0599観念かんねん0645阿弥陀あみだぶつ相海そうかい三昧さんまいどく法門ほうもん 一巻いっかん

比丘びく*善導ぜんどうしゅう

【三昧行相分】
  標列

【1】 ^¬*かんぎょう¼ によりて観仏かんぶつ三昧ざんまいほうかすいち

0871[リ]テ↢¬観経¼↡明↢観仏三昧↡一。

¬*般舟はんじゅきよう¼ によりて念仏ねんぶつ三昧ざんまいほうかす

[リ]テ↢¬般舟経¼↡明↢念仏三昧↡二。

*きょうによりてにゅうどうじょう念仏ねんぶつ三昧ざんまいほうかすさん

[リ]テ↠経入道場念仏三昧↡三。

きょうによりてどうじょうないさん発願ほつがんほうかす

[リ]テ↠経↢道場内懴悔発願↡四。

随釈
    明観仏法【観仏三昧法】
     

【2】 ^¬かんぎょう¼ によりて観仏かんぶつ三昧ざんまいほうかす。

[リ]テ↢¬観経¼↡明↢観仏三昧↡。

一 Ⅱ ⅰ
        正明観仏行法
          (一)略明
            (Ⅰ)標依経

^¬かんぎょう¼・¬*観仏かんぶつ三昧ざんまいかいきょう¼ にでたり。

[デ]タリ↢¬観経¼・¬観仏三昧海経¼↡。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)定観境

 ^弥陀みだぶつしん金色こんじきしん*円光えんこうてっしょうたんじょう無比むひなるをかんずべし。

ズベシ↢阿弥陀仏[ノ]真金色身、円光徹照、端正無比ナルヲ↡。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅲ)明観想

^ぎょうじゃとう一切いっさいしょちゅうにつねにこのおもいをなし、 *行住ぎょうじゅう坐臥ざがにもまたこのおもいをなせ。 つねにこころとどめて西にしかひて、 かの*しょうじゅ一切いっさい雑宝ざっぽうしょうごんとうそうおよぶまで、 目前もくぜんたいするがごとくせよ、 るべし。

行者等、一切時処、昼夜↢此↡、行住坐臥ニ[モ]亦作↢此[ノ]↡。毎常 ツネ メテ↠意[ヒ]テ↠西、及[ブ]マデ↢彼聖衆、一切[ノ]雑宝荘厳等↡、如[ク]セヨ↠対スルガ目前↡、応↠知

一 Ⅱ ⅰ b イ (二)広弁
            (Ⅰ)明身儀

【3】 ^またぎょうじゃ、 もしせんとほっせば、 づすべからく*けっ趺坐ふざすべし。 ひだりあし0600みぎももうえきてほかとひとしくし、 みぎあしひだりももうえきてほかとひとしくせよ。 みぎひだり手掌てのひらのなかにきて、 だいおもてあひがっせよ。 つぎただしょうして、 くちがっし、 まなこ0646ぢよ。 ひらくにひらかず、 がっするにがっせざれ。

又行者若[シ]セバ↠坐セムト、先↢結跏趺坐↡。左キテ↢右モヽ[ニ]↡与↠外斉[シ]クシ、右キテ↢左↡与↠外斉[シ]クセヨ。右キテ↢左手掌テノヒラ↡、二大指[ノ]セヨ。次↠身正坐シテ↠口[ヲ]0872ジヨ↠眼。似クニ不↠、似↠合スルニ↠合

一 Ⅱ ⅰ b イ (二)(Ⅱ)明観想
              (ⅰ)観仏身
                (a)正観相海

1. 頭頂荘厳

^すなはち心眼しんげんをもつて、 ぶつちょうじょう*けいよりこれをかんぜよ。 頭皮ずひ金色こんじきをなし、 かみこんじょうしきをなす。 一髪いちほついちきてじょうにあり。 こつ雪色せっしきをなしてないみょうてつす。 のう*玻瓈はりしきのごとし。

↢心眼↡、先↢仏頂上髻↡観ゼヨ↠之。頭皮[ハ]↢金色↡、髪コン↡。一ハツキテ[リ]↢頭上。頭骨[ハ][シ]テ↢雪色↡内外明徹[ハ]玻瓈ハリ↡。

^つぎのうじゅうみゃくあり、 一々いちいちみゃくじゅうどうひかりあり、 髪根ほつこんあなよりほかにでて*ほつめぐること*七帀しちそうして、 かえりて毛端もうたんあなのなかよりるとおもへ。

↧脳↢十四ミヤク↡、一一[リ]↢十四道光↡、従[リ]髪根アナ↡出デテ↠外メグルコト↢髪↡七シテ、還[リ]テ↢毛端中↡入ルト↥。

^つぎさきひかりまゆ毛根もうこんあなのなかよりでてほかにかふとおもへ。

↧前[リ]↢二[ノ]マユ毛根[ノ]中↡出デテフト↞外

2. 額広平正

^つぎひたいひろくして平正びょうしょうなるそうおもへ。

額広クシテ平正ナル↡。

3. 眉高長相

^つぎまゆたかくしてながそうおもへ。 なほ*初月しょがつのごとし。

眉高クシテ而長↡。ナホ↢初月↡。

4. 眉間白毫

^つぎけん*びゃくごうそうおもへ。 きてけんにあり、 そのしろじつないにして金色こんじきひかりいだし、 毛端もうたんよりしてでてただちにしんらしきたる。

↢眉間[ノ]白毫↡。巻[キ]テ↢眉間↡、其毛白外実内虚ニシテ↢金色↡、従リシテ↢毛端↡而出デテ↢自身↡来

^¬*観仏かんぶつ三昧ざんまいきょう¼ (意)きたまふがごとし。 「もしひとありていちしゅのあひだもびゃくごうそうかんずれば、 もしは、 もしはざるも、 すなはちじゅうろくおく那由他なゆたごうしゃ*じんしゅこうしょうじゅうざいじょきゃくす」 と。 つねにこのおもいをなせば、 はなはださわりのぞつみめっす。 またりょうどくて、 諸仏しょぶつかんしたま0601ふ。

↢¬観仏三昧経¼説[キタマフ]ガ↡。「若[リ]テ↠人一須臾アヒダ[モ]ズレバ↢白毫↡、若[シ]ハ、若[シ]ハルモ↠見、即除↢却ス[ト]九十六億那由他恒河沙微塵数劫生死重罪↡。」常セバ↢此↡、ハナハダ↠障↠罪。又↢無量功徳↡、諸仏歓喜シタマフ

5. 二眼広長

^つぎまなここうじょうにしてこくびゃくぶんみょうなり、 こうみょうてっしょうすとおもへ。

↢二眼広長[ニ]シテ黒白分明ナリ、光明徹照スト↡。

6. 鼻修高直

^つぎはなながたかなおきこと、 たる*こんじょうのごとしとおもへ。

ナガキコト、如シトタル金鋌↡。

7. 面部平満

^つぎ*めんびょうまんにして*唱しょうきょうあることなしとおもへ。

↢面部平満[ニ]シテシト↟有[ルコト]シヤウエウ↡。

8. 耳輪垂

^つぎ*りんすいしてあな七毛しちもうあり、 ひかり毛内もうないよりでてあまねく仏身ぶっしんらすとおもへ。

↧耳輪スイヅイシテ[リ]↢七毛↡、光従[リ]↢毛内↡出[デ]テスト↦仏身↥。

9. 脣色赤好

^つぎ唇色しんじきしゃくこうにしてこうみょう潤沢にんたくなりとおもへ。

シム色赤好ニシテ光明潤沢ナリト↡。

10. 歯白斉密

^つぎしろ斉密ざいみつにして、 しろきこと*がつのごとくしてない*映徹ようてつすとおもへ。

歯白斉密ニシテ、白[キ]コト[ク]シテ↡内外映徹スト↥。

11. 舌薄広長

^つぎしたうすこうじょうにしてにゅうなんなりとおもへ。 舌根ぜっこんしたどうあり、 津液しんえきそそぎて咽筒いんとうりてただちに*心王しんのうる。

舌薄広長ニシテ柔軟ナリト↡。舌根シタ[リ]道↡、津液ソヽギテリテエンノドトウツヽ↡直↢心王↡。

^*仏心ぶっしんれんのごとし、 かいしてかいせず、 がっしてがっせず。 八万はちまんせん*ようあり、 葉々ようようあひかさなる。 一々いちいちよう八万はちまんせん0647みゃくあり、 一々いちいちみゃく八万はちまんせんひかりあり、 一々いちいちひかりひゃっぽうれんをなす。 一々いちいちうえいちじゅうさつあり、 みな金色こんじきなり、 こうして心王しんのうようし、 異口いく同音どうおん心王しんのうさんす。

仏心↢紅蓮華↡、開シテ而不↠開、合シテ而不↠合。有↢八万四千[ノ]葉↡、葉葉[ナ]。一一↢八万四千[ノ]0873↡、一一[ノ]↢八万四千[ノ]光↡、一一[ノ]光作↢百宝[ノ]蓮華↡。一一[ノ][ノ]↢一十地菩薩↡、身金色ナリ、手[シ]テ↢香華↡供↢養心王↡、異口同音歌↢讃心王↡。

^ぎょうじゃとうこのおもいをなすときざいしょう除滅じょめつりょうどく諸仏しょぶつさつかんし、 天神てんじんじんかんす。

行者等作↢此[ノ]↡時、除↢滅罪障↡得↢無量[ノ]功徳↡、諸仏・菩薩歓喜、天神・鬼神[モ]歓喜

12. 咽項肩円

^またしんきてうえかひて、 つぎ咽項いんこうまどかなるそうかたまどかなるそうおもへ。

キ[テ]↠心[ヒ]テ↠上、次↢咽項カナル相、二カナル↡。

13. 両臂円

^つぎりょうひじなおまどかなるそうおもへ。

両臂ナホカナル↡。

14. 手相荘厳

^つぎてのひらびょうまんにして*せん輻輪ぷくりんそうあり、 じっせんじょうにしてけん*網縵もうまんそうあり、 つめしゃくどういろをなせるそうおもへ。

手掌テノヒラ平満ニシテプクアリ、十指セン[ニシテ]指間[ニ]網縵アリツメセル↢赤銅↡相↥。

15. 胸前平満

^またしんきてうえかひて、 つぎぶつきょうぜんびょうまんそう0602おもへ。 *万徳まんどく朗然ろうねんなり。

キ[テ]↠心[ヒテ]↠上[ニ]、次[ニ]↢仏[ノ]コツ前平満↡。万徳朗然ナリ

16. 腹平不現

^つぎ*ふくびょうげんそうおもへ。

フク平不現↡。

17. 臍円孔深

^つぎ*臍円ざいえんじんそうおもへ。 こうみょうないにつねにらす。

ザイホゾ円孔深↡。光明内外[ニ]

18. 陰蔵平満

^つぎ*陰蔵おんぞうそうおもへ。 びょうまんにしてなほじゅうにちよるつきのごとし、 また腹背ふくはいのごとくびょうしょにしてべつなし。

↢陰蔵↡。平満[ニ]シテナホ↢十五[ノ]↡、亦如フクハラハイセナカ↡平処ニシテ↠別。

^ぶつのたまはく、 「もしなん女人にょにんありておおしき貪欲とんよくするもの、 すなはち如来にょらい陰蔵おんぞうそうおもへば、 欲心よくしんすなはちみて、 ざいしょう除滅じょめつりょうどく諸仏しょぶつかんし、 天神てんじんじん好心こうしんをもつて*ようして、 長命じょうみょう安楽あんらくにしてながびょうつうなし」 (観仏三昧経・意) と。

、若[リ]テ↢男子・女人↡多貪↢欲スルモノ、即↢如来オン↡者、欲心即ミテ、罪障除滅得↢無量功徳↡、諸仏歓喜、天神・鬼神好心ヲモテヤウシテ、長命安楽ニシテシ[ト]↢病痛↡。

19. 膝円満

^つぎふたつももひざ膝骨しっこつ円満えんまんなりとおもへ。

フタツモモ膝・膝骨シツコツ円満ナリト↡。

20. 鹿王相

^つぎすね鹿王ろくおうこぶらのごとしとおもへ。

↣二脛如シト鹿ロク↡。

21. 足跟𦟛満

^つぎ*足跟そくこん象王ぞうおうはなのごとしとおもへ。

↣二[ノ]コンクビスシトザウ↡。

22. 足趺平生

^つぎ*そくたかきことおうのごとしとおもへ。

↣二[ノ]足趺高キコトシト↢亀王↡。

23. 足指網縵

^つぎあしじっながくしてけん網縵もうまんあり、 つめしゃくどういろをなすとおもへ。

↧足[ノ]十指長クシテ指間[リ]↢網縵↡ツメスト↦赤銅↥。

24. 結跏趺坐

^つぎぶつけっ趺坐ふざそうおもへ。 ひだりあしみぎももうえきてほかとひとしくし、 みぎの足、 ひだりももうえきてほかとひとしと。

↢仏結跏趺坐↡。左キテ↢右[モモ]↡与↠外ヒトクシ、右キテ↢左[ノ][ノ][ニ]↡与↠外ヒトシ[ト]

25. 足下平満

^つぎあししたたいらかにしてせん輻輪ぷくりんそうあり、 *輻輞ふくもうそくし、 みなこうみょうありてあまねく十方じっぽう*せつらすとおもへ。

↧二ニシテ↢千輻輪相↡、フクマウヒラ具足、皆有[リ]テ↢光明↡遍スト↦十方↥。

一 Ⅱ ⅰ b イ (二)(Ⅱ)(ⅰ)(b)結示

^頂上ちょうじょうよりしもあし千輻せんぷく0648りんそういたるこのかたを、 づけて 「そくしてぶつ色身しきしんしょうごんどくかんず」 となす。 これを*じゅんかんづく。

[リ]↢頂上↡↢足千輻輪0874↡已来タ[ヲ]、名[ケ]テ↣具足シテズト↢仏色身荘厳功徳↡。是↢順観↡。

一 Ⅱ ⅰ b イ (二)(Ⅱ)(ⅱ)観華座
                (a)標挙

【4】 ^またつぎ*華座けざほうおもへ。

又次↢華座↡。

一 Ⅱ ⅰ b イ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)別弁

・華台

^つぎだいそうおもへ。

↢華台↡。

・華葉

^つぎようおもへ。 葉々ようよう0603かさなりてはちまんせんじゅうなり、

↢華葉↡。葉葉ナ[リ]テ八万四千重ナリ

・華上宝光

^一々いちいちよううえひゃくおく宝王ほうおうありてしょうごんし、 一々いちいちたからのなかにはちまんせんこうみょうありて、 かみ仏身ぶっしんらすとおもへ。

一一↧有[リ]テ↢百億宝王↡荘厳、一一[ノ][ノ][リ]テ↢八万四千光明↡、スト↦仏身↥。

・華茎

^つぎほうくき八面はちめんにして、

↧宝華クキ八面ニシテ

・茎厳放光

^一々いちいち方面ほうめんひゃくせん衆宝しゅぼうをもつてしょうごんし、 だいこうみょうはなちてじょうともにらすとおもへ。

一一方面[ニ]百千衆宝ヲモテ荘厳、放[チ]テ↢大光明↡上下倶スト↥。

・地上光照

^つぎくきもとほうにより、 じょう衆宝しゅぼうはみなはちまんせんこうみょうはなち、 一々いちいちこうみょう仏身ぶっしんらし、 および十方じっぽう六道ろくどうらすとおもへ。

↧華[ノ]モト↢宝地↡、地上衆宝[ハ]皆放↢八万四千[ノ]光明↡、一一[ノ]光明[ハ]↢仏身↡、及スト↦十方[ノ]六道↥。

・照触自身

^また一切いっさいこうみょうぎょうじゃしんしょうそくしてきたるとおもへ。

亦想[ヘ]↧一切光明、照↢触シテ行者自身↡来ルト↥。

一 Ⅱ ⅰ b イ (二)(Ⅱ)(ⅲ)結利益
                (a)現益

^このおもいをなすときざいしょう除滅じょめつりょうどく諸仏しょぶつさつかんし、 天神てんじんじんもまたよろこびて、 にちしたがひてぎょうじゃようす。 ぎょうじゅう坐臥ざがにつねに安穏あんのん長命じょうみょうらくにしてながびょうつうなし。 ぶつおしえじゅんずれば、 じょうのなかのることを。 もしば、 ただみづからりてひとかひてくことをざれ。 すなはちおおきにつみありて、 よこさまあくびょうたんみょうほうまねく。

[ス]↢此[ノ]↡時、除↢滅罪障得↢無量功徳↡、諸仏・菩薩歓喜、天神・鬼神ビテ、日夜[ヒ]テ↠身影↢護行者↡。行住坐臥得↢安穏↡、長命富楽ニシテ病痛↡。ジユンズレバ↢仏[ノ]↡、得↠見ルコトヲ↢浄土↡。若 [リ]テ↠得↢向[ヒ]テ↠人クコトヲ↡。即[リ]テ↠罪、↢悪病短命之報↡。

一 Ⅱ ⅰ b イ (二)(Ⅱ)(ⅲ)(b)当益

^もしきょうもんじゅんずれば、 命終みょうじゅうときのぞみて弥陀みだ仏国ぶっこく*じょうぼんおうじょうす。

ズレ↢教門↡者、ミテ↢命終上↢品往↣生阿弥陀仏国↡。

一 Ⅱ ⅰ b イ (二)(Ⅲ)勧要観

^かくのごとくじょうさきによりて*じゅうろっぺんかんじて、 しかしてのちしんとどめてけんびゃくごうかひて、 きはめてすべからくしんとらへてただしからしむべし。 さらに雑乱ぞうらんすることをざれ。 すなはちじょうしんしっして三昧さんまいじょうじがたし、 るべし。

[ク]↠是[クノ]上下、依[リ]テ↠前十六遍観ジテ、然シテ[メ]テ↠心[ヒ]テ↢眉間白毫↡、極ヘテ↠心タヾシカラ。更↠得↢雑乱[スルコト]ヲ↡。シテ↢定心↡三昧難↠成、応↠知

一 Ⅱ ⅰ b イ (二)(Ⅳ)結得名

^これを観仏かんぶつ三昧ざんまい観法かんぽうづく。

↢観仏三昧観法↡。

一 Ⅱ ⅰ b イ (三)結顕実義

^一切いっさいちゅうにつねにすればじょう0604しょうず。 ただ ¬かんぎょう¼ の*じゅうさんがんによりて、 安心あんじんしてかならずうたがはざることをよ。

一切[ノ]時中スレバ[ズ]↢浄土↡。但依[リ]テ↢¬観経[ノ]¼十三観↡、安心シテ↠不[ルコ]トヲ

一 Ⅱ ⅰ b 重勧念仏易行

【5】 ^またまうさく、 ぎょうじゃじょうしょうぜんとほっせば、 ただすべからくかい念仏ねんぶつし、 ¬*弥陀みだきょう¼ をじゅすべし。 *日別にちべつじゅうへんすればねん0649一万いちまん日別にちべつ三十さんじっぺんすれば一年いちねん一万いちまんなり。

サク、行者セバ↠生[ゼ]ムト↢浄土↡、唯須持戒・念仏、誦↢¬弥陀経¼↡。日別十五遍スレバ二年0875↢一万↡、日別[ニ]三十遍スレバ一年[ニ]一万ナリ

^日別にちべついち万遍まんべんぶつねんぜよ。 またすべからくときによりてじょうしょうごん*礼讃らいさんすべし。 おおきにすべからくしょうじんすべし。 あるいは三万さんまん六万ろくまんじゅうまんるものは、 みなこれじょうぼん上生じょうしょうひとなり。 自余じよどくもことごとくしておうじょうせよ、 るべし。

日別[ニ]ゼヨ↢一万遍仏↡。亦須↣依[リ]テ↠時礼↢讃浄土[ノ]荘厳↡。大↢精進↡。或[イ]ハ[ル]↢三万・六万・十万上品上生[ノ]ナリ。自余功徳[モ]シテ往生セヨ、応↠知

一 Ⅱ ⅰ

^ぜん観仏かんぶつ三昧ざんまいほうかす。

已前↢観仏三昧↡。

一 Ⅱ 明念仏法【念仏三昧法】
     

【6】 ^¬般舟はんじゅ三昧ざんまいきょう¼ の 「*しょうもんぼん(意) に、 しちにちしちにゅうどうじょう念仏ねんぶつ三昧ざんまいほうかしたまふ。

¬般舟三昧経[ノ]¼「請問品シタマフ↢七日七夜入道場念仏三昧↡。

一 Ⅱ ⅱ
        略明
          (一)標依経

^¬般舟はんじゅ三昧ざんまいきょう¼ にでたり。

[デタリ]↢¬般舟三昧経[ニ]¼↡

一 Ⅱ ⅱ b イ (二)正引文
            (Ⅰ)標名許説

 ^ぶつばつげたまはく、 ª三昧さんまいあり、 *十方じっぽう諸仏しょぶつ悉在しつざいぜんりゅうづく。 よくこのほうぎょうぜば、 なんぢの所聞しょもんことごとくべしº と。

「仏告[ゲタマハ]ク↢跋陀和↡、有↢三昧↡、名↢十方諸仏悉在前立↡。能ゼバ↢是↡、之所聞悉[シト]↠得也。

一 Ⅱ ⅱ b イ (二)(Ⅱ)嘆益楽聞

^ばつぶつにまうさく、 ªねがはくはためにこれをきたまへ。 *過度かどするところおおくして十方じっぽう安穏あんのんならしめん。 もろもろのしゅじょうのために*だいみょうそうげんじたまへº と。

跋陀和白[サ]ク↠仏、願[ク]ハ[キ]タマヘ↠之。多クシテ↢過度スル↡安↢穏ナラシメム十方↡。為↢諸衆生↡現[ジ]タマヘ[ト]↢大明相↡。

一 Ⅱ ⅱ b イ (二)(Ⅲ)勧修彰徳

^ぶつばつげたまはく、 ª三昧さんまいあり、 *じょうづく。 学者がくしゃつねにまさにまもりてじゅうして、 ま0605ほうしたがふことをざるべし。 どくのなかにもつとも第一だいいちなりº」 と。

仏告[ゲタマハ]ク↢跋陀和↡、有[リ]↢三昧↡、名↢定意↡。学者常↢守[リ]テ習持シテ、不↟得↣復随[フ]コト[ヲ]↢余法↡。功徳第一ナリト。」

一 Ⅱ ⅱ b 広引
          (一)明能念修相
            (Ⅰ)長行

【7】 ^つぎに 「ぎょうぼん(般舟三昧経・意) にのたまはく、 「ぶつばつさつげたまはく、 ªくこのじょうんとほっせば、 つねに大信だいしんほうのごとくにこれをぎょうぜばすなはちべし。 そう毛髪もうはつのごときばかりもあることなかれ。 このじょうほうを、 づけて «さつ*ちょうしゅぎょう» となす。

「行品」云、「仏告[ゲタマハ]ク↢跋陀和菩薩↡、セバムト↢是↡者、常↢大信クニ↠法↠之也。勿↠有[ル]コト↧疑↢毛髪バカリ↥。是定意、名[ケ]テ↢菩薩超衆↡。

一 Ⅱ ⅱ b ロ (一)(Ⅱ)偈頌
              (ⅰ)明定意法
                (a)総示

^*一念いちねんりゅうして        このほうしん

シテ↢一念↢是[ノ]

所聞しょもんしたがひて         *そのほうねん

[ヒ]テ↢所↢其[ノ]

よろしくねんいつにして     諸想しょそうだんずべし

↣一ニシテ↠念↢諸想

^じょうしんりゅうして        孤疑こぎすることなかれ

[シ]テ↢定信狐疑スルコト

しょうじんぎょうじて        *だいすることなかれ

精進ジテ↢懈怠スルコト

一 Ⅱ ⅱ b ロ (一)(Ⅱ)(ⅰ)(b)別顕
                  (イ)正誡諸念

^そうとに        おこすことなかれ

↠起スコト↢想↟無

しんねんずることなかれ     退たいねんずることなかれ

↠念ズルコト↠進[レ]↠念[ズルコト]↠退

^ぜんねんずることなかれ     ねんずることなかれ

[レ]↠念[ズルコト]↠前[レ]↠念[ズルコト]↠後

ねんずることなかれ     ねんずることなかれ

[レ]↠念[ズルコト]↠左[レ]↠念[ズルコト]↠右

^ねんずることなかれ     ねんずることなかれ

[レ]↠念[ズルコト]↠無[レ]↠念[ズルコト]↠有

0606おんねんずることなかれ     ごんねんずることなかれ

[レ]↠念[ズルコト]↠遠[レ]↠念[ズルコト]↠近

^つうねんずることなかれ     ようねんずることなかれ

[レ]↠念[ズルコト]↠痛[レ]↠念[ズルコト]

0650ねんずることなかれ     かつねんずることなかれ

0876[レ]↠念[ズルコト]↠飢[レ]↠念[ズルコト]↠渇

^かんねんずることなかれ     ねつねんずることなかれ

[レ]↠念[ズルコト]カン[レ]↠念[ズルコト]↠熱

ねんずることなかれ     らくねんずることなかれ

[レ]↠念[ズルコト]↠苦[レ]↠念[ズルコト]↠楽

^しょうねんずることなかれ    ろうねんずることなかれ

[レ]↠念[ズルコト]↠生[レ]↠念[ズルコト]↠老

びょうねんずることなかれ     ねんずることなかれ

[レ]↠念[ズルコト]↠病[レ]↠念[ズルコト]↠死

^みょうねんずることなかれ    寿じゅねんずることなかれ

[レ]↠念[ズルコト]↠命[レ]↠念[ズルコト]↠寿

びんねんずることなかれ     ねんずることなかれ

[レ]↠念[ズルコト]↠貧[レ]↠念[ズルコト]↠富

^ねんずることなかれ     せんねんずることなかれ

[レ]↠念[ズルコト]↠貴[レ]↠念[ズルコト]↠賎

しきねんずることなかれ     よくねんずることなかれ

[レ]↠念[ズルコト]↠色[レ]↠念[ズルコト]↠欲

^しょうねんずることなかれ    だいねんずることなかれ

[レ]↠念[ズルコト]↠小[レ]↠念[ズルコト]↠大

ちょうねんずることなかれ     たんねんずることなかれ

[レ]↠念[ズルコト]↠長[レ]↠念[ズルコト]↠短

^こうねんずることなかれ     しゅうねんずることなかれ

[レ]↠念[ズルコト]↠好[レ]↠念[ズルコト]シユ

あくねんずることなかれ     ぜんねんずることなかれ

[レ]↠念[ズルコト]↠悪[レ]↠念[ズルコト]↠善

^0607しんねんずることなかれ     ねんずることなかれ

[レ]↠念[ズルコト]↠瞋[レ]↠念[ズルコト]↠喜

ねんずることなかれ     ねんずることなかれ

[レ]↠念[ズルコト]↠坐[レ]↠念[ズルコト]↠起

^ぎょうねんずることなかれ    ねんずることなかれ

[レ]↠念[ズルコト]↠行[レ]↠念[ズルコト]↠止

きょうねんずることなかれ     ほうねんずることなかれ

[レ]↠念[ズルコト]↠経[レ]↠念[ズルコト]↠法

^ねんずることなかれ     ねんずることなかれ

[レ]↠念[ズルコト]↠是[レ]↠念[ズルコト]↠非

しゃねんずることなかれ     しゅねんずることなかれ

[レ]↠念[ズルコト]↠捨[レ]↠念[ズルコト]↠取

^そうねんずることなかれ     しきねんずることなかれ

[レ]↠念[ズルコト]↠想[レ]↠念[ズルコト]↠識

だんねんずることなかれ     じゃくねんずることなかれ

[レ]↠念[ズルコト]↠断[レ]↠念[ズルコト]↠著

^くうねんずることなかれ     じつねんずることなかれ

[レ]↠念[ズルコト]↠空[レ]↠念[ズルコト]↠実

きょうねんずることなかれ     じゅうねんずることなかれ

[レ]↠念[ズルコト]↠軽[レ]↠念[ズルコト]↠重

^なんねんずることなかれ     ねんずることなかれ

[レ]↠念[ズルコト]↠難[レ]↠念[ズルコト]↠易

じんねんずることなかれ     せんねんずることなかれ

[レ]↠念[ズルコト]↠深[レ]↠念[ズルコト]↠浅

^こうねんずることなかれ     きょうねんずることなかれ

[レ]↠念[ズルコト]↠広[レ]↠念[ズルコト]ケウセバシ

ねんずることなかれ     ねんずることなかれ

[レ]↠念[ズルコト]↠父[レ]↠念[ズルコト]↠母

^さいねんずることなかれ     ねんずることなかれ

[レ]↠念[ズルコト]↠妻[レ]↠念[ズルコト]↠子

0608しんねんずることなかれ     ねんずることなかれ

[レ]↠念[ズルコト]↠親[レ]↠念[ズルコト]↠疎

^ぞうねんずることなかれ     あいねんずることなかれ

[レ]↠念[ズルコト]↠憎[レ]↠念[ズルコト]↠愛

とくねんずることなかれ     しつねんずることなかれ

[レ]↠念[ズルコト]↠得[レ]↠念[ズルコト]↠失

^じょうねんずることなかれ    はいねんずることなかれ

[レ]↠念[ズルコト]↠成[レ]↠念[ズルコト]ハイヤブルヽ

しょうねんずることなかれ     じょくねんずることなかれ

[レ]↠念[ズルコト]↠清[レ]↠念[ズルコト]↠濁

^諸念しょねんちて         いちねん

チテ↢諸念一期

みだるることなかれ

意勿↠乱[ルル]コト

一 Ⅱ ⅱ b ロ (一)(Ⅱ)(ⅰ)(b)(ロ)重勧精勤

               ^つねにしょうじんにして

精進[ニ]シテ

歳計さいけいすることなかれ      むことなかれ

歳計スルコト↢日[ム]コトオコタルコト

^*一念いちねんりゅうして        *ちゅうこつすることなかれ

シテ↢一念↢中コツスルコト

睡眠すいめんのぞきて         そのこころしょうにせよ

[キ]テ↢睡眠[ニ]セヨ↢其

一 Ⅱ ⅱ b ロ (一)(Ⅱ)(ⅱ)明助道行

^つねにひとしょして      *じゅすることなかれ

シテ[レ]ジユ アツマリアフスルコト

悪人あくにんけ          ぜんちかづき

↢悪人[ヅ]↢善友

^*みょうしたしみて       ることぶつのごとくせよ

[ミ]テ↢明師ルコトクセヨ↠仏

そのこころざしりて       つねに柔弱にゅうにゃくなれ

[リ]テ↢其柔弱ナレ

0651^びょうどうを           一切いっさいかんぜよ

0877ゼヨ↢平等於一切

0609きょうけ          親族しんぞくとおざけ

ガウ↢親ゾク

^愛欲あいよくてて         清浄しょうじょう

テテ↢愛欲↢清浄

無為むいぎょうじて         諸欲しょよくだん

ジテ↢無為↢諸欲

^らんてて         *定行じょうぎょうなら

テテ↢乱意↢定行

*もんがくすること       かならずぜんのごとくせよ

スルコト↢文慧クセヨ↠禅

^*さんのぞき         *ろくにゅう

↢三↢六入

*婬色いんじきち          衆愛しゅあいはなるべし

↢婬色ルベシ↢衆愛

^ざいとんじて          おおちくしゃくすることなかれ

↢貪ジテ↠財畜積スルコト

*そくねんじて         あじむさぼることなかれ

[ジ]テ↢知足ルコト↠味

^しゅじょういのち          つつしみてじきすることなかれ

衆生ミテ[レ]↠食[スル]コト

ほうのごとくにして     *じきすることなかれ

[クニ]シテ↠法イロエジキスルコトクワエカザル

^*調じょうすることなかれ     きょうまんすることなかれ

↢調トヽノエスルコトタハブルヽ ↢憍慢スルコト

*だいすることなかれ      *こうすることなかれ

↢自大スル[コト][レ]スル[コト]

^もしきょうかば       まさにほうのごとくすべし

カバ↠経↠如クス↠法

もとりょうするに       なほまぼろしのごとし

スルニ↢身モトナホマボロシ グヱン

^0610*受陰じゅおんすることなかれ     *にゅうかいすることなかれ

受陰スルコト入界スルコト

*おんぞくのごとし        *じゃのごとし

ゾク↠蛇

^じょうとなし         *怳忽こうこつとなす

↢無常キヤウコツ

つねしゅなし          *ほんなりとりょう

↢常主↡↢本無ナリト

^因縁いんねんをもつてし       因縁いんねんをもつてさん

因縁[ヲモテ]因縁[ヲモテ]

ことごとくこれをりょうするに   ほんなりとれども

スルニ↠是レドモ↢本無ナリト

^あいを            一切いっさいくわ

↢慈哀於一切

びんほどこし          *げんを済ふ

↢貧窮スク↢不還

一 Ⅱ ⅱ b ロ (一)(Ⅱ)(ⅲ)

^これをじょうとなす       さつぎょう

↠定菩薩[ノ]

ようなり         しゅぎょうえたりº と

至要ナリエタリト↢衆行

一 Ⅱ ⅱ b ロ (二)明所念現前
            (Ⅰ)修行相貌
              (ⅰ)承上起下

【8】 ^(般舟三昧経・意) ぶつばつげたまはく、 ªこのぎょうほうたもてばすなはち三昧さんまいて、 現在げんざい諸仏しょぶつことごとくまえにましましてちたまふ。

仏告[ゲタマハ]ク↢跋陀和↡、持テバ↢是行法↡便↢三昧↡、現在諸仏悉[シ]テ↠前チタマフ

一 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅰ)(ⅱ)明其修相

^それ比丘びく比丘尼びくに優婆うばそく優婆夷うばいありて、 ほうのごとくしゅぎょうせんとせば、 かいまつたくし、 ひと一処いっしょとどまりて西方さいほう弥陀みだぶつねんぜよ。 いまげんにかしこにまします。 所聞しょもんしたがひてまさにねんずべし。 ここをることじゅう万億まんおく*仏刹ぶっせつなり、 そのくに*しゅだいづく0611

[リ]テ↢比丘・比丘尼・優婆塞・優婆夷↡、如↠法修行[セムトセバ]、持戒マタ一処リテゼヨ↢西方[ノ]阿弥陀仏↡。今現↠彼。随[ヒ]テ↢所聞↡当↠念。去[ル]コト↠此十万億仏刹ナリ、其↢須摩提↡。

一 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)三昧得成

^一心いっしんにこれをねんずること一日いちにちいち、 もしは七日しちにちしちすべし。 七日しちにちぎをはりてのちこれをたてまつらん。 たとへばひとゆめのうちにるところのごとし。 ちゅうらず、 またないらず。 くらきなかにありて*へいするところあるがゆゑにざるがごとくにはあらず。

一心[ズル]コト↠之一日一夜、若シハ七日七夜スベシ↢七日↡已リテ後見タテマツラム↠之。譬ヘバ↢人↟見。不↠知↢昼夜↡、亦不↠知↢内外↡。不↠由クニハ↧在リテ↢冥↡有ルガヘイスル↡故ルガ↞見。

^ばつ0652しゅつねにこのねんをなすとき諸仏しょぶつきょうがいのなかのもろもろの大山だいせんしゅせん、 そのあらゆる*ゆうみょうところ、 ことごとくために*かいしてへいするところなし。 このしゅ天眼てんげんちててっするにあらず。 てんちててっちょうするにあらず、 神足じんそくちてその仏刹ぶっせついたるにあらず、 このけんにおいておわりてかのけんしょうずるにあらず、 すなはちここにおいてしてこれをるº と。

跋陀0878和、四衆常↢是↡時、諸仏境界大山・須弥山、其アラユイウミヤウトコロ、悉開避シテ↢蔽礙スル↡。是[ノ]四衆[ハ]↧持[チ]テ↢天眼徹視スルニ↥。不[ズ]↧持[チ]テ↢天耳徹聴スルニ↥。不[ズ]↧持[チ]テ↢神足↡到ルニ↦其仏刹↥、不[ズ]↢此[ノ][リ]テズルニ↦彼[ノ]↥、便↠此シテ↠之[ヲ]

一 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅲ)定中咨決

^ぶつのたまはく、 ªしゅこのけんこくにて弥陀みだぶつねんぜよ。 もつぱらねんずるがゆゑにこれをたてまつることを。 すなはちへ。 «いかなるほうたもちてかこのくにしょうずることをる» と。 弥陀みだぶつこたへてのたまはく、 «らいしょうせんとほっせば、 まさにわがねんずべし。 そくすることあることなくは、 すなはちらいしょうすることをん»º と。

、四衆↢此[ノ]国土↡念ゼヨ↢阿弥陀仏↡。ズルガ得↠見[タテマツ]ルコトヲ↠之。即[ヘ]。持[チ]テカナル↡得ルト↠生[ズル]コトヲ↢此[ノ]↡。阿弥陀仏コタヘテセバ↢来生セムト↡者、当↠念↢我[ガ]↡。莫クハ↠有ルコト↢休息スルコト↡、即ム[ト]↢来生[スル]コトヲ↡。

一 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅳ)今仏重釈

^ぶつのたまはく、 ª専念せんねんするがゆゑにおうじょう。 つねに、 仏身ぶっしんにはさんじゅうそう*はちじゅう種好しゅこうありて、 おくこうみょうてっしょうし、 *たんじょう無比むひにして、 さつそうのなかにましましてほうきたまふことをねんずべし。 しき0612することなかれ。 なにをもつてのゆゑに。 しきせざるがゆゑに、 ぶつ色身しきしんねんずるによるがゆゑに、 この三昧さんまいº」 と。

仏言、専念スルガ↢往生↡。常[ズ]ベシ↧仏身ニハ三十二相・八十種好アリテ、巨億光明徹照、端正無比ニシテ、在[シ]テ↢菩薩僧↡説[キ]タマフ[コト]ヲ↞法。莫↠壊スルコト↠色。何テノ。不ルガ↠壊[セ]、由ルガ↠念[ズルニ]↢仏色身↡故、得[ト]↢是三昧↡。」

一 Ⅱ ⅱ

^じょう念仏ねんぶつ三昧ざんまいほうかす。

已上[ハ]↢念仏三昧[ノ]↡。

一 Ⅱ 合示入道場等法
      正明別時法【入道場法】
        択浄舎

【9】 ^三昧さんまいどうじょうらんとほっするときは、 もつぱらぶっきょう方法ほうほうによれ。 づすべからくどうじょう*りょうし、 尊像そんぞうあんして、 香湯こうとうをもつて*掃灑そうしゃすべし。 もし仏堂ぶつどうなきも、 じょうぼうあらばまたたり。 掃灑そうしゃすることほうのごとくし、 いち仏像ぶつぞうりて西にしかべあんせよ。

スル↠入ラムト↢三昧[ノ]道場[ハ]↢仏教方法↡。先レウシツラフ道場↡、安↢置シ[テ]尊像↡、香湯ヲモテ掃灑セウシヤ↥。若キモ↢仏堂↡有ラバ↢浄房↡亦タリ。掃灑スルコト[ク]シ↠法、取[リ]テ↢一仏像↡西カベ安置セヨ

一 Ⅱ ⅲ a 示時節

^ぎょうじゃとうつき一日いちにちより八日はちにちいたり、 あるいは八日はちにちよりじゅうにちいたり、 あるいはじゅうにちよりじゅうさんにちいたり、 あるいはじゅうさんにちよりさんじゅうにちいたるまで、 つき四時しじわかつは*なり。 ぎょうじゃとうみづから*ごう軽重きょうじゅうはかり、 このときのうちにおいてじょうりてとうぎょうぜよ。

行者等従↢月一日↡至↢八日[ニ]↡、或[イ]ハ[リ]↢八日↡至↢十五日[ニ]↡、或[イハ]↢十五日↡至[リ]↢二十三日[ニ]↡、或[イハ][リ]↢二十三日↡至ルマデ↢三十日↡、ツハ↢四時↡佳ナリ。行者等自↢家業軽重↡、於↢此リテ↠浄ゼヨ↠道

一 Ⅱ ⅲ a 明資用

^もしは一日いちにちよりすなはち七日しちにちいたるまで、 ことごとくじょうもちゐ、 *鞋靺かいまつもまたしんじょうなるをもちゐよ。 七日しちにちのうちみな、 *一食いちじきじょうさいもちゐよ。 なんびょうぼんずいしょうさい*けん*せつりょうすべし。

[シ]ハ一日ヨリルマデ↢七日↡、尽↢浄衣↡、鞋靺亦須[ヰ]ヨ↢新浄[ナル]ヲ↡。七日之中皆、須[ヰ]ヨ↢一食長斎↡。軟ペイハン、随時シヤウサイケンセチリヤウスベシ

一 Ⅱ ⅲ a 正修三昧

^どう0653じょうのなかにおいて、 ちゅうしんたばね、 相続そうぞくして専心せんしん弥陀みだぶつねんぜよ。 しんしょう相続そうぞくして、 ただし、 ただりゅうし、 七日しちにちのあひだ睡眠すいめんすることをざれ。 またときによりてぶつらいし、 きょうじゅすべからず。 じゅもまたるべからず。 ただがっしょうして0613ぶつねんずとり、 念々ねんねん見仏けんぶつおもいをなせ。

↢道場0879↡、昼夜ツカ↠心、相続シテ専心ゼヨ↢阿弥陀仏↡。心↠声相続シテ、唯坐、唯立、七日之間↢睡[スルコト]ヲ↡。亦↠須[カ]ラ↢依[リ]テ↠時↠仏、誦↟経数珠ズヾ[モ]亦不↠須[カ]ラ。但↢合掌シテズト↟仏、念念↢見仏↡。

^ぶつのたまはく、 「弥陀みだぶつしん金色こんじきしんこうみょうてっしょうし、 たんじょう無比むひにして、 心眼しんげんまえにましますと想念そうねんせよ」 と。

想↣念セヨト阿弥陀仏真金色身、光明徹照、端正無比ニシテ、在スト↢心眼↡。

^まさしくぶつねんずるとき、 もしりゅうせばすなはちりゅうしていちまんまんねんじ、 もしせばすなはちしていちまんまんねんぜよ。 どうじょうのうちにおいては、 こうべまじへてひそかにかたることをざれ。

[シ]クズル↠仏時、若セバシテ↢一万・二万↡、若セバシテゼヨ↢一万・二万↡。テ[ハ]↢道場↡、不↢交ヘテ↠頭ヒソカルコト[ヲ]↡。

一 Ⅱ ⅲ a 明懴悔発願

【10】^ちゅうあるいは*さんろくに、 諸仏しょぶつ一切いっさい*げんじょう*天曹てんそう*地府じふ一切いっさい*業道ごうどう表白ひょうびゃくして、 いっしょうよりこのかた*しん口意くいごう所造しょぞう衆罪しゅざい*ほつさんせよ。

昼夜[イハ]三時・六時[ニ]、表↢白シテ諸仏、一切[ノ]賢聖、天サウ・地、一切[ノ]業道↡、発↢露懴↣悔セヨ一生[ヨリ]已来[タ]身口意業[ノ]所造衆罪↡。

^じつによりてさんしをはりて、 またほうによりてぶつねんぜよ。 所見しょけんきょうがいはたやすくくことをず。 ぜんならばみづからり、 あくならばさんせよ。 しゅにく*しんは、 ちかひてがんおこしてらざれ、 くちらはざれ。 もしこのせば、 すなはちしんにともに悪瘡あくそうけんとがんぜよ。

事依[リ]テ↠実[ニ]懴悔[リ]テ[リ]テ↠法ゼヨ↠仏。所見境界不↠得↢タヤスクコトヲ↡。善[ナラバ]者自[ラ]、悪[ナラバ]者懴悔セヨ。酒・肉・五辛[ハ]、誓[ヒ]テシテ↠願、口クラ。若セバ↢此[ノ]↡即ゼヨ↣身口[ニ]トモケムト↢悪瘡↡。

^あるいは ¬*弥陀みだきょう¼ をじゅすることじゅう万遍まんべんたさんとがんぜよ。 日別にちべつぶつねんずることいち万遍まんべんきょうじゅすること日別にちべつじゅうへん、 あるいはじゅすることじっぺん三十さんじっぺんちからしょうまかすべし。 じょうしょうずることをちかひ、 ぶつ*しょうじゅがんぜよ。

[イハ]ゼヨ↧誦[スル]コト↢¬阿弥陀経¼↡満タサムト↦十万遍↥。日別ズルコト↠仏一万遍、誦[スル]コト↠経[ヲ]日別十五遍、或[イハ][スル]コト二十遍・三十遍、マカスベシ多少[ニ]↡。誓↠生[ズル]コトヲ↢浄土↡、願[ゼ]ヨ↢仏摂受↡。

一 Ⅱ ⅲ 因弁終時儀【臨終行儀】
        明行儀

【11】^またぎょうじゃとうもしはみ、 まざるも、 命終みょうじゅうせんとほっするとき、 もつぱらかみ0614念仏ねんぶつ三昧ざんまいほうによりて、 身心しんしんしょうとうにして、 おもてめぐらして西にしかへて、 しんもまたせんちゅうして弥陀みだぶつ観想かんそうし、 しん相応そうおうして声々しょうしょうゆることなく、 けつじょうしておうじょうおもい*だいしょうじゅきたりて*こうしょうするおもいをなせ。

又行者等若[シ]ハ、不ルモ↠病スル↢命終セムト、一[ラ][リ]テ↢上念仏三昧↡、正↢当ニシテ身心↡、廻シテ↠面[ヘ]テ↠西、心[モ]専注シテ観↢想阿弥陀仏↡、心口相応シ[テ]声声莫↠絶ス[ル]コト、決定シテ↢往生想、華台聖衆来リテ迎接スル↡。

一 Ⅱ ⅲ b 験得失

^びょうにんもしさききょうば、 すなはちかんびょうひとかひてけ。 すでにくをきをは0654らば、 すなはちせつによりてろくせよ。 またびょうにんもしかたることあたはずは、 かんびょうひとかならずすべからくしばしばびょうにんふべし、 いかなるきょうがいをかたると。 もし罪相ざいそうかば、 ぼうにんすなはちために念仏ねんぶつし、 たすけておなじくさんしてかならずつみめっせしめよ。 もしつみめっすることをば、 だいしょうじゅねんおうじて現前げんぜんしたまはん。 さきじゅんじてしょうすべし。

病人若[シ]↢前↡、即[ヒ]テ↢看病↡説。既↠説[ク]ヲ0880ラバ、即[リ]テ↠説ロクセヨ。又病人若↠能[ハ]↠語[ル]コト者、看病数数シバシバ[フ]↢病人↡、見[タ]ルト↢何ナル境界ヲカ↡。若カバ↢罪相↡、傍人即念仏シテ、同[ジ]ク懴悔シテメヨ↢罪滅↡。若↢罪滅[スルコト]ヲ↡、華台[ノ]聖衆応ジテ↠念現前タマハムジユンジテ↠前抄記スベシ

一 Ⅱ ⅲ b 避障縁

^またぎょうじゃとう*眷属けんぞく*六親ろくしんもしきたりてかんびょうせば、 しゅにくしんじきせるひとをあらしむることなかれ。 もしあらば、 かならずびょうにんへんかふことをざれ。 すなはちしょうねんうしなひ、 じんきょうらんし、 *びょうにんきょうしてさん悪道まくどうせん。 ねがはくはぎょうじゃとうよくみづからつつしみてぶっきょう奉持ぶじし、 おなじく見仏けんぶつ因縁いんねんをなせ。

又行者等、眷属六親若[シ][リ]テ看病セバ、勿↠令[ム]ルコト↠有[ラ]↧食セル↢酒・肉・五辛↡人↥。若[シ]ラバ↠向[フ]コトヲ↢病人↡。即↢正念↡、鬼神ケウ、病人狂死シテセム↢三悪道↡。願[ク]ハ行者等 謹慎 ツヽシ ミテ奉↢持仏教↡、同[ジ]ク↢見仏因縁↡。

一 Ⅱ ⅲ

^ぜんはこれにゅうどうじょうおよびかんびょうにん法用ほうゆうなり。

已前入道場及看病人法用ナリ

【五縁功徳分】
  標章目

【12】^きょうによりて*しゅぞうじょうえんかす一巻いっかん

[リ]テ↠経↢五種増上縁[ノ]↡一巻。

釈章門
    標経述意

・標経

¬*りょう寿じゅきょう¼ によるいち

↢¬無量寿経¼↡一。

0615¬*じゅうろっかんぎょう¼ による

↢¬十六観経¼↡二。

¬*四紙しし弥陀みだきょう¼ によるさん

↢¬四紙[ノ]阿弥陀経¼↡三。

¬*般舟はんじゅ三昧ざんまいきょう¼ による

↢¬般舟三昧経¼↡四。

¬*じゅうおうじょうきょう¼ による

↢¬十往生経¼↡五。

¬*じょう三昧さんまいきょう¼ によるろく

↢¬浄土三昧経¼↡六。

【述意】

【13】^つつしみてしゃぶつおしえろくおうじょうきょうとうによりて、 弥陀みだぶつしょうねんしてじょうしょうぜんとがんずるもの、 げん0655しょうにすなはち*延年えんねん転寿てんじゅて、 *おうなんはざることをけんみょうす。 一々いちいちつぶさにはしもえんのなかにくがごとし。

ミテ[リ]テ↢釈迦仏教、六部往生経等↡、顕↧明称↢念シテ阿弥陀仏[ヲ]↡願ズルゼムト↢浄土、現0881↢延年転寿↡、不[ル]コトヲ↢九横之難↡。一一具ニ[ハ]↢下[ノ]五縁義[ク]ガ↡。

二 Ⅱ 問答列名

・問

 ^ひていはく、 ぶつ一切いっさいしゅじょうだいしんおこして西方さいほう弥陀みだ仏国ぶっこくしょうぜんとがんぜよとすすめたまふ。

[ヒテ][ク]、仏メタマフ↧一切衆生シテ↢菩提心↡願ゼヨト↞生ゼムト↢西方[ノ]阿弥陀仏国↡。

^また弥陀みだぞうつくりて*しょうよう礼拝らいはいし、 こうようし、 にち観想かんそうしてえざれとすすめたまふ。

メタマフ↧造[リ]テ↢阿弥陀↡称揚礼拝、香華供養日夜観想シテレト↞絶

^またもつぱら弥陀みだぶつみなねんぜよとすすめたまふに、 一万いちまんまん三万さんまんまんないじゅうまんするものあり、 あるいは ¬弥陀みだきょう¼ をじゅせよとすすめたまふに、 じゅうじゅうさんじゅうじゅうないいっぴゃくして、 じゅう万遍まんべんつるものあり。

メタマフニ↣専[ゼ]ヨト↢弥陀仏↡、一万・二万・三万・五万、乃至十万スル[アリ]、或[イハ]メタマフニ↠誦[セ]ヨト↢¬弥陀経¼↡、十五・二十・三十・五十、乃至一百シテ、満ツル↢十万遍モノアリ

^げんしょうになんのどくをかる。 ひゃくねん捨報しゃほう以後いご、 なんのやくかある。 じょうしょうずることをやいなや。

現生[ル]功徳ヲカ↡。百年捨報已後、有利益↡。得↠生ズルコトヲ↢浄土以不 イナ 

・答

^こたへていはく、 げんしょうおよび捨報しゃほうけつ0616じょうしてだいどくやくあり。

[ヘテ][ク]、現生及捨報決定シテ↢大功徳利益↡。

二 Ⅱ 正釈義門

 ^ぶっきょうじゅんしてしゅぞうじょうやく因縁いんねんけんみょうせん。

ジユン↢依シテ仏教↡顕↢明セム五種増上利益因縁↡。

^いちには滅罪めつざいぞうじょうえんにはねんとく長命じょうみょうぞうじょうえんさんには見仏けんぶつぞうじょうえんにはせっしょうぞうじょうえんには証生しょうしょうぞうじょうえんなり。

[ニ]者滅罪増上縁、二[ニ]者護念得長命増上縁、三[ニ]者見仏増上縁、四[ニ]者摂生増上縁、五[ニ]者証生増上縁[ナリ]

二 Ⅱ 【滅罪縁】
        標章

【14】^*滅罪めつざいぞうじょうえんといふは、

↢滅罪増上縁

二 Ⅱ ⅲ a 釈引
          (一)下三品文

・下品上生

^すなはち ¬かんぎょう¼ のぼん上生じょうしょうひとのごときは、 いっしょうつぶさにじゅうあくじゅうざいつくる。 そのひとやまいせんとほっするに、 ぜんしきの、 おしへて弥陀みだぶつしょうすることいっしょうせしむるにふ。 すなはちじゅうおくこうしょうじゅうざい除滅じょめつす。 すなはちこれげんしょう滅罪めつざいぞうじょうえんなり。

キハ↢¬観経[ノ]¼下品上生[ノ]↡、一生具↢十悪重罪↡。其人得↠病スルニ↠死セムト、遇↧善知識[ヘ]テスルコト↢弥陀仏↡一声セシムルニ↥。即除↢滅五十億劫[ノ]生死[ノ]重罪[ヲ]↡。即[チ]是現生滅罪増上縁[ナリ]

・下品中生

 ^またぼん中生ちゅうしょうひとのごときは、 いっしょうつぶさに仏法ぶっぽうのなかのつみつくる。 *さいかいし、 仏法ぶっぽうそうもつ食用じきゆうしてさんしょうぜず。 そのひとやまいせんとほっするに、 ごくしゅいちにともにいたる。 ぜんしきの、 ために弥陀みだ0656ぶつ身相しんそうどくこくしょうごんくにふ。 罪人ざいにんきをはりてすなはちはちじゅうおくこうしょうつみのぞき、 ごくすなはちめっす。 またこれげんしょう滅罪めつざいぞうじょうえんなり。

又如キハ↢下品中生↡、一生ツブサ↢仏法↡。破↠斎↠戒、食↢用シテ仏法僧物不↠生懴愧↡。其↠病[ス]ルニ↠死セムト、地獄衆火一時。遇↣善知識クニ↢弥陀0882身相功徳、国土荘厳↡。罪人[リ]テ[キ]↢八十億劫[ノ]生死之罪↡、地獄即。亦現生滅罪増上縁[ナリ]

・下品下生

 ^またぼんしょうひとのごときは、 いっしょうつぶさに*ぎゃくごくじゅうつみつくる。 ごく*経歴きょうりゃくしてくることきわまりなし。 罪人ざいにんやまいせんとほっするに、 ぜんしき0617の、 おしへて弥陀みだぶつみなしょうすることじっしょうせしむるにふ。 声々しょうしょうのうちにおいてはちじゅうおくこうしょうじゅうざい除滅じょめつす。 これまたこれげんしょう滅罪めつざいぞうじょうえんなり。

又如キハ↢下品下生[ノ]↡、一生具↢五逆極重之罪↡。経↢歴シテ地獄↡受[ク]ルコト↠窮。罪人得↠病[ス]ルニ↠死セムト、遇[フ]↧善知識オシヘテ[ス]ルコト↢弥陀仏[ノ]↡十声セシムルニ↥。於↢声声↡除↢滅八十億劫生死重罪↡。現生滅罪増上縁[ナリ]

二 Ⅱ ⅲ a ロ (二)観想滅罪文

・依変起想

【15】^またもしひとありて、 ¬かんぎょう¼ とうによりて*じょうしょうごんへんぞうして、 にちほう観想かんそうすれば、 げんしょう念々ねんねんはちじゅうおくこうしょうつみ除滅じょめつす。

又若[リ]テ↠人、依[リ]テ↢¬観経¼等↢造シテ浄土荘厳[ノ]↡、日夜観↢想スレ宝地↡者、現生念念除↢滅八十億劫[ノ]生死之罪↡。

・就境修観 ・宝樹観等

 ^またきょうによりてへんえがき、 宝樹ほうじゅほう宝楼ほうろうしょうごん観想かんそうすれば、 げんしょうりょうおくそうこうしょうつみ除滅じょめつす。

又依[リ]テ↠経↠変、観↢想スレ宝樹・宝池・宝楼[ノ]荘厳↡者、現生除↢滅無量億阿僧祇劫生死之罪↡。

・就境修観 ・華座荘厳観

 ^また*華座けざしょうごんかんによりて、 にち観想かんそうすれば、 げんしょう念々ねんねんじゅうおくこうしょうつみ除滅じょめつす。

又依[リ]テ↢華座荘厳↡、日夜観想スレ者、現生念念除↢滅五十億劫[ノ]生死之罪↡。

・就境修観 ・像観等

 ^またきょうによりて*像観ぞうかん*真身しんしんかん*観音かんのんせいとうかん観想かんそうすれば、 げんしょう念々ねんねんのうちにおいてりょうおくこうしょうつみ除滅じょめつす。

又依[リ]テ↠経観↢想スレバ像観・真身観・観音・勢至等↡、現生↢念念↡除↢滅無量億劫[ノ]生死之罪↡。

^かみ所引しょいんのごときは、 ならびにこれげんしょう滅罪めつざいぞうじょうえんなり。

キハ↢上所引↡、並現生滅罪増上縁ナリ

二 Ⅱ ⅲ 【護念縁】
        標章

【16】^0657また*ねんぞうじょうえんといふは、

0883↢護念増上縁

二 Ⅱ ⅲ b 釈引
          (一)観経普観文

^すなはち*だいじゅうかん (観経・意) のなかにきてのたまふがごとし。 「もしひとありて、 一切いっさいしょにちしんいたして弥陀みだじょう*ほうしょうごん観想かんそうし、 もしはざるも、 りょう寿じゅぶつしゅぶつ化作けさし、 観音かんのんだいせいまたしゅしんをなして、 つねにこのぎょうにんところらいしたまふ」 と0618。 またこれげんしょうねんぞうじょうえんなり。

↢第十二[キ]テ[フ]ガ↡。若[リ]テ↠人、一切時処、日夜シテ↠心観↢想弥陀[ノ]浄土二報荘厳↡、若シハ、不ルモ↠見、無量寿仏化↢作無数化仏↡、観音・大勢至亦作シテ↢無数[ノ]化身↡、常来↢至シタマフト[ノ]行人之所↡。亦是現生護念増上縁ナリ

二 Ⅱ ⅲ b ロ (二)流通文

 ^また ¬かんぎょう¼ (意)しももんのごとし。 「もしひとありて、 しんいたしてつねに弥陀みだぶつおよびさつねんずれば、 観音かんのんせいつねにぎょうにんのために*しょうしきとなりて*随逐ずいちくようしたまふ」 と。 これまたこれげんしょうねんぞうじょうえんなり。

又如↢¬観経¼下↡。「若[リ]テ↠人至シテ↠心ズレバ↢阿弥陀仏及二菩薩↡、観音・勢至常タメ↢行人↡、[リ]テ↢勝友知識↡、随チク影護シタマフト。」現生護念増上縁[ナリ]

二 Ⅱ ⅲ b ロ (三)真身観文

 ^まただい*真身しんしんかん (観経・意)きてのたまふがごとし。 「弥陀みだぶつ金色こんじきしんなり。 *毫相ごうそうこうみょうあまねく十方じっぽうしゅじょうらす。 もうひかりまたあまねくしゅじょうらす。 *円光えんこうまたあまねくしゅじょうらす。 はちまんせん相好そうごうとうひかりまたあまねくしゅじょうらす。

又如↢第九[ノ]真身観[キ]テ[フ]ガ↡。「弥陀仏金色ナリ。毫相光明遍↢十方衆生↡。身毛孔↢衆生↡。円光↢衆生↡。八万四千相好等↢衆生↡。

^またさきのごとき身相しんそうとうひかり一々いちいちにあまねく十方じっぽうかいらすに、 ただもつぱら弥陀みだぶつねんずるしゅじょうのみありて、 かのぶつ心光しんこうつねにこの人をらして、 *しょうしててたまはず」 と。 そうじて*雑業ぞうごうぎょうじゃ照摂しょうしょうすることをろんぜず。 これまたこれげんしょうねんぞうじょうえんなり。

↠前身相等一一↢十方世界↡、[リ]テズル↢阿弥陀仏↡衆生ノミ↥、彼心光常[シ]テ↢是↡、摂護シテ[ト]テ[タマハ]。」総ジテ不↠論[ゼ]↣照↢摂[スルコトヲ]雑業行者↡。此亦是現生護念増上縁[ナリ]

二 Ⅱ ⅲ b ロ (四)十往生経文

【17】^また ¬じゅうおうじょうきょう¼ (意)きたまふがごとし。 「ぶつ山海さんかいさつおよび*なんげたまはく、 ªもしひとありてもつぱら西方さいほう弥陀みだぶつねんじておうじょうがんずれば、 われいまより以去いこつねに*じゅうさつをしてぎょうじゃようせしめて、 あく悪神あくじんをしてぎょうじゃ悩乱のうらんせしめず、 にちにつねに安穏あんのんなることをしむ0619º」 と。 これまたこれげんしょうねんぞうじょうえん0658なり。

又如↢¬十往生経¼説[キタマフ]ガ↡。「仏告[ゲタマハ]ク↢山海慧菩薩及以 オヨビ 阿難↡、若[リ]テ↠人ジテ↢西方阿弥陀仏ズレバ↢往生↡者、↠今已去、常使メテ↣二十五[ノ]菩薩ヲシテ影↢護行者↡、不↠令↣悪鬼・悪神ヲシテ悩↢乱行者↡、日夜シムト↢安穏[ナルコト]ヲ↡。」現生護念増上0884[ナリ]

二 Ⅱ ⅲ b ロ (五)弥陀経文

【18】^また ¬弥陀みだきょう¼ (意)きたまふがごとし。 「もしなん女人にょにんありて、 七日しちにちしちおよび一しょうつくして、 一心いっしんにもつぱら弥陀みだぶつねんじておうじょうがんずれば、 このひと、 つねに六方ろっぽうごうしゃとうぶつ、 ともにきたりてねんしたまふことを。 ゆゑにねんぎょうづく」 と。 ねんぎょうこころは、 またもろもろの*あくじんをして*便たよりをしめず、 またおうびょうおうおう厄難やくなんあることなく、 一切いっさいさいしょうねんしょうさんす。 しんならざるをのぞく。 これまたこれげんしょうねんぞうじょうえんなり。

又如↢¬弥陀経¼説[キタマフ]ガ↡。「若[リ]テ↢男子・女人↡、七日七夜、及[ビ]シテ↢一生↡、一心ジテ↢阿弥陀仏↡願ズレ↢往生↡者、此人、常↢六方恒河沙等仏共[リ]テ護念シタマフコトヲ↡。故ク[ト]↢護念経↡。」護念経、亦不↠令↢諸悪鬼神ヲシテ得↟便タヨリ、亦無[ク]↣横病・横死、横[ル]コト↢厄難↡、一切[ノ]災障自然消散。除ルヲ↢至心ナラ↡。此亦是現生護念増上縁[ナリ]

二 Ⅱ ⅲ b ロ (六)般舟経文

【19】^また ¬般舟はんじゅ三昧ざんまいきょう¼ の 「ぎょうぼん(意) のなかにきてのたまふがごとし。 「ぶつばつげたまはく、 ªもしひとありて、 七日しちにちしちどうじょうのうちにありて、 しょえんて、 すいじょし、 一心いっしんにもつぱら弥陀みだぶつしん金色こんじきしんねんじて、 あるいは一日いちにち三日さんにち七日しちにち、 あるいは七日しちにちろくしち七日しちにち、 あるいはひゃくにちいたり、 あるいはいっしょうつくして、 しんいたして観仏かんぶつし、 およびしょう心念しんねんすれば、 ぶつすなはちしょうじゅしたまふº」 と。 すでにしょうじゅこうむる。 さだめてりぬ、 つみめっしてじょうしょうずることを

又如↢¬般舟三昧経¼「行品」中[キ]テ[フ]ガ↡。「仏告[ゲタマハ]ク↢跋陀和↡、若[リ]テ↠人、七日七夜在[リ]テ↢道場↡、捨諸縁↡、除↢去睡臥↡、一心ジテ↢阿弥陀仏[ノ]真金色↡、或[イ]ハ一日・三日・七日、或[イ]ハ二七日・五・六・七七日、或[イ]ハ↢百日↡、或[イハ]シテ↢一生↡、シテ↠心観仏、及[ビ]口称・心念スレ者、仏即摂受[シ]タマフ[ト]。」既↢摂受↡。定[メ]テ[リ]ヌツミシテ↠生[ズル]コトヲ↢浄土↡。

^ぶつのたまはく、 ªもしひともつぱらこのねん弥陀みだぶつ三昧ざんまいぎょうずれば、 つねに一切いっさい諸天しょてんおよび*てん大王だいおうりゅうじんはち随逐ずいちくようし、 *あい0620ぎょう相見そうけんすることをて、 ながくもろもろのあくじんさいしょう厄難やくなんをもつてよこさま悩乱のうらんくわふることなしº」 (般舟三昧経・意) と。 つぶさに 「*護持ごじぼん」 のなかにきたまふがごとし。 これまたこれげんしょうねんぞうじょうえんなり。

「仏、若人専ズレ↢此念弥陀仏三昧↡者、常↢一切[ノ]諸天及[ビ]四天大王・竜神八部[ノ]随逐影護[シ]愛楽相見スルコトヲ↡、永シト↣諸[ノ]悪鬼神、災障・厄難ヲモテ[フ]ルコト↢悩乱↡。」具↢「護持品」中[キタマフ]ガ↡。此亦是現生護念増上縁[ナリ]

二 Ⅱ ⅲ b ロ (七)潅頂経文

【20】^また ¬*かんじょうぎょう¼ によるに、 だいかん (意)きてのたまはく、 「もしひと*さん*かいじゅすれば、 ぶつ*天帝てんたいしょくしたまはく、 ªなんぢ、 天神てんじんろくじゅういちにんつかはしてにち年月ねんがつ受戒じゅかいひと随逐ずいちくしゅして、 もろもろのあくじん0659をしてよこさまにあひ悩害のうがいすることをしむることなかれº」 と。 これまたこれげんしょうねんぞうじょうえんなり。

又依ルニ↢¬潅頂経¼↡、第三巻[キ]テ、「若[シ]人受↢持スレ三帰・五戒↡者、仏勅シタマハク↢天帝↡、ツカハ0885シテ↢天神六十一人↡日夜年月随↢逐[シ]守↣護シテ受戒之人↡、勿レト↠令[ム]ルコト↠獲↢諸[ノ]悪鬼神ヲシテ悩害スルコトヲ↡。」此亦是現生護念増上縁[ナリ]

二 Ⅱ ⅲ b ロ (八)浄土三昧経文

【21】^また ¬*じょう三昧さんまいきょう¼ にきてのたまふがごとし。 「ぶつびょうしゃ (*頻婆娑羅) 大王だいおうげたまはく、 ªもしなん女人にょにんありて、 月々つきづき*ろく斎日さいにちおよび*はち王日おうにちにおいて、 天曹てんそう地府じふ一切いっさい業道ごうどうかひて、 しばしばとがあらわして斎戒さいかいじゅすれば、 ぶつ*ろく欲天よくてんのうちょくしたまはく、 «おのおのじゅう善神ぜんじんつかはして、 つねにきたりてかいひと随逐ずいちくしゅせしむ。 またもろもろのあくじんよこさまきたりて悩害のうがいすることあらしめず。 またおうびょうもうさいしょうなく、 つねに安穏あんのんしむ»º」 と。 これまたこれげんしょうねんぞうじょうえんなり。

又如↢¬浄度三昧経[ニ]¼説[キ]テ[フ]ガ↡。「仏告[ゲタマハ]クビヤウ沙大王↡、若[リ]テ↢男子・女人↡、於↢月月六斎日及[ビ]八王日↡、向[ヒ]テ↢天サウ・地府、一切[ノ]業道↡、数数シバシバアラハシテトガ受↢持スレ斎戒↡者、仏勅シタマハク↢六欲天王↡、各[ノ]ツカハシテ↢二十五善神↡、常[リ]テ随↢逐[シ]守↣護[セシム]持戒之人↡。亦不↠令↠有↢諸悪鬼神[リ]テ悩害スルコト↡。亦無↢横病・死亡・災障↡、常ムト↢安穏↡。」此亦是現生護念増上縁[ナリ]

二 Ⅱ ⅲ b ロ (九)承上重述文

062122】^またもろもろのぎょうじゃにまうさく、 ただこんじょうにち相続そうぞくしてもつぱら弥陀みだぶつねんじ、 もつぱら ¬弥陀みだきょう¼ をじゅし、 じょうしょうじゅしょうごんしょうよう礼讃らいさんしてしょうずることをがんぜんとほっするものにして、 日別にちべつきょうじゅすることじゅうへんじゅうさんじっぺんじょうのもの、 あるいはじゅすることじゅうじゅうひゃっぺんじょうのものは、 がんじてじゅう万遍まんべんたせ。

又白[サ]ク↢諸行者↡、スル↧今生[ニ]日夜相続シテ↢弥陀仏↡、専↢¬弥陀経¼↡、称↢揚[シ]礼↣讃シテ浄土[ノ]聖衆荘厳↡願ゼムト↞生[ズルコト]ヲモノ[ニシテ]、日別スルコト↠経十五遍、二十・三十遍已上モノ、或[イ]ハ[スル]コト四十・五十・百遍已上[ハ]、願ジテタセ↢十万遍↡。

^また弥陀みだじょうしょうほうしょうごんしょうよう礼讃らいさんし、 また三昧さんまいどうじょうるをのぞきて、 日別にちべつ弥陀みだぶつねんずること一万いちまんして、 *ひつみょう相続そうぞくするものは、 すなはち弥陀みだねんこうむりてざいしょうのぞくことを。 またぶつしょうじゅとつねにきたりてねんしたまふことをこうむる。 すでにねんこうむりぬれば、 すなはち延年えんねん転寿てんじゅ長命じょうみょう安楽あんらくなることを

又称↢揚[シ]礼↣讃弥陀[ノ]浄土依正二報[ノ]荘厳↡、又除[キ]テ↠入ルヲ↢三昧[ノ]道場↡、日別[ズル]コト↢弥陀仏↡一万シテ、畢命相続スルモノ、即[リ]テ↢弥陀加念↡得↠除[ク]コトヲ↢罪障↡。又蒙↧仏↢聖衆↡常[リ]テ護念[シタマフ]コトヲ↥。既[リ]ヌレバ↢護念↡、即得↢延年転寿、長命安楽ナルコトヲ↡。

^因縁いんねん一々いちいちつぶさには ¬*譬喩ひゆきょう¼・¬*ゆい三昧さんまいきょう¼・¬じょう三昧さんまいきょう¼ とうきたまふがごとし。 これまたこれげんしょうねんぞうじょうえんなり。

因縁[ノ]一一具ニ[ハ]↢¬譬喩経¼・¬惟無三昧経¼・¬浄度三昧経¼等[キタマフ]ガ↡。此亦是現生護念増上縁[ナリ]

二 Ⅱ ⅲ 【見仏縁】
        標章

【23】^また*見仏けんぶつ三昧ざんまいぞうじょうえんといふは、

0886↢見仏三昧増上縁

二 Ⅱ ⅲ c 正釈
          (一)総釈見仏義
            (Ⅰ)先出経証

^すなはち ¬かんぎょう¼ (意)きてのたまふがごとし。 「*摩竭まがだいこくおうにん0660だいづく。 つねにないにありて、 つねにぶつ (釈尊)たてまつらんとがんじて、 はるかにしゃ崛山くっせんかひて、 きゅうしてきょうらいす。 ぶつはるかにねんりて、 すなはちせんよりもっしておうしゅつげんしたま0622ふ。

↢¬観経¼説[キ]テ[フ]ガ↡。「摩竭提国夫人[ヲ]↢韋提希↡。毎リ[テ]↢宮内↡、願ジテ↢常タテマツラムト↟仏、遥[ヒ]テ↢耆闍崛山↡、悲泣シテ敬礼。仏リテ↠念、即↢耆山↡シテ王宮出現シタマフ

^にんすでにこうべげてすなはちそんたてまつるに、 金色こんじきにしてほうれんしたまひ、 目連もくれんなん左右さう*りゅうし、 しゃくぼんくうのぞみてさんじてようす。 にんぶつたてまつりて、 げてげ、 ごうきゅうしてぶつかひてあわれみをもとめてさんす。 ªただねがはくは如来にょらい (釈尊)、 われをおしへて清浄しょうじょう業処ごっしょかんぜしめたまへº」 と。

夫人已[ゲ]テ↠頭タテマツル↢世尊↡、身紫金色ニシテタマヒ↢宝蓮華↡、目連・阿難立↢侍左右↡、釈・梵臨[ミ]テ↠空ジテ↠華供養[ス]。夫人見タテマツリテ↠仏[ゲ]テ↠身↠地、号泣シテ[ヒ]テ↠仏メテ↠哀ミヲ懴悔。唯願クハ如来、ヘテ↠我ゼシメタマヘト↢於清浄業処↡。」

二 Ⅱ ⅲ c ロ (一)(Ⅱ)正釈申

・就文総示

^またこの経証きょうしょうのごときは、 ただにんのみしんいたりて見仏けんぶつするにあらず、 またらいぼんのためにおしえおこせり。 ただしんたてまつらんとがんずるものありて、 もつぱらにんによりてしんいたしてぶつおくすれば、 さだめてたてまつることうたがいなし。 これすなはちこれ弥陀みだぶつ三念さんねん願力がんりきほかにするがゆゑに見仏けんぶつせしめたまふことを

又如キハ↢此経証↡、非[ズ]直夫人[ノミ][リ]テ見仏スルニ↡、亦タメ↢未来凡夫↡起セリ↠教但使 タダ リテ↢心ズル↠見タテマツラムト者↡、一[リ]テ↢夫人↡至[シ]テ↠心スレバ↠仏、定[メ]テ[タテマツル]コト是弥陀仏三念願力スルガ↠令[メタマフ]コトヲ↢見仏↡。

・別出三力

^三力さんりきといふは、 すなはち ¬般舟はんじゅ三昧ざんまいきょう¼ (意)きてのたまふがごとし。 「いちにはだい誓願せいがんりきをもつてねんしたまふがゆゑに見仏けんぶつすることをには三昧さんまいじょうりきをもつてねんしたまふがゆゑに見仏けんぶつすることをさんにはほんどくりきをもつてねんしたまふがゆゑに見仏けんぶつすることを」 と。

[フ]↢三力、即↢¬般舟三昧経[ニ]¼説[キ]テ[フ]ガ↡。一[ニ]者以↢大誓願力シタマフガ↠念↢見仏[スルコト]ヲ↡。二[ニ]者以↢三昧定力シタマフガ↠念得↢見仏[スルコト]ヲ↡。三[ニ]者以↢本功徳力シタマフガ↠念↢見仏[スルコト]ヲ↡。

二 Ⅱ ⅲ c ロ (一)(Ⅲ)例下文

^以下いげ見仏けんぶつえんのなかも、 この例同れいどうす。 ゆゑに見仏けんぶつ三昧ざんまいぞうじょうえんづく。

已下見仏縁、例↢同↡。故[ク]↢見仏三昧増上縁↡。

二 Ⅱ ⅲ c ロ (二)別引経証
            (Ⅰ)問答略示

【24】^ひていはく、 にん福力ふくりきごうしょうにして、 ぶつねんこうむるがゆゑに見仏けんぶつす。 まっ0623ぽうしゅじょう*ざいけんじんじゅうなり、 なにによりてかにん同例どうれいすることをん。 またこの甚深じんじん広大こうだいなり。 一々いちいちにつぶさにぶつきょうきてもつて明証みょうしょうとなせ。

[ヒテ][ク]、夫人[ハ]福力強勝ニシテ、蒙ルガ↢仏加念↡故見仏。末法衆生罪深重ナリ[リ]テカ↢夫人↡同例ドウレイスルコトヲ↥。又此甚深広大ナリ。一一[キ]テ↢仏経↡以↢明証↡。

^こたへていはく、 ぶつはこれ*三達さんだつしょうにん*六通ろくつうしょうなり。 かんじておしえそなへ、 浅深せんじんえらびたまはず。 ただまことにすれば、 なんぞたてまつらざることをうたがはん。

[ヘテ][ク]、仏三達聖人、六通無障ナリ。観ジテ↠機ソナ↠教、不↠択ビタマハ↢浅深↡。但使 タダ スレバ↠誠、何ハム↠不0887ルコトヲ↠見タテマツラ

二 Ⅱ ⅲ c ロ (二)(Ⅱ)広引諸文
              (ⅰ)観於西方文

^すなはち ¬かんぎょう¼ (意)しもきてのたまふがごとし。 「ぶつだいさんじたまはく、 ªこころよくこのへり。 なんじゅしてひろ0661しゅのためにぶつ宣説せんぜつすべし。 如来にょらい (釈尊) いまだいおよびらい一切いっさいしゅじょうおしへて西方さいほう極楽ごくらくかいかんぜしむ。 仏願ぶつがんりきをもつてのゆゑにかのこくること、 明鏡みょうきょうりてみづから面像めんぞうるがごとくならんº」 と。

↢¬観経¼下[キ]テ[フ]ガ↡。「仏ジタマハク↢韋提↡、ヘリ↢此↡。阿難、受持シテ↢多衆↡宣↢説スベシ仏語↡。如来今者 イマ [ヘ]テ↢韋提希及[ビ]未来世一切衆生↡観ゼシ↢於西方極楽世界[ヲ]↡。以テノ↢仏願力↡故コト↢彼[ノ]国土↡、如[クナ]ラム[ト]↧執[リ]テ↢明鏡↡自[ル]ガ↦面像↥。」

^またこのきょうをもつてしょうす。 またこれ弥陀みだぶつ三力さんりきほかにするがゆゑに見仏けんぶつすることを。 ゆゑに見仏けんぶつじょう三昧ざんまいぞうじょうえんづく。

又以↢此[ノ]↡証。亦弥陀仏[ノ]三力スルガ得↢見仏[スルコト]ヲ↡。故[ク]↢見仏浄土三昧増上縁↡。

二 Ⅱ ⅲ c ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)見彼国土文

【25】^またしもの ¬きょう¼ (観経・意) にのたまふがごとし。 「ぶつだいげたまはく、 ªなんぢはこれぼんにして心想しんそうまたれつなり、 とおることあたはず。 諸仏しょぶつ如来にょらい*ぜん方便ほうべんましまして、 なんぢらをしてしむることをいたすº と。 にんぶつにまうしてまうさく、 ªわれいま仏力ぶつりきによるがゆゑにかのこくたてまつる。 ぶつ0624めつのもろもろのしゅじょうとうのごときは、 じょくあくぜんにして五苦ごくめらる。 いかんが極楽ごくらくかいることをんº と。

又如↢下¬経¼云[フ]ガ↡。「仏告[ゲタマハ]ク↢韋提↡、汝凡夫ニシテ心想又劣ナリ、不↠能↢遠ルコト↡。致ス[ト]↠使[ム]ルコトヲ↧諸仏如来マシマシテ善方便↡、↢汝等↡見↥。夫人白[シ]テ↠仏、我今因ルガ↢仏力↡故[タテマツ]ル↢彼[ノ]国土↡。キハ↢仏滅後衆生等↡、濁悪不善ニシテ五苦。云何ム[ト]ルコトヲ↢極楽世界↡。

^ぶつすなはちげてのたまはく、 ªだい、 なんぢおよびしゅじょう専心せんしんおもいけて、 西方さいほう*瑠璃るり地下じげ一切いっさい*宝幢ほうどうじょう衆宝しゅぼう室内しつないしょうごんとうおもふべしº」 と。 専心せんしんこころとどむれば、 またかみにんどうじてることをべし。

仏即[ゲ]テ、韋提、汝及衆生専心ケテ↠念、想[フ]ベシ[ト]↢於西方[ノ]瑠璃地下[ノ]一切[ノ]宝幢、地上[ノ]衆宝、室内荘厳等↡。専心[ニ]ムレバ↠意、亦ジテ↢上夫人ベシ↠見[ル]コトヲ

^すなはちのたまはく (観経・意)、 「一々いちいちにこれをかんじてきはめて了々りょうりょうならしめよ。 閉目へいもく開目かいもくにみなることをしむ。 かくのごとくおもふものをづけてけんとなす。 これを*覚想かくそうちゅうけんといふ。 ゆゑにけんといふ。 もしじょうしん三昧ざんまいおよびしょう三昧ざんまいれば、 心眼しんげんすなはちひらけてかのじょう一切いっさいしょうごんること、 くともじんすることなし」 と。

、一一ジテ↠之メヨ↢了了ナラ↡。閉目開目[ニ][ム]↠得↠見[ル]コトヲ。如↠此[ク]ノモノ[ケ]テ粗見↡。此↢覚想↡。故[フ]↢粗見↡。[シ]レバ↢定心三昧及[ビ]口称三昧↡者、心眼即[チ][ケ]テルコト↢彼浄土一切[ノ]荘厳↡、クトモシ[ト]↢窮尽スルコト↡也。」

^またこのきょうをもつてしょうす。 一切いっさいぼんただしんかたむくれば、 さだめてけんあり、 るべし。 たとひ見聞けんもんのものありとも、 *きょうするをもちゐず。 なにをもつてのゆゑに。 すなはち弥陀みだぶつ三昧さんまいりきほかにするによるがゆゑにることを。 ゆゑに見仏けんぶつじょう三昧ざんまいぞうじょうえんづく。

又以↢此[ノ]↡証。一切凡夫但使 タダ クレバ↠心、定メテ↢見義↡、応↠知タト[リ]トモ↢見聞モノ↡、不↠↢驚怪スルヲ↡也。何[テ]ノ。乃ル[ガ]↢弥0888陀仏[ノ]三昧力スルニ↡故得↠見[ルコト]ヲ。故[ク]↢見仏浄土三昧増上縁↡。

二 Ⅱ ⅲ c ロ (二)(Ⅱ)(ⅲ)得見無量寿文

【26】^0662またしも華座けざかん (観経・意) のなかにきてのたまふがごとし。 「ぶつなんだいげたまはく、 ªぶつまさになんぢがためにのうのぞほうくべし。 0625んぢまさにひろ大衆だいしゅのために分別ふんべつせつすべしº と。 このきたまふときりょう寿じゅぶつ観音かんのんせいこえおうじて来現らいげんしてくうちゅう住立じゅうりゅうしたまふ。

又如↢下[ノ]華座観[キ]テ[フ]ガ↡。「仏告[ゲタマハ]ク↢阿難・韋提↡、仏当↧為↠汝↦除苦悩↡法↥。シ[ト]↧広↢大衆↡分別解説↥。説キタマフ↢是↡時、無量寿仏、観音・勢至応ジテ↠声来現シテ住↢立シタマフ空中↡。

^だいたてまつりてすなはちらいす。 らいしをはりてしゃぶつにまうしてまうさく、 ªわれいま仏力ぶつりきによるがゆゑにりょう寿じゅぶつおよびさつたてまつることをたり。 仏滅ぶつめつのもろもろのしゅじょうとうのごときは、 いかんが弥陀みだぶつおよびさつ観見かんけんしたてまつるべきº と。

韋提見[タテマツリ]テ。礼[リ]テ[シ]テ↢釈迦仏↡言[ル]ガ↢仏力↡故タリ↠見[タテマツル]コトヲ↢無量寿仏及二菩薩↡。キハ↢仏滅後衆生等↡、云何観↢見シタテマツルベキ[ト]阿弥陀仏及[ビ]二菩薩↡。

^ぶつすなはちげてのたまはく、 ªなんぢおよびしゅじょうかのぶつたてまつらんとほっせば、 まさに想念そうねんおこすべし。 七宝しっぽううえれんおもいをなせ。 そうじょうじをはりなば、 つぎにまさにぶつ (阿弥陀仏)おもふべし。 ぶつおもとき、 このしんすなはちさんじゅうそうになるとおもへ。 頂上ちょうじょうよりしも*跏趺坐かふざいたるこのかた、 *一々いちいち身分しんぶんまたみなこれをおもへ。 心想しんそうしたがひて、 とき仏身ぶっしんすなはちげんずº」 と。

仏即[ゲ]テ衆生セバ↠観[タテマツラ]ムト↢彼[ノ]↡者、当↠起↢想念↡。七宝[セ]↢蓮華↡。華想成[リ]ナバ、次↠想↠仏。想↠仏時、是心即ルト↢三十二相↡。↢頂上↡↢跏趺坐↡已来、一一身分亦皆想↠之ヒテ↢心想↡、時仏身即ズ[ト]。」

^これはこれ弥陀みだ三力さんりきほかにしてすなはち見仏けんぶつすることを。 また見仏けんぶつ三昧ざんまいぞうじょうえんづく。

弥陀[ノ]三力シテ得↢見仏[スルコト]ヲ↡。亦名↢見仏三昧増上縁↡。

二 Ⅱ ⅲ c ロ (二)(Ⅱ)(ⅳ)先当想像文

【27】^またしもの ¬きょう¼ (観経・意) にのたまふがごとし。 「かのぶつおもふものは、 づまさにぞうおもふべし。 いち金像こんぞうるに、 かのじょうしたまへり。 すでに想見そうけんしをはりて、 心眼しんげんすなはちひらき、 了々りょうりょうぶんみょうにかのくに一切いっさいしょうごん0626およぶ」 と。 これまたこれ弥陀みだ三力さんりきほかにするがゆゑに見仏けんぶつす。 ゆゑに見仏けんぶつ三昧ざんまいぞうじょうえんづく。

又如[シ]↢下[ノ]¬経¼云[フ]ガ↡。「想[フ]↢彼[ノ][ハ]、先↠想↠像。見ルニ↢一金像↡、坐シタマヘリ↢彼[ノ]華上↡。既想見[リ]テ、心眼即、了了分明ブト↠見ルニ↢彼[ノ]一切[ノ]荘厳↡。」此亦是弥陀[ノ]三力スル見仏。故[ク]↢見仏三昧増上縁↡。

二 Ⅱ ⅲ c ロ (二)(Ⅱ)(ⅴ)次想二菩薩等文

 ^またしもの ¬きょう¼ (観経・意) にのたまふがごとし。 「つぎさつ (観音・勢至) およびもろもろのこうみょうおもへ。 了々りょうりょうとしてる。 このときぎょうじゃすなはち三昧さんまいじょうちゅうにおいて、 まさにすいこうみょうしょうごんとう説法せっぽうこえくべし。 出定しゅつじょう入定にゅうじょうに、 ぎょうじゃつねにみょうほうく」 と。 これまたこれ弥陀みだぶつ三力さんりきほかにするがゆゑに見仏けんぶつす。 ゆゑに見仏けんぶつ三昧ざんまいぞうじょう0663えんづく。

又如[シ]↢下[ノ]¬経¼云[フ]ガ↡。「次↢二菩薩及光明↡。了了トシテ而見。見↢此[ノ]↡時、行者即↢三昧定↡、当↢水流・光明・荘厳等説法之声↡。出定・入定、行者0889ク[ト]↢妙法↡。」此亦是弥陀仏三力スル[ガ]見仏。故↢見仏三昧増上縁↡。

二 Ⅱ ⅲ c ロ (二)(Ⅱ)(ⅵ)真身観文

【28】^またしも真身しんしんかん (観経・意) のなかにきてのたまふがごとし。 「ぶつなんげたまはく、 ª像観ぞうかんじょうじをはりて、 つぎにさらにりょう寿じゅぶつしんしん金色こんじきけん毫相ごうそう円光えんこうぶつおよび相好そうごうとうひかりかんずべし。 ただまさに憶想おくそうして、 心眼しんげんをもつてたてまつらしむべし。 をはりて、 すなはち十方じっぽう一切いっさい諸仏しょぶつたてまつる。 ゆゑに念仏ねんぶつ三昧ざんまいづくº」 と。

又如[シ]↢下真身観[キ]テ[フ]ガ↡。「仏告[ゲタマハ]ク↢阿難↡、像観成[リ]テ、次ズベシ↢無量寿仏[ノ]真金色、眉間[ノ]毫相、円光[ノ]化仏及[ビ]相好等↡。但当↣憶想シテ[]↢心眼モテタテマツラ↡。見已[リ]テ、即[タテマツ]ル↢十方一切諸仏↡。故[クト]↢念仏三昧↡。」

^このもんをもつてしょうす。 またこれ弥陀みだぶつ三力さんりきほかにするがゆゑに見仏けんぶつす。 ゆゑに見仏けんぶつ三昧ざんまいぞうじょうえんづく。

↢此[ノ]↡証。亦是弥陀仏三力スル[ガ]見仏。故[ク]↢見仏三昧増上縁↡。

二 Ⅱ ⅲ c ロ (二)(Ⅱ)(ⅶ)但観白毫文

 ^またしもの ¬きょう¼ (観経・意) にのたまふがごとし。 「ぶつのたまはく、 ªこのゆゑにしゃ一心いっしんにあきらかにりょう寿じゅぶつかんぜば、 いち相好そうごうよりれ。 ただけんびゃくごう0627かんじてきはめて明了みょうりょうならしむれば、 はちまんせん相好そうごうねんにこれをる。 をはりて、 すなはち十方じっぽう一切いっさい諸仏しょぶつたてまつる。 諸仏しょぶつみまえにおいてだいじゅせらるº」 と。

又如↢下[ノ]¬経[ニ]¼云[フ]ガ↡。「仏、是智者一心アキラカゼバ↢無量寿仏↡、従相好↡入。但観ジテ↢眉間白毫ムレ↢明了ナラ↡者、八万四千相好自然↠之。見已[リ]テ、即[タテマツ]ル↢十方一切[ノ]諸仏↡。↢諸仏↡次第授記セラル[ト]。」

^またこのきょうをもつてしょうす。 またこれ弥陀みだぶつ三力さんりきほかにするがゆゑに、 ぼんをして専心せんしんおもはしむることをれば、 さだめて見仏けんぶつすることを。 また見仏けんぶつ三昧ざんまいぞうじょうえんづく。

又以↢此[ノ]↡証。亦是弥陀仏[ノ]三力スル[ガ]↠令ムルコトヲ↢凡夫[ヲシテ]専心オモ↡者、サダメテ得↢見仏[スルコト]ヲ↡。亦名[ク]↢見仏三昧増上縁↡。

二 Ⅱ ⅲ c ロ (二)(Ⅱ)(ⅷ)定散見仏文

【29】^また*観音かんのんせいぞうとうかん、 およびしもぼんひとのごとし。 「いっしょうぎょうしすなはち七日しちにち一日いちにちじっしょういっしょうとういたるまで、 いのちおわらんとほっするときぶつたてまつらんとがんずるもの、 もしはげんしょうにすなはちぜんしきひ、 ぎょうにんみづからよくしん弥陀みだぶつしょうねんすれば、 ぶつ、 すなはちしょうじゅだい来現らいげんしたまふ。 ぎょうにんぶつたてまつり、 またしょうじゅだいとうん」 (観経・意) と。

又如[シ]↢観音・勢至・普・雑等観、及[ビ]九品↡。「一生起行ルマデ↢七日・一日、十声・一声等↡、命欲スル↠終ラムト時願ズルタテマツラムト↠仏モノ、若シ[ハ]現生↢善知識↡、行人自心口称↢念スレバ弥陀仏↡、仏即与↢聖衆・華台↡来現シタマフ。行人タテマツリ↠仏、亦見0890ム[ト]↢聖衆・華台等↡。」

^またこのきょうをもつてしょうす。 またこれ弥陀みだぶつ三力さんりきほかにするがゆゑに見仏けんぶつすることを。 ゆゑに見仏けんぶつ0664三昧ざんまいぞうじょうえんづく。

又以↢此[ノ]↡証。亦是弥陀仏三力スル[ガ]↢見仏[スルコト]ヲ↡。故[ク]↢見仏三昧増上縁↡。

二 Ⅱ ⅲ c ロ (二)(Ⅱ)(ⅸ)観経流通文

【30】^またしもの ¬きょう¼ (観経・意) にのたまふがごとし。 「ぶつなんげたまはく、 ªこのきょうかん極楽ごくらくこくりょう寿じゅぶつぎゅうかんおんだいせいさつきょうづく。 なんぢまさにじゅして忘失もうしつせしむることなかるべし。 この三昧さんまいぎょうずるものは、 現身げんしん0628りょう寿じゅぶつおよびさつたてまつることをº」 と。

又如[シ]↢下[ノ]¬経¼云[フ]ガ↡。「仏告[ゲタマハ]ク↢阿難↡、此[ノ]↢観極楽国土無量寿仏及観世音大勢至菩薩経↡。↢受持シテ[カ]ル↟令[ム]ルコト↢忘失↡。行ズル↢此[ノ]三昧↡者、現身[ト]↠見タテマツルコトヲ↢無量寿仏及[ビ]二菩薩↡。」

^またこのきょうをもつてしょうす。 またこれ弥陀みだぶつ三力さんりきほかにして、 ぼんねんずるものをして*さん心力しんりきじょうずるがゆゑに見仏けんぶつすることをしむることをいたす。 *じょうしん信心しんじん願心がんしん内因ないいんとなし、 また弥陀みだ*三種さんしゅ願力がんりきりてもつてえんとなす。 ない因縁いんねんごうするがゆゑにすなはち見仏けんぶつすることを。 ゆゑに見仏けんぶつ三昧ざんまいぞうじょうえんづく。

又以↢此[ノ]↡証。亦是弥陀仏三力シテイタ使ムルコトヲ↧凡夫ズルヲシテズルガ三心力↡故得↦見仏スルコトヲ↥。至誠心・信心・願心↢内因↡、又リテ↢弥陀三種願力↡以[テ]↢外縁[ト]↡。外内[ノ]因縁和合スルガ得↢見仏[スルコト]ヲ↡。故[ク]↢見仏三昧増上縁↡。

二 Ⅱ ⅲ c ロ (二)(Ⅱ)(ⅹ)般舟経文

・行品文

【31】^また ¬般舟はんじゅ三昧ざんまいきょう¼ (意) にのたまふがごとし。 「ぶつばつさつげたまはく、 ª三昧さんまいあり、 *十方じっぽう諸仏しょぶつ悉在しつざいぜんりゅうづく。 もしくこの三昧さんまいんとほっするものは、 つねにまさにまもりてじゅうしてそう毛髪もうはつのごときばかりもあることをざるべし。

又如[シ]↢¬般舟三昧経[ニ]¼云[フ]ガ↡。「仏告[ゲタマハ]ク↢跋陀和菩薩↡、↢三昧↡、名[ク]↢十方諸仏悉在前立↡。若スルムト↢是三昧↡者、常リテ習持シテ↟得↠ルコトヲ↧疑想如↢毛髪バカリ↥。

^もし比丘びく比丘びく優婆うばそく優婆うばこの三昧さんまいぎょうがくせんとほっするものは、 七日しちにちしち睡眠すいめんじょして、 もろもろの乱想らんそうて、 ひと一処いっしょとどまりて、 西方さいほう弥陀みだぶつしんしん金色こんじきにしてさんじゅうそうあり、 こうみょうてっしょうしてたんじょう無比むひなるをねんずべしº と。 一心いっしん観想かんそうして心念しんねんしょうし、 念々ねんねんえざるものは、 ぶつのたまはく、 ª七日しちにち以後いごにこれをるº と。

比丘・比丘尼・優婆塞・優婆夷スル↣行↢学セムト三昧↡者、七日七夜除↢去シテ睡眠↡、捨↢諸[ノ]乱想↡、ヒト一処[リ]テ、念[ズ]ベシ[ト]↢西方[ノ]阿弥陀仏身、真金色ニシテ三十二相アリ、光明徹照シテ端正無比ナルヲ↡。一心観想シテ心念口称[シ]、念念↠絶モノ、仏、七日已後ル[ト]↠之

・四事品文

^たとへばひとありてよる星宿しょうしゅくるがごとし。 いっしょうすなはちこれ一仏いちぶつなり。 もししゅありてこのかんをなさば、 一切いっさいほしるがごとく、 すなはち一切いっさいぶつたてまつらん」 と。

ヘバ↣有[リ]テ↠人夜観[ル]ガ↢星宿↡。一星一仏ナリ。若[リ]テ↢四衆↡作0891↢是[ノ]↡者、ルガゴトク↢一切[ノ]↡、即タテマツラム[ト]↢一切↡。」

・結証

^またこのきょう0629をもつてしょうす。 またこれ弥陀みだぶつ三力さんりき0665ほかにするがゆゑに見仏けんぶつす。 三昧さんまい」 といふは、 すなはちこれ念仏ねんぶつぎょうにんしんしょうねんしてさらに雑想ざっそうなく、 念々ねんねんしんとど声々しょうしょう相続そうぞくすれば、 心眼しんげんすなはちひらけて、 かのぶつ*りょうねんとしてげんじたまふをたてまつることを。 すなはちづけてじょうとなし、 また三昧さんまいづく。 まさしく見仏けんぶつするとき、 またしょうじゅおよびもろもろのしょうごんる。 ゆゑに見仏けんぶつじょう三昧ざんまいぞうじょうえんづく。

又以↢此[ノ]↡証。亦是弥陀仏三力スル[ガ]見仏[フ]↢三昧、即念仏行人心口称念シテ↢雑想↡、念念[メ]↠心声声相続スレバ、心眼即[チ][ケ]テ、得↠見[タテマツル]コトヲ↢彼了然トシテ而現ジタマフヲ↡。即[ケ]テ↠定、亦名[ク]↢三昧↡。正[シ]ク見仏スル時、亦見↢聖衆及[ビ]荘厳↡。故[ク]↢見仏浄土三昧増上縁↡。

二 Ⅱ ⅲ c ロ (二)(Ⅱ)(ⅺ)月灯三昧経文

【32】^また ¬*月灯がっとう三昧ざんまいきょう¼ にのたまふがごとし。

又如↢¬月灯三昧経¼云[フ]ガ↡。

^ぶつ相好そうごうおよびとくぎょうねんじて よく*諸根しょこんをして乱動らんどうせざらしめ

「念ジテ↢仏相好及徳行使↣諸根[ヲ]シテ↢乱動

しん迷惑めいわくなくほうがっして くことをればること大海だいかいのごとし

↢迷惑↡与↠法合シテ[レ]バ↠聞[ク]コトヲ[ル]コト↠知↢大海

^しゃこの三昧さんまいじゅうして ねんせっしてぎょうずれば *経行きょうぎょうところにおいて

智者住シテ↢於是三昧[ニ]シテ↠念ズレバ↢経行

よく千億せんおくのもろもろの如来にょらいたてまつり またりょう恒沙ごうじゃぶつひたてまつる」 と

タテマツリ↢千億如来亦遇[ヒ]タテマツル[ト]↢無量恒沙↡」

^またこのきょうをもつてしょうす。 またこれ見仏けんぶつ三昧ざんまいぞうじょうえんなり。

又以↢此[ノ]↡証。亦是見仏三昧増上縁[ナリ]

二 Ⅱ ⅲ c ロ (二)(Ⅱ)(ⅻ)文殊般若経文

【33】^また ¬*文殊もんじゅにゃきょう¼ (意) にのたまふがごとし。 「文殊もんじゅぶつにまうしてまうさく、 ªいかんが*いちぎょう三昧ざんまいづくるº と。 ぶつのたまはく、 ªもしなん女人にょにん*空閑くうげんところにありて、 もろもろのらんて、 ぶつ*方所ほうしょしたがひてただしょうこう0630て、 *そうみょうらずもつぱらぶつみょうしょうして、 ねんそくすることなければ、 すなはちねんのうちにおいてよくげんらいさん諸仏しょぶつたてまつるº」 と。

又如↢¬文殊波若経¼云[フ]ガ↡。「文殊白シテ↠仏、云何[クル]↢一行三昧↡。仏、若男子・女人在[リ]テ↢空[ノ]↡、捨↢諸[ノ]乱意↡、随[ヒ]テ↢仏方所↡端↠身正向シテ、不↠取↢相貌シテ↢仏名↡、念無ケレバ↢休息スルコト↡、即↢念↡能[タテマツ]ル[ト]↢過・現・未来三世諸仏↡。」

^またこのきょうをもつてしょうす。 すなはちこれ諸仏しょぶつ*同体どうたいだい念力ねんりき*加備かびしてしめたまふ。 これまたこれぼん見仏けんぶつ三昧ざんまいぞうじょうえんなり。

又以↢此[ノ]↡証。即諸仏同体大悲、念力加備シテメタマフ↠見。凡夫見仏三昧増上縁[ナリ]

二 Ⅱ ⅲ 【摂生縁】
        標章

【34】^また*せっしょうぞうじょうえんといふは、

0892↢摂生増上縁

二 Ⅱ ⅲ d 釈引
          (一)大経本願文

^すなはち *¬りょう寿じゅきょう¼ (上・意)じゅうはちがんのなかにきたまふがごとし。 「ぶつのたまはく、 ªもしわれじょうぶつせんに、 十方じっぽうしゅじょう、 わがくにしょうぜんとがんじて、 わが*みょうしょうすること、 しもじっしょういたるまで、 わが願力がんりきじょうじて、 もししょう0666ぜずは、 しょうがくらじº」 (第十八願) と。 これすなはちこれおうじょうがんずるぎょうにんいのちおわらんとほっするとき願力がんりきせっしておうじょうしむ。 ゆゑにせっしょうぞうじょうえんづく。

[チ][シ]↢¬無量寿経¼四十八願キタマフガ↡。「仏、若成仏セムニ、十方衆生、願ジテゼムト↢我[ガ]↡、称[スル]コト↢我[ガ]名字↡、下至[ル]マデ↢十声↡、乗ジテ↢我[ガ]願力↡、若者、[ト]↠取[ラ]↢正覚↡。」ズル↢往生↡行人、スル↠終[ラムト]時、願力摂シテ[シ]↢往生↡。故↢摂生増上縁↡。

二 Ⅱ ⅲ d ロ (二)皆乗大願等文

 ^またこの ¬きょう¼ (大経)じょうかん (意) にのたまはく、 「もししゅじょうありて西方さいほうりょう寿じゅ仏国ぶっこくしょうずることをるものは、 みな弥陀みだぶつ大願だいがんとう業力ごうりきじょうじてぞうじょうえんとなす」 と。 すなはちしょうとなす。 またこれせっしょうぞうじょうえんなり。

又此¬経¼上巻、「若[リ]テ↢衆生↡得↠生[ズル]コトヲ↢西方無量寿仏モノジテ↢弥陀仏大願等業力↡為スト↢増上縁↡。」即↠証也。亦是摂生増上縁ナリ

二 Ⅱ ⅲ d ロ (三)三輩往生文

 ^またこの ¬きょう¼ (大経)かん (意)はじめにのたまはく、 「ぶつきたまはく、 ª一切いっさいしゅじょう*こんじょうどうにして*じょうちゅうあり。 そのこんじょうしたがひて、 ぶつ (釈尊)0631すすめてもつぱらりょう寿じゅぶつみなねんぜしめたまふ。 そのひといのちおわらんとほっするときぶつ (阿弥陀仏)しょうじゅとみづからきたりてこうしょうして、 ことごとくおうじょうしむº」 と。 これまたこれせっしょうぞうじょうえんなり。

又此¬経¼下巻、「仏説[キタマハク]、一切衆生根性不同ニシテ↢上・中・下↡。随[ヒ]テ↢其[ノ]根性↡、仏皆勧メテゼシメタマフ↢無量寿仏[ノ]↡。其[ス]ル↠終[ラ]ムト時、仏与↢聖衆↡自[リ]テ迎接シテ、尽ム[ト]↢往生↡。」此亦是摂生増上縁[ナリ]

二 Ⅱ ⅲ d ロ (四)観経往生文

【35】^また ¬かんぎょう¼ のだいじゅういっかんおよびしもぼんのごとし。 みなこれぶつせつなり。 *じょうさんぎょうしゅするひと命終みょうじゅうとき一々いちいちにことごとくこれ弥陀みだそん、 みづからしょうじゅだいとともに授手じゅしゅこうしょうして、 おうじょうせしめたまふ。 これまたこれせっしょうぞうじょうえんなり。

又如↢¬観経[ノ]¼第十一観及[ビ][ノ]九品[ノ]↡。皆是仏自説ナリ。修[ス]ル↢定散二行↡人、命終時、一一弥陀世尊、自↢聖衆・華台↡授手迎接シテ、往生セシメタマフ。此亦是摂生増上縁[ナリ]

二 Ⅱ ⅲ d ロ (五)弥陀経往生文

【36】^また ¬*四紙しし弥陀みだきょう¼ (意) のなかにきたまふがごとし。 「ぶつのたまはく、 ªもしなん女人にょにんありて、 あるいは一日いちにち七日しちにち一心いっしんにもつぱら弥陀みだぶつみなねんずれば、 そのひといのちおわらんとほっするとき弥陀みだぶつ、 もろもろのしょうじゅとみづからきたこうしょうして、 すなはち西方さいほう極楽ごくらくかいおうじょうすることをしめたまふº と。 しゃぶつのたまはく、 ªわれこのるがゆゑにこのごんくº」 と。 すなはちしょうとなす。 これまたこれせっしょうぞうじょうえんなり。

又如↢¬四紙弥陀経¼中キタマフガ↡。「仏言、若[リテ]↢男子・女人↡、或[イハ]一日・七日、一心ズレバ↢弥陀仏↡、其命欲スル↠終ラムト時、阿弥陀仏与↢諸聖衆↡自[リ]迎接、即0893シメタマフ↣往↢生[スルコト]ヲ西方極楽世界↡。釈迦仏ル[ガ]↢是↡故ク[ト]↢此↡。」即[チ]↠証也。此亦是摂生増上縁[ナリ]

二 Ⅱ ⅲ d ロ (六)大経第十九願文

【37】^0667またじゅうはちがん (大経・上意) のなかにきてのたまふがごとし。 「たとひわれぶつたらんに、 十方じっぽうしゅじょうだいしんおこし、 もろもろのどくしゅし、 しん0632いたして発願ほつがんしてわがくにしょうぜんとほっせん。 命終みょうじゅうときのぞみて、 われ大衆だいしゅとそのまえげんぜずは、 しょうがくらじ」 (第十九願) と。 これまたこれせっしょうぞうじょうえんなり。

又如↢四十八願[キ]テ[フ]ガ↡。「設[タラ]ムニ↠仏、十方衆生、発↢菩提心↡、修↢諸功徳↡、至シテ↠心発願シテセムゼムト↢我[ガ]↡。臨[ミ]テ命終↡、↧与↢大衆↡現↦其↥者[ト]↠取↢正覚↡。」此亦是摂生増上縁[ナリ]

二 Ⅱ ⅲ d ロ (七)第二十願文

 ^またしもがん (大経・上意) にのたまふがごとし。 「たとひわれぶつたらんに、 十方じっぽうしゅじょう、 わがみょうごうきて、 おもいをわがくにけ、 しんいたしてこうしてわがくにしょうぜんとがんぜん。 すいせずは、 しょうがくらじ」 (第二十願) と。 これまたこれせっしょうぞうじょうえんなり。

又如↢下[ノ][フ]ガ↡。「設[タラ]ムニ↠仏、十方衆生、聞[キ]テ↢我名号↡、↢念↡、シテ↠心廻向シテ[ゼ]ムゼムト↢我↡。不果遂↡者、[ト]↠取↢正覚↡。」此亦是摂生増上縁[ナリ]

二 Ⅱ ⅲ d ロ (八)第三十五願文
            (Ⅰ)正引

 ^またしもがん (大経・上意) にのたまふがごとし。 「たとひわれぶつたらんに、 十方じっぽうかいに、 それ女人にょにんありて、 わがみょうきて、 かんしんぎょうし、 だいしんおこして、 女身にょしんえんせん。 命終みょうじゅうのちに、 また女身にょしんとならば、 しょうがくらじ」 (第三十五願) と。

又如↢下[ノ][ニ][フ]ガ↡。「設[タラ]ムニ↠仏、十方世界、其[リ]テ↢女人↡、聞[キ]テ↢我名字↡、歓喜信楽、発シテ↢菩提心↡、厭↢悪セム女身↡。命終之↢女身↡者[ト]↠取↢正覚↡。」

二 Ⅱ ⅲ d ロ (八)(Ⅱ)釈義

^にいはく、 すなはち弥陀みだ本願ほんがんりきによるがゆゑに、 女人にょにんぶつみょうごうしょうすれば、 まさしく命終みょうじゅうときすなはち*女身にょしんてんじてなんとなることを弥陀みだせっし、 さつたすけてほううえせしむ。 ぶつしたがひておうじょうし、 ぶつ*だいりてしょうしょうす。

、乃ルガ↢弥陀[ノ]本願力↡故、女人称[スレ]バ↢仏名号↡、正[シ]ク命終ジテ↢女身↠成ルコトヲ↢男子↡。弥陀接↠手、菩薩扶ケテ↠身セシム↢宝華↡。随[ヒ]テ↠仏往生、入[リ]テ↢仏大会↡証↢悟無生↡。

^また一切いっさい女人にょにんもし弥陀みだ*みょう願力がんりきによらずは、 千劫せんごう万劫まんごうごうしゃとうこうにも、 つひに女身にょしんてんずることをべからず、 るべ0633し。 いまあるいは*道俗どうぞくありて、 女人にょにんじょうしょうずることをずといはば、 これはこれ妄説もうせつなり、 しんずべからず。 またこのきょうをもつてしょうす。 またこれせっしょうぞうじょうえんなり。

又一切女人若[シ]↠因↢弥陀名願力↡者、千劫・万劫・恒河沙等[ニモ]ツイ↠可[カ]ラ得↠転ズルコトヲ↢女身↡、応↠知。今或[イ]ハ[リ]テ↢道俗↡、ハバ↢女人不↟得↠生ズルコトヲ↢浄土↡者、此妄説ナリ不↠可[カ]ラ↠信也。又以↢此[ノ]↡証。亦摂生増上縁[ナリ]

二 Ⅱ ⅲ 【証生縁】
        標章

【38】^また*証生しょうしょうぞうじょうえんといふは、

0894[フ]↢証生増上縁[ト]

二 Ⅱ ⅲ e 正釈
          (一)総料簡二縁
            (Ⅰ)明正為凡夫
              (ⅰ)

^ひていはく、 いますでに弥陀みだじゅうはちがん一切いっさいしゅじょうせっしてじょうしょうずることをしむといはば、 いまだらず、 なんらのしゅじょうせっしてかしょうずることをしむる。 またこれ何人なんぴと*とくしょうしょうするや。

[ヒテ][ク]、今既[ニ][ハバ]↧弥陀四十八願、摂シテ↢一切衆生シムト↞生ズルコトヲ↢浄土↡者、未↠知、摂シテ[カ]↢何等衆生↡得シムル↠生ズルコトヲ。又ナニ保↢証スル得生↡也。

二 Ⅱ ⅲ e ロ (一)(Ⅰ)(ⅱ)引経答

^こたへていはく、 すなはち0668 ¬かんぎょう¼ (意)きてのたまふがごとし。 「ぶつだいげたまはく、 ªなんぢいまるやいなや。 弥陀みだぶつ、 ここをりたまふこととおからず。 なんぢまさにおもいけてあきらかにかのくにかんずべし。 じょうごうじょうずるものなり。 またらい一切いっさいぼんをして、 西方さいほう極楽ごくらくこくしょうずることをしめんº」 と。 いまこのきょうをもつてしょうす。 ただこれぶつめつぼんぶつ願力がんりきじょうじてさだめておうじょう。 すなはちこれ証生しょうしょうぞうじょうえんなり。

[ヘテ][ク]、即[チ][シ]↢¬観経¼説[キ]テ[フ]ガ↡。「仏告[ゲタマハ]ク↢韋提↡、汝今知ルヤ。阿弥陀仏去リタマフコト↠此不↠遠[カ]ラケテ↠念↢彼↡。浄業成ズルナリ。亦メム[ト]↢未来世一切凡夫ヲシテ得↟生[ズル]コトヲ↢西方極楽国土↡。」今以↢此[ノ]↡証。但是仏滅後凡夫、乗ジテ↢仏願力↡定[メ]テ得↢往生↡。即証生増上縁[ナリ]

二 Ⅱ ⅲ e ロ (一)(Ⅱ)明善悪二性
              (ⅰ)

【39】^またひていはく、 しゃおしえきてしゅじょう*示悟じごしたまふ。 なんがゆゑぞ一種いっしゅ仏法ぶっぽうにすなはちしんしんありて、 ともにあひ*譏毀ききするはなんの所以ゆえんかある。

又問[ヒテ][ク]、釈迦キテ↠教示↢悟シタマフ衆生↡。何一種仏法[チ][リ]テ↢信不信↡、共譏毀スル↢何[ノ]所以↡。

二 Ⅱ ⅲ e ロ (一)(Ⅱ)(ⅱ)
                (a)正答

^こたへていはく、 ぼん*しょうにそのしゅあり。 いちにはぜんしょうにんにはあくしょうにんなり。

[ヘテ][ク]、凡夫機性↢其二種↡。一[ニ]者善性人、二[ニ]者悪性ナリ

二 Ⅱ ⅲ e ロ (一)(Ⅱ)(ⅱ)(b)釈二性

・善性

^0634ぜんしょうにんとは、 いちにはきてすなはちあくててぜんぎょうずる善人ぜんにんにはじゃててしょうぎょうずる善人ぜんにんさんにはててじつぎょうずる善人ぜんにんにはててぎょうずる善人ぜんにんにはててしんぎょうずる善人ぜんにんなり。

善性ニハ[キ]テテテ↠悪ズル↠善善人、二[ニ]者捨テテ↠邪ズル↠正善人、三[ニ]者捨テテ↠虚ズル↠実善人、四[ニ]者捨テテ↠非ズル↠是善人、五[ニ]者捨テテ↠偽ズル↠真善人[ナリ]

^このしゅひともしよくぶつすれば、 すなはちよく自利じり利他りたす。 いえにありてはきょうぎょうじ、 ほかにありてはまたにんし、 *もうにありてはしんぎょうじ、 *ちょうにありてはくんづけ、 きみつかへてはよくちゅうせつつくす。 ゆゑにしょう善人ぜんにんづくるなり。

[ノ]五種人若スレバ↠仏、即自利利他。在[リ]テハ↠家↠孝、在[リ]テハ↠外亦利↢他人↡、在[リ]テハ↠望↠信、在[リ]テハ↠朝↢君子↡、ツカ[ヘ]テハ↠君↢忠節↡。故ク[ル]↢自性善人↡也。

・悪性

^あくしょうにんといふは、 いちにはすなはちしんほうじてぎょうずる悪人あくにんにはしょうほうじてじゃぎょうずる悪人あくにんさんにはほうじてぎょうずる悪人あくにんにはじつほうじてぎょうずる悪人あくにんにはぜんほうじてあくぎょうずる悪人あくにんなり。

↢悪性人、一ニハジテ↠真ズル↠偽悪人、二[ニ]者謗ジテ↠正[ズ]ル↠邪悪人、三[ニ]者謗ジテ↠是[ズ]ル↠非悪人、四[ニ]者謗ジテ↠実[ズ]ル↠虚悪人、五[ニ]者謗ジテ↠善[ズ]ル↠悪悪人[ナリ]

^またこのしゅひともしがんじてぶつせんとほっするも、 自利じりすることあたはず、 またにんせず。 またいえにありてはきょうもうにありてはしんなく、 ちょうにありてはしょうづけ、 きみつかへてはすなはちつねに*てんにょういだく。 これをちゅうといふ。 またこのひと賢徳げんとく善人ぜんにんうえにおいて、 ただよくやぶじょうじ、 ただ0669あくのみをる。 ゆゑにしょう悪人あくにんづくるなり。

又此[ノ]五種人若スルモ↢願ジテセムト↟仏、不↠能↢自利0895スルコト↡、亦不↠利↢他人↡。又在[リ]テハ↠家カウ、在[リ]テハ↠望↠信、在[リ]テハ↠朝↢小児↡、ツカヘテハ↠君イダ諂佞テムネイヘツラフ↡。↢之不忠↡。又此[ノ]人等、於↢他賢徳善人[ノ]↡、唯能ヤブ↠非、但↢他ノミヲ↡。故ク[ル]↢自性悪人↡也。

^またかみ諸仏しょぶつげんじょうより、 人天にんでん六道ろくどう一切いっさいりょうぜんいたるまで、 これらの悪人あくにんをばそしりてじょくするところなり、 もろもろの有智うちのもの、 0635るべし。

[ハ]ルマデ↢諸仏・賢聖ヨリ、人天・六道一切良善↡、此等悪人ヲバソシリテニクスル↡也、諸有智モノ、応

二 Ⅱ ⅲ e ロ (一)(Ⅱ)(ⅱ)(c)結示

^いま一々いちいちにつぶさに善悪ぜんあくしょうひとく。 どう*顕然けんねんなり。 かみといこたへをはりぬ。

今一一[ニ]ツブサ↢善悪二性↡。ダウ顕然ケンゼンナリ。答↡竟[リ]ヌ

二 Ⅱ ⅲ e ロ (二)別就当縁明
            (Ⅰ)十三総告文

【40】^またしもの ¬きょう¼ (観経・意) にのたまはく、 「ぶつだいげたまはく、 ªなんぢおよびしゅじょう専心せんしんおもい一処いっしょけて、 西方さいほう地下じげ*金幢こんどうじょう衆宝しゅぼうしょうごんおもふべしº」 と。 しも*じゅうさんがんいたるこのかたは、 そうじてかみ*だいしょうこたへ、 もつて明証みょうしょうとなす。 ˆしゃくそんはˇ 善悪ぜんあくぼんをしてしんぎょうして、 ことごとくおうじょうしめんとほっす。 これまたこれ証生しょうしょうぞうじょうえんなり。

又下[ノ]¬経[ニ]¼云、「仏告[ゲタマハ]ク↢韋提↡、衆生、専心ケテ↢念一処↡、想[フ]ベシ[ト]↢於西方[ノ]地下[ノ]金幢、地上[ノ]衆宝荘厳↡。」↢十三観↡已来[タ]ハ、総ジテ[ヘ]↢上韋提二請↡、以↢明証↡。欲↠使メムト↣善悪凡夫ヲシテ廻心[シ]起行シテコトゴト得↢往生↡。証生増上縁[ナリ]

二 Ⅱ ⅲ e ロ (二)(Ⅱ)宝楼観文

 ^またしもの ¬きょう¼ (観経・意) にのたまふがごとし。 「衆宝しゅぼうこくひゃくおく宝楼ほうろうあり。 その楼閣ろうかくのなかにりょう天人てんにんありて、 てんがくをなす。 この衆音しゅおんのなかに、 みな*ぶっ法僧ぽうそうねんずることをく。 このおもいじょうじをはれば、 いのちおわらんとほっするとき、 さだめてかのくにしょうず」 と。 またこのきょうをもつてしょうす。 またこれ証生しょうしょうぞうじょうえんなり。

又如↢下[ノ]¬経[ニ]¼云[フ]ガ↡、「衆宝国土↢五百億宝楼↡。其楼閣[リ]テ↢無量天人↡、作↢天伎楽↡。此衆音ズルコトヲ↢仏法僧↡。此[ノ]想成[ジ]レバ命欲スル↠終ラムト時、定[メ]テズ[ト]↢彼[ノ]↡。」又以↢此[ノ]↡証。亦証生増上縁[ナリ]

二 Ⅱ ⅲ e ロ (二)(Ⅲ)華座観文

 ^またしもの ¬きょう¼ (観経・意) にのたまふがごとし。 「ぶつなんげたまはく、 ªかくのごときみょうはこれもと法蔵ほうぞう比丘びく願力がんりきしょじょうなり。 もしかのぶつねんぜんとほっせば、 まさにづこの華座けざおもいをなすべし。 一々いちいちにこれをかんじてみなぶんみょう0636ならしめよ。 このおもいじょうずるものは、 ひつじょうしてまさに極楽ごくらくかいしょうずべしº」 と。 またこのきょうをもつてしょうす。 またこれ証生しょうしょうぞうじょうえんなり。

又如↢下[ノ]¬経¼云[フ]ガ↡。「仏告[ゲタマハ]ク↢阿難↡、↠此クノ妙華モト法蔵比丘願力所成ナリ。若↠念[ゼ]ムト↢彼[ノ]↡者、当↣先↢此華座↡。一一ジテ↠之メヨ↢分明ナラ↡。此想成ズルモノ、必定シテシ[ト]↠生↢極楽世界↡。」又以↢此[ノ]↡証。亦証生増上縁[ナリ]

二 Ⅱ ⅲ e ロ (二)(Ⅳ)大経下巻文

【41】^また ¬りょう寿じゅきょう¼ (下・意) にのたまふがごとし。 「ぶつなんげたまはく、 ªそれしゅじょうありてかのくにしょうずるものは、 みなことごとく正定しょうじょうじゅじゅうす。 十方じっぽう諸仏しょぶつみなともにかのぶつ讃歎さんだんしたまふ。 もししゅじょうありて、 そのみょうごうきて、 信心しんじんかん0670し、 すなはち一念いちねんいたるまでせん。 かのくにしょうぜんとがんずれば、 すなはちおうじょう退転たいてんじゅうすº」 と。 またこのきょうをもつてしょうす。 またこれ証生しょうしょうぞうじょうえんなり。

0896↢¬無量寿経¼云[フ]ガ↡。「仏告[ゲタマハ]ク↢阿難[ニ]↡、其[リ]テ↢衆生↡ズル↢彼[ノ][ニ]↢於正定之聚[ニ]↡。十方[ノ]諸仏讃↢歎シタマフ[ノ]↡。若[リ]テ↢衆生↡、聞[キ]テ↢其[ノ]名号↡、信心歓喜ルマデセム一念。願[ズ]レバ↠生[ゼ]ムト↢彼[ノ]↡、即↢往生↡住ス[ト]↢不退転↡。」又以↢此[ノ]↡証。亦是証生増上縁[ナリ]

二 Ⅱ ⅲ e ロ (二)(Ⅴ)観経九品文

【42】^また ¬かんぎょう¼ のぼんにのたまふがごとし。 一々いちいちほんのなかにぐるところのしゅじょうは、 みなこれもしはぶつざい、 もしは仏滅ぶつめつじょくぼんなり。 ぜんしきの、 すすめてしんしょうぜしむるにひて、 かい念仏ねんぶつし、 *じゅきょう礼讃らいさんしてけつじょうしておうじょうす。 ぶつ願力がんりきをもつてことごとくおうじょう。 これまたこれ証生しょうしょうぞうじょうえんなり。

又如↢¬観経¼九品[フ]ガ↡。一一↠告[グ]ル衆生[シ]ハ[ノ]在世、若[シ]ハ仏滅後五濁凡夫[ナリ]。遇[ヒ]テ↢善知識、勧メテ[ム]ルニ↟生↠信、持戒[]念仏[シ]誦経[]礼讃シテ、決定[シテ]往生。以↢仏願力↡尽得↢往生↡。此亦是証生増上縁[ナリ]

二 Ⅱ ⅲ e ロ (二)(Ⅵ)弥陀経文
              (ⅰ)正引

【43】^また ¬弥陀みだきょう¼ (意) にのたまふがごとし。 「六方ろっぽうにおのおのごうしゃとう諸仏しょぶつましまして、 みなしたべてあまねく三千さんぜんかいおおひて、 じょうじつごんきた0637まはく、 ªもしはぶつ (釈尊)ざい、 もしは仏滅ぶつめつ一切いっさい造罪ぞうざいぼん、 ただしんめぐらして弥陀みだぶつねんじて、 じょうしょうぜんとがんずれば、 かみひゃくねんつくし、 しも七日しちにち一日いちにちじっしょうさんしょういっしょうとういたるまで、 いのちおわらんとほっするときぶつしょうじゅとみづからきたこうしょうして、 すなはちおうじょうしむº」 と。

又如↢¬弥陀経¼云[フ]ガ↡。「六方[ニ][ノ]マシマシテ↢恒河沙等諸仏↡、[ベ]テ↠舌[ヒ]テ↢三千世界↡、説キタマハク↢誠実↡、若[シ]ハ[ノ]在世、若[シ]ハ仏滅後一切造罪凡夫、但廻[シ]テ↠心ジテ↢阿弥陀仏↡、願[ズ]レバ↠生[ゼム]ト↢浄土↡、ツク↢百年↡、下至ルマデ↢七日・一日、十声・三声・一声等↡、命欲スル↠終ラムト時、仏与↢聖衆↡自[リ]迎接シテ、即シム[ト]↢往生↡。」

^かみ六方ろっぽうとうぶつ舒舌じょぜつのごときは、 さだめてぼんのためにしょうをなしたまふ。 つみめっしてしょうずることをと。 もしこのしょうによりてしょうずることをずは、 六方ろっぽう諸仏しょぶつ舒舌じょぜつひとたびくちよりでて以後いご、 つひにくちかえらずして、 ねん*らんせん。 これまたこれ証生しょうしょうぞうじょうえんなり。

キ[ハ]↢上六方等[ノ]舒舌↡、定[メ]テ↢凡夫↡作シタマフ↠証。罪滅シテ↠生[ズルコト]ヲ。若↧依[リ]テ↢此[ノ]↡得↞生[ズル]コトヲ者、六方諸仏舒舌、一[タ]ビデテ↠口ヨリ已後、シテ↣還↢入↡、自然壊爛セム。此亦是証生増上縁[ナリ]

二 Ⅱ ⅲ e ロ (二)(Ⅵ)(ⅱ)述意

【44】^またうやまひて一切いっさいおうじょうにんとうにまうす。 もしこのかば、 すなはちこえおうじてかなしみてなみだあめふらし、 *連劫れんごう累劫るいこうにしほねくだきて仏恩ぶっとんらい報謝ほうしゃして、 *本心ほんしんかなふべし。 あにあへてさらに毛髪もうはつはばかしんあらんや。

又敬[ヒ]テ↢一切[ノ]往生人等↡。若カバ↢此[ノ]↡、即ジテ↠声シミテラシナミダ、連劫累劫ニシ↠身クダ0897キテホネ報↢謝シテ仏恩由来↡、カナフベシ↢本心↡。豈ラムヤ↢毛髪ハヾカ之心↡。

二 Ⅱ ⅲ e ロ (三)結凡聖通入

^またもろもろのぎょうにんとうにまうす。 一切いっさい罪悪ぞうあくぼんすらなほ罪滅ざいめつこうむり、 せっしてしょうずることをしむとしょうす、 いかにいはんやしょうにんしょうぜんとがんじて0671くことをざらんや。

↢諸行人等↡。一切罪悪凡夫[スラ]↢罪滅↡証↢摂シテシムト↟生ズルコトヲ、何聖人[ジ]テ↠生[ゼムト]ラムクコトヲ

^じょうらいそうじてさきといに、 「なんらのしゅじょうせっしてかじょうしょうずることをしむる」 といふことにこたふ。

上来ジテ↧前、摂シテカ↢何等衆生↡得シムルトイフコトニ↞生ズルコトヲ↢浄土↡。

総結義

^*しゅぞうじょうえんおわりぬ。

五種増上縁義竟[リ]ヌ

【結勧修行分】
  総明信謗損益
   

063845】^ひていはく、 しゃしゅつげんしてじょくぼんせんがために、 すなはち慈悲じひをもつて、 *じゅうあくいんさんほうすることをかいしたまひ、 またびょうどう智慧ちえをもつて、 人天にんでんして弥陀みだ仏国ぶっこくしょうずることをにゅうせしめたまふ。 しょきょう*とんぎょうもん歴然れきねんなり。

[ヒ]テ、釈迦出現シテ、為↠度セムガ↢五濁凡夫↡、即↢慈悲↡、開↣示シ[タマヒ]十悪之因[]報↢果スルコトヲ三塗之苦↡、又以↢平等[ノ]智慧↡、悟↣入[セ]シメタマフ人天廻シテズルコトヲ↢弥陀仏国↡。諸経頓教モン歴然レキゼンナリ

^いますなはちひとありて公然こうねんとしてしんぜず、 ともにあひ*誹毀ひきするものは、 いまだらず、 このひとげんしょうおよび死後しごになんの罪報ざいほうをかる。 つぶさにぶっきょうきて、 それがためにしょうをなして*がいしょうじ、 ぶつだいじょうしんじ、 してじょうしょうぜしめて、 すなはちやくをなせ。

今乃[リ]テ↠人公然コウゼントシテ不↠信、共誹毀スルモノ、未、此人現生及[ビ]死後罪報↡。具[キ]テ↢仏経↡、シテ[メ]テ↧生↢改悔↡、信↢仏大乗↡、廻シテ↦浄土↥、即↢利益↡也。

三 Ⅰ
      略答

^こたへていはく、 ぶつきょうによりてこたふれば、 またこの悪人あくにんかみあくしょうぶんのなかにすでにきをはるがごとし。

[ヘテ][ク]、依[リ]テ↢仏経↡答[フレバ]者、又此悪人[ハ]↢上五悪性分ルガ↡。

三 Ⅰ ⅱ 引経

^いまただちにぶつきょうきてもつて明証みょうしょうとなさん。 すなはち ¬じゅうおうじょうきょう¼ (意) にのたまふがごとし。

[キ]テ↢仏経↡以サム↢明証↡。即↢¬十往生経¼云[フ]ガ↡。

・勧持勧説

^ぶつ山海さんかいさつげたまはく、 ªなんぢいま一切いっさいしゅじょうせんがために、 まさにこのきょうじゅすべしº と。 ぶつ、 また山海さんかいげたまはく、 ªこのきょうづけて*かん弥陀みだぶつ色身しきしんしょうねんだつ三昧ざんまいきょうとなす。 また*しょ有流うるしょう八難はちなんえんしゅじょうきょうづく。 かくのごとくじゅすべし。

「仏告[ゲタマハ]ク↢山海慧菩薩↡、今為↠度セムガ↢一切衆生↡、↣受↢持↡。仏又告[ゲタマハ]ク↢山海慧↡、是[ケ]テ↢観阿弥陀仏色身正念解脱三昧経↡。亦名↢度諸有流生死八難有縁衆生経↡。如↠是[ク]ノ受持スベシ

・利益広大

^しゅじょうのいまだ念仏ねんぶつ三昧ざんまいえんあらざるものには、 このきょうよくためにだい三昧さんまいもんかいすることをなす。 このきょうよくしゅじょうのためにごくもんづ。 このきょうよくしゅじょうのためにひとがい0639するあくのぞ*殄滅でんめつして、 *こうことごとくみな安穏あんのんなりº と。 ぶつ山海さんかいげたまはく、 ªわが所説しょせつのごときは、 そのかくのごとしº と。

衆生↠有↢念仏三昧縁↡者ニハ経能スルコトヲ↢大三昧門↡。是経能↢衆生↢地獄↡。是[ノ]経能↢衆生↢害スル↠人悪鬼↡殄滅シテ、四向悉0898安穏ナリ。仏告[ゲタマハ]ク↢山海慧↡、如キハ↢我所説↡、其義如↠是[ク]ノ

・毀謗罪重

^山海さんかいぶつにまうしてまうさく、 ªらいしゅじょうおおほうすることあらん。 かくのごときひとのちにおいていかんº と。

山海慧白[シ]テ↠仏、未来衆生多ラム↢誹謗[スルコト]↡。如↠是[ク]ノ之人於↠後云何 カ

^ぶつのたまはく、 ªのちにおいてえんだいに、 あるいは比丘びく比丘尼びくに、 もしはなん、 もしはにょありて、 このきょう読誦どくじゅすることあるをて、 あるいはあひしんし、 しんほういだかん。 このほうしょうぼう0672によるがゆゑに、 このひと現身げんしんにもろもろのあく重病じゅうびょうて、 *身根しんこんせず。 あるいはろうびょうもうびょう失陰しつおんびょう鬼魅きみじゃきょうふうりょうねつ水腫すいしゅ失心しっしんん。

ノタマハ↠後閻浮提、或[イ]ハ[リ]テ↢比丘・比丘尼、若[シハ]男若[シハ]女↡、見↠有[ル]ヲ↣読↢誦スルコト↡、或[イ]ハ瞋恚、心イダカム↢誹謗↡。ルガ↢是謗正法↡故、是人現身↢諸悪重病↡、身根不↠具。或[イ]ハ↢聾病・盲病・失陰病・鬼魅・邪狂・風冷・熱痔・水腫・失心↡。

^かくのごときのもろもろのあく重病じゅうびょう世々せせにあらん。 かくのごとくけて、 坐臥ざがやすからず。 だいしょう便べんまたみなつうぜず。 しょうもとめ、 もとむるにず。 このきょうほうずるがゆゑに、 くることかくのごとし。

↠是[ク]ノ悪重病、世世ラム↠身↠是[ク]ノケテ↠苦、坐臥↠安カラ。大小便利亦↠通。求↠生ムルニ↠死不↠得。謗ズルガ↢是↡故クルコト↠是[クノ]

^あるときしてのちごくして八万はちまんごうのうちにだいのうけ、 ひゃくせんまんにもいまだかつて水食すいじきかざらん。 このきょうほうずるがゆゑに、 つみることかくのごとし。

シテシテ↢於地獄↡八万劫↢大苦悩↡、百千万世ニ[モ]ラム↣曽↢水食之名↡。謗ズル[ガ]↢是[ノ]↡故、得[ル]コト↠罪↠是[ク]ノ

^あるときづることをて、 うまれてにんちゅうにあるも、 ちょようとなりて、 ひとのためにころされてだいのうけん。 このきょうほうずるがためのゆゑなり。

↠出[ズルコト]ヲ、生[レ]テルモ↢人中↡、作[リ]テチヨヤウ↡、↠人↠殺ケム↢大苦悩↡。為↠謗ズル[ガ]↢是[ノ]↡故ナリ

^のち人身にんじんるも、 つねにせんしょうじてひゃくせん0640まんにもざいず、 ひゃく千万せんまんにも三宝さんぼうみょうざらん。 このきょうほうずるがためのゆゑに、 くることかくのごとし。

ルモ↢人身↡、ツネジテ↢下賎↡百千万世ニ[モ]↠得↢自在↡、百千万世ニ[モ]ラム↢三宝名字↡。為↠謗[ズ]ル[ガ]↢是↡故、受[クル]コト↠苦↠是[ク]ノ

・簡弁弘説

^このゆゑに無智むちひとのなかにしてこのきょうくことなかれ。 しょうかんしょうねんなるかくのごときひとには、 しかしてのちにためにけ。 *彼此ひしこのきょううやまはざれば、 ごくす。 彼此ひし敬重きようじゅうすれば、 しょうだつ弥陀みだ仏国ぶっこくおうじょうすº」 と。

無智ニシテ↠説[ク]コト↢是↡。正観・正念[ナル]↠是[ク]ノ之人[ニハ]、然シテ[ニ]。彼此不レバウヤマ↢是↡、堕↢於地獄↡。彼此敬重スレバ、得↢正解脱↡往↢生ス[ト]阿弥陀仏国↡。」

三 Ⅰ ⅱ 結証

^いままたこのきょうをもつてしょうす。 ゆゑにりぬ、 *きょうのもの、 ぶっ損益そんやくむなしからず、 るべし。 つぶさにさきといこたへをはりぬ。

今又以↢此[ノ]↡証。故[リ]ヌ、毀敬之モノ、仏記損益不↠虚シカラ、応↠知サキ↡竟[リ]ヌ

別勧依経修行
    明念仏功能超絶
     

【46】^またふ。 もし仏滅ぶつめつ一切いっさい善悪ぜんあくぼんだいしんおこして弥陀みだ仏国ぶっこくしょうぜんとがんずるものは、 にちしんけてこのいっしょうおわるまで、 *しょうかんらいさんし、 こうをもつて弥陀みだぶつおよび観音かんのんしょうじゅじょうしょうごんようし、 念々ねんねん観想かんそうして、 三昧さんまいあるいはじょうじ、 いまだじょうぜざるものも、 げんしょうになんのどくをかる。 つぶさにぶつきょうきてもつて明証みょうしょうとなせ。 修学しゅがくぎょうにんをしてかんあいぎょうし、 信受しんじゅぎょうせしめんとほっす。

又問。若仏滅後一切善悪凡夫、発シテ↢菩提心↡願ズル↠生ゼムト↢弥陀仏国モノ[ハ]、日夜[カ]0899[ケ]テ↠心ルマデ↢此[ノ]一生↡、称・観・礼・讃、香華ヲモテ供↢養阿弥陀仏及観音聖衆[]浄土[ノ]荘厳↡、念念観想シテ、三昧或[イ]ハ、未↠成モノ[モ]、現生功徳ヲ[カ]↡。[キ]テ↢仏経↡以↢明証↡。↠令メムト↢修学行人ヲシテ歓喜愛楽[シ][]信受奉行↡。

三 Ⅱ ⅰ
        先嘆所問

^こたへていはく、 こころよくこのへり。 すなはちこれ六道ろくどうしょういんぎょう閉絶へいぜつ0673して、 ながじょうらくじょう*要門ようもんひらく。 ただ弥陀みだがんかなふのみにあらず、 またすなはち諸仏しょぶつあまねくみなおなじくよろこびたまふ。

[ヘテ][ク]ヘリ↢斯↡。即閉↢絶シテ六道生死之因行↡、永↢常楽浄土之要門↡也。非↢直弥陀カナフノミニ↟願、亦乃[チ]諸仏普[ジ]クビタマフ

三 Ⅱ ⅰ b 正引経証

^いまきょうにより0641てつぶさにこたふれば、 すなはち ¬般舟はんじゅ三昧ざんまいきょう¼ (意)きたまふがごとし。

今依[リ]テ↠経フレバ者、即[チ]↢¬般舟三昧経¼説[キタマフ]ガ↡。

・法説

^ぶつばつさつげたまはく、 ªこの念仏ねんぶつ三昧ざんまいのなかにおいて、 四事しじようあり。 飲食おんじきぶく臥具がぐ湯薬とうやくなり。 それをたすけてかんせしめよ。 過去かこ諸仏しょぶつもこのねん弥陀みだぶつ三昧ざんまいたもちて、 四事しじをもつてたすけてかんせしめてみなじょうぶつたまへり。 現在げんざい十方じっぽう諸仏しょぶつもまたこの念仏ねんぶつ三昧ざんまいたもちて、 四事しじをもつてたすけてかんせしめてみなぶつたまへり。 らい諸仏しょぶつもまたこの念仏ねんぶつ三昧ざんまいたもちて、 四事しじをもつてたすけてかんせしめてみなぶつたまふº と。

「仏告[ゲタマハ]ク↢跋陀和菩薩↡、於↢是[ノ]念仏三昧↡、有↢四事供養↡。飲食・衣服・臥具・湯薬ナリ。助[ケ]テ↠其歓喜セシメヨ。過去諸仏[モ]タモ[チ]テ↢是[ノ]念阿弥陀仏三昧↡、四事ヲモテケテ歓喜セシメテタマヘリ↢成仏↡。現在十方諸仏[モ]亦持[チ]テ↢是[ノ]念仏三昧↡、四事ヲモテケテ歓喜セシメテタマヘリ↢作仏↡。未来諸仏[モ]亦持[チ]テ↢是念仏三昧↡、四事ヲモテケテ歓喜セシメテタマフ[ト]↢作仏↡。

・譬説

^ぶつばつげたまはく、 ªこのねん弥陀みだぶつ三昧ざんまい四事しじじょかんは、 われこの三昧さんまいのなかにおいて、 そのしょうきて念仏ねんぶつどく*きょうせん。 たとへば人寿にんじゅひゃくさいならん、 またうまれてよりすなはちよくぎょうそうすることろういたるまで疾風しっぷうぎたるがごとし。 ひとありてよくその*どうはかるやいなやº と。 ばつまうさく、 ªよくはかるものなしº と。

仏告[ゲタマハ]ク↢跋陀和↡、是[ノ]念阿弥陀仏三昧四事助歓喜↢是[ノ]三昧↡、説[キ]テ↢其比↢校セム念仏功徳↡。譬ヘバ人寿百歳ナラム、亦生[レ]テヨリ行走スルコト[ル]マデ↠老ギタルガ↢於疾風↡。有[リ]テ↠人能ハカルヤ↢其道里以不 イナ 。跋陀和シ[ト]↢能モノ↡。

^ぶつのたまはく、 ªわれさらになんぢおよびもろもろのさつとうかたる。 もしぜんなん女人にょにん、 このひとぎょうしょ、 なかに*著満ちょまんせる珍宝ちんぽうりてもつて布施ふせするに、 るところのどくは、 ひとありてこのねん弥陀みだぶつ三昧ざんまいきて、 四事しじをもつてようしてたすけてかんせしむるどくにはしかず。 かみ布施ふせするものに0642ぎたることせん万億まんおくばいなり。 また*きょうにあらずº と。

仏言 サラ菩薩等↡。若善男子・女人、リテ↧是行処、著↢満セル↡珍宝以用布施スルニ↠得功徳[ハ]不↠如[カ]↧有[リ]テ↠人聞[キ]テ↢是[ノ]念阿弥陀仏三昧↡、四事ヲモテ供養シテケテ歓喜セシムル功徳ニハ↥。ギタルコトカミ0900布施スルモノ↡千万億倍ナリ。亦非↢比校↡。

・因縁説

^ぶつのたまはく、 ª乃往ないおうおん*可計かけそうこうぶつましましき、 ごうして私訶しかだいといひ、 くにばつづく。 転輪てんりんおうあり、 づけてきんといふ。 仏所ぶっしょおうしたてまつる。 ぶつおうこころりて、 すなはちためにこの念仏ねんぶつ三昧ざんまい四事しじじょかんきたまふ。 おうきてかんして、 すなはち種々しゅじゅ珍宝ちんぽうちてもつてぶつ0674うえさんず。 おうみづからがんじてまうさく、 «このどくちて、 十方じっぽう人天にんでんをしてみな安穏あんのんしめん»º と。

仏言、乃往久遠、不可計阿僧祇劫マシマシキ↠仏、号シテ[ヒ]私訶シカダイ↡、国↢跋陀和↡。有[リ]↢転輪王↡、名[ケ]テキム↡。往↢至シタテマツル仏所↡。仏知[リ]テ↢王↡、即キタマフ↢是[ノ]念仏三昧四事助歓喜↡。王聞[キ]テ歓喜シテ、即[チ]テ↢種種珍宝↡以↢仏[ノ]↡。王[ラ]ジテ、持[チ]テ↢是功徳↡、令メム[ト]↣十方人天ヲシテ↢安穏↡。

^ぶつのたまはく、 ªそのおうおわりてのち、 またみづからそのいえうまれてたいとなる。 ぼんだつづく。 とき比丘びくあり、 づけて珍宝ちんぽうといふ。 つねに*四部しぶ弟子でしのためにこの念仏ねんぶつ三昧ざんまいく。 ときおうこれをきて四事しじをもつてたすけてかんせしむ、 すなはち宝物ほうもつをもつて比丘びくうえさんず。 またぶくちてもつてこれをようす。 おう千人せんにん比丘びくところにおいてしゅっして、 この念仏ねんぶつ三昧ざんまいがくすることをもとめて、 つねに千人せんにんとともにその*じょうす。 はっ千歳せんざいにちおこたることなし。

仏言、其オハ[リ]テ[ラ][レ]テ↢其↢太子也。名↢梵摩達↡。時[リ]↢比丘↡、名[ケ]テ↢珍宝↡。ツネ↢四部弟子↡説↢是[ノ]念仏三昧↡。時[ニ]王聞[キ]テ↠之四事ヲモテケテ歓喜セシム、即↢宝物↡散↢比丘↡。又持[チ]テ↢衣服↡以供↢養↡。王↢千人↡↢比丘↡出家シテモトメテ↠学スルコトヲ↢是[ノ]念仏三昧↡、常↢千人↡共承↢事↡。経↢八千歳↡日夜オコタルコト

^ただいちこの念仏ねんぶつ三昧ざんまいくことをて、 すなはちこうみょうり、 かへりてのちさらに六万ろくまん八千はっせん諸仏しょぶつたてまつる。 一々いちいち仏所ぶっしょにおいてみなこの念仏ねんぶつ三昧ざんまいきてぶっじょうずることをたりº と。

唯得↣一度聞クコトヲ↢是[ノ]念仏三昧↡、即↢高明智↡、リテノチサラタテマツル↢六万八千諸仏↡。↢一一仏所↡皆聞[キ]テ↢是念仏三昧タリ↠成[ズル]コトヲ↢仏果↡。

・重勧求学

^ぶつのたまはく、 ªもしひとひゃくせんせん0643なるも、 この念仏ねんぶつ三昧ざんまいかんとほっせばかならずきてこれをもとむべし。 いかにいはんやちかくしてがくもとめざらんものをやº」 と。

仏言、若人百里・千里・四千里ナルモセバ↠聞カムト↢是[ノ]念仏三昧↡必キテムベシ↠之。何クシテ而不ラム↠学モノヲヤト。」

三 Ⅱ ⅰ b 結釈

^またもろもろのおうじょうにんとうにまうす。 じょうらい所引しょいんぶっきょうをもつて明証みょうしょうとなすものなり。 一々いちいちつぶさには 「*四事しじようどくぼん」 のなかにきたまふがごとし。

又白↢諸往生人等↡。上来所引仏教↢明証モノナリ。一一ニ[ハ]↢「四事供養功徳品」中[キタマフ]ガ↡。

三 Ⅱ 明懴悔滅罪方法
     

【47】^ひていはく、 ぶっきょうじゅんして*しょうごんぎょうして、 にちろく礼念らいねんぎょうどう観想かんそう転誦てんじゅし、 斎戒さいかいして一心いっしんしょう*厭患えんげんし、 さんおそれて、 この*いちぎょうへてじょう弥陀みだ仏国ぶっこくしょうぜんとちかふもの、 またおそらくは*残殃ざんおうきずして、 げんじゅうあく相応そうおうせん。 このさわりありとかくせば、 いかんが除滅じょめつせん。 つぶさにぶつきょうきてその方法ほうほうしめせ。

[ヒテ][ク]、准↢依シテ仏教↡精勤苦行シテ、日夜六時礼念・行道・観想・転誦[シ]、斎戒シテ一心厭↢患生死↡、畏[レ]テ↢三塗↡、ヘテ↢此[ノ]一形[ヲ]↠生[ゼ]ムト↢浄土[ノ]弥陀仏国モノ、又恐クハゼンアウ0901シテ、現↢十悪↡相応セムカクセバリト↢斯↡者、云何 ン除滅セム[キ]テ↢仏経↢其方法↡。

三 Ⅱ ⅱ
        明至誠懴悔相

^こたへていはく、 ぶつきょうによりてこたふれば、 すなはち ¬*観仏かんぶつ三昧ざんまいかいきょう¼ (意)きたまふがごとし。

[ヘ]テ、依[リ]テ↢仏経↡答フレバ者、即↢¬観仏三昧海経¼説[キタマフ]ガ↡。

^ぶつおうおよびもろもろの大衆だいしゅのためにきたまふ。 ª過去かこぶつましましき、 づけて空王くうおうといふ。 像法ぞうぼうじゅうとき比丘びくあり、 かい*じゅうおかす。 とき0675空王くうおうぶつよるくうちゅうにおいてこえいだして比丘びくげてのたまはく、 «なんぢのおかすところを*不可救ふかくづく。 つみめっせんとほっせば、 わがとうちゅうりてわがぎょうぞうかんじて、 しんいたしてさんすべし、 このつみめっすべし» と。

「仏為↢父王及大衆↡説[キ]タマフ。過去マシマシキ↠仏、名[ケ]テ↢空王↡。像法住世↢四比丘↡、↠戒↠重。時空王仏↢夜空中↡出[シ]テ↠声[ゲ]テ↢四比丘↡言、汝之↠犯不可フカ↡。セバ↠滅セムトツミ者、可↧入[リ]テ↢我ジテ↢我形像↡、至シテ↠心懴悔↥、可シ[ト]↠滅↢此[ノ]↡。

^とき比丘びくまんともにてて、 一心いっしんきょうけてとう0644り、 仏像ぶつぞうまえにおいてみづからさんすること太山たいせんくずるるがごとく、 *婉転えんでんして号哭ごうこくして、 ぶつ (空王仏)かひてにち相続そうぞくしていたるをとなす。 しゃみょう以後いご空王くうおうぶっこくしょうずることをたりº」 と。 いまこのきょうをもつてしょうす。 ぎょうじゃとうさんせんとほっするとき、 またこのきょう法門ほうもんによれ。

四比丘万事倶テテ、一心ケテ↠教[リ]↠塔↢仏像[ラ]懴悔スルコト太山クヅルルガ↡、婉↢転シテ於地号哭ガウコクシテ、向ヒテ↠仏日夜相続シテルヲ↠死↠期。捨命已後、得タリ[ト]↠生[ズル]コトヲ↢空王仏↡。」今以↢此[ノ]。行者等欲スル↢懴悔セムト↡時、亦依↢此法門↡。

三 Ⅱ ⅱ b 明由懴滅重罪

^ぶつのたまはく、 ªもしわがめつぶつのもろもろの弟子でし諸悪しょあくしゃ*しょうほうねがひて、 にちろくに、 よくいちにおいてわかちてしょうとなして、 しょうぶんのうち、 しゅのあひだにおいてもぶつびゃくごうねんずるものは、 もしはずとも、 かくのごときひとじゅう六億ろくおく由他ゆたごうしゃじんごうしょうつみじょきゃくせん。 もしまたひとありてこのびゃくごうきて、 しんきょうせずかん信受しんじゅせば、 このひとまたはちじゅうおくこうしょうつみのぞかん。

「仏、若滅後弟子、捨↢離諸悪↡楽[ヒ]テ↢少語↡、日夜六時、能↢一時↡分[チ]テシテ↢少時↡、少分之中、於テモ↢須臾↡念ズル↢仏白毫↡者[ハ]、若シ[ハ]トモ↠見、如↠是[ク]ノ人除↢却セム九十六億那由他恒河沙微塵劫生死之罪↡。若復有[リ]テ↠人聞[キ]テ↢是[ノ]↡、心↢驚疑↡歓喜信受セバ、此人亦除カム↢八十億劫生死之罪↡。

^もしはもろもろの比丘びく比丘びく、 もしはなん女人にょにん*根本こんぽんじゅうあくとうつみぎゃくざいおよび*ほうだいじょうおかさん。 かくのごとき諸人しょにんもしよくさんすることにちろく身心しんしんやすまず、 たいとうずること太山たいせんくずるるがごとく、 ごうきゅうしてなみだあめふらし、 がっしょうしてぶつかひて、 ぶつけんびゃくごうそうひかりねんずること一日いちにちより七日しちにちいたらば、 さきしゅつみきょうなることをべし。

シ[ハ]比丘・比丘尼、若シハ男・女人、サム↢四[ノ]根本・十悪等罪、五逆罪及謗大乗↡。如[キ]↠是[ク]ノ諸人若懴悔スルコト日夜六時身心不↠、五体投ズルコト↠地太山[ルル]ガ↡、号泣シテラシ、合掌シテ[ヒ]テ↠仏、念ズルコト↢仏[ノ]眉間0902毫相↡一日ヨリラバ↢七日↡、前四種罪可↢軽微ナルコトヲ↡。

^びゃくごうかんずるに、 くらくしてえずは、 とうちゅうりてけんびゃくごうかんずべし。 一日いちにちより三日さんにちいたるまでがっしょうして0645ていきゅうせよ。 またしばらくくも、 また三劫さんこうつみのぞくº と。

ズルニ↢白毫↡、[ク]シテマミ者、↧入[リ]テ↢塔↡観↦眉間白毫↥。一日ヨリ[ル]マデ↢三日↡合掌シテ啼泣セヨ。又暫、亦除↢三劫之罪↡。

^ぶつおうげ、 およびなんちょくしたまはく、 ªわれいまなんぢがためにことごとく身相しんそうこうみょうげんず。 もしはぜん0676しんあるもの、 もしはぶつ禁戒きんかいやぶるもの、 ぶつたてまつることおのおのどうなりº と。

仏告↢父↡、及シタマハク↢阿難↡、今為↠汝↢身相光明↡。若シ[ハ]↢不善心↡モノ、若シ[ハ]ヤブ↢仏禁戒↡者、見[タテマツル]コト↠仏不同ナリ[ト]

^ときひゃく*しゃくぶつ色身しきしんたてまつることなほ*にんのごとし。 比丘びく千人せんにんぶつたてまつることなほしゃくのごとし。 じゅうろく居士こじじゅう女人にょにんぶつたてまつることじゅんこくなり。 もろもろの比丘びくぶつたてまつること銀色ごんじきのごとし。 ときにもろもろのしゅぶつにまうさく、 ªわれいまぶつみょうしきたてまつらずº と。 みづからはつき、 とうじて、 ていきゅうしてなみだあめふらし、 みづから婉転えんでんす。

[ニ]五百釈子、見[タテマツル]コト↢仏色身ナホクヱ↡。比丘千人見[タテマツ]ルコト↠仏ナホ↢赤土↡。十六居士、二十四[ノ]女人、見[タテマツル]コト↠仏純黒ナリ。諸[ノ]比丘尼見[タテマツル]コト↠仏↢銀色↡。時四衆白[サ]ク↠仏今者 イマ ↠見[タテマツラ]↢仏妙色↡。[ラ]↢頭髪↡、挙[ゲ]↠身[ジ]テ↠地、啼泣シテラシ↠涙[ラ]婉転

^ぶつのたまはく、 ªぜんなん如来にょらいしゅつげんはまさしくなんぢらがざい除滅じょめつせんがためなり。 なんぢいま*過去かこ七仏しちぶつしょうし、 ぶつのためにらいをなすべし。 なんぢがせん邪見じゃけんつみかん。 なんぢまさにもろもろの大徳だいとく僧衆そうしゅかひてほつ*悔過けかし、 ぶつずいじゅんして、 仏法ぶっぽうしゅのなかにおいてたいとうずること太山たいせんくずるるがごとく、 ぶつかひてさんすべし。 すでにさんしをはらば、 心眼しんげんひらくることをて、 ぶつ色身しきしんたてまつりて、 しんおおきにかんせんº と。

、善男子、如来出現[シ]クナリ↣除↢滅セムガ汝等罪咎↡。今可↧称↢過去七仏↡、為↠仏↞礼。説カム↢汝先世邪見之罪↡。↧向[ヒ]テ↢諸大徳僧衆発露悔過、随↢順シテ仏語↡、於↢仏法衆↡五体ズルコト↠地太山[ルル]ガ↡、向[ヒ]テ↠仏懴悔↥。既懴悔ラバ、心眼得↠開[クル]コトヲ、見[タテマツリ]テ↢仏色身↡、心歓喜セム

^ぶつ、 もろもろの比丘びくげたまはく、 ªな0646んぢらせんりょうこうとき邪見じゃけんにしてうたがひ、 かいにしてむなしく*しんけたり。 この因縁いんねんをもつてのゆゑに、 餓鬼がきごくしてはち万歳まんざいけ、 いまづることをといへども、 りょうにおいて諸仏しょぶつたてまつらず、 ただぶつみなくのみ。 いま仏身ぶっしんたてまつることしゃくしきのごとし、 まさしくたけしゃくなりº と。

仏告[ゲタマハ]ク↢諸比丘↡、汝先世無量劫、邪見ニシテ↠師、無戒ニシテシクケタリ↢信施↡。以テノ↢此[ノ]因縁↡故、堕シテ↢餓鬼・地獄↡八万歳↠苦、今↠得↠出[ヅ]ルコトヲ、於[テ]↢無量世[ニ]↡不↠見[タテマツラ]↢諸仏↡、但ク[ノミ]↢仏↡。今見[タテマツル]コト↢仏身↡如↢赤土↡、正シクタケ五尺ナリ[ト]

^ぶつきをはりたまふに、 せん比丘びくとうぶつかひてさんし、 たいとうずること太山たいせんくずるるがごとく、 ごうしてなみだあめふらすに、 なほかぜきてじゅううんもにさんずるがごとくにして、 *金顔こんげん顕発けんぽつす。 すでにぶつたてまつりをはりて、 比丘びくかんだいしんおこす。

↠語リタマフニ、千[ノ]比丘等向ヒテ↠仏懴悔、五体ズルコト↠地太山[ルル]ガ↡、悲ガウ[シテ]ラスニ↠涙、猶[クニ]シテ↢風0903キテ重雲モニズルガ↡、顕↢発金顔↡。既タテマツリ↠仏[リ]テ、比丘歓喜↢菩提心↡。

^ぶつおうげたまはく、 ªこのせん比丘びく*慇懃おんごんほうもとめて、 しん*そくなし。 ぶつじゅあたへて、 おなじく南無なもこうしょう如来にょらいごうすº」 (意) と。

[ゲタマハ]ク↢父↡、此比丘慇懃オンゴンメテ↠法、心↢懈息↡。仏与[ヘ]テ↢授記↡、同[ジ]クス[ト]↢南無光照如来↡。」

^ぜんさんほうは ¬観仏かんぶつ三昧ざんまいかいきょう¼ のだい第三だいさんかんでたり。

已前懴悔[ハ]デタリ↢¬観仏三昧海経[ノ]¼第二・第三巻↡。

三 Ⅱ ⅱ b 重引三経勧発
          (一)観仏経文

【48】^0677¬仏説ぶっせつ観仏かんぶつ三昧ざんまいかいきょう¼ 「みつぎょうぼんだいじゅうかんだいじゅう (意) にのたまはく、

¬仏説観仏三昧海経¼「密行品」第十二巻第十[ニノタマハク]

^ぶつなんげたまはく、 ªらいしゅじょう、 それこの念仏ねんぶつ三昧ざんまいんとするもの、 ぶつのもろもろの相好そうごうかんぜんとするもの、 *諸仏しょぶつ現前げんぜん三昧ざんまいんとするものあらば、 まさにこのひとおしふべし。 しん口意くいみつにして*じゃみょうおこすことなかれ。 *こうしょう0647ることなかれ。 もしじゃみょうおよびこうほうおこさば、 まさにるべし、 このひとはこれ*ぞうじょうまんなり。 仏法ぶっぽうめつし、 おおしゅじょうをしてぜんしんおこさしむ。 ごうそうみだして、 *あらわしゅうまどはす。 これあくともなり。

「仏告[ゲタマハ]ク↢阿難↡、未来衆生、ラバ↧得ムトスル↢是念仏三昧↡者、観ゼムトスル↢仏相好↡者、得ムトスル↢諸仏現前三昧↡者↥、当オシ↢是↡。密[ニ]シテ↢身口意↡莫↠起スコト↢邪命↡。莫ズルコト↡。若オコサバ↢邪命及貢高↡、当↠知、此[ノ]増上慢ナリ。破↢滅仏法↡、多使↣衆生ヲシテ↢不善↡。ミダシテ和合僧↡、↠異マヨハス↠衆悪魔ナリ

^かくのごとき悪人あくにんまた念仏ねんぶつすといへども、 かんあじはひをしっす。 このひとしょうじょこうをもつてのゆゑに、 つねにしょうにしてせんいえしょうず。 びん諸衰しょすいにしてりょう悪業あくごうをもつて厳飾ごんじきとなす。 かくのごとき種々しゅじゅしゅあくまさにみづからぼうして、 ながしょうぜざらしむべし。 もしかくのごときじゃみょうごうおこさば、 このじゃみょうごうはなほきょうぞうれんいけするがごとく、 このじゃみょうごうもまたかくのごとく善根ぜんごんはいせんº と。

[キ]↠是[ク]ノ悪人↢復念仏スト↡、↢甘露アヂワヒ[失]↡。此生処[ハ]テノ↢貢高↡故、身恒卑小ニシテ↢下賎↡。貧窮諸衰ニシテ無量悪業↢厳飾↡。如↠此[ク]ノ種種衆多悪事当[ラ]防護シテ[]↢永↟生。若セバ↢如[キ]↠是[クノ]邪命↡者、邪命[ノ][ハ]↣狂象[ノ]スル[ガ]↢蓮華[ノ]↡、此[ノ]邪命[ノ]亦復↠是クノ壊↢敗セム善根↡。

^ぶつなんげたまはく、 ª念仏ねんぶつすることあるものは、 まさにみづからぼうして、 *放逸ほういつせしむることなかるべし。 念仏ねんぶつ三昧ざんまいひともしぼうせずしてこうしょうぜば、 じゃみょう悪風あくふうきょうまんきて善法ぜんぽうしょうめつせん。 善法ぜんぽうとはいはゆる一切いっさいりょうぜんじょう、 もろもろの念仏ねんぶつほうにして、 心想しんそうよりしょうず。 これをどくぞうづくº と。

仏告[ゲタマハク]↢阿難↡、有↢念仏スルコトモノ、当[ラ]防護シテ↟令[ム]ルコト↢放逸↡。念仏三昧人、若シテ↢防護ゼバ↢貢高↡者、邪命悪風吹[キ]テ↢憍慢↡焼↢滅セム善法↡。善法者、所謂一切無量禅定、諸念仏[ニシテ]↢心想↡生。是↢功徳蔵↡。

^ぶつなんげたまはく、 ªこのきょう*そうどうづく。 かくのごとくじゅすべし。 また観仏かんぶつびゃくごうそうづく。 かくのごとくじゅすべし。 また*ぎゃくじゅんかん如来にょらい身分しんぶんづけ、 また*一々いちいちもう分別ふんべつ如来にょらい身分しんぶんづけ、 また*かんさんじゅうそうはち0648じゅうずいぎょうこうしょ智慧ちえこうみょうづけ、 また観仏かんぶつ三昧ざんまいかいづけ、 また念仏ねんぶつ三昧ざんまいもんづけ、 また*諸仏しょぶつみょうしょうごん色身しきしんぎょうづく。 なんぢよくじゅ0678して、 つつしみて忘失もうしつすることなかれº」 と。

仏告[ゲタマハ]ク↢阿難↡、此↢繋想不動↡。如[ク]↠是[クノ]受持スベシ。亦0904↢観仏白毫相↡。如[ク]↠是[クノ]受持スベシ。亦名[ケ]↢逆順観如来身分↡、亦名↢一一毛孔分別如来身分↡、亦名↢観三十二相八十随形好諸智慧光明↡、亦名↢観仏三昧海↡、亦名↢念仏三昧門↡、亦名↢諸仏妙華荘厳色身経↡。受持シテツヽシミテレ[ト]忘失マウシチスルコト↡。」

三 Ⅱ ⅱ b ハ (二)大集経文

【49】^また ¬*大集だいじっきょう¼ の 「さいりゅうぼん(意)きたまふがごとし。 「ときしゃ伽羅からりゅうおうぶつしょうじてれたてまつりて、 もうく。 ぶつりゅうしょうけたまふ。 ぶつしょうじゅじきしをはりたまへり。 ときだいりゅうおう、 また説法せっぽうふ。 ときりゅうおうたいあり、 づけてめんといふ。 みづから仏前ぶつぜん*四支ししきて、 しょうをもつてさんす。 ª過去かこになんの罪業ざいごうつくりてかこのりゅうしんけたるº」 と。

又如↢¬大集経¼「済竜品」説[キタマフ]ガ↡。「時娑伽羅竜王、請ジテ↠仏[レタテマツリ]テ↠宮マウ↠供。仏受ケタマフ↢竜↡。仏与↢聖衆↡食リタマヘリ。時大竜王、又↢説法↡。時竜王太子アリケテ↢華面↡。自[ラ][チ]↢仏前↡四支キテ↠地、悲声ヲモテ懴悔。過去[リ]テカ罪業↡受[ケ]タル[ト]↢此竜身↡。」

^またこのきょうをもつてしょうす。 またこれさんじょう方法ほうほうなり、 るべし。 一切いっさいきょうないにみなこのもんあり。 ひろろくすべからず。 いま*さんきょう略抄りゃくしょうして、 もつて後学こうがくしめす。 しんならざるをのぞく。 なすものはみなれ。 ぶつごんしたまはず。

又以↢此[ノ]↡証。亦是懴悔至誠方法ナリ、応[シ]↠知[ル]。一切[ノ]↢此文↡。不↠可[カラ]↢広[ク]↡。今略↢シテ三部[ノ]↡、以↢後学↡。除ルヲ↢至心ナラ↡。。仏[ハ]不↢虚言シタマハ↡。

三 Ⅱ ⅱ b ハ (三)木槵経文

【50】^また ¬*もくげんぎょう¼ (意)きたまふがごとし。 「^ときなんこくおうあり、 波瑠璃はるりづく。 使つかひをして仏所ぶっしょ来到らいとうせしむ。

又如↢¬木槵経¼説[キタマフ]ガ↡。「時[リ]↢難陀国[ノ]王↡、名↢波瑠璃↡。↣使ヲシテ来↢到仏所↡。

^*仏足ぶっそくちょうらいして、 ぶつにまうしてまうさく、 ªそん、 わがくにへんしょうにして*頻歳ひんざい寇賊こうぞくあり。 *こく踊貴ゆき疫疾えきしつぎょうして人民にんみんこんす。 われつねにあんすることをず。 如来にょらい*法蔵ほうぞうおおく、 ことごとくじん0649こうなり。 われ憂務うむありてしゅぎょうすることをず。 ただねがはくはそん、 ことに*みんれてわれに*要法ようぼうたまひ、 われをしてにちやすしゅぎょうすることをらいのなかにしゅおんせしめたまへº と。

頂↢礼シテ仏足↡、白[シ]テ↠仏、世尊、我[ガ]国辺小ニシテ頻歳ヒンゼイ寇賊コウゾク[アリ]。五コク疫疾ヤクシチシテ人民困苦不↠得↢安臥[スルコト]ヲ↡。如来法蔵深広ナリ[リ]テ↢憂務↡不↠得↢修行スルコトヲ↡。唯願[ク]ハ世尊、コト[レ]テ↢慈愍↡賜[ヒ]↢我要法↡、使メタマヘト↧我ヲシテ日夜↢修行[スル]コトヲ↡、未来世遠↦離衆苦↥。

^ぶつ使つかひにげてのたまはく、 ªなんぢが大王だいおうかたれ。 もし*煩悩ぼんのうしょうほうしょうめっせんとほっせば、 まさに*木槵もくげんいっぴゃくはちつらぬきて、 もつてつねにみづからしたがふべし。 もしはぎょう、 もしは、 もしはに、 つねにまさにしんいたして分散ぶんさんこころなく、 くち*ぶっだつそうぎゃしょうしてすなはちいち木槵もくげんぐるべし。

仏告[ゲ]テ↠使カタナンヂ[ガ]大王↡。若セバ↠滅セムト↢煩悩障・報障↡者、当ツラヌキテ↢木槵子一百八↡、以 [ラ]↥。若[シ]ハ行、若[シ]ハ坐、若[シ]ハ臥、恒↧至[シ]テ↠心0905↢分散意↡、口シテ↢仏陀・ダル・僧ギヤグル↦一木槵子↥。

^かくのごとくもしはじゅう、 もしはじゅう、 もしはひゃく、 もしはせんないひゃく千万せんまんせよ。 もしよくじゅう万遍まんべんてて身心しんしんみだれずしてもろもろの*諂曲てんごくなくは、 しゃみょうして*第三だいさんえんてんしょうずることをて、 じきねんにしてつねに安楽あんらくけん。 ひゃくはち*結業けつごう除断じょだんすることをて、 しょう0679ながれそむはんどうおもむきて、 じょうんº と。

[ク]↠是[クノ][シ]ハ十、若[シ]ハ二十、若[シ]ハ百、若[シ]ハ千、乃至百千万セヨ。若[シ]テテ↢二十万遍↡、身心シテ↠乱クハ↢諸諂曲↡者、捨命シテ[テ]↠生[ズル]コトヲ↢第三炎摩天↡、衣食自然[ニ]シテケム↢安楽↡。得[テ]↣除↢断[スル]コトヲ百八結業↡、ソム↢生死↡趣[キ]テ↢涅槃[ノ]↡、獲ム[ト]↢無上↡。

^使つかかえりておうにまうす。 おうおおきにかんして、 めんをもつてぶつらいしてはるかにそんにまうさく、 ªそんきょうちょうじゅして、 われまさにぎょうすべしº と。

使[リ]テマウ↠王。王歓喜シテ、頭面ヲモテシテ↠仏サク↢世尊↡、頂↢受シテ尊教シ[ト]↢奉行↡。

^すなはちみんちょくして木槵もくげん*営弁ようべんして、 もつてせんとなし、 六親ろくしん*こくしゃくにみないちあたふ。 おうつねに誦念じゅねんして、 軍旅ぐんりょしたしむといへどもまた廃捨はいしゃせず。

シテミンヰヤウベンシテ木槵子↡、以↢千具↡、六親国シヤクアタ↢一具↡。王常誦念シテシムト軍旅グンリヨ イクサ [ニ]↡亦不↢廃捨ハイシヤ↡。

^またこのねんをなす。 ªそんだいあまねく一切いっさいおうず。 も0650しわれこのぜんをもつてながかいしずむことをまぬかるることをば、 如来にょらいまさにげんじてわがためにほうきたまふべしº と。

又作↢是↡。世尊大慈普↢一切↡。若ヲモテ↠免[ルル]コトヲムコトヲ↢苦海↡、如来当シ[ト]↢現ジテ↠我[ガ][キ]タマフ↟法

^おう*がんぎょうをもつてしんめて三日さんにちじきせず。 ぶつすなはちげんじて、 もろもろのしょうじゅないらいにゅうして、 おうのためにほうきたまふ」 と。

王以↢願楽↡、メテ↠心三日不↠食。仏即ジテ↠身↢諸聖衆↡来↢入シテ宮内↡、為↠王[キ]タマフ[ト]↠法。」

^またこれをもつてしょうす。 ただこれおうしん真実しんじつなれば、 念々ねんねんさわりのぞこり、 ぶつ罪滅ざいめつりたまひて、 ねんおうじてげんじたまふ、 るべし。

又以↠此。直心真実ナレバ、念念[ニ]、仏知[リタマヒ]テ↢罪滅↡、応ジテ↠念而現ジタマフ、応↠知

観念かんねん弥陀みだぶつ相海そうかい三昧さんまいどく法門ほうもんぎょう 一巻いっかん

 

延書の底本は高田派専修寺蔵鎌倉時代刊本ˆ原漢文の底本と同一ˇ。 ただし返点については本派本願寺蔵版によるか。
 ¬般舟三昧経¼ 等の諸経を指す。
髪螺 髪のうずまき。
七帀 七周。
唱あることなし 言葉でいいあらわせないという意。
耳輪垂して 耳たぶが垂れさがって。
珂月 雪のように白く光る貝。
心王 心臓。
仏心 仏の心臓。
 はなびら。
万徳の字 →まん
腹平不現 腹が平らで出ていないこと。
臍円孔深 へそがまるくて、 そのあなが深いこと。
上品往生 ¬観経¼に説くぼんの往生のうちの上品上生・上品中生・上品下生の三を指す。
十六遍 ¬観仏三昧経¼ に順観・逆観の観想を十六遍反覆すべきことを説いているのを承けていう。
十三観 定善十三観のこと。 →じょうぜん
請問品 現行の ¬般舟三昧経¼ (一巻本) では、 「問事品」。
十方諸仏悉在前立 十方現在の諸仏がすべて行者の面前に立ち現れるという意。 →般舟はんじゅ三昧ざんまい
大明相 般舟三昧が成就したありさまを指していう。
定意 般舟三昧の異名。
超衆行 すべての行法に超えすぐれたもの。
一念を立して 専一のおもいをおこして。 あるいは、 真実心をもって、 という意。
その方 西方浄土。
文慧 経典の文を開いて生ずる智慧ちえ
六入 げんぜつしん六根ろっこん。 または、 しきしょうこうそくほうろっきょうのこと。 六根をないの六入といい、 六境をの六入という。
婬色 性欲。
知足を念じて 異本には 「食知足」 (食は足ることを知りて) とある。
受陰 おんを受用して、 自我にとらわれること。
入界 六根ろっこんろっきょう六識ろくしきの十八界 (個人存在の構成要素) に順入して、 自我にとらわれること。
 →おん
 →だい
怳忽 かりそめのものであること。
不還 迷いのぼんの意。
 よいこと。
三時六時 三回あるいは六回。
華台の聖衆 れんの台にのった浄土の菩薩たち。
病人…堕せん →補註6
十六観経 ¬仏説ぶっせつかんりょう寿じゅきょう¼ のこと。 じょうぜん十三観・散善さんぜん三観を説くところからいう。
四紙阿弥陀経 →四紙ししきょう
護念得長命増上縁 →ねんぞうじょうえん
斎を破し戒を破し 八戒斎はっかいさいを守らないこと。
五逆極重の罪 →ぎゃくざい
浄土荘厳の変 →じょうへん
華座荘厳観 華座けざかんのこと。
観音勢至等の観 観音かんのんかんせいかんのこと。
第十二の観 かんのこと。
勝友知識 正しい道に導くすぐれた友人。
随逐影護 影が形につきしたがうように、 行者の身を離れずまもること。
余の雑業 念仏以外のあらゆる行業。 →ぞうぎょう
二十五の菩薩 →じゅうさつ
便り 機会。 関係を持つこと。
四天大王 →天王てんのう
愛楽相見 慈愛をもって行者とあいまみえること。
護持品 現行の ¬般舟はんじゅ三昧ざんまいきょう¼ では、 「擁護品」。
三帰五戒 仏法僧の三宝に帰依し、 かいを受けること。
八王日 立春・春分・立夏・夏至・立秋・秋分・立冬・冬至のこと。 は地節日ともいう。 中国では、 この八日は天地の諸神・陰陽いんようの交代の日とみなされていた。
六欲天王 ろく欲天よくてんの各王のこと。
畢命相続 命がおわるまで行じ続けること。
三達の聖人 さんみょうに通達した聖者。
六通無障 ろく神通じんずうが自在であること。
善方便 すぐれた方法。 異本には 「異方便」 とある。
覚想中の見 精神をはたらかせて浄土のありさまを思いうかべている状態。 三昧さんまいの前段階。
驚怪するを須ゐず (当然のことであるから) 驚きあやしむにおよばない。
跏趺坐 けっ趺坐ふざの略。 足の甲を左右のももの上に置くすわり方。
一々の身分 仏の三十二相のひとつひとつのすがた。
観音…雑等の観 定善十三観の第十・十一・十二・十三観。 →じょうぜん
自の三心力 次行のじょうしん・信心・願心を指す。
至誠心信心願心 ¬観経¼ に説かれる三心。 じょうしん深心じんしんこう発願ほつがんしんに相当する。
三種の願力 三力 (大誓願力・三昧定力・本功徳力) のこと。
文殊波若経 →文殊もんじゅ般若はんにゃきょう
無量寿経の四十八願の… →補註12
上中下 ¬大教¼ (下) の三輩段を指す。 →三輩さんぱい
定散二行 →じょうぜん散善さんぜん
四紙弥陀経 →四紙ししきょう
女身を転じて… →補註10
望にありては にあってはの意。
朝にありては 朝廷にあってはの意。
韋提の二請 ¬観経¼ ごんじょうえんにおいてなされただいの二つの懇請こんせい。 「われに清浄しょうじょう業処ごっしょを観ぜしめたまへ」 と 「われにゆいを教へたまへ、 われにしょうじゅを教へたまへ」 の二を指す。
連劫累劫 幾劫をもつらねかさねるほどの長い時間。 →こう
本心 仏のみこころ。
十悪の因… じゅうあくをおかすことが因となって、 さんの苦しみの報いを受ける。
頓教 ここでは往生浄土の法門を指していう。
観阿弥陀仏… 阿弥陀仏の色身しきしんを観想して、 しょうねんに住してだつする三昧さんまいを説き示した経という意。
度諸有… しょう八難はちなんの世界に沈むえんしゅじょうを救いとる経という意。
四向 東西南北の四方。
身根具せず… 身体が不具であること。 →補註10
彼此 誰であっても。
毀敬の… (往生浄土の法門を) そしり破る者と敬いを致す者とについて、 仏がやくを示されることはむなしくない。
称観礼讃 称名しょうみょう観察かんざつらいはい讃嘆さんだんすること。
比校にあらず 比べものにならない。
四事供養功徳品 一巻本 ¬般舟三昧経¼ 「勧助品」 第七を指す。
 重罪。
不可救 救うことができない。
少語の法 言葉数を少なくする生活。
四の根本 じゅうきんのこと。
謗大乗 大乗の教えをそしること。
釈子 釈迦族の人々。
灰人 灰色の人。
金顔 仏の金色の顔。
 異解いげ。異説。
繋想不動 想いをかけて動かないという意。
逆順観如来身分 如来の身分を順観・逆観するという意。 順観は如来の身を上から下に観想すること、 逆観はその反対に下から上に観想することをいう。
一々毛孔分別如来身分 ひとつひとつの毛孔に如来の身をみきわめるという意。
観三十二相… 仏のさんじゅうそうはちじゅうずいぎょうこうおよびもろもろの智慧ちえこうみょうを観ずるという意。
諸仏… 諸仏のたえなる華で色身しきしんをかざる経という意。
三部の経 ¬観仏かんぶつ三昧ざんまいきょう¼ ¬大集だいじっきょう¼ ¬木槵もくげんぎょう¼ を指す。
頻歳寇賊 毎年のように賊の侵入があること。
五穀踊貴 穀物の値段が高くなること。
煩悩障報障 →さんしょう
木槵子 むくろじの種子。
仏陀達磨僧伽の名 三宝さんぼうの名字。
第三の炎摩天 夜摩やまてんに同じ。
底本は◎高田派専修寺蔵鎌倉時代刊本[ただし訓は○浄聖全三巻の宗祖加点本と全同ではなく大幅に標準化されているため、 相違を†、 加を‡、 減を [ ] で示した]。 Ⓐ大谷大学蔵鎌倉時代刊本、 Ⓑ龍谷大学蔵(写字台旧蔵)室町時代刊本、 Ⓒ本派本願寺蔵版¬七祖聖教¼所収本 と対校。
→Ⓑ
→Ⓒ
→Ⓒ
→Ⓒ
→Ⓑ
→Ⓒ
→Ⓑ
→Ⓑ
→ⒶⒷⒸ
→Ⓒ
→Ⓑ
→ⒷⒸ
→Ⓒ
→Ⓑ
→Ⓑ
→Ⓒ
→Ⓑ
→Ⓒ
→Ⓑ
→◎
有人→Ⓑ右又
→Ⓒ
→Ⓒ
→Ⓑ
→Ⓒ
→Ⓒ
→Ⓒ
→Ⓑ
心眼→Ⓑ己力
→ⒷⒸ
→Ⓒ
→Ⓒ
得転→◎ⒶⒷ転得
→Ⓑ
→Ⓑ
→Ⓑ
→Ⓑ
→Ⓑ
→Ⓑ
→Ⓒ
→Ⓒ
→◎ⒶⒷ
→Ⓑ
→ⒷⒸ
→Ⓑ
→○ウシナ
→Ⓑ
→Ⓒ
シテ↠乱→○不乱ニシテ
→Ⓑ
↢入道場念仏三昧→○↠入ルコトヲ↢道場念仏三昧法
ズベシ…身、円光徹照端正無比ナルヲ→○ズベシ…身[ヲ]↡、…徹↢照端正無比ナルヲ
→○
目前→○
→○
→○
クシ→○
クセヨ→○
手掌テノヒラ→○
→○ハセ
↠身→○端身
→○[ハ]セ
→○スル
→○
→○[ズ]
トシテ
→○
→○ナヅキ
↧…入ルト→○、…入
髪根→○カミ
↧…向フト↞…→○、…向フト↠…
額広クシテ平正ナル→○額広平正
眉高クシテ而長→○眉高而長
↢…相→○、…相[ヲ]
→○
…、→○…。
ルモ→○レドモ
↠障↠罪→○除障滅罪
→○
シタマフ→○
↢…徹照スト→○、…徹照
↣…如シト↢…↡→○、…如↢…↡
ナガキコト→○鼻修高直ニシテ
タル金鋌→○ジユヰモノコムヂヤウ
↧…照スト↦…↥→○、…照スト↢…↡
↢…潤沢ナリト→○、…潤沢ナリ
↧…映徹スト→○、…映徹スト
歯白斉密ニシテ→○ハク斉密ザイミチニシテ
↢…柔軟ナリト→○、…柔軟ナリ
舌薄広長ニシテ→○ハク広長ニシテ
↢二道↡、津液→○↢二道津液シムエキ
リテ→○…、
シテ→○シテ
→○レリ
→○
→○ヌキイ
↢…相→○、…相
両臂ナホカナル→○ヒヂ円ヨウエンマリラカナリ
↧…相アリ、…相アリ、…相→○[ヘ]、…相、…相、…相
手掌テノヒラ平満ニシテ→○二手掌平満セル
↢…相→○[ヘ]、…相
→○…、
→○イハ
貪↢欲スル→○ゼン↢欲色
…者→○
→○
ニシテ→○ナリ
↢…円満ナリト→○、…円満セリ
モモ→○ヘイモヽシチ
[スネ]→○ハギ
[コブラ]→○ハギ
キコト→○クシテ
→○セナカ
↧…作スト↦…↥→○、…作セリ↢…↡
十指長クシテ指間→○十指長指
↧…照スト↦…↥→○、…照↢…↡
…、→○…。
↢華葉↡。…、→○、華葉、…。
↧…照スト↦仏身→○、…照スト↢仏身
↢…宝王↡荘厳→○↢…宝王荘厳↡
↧…/…照スト→○、…/…照
↧…照スト↦…↥→○、…照↢…↡
…、→○…。
得…、→○…。
ビテ→○
病痛→○
→○ワウ
ミテ↢命終→○臨命終時
上↢品往↣生…↡→○上品往↢生…↡
ヘテ→○[リ]テ
シテ↢…↡→○即↢失シテ…↡
サク、行者→○[サ]ク↢行者↡、
持戒・念仏→○[チ]テ↠戒↠仏
→○
シテ往生セヨ→○セヨ↢往生
シタマフ↢七日七夜入道場念仏三昧→○↢七日七夜↡、入↢道場念仏三昧
→○
第一→○最第一
セバ…者→○
→○…。
クニ↠法→○如法
→○…、
↧…如↢毛髪バカリ→○…↣如クモ↢毛髪バカリ
→○センカヨシ
→○
→○
歳計スル→○トシハカ
→○
↢…於一切→○↣…↢一切↡
→○カリ
→○ネガ
畜積スル→○タクワ
↠貪ルコト↠味→○↢貪味↡
スル→○サト
→○
↢受陰スルコト→○↠受[クル]コトイン
↢入界スルコト→○↠入[ル]コト↠界
→○
↢本無ナリト→○スルニ本無ナリ
スルニ↠是→○スルニ
レドモ↢本無ナリト→○[リ]テ↢本無
↢慈哀 於一切→○[ヘ]テ↢慈哀↡ 於↢一切
至要ナリエタリト↢衆行→○要慧 超衆ナリ
チタマフ→○
→○
一処リテ→○独一処止シテ
ゼヨ→○[ズ]ベシ
…。→○[ス]ニ…、
↢…↡已リテ→○ギテ↢…↡已後 ノチ
タテマツラム→○
↢人↟見。…。不↠由クニハ↧…有ルガ↠…故ルガ↞見→○↪人夢中所見、…、不ルガルガ↧…有ルニ↞…故ルニ↝見
→○
開避シテ→○シテ↢開
徹視スル→○トホシ
→○
徹聴スル→○
→○
ズル→○ルヽ
↠此→○↠此
ゼヨ→○[ズ]ベシ
ズル→○専念スル
ナル→○
セバ…者→○ハン…者
クハ→○[カ]レ
→○
ニハアリテ→○
→○
スル→○ハム
→○
…。→○[リ]テ…、
キモ→○クシテ
タリ。掃灑スルコト→○得↢掃灑セウシヤスルコト
セヨ→○スベシ
ルマデ→○
ツハ↢四時↡佳ナリ→○月別四時
リテ↠浄ゼヨ↠道→○↢浄行
ヨリルマデ↢七日→○乃至七日
↢浄衣↡、鞋靺→○モチヰヨ↢浄衣鞋靺↡、
→○
ゼヨ…。→○[ジ]テ…、
↠仏、誦↟経→○礼仏誦経
↢合掌シテズト↟仏→○↢合掌↡、念ジテ↠仏
想↣念セヨト…、端正無比ニシテ、在スト↢…↡→○想↢念…端正無比↡、在↢…↡
ズル↠仏→○念仏
→○モノイ
→○コト
→○還
ゼヨ↠仏→○念仏セヨ
→○
→○
シテ↠願→○発願シテ
→○
→○
ゼヨ↧…満タサムト↦…↥→○ジテ…満ツベシ↢…↡
ズルコト↠仏→○念仏
→○[ラ]ムニ
正↢当ニシテ身心→○シテ[リ]↢身心
専注シテ観↢想…↡→○専↢注観↣想シテ…↡
→○[カ]レ
↢往生想、…迎接スル→○セヨ↢往生想↡、…迎↢接スル
ラバ→○[リ]テ
…者→○
タマハム→○
スベシ→○セヨ
セル→○スル
…、→○…。
セム→○
→○[リ]テ
→○
メタマフ↧一切衆生…願ゼヨト↞…→○[メ]下フ↢一切衆生↡、…願ゼヨ↠…
メタマフ↧…不レト↞…→○[メ]下フ、…不レト↠…
メタマフニ↣…↢…↡→○[メ]テ…↢…↡
メタマフニ↠…→○[メ]下フ
ツル→○テン
アリ→○
→○ナル
已後→○已後ノチ
→○ハン
→○ラム
→○ハム
…。→○[リ]テ…、
→○[ケ]ム
シテ…、→○スル…。
→○
→○
化↢作無数化仏→○、化作無数化仏
シタマフト→○
…。→○キハ…、
…、→○…。
↠前身相等→○↢前身相等↡、
ズル↢…↡→○専↢念スル…↡
ジテ↢…↡→○専↢念シテ…↡
ズレバ…者→○ズルモノ
シムト→○
シタマフ→○スル
↠不ルヲ↢至心ナラ→○↢不至心
諸縁→○縁事
シテ↠心→○至心
…。→○リテ…、
ベシト
…、→○…。
シト→○
ルニ→○[リ]テ
シタマハク…、→○…。
ツカハシテ→○シテ
→○ヲシテ
→○メヨ
スル→○セム
スルコト↠経→○誦経
タセ…。→○…、
↢…見タテマツラムト↟仏→○↢…見仏
→○[シロシ]メ
シテ王宮→○シテ↢王宮
…、→○…。
タマヒ…、→○下エリ…。
…、→○…。
メテ↠哀ミヲ→○求哀
ヘテ↠我ゼシメタマヘト↢於清浄業処→○エ下ヘ↢我シムルコトヲ↢清浄業処↡
[タダ]→○
セリ→○
但使 タダ リテ↢…願ズル↠見タテマツラムト者↡、…憶スレバ→○但使メヨ↧有[ラ]ム↢…願ズルコト上ラムトモノ、…オク
シタマフガ↠念→○加念スルガ
シタマフガ↠念→○加念[ス]ル
→○
→○
ビタマハ→○
但使 タダ スレバ↠誠→○但使メヨ↠帰↠誠
→○[ラ]ム
→○
受持シテ→○受持シテ↢広
→○メン
コト→○ベシ
ニシテ→○ナリ
→○
キハ↢…→○
→○レン
→○シテカ
→○ベキ
ゲテ…、韋提→○ゲテ↢…韋提
ケテ↠念→○計念シテ
ムレバ↠意→○注意セバ
ジテ→○[ジ]ク
ベシ→○
粗見→○ホヾ[ル]
レバ…者→○ツレ
→○ケン
但使 タダ クレバ→○使ムレバ
不↠↢驚怪スルヲ→○不↠[カラ]↢驚怪
…。→○[キ]ハ…、
キタマフ→○
キハ↢…→○
ヒテ↢…↡、時→○↢…↡時
シタマヘ→○
→○
ブト↠見ルニ→○及見
→○
トシテ→○シテ
→○
ナリ
モテ→○シテ
ゼバ…、→○ズベシ…。
→○
ルマデ↢…→○乃至…マデ
命欲スル↠終ラムト→○命欲終時
↠見タテマツラムト↠仏→○↢見仏
→○
…、→○ハム…。
与↢聖衆・華台↡→○↢聖衆↡華台
タテマツリ↠仏→○見仏
→○
→○
ズル…者→○ズレ
シテ→○[シ]下ヘル
使ムルコトヲ↧凡夫ズルヲシテ…得↦見仏スルコトヲ→○使ムルコトヲ↢凡夫ヲシテ[ゼ]モノナリ。…得↢見仏
→○
[カ]リテ↢…→○[ヨ][リ]テ↢…
…。→○シテ…、
スル…者→○
リテ習持シテ→○守習シテ
ルコトヲ↧疑想如↢毛髪バカリ→○[ル]コトヲ↢疑想↡、如キモ↢毛髪許
身、…相アリ、…無比ナルヲ→○↡。身…サウマシマス、…無比ナリト
→○
シテ
ラム→○
スル→○
シテ↠念→○摂念シテ
ズレ→○
タテマツリ→○
正向シテ→○
シテ↢…↡→○専↢称…↡
→○ジテ
メタマフ↠見→○↠見上ラ
キタマフガ→○
→○メ下
ゼシメタマフ→○専念[セ]シム
↢聖衆・華台↡授手→○与↢聖衆↡華台授手シテ
メタマフ→○
ズレバ↢…↡→○専↢念スレバ…↡
→○下フ
シメタマフ→○
→○
命終→○ラム
→○トイハヾ
↢念→○計↢念シテ
…者→○ト云
果遂→○ハタ
→○
セシム…。→○シテ…、
ハバ↢…不↟…者→○、…不ト云↠…
不…也→○
ハバ↧…得シムト↞…者、…得シムルズルコトヲ。…保↢証スル得生↡也→○[フ]↧…シムト↠…イフハ、…得シメズルコトヲ、…保↦証スルト得生
↡。浄業成ズルナリ→○彼国浄業成ゼル
メム→○
キテ↠教→○説教
シタマフ→○セシム
ニハ→○[タ]ビ
スレバ→○シテハ
→○
スルモ↢願ジテセムト→○スレドモ↠願セムト
スルコト→○
→○
→○
↢他ノミヲ↡。→○↠他ニクムガ
ルマデ↢諸仏・賢聖ヨリ、人天・六道一切良善→○↢諸仏・賢聖↡、人天・六道ニテ一切良善
専心→○ニシ↠心
ケテ↢念→○計↢念シテ
↠念ズルコトヲ↢仏法僧→○↢念仏法僧
↠此クノ→○[キ]ノ↠此
ズル→○
ルマデセム一念→○乃至一念シテ
キタマハク…、→○…。
ルマデ→○[リ]テ
舒舌→○[ベ]テ
…。→○サク…、
ラシ→○
ニモ
之心→○ハヾカ↠心
↢…得シムト↟生ズルコトヲ→○↢…得生セシムト
→○シカ
↧前、摂シテカ↢何等衆生↡得シムルトイフコトニ↞生ズルコトヲ↢浄土↡。/五種増上縁→○サキモン摂何等衆生得生浄土/五種増上縁↡、
ナリ→○タリ
→○
↢…→○↢…
↢上五悪性分ルガ→○↢上五悪性分スデリヌ
→○ヂキ
サム→○
受↢持…↡→○マサ受↢持…↡
…者ニハ→○
スル→○ヒラ
↢害スル↠人悪鬼↡殄滅シテ→○↢害人悪鬼殄滅
→○
ラム→○ルベシ
→○クノ
↠後閻浮提→○↢後閻浮提
不↠具→○不具ナラム
…。→○…、
ムル→○メン
[ズ]→○
シテ→○死後
シテ↢於地獄→○↢地獄↡
[ザ]ラム→○
ルモ→○[リ]テ
ルモ→○レドモ
ラム→○[ズ]
↢於…→○↠於↢…↡
称・観・礼・讃、香華ヲモテ供↢養…↡→○称↢観礼↣讃、香↤華供↯養…↡
観想シテ、三昧→○観↢想シテ三昧
→○
ビタマフ→○
フレバ→○
セシメヨ→○スベシ
ヲモテケテ歓喜セシメテ→○助歓喜シテ
タマヘリ→○タリ
タマヘリ→○
タマフ→○
→○シテ
比↢校セム念仏功徳→○比校シテゼム↢仏功徳
→○
人寿→○寿
→○ラム
→○ケン
リテ行処、著↢満セル珍宝→○[リ]テ行処ケテチララム↠中珍宝
スルニ→○セム
↠得→○所得
ヲモテ供養シテケテ歓喜セシムル→○供養助歓喜セム
スル→○
→○ヒキ
シタテマツル→○
→○[リ]テ
→○ナリ
ヲモテケテ歓喜セシム→○助歓喜
↢比丘↡出家シテ→○↣比丘↢出家スル
リテ→○[リ]テ
タリ→○
ナル→○
↠求↠学→○↢求学
→○[サ]ク
所引→○
ヘテ↢此一形→○ハテ↢此[ノ]一形
セバ…者→○セムモノ
→○
セム→○スベキ
フレバ→○[エ]
→○ヒキ
↠戒↠重→○破戒犯重ナリ
↠犯→○所犯
→○
スルコト↢…↡、→○、如↢…。
↢…於地→○↢…於↟地
ヒテ→○[ヒ]上テ
→○トス
ズル→○ゼム
サム→○セラム
→○
スルコト→○シテ
ズルコト→○[ジ]テ
ズルコト→○ジテ
ズル→○ゼン
マミ→○↠見
…観眉間白毫↥。…啼泣セヨ→○…観[ジ]テ眉間白毫↡、…啼泣テイキフ
シタマハク→○
今者 イマ →○
→○[ク]ト
発露悔過、随↢順シテ仏語→○発↢露悔↣過随↤順シテ仏語
ズルコト→○[ジ]テ
ラバ→○[リ]ナバ
ケタリ→○[ケ]キ
…、→○[ケ]キ…。
→○ホトケ
…已リタマフニ→○[キ]下フコト…已リテ
ラスニ↠涙→○雨涙
キテ→○クニ
タテマツリ→○ルコト
→○シキ
ラバ↧得ムトスル↢…↡者、観ゼムトスル↢…↡者、得ムトスル↢…↡者↥→○ラム↠得ルコト↢…↡モノ、観ゼム↢…↡モノ、得↢…↡モノ
ズル→○
シテ→○
ニシテ→○ナリ
→○セリ
セバ…者→○
…、→○…。
スル→○ヤブ
↠是クノ→○↠是
ゼバ…者→○
→○イフハ
所謂→○ハユ
ケタマフ→○
リタマヘリ→○[リ]下ヒテモ
→○
→○
ケテ→○オバ
↠不ルヲ↢至心ナラ→○↢不至心
→○作者
シタマハ→○
↣使ヲシテ来↢到…↡→○ツカハシテ使ツカヒ来↢到セシム…↡
ナリ→○ナレドモ
使メタマヘト↧…易…、…遠↦離衆苦→○使メヨ↢…ヤスカラ↟…、…遠↢離セム衆苦ヲ>↡
不乱ニ
命ヲ捨テ
セバ…者→○
→○
グル→○スグ
クハ…者→○
捨命シテ→○テヽ↠命
ヲモテ→○
サク→○シテ
シテ→○
シム→○チカヅク
ヲモテ→○此善
↣長ムコトヲ↢苦海→○↢長淪苦海
来↢入シテ…↡→○[リ]テシテ↢…↡