0356◎仏説大乗無量寿荘厳経 巻中
*西天*訳経三蔵朝散大夫試光禄卿明教大師*臣法賢奉詔訳
◎三一 その時作法苾芻世尊にまうしてまうさく、 われ菩提を得正覚を成じをはらんに、 あらゆる一切衆生、 わが名号を聞きて、 永く熱悩の心を離れ、 清涼の行を得、 信行を正しくしてわが刹に生ずることを得、 宝樹の下に坐して無生忍を証し、 阿耨多羅三藐三菩提を成就せん。
◎○爾ノ時作法苾芻白シテ↢世尊ニ↡言ク、我得↢菩提ヲ↡成ジ↢正覚ヲ↡已ラムニ、所有ル一切衆生、聞キテ↢我ガ名号ヲ↡、永ク離レ↢熱悩ノ心ヲ↡、得↢清涼ノ行ヲ↡、正シクシテ↢信行ヲ↡得↠生ズルコトヲ↢我ガ刹ニ↡、坐シテ↢宝樹ノ下ニ↡証シ↢無生忍ヲ↡、成↢就セム阿耨多羅三藐三菩提ヲ↡。
三二 世尊、 われ菩提を得、 正覚を成じをはらんに、 あらゆる十方一切仏刹の諸菩薩衆、 わが名号を聞きて、 時に応じて寂静三摩地を証得せん。 この定に住しをはりて、 一念のなかにおいて無量無辺不可思議の諸仏世尊を見ることを得、 承事し供養して、 阿耨多羅三藐三菩提を成就せん。
○世尊、我得↢菩提ヲ↡、成ジ↢正覚ヲ↡已ラムニ、所有ル十方一切仏刹ノ諸菩薩衆、聞キテ↢我ガ名号ヲ↡、応ジテ↠時ニ証↢得セム寂静三摩地ヲ↡。住シ↢是ノ定ニ↡已リテ、於テ↢一念ノ中ニ↡得↠見ルコトヲ↢無量無辺不可思議ノ諸仏世尊ヲ↡、承事シ供養シテ、成↢就セム阿耨多羅三藐三菩提ヲ↡。
三三 世尊、 われ菩提を得、 正覚を成じをはらんに、 あらゆる十方一切仏刹の声聞・菩薩、 わが名号を聞きて、 無生忍を証し、 一切平等の善根を成就し、 無功用に住し、 加行を離るるがゆゑに、 久しからずして阿耨多羅三藐三菩提を得しめん。
○世尊、我得↢菩提ヲ↡、成ジ↢正覚ヲ↡已ラムニ、所有ル十方一切仏刹ノ声聞・菩薩、聞キテ↢我ガ名号ヲ↡、証シ↢無生忍ヲ↡、成↢就シ一切平等ノ善根ヲ↡、住シ↢無功用ニ↡、*離ルルガ↢加行ヲ↡故ニ、不シテ↠久シカラ令メム↠得↢阿耨多羅三藐三菩提ヲ↡。
三四 世尊、 われ菩提を得、 正覚を成じをはらんに、 あらゆる十方一切仏刹の諸菩薩衆、 わが名を聞きをはりて、 希有の心を生じ、 この人すなはち普徧菩薩の三摩地を得ん。 この定に住しをはりて、 一念のなかにおいて無量無数不可思議の諸仏刹のなかに至ることを得て、 諸仏を恭敬し尊重し供養し、 阿耨多羅三藐三菩提を成就せん。
○世尊、我得↢菩提ヲ↡、成ジ↢正覚ヲ↡已ラムニ、所有ル十方一切仏刹ノ諸菩薩衆、聞キ↢我ガ名ヲ↡已0357リテ、生ジ↢希有ノ心ヲ↡、是ノ人即チ得ム↢普徧菩薩ノ三摩地ヲ↡。住シ↢此ノ定ニ↡已リテ、於テ↢一念ノ中ニ↡得テ↠至ルコトヲ↢無量無数不可思議ノ諸仏刹ノ中ニ↡、恭↢敬シ尊↣重シ供↤養シ諸仏ヲ↡、成↢就セム阿耨多羅三藐三菩提ヲ↡。
三五 世尊、 われ菩提を得、 正覚を成じをはらんに、 わが刹のなかにおけるあらゆる菩薩、 あるいは説法を楽ひ、 あるいは聴法を楽ひ、 あるいは神足を現じ、 あるいは他方に往くに、 意に随ひて修習し、 円満せざることなく、 みな阿耨多羅三藐三菩提を証得せしめむ。
○世尊、我得↢菩提ヲ↡、成ジ↢正覚ヲ↡已ラムニ、於ケル↢我ガ刹ノ中ニ↡所有ル菩薩、或イハ楽ヒ↢説法ヲ↡、或イハ楽ヒ↢聴法ヲ↡、或イハ現ジ↢神足ヲ↡、或イハ往クニ↢他方ニ↡、随ヒテ↠意ニ修習シ、無ク↠不ルコト↢円満セ↡、皆令メム↣証↢得セ阿耨多羅三藐三菩提ヲ↡。
三六 世尊、 われ菩提を得、 正覚を成じをはらんに、 あらゆる十方一切仏刹のわが名を聞かんもの、 時に応じてすなはち初忍・二忍乃至無生法忍を得て、 阿耨多羅三藐三菩提を成就せんと。
○世尊、我得↢菩提ヲ↡、成ジ↢正覚ヲ↡已ラムニ、所有ル十方一切仏刹ノ聞カム↢我ガ名ヲ↡者、応ジテ↠時ニ即チ得テ↢初忍・二忍乃至無生法忍ヲ↡、成↢就セムト阿耨多羅三藐三菩提ヲ↡。
二 Ⅰ ⅴ 重誓偈
【6】 その時作法苾芻かの仏前に向かひ、 かくのごときの願を発しをはりて、 仏の威神を承けて、 すなはち頌を説きていはく、
○爾ノ時作法苾芻向ヒ↢彼ノ仏前ニ↡、発シ↢如キノ↠是クノ願ヲ↡已リテ、承ケテ↢仏ノ威神ヲ↡、即チ説キテ↠頌ヲ曰ク、
われいま仏前に対ひて 誠実の願を発せり
仏の十力身を獲て 威徳等々なけん
○我今対ヒテ↢仏前ニ↡ | 而発セリ↢誠実ノ願ヲ↡ |
獲テ↢仏ノ十力身ヲ↡ | 威徳無ケム↢等等↡ |
また大国王となりて 富豪にしてしかも自在に
広くもろもろの財宝をもつて あまねく貧苦に施して
○復為リテ↢大国王ト↡ | 富豪ニシテ而モ自在ニ |
広ク以テ↢諸ノ財宝ヲ↡ | 普ク施シテ↢於貧苦ニ↡ |
かのもろもろの群生をして 長夜に憂悩なく
もろもろの善根を出生し 菩提の果を成就せしめん
~令メム↧彼ノ諸ノ群生ヲシテ | 長夜ニ無ク↢憂悩↡ |
出↢生シ衆ノ善根ヲ↡ | 成↦就セ菩提ノ果ヲ↥ |
われもし正覚を成ぜば 名を無量寿と立てん
衆生この号を聞きて ともにわが刹中に来り
○我若シ成ゼバ↢正覚ヲ↡ | 立テム↢名ヲ無量寿ト↡ |
衆生聞キテ↢此ノ号ヲ↡ | 倶ニ来リ↢我ガ刹中ニ↡ |
仏の金色身のごとく 妙相ことごとく円満せん
また大慈心をもつて もろもろの群品を利益せん
○如ク↢仏ノ金色身ノ↡ | 妙相悉ク円満セム |
亦以テ↢大*慈心ヲ↡ | 利↢益セム諸ノ群品ヲ↡ |
願はくはわが智慧光 広く十方の刹を照らし
もろもろの有情の 貪瞋煩悩の闇を除滅せん
○0358願クハ我ガ智慧光 | 広ク照シ↢十方ノ刹ヲ↡ |
除↢滅セム諸ノ有情ノ | 貪瞋煩悩ノ*闇ヲ↡ |
地獄・鬼・畜生 ことごとく三塗の苦を捨て
またわが刹中に生じて 清浄の行を修習し
○地獄・鬼・畜生 | *悉ク捨テ↢三塗ノ苦ヲ↡ |
亦生ジテ↢我ガ刹中ニ↡ | 修↢習シ清浄ノ行ヲ↡ |
かの光明身を獲て 仏のごとくあまねく照曜して
日月・珠宝の光も その明比ぶべからず
○獲テ↢彼ノ光明身ヲ↡ | 如ク↠仏ノ普ク照曜シテ |
日月・珠宝ノ光モ | 其ノ明不ラム↠可カラ↠比ブ |
願はくはわれ未来世に つねに天人の師となりて
百億の世界のなかに しかも師子吼をなし
○願クハ我未来世ニ | 常ニ作リテ↢天人ノ師ト↡ |
百億ノ世界ノ中ニ | 而モ作シ↢師子吼ヲ↡ |
かの過去仏の 行ぜしところの慈愍の行のごとく
広く無量無辺 倶胝のもろもろの有情をして
○如ク↢彼ノ過去仏ノ | 所ノ↠行ゼシ慈愍ノ行ノ↡ |
広ク無量無辺 | 倶胝ノ諸ノ有情ヲシテ |
昔の所願を円満し 一切みな成仏せしめん
この大願を発す時 三千大千界
○円↢満シ昔ノ所願ヲ↡ | 一切皆成仏セシメム |
○発ス↢是ノ大願ヲ↡時 | 三千大千界 |
震動して十方にあまねく 天人空界のなか
一切の花 栴檀および沈水を散雨し
~震動シテ*徧ク↢十方ニ↡ | 天人空界ノ中 |
散↢雨シ一切ノ花 | 栴檀及ビ沈水ヲ↡ |
大苾芻を称讃す 願力はなはだ希有なり
決定してまさに作仏して 広く衆生界を利すべしと
●称↢讃ス大苾芻ヲ↡ | 願力甚ダ希有ナリ |
決定シテ当ニシト↣作仏シテ | 広ク利ス↢衆生界ヲ↡ |
二 Ⅱ 菩薩修行
【7】 また次に阿難、 時に作法苾芻世自在王如来および天人・魔・梵・沙門・婆羅門・阿修羅等に対して、 この願を発しをはりて、 真実の慧に住し、 勇猛精進にして、 無量の功徳を修習し、 仏刹を荘厳し、
○復次ニ阿難、時ニ作法苾芻対シテ↢世自在王如来及ビ天人・魔・梵・沙門・婆羅門・阿修羅等ニ↡、発シ↢是ノ願ヲ↡已リテ、住シ↢真実ノ慧ニ↡、勇猛精進ニシテ、修↢習シ無量ノ功徳ヲ↡、○荘↢厳シ仏刹ヲ↡、
三摩地に入り、 大阿僧祇劫を歴て、 菩薩の行を修し、 慳貪心・瞋恚心・愚痴心を生ぜず、 また欲想・瞋想・痴想、 色・声・香・味・触の想なし。 心迷乱せず、 口瘖瘂ならず、 身懈怠せず、 ただ楽みて過去諸仏の所修の善根の行・寂静の行を憶念し、
○入リ↢三摩地ニ↡、歴テ↢大阿僧祇劫ヲ↡、修シ↢菩薩ノ行ヲ↡、○不↠生ゼ↢慳貪心・瞋恚心・愚痴心ヲ↡、亦無シ↢欲想・瞋想・痴想、色・声・香・味・触ノ想↡。心不↢迷乱セ↡、口不↢瘖瘂ナラ↡、身不↢懈怠セ↡、但楽ミテ憶↢念シ過去諸仏ノ所修ノ善根ノ行・寂静ノ行ヲ↡、
虚妄を遠離して、 堅く律儀を守り、 つねに愛語をもつて衆生を饒益し、 仏法僧において信重し恭敬し、 調順柔軟にして、 真諦門によりてもろもろの徳本を植え、
○遠↢離シテ虚妄ヲ↡、○堅ク守リ↢律儀ヲ↡、○常ニ以テ↢愛語ヲ↡饒↢益シ衆生ヲ↡、○於テ↢仏法僧ニ↡信重シ恭敬シ、調順柔軟ニシテ、依リテ↢真諦門0359ニ↡植エ↢衆ノ徳本ヲ↡、
空・無相・無願・無為・無生・無滅を了り、 よく口業を護りて他の過を譏らず、 よく身業を護りて律儀を失せず、 よく意業を護りて清浄にして染なし。
○了リ↢空・無相・無願・無為・無生・無滅ヲ↡、善ク護リテ↢口業ヲ↡不↠譏ラ↢他ノ過ヲ↡、善ク護リテ↢身業ヲ↡不↠失セ↢律儀ヲ↡、善ク護リテ↢意業ヲ↡清浄ニシテ無シ↠染。
あらゆる国城・聚落、 男女・眷属、 金・銀・珍宝、 乃至色・声・香・味・触等に、 すべて所著なし。 つねに布施・持戒・忍辱・精進・禅定・智慧の六度の行をもつて衆生を利楽し、 軌範具足し、 善根円満す。
●所有ル国城・聚落、男女・眷属、金・銀・珍宝、乃至色・声・香・味・触等ニ、都テ無シ↢所著↡。恒ニ以テ↢布施・持戒・忍辱・精進・禅定・智慧ノ六度之行ヲ↡*利↢楽シ衆生ヲ↡、軌範具足シ、善根円満ス。
所生の処には無量無数百千倶胝那由他の珍宝の蔵ありて地より湧出し、 無量無数百千倶胝那由他の衆生を摂受して、 阿耨多羅三藐三菩提心を発さしめん。
○所生之処ニハ有リテ↢無量無数百千倶胝那由他ノ珍宝之蔵↡従リ↠地*湧出シ、摂↢受シテ無量無数百千倶胝那由他ノ衆生ヲ↡、発サシメム↢阿耨多羅三藐三菩提心ヲ↡。
かくのごときの行、 無量無辺にして、 説くとも尽くすことあたはず。
○如キ↠是クノ之行、無量無辺ニシテ、説クトモ不↠能ハ↠尽スコト。
【8】 また次に阿難、 作法苾芻菩薩の行を行ぜし時、 諸仏の所において、 尊重し恭敬し承事し供養していまだかつて間断せず、 四大天王となりて、 つねに仏所に詣り、 恭敬し礼拝し承事し供養し、 忉利天王となりて、 つねに仏所に詣り、 恭敬し礼拝し承事し供養し、 夜摩天王・兜率天王・化楽天王・他化自在天王、 乃至大梵天王等となりて、 つねに仏所に詣り、 恭敬し礼拝し承事し供養せり。
○復次ニ阿難、作法苾芻行ゼシ↢菩薩ノ行ヲ↡時、於テ↢諸仏ノ所ニ↡、尊重シ恭敬シ承事シ供養シテ未ダ↢曽テ間断セ↡、為リテ↢四大天王ト↡、恒ニ詣リ↢仏所ニ↡、恭敬シ礼拝シ承事シ供養シ、為リテ↢忉利天王ト↡、恒ニ詣リ↢仏所ニ↡、恭敬シ礼拝シ承事シ供養シ、為リテ↢夜摩天王・兜率天王・化楽天王・他化自在天王、乃至大梵天王等ト↡、恒ニ詣リ↢仏所ニ↡、恭敬シ礼拝シ承事シ供養セリ。
また次に阿難、 閻浮提に処しては転輪王となりて潅頂位を受け、 および大臣・官族等とつねに仏所に詣り、 恭敬し礼拝し承事し供養し、 刹帝利・婆羅門等となりて、 つねに仏所に詣り、 恭敬し礼拝し承事し供養せり。 かくのごとく無量無数百千万億劫を経て、 諸仏に親近し、 もろもろの徳本を植えて、 阿耨多羅三藐三菩提に集むるところなり。
~復次ニ阿難、処シテハ↢閻浮提ニ↡為リテ↢転輪王ト↡受ケ↢潅頂位ヲ↡、及ビ大臣・官族等ト恒ニ詣リ↢仏所ニ↡、恭敬シ礼拝シ承事シ供養シ、為リテ↢刹帝利・婆羅門等ト↡、恒ニ*詣リ↢仏所ニ↡、恭敬シ礼拝シ承事シ供養セリ。如ク↠是クノ経テ↢無量無数百千万億劫ヲ↡、親↢近シ諸仏ニ↡、植エテ↢衆ノ徳本ヲ↡、0360所ナリ↠集ムル↢阿耨多羅三藐三菩提ニ↡。
【9】 また次に阿難、 作法苾芻菩薩の行を行ぜし時、 口中よりつねに栴檀の香を出し、 身のもろもろの毛孔より優鉢羅華の香を出せり。 その香あまねく無量無辺不可思議那由他百千由旬に薫じ、 有情のこの香を聞ぐもの、 みな阿耨多羅三藐三菩提心を発せり。
○復次ニ阿難、作法苾芻行ゼシ↢菩薩ノ行ヲ↡時、口中ヨリ常ニ出シ↢*栴檀之香ヲ↡、身ノ諸ノ毛孔ヨリ出セリ↢優鉢羅華ノ香ヲ↡。其ノ香普ク薫ジ↢無量無辺不可思議那由他百千由旬ニ↡、有情ノ聞グ↢此ノ香ヲ↡者、皆発セリ↢阿耨多羅三藐三菩提心ヲ。
【10】また次に阿難、 作法苾芻菩薩の行を行ぜし時、 色相端厳にして、 三十二相・八十種好ことごとくみな具足せり。 また一切の珍宝をもつて荘厳せり。 両臂手中よりつねに一切の衣服・一切の飲食・一切の幢幡・一切の傘蓋・一切の音楽、 乃至一切の最上の所須の物を出して、 一切衆生を利楽し、 阿耨多羅三藐三菩提心を発さしむと。
○復次ニ阿難、作法苾芻行ゼシ↢菩薩ノ行ヲ↡時、色相端厳ニシテ、三十二相・八十種好悉ク皆具足セリ。復以テ↢一切ノ珍宝ヲ↡荘厳セリ。両臂手中ヨリ恒ニ出シテ↢一切ノ衣服・一切ノ飲食・一切ノ幢幡・一切ノ傘蓋・一切ノ音楽、乃至一切ノ最上ノ所須之物ヲ↡、利↢楽シ一切衆生ヲ↡、令ムト↠発サ↢阿耨多羅三藐三菩提心ヲ↡。
二 Ⅲ 弥陀果徳
ⅰ 十劫成道
【11】その時阿難、 仏のかの作法苾芻の菩薩の行を説きたまふことを聞きて、 世尊にまうしてまうさく、 作法苾芻はこれ過去の仏とせんや、 未来の仏なりや、 現在の仏なりやと。
○爾ノ時阿難聞キテ↣*仏ノ説キタマフコトヲ↢彼ノ作法苾芻ノ菩薩之行ヲ↡、白シテ↢世尊ニ↡言ク、作法苾芻ハ為ム↢是過去ノ仏ト↡耶、未来ノ仏ナリ耶、現在ノ仏ナリ耶ト。
世尊告げてのたまはく、 かの仏如来は、 来るに来るところなく、 去るに去るところなく、 無生無滅にして、 過・現・未来にあらず、 ただ願に酬い生を度するをもつて現にまします。 西方に閻浮提を去ること百千倶胝那由他の仏刹に世界あり、 名づけて極楽といふ。 仏をば無量寿と名づく。
●世尊告ゲテ言ク、彼ノ仏如来ハ、来ルニ無ク↠所↠来ル、去ルニ無ク↠所↠去ル、無生無滅ニシテ、非ズ↢過・現・未来ニ↡、但以テ↢酬イ↠願ニ度スルヲ↟生ヲ現ニ在ス。○西方ニ去ルコト↢閻浮提ヲ↡百千倶胝那由他ノ仏刹ニ有リ↢世界↡、名ケテ曰フ↢極楽ト↡。仏ヲバ名ク↢無量寿ト↡。
成仏よりこのかた、 いまにおいて十劫なり。 無量無数の菩薩摩訶薩および無量無数の声聞の衆ありて、 恭敬し囲繞せり。 しかもために説法したまふ。
○成仏ヨリ已来タ、於テ↠今ニ十劫ナリ。●有リテ↢無量無数ノ菩薩摩訶薩及ビ無量無数ノ声聞之衆↡、恭敬シ囲繞セリ。而モ為ニ説法シタマフ。
二 Ⅲ ⅱ 光明無量
かの仏の光明、 東方恒河沙数百千倶胝那由他不可称量の仏刹を照らす。 かくのごとく南西北方・四維・上下もまたかくのごとし。
○彼ノ仏ノ光明、照ス↢於東方恒河沙数百千倶胝那0361由他不可称量ノ仏刹ヲ↡。如ク↠是クノ南西北方・四維・上下モ亦復如シ↠是クノ。
また次に阿難、 かの仏無量寿、 化の円光のごときは、 あるいは一由旬・二由旬・三由旬、 あるいは百由旬・千由旬・百千由旬、 あるいは倶胝那由他百千由旬、 乃至無量無辺無数の仏刹に徧満せり。
○復次ニ阿難、彼ノ仏無量寿、若キハ↢化ノ円光ノ↡、或イハ一由旬・二由旬・三由旬、或イハ百由旬・千由旬・百千由旬、或イハ倶胝那由他百千由旬、乃至徧↢満セリ無量無辺無数ノ仏刹ニ↡。
・十三光
復次に阿難、 いまこの光明をば無量光・無礙光・常照光・不空光・利益光・愛楽光・安隠光・解脱光・無等光・不思議光・過日月光・奪一切世間光・無垢清浄光と名づく。
○復次ニ阿難、今此ノ光明ヲバ名ク↢無量光・無礙光・常照光・不空光・利益光・愛楽光・安隠光・解脱光・無等光・不思議光・過日月光・奪一切世間光・無垢清浄光ト↡。
かくのごときの光明、 あまねく十方一切世界を照らす。 天・竜・薬叉・乾闥婆・阿修羅・迦楼羅・緊那羅・摩睺羅伽・人・非人等、 この光明を見て菩提心を発し利楽を獲るがゆゑなりと。
○如キノ↠是クノ光明、普ク照ス↢十方一切世界ヲ↡。天・竜・薬叉・乾闥婆・阿修羅・迦楼羅・緊那羅・摩睺羅伽・人・非人等、見テ↢此ノ光明ヲ↡発シ↢菩提心ヲ↡獲ルガ↢利楽ヲ↡故ナリト。
仏、 阿難に告げたまはく、 われ住すること一劫にしてこの光明の功徳利益を説くも、 また尽くすことあたはず。
○仏告ゲタマハク↢阿難ニ↡、我住スルコト一劫ニシテ説クモ↢此ノ光明ノ功徳利益ヲ↡、亦不↠能ハ↠尽スコト。
二 Ⅲ ⅲ 聖衆無量
また次に阿難、 無量寿如来にはかくのごとくの百・千・万・十万・百万・一倶胝・百倶胝・千倶胝・緊迦囉数・頻婆囉数・那由他数・阿由他数・毘婆訶数・嚩娑那数・穣伽数・阿僧祇数・十阿僧祇数・百阿僧祇数・千阿僧祇数・百千阿僧祇数・阿摩你野数・不可思議数、 かくのごときの無量無数の声聞の衆あり。 譬喩算数して数ふとも及ぶことあたはず。
○復次ニ阿難、無量寿如来ニハ有リ↢如キノ↠是クノ百・千・万・十万・百万・一倶胝・百倶胝・千倶胝・緊迦囉数・頻婆囉数・那由他数・阿由他数・毘婆訶数・嚩娑那数・穣伽数・阿僧祇数・十阿僧祇数・百阿僧祇数・千阿僧祇数・百千阿僧祇数・阿摩你野数・不可思議数、如キノ↠是クノ無量無数ノ声聞之衆↡。譬喩算数シテ数フトモ不↠能ハ↠及ブコト。
阿難、 かの大目乾連は神通第一にして、 三千大千世界のあらゆる一切の童男・童女も一昼夜においてことごとくその数を知らん。 たとひ百千倶胝の声聞の神通の力、 みな大目乾連のごとくして、 また一々の声聞の寿、 百千倶胝那由他歳にして、 その寿命を尽くしてかの声聞を数ふとも、 百分のなかの一分にも及ばず。
○阿難、彼ノ大目乾連ハ神通第一ニシテ、三千大千世界ノ所有ル一切ノ童男・童女モ於テ↢一昼夜ニ↡悉ク知ラム↢其ノ数ヲ↡。仮使百千倶胝ノ声聞0362ノ神通之力、皆如クシテ↢大目乾連ノ↡、又一一ノ声聞ノ寿、百千倶胝那由他歳ニシテ、尽シテ↢其ノ寿命ヲ↡数フトモ↢彼ノ声聞ヲ↡、百分之中ノ不↠及バ↢一分ニモ↡。
また次に阿難、 たとへば大海の深きこと八万四千由旬、 広闊なること無辺なるに、 たとひ人ありて身の一毛を出し、 砕きて百倶胝となし、 細なること微塵のごとくなし、 一々の塵をもつて海に投じて水を出さんに、 水の塵の上にある形量もまたしかなるがごとし。 かくのごとくして毛塵を投じ尽くさんに、 意においていかん、 毛塵の水多からんや、 海中の水多からんやと。
○復次ニ阿難、譬ヘバ 如シ↧大海ノ深キコト八万四千由旬、広闊ナルコト無辺ナルニ、仮使有リテ↠人出シ↢身ノ一毛ヲ↡、砕キテ為シ↢百倶胝ト↡、細ナルコト如クナシ↢微塵ノ↡、以テ↢一一ノ塵ヲ↡投ジテ↠海ニ出サムニ↠水ヲ、水ノ在ル↢塵ノ上ニ↡形量モ亦爾ナルガ↥。如クシテ↠是クノ投ジ↢尽サムニ毛塵ヲ↡、於テ↠意ニ云何ン、毛塵ノ水多カラムヤ、海中ノ水多カラムヤト。
阿難仏にまうしてまうさく、 世尊、 毛塵の出せる水はいまだ半合に及ばず、 海水は無量なりと。
○阿難白シテ↠仏ニ言ク、世尊、毛塵ノ出セル水ハ未ダ↠及バ↢半合ニ↡、海水ハ無量ナリト。
仏のたまはく、 阿難、 かの目乾連等の声聞の衆、 その形寿を尽くして数へて知れる数は毛塵の水のごとく、 数へていまだ尽くさざるは海中の水のごとし。 かくのごとくかの仏にはかくのごとき無量不可算数の声聞の弟子あり。
○仏言ク、阿難、彼ノ目乾連等ノ声聞之衆、尽シテ↢其ノ形寿ヲ↡数ヘテ知レル数者如ク↢毛塵之水ノ↡、数ヘテ未ダル↠尽サ者如シ↢海中ノ水ノ↡。如ク↠是クノ彼ノ仏ニハ有リ↢如キ↠是クノ無量不可算数ノ声聞ノ弟子↡。
またかの仏国土は大富無量にして、 ただ快楽のみを受けて、 もろもろの苦あることなし。
○又彼ノ仏国土ハ大富無量ニシテ、唯受ケテ↢快楽ノミヲ↡、無シ↠有ルコト↢衆ノ苦↡。
地獄・餓鬼・畜生・焔魔羅界および八難の報なく、 ただ清浄の菩薩摩訶薩および声聞の衆のみあり。
○無ク↢地獄・餓鬼・畜生・焔*魔羅界及ビ八難之報↡、唯有リ↢清浄ノ菩薩摩訶薩及ビ声聞之衆ノミ↡。
二 Ⅲ ⅳ 宝樹荘厳
また次に阿難、 かの仏国土には種々の宝柱あり、 みな百千珍宝をもつて用ゐて荘厳せり。 いはゆる金柱・銀柱・瑠璃柱・頗梨柱・真珠柱・硨磲柱・瑪瑙柱なり。
○復次ニ阿難、彼ノ仏国土ニハ有リ↢種種ノ宝柱↡、皆以テ↢百千珍宝ヲ↡而用ヰテ荘厳セリ。所謂ル金柱・銀柱・瑠璃柱・頗梨柱・真珠柱・硨磲柱・瑪瑙柱ナリ。
また金・銀の二宝柱、 金・銀・瑠璃の三宝柱、 金・銀・瑠璃・頗梨の四宝柱、 金・銀・瑠璃・頗梨・真珠の五宝柱、 金・銀・瑠璃・頗梨・真珠・硨磲の六宝柱、 金・銀・瑠璃・頗梨・真珠・硨磲・瑪瑙の七宝柱あり。
○復有リ↢金・銀ノ二宝柱、金・銀・瑠璃ノ三宝柱、金・銀・瑠璃・*頗梨ノ四宝柱、金・銀・瑠*璃瓈・*頗梨・真珠ノ五宝柱、金・銀・瑠璃・*頗梨・真珠・硨磲ノ六宝柱、金・銀・瑠璃・*頗梨・真珠・硨磲・瑪瑙ノ七宝柱↡。
また次に阿難、 かの仏国土にはまた種々の宝樹あり、 根茎枝幹は黄金の所成、 花葉菓実は白銀の化作なり。 また宝樹あり、 根茎枝幹は白銀の所成、 花葉菓実は瑠璃の化作なり。
○復次ニ阿難、彼ノ仏国土ニハ復有リ↢種種ノ宝樹↡、根茎枝0363幹ハ黄金ノ所成、華葉菓実ハ白銀ノ化作ナリ。亦有リ↢宝樹↡、根茎枝幹ハ白銀ノ所成、花葉菓実ハ瑠璃ノ化作ナリ。
また宝樹あり、 根茎枝幹は瑠璃の所成、花葉菓実は頗梨の化作なり。 また宝樹あり、 根茎枝葉は頗梨の所成、花葉菓実は真珠の化作なり。 また宝樹あり、 根茎枝幹は真珠の所成、花葉菓実は硨磲の化作なり。 また宝樹あり、 根茎枝幹は硨磲の所成、花葉菓実は瑪瑙の化作なり。 また宝樹あり、 根茎枝幹は瑪瑙の所成、花葉菓実は黄金の化作なり。
○亦有リ↢宝樹↡、根茎枝幹ハ瑠璃ノ所成、華葉菓実ハ*頗梨ノ化作ナリ。亦有リ↢宝樹↡、根茎枝葉ハ*頗梨ノ所成、華葉菓実ハ真珠ノ化作ナリ。亦有リ↢宝樹↡、根茎枝幹ハ真珠ノ所成、華葉菓実ハ硨磲ノ化作ナリ。亦有リ↢宝樹↡、根茎枝幹ハ硨磲ノ所成、花葉菓実ハ瑪瑙ノ化作ナリ。亦有リ↢宝樹↡、根茎枝幹ハ瑪瑙ノ所成、花葉菓実ハ黄金ノ化作ナリ。
また宝樹あり、 黄金を根となし、 白銀を身となし、 瑠璃を枝となし、 頗梨を梢となし、 真珠を葉となし、 硨磲を花となし、 瑪瑙を菓となす。
○亦有リ↢宝樹↡、黄金ヲ為シ↠根ト、白銀ヲ為シ↠身ト、瑠瓈ヲ為シ↠枝ト、*頗梨ヲ為シ↠*梢ト、真珠ヲ為シ↠葉ト、硨磲ヲ為シ↠花ト、*瑪瑙ヲ為ス↠菓ト。
また宝樹あり、 白銀を根となし、 瑠璃を身となし、 頗梨を枝となし、 真珠を梢となし、 硨磲を葉となし、 瑪瑙を花となし、 黄金を菓となす。
○亦有リ↢宝樹↡、白銀ヲ為シ↠根ト、琉璃ヲ為シ↠身ト、*頗梨ヲ為シ↠枝ト、真珠ヲ為シ↠*梢ト、硨磲ヲ為シ↠葉ト、*瑪瑙ヲ為シ↠花ト、黄金ヲ為ス↠菓ト。
また宝樹あり、 瑠璃を根となし、 頗梨を身となし、 真珠を枝となし、 硨磲を梢となし、 瑪瑙を葉となし、 黄金を花となし、 白銀を菓となす。
○亦有リ↢宝樹↡、瑠璃ヲ為シ↠根ト、*頗梨ヲ為シ↠身ト、真珠ヲ為シ↠枝ト、硨磲ヲ為シ↠*梢ト、瑪瑙ヲ為シ↠葉ト、黄金ヲ為シ↠花ト、白銀ヲ為ス↠菓ト。
また宝樹あり、 頗梨を根となし、 真珠を身となし、 硨磲を枝となし、 瑪瑙を梢となし、 黄金を葉となし、 白銀を花となし、 瑠璃を菓となす。
○亦有リ↢宝樹↡、*頗梨ヲ為シ↠根ト、真珠ヲ為シ↠身ト、硨磲ヲ為シ↠枝ト、瑪瑙ヲ為シ↠梢ト、黄金ヲ為シ↠葉ト、白銀ヲ為シ↠花ト、瑠璃ヲ為ス↠菓ト。
また宝樹あり、 真珠を根となし、 硨磲を身となし、 瑪瑙を枝となし、 黄金を梢となし、 白銀を葉となし、 瑠璃を花となし、 頗梨為菓となす。
○亦有リ↢宝樹↡、真*珠ヲ為シ↠根ト、硨磲ヲ為シ↠身ト、*瑪瑙ヲ為シ↠枝ト、黄金ヲ為シ↠梢ト、白銀ヲ為シ↠葉ト、瑠璃ヲ為シ↠花ト、*頗梨ヲ為ス↠菓ト。
また宝樹あり、 硨磲を根となし、 瑪瑙を身となし、 黄金を枝となし、 白銀を梢となし、 瑠璃を葉となし、 頗梨を花となし、 真珠を菓となす。
○亦有リ↢宝樹↡、硨磲ヲ為シ↠根ト、瑪瑙ヲ為シ↠身ト、黄金ヲ為シ↠枝ト、白銀ヲ為シ↠梢ト、瑠璃ヲ為シ↠葉ト、*頗梨ヲ為シ↠花ト、真珠ヲ為ス↠菓ト。
また宝樹あり、 瑪瑙を根となし、 黄金を身となし、 白銀を枝となし、 瑠璃を梢となし、 頗梨を葉となし、 真珠を花となし、 硨磲を菓となす。
○亦有リ↢宝樹↡、瑪瑙ヲ為シ↠根ト、黄金ヲ為シ↠身ト、白銀ヲ為シ↠枝ト、瑠璃ヲ為シ↠梢ト、*頗梨ヲ為シ↠葉ト、真0364珠ヲ為シ↠花ト、硨磲ヲ為ス↠菓ト。
かくのごとく極楽世界には七宝の行樹あり。
●如ク↠是クノ極楽世界ニハ七宝ノ行樹アリ。
また次に阿難、 かの仏国土は清浄厳飾に寛広平正にして、 丘陵・坑坎・荊棘・沙礫・土石等の山、 黒山・雪山・宝山・金山・須弥山・鉄囲山・大鉄囲山あることなく、 ただ黄金をもつて地となせりと。
○復次ニ阿難、彼ノ仏国土ハ清浄厳飾ニ寛広平正ニシテ、無ク↠有ルコト↢丘陵・坑坎・荊棘・沙礫・土石等ノ山、黒山・雪山・宝山・金山・須弥山・鉄囲山・大鉄囲山↡、唯以テ↢黄金ヲ↡為セリト↠地ト。
二 Ⅲ ⅴ 宝河荘厳
【12】その時阿難この語を聞きをはりて、 世尊にまうしてまうさく、 四大王天・忉利天は須弥山王によりて住するに、 夜摩天等はまさになにによりてか住すべきと。
○爾ノ時阿難聞キ↢是ノ語ヲ↡已リテ、白シテ↢世尊ニ↡言ク、四*大*王天・忉利天ハ依リテ↢須弥山王ニ↡住スルニ、夜摩天等ハ当ニキト↢依リテカ↠何ニ住ス↡。
仏、 阿難に告げたまはく、 夜摩・兜率、 乃至色・無色界の一切の諸天、 みな空界によりて住すと。
○仏告ゲタマハク↢阿難ニ↡、夜摩・兜率、乃至色・無色界ノ一切ノ諸天、皆依リテ↢空界ニ↡而住スト。
阿難まうしてまうさく、 空界は無礙なり、 いかにして依住するや、 業因・果報不可思議なりと。
○阿難白シテ言ク、空界ハ無礙ナリ、云何ニシテ依住スルヤ、業因・果報不可思議ナリト。
仏、 阿難に告げたまはく、 なんぢが身の果報もまた不可思議なり、 衆生の業報もまた不可思議なり、 諸仏の聖力も不可思議なり。
○仏告ゲタマハク↢阿難ニ↡、汝ガ身ノ果報モ亦不可思議ナリ、衆生ノ業報モ亦不可思議ナリ、諸仏ノ聖力モ不可思議ナリ。
かの仏国土には大海なしといへども、 しかも泉・河ありて処々に交流す。 その水あるいは闊きこと十由旬・二十由旬・三十由旬、 乃至百千由旬、 深きこと十二由旬なり。
○彼ノ仏国土ニハ雖モ↠無シト↢大海↡、而モ有リテ↢泉・河↡処処ニ交流ス。其ノ水或イハ闊キコト十由旬・二十由旬・三十由旬、乃至百千由旬、深キコト十二由旬ナリ。
その水清浄にして、 八功徳を具し、 微妙の声を出せり。
○其ノ水清浄ニシテ、具シ↢八功徳ヲ↡、出セリ↢微妙ノ声ヲ↡。
たとへば百千万種の音楽の声のごとく、 もろもろの仏刹に徧す。 一切衆生聞けば、 適悦して大快楽を得。
○譬ヘバ如ク↢百千万種ノ音楽之声ノ↡、徧ス↢諸ノ仏刹ニ↡。一切衆生聞ケバ者、適悦シテ得↢大快楽ヲ↡。
また水の両岸に、 また無数の栴檀香樹・吉祥菓樹の花卉あり、 つねに芳しくして光明照耀せり。
○又水ノ両岸ニ、復有リ↢無数ノ栴檀香樹・吉祥菓樹ノ花卉↡、恒ニ芳シクシテ光明照耀セリ。
もしかの衆生、 この水を過ぐる時、 足に至るを要むるもの、 膝に至るを要むるもの、 乃至項に至るを要むるものあり。
○若シ彼ノ衆生、過グル↢此ノ水ヲ↡時、要ムル↠至ルヲ↠足ニ者、要ムル↠至ルヲ↠膝ニ者、乃至要ムル↠至ルヲ↠*項ニ者アリ。
あるいは冷なるもの、 温なるもの、 急に流るるもの、 慢く流るるものを要むるに、 その水一々に衆生の意に随ひて快楽を受けしむ。
○或イハ要ムルニ↢冷ナル者、温ナル者、急ニ流ルル者、慢ク流ルル者ヲ↡、其ノ水一一ニ随ヒテ↢衆生ノ意ニ↡令ム↠受ケ↢快楽ヲ↡。
また水中において種々の声を出す。 仏声・法声・僧声・止息声・無性声・波羅蜜声・力声・無畏声・通達声・無行声・無生声・無滅声・寂静声・大慈声・大悲声・喜捨声・潅頂声、 かくのごときの種々の微妙の音声を出す。 衆生聞きをはりて、 清浄心を発して、 もろもろの分別なく、 正直平等にして、 善根を成熟し、 永く阿耨多羅三藐三菩提心を退せず。
○又於テ↢水中ニ↡出ス↢種種ノ声ヲ↡。仏声・法声・僧声・止息声・無性0365声・波羅蜜声・力声・無畏声・通達声・無行声・無生声・無滅声・寂静声・大慈声・大悲声・喜捨声・潅頂声、出ス↢如キノ↠是クノ種種ノ微妙ノ音声ヲ↡。衆生聞キ已リテ、発シテ↢清浄心ヲ↡、○無ク↢諸ノ分別↡、正直平等ニシテ、成↢熟シ善根ヲ↡、永ク不↠退セ↢於阿耨多羅三藐三菩提心ヲ↡。
またかの仏刹のそのなかに生ずるものは、 地獄声・餓鬼声・畜生声・夜叉声・闘諍声・悪口声・両舌声・殺生声・偸盗声・一切の悪声を聞かず。
○又彼ノ仏刹ノ其ノ中ニ生ズル者ハ、不↠聞カ↢地獄声・餓鬼声・畜生声・夜叉声・闘諍声・悪口声・両舌声・殺生声・偸盗声・一切ノ悪声ヲ↡。
しかもかの衆生色相端厳にして福徳無量、 智慧明了にして神通自在なり。 宮殿・楼閣・園林・池沼・衣服・臥具、 他化自在天の最上快楽の具の一切豊足せるがごとし。
○而モ彼ノ衆生色相端厳ニシテ福徳無量、智慧明了ニシテ神通自在ナリ。宮殿・楼閣・園林・池沼・衣服・臥具、如シ↢他化自在天ノ最上快楽之具ノ一切豊足セルガ↡。
また次に阿難、 かの土の衆生香花等を思ひて諸仏に供へんと欲すれば、 この念をなす時、 花香・瓔珞・塗香・末香・幢幡・傘蓋およびもろもろの伎楽、 意に随ひてすなはち至りて仏刹のなかに満つ。
●復次ニ阿難、彼ノ土ノ衆生思ヒテ↢香花等ヲ↡欲スレバ↠供ヘムト↢諸仏ニ↡、作ス↢是ノ念ヲ↡時、花香・瓔珞・塗香・末香・幢幡・傘蓋及ビ諸ノ伎楽、随ヒテ↠意ニ即チ至リテ満ツ↢仏刹ノ中ニ↡。
もし飲食・湯薬・衣服・臥具・頭冠・耳環・真珠・羅網等を思へば、 念に随ひてすなはち至りてまた仏刹に徧す。 また摩尼宝等の荘厳の宮殿・楼閣・堂宇・房閤のあるいは大あるいは小、 あるいは高あるいは下なるを思念すれば、 かくのごとく念ずる時、 意に随ひて現前して、 具足せずといふことなし。
○若シ思ヘバ↢飲食・湯薬・衣服・臥具・頭冠・耳環・真珠・羅網等ヲ↡、随ヒテ↠念ニ即チ至リテ亦徧ス↢仏刹ニ↡。又復思↢念スレバ摩尼宝等ノ荘厳ノ宮殿・楼閣・堂宇・房*閤ノ或イハ大或イハ小、或イハ高或イハ下ナルヲ↡、如ク↠是クノ念ズル時、随ヒテ↠意ニ現前シテ、無シ↠不トイフコト↢具足セ↡。
二 Ⅲ ⅵ 眷属荘厳
【13】また次に阿難、 たとへば人ありて少しき財宝あらんも潅頂位を受くる刹帝利王に対するに、 あらゆる威勢ことごとくみな現ぜず、 また刹帝利も天帝釈に対するに、 前のあらゆる威勢ことごとくみな現ぜず、 また天帝釈も他化自在天に対するに、 あらゆる威勢ことごとくみな現ぜざるがごとし、 また他化自在天等および色・無色界の一切の威勢も無量寿如来の極楽国土に対するに、 ことごとくみな現ぜず。
○復次ニ阿難、譬ヘバ如シ↩有リテ↠人少シキ有ラムモ↢財宝↡対スルニ↧受クル↢潅頂位ヲ↡刹帝利王ニ↥、所有ル威勢悉ク皆不↠現ゼ、○又刹帝利モ対スルニ↢天帝釈ニ↡、前ノ所有ル威勢悉ク皆不↠現ゼ、○又天帝釈モ対0366スルニ↢他化自在天ニ↡、所有ル威勢悉ク皆不ルガ↝現ゼ、○又他化自在天等及ビ色・無色界ノ一切ノ威勢モ対スルニ↢無量寿如来ノ極楽国土ニ↡、悉ク皆不↠現ゼ。
かくのごとくかの土の功徳荘厳は不可思議なり。
●如ク↠是クノ彼ノ土ノ功徳荘厳ハ不可思議ナリ。
【14】また次に阿難、 かの仏国土は食時ごとに香風おのづから起りて宝樹を吹き動かすに、 樹あひ掁触して微妙の音を出し、 苦・空・無常・無我・諸波羅蜜を演説す。
○復次ニ阿難、彼ノ仏国土ハ毎ニ↢於食時↡香風自ラ起リテ○吹キ↢動スニ宝樹ヲ↡、樹相掁触シテ出シ↢微妙ノ音ヲ↡、演↢説ス苦・空・無常・無我・諸波羅蜜ヲ↡。
また樹花を吹きて地上に落とし、 仏刹に周徧すること高さ七人量にして、 平正に荘厳し、 柔軟光潔なり。 行く人往来に、 足その地を躡めば、 深むこと四指量にして、 迦隣那の身に触れて安楽なるがごとし。
○復吹キテ↢樹花ヲ↡落シ↢於地上ニ↡、周↢徧スルコト仏刹ニ↡高サ七人量ニシテ、平正ニ荘厳シ、柔軟光潔ナリ。行ク人往来ニ、足躡メバ↢其ノ地ヲ↡、深ムコト四指量ニシテ、如シ↢迦隣那ノ触レテ↠身ニ安楽ナルガ↡。
食時を過ぎて後、 このもろもろの宝花地に隠れて現ぜず。 須臾のあひだを経て、 また風ありて生じ、 樹を吹き花を落して地面の上に布けば、 前のごとく異なることなし。 初夜・後夜も、 またかくのごとし。
○過ギテ↢食時ヲ↡後、是ノ諸ノ宝花隠レテ↠地ニ不↠現ゼ。経テ↢須臾ノ間ヲ↡、復有リテ↠風生ジ、吹キ↠樹ヲ落シテ↠花ヲ布ケバ↢地面ノ上ニ↡、如ク↠前ノ無シ↠異ナルコト。初夜・後夜モ、亦復如シ↠是クノ。
【15】また次に阿難、 かの仏国土はその黒闇なく、 その星曜なく、 その日月なく、 その昼夜なく、 その取捨なく、 その分別なし。 純一無雑にして、 ただ清浄最上の快楽を受くるのみ。
●復次ニ阿難、彼ノ仏国土ハ無ク↢其ノ黒闇↡、無ク↢其ノ星曜↡、無ク↢其ノ日月↡、無ク↢其ノ昼夜↡、無ク↢其ノ取捨↡、無シ↢其ノ分別↡。純一無雑ニシテ、唯受クルノミ↢清浄最上ノ快楽ヲ↡。
二 Ⅳ 往生因果
ⅰ 十一・十七・十八願成就
▼もし善男子・善女人ありて、 もしはすでに生じ、 もしはまさに生ぜんもの、 この人決定して阿耨多羅三藐三菩提を証すべし。 意においていかん。 かの仏刹のなかには三種の失なければなり。 一つには心に虚妄なく、 二つには位に退転なく、 三つには善に唐捐なし。
○若シ有リテ↢善男子・善女人↡、若シハ已ニ生ジ、若シハ当ニ生ゼムモノ、是ノ人決定シテ証スベシ↢於阿耨多羅三藐三菩提ヲ↡。於テ↠意ニ云何ン。彼ノ仏刹ノ中ニハ無ケレバナリ↢三種ノ失↡。一ニハ心ニ無ク↢虚妄↡、二ニハ位ニ無ク↢退転↡、三ニハ善ニ無シ↢唐捐↡。
【16】また次に阿難、 東方に恒河沙数の世界あり。 諸仏如来広長の舌相を出し、 無量の光を放ち、 誠実の言を説きて無量寿仏の不可思議功徳を称讃したまふ。
○復次ニ阿難、東方ニ有リ↢恒河沙数ノ世界↡。諸仏如来出シ↢広長ノ舌相ヲ↡、放チ↢無量ノ光ヲ↡、説キテ↢誠実ノ言ヲ↡称↢讃シタマフ無量寿仏ノ不可思議ノ功徳ヲ↡。
南方にもまた恒河沙数の世界あり。 諸仏如来広長の舌相を出し、 無量の光を放ち、 誠実の言を説きて無量寿仏の不可思議功徳を称讃したまふ。
~南方ニモ亦有リ↢恒河沙数ノ世0367界↡。諸仏如来出シ↢広長ノ舌相ヲ↡、放チ↢無量ノ光ヲ↡、説キテ↢誠実ノ言ヲ↡称↢讃シタマフ無量寿仏ノ不可思議ノ功徳ヲ↡。
西方にもまた恒河沙数の世界あり。 諸仏如来広長の舌相を出し、 無量の光を放ち、 誠実の言を説きて無量寿仏の不可思議功徳を称讃したまふ。
~西方ニモ亦有リ↢恒河沙数ノ世界↡。諸仏如来出シ↢広長ノ舌相ヲ↡、放チ↢無量ノ光ヲ↡、説キテ↢誠実ノ言ヲ↡称↢讃シタマフ無量寿仏ノ不可思議ノ功徳ヲ↡。
北方にもまた恒河沙数の世界あり。 諸仏如来広長の舌相を出し、 無量の光を放ち、 誠実の言を説きて無量寿仏の不可思議功徳を称讃したまふ。
~北方ニモ亦有リ↢恒河沙数ノ世界↡。諸仏如来出シ↢広長ノ舌相ヲ↡、放チ↢無量ノ光を↡、説キテ↢誠実ノ言ヲ↡称↢讃シタマフ無量寿仏ノ不可思議ノ功徳↡。
かくのごとく四維・上下の恒河沙数の世界の諸仏如来も広長の舌相を出し、 無量の光を放ち、 誠実の言を説きて無量寿仏の不可思議功徳を称讃したまふ。
~如ク↠是クノ四維・上下ノ恒河沙数ノ世界ノ諸仏如来モ出シ↢広長ノ舌相ヲ↡、放チ↢無量ノ光ヲ↡、説キテ↢誠実ノ言ヲ↡称↢讃シタマフ無量寿仏ノ不可思議ノ功徳↡。
阿難、 意においていかん。 衆生をしてかの仏の名を聞き、 清浄心を発し、 憶念し受持し、 帰依し供養して、 かの土に生ぜんことを求めしめんと欲すればなり。 この人命終すれば、 みな極楽世界に往生することを得て、 阿耨多羅三藐三菩提を退転せず。
○阿難、於テ↠意ニ云何ン。欲スレバナリ↠令メムト↧衆生ヲシテ聞キ↢彼ノ仏ノ名ヲ↡、発シ↢清浄心ヲ↡、憶念シ受持シ、帰依シ供養シテ、求メ↞生ゼムコトヲ↢彼ノ土ニ↡。是ノ人命終スレバ、皆得テ↣往↢生スルコトヲ極楽世界ニ↡、不↣退↢転セ於阿耨多羅三藐三提菩ヲ↡。
二 Ⅳ ⅱ 衆生往生
【17】また次に阿難、 もし善男子・善女人ありて、 この経典を聞き、 受持し読誦し書写し供養して、 昼夜相続し、 かの刹に生ぜんことを求めん。 この人臨終に、 無量寿如来もろもろの聖衆と現じてその前にましまし、
○復次ニ阿難、若シ有リテ↢善男子・善女人↡、聞キ↢此ノ経典ヲ↡、受持シ読誦シ書写シ供養シテ、昼夜相続シ、求メム↠生ゼムコトヲ↢彼ノ刹ニ↡。○是ノ人臨終ニ、無量寿如来与↢諸ノ聖衆↡現ジテ在シ↢其ノ前ニ↡、
須臾のあひだを経て、 すなはち極楽世界に往生することを得て、 阿耨多羅三藐三菩提を退転せず。
○経テ↢須臾ノ間ヲ↡、即チ得テ↣往↢生スルコトヲ極楽世界ニ↡、不↣退↢転セ於阿耨多羅三藐三菩提ヲ↡。
【18】また次に阿難、 もし善男子・善女人ありて、 菩提心を発しをはりて、 もろもろの禁戒を持ち、 堅く守りて犯さず、 有情を饒益し、 所作の善根ことごとくこれを施与し、 安楽を得しめ、 西方無量寿如来およびかの国土を憶念せん。
○復次ニ阿難、若シ有リテ↢善男子・善女人↡、発シ↢菩提心ヲ↡已リテ、持チ↢諸ノ禁戒ヲ↡、堅ク守リテ不↠犯サ、饒↢益シ有情ヲ↡、所作ノ善根悉ク施↢与シ之ヲ↡、令メ↠得↢安楽ヲ↡、憶↢念セム西方ノ無量寿如来及0368ビ彼ノ国土ヲ↡。
この人命終すれば、 仏の色相のごとく種々に荘厳して宝刹のなかに生じ、 賢聖囲繞して、 すみやかに法を聞くことを得て、 永く阿耨多羅三藐三菩提を退転せず。
○是ノ人命終スレバ、如ク↢仏ノ色相ノ↡種種ニ荘厳シテ生ジ↢宝刹ノ中ニ↡、賢聖囲繞シテ、速ニ得テ↠聞クコトヲ↠法ヲ、永ク不↣退↢転セ於阿耨多羅三藐三菩提ヲ↡。
【19】また次に阿難、 もし善男子・善女人ありて、 十種の心を発さん。 いはゆる一には不偸盗、 二には不殺生、 三には不淫欲、 四には不妄言、 五には不綺語、 六には不悪口、 七には不両舌、 八には不貪、 九には不瞋、 十には不痴なり。
○復次ニ阿難、若シ有リテ↢善男子・善女人↡、発サム↢十種ノ心ヲ↡。所謂ル一ニハ不偸盗、二ニハ不殺生、三ニハ不淫欲、四ニハ不妄言、五ニハ不綺語、六ニハ不悪口、七ニハ不両舌、八ニハ不貪、九ニハ不瞋、十ニハ不痴ナリ。
かくのごとく昼夜に極楽世界の無量寿仏の種々の功徳・種々の荘厳を思惟し、 志心に帰依し頂礼し供養せん。 この人臨終に、 驚かず怖れず、 心顛倒せずして、 すなはちかの仏国土に往生することを得。
○如ク↠是クノ昼夜ニ思↢惟シ極楽世界ノ無量寿仏ノ種種ノ功徳・種種ノ荘厳ヲ↡、志心ニ帰依シ頂礼シ供養セム。○是ノ人臨終ニ、不↠驚カ不↠怖レ、心不シテ↢顛倒セ↡、即チ得↣往↢生スルコトヲ彼ノ仏国土ニ↡。
無量無数の諸仏世尊ましまして、 無量寿仏の功徳名号を称讃したまふ。 この法を聞きをはりて、 永く阿耨多羅三藐三菩提を退於せず。
○有シテ↢無量無数ノ諸仏世尊↡、称↢讃シタマフ無量寿仏ノ功徳名号ヲ↡。聞キ↢是ノ法ヲ↡已リテ、永ク不↠退セ↢於阿耨多羅三藐三菩提ヲ↡。
仏説大乗無量寿荘*厳経 巻中
延書は底本の訓点に従って有国が行った(固有名詞の訓は保証できない)。
底本は◎高麗版(再雕本)¬大蔵経¼所収本、 Ⓐ金版¬大蔵経¼所収本、 Ⓑ宋版(思溪版)¬大蔵経¼所収本、 Ⓒ元版(善寧寺版)¬大蔵経¼所収本、 Ⓓ明版(万歴版)¬大蔵経¼所収本、 Ⓔ¬房山石経(遼金刻経)¼所収本 と対校。
西→Ⓐ曲→Ⓓ[宋]西
訳経 Ⓓになし
臣 Ⓓになし
離→Ⓒ雑
慈→Ⓓ悲
闇→ⒷⒸⒹ暗
悉→Ⓒ愍
徧→Ⓓ変
利→Ⓒ刊
湧→ⒶⒺ勇
詣→Ⓑ諸
栴→Ⓓ旃
仏→ⒷⒸⒹ仏[所]
魔→Ⓓ摩
頗梨→Ⓓ玻瓈
璃→Ⓓ瓈
頗梨→Ⓓ玻璃
梢→Ⓓ稍
瑪瑙→Ⓑ碼碯
瑪瑙→Ⓔ碼碯
珠→Ⓓ硃
大→Ⓓ天
王天→Ⓔ天王
項→Ⓑ頃
閤→ⒷⒸⒹ閣
厳 Ⓔになし