題目

0131けんじょう真実しんじつ教行証きょうぎょうしょう文類もんるい じょ

*禿とくしゃく*親鸞しんらんじゅつ

総序

法義を讃嘆す

・他力真宗総標(大経)

 ^*ひそかにおもんみれば、 *なんぜい*なんかいする大船だいせん無礙むげこうみょう*みょうあんする*にちなり。

0006カニミレバ、難思弘誓スル↢難度海↡大船、无光明スル↢无明↡恵日ナリ

・教興の因縁と諸聖の大悲(観経)

^しかればすなはち、 *じょうほうえんじゅくして、 調じょうだつ (*提婆達多)じゃ (*阿闍世) をしてぎゃくがいこうぜしむ*じょうごう*あらわれて、 *しゃ*だいをしてあんにょうえらばしめたまへり。 これすなはちごんにんひとしくのう群萌ぐんもうさいし、 *おうまさしくぎゃくほう闡提せんだいめぐまんとおぼ

レバ、浄ハウクニ縁熟シテ、調達闍世ヲシテゼシム↢逆害↡、浄業機、釈迦韋提ヲシテバシメタマヘリ↢安養↡。斯、権化仁、ヒトシクタスケサイスクフ苦悩群萌↡、世オウ悲、正シクオボメグマムト↢逆謗闡提↡。

・行信の勝徳(小経)

^ゆゑにんぬ、 *えんにゅうとくごうあくてんじてとくしょう*難信なんしん金剛こんごうしんぎょううたがいのぞさとりしむるしんなりと

、円トオル至徳カ反ヨシ反スグル反ガウミナ反、転ジテ↠悪↠徳正智、難信金剛信楽、除↠疑シムル↠証真理也

有縁を勧誡す

・易修に約して勧信

 ^しかれば、 *ぼんしょうしゅやすしんきょうどんやす*捷径せつけいなり*だいしょう一代いちだいきょうこの徳海とくかい*しくなし。

、凡小易↠修真教、愚鈍易↠往セチトシ反ケイナリスグヂナリ大聖一代教、無↢是之徳海↡。

^じょうねがぎょうまどしんまどひ、 こころくらさとりすくなく、 あくおもさわりおおきもの、 ことに如来にょらい (釈尊) *発遣はっけんあお、 かならずさいしょう直道じきどうして、 もつぱらこのぎょうつかへ、 ただこのしんあがめよ0132

↠穢ネガ↠浄 ド↠行↠信、心クラサトリ0007スクナクワ反、悪重障多キモノコト↢如来ハチケン↡、必シテモトモスグレ直道↡、 ハツカ↢斯↡、唯アガメヨ↢斯↡。

・聞法の因縁

^ああ、 ぜい強縁ごうえん*しょうにももうあひがたく真実しんじつじょうしん*億劫おくこうにもがたしたまたまぎょうしんば、 とお宿しゅくえんよろこべ。

アヽナゲク弘誓強縁多生ニモマウア、真実浄信億劫ニモ↠獲。タマタマ↢行信トヲヨロコ↢宿縁↡。

・疑慮の大過

^もしまたこのたび*もうへいせられば、 かへつてまた曠劫こうごう*経歴きょうりゃくせん。 まことなるかな、 摂取せっしゅしゃ真言しんごんちょう希有けうしょうぼう*もんしてりょすることなかれ

マタコノタビ覆↢蔽セラレバ疑網↡、カヘマタキヤウリヤクセム曠劫↡。マコトナルカナ、摂取不捨真言、超世希有正法、聞思シテオソクスルコトオモパカリ ↡。

造書の意を述ぶ

・七祖の師訓と選集の意楽

 ^ここに禿とくしゃく親鸞しんらんよろこばしいかな、 *西蕃せいばんげっしょうてんとう (中国)日域じちいき (日本) しゃくひがたくしていまふことをたりきがたくしてすでにくことをたり。 しんしゅう教行きょうぎょうしょうきょうしんして、 ことに如来にょらい恩徳おんどくふかきことをんぬ。 ここをもつてくところをよろこび、 るところをたんずるなりと

コヽ愚禿釈親鸞、ヨロコバシイカナ西セイバンサカイ・月支聖典、東日域ジチヰキ師釈、難シテ↠遇今得タリ↠遇コトヲ、難シテ↠聞タリ↠聞コトヲキヤウ↢信シテ真宗教行証↡、特↢如来恩徳トヲ↡。斯、慶↠所↠聞タンホムズルナリト↠所矣。

  0133

  0008

標挙

0134だいりょう寿じゅきょう *真実しんじつきょう じょうしんしゅう

標列

真実しんじつきょうあらわ
 真実しんじつぎょうあらわ
 真実しんじつしんあらわ
 真実しんじつしょうあらわ
 しんぶつあらわ
 しんあらわ

 

題号

0135けんじょう真実しんじつきょう文類もんるい 

禿とくしゃく親鸞しんらんしゅう

先づ法門を開拓す【真宗大綱】

【1】 ^つつしんでじょうしんしゅうあんずるに、 しゅ*こうあり。 一つには往相おうそう二つには還相げんそうなり。 往相おうそうこうについて真実しんじつきょうぎょうしんしょうあり。

0009ズルニ↢浄土真宗↡有↢二種廻向↡。一者往相、二者還相ナリ。就↢往相廻向↡有↢真実教行信証↡。

正しく真実教を明かす
  教体を指定す【指定教体】

【2】 ^それ真実しんじつきょうあらわさば、 すなはち ¬*だいりょう寿じゅきょう¼ これなり。

↢真実、則¬大无量寿経¼是也。

大意を顕示す【大経大意】
    正しく大意を明かす

^このきょうたいは、 弥陀みだちかいちょうほつして、 ひろ法蔵ほうぞうひらきて、 ぼんしょうあわれんでえらんでどくほうすることをいたしゃしゅっこうして、 どうきょう光闡こうせんして群萌ぐんもうすくめぐむに真実しんじつをもつてせんとおぼすなり

タイ、弥陀超↢発シテ↟誓、広↢法蔵↡、致↧哀↢凡小↡選スルコトヲ↦功徳之ホウ↥。釈迦出↢興シテ↟世、光↢ヒロシセンシテヒラク 道教↡、オボスナリスクグンマウメグムニテセムト↦真実之利↥。

二 Ⅱ 宗体を結示す

^ここをもつて如来にょらい本願ほんがんきてきょうしゅうとすすなはちぶつみょうごうをもつてきょうたいとするなり

↢如来本願↢経ムネト↡、即0010↢仏名号↢経↡也。

真実を証誠す【出世本懐】
   
徴起

 ^なにをもつてか*しゅっだいなりとることをるとならば、

テカルトナラバ↠知コトヲ↢出世大事ナリト↡、

二 Ⅲ 出文
      経文
        ¬大経¼

【3】 ^¬だいりょう寿じゅきょう¼ (上) にのたまはく、

¬大无量寿経¼ノタマハク

1.阿難請問 ・ 未曽瞻覩

^ª今日こんにちそん諸根しょこんえつ姿しき清浄しょうじょうにして、 光顔こうげん巍々ぎぎとましますことあきらかなるかがみきよかげひょうとおるがごと0136し。 よう顕曜けんようにしてちょうぜつしたまへることりょうなり。 いまだかつてせんせず、 しゅみょうなることきょうのごとくましますをば。

「今日世尊、諸根エチヨロコビヨロコブ姿スガタ色清浄ニシテ、光カオバセ スガタトマシマスコト、如↣明ナルカヾミカゲトオルガヘウオモテウラ↡。ヨウスガタ カオバセケンエウカヾヤクニシテタエタリシタマヘルコト无量ナリ。未↢曽セムミタテマツラシユ反スグレナルコトクマシマスヲバケフ

1.阿難請問 ・ 五徳瑞現

^やや、 しかなり。 だいしょう、 わがこころ念言ねんごんすらく、 ^今日こんにちそんどくほうじゅうしたまへり。 ^今日こんにちおうぶつしょじゅうじゅうしたまへり。 ^今日こんにちげんどうぎょうじゅうしたまへり。 ^今日こんにちようさいしょうどうじゅうしたまへり。 ^今日こんにち天尊てんそん如来にょらいとくぎょうじたまへり。

ヤヽナリ。大聖、我念言スラク今日 ケフ 世尊、住シタマヘリ↢奇特↡。今日 ケフ 世雄、住シタマヘリ↢仏所住↡。今日 ケフ 世眼、住シタマヘリ導師↡。今日 ケフ 世英、住シタマヘリ↢最勝↡。今日 ケフ 天尊、行ジタマヘリ↢如来↡。

1.阿難請問 ・ 仏仏相念

^らいげんぶつぶつぶつとあひねんじたまへり。 いまのぶつ諸仏しょぶつねんじたまふことなきことをんや。 なんがゆゑぞじんひかりひかりいまししかるº と。

去来現仏、仏ジタマヘリ。得↠无コトヲイマジタマフコト↢諸仏。何威神ヒカリ リイマシカルト

2.如来審問

^ここにそん*なんげてのたまはく、 ª諸天しょてんのなんぢをおしへてきたしてぶつはしむるや、 みづからけんをもつてげんへるやº と。

コヽ世尊告↢阿難ノタマハク、諸天↠汝シテハシムル↠仏ミヅカ↢慧見↡問↢威顔カオバセ

3.阿難実答

^なんぶつにまうさく、 ª諸天しょてんきたりてわれをおしふるものあることなけん。 みづから所見しょけんをもつてこのひたてまつるならくのみº と。

阿難白↠仏0011、無ケム↠有コト↢諸天↠我者↡。ミヅカ↢所見ヒタテマツル↢斯ナラクノミ

4.如来正答 ・ 先歎所問

 ^ぶつののたまはく、 ªいかななんへるところはなはだこころよし。 ふか智慧ちえしんみょう弁才べんざいおこして、 しゅじょう*t>愍念みんねんせんとして、 この慧義えぎへり。

ハク、善哉阿難、所↠問コヽロヨ。発シテ↢深智慧、真妙弁才↡、愍↢念セムトシテ衆生↡、問ヘリ↢斯慧義↡。

4.如来正答 ・ 正顕本懐 ・ 正明

^如来にょらいがいだいをもつて三界さんがい矜哀こうあいしたまふ。 しゅっこうするゆゑは、 どうきょう光闡こうせんして、 群萌ぐんもうすくめぐむに真実しんじつをもつてせんとおぼしてなり。

如来以↢无ガイオホフ反ケダシ反大悲矜↢アイシタマフ三界↡。所↣以 ユヘ 出↢興スル↟世、光↢闡シテ道教↡、オボシテナリスク↢群萌メグムニテセムト↦真実之利↥。

4.如来正答 ・ 正顕本懐 ・ 示難

^りょうおくこうもうあひがたくたてまつりがたきこと、 なほし霊瑞れいずいときありてときにいましづるがごとし0137

无量億劫マウアコト↠見タテマツリ、猶↢霊瑞華ヅルガ↡。

4.如来正答 ・ 正顕本懐 ・ 問益

^いまへるところはにょうやくするところおおし、 一切いっさい諸天しょてん人民にんみんかいす。

所↠問ヘルオホ↠所↢饒益スル↡、開↢化一切諸天・人民↡。

4.如来正答 ・ 述成所問

^なんまさにるべし、 如来にょらいしょうがくは、 そのはかりがたくして、 どうしたまふところおおし。 けん無礙むげにしてよく遏絶あつぜつすることなしº」 と。

阿難当↠知、如来正覚、其智難クシテ↠量、多↢導シタマフ↡。慧見无ニシテシト↢能アチトヾムスルコト↡。」

二 Ⅲ ⅱ a ¬如来会¼

【4】 ^¬*りょう寿じゅ如来にょらい¼ (上) にのたまはく、

¬无量寿如来会¼言

^なんぶつにまうしてまうさく、 ªそん、 われ如来にょらい*光瑞こうずい希有けうなるをたてまつるがゆゑにこのねんおこせりてんとうによるにあらずº と。

「阿難白シテ↠仏サク、世尊、我見タテマツルガ↢如来光瑞希有ナルヲ↡故セリ↢斯↡。非ズトヨル↢天等↡。

^ぶつなんげたまはく、 ªいかないかな、 なんぢいまこころよへり。 よくみょう弁才べんざい観察かんざつして、 よく如来にょらいにょひたてまつれり。

仏告タマハク↢阿難↡、善カナ0012、汝今ヘリ。善能観↢察シテミソナハシクカヾミテ微妙弁才ワキマヘシル↡、能タテマツレリ↢如来如是之義↡。

^なんぢ一切いっさい*如来にょらいおうしょう等覚とうがくおよびだいあんじゅうしてぐんじょうやくせんがためにどん希有けうなるがごとくして*だいけんしゅつげんしたまへり。 ゆゑにこのひたてまつる。

タメ↧一切如来・応・正等覚及安↢住シテ大悲↡利↦益セムガムラガル↥、如クシテ↢優曇華希有ナルガ↡大士出↢現シタマヘリ世間↡。故ヒタテマツル↢斯↡。

^またもろもろのじょう哀愍あいみん*らくせんがためのゆゑに、 よく如来にょらいにょひたてまつれりº」 と。

↤哀↢愍利↣楽セムガ有情↡故、能ヒタテマツレリト↢如来如是之義↡。」

二 Ⅲ ⅱ a ¬平等覚経¼

【5】 ^¬*びょうどうがくきょう¼ (一) にのたまはく、

¬平等覚経¼言

^ぶつなんげたまはく、 ªけん*どんじゅあり、 ただありてはなあることなし。 てんぶつまします、 いましはなづるがごとくならくのみ。 けんぶつましませども、 はなはだもうあふことをることかたし。 いまわれぶつになりててんでたり。

「仏告ゲタマハク↢阿難↡、如↧世間↢優曇鉢樹↡、但有↠実无↠有コト↠華天下マシマ↠仏、乃ヅルガナラクノミ。世間マシマセドモ↠仏、甚↠得コトコトヲ。今我作↠仏タリ↢天下↡。

^*なんぢ大徳だいとくありて、 そうみょう善心ぜんしん0138して、 あらかじめぶつる。 なんぢわすれずして仏辺ぶっぺんにありてぶつつかへたてまつるなり。 なんぢいまへるところ、 よくき、 あきらかにけº」 と。

↢大徳↡、聡明善心ニシテ↢仏意↢仏辺タマフ↠仏也。若今所↠問ヘル、諦ケト。」

二 Ⅲ ⅱ 師釈
        憬興¬述文賛¼

【6】 ^*きょうごうのいはく (*述文賛)

憬興師

^ª今日こんにちそんじゅうどくほうº といふは、 *神通じんずうりんによりてげんじたまふところのそうなり。 ただつねにことなるのみにあらず。 またひとしきものなきがゆゑに。

「今日世尊住奇特法トイフハ↢神通輪↡所↠現ジタマフ之相ナリ。非↢唯異ナルノミニ↟常。亦无キガ↢等シキ↡故

^ª今日こんにちおうじゅうぶつしょじゅうº といふは、 *とう三昧ざんまいじゅうして、 *よくしゅ雄健おうごんてんせいするがゆゑに

今日世雄住仏所住トイフハ↢普等三昧↡、能スルガ↢衆魔雄健天↡故

^ª今日こんにちげんじゅうどうぎょうº といふは、 げんどうぎょうづく。 しゅじょう引導いんどうするにじょうなきがゆゑに。

今日世眼住導師行トイフハ 五眼↢導師↡。引↢導スルニ衆生↡无キガ↢過上↡故

^ª今日こんにちようじゅうさいしょうどうº といふは、 ぶつ四智しちじゅうしたまふひとひいでたまへること、 ひとしきことなきがゆゑに。

今日世英住最勝道トイフハ 仏住シタマフ↢四智↡。独デタマヘルコトキガヒトシキコト

^ª今日こんにち天尊てんそんぎょう如来にょらいとくº といふは、 すなはち*だいいちてんなり。 *ぶっしょうくうをもつてのゆゑに。

今日天尊行如来徳トイフハ第一義天ナリ。以↢仏性不空↡故

^ªなんとう如来にょらいしょうがくº といふは、 すなはちどくほうなり。

阿難当知如来正覚トイフハドク之法ナリ

^ªけん無礙むげº といふは、 さいしょうどうじゅつするなり。

慧見无トイフハ ジユツスルナリ↢最勝之道↡。

^ªのう遏絶あつぜつº といふは、 すなはち如来にょらいとくなり」 と。

无能タヘタフルトイフハ如来ナリ

二 Ⅲ 結示

【7】 ^しかればすなはち、 これ真実しんじつきょうあらわ明証みょうしょうなり。

0013者則顕真実教明証也。

結嘆【六句歎釈】

^まことにこれ、 如来にょらいこうしょうせつどくさいしょうみょうでん*いちじょうきょう極説ごくせつ速疾そくしつえんにゅう金言きんげん十方じっぽうしょうさんじょうごん時機じき純熟じゅんじゅくしんきょうなりと、 るべしと。

如来興世之正説、奇特最勝之妙典、一乗究竟之極説、速疾円融之金言、十方称讃之誠言、時機純熟之真教也、シト↠知

けん0139じょう真実しんじつきょう文類もんるい 一

 

延書の底本は本山蔵本(所謂清書本)ˆ原漢文の校訂本Ⓐˇ。
愚禿釈親鸞述 現行本にない。 六要鈔の註に対応するため仮に入れた。
ひそかにおもんみれば 仏意に対して、 へりくだる意をあらわす。
彰れて Ⓐ「彰して」
浄邦縁熟して 釈尊が浄土の教えを説き明かす機縁が熟して。
浄業機彰れて 浄土往生の行業 (念仏) を修するにふさわしい機類があらわれて。
大聖一代の教 釈尊が一生の間に説いた教法。
しくなし 及ぶものはない。
多生にも値ひがたく いくたび生を重ねても容易にあえるものではなく。
疑網に覆蔽せられば 疑いの網におおわれたなら。
経歴 ここではてんをくり返すこと。
聞思して… 本願のいわれを聞きひらき、 疑いためらってはならない。
西蕃月支 月支 (月氏) は中央アジアの民族名であるが、 ここでは西蕃も月支もともにインドを指す。
真実の教 →補註8
回向 →補註12
出世の大事 →しゅっ本懐ほんがい
諸根悦予 諸根は眼・耳・鼻・舌・身の五根 (五種の感覚器官)、 悦予はよろこぶこと。 全身によろこびがあふれている相をあらわした言葉。
大士 一般には菩薩のこと。 ここでは釈尊を指す。
優曇鉢樹 どんのこと。
なんぢ…聴け 底本には 「もし大徳ありて、 聡明善心にして、 仏意を知るによって、 もし忘れずは、 仏辺にありて仏に侍へたまふなり。 もしいま問へるところ、 あまねく聴き、 あきらかに聴け」 とある。
神通輪 三輪さんりんの一。
よく衆魔雄健天を制するがゆゑに 雄健天を天魔 (第六天の魔王) と解するものか。 通常は 「よく衆魔を制す。 雄健天 (世雄。 仏のこと) なるがゆゑに」 と読む。
仏性不空 ぶっしょうは無量の徳用をもち常住じょうじゅうであることをいう。
一乗究竟の極説 一切しゅじょうをことごとく仏のさとりに至らせる一乗教の究極を説きあらわした最高の教え。
底本は◎真宗大谷派蔵親鸞聖人真筆本。 Ⓐ本派本願寺蔵鎌倉時代写本、 Ⓑ高田派専修寺蔵真仏上人書写本、 Ⓒ本派本願寺蔵存如上人授与本、 Ⓓ本派本願寺蔵版 と対校。
総序は底本を欠く。 Ⓐによる。
 左◎クニⒷクニ反
 左◎シヤウ反Ⓑ―
救済 左◎タスクスクフⒷタスク反スクフ反
 左◎オウⒷ―
 左◎トオルⒷトオル反
 左◎ヨシ反スグル反Ⓑヨシ反
 左◎トシ反Ⓑトシ
 左Ⓑゴン反
 左Ⓑツカハス反
最勝 左◎モトモスグレⒷモトモ反―
 左Ⓑナゲク反
→Ⓑ
 左◎サカイ
Ⓐイヒオハルコトバナリ Ⓑイヒオハルコヽロナリ
この段は底本を欠く。 Ⓐによる。
→Ⓑ
 Ⓐ「オモテナリイ本」と左傍註記 右Ⓑオモテナリ 左Ⓑオボシテナリ
 左Ⓑジヨウ反
 左◎ムネトⒷムネト反
 左◎ヨロコビ
 左◎ヨロコブⒷヨロコブ反
姿 左◎スガタⒷスガタ反
 左◎カオバセⒷカオバセ反
 左◎スガタⒷスガタト反
 左◎オモテⒷオモテ反
 Ⓑ「裏」と上欄註記 左◎ウラⒷウラト反
 左◎スガタ カオバセⒷスガタ反 カオバセ反
 左◎カヾヤクⒷカヾヤク反
 左◎タエタリ
瞻覩 左◎ミタテマツラⒷミタテマツル
 左◎スグレⒷスグレル反
 左◎シクⒷ―
世雄 左◎ヨニスグレタリトⒷ―
 Ⓐ「道アル本ニコノ字」と下欄註記
→Ⓒ辨
 左◎オホフ反ケダシ反Ⓑオヽフ反
矜哀 左Ⓑオホキニ アハレム
 左◎ヨルⒷ―
観察 左◎ミソナハシクカヾミテⒷミソナハシ反 カヾミテ反
 左◎ワキマヘシルⒷ― →Ⓒ
有情→Ⓑ衆生
 左ⒶトクⒷトク反
 左Ⓑワスレ
 左Ⓐヘタテマツラムト
 左◎スグルⒷ―
 左ⒶⒷノブ反
 左◎タヘⒷ―
 左◎タフルⒶタフル ゼチ反Ⓑ―
 ◎「是」「此」と上書訂記 →Ⓑ
顕真実教→Ⓑ↢真実
 ◎右傍補記