^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう弥陀みだぶつらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方阿弥陀仏↡。

^われを哀愍あいみんして覆護ふごし、 法種ほうしゅをしてぞうじょうせしめたまへ。

哀↢愍シテ覆↣護メタマヘ↢法種ヲシテ増長

此世しせおよびしょうに、 ねがはくはぶつつねにしょうじゅしたまへ。

此世及後生クハ仏常摂受シタマヘ

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

 ^南無なもしてしんいたみょうして、 西方さいほう極楽ごくらくかい観音かんのんせいしょさつ清浄しょうじょう大海だいかいしゅらいしたてまつる。

南無シテ↠心帰命シテ、礼シタテマツル↢西方極楽世界観音・勢至・諸菩薩・清浄大海衆↡。

^ねがはくはもろもろのしゅじょうとともに、 安楽あんらくこくおうじょうせん。

クハ↢諸衆生↡ 往↢生セム安楽国

二 Ⅵ ⅱ 懴悔
        総標

【45】^あまねくそう父母ぶもおよびぜんしき法界ほうかいしゅじょうさんしょう断除だんじょして、 おなじく弥陀みだぶつこくおうじょうすることをんがために、 みょうさんしたてまつる。

↫師僧・父母及善知識、法界衆生、断↢除シテ三障↡、同ジクムガ↪往↩生スルコトヲ阿弥陀仏国↨、帰命懴悔シタテマツル

二 Ⅵ ⅱ c 因示懴悔方軌
          (一)明要等三品通用
            (Ⅰ)正示

【46】^かみほんさん発願ほつがんとうさきおなじ。 ようがなかのようもちゐば、 はじめをれ。 りゃくがなかのりゃくもちゐば、 なかれ。 こうがなかのこうもちゐば、 しもれ。

二品懴悔発願等同↠前。須ヰバ↢要↡、取↠初。須ヰバ↢略↡、取↠中。須ヰバ↢広↡、取↠下

二 Ⅵ ⅱ c ロ (一)(Ⅱ)別出広懴軌

^その 「こうといふは、 じつしんしょうぜんとがんずることあるものにつきて すすむ。 あるいはしゅたいし、 あるいは十方じっぽうぶつたいし、 あるいはしゃ尊像そんぞう大衆だいしゅたいし、 あるいは一人いちにんたいす。 もしは*どくとうなり。 また十方じっぽうじんくう三宝さんぼうおよびじんしゅじょうかい0707とうかひ 、 つぶさにかひて*ほつさんすべし。

トイフ者、就↧実↢心ズルコト↟生ゼムト↥而勧。或イハ↢四衆↡、或イハ↢十方↡、或イハ↢舎利・尊像・大衆↡、或イハ↢一人↡。若シハ独自等ナリ。又向↢十方尽虚空三宝及尽衆生界等↡、具ヒテ発露懴悔スベシ

二 Ⅵ ⅱ c ロ (二)明上中下三品懴相
            (Ⅰ)正明

^さん三品さんぼんありじょうちゅうなり。

懴悔↢三品↡上・中・下ナリ

・上品

^じょうぼんさんは、 もうのなかよりながれ、 まなこのなかよりづるものをじょうぼんさんづく。

上品懴悔者、身毛孔ヨリ血流、眼ヨリ血出ヅル↢上品懴悔↡。

・中品

^ちゅうぼんさんは、 *へん0727しんあつあせもうより まなこのなかよりながるるものをちゅうぼんさんづく。

中品懴悔者、遍0955汗従↢毛孔↡出、眼ヨリ血流ルル↢中品懴悔↡。

・下品

^ぼんさんは、 遍身へんしんとおあつ まなこのなかよりなみだづるものをぼんさんづく。

下品懴悔者、遍身徹リテ、眼ヨリ涙出ヅル↢下品懴悔↡。

^これらの三品さんぼん差別しゃべつありといへども、 すなはちこれひさしく*だつぶん善根ぜんごんゑたるひとなりこんじょうほううやまひとおもしてしんみょうしまず、 すなはちしょうざいいたるまで、 もしさんすれば、 すなはちよくしんとおずいとおしむることをいた

此等三品雖↠有リト↢差別↡、即是久シクエタル↢解脱分善根↡人ナリ。致↠使ムルコトヲ↧今生↠法、重クシテ↠人不↠惜↢身命↡、乃ルマデ↢小罪↡、若スレバ↠心↞髄

^よくかくのごとくさんすれば、 ごんはず、 あらゆる重障じゅうしょうたちまちにみな滅尽めつじんす。 もしかくのごとくせざれば、 たとひ*にちじゅうきゅうもとともすべてこれやくなし。 なさざるもののごとし。

↠此クノスレバ者、不↠問↢久近↡、所有重障頓チニ皆滅尽。若レバ↠如クセ↠此クノ縦使 タトヒ 日夜十二時モトムトモ是無↠益。若↢不↠作↡。

二 Ⅵ ⅱ c ロ (二)(Ⅱ)結顕真心益

^るべし、 るいけつとうにあたはずといへども、 ただよく真心しんしん徹到てっとうるはすなはちかみおなじ。

↠知、雖↠不↠能↢流涙流血等↡、但能真心徹到スル者即与↠上同

二 Ⅵ ⅱ c 出懴罪文

【47】^うやまひて十方じっぽう諸仏しょぶつじゅう きょうしょだいさつ一切いっさいげんじょうおよび一切いっさいてんりゅう法界ほうかいしゅじょう現前げんぜん大衆だいしゅとうにまうす。 われ 某甲それがし ほつさんすることしょうしたまへ。

ヒテ↢十方諸仏、十二部経、諸大菩薩、一切賢聖及一切天竜八部、法界衆生、現前大衆等↡。証↢知シタマヘ 発露懴悔スルコトヲ↡。

^無始むしよりこのかたすなはち今身こんじんいたまで、 一切いっさい三宝さんぼうそう0708父母ぶも六親ろくしん眷属けんぞくぜんしき法界ほうかいしゅじょう殺害せつがいせることかずるべからず。

↢無始↡已来ルマデ↢今身↡、殺↢害セルコト一切三宝・師僧・父母・六親眷属・善知識・法界衆生↡不↠可カラ↠知↠数

^一切いっさい三宝さんぼうそう父母ぶも六親ろくしん眷属けんぞくぜんしき法界ほうかいしゅじょうもの*ちゅうとうせることかずるべからず。

偸↢盗セルコト一切三宝・師僧・父母・六親眷属・善知識・法界衆生↡不↠可カラ↠知↠数

^一切いっさい三宝さんぼうそう父母ぶも六親ろくしん眷属けんぞくぜんしき法界ほうかいしゅじょううえにおいて邪心じゃしんおこせることかずるべからず。

↢一切三宝・師僧・父母・六親眷属・善知識・法界衆生↡起セルコト↢邪心↡不↠可カラ↠知↠数

^*もうをもつて一切いっさい三宝さんぼうそう父母ぶも六親ろくしん眷属けんぞくぜんしき法界ほうかいしゅじょう*おうせることかずるべからず。

妄語ヲモテ欺↢誑セルコト一切三宝・師僧・父母・六親眷属・善知識・法界衆生↡不↠可カラ↠知↠数

^*綺語きごをもつて一切いっさい三宝さんぼうそう父母ぶも六親ろくしん眷属けんぞくぜんしき法界ほうかいしゅじょう*調じょうろうることかずるべからず。

綺語ヲモテ調↢弄セルコト一切三宝・師僧・父母・六親眷属・善知識・法界衆生↡不↠可カラ↠知↠数

^*あっをもつて一切いっさい三宝さんぼうそう父母ぶもろく0728しん眷属けんぞくぜんしき法界ほうかいしゅじょう*にくし、 ほうし、 *毀呰きしせることかずるべからず。

悪口ヲモテ罵↢辱誹↣謗毀↤呰セルコト一切三宝・師僧・父母・六0956親眷属・善知識・法界衆生↡不↠可カラ↠知↠数

^*りょうぜつをもつて一切いっさい三宝さんぼうそう父母ぶも六親ろくしん眷属けんぞくぜんしき法界ほうかいしゅじょう闘乱とうらん破壊はえせることかずるべからず。

両舌ヲモテ闘↢乱破↣壊セルコト一切三宝・師僧・父母・六親眷属・善知識・法界衆生↡不↠可カラ↠知↠数

^あるいはかい八戒はっかい十戒じっかいじゅうぜんかいひゃくじっかいひゃくかいさつ三聚さんじゅかいじゅうじんかいない一切いっさいかいおよび*一切いっさい威儀いぎかいとうし、 みづからつくおしへ、 つくるをずいせることかずるべからず。

イハ↢五戒・八戒・十戒・十善戒・二百五十戒・五百戒、菩薩三聚戒・十無尽戒、乃至一切戒及一切威儀戒等↡、自↠他、見↠作ルヲ随喜セルコト不↠可カラ↠知↠数

^かくのごとき衆罪しゅざい、 また十方じっぽう だいへんして*じんしゅなるがごとく 、 われらがざいもまたしゅなり。

↠是クノ衆罪、亦如↢十方大地無辺ニシテ微塵無数ナルガ↡、我等作罪復無数ナリ

^くうへんなり、 われらがざいもまたへんなり。

虚空無辺ナリ、我等作罪亦復無辺ナリ

^方便ほうべんへんなり、 われらがざいもまたへんなり。

方便無辺ナリ、我等作罪亦復無辺ナリ

^ほっしょうへんなり、 われらがざいもま0709へんなり。

法性無辺ナリ、我等作罪亦復無辺ナリ

^法界ほうかいへんなり、 われらがざいもまたへんなり。

法界無辺ナリ、我等作罪亦復無辺ナリ

^しゅじょうへんなり、 われらが*劫奪こうだつ殺害せつがいまたへんなり。

衆生無辺ナリ、我等劫奪・殺害亦復無辺ナリ

^三宝さんぼうへんなり、 われらが*侵損しんそん劫奪こうだつ殺害せつがいまたへんなり。

三宝無辺ナリ、我等侵損・劫奪・殺害亦復無辺ナリ

^*戒品かいほんへんなり、 われらがぼんまたへんなり。

戒品無辺ナリ、我等毀犯亦復無

^かくのごときつみかみもろもろのさついたり、 しもしょうもん縁覚えんがくいたるまでることあたはざるところなり。 ただぶつぶつとのみすなはちよくわがつみしょうりたまへり。

↠是クノ罪、上至↢諸菩薩↡、下至ルマデ↢声聞・縁覚↡所ナリ↠不↠能↠知ルコト。唯仏ノミ↠仏乃リタマヘリ↢我罪之多少↡。

^いま三宝さんぼうみまえ法界ほうかいしゅじょうまえにおいてほつさん 、 あへて*ぞうせず。 ただねがはくは十方じっぽう三宝さんぼう法界ほうかいしゅじょう、 わがさんけ、 わが清浄しょうじょうおくしたまへ。

今於↢三宝前、法界衆生↡発露懴悔、不↢敢覆蔵↡。唯願クハ十方三宝、法界衆生、受↢我懴悔↡、憶シタマヘ↢我清浄↡。

^ 今日こんにちよりはじめてねがはくは法界ほうかいしゅじょうとともに、 じゃしょう だいしんおこしんをもつてあひかひ、 仏眼ぶつげんをもつてあひだいまで眷属けんぞくとししんぜんしきとなりて、 おなじく弥陀みだぶっこくしょうじ、 すなはちじょうぶついたまで、 かくのごときつみなが相続そうぞくだんじてさらにあへてつくらず。

↠従↢今日↡、願クハ↢法界衆生↡、捨↠邪↠正、発シテ↢菩提心↡、慈心ヲモテ相向、仏眼ヲモテ看、菩提マデ眷属トシテリテ↢真善知識↡、同ジク↢阿弥陀仏国↡、乃ルマデ↢成仏↡、如↠是クノ罪永ジテ↢相続↡更不↢敢↡。

^さんをはりて、 しんいたして弥陀みだぶつみょうしたてまつる

懴悔リテ、至シテ↠心帰↢シタテマツル阿弥陀仏↡。

^広懴こうさんをはりぬ。

広懴

因示発願作法
  明願前方便

【48】^0729もしにゅうかんしおよび睡眠すいめんするとき、 このがんおこすべし。 もしはし、 もしはりゅうして 一心いっしんがっしょう おもてただして西にしかへて、 じっしょう弥陀みだぶつ観音かんのんせいしょさつ清浄しょうじょう大海だいかいしゅしょうしをはりて、

0957入観スル、応↠発↢此↡。若シハシハシテ、一心合掌、正シテ↠面ヘテ↠西、十声、称↢阿弥陀仏・観音・勢至・諸菩薩・清浄大海衆↡竟リテ

正発願
    往生願

^弟子でし 某甲それがし げんにこれしょうぼんざい0710しょうじんじゅうにして六道ろくどう しずみて、 つぶさにいふべからず。 今日こんにちぜんしきひて、 弥陀みだ本願ほんがん みょうごうくをたり。 一心いっしんしょうねんしておうじょうがんせよ。 「ねがはくはぶつ慈悲じひ*ほんぜいがんてたまはずして しょうじゅしたまへ

弟子 是生死凡夫、罪障深重ニシテミテ↢六道↡、苦不↠可カラ↡。今日遇ヒテ↢善知識↡、得タリ↠聞クコト↢弥陀本願名号↡。一心称念シテ求↢願セヨ往生↡。願クハ慈悲、不シテ↠捨テタマハ↢本弘誓願↡摂受シタマヘ

三 Ⅱ 見仏願

^弟子でし弥陀みだぶつ身相しんそうこうみょうらず。 ねがはくはぶつ慈悲じひをもつて弟子でし身相しんそう観音かんのんせいしょさつとうおよびかのかい清浄しょうじょう しょうごんこうみょうとうそうげんしたまへ」

弟子不↠識↢弥陀仏身相光明↡。願クハ慈悲ヲモテ示↢現シタマヘ弟子身相、観音・勢至・諸菩薩等及世界清浄荘厳光明等↡。

願後益相

^このをいひをはりて一心いっしんしょうねんにして、 すなはちこころしたがひてにゅうかん、 およびねむれ。 あるいはまさしく発願ほつがんするとき すなはちこれをること あり。 あるいは睡眠すいめんするときること あり。 しんならざるをのぞく。 このがんこのごろおおきに*現験げんげんあり。

↢此↡已リテ一心正念ニシテ、即ヒテ↠意入観、及。或イハ↢正シク発願スル時即↟見ルコトヲ↠之。或イハ↢睡スル時得↟見ルコトヲ↠不ルヲ↢至心ナラ↡。此コノゴロ↢現験↡。

挙五縁益結勧
 

【49】^ひていはく、 弥陀みだぶつしょうねん礼観らいかんして、 げんになんのどくやくかある。

ヒテ、称↢念礼↣観シテ阿弥陀仏↡、現世↢何功徳利益↡。


    明前三縁
      正明
        滅罪縁

^こたへていはく、 もし弥陀みだぶつしょうすることいっしょうるに、 すなはちよくはちじゅう億劫おくこうしょうじゅうざい除滅じょめつす。 礼念らいねん以下いげまたかくのごとし。

ヘテ、若スルコト↢阿弥陀仏↡一声スルニ、即除↢滅八十億劫生死重罪↡。礼念已下↠是クノ

四 Ⅱ ⅰ a 護念縁

^¬*じゅうおうじょうきょう¼ (意) にのたまはく、 「もししゅじょうありて、 弥陀みだぶつねんじておうじょうせんとがんずれば、 かのぶつすなはち*じゅうさつつかはして、 ぎょうじゃようせしめたまふ。 もしはぎょうもしは、 もしはじゅうもしは、 もしはちゅうもしは一切いっさい 一切いっさい しょに、 あく0711悪神あくじんをしてその便べんしめず」

¬十往生経¼云、「若リテ↢衆生↡念ジテ↢阿弥陀仏↡願ズレバ↢往生ゼムト↡者、彼仏即シテ↢二十五菩薩↡、擁↢護セシメタマフ行者↡。若シハ行若シハ坐、若シハ住若シハ臥、若シハ昼若シハ夜、一切時一切処、不↠令↣悪鬼・悪神ヲシテ得↢其便↡也。」

^また ¬かんぎょう¼ (意) にのたまふがごとし。 「もし弥陀みだぶつしょうらいねんして、 かのくにおうじょうせんとがんずれば、 かのぶつすなはちしゅぶつしゅ観音かんのんせいさつつかはして、 ぎょうじゃ*ねんせしめたまふ」 。 またさき0730じゅうさつとうひゃくじゅうせんじゅうぎょうじゃにょうして、 行住ぎょうじゅう坐臥ざが 一切いっさいしょはず、 もしはひるもしはよる、 つねにぎょうじゃはなたまはず。

又如↢¬観経¼云フガ↡。「若称↢礼↣念シテ阿弥陀仏↡、願ズレバ↣往↢生セムト↡者、彼仏即シテ↢無数化仏、無数化観音・勢至菩薩↡、護↢念セシメタマフト行者↡。」復0958与↢前二十五菩薩等↡百重千重囲↢遶シテ行者↡、不↠問↢行住坐臥、一切時処↡、若シハ昼若シハ夜、常不↠離レタマハ↢行者↡。

四 Ⅱ ⅰ 結勧

^いますでにこの*しょうやくましますたのべし。 ねがはくはもろもろのぎょうじゃ、 おのおの*すべからくしんいたしてくことをもとむべし。

今既↢斯勝益↡、可↠憑。願クハ行者、各↢至シテ↠心↟往クコトヲ

四 Ⅱ 明後二縁
      正明
        引大経明摂生縁

^また ¬りょう寿じゅきょう¼ (上・意) にのたまふがごとし。 「もしわれじょうぶつせんに、 十方じっぽうしゅじょうわがみょうごうしょうすることしもじっしょういたるまで、 もししょうしょうがくらじ」 (第十八願) かのぶついまげんにましましてじょうぶつしたまへり。 まさにるべし、 本誓ほんぜいじゅうがんむなしからず、 しゅじょうしょうねんすればかならずおうじょう

又如↢¬無量寿経¼云フガ↡。「若我成仏セムニ、十方衆生、称スルコト↢我名号↡下至ルマデ↢十声↡、若↠生者不↠取↢正覚↡。」彼仏今現シテ↠世成仏シタマヘリ。当↠知、本誓重願不↠虚シカラ、衆生称念スレバ得↢往生↡。

四 Ⅱ ⅱ a 引小経明証生縁
          (一)挙文
            (Ⅰ)釈尊証

^また ¬弥陀みだきょう¼ にのたまふがごとし。 「もししゅじょうありて弥陀みだぶつくを、 すなはちみょうごうしゅうすること、 もしは一日いちにち、 もしはにちない七日しちにちなるべし。 一心いっしんぶつしょうしてみだれざれば、 いのちおわらんとほっするとき弥陀みだぶつ、 もろもろのしょうじゅげんじてそのまえにまします。 このひとおわとき しん顛倒てんどうせずしてすなはちかのくにおうじょうすることをぶつ (釈尊)しゃほつ0712げたまはく、 ªわれこのるがゆゑにこのごんく。 もししゅじょうありてこのせつくものは、 まさに発願ほつがんてかのくにしょうぜんとがんずべしº 」

又如↢¬弥陀経¼云フガ↡。「若リテ↢衆生↡聞カバ↠説クヲ↢阿弥陀仏↡、即↧執↢持スルコト名号↡、若シハ一日、若シハ二日、乃至七日ナル↥。一心シテ↠仏レバ↠乱、命欲スル↠終ラムト時、阿弥陀仏与↢諸聖衆↡現ジテ↢其↡。此人終時、心不シテ↢顛倒↡即得↣往↢生スルコトヲ↡。仏告ゲタマハク↢舎利弗↡、我見ルガ↢是↡故↢是↡。若リテ↢衆生↡聞↡者、応シト↢発願シテ↟生ゼムト↢彼↡。」

四 Ⅱ ⅱ a ロ (一)(Ⅱ)諸仏証

^つぎ しもきてのたまはく (小経・意)、 「東方とうぼう ごうしゃのごとき諸仏しょぶつ南西なんざい北方ほっぽうおよびじょう 一々いちいちほうごうしゃのごとき諸仏しょぶつ、 おのおの本国ほんごくおいてその*舌相ぜっそういだして、 あまねく三千さんぜん大千だいせんかいおおひて、 じょうじつごんきたまはく、 ªなんぢらしゅじょうみなこの一切いっさい諸仏しょぶつしょねんぎょうしんずべしº

次下キテ、「東方如↢恒河沙↡等諸仏、南西北方及上下、一一↢恒河沙↡等諸仏、各↢本国↡出シテ↢其舌相↡、遍ヒテ↢三千大千世界↡、説キタマハク↢誠実↡、汝等衆生皆応シト↠信↢是一切諸仏所護念経↡。

^いかんがねんづくる。 もししゅじょうありて弥陀みだぶつしょうねんすることもしは七日しちにちおよび一日いちにちしもじっしょうないいっしょう一念いちねん等にいたるまで、 かならずおうじょう この*証誠しょうじょうしたまふがゆゑにねんぎょうづく」

云何クル↢護念↡。若リテ↢衆生↡称↢念スルコト阿弥陀仏↡、若シハ七日及一日、下至ルマデ十声乃至一声一念等↡、必得↢往生↡。証↢シタマフガ↡故クト↢護念経↡。」

四 Ⅱ ⅱ a ロ (二)釈義

^次下つぎしももんにのたまはく (小経・意)「もしぶつ0731しょうしておうじょうするものは、 つねに六方ろっぽうごうしゃとう諸仏しょぶつのためにねんせらる。 ゆゑにねんぎょうづく」

次下0959、「若シテ↠仏往生スル、常↢六方恒河沙等諸仏↡之所↢護念↡。故クト↢護念経↡。」

四 Ⅱ ⅱ 結勧

^いますでにこのぞうじょう誓願せいがん たのむべきあり。 もろもろの*ぶっとう、 なんぞこころはげましかざらんや。

今既↢此増上誓願↟憑。諸仏子等、何ラム↢励↠意↡也。

おうじょう礼讃らいさん

 

延書の底本は高田派専修寺蔵鎌倉時代刊本ˆ原漢文の底本と同一ˇ。 ただし返点については本派本願寺蔵版によるか。
未聞を暁悟して 未信の人々を教え導いて。
弥陀の十二光の名 ¬大経¼ (上) に説かれる阿弥陀仏の十二種の異名。 →じゅうこう
大経に… ¬大経¼ (下) の 「往覲おうごん」 に主によっている。
彦琮法師の… ほぼ同文の偈文が、 ¬しょう天皇てんのう宸翰しんかんざつしゅう¼ にみられる。
午時 正午頃。 →にっちゅう
おほよそ…名づく 親鸞聖人は 「おほよそ三業を起すに、 かならず真実をもちゐるがゆゑに至誠心と名づく」 (化身土文類訓) と読まれた。
十声一声等 しょう撰 ¬しゅうしょきょう礼懴らいさん¼ 所収の ¬礼讃らいさん¼ では、 「十声等」 (高麗こうらい版)、 「十声聞等」 (そう版) などとなっている。 親鸞聖人は 「信文類」 において 「十声聞等」 とある ¬集諸経礼懴儀¼ 所収本をとくに引用されている。
もし一心も少けぬれば 至誠心・深信・回向発願心のうちの一つでも欠けたならばの意。 親鸞聖人は ¬唯信鈔文意¼ では、 この文の 「一心」 を三心即一の一心 (真実信心) と解釈されている。
余礼 阿弥陀仏以外の仏・菩薩等を礼拝すること。
聖凡 しょうじゃぼん。 上の 「三乗」 (しょうもん縁覚えんがく・菩薩) を聖者とし、 「五道」 (地獄・餓鬼がきちくしょう・人・天) を凡夫とする。
生死に回入して 生死りんの迷いの世界にもどって。
随犯随懴して 罪を犯せば、 すぐさんして。
自然任運 おのずから。 ひとりでに。
境は細に心は粗なる 観念の対象は微妙で細やかであるのに、 観念する心の方は粗雑である。
識颺り神飛びて 心のはたらきがうわつき、 精神がつねに動揺して。
境現ずること… いちぎょうざんまいによって諸仏が現前することを指している。
邪正あひ交はり 邪境と正境が混ざり合うこと。
一多雑現 一仏と多仏が混在して現れること。
坐観礼念 座って観察かんざつし、 らいはい・念仏すること。
悲智の果円かにして 慈悲と智慧ちえよりなる仏果の徳が欠けるところなくそなわって。
外の雑縁 外からのさまざまな妨げ。
 念仏を専修せんじゅすること。
係念相続せざる 浄土に想いをかけることが相続しない。
憶想間断 仏をおもう心がとだえる。
よく…願ずるものは 親鸞聖人は 「よくみづからおのれが能を思量せよ。 今身にかの国に生ぜんと願はんものは」 (信文類訓) と読まれた。
無為の法楽 無為むいはんのさとりの楽しみ。
微塵刹土 微塵は仏教でいう物質の最小単位。 刹は梵語クシェートラ (kṣetra) の音写で国土の意。 微塵のように無数の国土。
十二種の名 →じゅうこう
不思議増上の勝縁 はかり知ることのできないすぐれたどく因縁いんねん
自他安楽の因となす 自分や他人が安楽浄土に往生する因とする。
 梵唄ぼんばいじゅなどをじゅ、 歌唱すること。
離垢の眼 煩悩ぼんのうのけがれを離れた智慧ちえの眼。
大総持門 はんのさとりに至る智慧の門。 →そう
和合海 僧伽そうぎゃ (仏の教団) が和合 (協同・調和) していることを、 海水が一味になっているのに喩えている。
一切の賢聖 ここでは僧宝そうぼうを指していう。
強健有力の時 健康でいられるとき。
自策自励 みずからつとめはげむこと。
常住 しょうめつ変化を離れたはんのさとり。
後夜の偈にいはく… 異本には下に 「ごんぎょう」 とあるが、 善導ぜんどう大師の自作の偈とみられる。
五更 午前四時頃。
死王 無常のこと。
平旦 じんじょうのこと。 →ろく
もろもろの衆等 この礼讃の法会に参集しているすべての人々。
 さとり。
この世界 しゃ世界。
少福を修するもの わずかなどくを修めた人々。
諸刹 刹は梵語クシェートラ (kṣetra) の音写で、 国土のこと。 多くの国土。
万年に… 末法まっぽうの時代が一万年続いた後は、 仏法僧の三宝さんぼうが滅する法滅ほうめつの時代に入るという。
この経… 法滅ほうめつの時代になっても、 ¬大経¼ に説かれた念仏の教えだけは、 この世にいつまでもとどまりのこる。 「百年」 は満数の意、 いつまでもということ。。
法に名字なきこと すべては因縁いんねんによって生起して仮に存在するもので、 名称によって概念的にとらえられるような実体はないということ。
妄想顛倒 もう分別ふんべつによって、 真実とは全く逆の見解にとらわれること。
胎蔵の形 人としての身体。 母体への宿りによって生じることからいう。
われ 天親てんじん菩薩。
梵音 仏のきよらかな声。 ¬浄土論¼ では 「梵声」 とする。
窮理の聖 真如しんにょほっしょうの道理をきわめた聖者。 仏のこと。
遍空の威 くう法界ほうかいにゆきわたる威徳。
 小相。 小なるすがた。
五山の毫 眉間のびゃくごうの大きさが五つのしゅせんを合わせたようであることをいう。
宝手の印 手に印判で押したような画があることをいう。
真慈 仏の真実の慈悲。
有相 そう類。 執着の心にとらわれた存在。
厚地 浄土の厚い大地。
覆網 空中にひろがる飾りあみ。
当生の処 往生すべきところ。
鮮衣 宝石でできているすぐれた衣服。
 摩尼まに
法王 諸仏を指すとする説と阿弥陀仏を指すとする説とがある。
八功如意の水 はっどくすいに同じ。
前生の輩 先に往生した人々。
光舒べて… 阿弥陀仏がこうみょうを放ってしゃこくの人民の五種の重病を除いたという因縁いんねん。 ¬しょう観音かんのんぎょう¼ に出る説で、 ¬安楽集¼ 第八大門に言及紹介されている。
空に立ちて… 阿弥陀仏が空中に住立じゅうりゅうしてだいの前に現れたという ¬観経¼ 華座観の説。
六時に… 昼夜六時に衆鳥がの音を出すことを指していう。
四寸… 仏土に遍満する華の上をふむと、 四寸くぼみくだすことを指していう。
甘露 ここでは宝池のはっどくすいかんに喩える。
同生の機 同じく浄土に往生した機類。
 らんじゅん。 垣。
余願 西方願生以外の願い。
念のあひだに… 一念の間にあまねく十方の仏国を訪れ。
有心の輩 往生浄土に志あるもの。
千輪 千輻輪せんぷくりんの略。
五道光のなかに現ず 観世音菩薩の光明の中に五道 (地獄・餓鬼がきちくしょう・人・天) のしゅじょうのすがたが現れ示されるという意。
口に… 口に教えを説いても、 心はぜんじょうに入っているという意。
心静かに… 心は静かに禅定にありながら、 身は十方世界におもむくという意。
華叢 れんの台座を指していう。
もろもろの… 勢至菩薩が歩むとき、 十方世界はすべて震動するという。
鳥群実の鳥にあらず 極楽世界の鳥は阿弥陀仏のげんであって、 罪報の所生ではないということ。
天類… 極楽世界の諸天は他方世界に順じて天と呼ばれるだけで、 実の天ではないという意。
本国他方 本国は極楽、 他方は極楽以外の世界。
 じょうの大地を支える宝でできた柱。
八方八面… 地を支える無数の柱は八角柱の形であって、 その八つの側面は百宝でできあがっているということ。
工匠にあらず 工匠の細工ではなく、 願力によってねんに成ったものであるということ。
八種の清風 四方四隅から吹き寄せる清涼な風。 また八種の特性をもったきよらかな風。
機音の… 根機 (素質能力) に応ずる声を三昧さんまいじょう中に観じ知ることはたやすいことではない。
行を成ず 列をなしている。 「行」 は並ぶ、 列の意の場合 「ごう」 の音となる。
 宮殿。
旋金輪 金色にかがやく回転する輪。
宝渠 七宝でできた渠。 渠は支流の意味。
有縁の同行者 縁あってともに念仏する法友たち。
本家 浄土を帰るべき家に喩えていう。
三尊 阿弥陀仏・観音菩薩・勢至菩薩。
四幢 四柱の法幢のこと。 だいの四方にある宝でできた柱。
真形 さとりのすがた。
十地の願行自然に彰る しょから第十地に至るまでの菩薩がなすべき願と行の徳が、 はからいなくして実現すること。 →じゅう
一切の五道 地獄・餓鬼がきちくしょう・人・天の五道のすべてのすがた。
法界… 十方世界が震動することはよもぎが風にひるがえるようであるという意。
円光の… 円光は仏の頭頂から放たれる円形のこうみょうのこと。 阿弥陀仏の円光の中にある無数のぶつのすがたは真仏のすがたと同じであるという意。
上行上根の人 高度の行を修めるこんのすぐれた人。
五門 念門ねんもんのこと。
三因 往生の因であるところの三心さんしん
六塵を出づ 迷いの境界を離れ出る。 →六塵ろくじん
無為法性の身 すべての限定をえたさとりの身。
中行中根の人 中度の行を修めるこんの中程度の人。
小真 小乗のさとり。
下行下根の人 悪を行うこんの劣った人。
偸僧 そうもつを盗むこと。
往生の善知識 往生浄土を勧める善知識。
思漿 飲物 (漿) を思う心。
性海 ほっしょう真如しんにょかい。 存在世界に遍在する真理。
記を授かり →じゅ
独自 自分ひとり。
一切威儀戒 三業さんごう四威儀、 すなわちしん口意くいの三業と行住ぎょうじゅう坐臥ざがのすべてのふるまいに関する戒め。
本弘誓願…摂受したまへ 親鸞聖人は 「本弘誓願を捨てたまはざれば、 弟子を摂受したまへり」 (行文類訓) と読まれた。
すべからく…求むべし 親鸞聖人は 「至心をもちゐて往を求めよ」 (行文類訓) と読まれた。
無量寿経に… →補註12
底本は◎高田派専修寺蔵鎌倉時代刊本[ただし訓は○浄聖全三巻の宗祖加点本と全同ではなく大幅に標準化されているため、 相違を†、 加を‡、 減を [ ] で示した]。 Ⓐ大谷大学蔵鎌倉時代刊本、 Ⓑ龍谷大学蔵(写字台旧蔵)室町時代刊本、 Ⓒ本派本願寺蔵版¬七祖聖教¼所収本、 Ⓓ¬集諸経礼讃儀¼所収本(高麗版ª再雕本º¬大蔵経¼所収本) と対校。
→Ⓓ大[乗]
 Ⓓになし
大経 Ⓓになし
→Ⓓ
→Ⓓ
沙門→Ⓓ
→Ⓓ
→Ⓓ
→Ⓓ
一声 Ⓓになし
→Ⓓ得[往]
→Ⓓ
→Ⓓ
 Ⓓになし
→Ⓓ
→Ⓓ[欲]明
→Ⓓになし
仏勧→Ⓓ行観
→Ⓓ方[者]
 左Ⓒオホセ
→Ⓓ[願]以
→Ⓓ
三五→Ⓓ五三
→Ⓓ
 Ⓓになし
→Ⓓ
→Ⓓ
謹依大経釈迦 Ⓓになし
→Ⓓ
→Ⓑ
→Ⓓ薩[上]
→Ⓓ
→Ⓓ号[為]
→Ⓓ
→Ⓓ陀[仏]
炎王光→Ⓓ光焔王
懴悔→Ⓓ帰懴
→Ⓓ
本願→Ⓓ願力
→Ⓓ徳[布施諸有情]
 Ⓓになし
13字 Ⓓになし
願共諸衆生 Ⓓになし
日没無常→Ⓓ黄昏
 Ⓓになし
→Ⓓ心[安隠]
→Ⓓ通[廻]
→Ⓓ命[礼]
 Ⓒ下に菩薩処胎経とあり
→Ⓓ禅[勤修六度行菩提道自然]
 Ⓒ下に坐禅三昧経とあり
→Ⓓ
→Ⓓ
 Ⓒ下に華厳経とあり
 Ⓒ下に摩訶僧祗律とあり
→Ⓓ
→Ⓒ衆[生]
→Ⓓ
 Ⓒ下に尸迦羅衛経とあり
→Ⓓ
沙門→Ⓓ比丘
→Ⓓ大[乗]
 Ⓓになし
→Ⓓ
生彼→Ⓓ往生
→Ⓓ
→Ⓓ
23字 Ⓓになし
→Ⓓ
 左Ⓒマメヤカニ
極楽世界→Ⓓ阿弥陀仏
 Ⓓになし
→Ⓓ
→Ⓓ遶[故我頂礼弥陀仏]
→Ⓑ
千日月→Ⓓ百千日
→Ⓓ
→Ⓓ
→Ⓓ
→Ⓓ
→Ⓓ命[礼]
→Ⓓ
15字→Ⓓ願生安楽国
身心→ⒶⒷⒸ心身
→Ⓓ
 Ⓒになし
→Ⓐ
→Ⓓ
→Ⓒ
→Ⓓ国[至心帰命礼西方観世音菩薩千輪明足下五道光中悲引恒无絶人帰亦未窮口宣猶在定心静更飛通聞名皆願往日発幾花叢願共諸衆生往生安楽国至心帰命礼西方大勢至菩薩慧力標無上身光備有縁動揺処宝国待座一金蓮鳥群非実鳥天類豈真天須知求妙楽会是戒香全願共諸衆生往生安楽国]
→Ⓓ
→Ⓓ
→Ⓐ
正自→Ⓓ只是
→Ⓓ
→Ⓓ
→Ⓓ
→Ⓓ
→Ⓓ
→Ⓓ
→Ⓓ
人天→ⒶⒷⒸⒹ天人
→Ⓓ
→Ⓓ
 Ⓓになし
→Ⓒ
 Ⓓになし
 Ⓓになし
沙門→Ⓓ比丘
数億→Ⓓ億数
→Ⓓ
無生→Ⓓ因縁
→Ⓓ
→Ⓓ
→Ⓓ
→Ⓓ
→Ⓒ
身心→Ⓓ仏身
→Ⓓ
→Ⓓ
→Ⓒ
→Ⓓ
→Ⓓ
→Ⓓ
→Ⓓ
→Ⓓ
→Ⓓ
弥陀仏国能所感 ◎ⒶⒹになし
西方極楽→Ⓓ楽何啻楽事
→Ⓓ議[無辺菩薩為同学性海如来尽是師]
→Ⓓ
→Ⓓ
14字 Ⓓになし
勢至→Ⓓ大勢
極楽世界→Ⓓ阿弥陀仏
→Ⓓ
諸大菩薩 Ⓓになし
→Ⓓ無辺
→Ⓓ法界無辺亦如上法性無辺亦如上仏無辺亦如上
→Ⓓ看[作]
 Ⓓになし
→Ⓓ命[礼]
→Ⓓ
 Ⓓになし
某甲 Ⓓになし
→Ⓓ輪廻
具云→Ⓓ
 Ⓓになし
除不至心 Ⓓになし
→Ⓓ来[亦]
 Ⓓになし
→Ⓑ
是説→Ⓓ説是
→Ⓓ
→Ⓓ
→Ⓓ
→Ⓓ
→Ⓓ
 Ⓓになし
シメ
ク。
コトハ、
何者イカムトナラバ
ヨリテ
タマヘル
シテ
ルコトヲ
当テ
リ集メ
テ、
スルヤ、
スル
ヲ須ルヤ
ナリ、
ス。
下至
乃至
往生
生レ
専至シ
シ。
コノ事等ヲ
スルヲ
ヘダ
犯センニ随テ
随テ
今時
随縁ノ起行
ヌレバ
ズト云コト
明ラハシ
勧ム。
レバ、
直ニ
乃シ
飛ンデ
キニ由テ
専ラ
トモ
ヲ勧ム
コト
故ニ
セ、
ナカ
マカセテ
ヨト勧ムル
レバ
欲フ
ニ由ル
ミヅ ラ
専意ヲスハ
心ヲ至サ
ゼバ
ズ。
ケ、
ノ勧タマフニ依テ
廻願ス
ナレバ
シム
号ス
観ジ
ヲ讃歎シタマフニ
マシマシテ
コヽ
寿終ノ
ノ諸仏ノ国土
ズトイフコト
タサ
セラレ
ワレヲ
タマフ
手ヲ授ケ
ヲシテ
所修
セヨ
ズシテ
シテ、
ベシ
覚ラ
ハゲ
ハゲムデ
ニシテ
スクヒ摂セム
ホトリナシ
ツト
モテ
レリ
キヤ
セン流シテ転ジテ
シヨ
セリ
得ベシ
スベシ
ナラザル
ルベシ
レリ。
メテ
ルニ
廻光
雷ノウガ
妙ナル響
ルト
成ルベシ
クベシ
ナラム
ニ遇フコト
ンハ
コトヲ成ズ
タマヘ
ザウ
名聞ノ
電ノカゲツユ
ヲ説ニ名字ナシ
クニ
ヨリ
謗ジ
劫ヲ
ヲ懐ケリ
ニシ
ノ礼
セバ
ヘンセリ
トリ
ナリ。
ナリ
ヲ雨リ
還テ
リテ
リ難ケレバ
珠ノ網縵
欲ハ
分レタ
ニ為タリ
ク成ジテ
クシテ
群セズ
帯シ
ネガハクハ
カムト
トウ
開ル
レタリ
スルコト
ケリ
シタガ
サゴ
ラシ
於テ
多シ
ニ満テリ
退タイセム
坐華
法ヲ
退セ
朋良ホウラウ
テリ
鳥合
キテ
ウナダ
メイ
発心ノ
ケレバ
鳥華ハ
コトンナク
調シラ
ネガ
ムシロ
ナヲ
更ニ
有レバ
シカシナガラ
ニ洗ヒ
ヨロコバシム
等寿ノ
ワス
トン
現ジ
廻リノゾミテ
カナ
長ク
一苦
人帰
カムト
ソナ
鳥ノムラガレルハ
ムルコトヲ知ルベシ
スルニ
界ノ
工匠タクミ
楽シ
音ニ
ズベシ
スレバ
ツラ
ルヽニ
アリ
イロエテ
カヾヤケル
メグレル
変ゼリ
ト成ル
ランジユンアリ
風ノスヾ
遍ス
終ル
遍スレバ
セシム
仏ヲ念ズ
カタ
専称スルモノ
雲ノゴトクニ集マ
正ク座シ
生レムト
ムルニ
命ヲ畢ヘテ
カツシテ
聞ケバ
漿コンヅオモ
食ノ
念ズレバ
無ク
セタマフ
ノボ
ケテ
有心願生ノ
而モ
シ、
独リトラ
シムルコトヲ致ス、
所有ノ
トン
走ル
若シ
ハ、
ナミダヲ流シ血ヲ流ス
自作シ
セルコト
始メテ
至心ニ
セム
ノ苦
ムコト
弟子ヲ
願ヲ発ス
心ヲ至サ
ヲ問ハズ
ミツ
イハヾ
カバ
願ヲ発シ
ノ護念シタマフ所ノ
アリ、