0547◎安楽0606行道転経願生浄土法事讃 巻下
沙門*善導集記
二 転経分
ⅰ 第一段
Ⅰ 経
【43】◎^*高座入文。
0830◎高座入文。
^「▲かくのごとくわれ聞きたてまつりき。 一時、 仏、 舎衛国の祇樹給孤独園にましまして、 ◆大比丘の衆、 千二百五十人とともなりき。 ◆みなこれ大阿羅漢なり。 衆に知識せらる。
「如ク↠是[ク]ノ我聞キタテマツリキ。一時、仏在シテ↢舎衛国ノ祇樹給孤独園ニ↡、与↢大比丘ノ衆千二百五十人↡倶ナリキ。皆是大阿羅漢ナリ。衆ニ所†ル↢知識セ↡。
^◆長老舎利弗・摩訶目犍連・摩訶迦葉・摩訶迦旃延・摩訶倶絺羅・離婆多・周利槃陀伽・難陀・阿難陀・羅睺羅・憍梵波提・賓頭盧頗羅堕・迦留陀夷・摩訶劫賓那・薄拘羅・阿楼駄、 かくのごとき等のもろもろの大弟子、
長老舎利弗・摩訶目犍連・摩訶迦葉・摩訶迦旃延・摩訶倶絺羅・離婆多・周利槃陀伽・難陀・阿難陀・羅睺羅・憍梵波提・賓頭盧頗羅堕・迦留陀夷・摩訶劫賓那・薄拘羅・阿楼駄、如キ↠是[ク]ノ等ノ諸ノ大弟子、
^◆ならびにもろもろの*菩薩摩訶薩、 ◆文殊師利法王子・阿逸多菩薩 (弥勒)・乾陀訶提菩薩・常精進菩薩、 かくのごとき等のもろもろの大菩薩、 ◆および釈提桓因等の無量の諸天大衆とともなりき」 と。
并ニ諸ノ菩薩摩訶薩、文殊師利法王子・阿逸多菩薩・乾陀訶提菩薩・常精進菩薩、与↢如キ↠是[ク]ノ等ノ諸ノ大菩薩、及ビ釈提桓因等ノ無量ノ諸天大衆↡倶[ナリ]キ[ト]。」
二 ⅰ Ⅱ 讃
a 其一
【44】^*下、 高に接ぎて讃じていへ。
下接セウギテ↠高[ニ]讃ジテ云ヘ。
^願はくは往生せん、 願はくは往生せん。
▲†願クハ往生セム、†願クハ往生セム。
^諸仏の大悲心無二なり ▼方便の*化門等0548しくして殊なることなし
諸仏ノ大悲心無二ナリ | 方便ノ化門等[シ]クシテ無シ↠†殊ナルコト |
^ˆ釈尊はˇ かの荘厳*無勝0607の土を捨てて 八相示現して閻浮に出でたまふ
捨テテ↢彼ノ荘厳無勝0831ノ土ヲ↡ | 八相示現シテ出†デタマフ↢閻浮ニ↡ |
^あるいは*真形を現じて*物を利し あるいは*雑類に同じて凡愚を化す
或[イ]ハ現ジテ↢真形ヲ↡†而利シ↠物ヲ | 或[イ]ハ同ジテ↢雑類ニ↡化ス↢凡愚ヲ↡ |
^身を六道に分ちて停息することなし 変現よろしきに随ひて*有流を度す
†分チテ↢身ヲ六道ニ↡無シ↢停トヾマリ息ヤムスルコト↡ | 変現†随ヒテ↠宜シキニ度ス↢有流ヲ↡ |
^有流の見解心一にあらず ゆゑに▼八万四千の門あり
有流ノ見解心非ズ↠一ニ | 故ニ有リ↢八万四千ノ門↡ |
^門々不同にしてまた別にあらず 別々の門還りてこれ同なり
門門不同†ニシテ亦非ズ↠別‡ニ | 別別‡之門還[リ]テ是同ナリ |
^同なるゆゑはすなはちこれ如来の*致なり 別なるゆゑはまたこれ慈悲の心なり
同ナル故†ハ即チ是如来ノ致ムネナリ | 別ナル故ハ復是慈悲[ノ]心ナリ |
^悲心をもつて念々に三界を縁ずるに 人天・四趣罪根深し
悲心ヲモテ念念ニ縁ズ[ルニ]↢三界ヲ↡ | 人天四趣罪根深シ |
^過・現の諸仏みな来りて化すれども 無明・*業障をもつてあひ逢はず
過現ノ諸仏皆来[リ]テ化スレドモ | 無明業障ヲモテ†不↢相逢ハ↡ |
^慚愧す 釈迦の弘誓重くして 娑婆十悪の叢を捨てたまはざることを
慚愧ス 釈迦ノ弘誓重クシテ | 不ルコトヲ↠捨テタマハ↢娑婆十悪ノ†叢ヲ↡ |
^希に道場に遇ひて浄土を聞く *神を騰げて永く逝きて*煩篭を出でん
希ニ遇[ヒ]テ↢道場ニ↡聞ク↢浄土ヲ↡ | 騰[ゲ]テ↠神ヲ永ク逝[キ]テ出デム↢煩篭ヲ↡ |
^*衆等 傷心しともに悲嘆して 手に香華を執りてつねに供養したてまつれ
衆等†傷心シ共ニ悲嘆シテ | 手ニ執[リ]テ↢香華ヲ↡常ニ供養[シタテマツ]†レ |
^高、 下に接ぎて讃じていへ。
高接[ギ]テ↠下ニ讃[ジテ]云[ヘ]。
二 ⅰ Ⅱ b 其二
【45】^下、 高に接ぎて讃じていへ。
†下接ギテ↠高ニ讃ジテ云ヘ。
^願はくは往生せん、 願はくは往生せん。
†願クハ往生セム、†願クハ往生セム。
^釈迦如来正覚を成じてより *四十九載衆生を度したまふ
釈迦如来成[ジ]テ[ヨリ]↢正覚[ヲ]↡ | 四十九載度シタマフ↢衆生ヲ↡ |
^五天竺国 (印度) にみな化を行ずるに 邪魔・外道ことご0549とく*帰宗す
五天竺‡国ニ皆行ズルニ↠化ヲ | 邪魔・外道尽ク帰宗ス |
^天上天下に仏に過ぎたるなし 慈悲をもつて苦を救ひたまふ 実に逢ひがたし
天上天下ニ無シ↠過ギタル†ハ↠仏ニ | 慈悲ヲモテ救[ヒ]タマフ↠苦ヲ 実ニ難シ↠逢ヒ |
^あるいは神光を放ちて六道に遍 光触を蒙るものは慈心を起す
或[イ]ハ放チ[テ]↢神光ヲ↡遍†ス↢六道ニ↡ | 蒙ル↢光触ヲ↡者ハ起ス↢慈心ヲ↡ |
^あるいは住し あるいは来るに みなことごとく益す 三塗永く絶えて*追尋を断ず
或[イ]ハ住シ 或[イ]ハ来†ルニ 皆尽ク益ス | 三塗永ク絶エテ断ズ↢追尋ヲ↡ |
^あるいは大地・山・河・海を震ふ *萌冥の信いまだ深からざるを覚せしめんがためなり
或[イ]ハ震フ↢大地・山・河・海ヲ↡ | 為ナリ↠覚セシメムガ↢萌冥ノ信‡未ザ ダルヲ↟深[カ]ラ |
^あるいはみづから法を説きて教へてあひ勧め 展転してあひ将て*法林に入らしむ
或[イ]ハ自ラ†説キテ↠法ヲ教[ヘ]テ相勧メ | 展転シテ相将テ入†ラシム↢法林ニ↡ |
^法林はすなはちこれ弥陀国なり 逍遥快楽してあひ侵さず
法林‡ハ即チ是弥陀国ナリ | 逍遥快楽シテ不↢相侵サ↡ |
^衆等 心を傾けてみな往かんと願じて 手に香華を執りてつねに供養したてまつれ
衆等傾[ケ]テ↠心ヲ皆願ジテ↠往†カムト | 手ニ執[リ]テ↢香華ヲ↡常ニ供養[シタテマツ]†レ |
^0608高、 下に接ぎて讃じていへ。
†高接ギテ↠下ニ讃ジテ云ヘ。
二 ⅰ Ⅱ c 其三
【46】^下、 高に接ぎて讃じていへ。
†下接ギテ↠高ニ讃ジテ云ヘ。
^†願はくは往生せん、 †願はくは往生せん。
願0832クハ往生セム、願クハ往生セム。
^▼如来の教法は元無二なり ▼まさしく衆生の機不同なるがために
如来ノ教法ハ元‡無二ナリ | 正[シ]ク為ニ↢衆生ノ機‡不同ナルガ↡ |
^*一音をもつて演説したまふに 縁に随ひて悟る *残結を留めずして*生空を証す
一音†ヲモテ演説[シ]タマフ[ニ] 随[ヒ]テ↠縁ニ悟ル | 不シテ↠†留メ↢残結ヲ↡証ス↢生空ヲ↡ |
^▲あるいは神通を現じ あるいは法を説く あるいは外道を服して魔蹤を滅す
或[イ]ハ現ジ↢神通ヲ↡ 或[イ]ハ†説ク↠法ヲ | 或[イ]ハ†服シテ↢外道ヲ↡滅ス↢魔蹤ヲ↡ |
^みづから一身を利して*縛を免るといへども 悲心のあまねく益すること絶えて功なし
自[ラ]利シテ↢一身ヲ↡雖モ↠免ルト↠縛ヲ | 悲心ノ普ク益スルコト絶[エ]テ無シ↠功 |
^*灰身滅智の無余の証なれども 二万劫尽0550きてまた心を生ず
灰身滅智†ノ無余†ノ証ナレドモ | 二万劫尽[キ]テ復生ズ↠心ヲ |
^生心覚動して身また現ずれば 諸仏先づ教へて*大乗を発さしむ
生心覚動シテ身†還タ現ズ[レバ] | 諸仏先ヅ教[ヘ]テ発†サシム↢大乗ヲ↡ |
^衆等 心を回して浄土に生ぜんとして 手に香華を執りてつねに供養したてまつれ
衆等廻シテ↠心ヲ生ゼ†ムトシテ↢浄土ニ↡ | 手ニ執[リテ]↢香華ヲ↡常ニ供養[シタテマツレ] |
^下、 高に接ぎて讃じていへ。
†下接ギテ↠高ニ讃ジテ云ヘ。
二 ⅰ Ⅱ d 其四
【47】^高、 下に接ぎて讃じていへ。
†高接ギテ↠下ニ讃ジテ云ヘ。
^下願はくは往生せん、 願はくは往生せん。
†願クハ往生セム、†願クハ往生セム。
^菩薩大衆*無央数なり 文殊師利もつとも尊たり
^大慈悲を発して苦行を行じ *弘願に違せずして衆生を度す
発シテ↢大慈悲ヲ↡行†ジ↢苦行ヲ↡ | 不シテ↠違セ↢弘願ニ↡度ス↢衆生ヲ↡ |
^あるいは上好荘厳の相を現じ あるいは上好荘厳の身を現ず
或[イ]ハ現ジ↢上好荘厳ノ相ヲ↡ | 或[イ]ハ現ズ↢上好荘厳ノ身ヲ↡ |
^*含霊覩見してみな喜びを生ず ために妙法を説きて*真門に入らしむ
含霊覩見シテ皆生ズ↠†喜ビヲ | 為ニ説[キ]テ↢妙法ヲ↡入†ラシム↢真門ニ↡ |
^十方仏国に身みな到り 仏の神光を助けて*法輪を転ず
十方‡仏国ニ身皆到[リ]‡ | 助[ケ]テ↢仏ノ†神*光ヲ↡転ズ↢法輪ヲ↡ |
^衆等 心を回して浄土に生ぜんとして 手に香華を執りてつねに供養したてまつれ
衆等廻シテ↠心ヲ生ゼム[トシテ]↢浄土ニ↡ | 手[ニ]執[リテ]↢香華[ヲ]↡常[ニ]供養[シ]タテマツ†レ |
^高、 下に接ぎて讃じていへ。
†高接ギテ↠下ニ讃ジテ云ヘ。
二 ⅰ Ⅱ e 其五
【48】^下、 高に接ぎて讃じていへ。
†下接ギテ↠高ニ讃ジテ云ヘ。
^†願はくは往生せん、 †願はくは往生せん。
†願クハ往生セム、†願クハ往生セム。
^▼仏と声聞・菩薩衆 同じく*舎衛に遊び*祇園に住し
*与↠仏声聞・菩薩衆 | 同ジク遊ビ↢舎衛ニ↡住シ‡↢祇園ニ↡ |
^三塗を閉ぢ六道を絶たんと願じて 無生浄土の門を開顕したま0551ふ
願ジテ↧閉ジ↢三塗ヲ↡絶タム†ト↦六道ヲ↥ | 開↢顕†シタマフ無生浄土ノ門ヲ↡ |
^人天大衆みな来集して 尊顔を*瞻仰して*未聞を聴く
人天大衆皆来集シテ | 瞻↢仰シテ尊顔ヲ↡聴ク↢未聞ヲ↡ |
^仏を見たてまつり経を聞0609きて同じく悟を得 *畢命に心を傾けて宝蓮に入る
†見タテマツリ↠仏ヲ聞キテ↠経ヲ同[ジ]ク†得↠悟ヲ | 畢命ニ傾ケテ↠心ヲ入ル↢宝蓮ニ↡ |
^▼誓ひて弥陀の安養界に到り 穢国に還来して人天を度せん
誓[ヒ]テ到[リ]‡↢弥陀[ノ]安養界ニ↡ | 還↢来シテ穢国ニ↡度†セム↢人0833天ヲ↡ |
^願はくはわが慈悲際限なくして 長時長劫に*慈恩を報ぜん
願[ク]ハ我ガ慈悲無クシテ↢際限↡ | 長時長劫ニ報ゼム↢慈恩ヲ↡ |
^衆等 心を回して浄土に生ぜんとして 手に香華を執りてつねに供養したてまつれ
衆等廻シテ↠心ヲ生ゼ†ムトシテ↢浄土ニ↡ | 手[ニ]執[リテ]↢香華[ヲ]↡常[ニ]供養[シタテマツレ] |
^高、 下に接ぎて讃じていへ。 下、 高に接ぎて讃じていへ。
†高接ギテ↠下ニ讃ジテ云ヘ。 †下接ギテ↠高ニ讃ジテ云ヘ。
二 ⅱ 第二段
Ⅰ 経
【49】^高座入文。
高座入文。
^「▲その時に仏、 長老舎利弗に告げたまはく、 ◆これより西方に十万億の仏土を過ぎて世界あり、 名づけて極楽といふ。 ◆その土に仏まします、 阿弥陀と号す。 いま現にましまして法を説きたまふ。
「爾ノ時ニ仏告ゲタマハク↢長老舎利弗ニ↡、従リ↠是西方ニ過[ギ]テ↢十万億ノ仏土ヲ↡有[リ]↢世界↡、名[ケ]テ曰フ↢極楽ト↡。其ノ土ニ有ス↠仏、号ス↢阿弥陀ト↡。今現ニ在シテ†説キタマフ↠法ヲ。
^◆舎利弗、 かの土をなんがゆゑぞ名づけて極楽となす。 その国の衆生、 もろもろの苦あることなく、 ただもろもろの楽を受く。 ゆゑに極楽と名づく」 と。
舎利弗、彼ノ土ヲ何ガ故ゾ名[ケ]テ†為ス↢極楽ト↡。其ノ国ノ衆生無†ク↠有[ル]コト↢衆ノ苦↡、但受ク↢諸ノ楽ヲ↡。故ニ名ク[ト]↢極楽ト↡。」
二 ⅱ Ⅱ 讃
【50】^下、 高に接ぎて讃じていへ。
†下接ギテ↠高ニ讃ジテ云ヘ。
^願はくは往生せん、 願はくは往生せん。
▲†願クハ往生セム、†願クハ往生セム。
^人天大衆みな*囲繞して 心を傾けて合掌して経を聞かんと願ず
人天大衆皆囲繞シテ | 傾ケテ↠心ヲ合掌シテ願ズ↠聞[カ]ムト↠経ヲ |
^仏 (釈尊) *凡聖の機と時と悟とを知りたまひて す0552なはち*舎利に告げて用心して聴かしめたまふ
仏知†リタマヒテ↢凡聖ノ機ト時ト†悟トヲ↡ | 即チ告[ゲ]テ↢舎利ニ↡用心シテ聴[カ]シメタマフ |
^▼一切の仏土みな厳浄なれども 凡夫の乱想おそらくは生じがたければ
一切ノ仏土‡皆厳浄ナレドモ | 凡夫ノ乱想恐クハ難ケレバ↠生ジ |
^如来 (釈尊) 別して西方の国を指したまふ 「これより十万億を超過せり
如来別シテ指†シタマフ↢西方ノ国ヲ↡ | 従ジユリ↠是超↢過セリ十万億ヲ↡ |
^七宝の荘厳もつとも勝たり *聖衆人天の寿命長し
^仏を弥陀と号す つねに法を説きたまふ 極楽の衆生障おのづから亡ず」 と
仏ヲ‡号ス↢弥陀ト↡ 常ニ†説キタマフ↠法ヲ | 極楽ノ衆生‡障自[ラ]亡ズ[ト] |
^衆等 心を回してかしこに生ぜんと願じて 手に香華を執りてつねに供養したてまつれ
衆等廻シテ↠心ヲ願ジテ↠生ゼムト↠彼ニ | 手ニ執[リ]テ↢香華ヲ↡常ニ供養[シタテマツ]†レ |
0610^高、 下に接ぎて讃じていへ。 下、 高に接ぎて讃じていへ。
†高接ギテ↠下ニ讃ジテ云ヘ。 †下接ギテ↠高ニ讃ジテ云ヘ。
二 ⅲ 第三段
Ⅰ 経
【51】^高座入文。
0834高座入文。
^「▲また舎利弗、 極楽国土には七重の欄楯・七重の羅網・七重の行樹あり。 みなこれ四宝をもつて周帀し囲繞せり。
「又舎利弗、極楽国土ニハ七重ノ欄楯・七重ノ羅網・七重ノ行樹アリ。皆是四宝ヲモテ周帀シ囲繞セリ。
^◆このゆゑにかの国を名づけて極楽といふ」 と。
是ノ故ニ彼ノ国ヲ名[ケ]テ曰フ[ト]↢極楽ト↡。」
二 ⅲ Ⅱ 讃
a 其一
【52】^下、 高に接ぎて讃じていへ。
†下接ギテ↠高ニ讃ジテ云ヘ。
^願はくは往生せん、 願はくは往生せん。
▲†願クハ往生セム、†願クハ往生セム。
^三界の衆生は智慧なし *惛々として六道のうちに身を安く
三界ノ衆生ハ無シ↢智慧↡ | 惛惛†トシテ六道ノ内ニ†安ク↠身ヲ |
^諸仏慈心をもつてために法を説きたまへども *聾盲*觝突の伴は聞かず
諸仏‡慈心[ヲモテ]為ニ説[キ]タマヘドモ↠法ヲ | 聾盲觝突ノ†伴ハ不↠聞カ |
^たちまちに無常の苦来り逼むれば 精神錯乱してはじめて*驚忙0553す
忽爾ニ無常ノ苦来リ逼†ムレバ | 精神錯乱シテ始テ驚忙ス |
^*万事の家生みな捨離し 専心に*発願して西方に向かへ
万事[ノ]家生皆捨離シ‡ | 専心ニ発願シテ向ヘ↢西方ニ↡ |
^弥陀の名号相続して念ずれば 化仏・菩薩眼前に行なりたまふ
弥陀ノ名号相続シテ念ズレバ | 化仏・菩薩†眼前ニ行†リタマフ |
^あるいは*華台を与へ あるいは手を授け 須臾に命尽きぬれば 仏迎へ将たまふ
或[イ]ハ与ヘ↢華台ヲ↡ 或[イ]ハ授ケ↠†手ヲ | 須臾ニ†命尽キヌレバ 仏†迎ヘ将タマフ |
^衆等 心を回してみな往かんと願じて 手に香華を執りてつねに供養したてまつれ
衆等廻シテ↠心ヲ皆願†ジテ↠往†カムト | 手ニ執[リ]テ↢香華ヲ↡常ニ供養[シタテマツ]†レ |
^高、 下に接ぎて讃じていへ。
†高接ギテ↠下ニ讃ジテ云ヘ。
二 ⅲ Ⅱ b 其二
【53】^下、 高に接ぎて讃じていへ。
†下接ギテ↠高ニ讃ジテ云ヘ。
^願はくは往生せん、 願はくは往生せん。
†願クハ往生セム、†願クハ往生セム。
^*歴劫よりこのかたいまだ聞見せず 西方浄土の宝荘厳
^地上・虚空にみな*遍満して *珠羅宝網百千重なり
地上・虚空ニ皆遍満シテ | 珠羅宝網百千重ナリ |
^一々の*網羅珍宝を結び *玲瓏たる雑色ことごとく光を暉かす
一一ノ網羅†結ビ↢珍宝ヲ↡ | 玲瓏[タル]雑色‡尽ク暉[カ]ス↠光ヲ |
^宝樹の枝条異相間はり *行々整直にして巧みにあひ当れり
宝樹[ノ]枝条異相間[リ]‡ | 行行整トヽノヘ直ナヲシニシテ巧ニ†相当レリ |
^これはこれ弥陀の悲願力なり 無衰無変にして*湛然0611として常なり
此ハ是弥陀ノ悲願力ナリ | †無衰無変ニシテ湛然トシテ常ナリ |
^衆等 心を回してみな往かんと願じて 手に香華を執りてつねに供養したてまつれ
衆等廻[シテ]↠心[ヲ]皆願ジテ↠往†カムト | 手[ニ]執[リ]テ↢香華[ヲ]↡常[ニ]供養[シ]タテマツ†レ |
^高、 下に接ぎて讃じていへ。 下、 高に接ぎて讃じていへ。
0835†高接ギテ↠下ニ讃ジテ云ヘ。 †下接ギテ↠高ニ讃ジテ云ヘ。
二 ⅳ 第四段
Ⅰ 経
【54】^高座入文。
高座入文。
^「▲また舎利弗、 極楽国土には七宝の池あり。 八功徳水そのなかに充満せり。 池0554の底にはもつぱら金沙をもつて地に布けり。
「又舎利弗、極楽国土ニハ有リ↢七宝ノ池↡。八功徳水充↢満セリ其ノ中ニ↡。池ノ底ニ[ハ]純ラ以テ↢金沙ヲ↡布ケリ↠地ニ。
^◆四辺の階道は金・銀・瑠璃・玻瓈をもつて合成せり。 上に楼閣あり。 また金・銀・瑠璃・玻瓈・硨磲・赤珠・碼碯をもつて、 これを厳飾す。
†四辺ノ階道ハ金・銀・瑠璃・玻瓈ヲモテ合成セリ。上ニ有リ↢楼閣↡。亦以テ↢金・銀・瑠璃・玻瓈・*硨磲・赤珠・碼碯ヲ↡而厳↢飾ス之ヲ↡。
^◆池のなかの蓮華、 大きさ車輪のごとし。 青色には青光、 黄色には黄光、 赤色には赤光、 白色には白光あり。 微妙香潔なり。
池ノ中ノ蓮華大キサ如シ↢車輪ノ↡。青色ニハ青光、黄色ニハ黄光、赤色ニハ赤光、白色ニハ白光アリ。微妙香潔ナリ。
^◆舎利弗、 極楽国土にはかくのごとき功徳荘厳を成就せり」 と。
舎利弗、極楽国土ニハ成↢就セリ[ト]如[キ]‡↠是[ク]ノ功徳荘厳ヲ↡。」
二 ⅳ Ⅱ 讃
【55】^下、 高に接ぎて讃じていへ。
†下接ギテ↠高ニ讃ジテ云ヘ。
^願はくは往生せん、 願はくは往生せん。
▲†願クハ往生セム、†願クハ往生セム。
^極楽世界は広くして清浄なり 地上の荘厳量るべきこと難し
極楽世界ハ広[クシテ]清浄ナリ | 地上ノ荘厳難シ↠可[キ]コト↠量ル |
^*八功の香池流れて遍満す 底に布ける金沙 照らすに異光あり
八功ノ香池流レテ遍満ス | 底ニ布ケル金沙 †照スニ異光アリ |
^四辺の階道一色にあらず 岸上の*重楼百万行なり
^真珠・碼碯あひ*映飾し 四種の蓮華開けてすなはち香ばし
真珠・碼碯相映飾シ | 四種ノ蓮華開ケテ即チ香バシ |
^十方の人天生ずることを得るものは おのおの*一箇に坐して*真常を聴く
十方ノ人天‡得ル↠生[ズル]コトヲ者[ハ] | 各[ノ]坐シテ↢一箇ニ↡†聴ク↢真常ヲ↡ |
^このゆゑにかの国を極楽と名づく 衆等 華を持して来りて供養したてまつれ
是ノ故ニ彼ノ国ヲ名ク↢極楽ト↡ | 衆等†持シテ↠華ヲ来[リ]テ供養[シ]タテマツ†レ |
^高、 下に接ぎて讃じていへ。 下、 高に接ぎて讃じていへ。
†高接ギテ↠下ニ讃ジテ云ヘ。 †下接ギテ↠高ニ讃ジテ云ヘ。
二 ⅴ 第五段
Ⅰ 経
【56】^0612高座入文。
高座入文。
^「▲また舎利弗、 かの仏国土にはつねに天の楽をなす。
「又0836舎利弗、彼ノ仏‡国土ニハ常ニ作ス↢天ノ楽ヲ↡。
^◆黄金をもつて地となし、 ◆昼0555夜六時に天の曼陀羅華を雨らす。
黄金ヲ[モテ]為†シ↠地ト、昼夜‡六時ニ*†雨ラス↢天ノ曼陀羅華ヲ↡。
^◆その国の衆生、 つねに清旦をもつて、 おのおの衣裓をもつてもろもろの妙華を盛れて、 他方十万億の仏を供養したてまつる。 すなはち食時をもつて本国に還り到りて、 飯食し経行す。
其ノ†国ノ衆生常ニ以テ↢清旦ヲ↡、各ノ以テ↢衣裓ヲ↡盛レテ↢衆ノ妙華ヲ↡、供↢養[シタテマ]ツル他方‡十万億ノ仏ヲ↡。即[チ]以テ↢食時ヲ↡還リ↢到†リテ本国ニ↡、飯食シ経行ス。
^◆舎利弗、 極楽国土にはかくのごとき功徳荘厳を成就せり」 と。
舎利弗、極楽国土ニハ成↢就†セリ[ト]如[キ]‡↠是[クノ]功徳荘厳ヲ↡。」
二 ⅴ Ⅱ 讃
【57】^下、 高に接ぎて讃じていへ。
†下接ギテ↠高ニ讃ジテ云ヘ。
^願はくは往生せん、 願はくは往生せん。
▲†願クハ往生セム、†願クハ往生セム。
^弥陀仏国はもつとも勝たり 広大*寛平にして実にこれ*精なり
弥陀仏国ハ最モ†為リ↠勝 | 広大寛平ニシテ実ニ是精ナリ |
^天楽音声つねに遍満す 黄金をもつて地となして奇珍を間へたり
天‡楽‡音声常ニ遍満ス | 黄金ヲ[モテ]為シテ↠地ト間ヘタリ↢奇珍ヲ↡ |
^昼夜六時に華おのづから散ず 法音つねに説きて自然に聞く
昼夜六時ニ†華自ラ散ズ | 法音常ニ説[キ]テ自然ニ聞ク |
^かの国の衆生はさらに事なし 衣裓に華を盛れて十方に詣す
彼ノ国ノ衆生ハ更ニ無シ↠†事 | 衣裓ニ盛レテ↠華ヲ詣ス↢十方ニ↡ |
^*一々に親承して供養を修するに *塵労垢習永く消亡す
一一ニ親承シテ修ス[ルニ]↢供養ヲ↡ | 塵労垢習永ク消亡†ス |
^種々に心に随ひみな意に称ひて 利益せざるはなし これ真常なり
種種ニ随ヒ↠心ニ皆称†ヒテ↠意ニ | 無シ↠†不ルハ↢利益セ↡ 是真‡常ナリ |
^たちまちに*飛騰して本国に還り 飯食して七宝の台に経行す
欻爾ニ飛騰シテ還[リ]‡↢本国ニ↡ | 飯食シ[テ]経↢行ス七宝ノ台ニ↡ |
^衆等 心を傾けてみな往かんと願じて 手に香華を執りてつねに供養したてまつれ
衆等傾[ケ]テ↠心ヲ 皆願†ジテ↠往カム†ト | 手ニ執[リ]テ↢香華ヲ↡常ニ供養[シ]タテマツ†レ |
^高、 下に接ぎて讃じていへ。 下、 高に接ぎて讃じていへ。
†高接ギテ↠下ニ讃ジテ云ヘ。 †下接ギテ↠高ニ讃ジテ云ヘ。
二 ⅵ 第六段
Ⅰ 経
【58】^高座入文。
高座入文。
^0556「▲また次に舎利弗、 かの国にはつねに種々奇妙なる雑色の鳥あり。 白鵠・孔雀・鸚鵡・舎利・迦0613陵頻伽・共命の鳥なり。 このもろもろの衆鳥、 昼夜六時に和雅の音を出す。 その音五根・五力・七菩提分・八聖道分、 かくのごとき等の法を演暢す。
「復次ニ舎利弗、彼ノ国ニハ常ニ有リ↢種種奇妙[ナル]雑色之鳥↡。白鵠・孔雀・鸚鵡・舎利・迦陵頻伽・共命之鳥ナリ。是ノ諸ノ衆鳥昼夜六時ニ出ス↢和雅ノ音ヲ↡。其ノ音演↢暢ス五根0837・五力・七菩提分・八聖道分、如キ↠是[クノ]等ノ法ヲ↡。
^◆その土の衆生この音を聞きをはりて、 みなことごとく仏を念じ法を念じ僧を念ず。
其ノ土ノ衆生聞[キ]↢是ノ音ヲ↡已[リ]テ、皆悉ク念ジ↠仏ヲ念ジ↠法ヲ念ズ↠僧ヲ。
^◆舎利弗、 なんぢこの鳥は実にこれ罪報の所生なりと謂ふことなかれ。 所以はいかん。 かの仏国土には三悪趣なければなり。 舎利弗、 その仏国土にはなほ三悪道の名すらなし、 いかにいはんや実あらんや。 このもろもろの衆鳥は、 みなこれ阿弥陀仏、 法音を宣流せしめんと欲して、 変化してなしたまふところなり。
舎利弗、汝勿レ↠謂フコト↢此ノ鳥ハ実ニ是罪報ノ所生ナリト↡。所以者何ン†。彼ノ仏‡国土ニハ無ケレバナリ↢三悪趣↡。舎利弗、其ノ仏‡国土ニハ尚無シ↢三悪道之名[スラ]↡、何ニ況ヤ有ラムヤ↠†実。是ノ諸ノ衆鳥ハ、皆是阿弥陀仏‡欲シテ↠令[メ]ムト↢法音ヲ‡宣流セ↡、変化シテ所ナリ↠作シタマフ。
^◆舎利弗、 かの仏国土には微風吹きて、 もろもろの宝行樹および宝羅網を動かすに、 微妙の音を出す。 たとへば百千種の楽を同時にともになすがごとし。 ◆この音を聞くもの、 みな自然に仏を念じ法を念じ僧を念ずる心を生ず。
舎利弗、彼ノ仏‡国土ニハ微風†吹キテ、動スニ↢諸ノ宝‡行樹及[ビ]宝‡羅網ヲ↡出ス↢微妙ノ音ヲ↡。譬ヘバ如シ↢百千種ノ楽ヲ同時ニ倶ニ†作スガ↡。聞ク↢是ノ音ヲ↡者‡、皆自然ニ生ズ↢†念ジ↠仏ヲ念ジ↠法ヲ念ズル↠僧ヲ之心ヲ↡。
^◆舎利弗、 その仏国土にはかくのごとき功徳荘厳を成就せり」 と。
舎利弗、其ノ仏‡国土ニハ成↢就セリ[ト]如キ↠是[クノ]功徳荘厳ヲ↡。」
二 ⅵ Ⅱ 讃
a 其一
【59】^下、 高に接ぎて讃じていへ。
†下接ギテ↠高ニ讃ジテ云ヘ。
^願はくは往生せん、 願はくは往生せん。
▲†願クハ往生セム、†願クハ往生セム。
^道場清浄にして希にして見がたし 弥陀の浄土はなはだ聞きがたし
道場清浄†ニシテ希ニシテ難シ↠見 | 弥陀ノ浄土甚ダ難シ↠聞キ |
^聞きがたく見がたくしていま会ふことを得たり0557。 *如説に修行して意をもつぱらにしてもつぱらにせん
難ク↠聞キ難†クシテ↠見今得タリ↠会フコトヲ | 如説ニ修行シテ専ニシテ↠意ヲ専†ニセム |
^願はくは仏の慈悲はるかに*摂受して 臨終に宝座その前に現じたまへ
願[ク]ハ仏ノ慈悲遥ニ†摂受シテ | 臨終ニ宝座現ジタマヘ↢其ノ前ニ↡ |
^すでに華台を見て心踊躍し ▼仏に従ひて*逍遥して自然に帰す
既ニ見テ↢華台ヲ↡心踊躍シ‡ | 従ヒテ↠仏ニ逍遥シテ帰ス↢自然ニ↡ |
^▼自然はすなはちこれ弥陀国なり 無漏無生にしてまたすなはち真なり
自然ハ即チ是弥陀‡国ナリ | 無漏無生ニシテ†還タ即チ真ナリ |
^*行来進止 つねに仏に随ひて *無為法性の身を証得す
行来進止‡ 常ニ随[ヒ]テ↠仏ニ | 証↢得ス無為法性ノ身ヲ↡ |
^衆等 心を回してみな往かんと願じて 手に香華を執りてつねに供養したてまつれ
衆等廻[シテ]↠心[ヲ]皆願ジテ↠往[カム]†ト | 手ニ執[リ]テ↢香華ヲ↡*常ニ供養[シタテマツ]†レ |
^0614高、 下に接ぎて讃じていへ。
†高接ギテ↠下ニ讃ジテ云ヘ。
二 ⅵ Ⅱ b 其二
【60】 ^下、 高に接ぎて讃じていへ。
†下接ギテ↠高ニ讃ジテ云ヘ。
^願はくは往生せん、 願はくは往生せん。
†願0838クハ往生セム、†願クハ往生セム。
^極楽の荘厳は雑宝を間へたり 実にこれ*希奇にして未聞を聞く
極楽ノ荘厳ハ間ヘタリ↢雑宝ヲ↡ | 実ニ是希奇ニシテ聞ク↢未聞ヲ↡ |
^*宝鳥 空に臨みて*仏会を讃ず 文々句々理あひ同じ
宝鳥臨[ミ]テ↠空ニ讃ズ↢仏会ヲ↡ | 文文句句‡ 理‡相同ジ |
^昼夜に声を連ねて息むことあることなし *哀婉雅亮にして人心を発す
昼夜ニ連ネテ↠声ヲ無シ↠有[ル]コト↠息ムコト | 哀婉雅亮ニシテ発ス↢人心ヲ↡ |
^あるいは五根・七覚分を説き あるいは*八聖慈悲門を説き
或[イ]ハ説キ↢五根・七覚分ヲ↡ | 或[イ]ハ説キ↢八聖慈悲門ヲ↡ |
^あるいは他方の悪道を離るることを説き あるいは地獄の人天を封ずることを説き
或[イ]ハ説キ↣†他方ノ離ルルコトヲ↢悪道ヲ↡ | 或[イ]ハ説キ↣†地獄ノ封ズルコトヲ↢人天ヲ↡ |
^あるいは長時に苦行を修することを説き あるいは*無上菩提の因を説き
或[イ]ハ説キ↣†長時ニ修スルコトヲ↢苦行ヲ↡ | 或[イ]ハ説キ↢無上菩提[ノ]因ヲ↡ |
^あるいは散善の波羅蜜を説き あるいは*定慧をもつて深禅に入ることを説く
或[イ]ハ説キ↢散善[ノ]波羅蜜ヲ↡ | 或[イ]ハ説ク↣†定慧ヲモテ入ルコトヲ↢深禅ニ↡ |
^菩薩・声聞この法0558を聞きて 処々に分身して法輪を転ず
菩薩・声聞聞キテ↢此ノ法ヲ↡ | 処処ニ分身シテ転ズ↢法輪ヲ↡ |
^衆等 心を回してみな往かんと願じて 手に香華を執りてつねに供養したてまつれ
衆等廻[シテ]↠心[ヲ]皆願ジテ↠往[カム]†ト | 手ニ執[リ]テ↢香華ヲ↡常ニ供養[シタテマツ]†レ |
^高、 下に接ぎて讃じていへ。
†高接ギテ↠下ニ讃ジテ云ヘ。
二 ⅵ Ⅱ c 其三
【61】^下、 高に接ぎて讃じていへ。
†下接ギテ↠高ニ讃ジテ云ヘ。
^願はくは往生せん、 願はくは往生せん。
†願クハ往生セム、†願クハ往生セム。
^極楽の荘厳は三界を出で 人・天・雑類等しくして無為なり
極楽ノ荘厳ハ出デ‡↢三界ヲ↡ | 人天雑類等[シ]クシテ無為ナリ |
^*法蔵は*因の広弘願を行じ もしわれ仏を得ば希奇を現ぜんと
†法蔵ハ行ジ↢因ノ広弘願ヲ↡ | †設我得†バ↠仏ヲ現ゼム†ト↢希奇ヲ↡ |
^あるいは*鳥身を現じてよく法を説き あるいは*無請に現じてよく機に応じ
或[イ]ハ現ジテ↢鳥身ヲ↡能ク説キ↠法ヲ | 或[イ]ハ現ジテ↢無請†ニ↡能ク応ジ↠機ニ |
^あるいは微波をして妙響を出さしめ あるいは林樹をして慈悲を讃ぜしめ
或[イ]ハ使メ↣微波ヲシテ出サ↢妙響ヲ↡ | 或[イ]ハ使メ↣林樹ヲシテ讃ゼ↢慈悲ヲ↡ |
^あるいは風光をしてあひ応じて動ぜしめ あるいは羅網をして音辞を説かしめん
或[イ]ハ使メ↢風光ヲシテ†相応ジテ動ゼ↡ | 或[イ]ハ令†メム↣羅網ヲシテ説カ↢音辞ヲ↡ |
^一切の荘厳の声遍満し 恒沙の*天楽おのづから時による
一切ノ荘厳ノ声遍満シ‡ | 恒沙ノ天楽自ラ依ル↠時ニ |
^*他方の凡聖の類を引かんがために ことさらに仏この不思議を現じたまふ
為ニ↠†引カムガ↢他方ノ凡聖ノ類ヲ↡ | 故ニ仏現ジタマフ↢此ノ不思議ヲ↡ |
^われらこれを聞きて身の毛竪つ ▼骨を砕きて*阿弥師に*慚謝す
我等聞[キ]テ↠之ヲ身ノ毛竪ツ | 砕キテ↠骨ヲ慚↢謝ス‡阿弥師ニ↡ |
^一たび受けて専精にして命を惜しまざれば 須臾にすなはち ˆ浄土にˇ 到る あに遅しとせんや
一[タ]ビ受[ケ]テ専精ニシテ不レバ↠惜マ↠命ヲ | 須臾ニ即チ到ル 豈為ムヤ↠遅シト |
^衆等 心を回してみな往かんと願じて 手に香華を執りてつねに供養したてまつれ
衆等廻[シテ]↠心[ヲ]皆願[ジテ]↠往[カムト] | 手ニ執[リ]テ↢香華[ヲ]↡常ニ供養[シ]タテマツ†レ |
二 ⅵ Ⅱ d 其四
^0615下、 高に接ぎて讃じていへ。
†下接ギテ↠高ニ讃ジテ云ヘ。
【055962】^高、 下に接ぎて讃じていへ。
†高接ギテ↠下ニ讃ジテ云ヘ。
^願はくは往生せん、 願はくは往生せん。
†願0839クハ往生セム、†願クハ往生セム。
^弥陀の仏国はまことに厳浄なり 三悪・六道永く名すらなし
弥陀[ノ]仏国ハ真ニ厳浄ナリ | 三悪・六道‡永ク無シ↠名[スラ] |
^事々の荘厳識るべきこと難し 種々妙微にしてはなはだ精たり
事事ノ荘厳難シ↠可[キ]コト↠†識ル | 種種妙微ニシテ甚ダ為リ↠精 |
^地はるかに寛平にして衆宝間はり 一々に同じく耀きて五百の光あり
†地迥カニ寛平ニシテ衆宝‡間†ハリ | 一一ニ同[ジ]ク耀†キテ五百ノ光アリ |
^一々の光宝台座となる 一々の座上に百千の堂あり
一一ノ光成ル↢宝台座ト↡ | 一一ノ座‡上ニ百千ノ堂アリ |
^千堂の化仏 *塵沙の会あり 衆生入るものともにあひ量る
千堂ノ化仏 塵沙ノ会†アリ | 衆生‡入ル者共ニ相量ル |
^無数の音声空に遊びて転じ *化天童子華香を散ず
無数ノ音声遊ビテ↠空ニ転ジ | 化天童子散ズ↢華香ヲ↡ |
^昼夜六時に間息することなし 地上・虚空量るべきこと難し
昼夜六時ニ無シ↢間息スルコト↡ | 地上・虚空難シ↠可[キ]コト↠量ル |
^*八徳の香池に意に随ひて入る *潅注すること人によりて浅深なし
八徳ノ香池[ニ]随[ヒ]テ↠意ニ入ル | 潅注スルコト由[リ]テ↠人ニ無シ↢浅深↡ |
^あるいは出で あるいは没す *三禅の楽なり *徐々としてあひ喚ばひて*檀林に入る
或[イ]ハ出デ 或[イ]ハ没ス 三禅ノ楽ナリ | 徐徐トシテ相喚バ[ヒ]テ入†ル↢檀林ニ↡ |
^檀林には宝座行々として別れたり 聖衆はなほ日月に超ゆるがごとし
檀林ニハ宝座行行トシテ†別レタリ | 聖衆ハ†猶若シ↠超ユルガ↢日月ニ↡ |
^日月はすなはちこれ長時劫なり あるいは坐し あるいは立し あるいは遊方するに
日月ハ即チ是長時劫ナリ | 或[イ]ハ坐シ 或[イハ]立シ 或[イ]ハ遊方スルニ |
^到る処にはただ無上の法のみを聞きて 永く凡夫生死の殃を絶つ
到ル処ニハ唯聞[キ]テ↢無上ノ法[ノミ]ヲ↡ | 永ク絶ツ↢凡夫生死ノ殃アウヲ↡ |
^このゆゑにかの国を安楽と名づく 衆等 心を回して往生を願ぜよ
是ノ故ニ彼ノ国ヲ名ク↢安楽ト↡ | 衆等廻シテ↠心ヲ願ゼヨ↢往生ヲ↡ |
^かの国に往生しぬれば余の事なし 手に香華を執りてつねに供養したてまつれ
往↢生シヌレバ彼ノ国ニ↡無シ↢余ノ事↡ | 手ニ執[リ]テ↢香華ヲ↡常ニ供養†シタテマツレ |
^高、 下に接ぎて讃じていへ。 下、 高に接ぎて讃じていへ。
†高接ギテ↠下ニ讃ジテ云ヘ。 †下接ギテ↠高ニ讃ジテ云ヘ。
二 ⅶ 第七段
Ⅰ 経
【056063】^高座入文。
高座入文。
^「▲舎利弗、 なんぢが意においていかん、 かの仏をなんがゆゑぞ阿弥陀と号する。
「舎利弗、†於テ↢汝ガ意ニ↡云何ン‡、彼ノ仏ヲ何ガ故ゾ号ス[ル]↢阿弥陀ト↡。
^◆舎利弗、 かの仏の光明無量にして十方の国を照らすに、 障礙するところなし。 このゆゑに号して阿弥陀となす。
舎利弗、彼ノ仏†ノ光明無量ニシテ照スニ↢十方ノ国ヲ↡、無シ↠所↢障礙スル↡。是ノ故ニ号シテ†為ス↢阿弥陀ト↡。
^◆また舎利弗、 かの仏の寿命およびその人0616民 ˆの寿命ˇ も無量無辺阿僧祇劫なり。 ゆゑに阿弥陀と名づく。
又舎利弗、彼ノ仏ノ寿命及ビ其ノ人民モ無量無辺阿僧祇劫ナリ。故[ニ]名ク↢阿弥陀ト↡。
^◆舎利弗、 阿弥陀仏は、 成仏よりこのかたいまに十劫なり。
舎利弗、阿弥陀仏[ハ]、成仏ヨリ已来0840†於今ニ十劫ナリ。
^◆また舎利弗、 かの仏に無量無辺の声聞の弟子あり、 みな阿羅漢なり。 これ算数のよく知るところにあらず。 ◆もろもろの菩薩衆もまたかくのごとし。
又舎利弗、彼ノ仏ニ有リ↢無量無辺ノ声聞[ノ]弟子↡、皆阿羅漢ナリ。非ズ↣是算数‡之所ニ↢能ク知ル↡。諸ノ菩薩衆モ亦復如シ↠是[ク]ノ。
^◆舎利弗、 かの仏の国土には、 かくのごとき功徳荘厳を成就せり」 と。
舎利弗、彼ノ仏ノ国土ニハ成↢就セリ[ト]如[キ]‡↠是[ク]ノ功徳荘厳ヲ↡。」
二 ⅶ Ⅱ 讃
a 其一
【64】^下、 高に接ぎて讃じていへ。
†下接ギテ↠高ニ讃ジテ云ヘ。
^願はくは往生せん、 願はくは往生せん。
▲†願クハ往生セム、†願クハ往生セム。
^ˆ阿弥陀仏はˇ 果 涅槃を得てつねに世に住す 寿命延長にして量るべきこと難し
†果得テ↢†涅槃ヲ↡常ニ住ス↠世ニ | 寿命延長ニシテ難シ↠可[キ]コト↠量ル |
^千劫・万劫・恒沙劫・ *兆載永劫にしてまた*無央なり
千劫・万劫・恒沙劫・ | 兆載永劫ニシテ亦無央ナリ |
^▼一たび坐して移ることなくまた不動なり *後際を徹窮して身光を放つ
一タ[ビ]坐‡シテ無ク↠移ルコト亦†不動ナリ | 徹↢窮シテ後際ヲ↡放ツ↢身光ヲ↡ |
^*霊儀の相好真金色なり *巍々として独り坐して衆生を度す
霊儀[ノ]相好真金色ナリ | 巍巍トシテ独リ坐シテ度ス↢衆生ヲ↡ |
^十方の凡聖専心に向かへば ˆ阿弥陀仏はˇ 身を分ち化を遣はして往きてあひ迎へ0561しめたまふ
十方ノ凡聖†専心ニ向ヘバ | 分チ‡↠身ヲ遣シ‡テ↠化ヲ†往キテ相迎†ヘシメタマフ |
^一念に空に乗じて*仏会に入れば 身色・寿命ことごとくみな平し
一念ニ乗ジテ↠空ニ入†レバ↢仏会ニ↡ | 身色・寿命尽ク皆平シ |
^衆等 心を回してみな往かんと願じて 手に香華を執りてつねに供養したてまつれ
衆等廻[シテ]↠心ヲ皆願[ジテ]↠往[カムト] | 手ニ執[リ]テ↢香華ヲ↡常ニ供養[シタテマツ]†レ |
^高、 下に接ぎて讃じていへ。
†高接ギテ↠下ニ讃ジテ云ヘ。
二 ⅶ Ⅱ b 其二
【65】^下、 高に接ぎて讃じていへ。
†下接ギテ↠高ニ讃ジテ云ヘ。
^願はくは往生せん、 願はくは往生せん。
†願クハ往生セム、†願クハ往生セム。
^かの仏は*因より苦行を行じ *勇猛専精にして退する時なし
彼ノ仏[ハ]従リ↠因‡行†ジ↢苦行ヲ↡ | 勇猛専精ニシテ無シ↢退スル時↡ |
^一たび坐して百劫・長時劫 なしがたきをよくなして疲れを生ぜず
一[タ]ビ坐シテ百劫・長時劫‡ | 難キヲ↠作シ能ク作シテ不↠生ゼ↠疲ヲ |
^自利利他同じく悪を断ず 怨憎を捨てざるは大悲による
自利利他‡同[ジ]ク断ズ↠悪ヲ | 不ルハ↠捨テ↢怨憎ヲ↡由†ル↢大悲ニ↡ |
^*有識含霊みなあまねく化す 同因同行菩提に至る
有識含霊皆普ク化ス | 同因同行‡至ル↢菩提ニ↡ |
^誓願して清浄の0617土を荘厳す 見聞歓喜して無為を証す
誓願シテ荘↢厳ス清浄[ノ]土ヲ↡ | 見聞歓喜シテ証ス↢無為ヲ↡ |
^衆等 心を回してみな往かんと願じて 手に香華を執りてつねに供養したてまつれ
衆等廻シテ↠心ヲ皆願†ジテ↠往カム†ト | 手ニ執[リ]テ↢香華ヲ↡常ニ供養†シタテシタテマツレ |
二 ⅶ Ⅱ c 其三
【66】^下、 高に接ぎて讃じていへ。
0841†下接ギテ↠高ニ讃ジテ云ヘ。
^願はくは往生せん、 願はくは往生せん。
†願クハ往生セム、†願クハ往生セム。
^▼弥陀の*化主*心に当りて坐す 華台独りはるかにもつとも精たり
弥陀[ノ]化主当[リ]テ↠心ニ†坐ス | 華台†独リ*迥カニ最モ為リ↠精 |
^百億の*摩尼 雑宝を間へたり *葉々の荘厳相おのづからなる
百億ノ摩尼間ヘタリ↢雑宝ヲ↡ | 葉葉ノ荘厳‡相自ラ†成ル |
^*正坐よりこのかた十劫を経たり 心は法界を縁じて慈光を照らす
正坐ヨリ已来タ経タリ↢十劫ヲ↡ | 心†ハ縁ジテ↢法界ヲ↡照ス↢慈光ヲ↡ |
^0562光触を蒙るものは塵労滅し 臨終に仏を見たてまつりて西方に往く
蒙ル↢光触ヲ↡者ハ塵労‡滅シ | 臨終ニ見タテマツリテ↠仏ヲ往ク↢西方ニ↡ |
^かしこに到りて華開けて*大会に入る 無明煩悩自然に亡じ
到[リ]テ↠彼ニ華開[ケ]テ入ル↢大会ニ↡ | 無明煩悩自然ニ亡†ジ |
^三明自然なるは仏願に乗ずればなり 須臾に合掌して神通を得
三明自然ナ†ルハ乗ズレバナリ↢仏願ニ↡ | 須臾ニ合掌シテ†得↢神通ヲ↡ |
^かの仏の声聞・菩薩衆は *塵沙のごとくして*算数また窮めがたし
彼ノ仏ノ声聞・菩薩衆[ハ] | 塵沙[ノゴトクシテ]算数亦難シ↠窮メ |
^▼願はくはわれ今生につとめて意を発して 畢命にかの聖人の叢に往かん
願[ク]ハ我今生ニ†強メテ発シテ↠意ヲ | 畢命ニ往カム↢彼ノ聖人ノ†叢ニ↡ |
^衆等 心を傾け往生を願じて 手に香華を執りてつねに供養したてまつれ
衆等傾[ケ]‡↠心ヲ願ジテ↢往生ヲ↡ | 手ニ執[リ]テ↢香華ヲ↡常ニ供養[シタテマツ]†レ |
^高、 下に接ぎて讃じていへ。 下、 高に接ぎて讃じていへ。
†高接ギテ↠下ニ讃ジテ云ヘ。 †下接ギテ↠高ニ讃ジテ云ヘ。
二 ⅷ 第八段
Ⅰ 経
【67】^高座入文。
高座入文。
^「▲また舎利弗、 極楽国土には衆生生ずるもの、 みなこれ阿鞞跋致なり。
「又舎利弗、極楽国土ニハ衆生‡生ズル者、皆是阿鞞跋致ナリ。
^◆そのなかに多く一生補処 ˆの菩薩ˇ あり。 その数はなはだ多し。 これ算数のよくこれを知るところにあらず。 ただ無量無辺阿僧祇劫をもつて説くべし。
其ノ中ニ多ク有リ↢一生補処↡。其ノ数甚ダ多シ。非ズ↣是算数ノ所ニ↢能ク知ル↟之ヲ。但‡可シ↧以テ↢無量無辺阿僧祇劫ヲ↡説ク↥。
^◆舎利弗、 衆生聞くものは、 まさに発願してかの国に生ぜんと願ずべし。 ◆所以はいかん。 かくのごときもろもろの上善人と倶に一処に会することを得ればなり。
舎利弗、衆生‡聞†ク者ハ、応ニ当シ↢発願シテ‡願ズ↟生[ゼ]ムト↢彼ノ国ニ↡。所以者何ン。得レバナリ↧与↢如[キ]‡↠是[クノ]諸ノ上善人↡倶ニ会スルコト[ヲ]↦一処ニ↥。
^◆舎利弗、 少善根福徳の因縁をもつてかの国に生ずることを得べからず」 と。
舎利弗、不[ト]↠可[カラ]↧以テ↢少善根福徳ノ因縁ヲ↡得↞生[ズル]コトヲ↢彼ノ国ニ↡。」
二 ⅷ Ⅱ 讃
a 其一
【68】^0618下、 高に接ぎて讃じていへ。
†下接ギテ↠高ニ讃ジテ云ヘ。
^0563願はくは往生せん、 願はくは往生せん。
▲†願0842クハ往生セム、†願クハ往生セム。
^▼釈迦如来 身子 (舎利弗) に告げたまふは すなはちこれあまねく苦の衆生に告げたまふなり
釈迦如来告ゲタマフ‡ハ↢身子ニ↡ | 即チ是普ク告†ゲタマフナリ↢苦ノ衆生ニ↡ |
^娑婆六道は安き処にあらず 冥々たる長夜の闇のなかに行く
娑婆六道ハ非ズ↢†安キ処ニ↡ | 冥冥タル長夜ノ闇ノ中ニ†行ク |
^*聖化同居すれどもあひ識らず ややもすれば*瞋毒を生じて無明を闘はしむ
聖化同居†スレドモ不↢相識ラ↡ | 動バ生ジ[テ]↢瞋毒ヲ↡闘ハシム↢無明ヲ↡ |
^この無明のために六道に繋がれ 愛憎高下していづれの時にか平らかならん
為ニ↢此ノ無明ノ↡繋ガ†レ↢六道ニ↡ | 愛憎高下[シテ]何ノ時ニカ†平カナラム |
^すでに善業の生死を排ふなし 貪によりて罪を造りていまだ心驚かず
既ニ無シ↣善業ノ†排フ↢生死ヲ↡ | 由[リ]テ↠貪ニ造[リ]テ↠罪ヲ未ズ ダ↢†心驚カ↡ |
^この人皮に裹める*驢骨に狂かされて 三塗にみづから入ること争ふべからず
狂サレテ↢此ノ人皮ニ裹メル驢骨ニ↡ | 三塗ニ自ラ入†ルコト不↠†須カラ↠争フ |
^われらこれを聞きて心髄痛む 誓願してたちまちに世間の栄を捨てん
我等聞[キ]テ↠之ヲ心髄‡痛ム | 誓願シテ頓ニ捨テム↢世間ノ†栄ヲ↡ |
^あまねく願はくは心を回して浄土に生ぜんとして 手に香華を執りてつねに供養したてまつれ
普ク願[ク]ハ廻シテ↠心ヲ生ゼム[トシテ]↢浄土ニ↡ | 手ニ執[リ]テ↢香華ヲ↡常ニ供養[シタテマツ]†レ |
^高、 下に接ぎて讃じていへ。
†高接ギテ↠下ニ讃ジテ云ヘ。
二 ⅷ Ⅱ b 其二
【69】^下、 高に接ぎて讃じていへ。
†下接ギテ↠高ニ讃ジテ云ヘ。
^願はくは往生せん、 願はくは往生せん。
†願クハ往生セム、†願クハ往生セム。
^娑婆はきはめて苦にして*生処にあらず 極楽は無為にして実にこれ精なり
娑婆[ハ]†極テ苦ニシテ非ズ↢生処ニ↡ | 極楽[ハ]無為ニシテ実ニ是精ナリ |
^▼九品ともに回して不退を得よ 阿鞞跋致はすなはち無生なり
九品倶ニ廻シテ†得ヨ↢不退ヲ↡ | 阿鞞跋致ハ即チ無生ナリ |
^ただ*初生の*限極なきのみにあらず 十地以下も*劫にも窮めがたし
非[ズ]↣†直初生ノ無キノミニ↢限極↡ | 十地已下モ劫ニ[モ]難シ↠窮メ |
^かくのごときもの大海塵恒沙なり 有縁到ればそのなかに入る
如†キモノ↠此[ク]ノ大海塵恒沙ナリ | 有縁‡到†レバ者入ル↢其ノ中ニ↡ |
^0564*四種の威儀につねに仏を見たてまつり 行来進止 神通に駕す
四種ノ威儀ニ常ニ見†タテマツリ↠仏ヲ | 行来進止‡駕ス↢神通ニ↡ |
^六識縦横にして自然に悟り ▼いまだ思量一念の功によらず
六識縦横ニ[シテ]自然ニ悟†リ | 未ズ ダ↠藉ラ↢思量一念ノ功ニ↡ |
^あまねく*同生の善知識に勧む 専心専注して西方に往け
普ク勧ム↢同生ノ善知識ニ↡ | 専心専注シテ往ケ↢西方ニ↡ |
^衆等 心を回してみな往かんと願じて 手に香華を執りてつねに供養したてまつれ
衆等廻シテ↠心ヲ皆願†ジテ↠往[カム]ト | 手ニ執[リ]テ↢香華ヲ↡常ニ供養[シタテマツ]†レ |
^下、 高に接ぎて讃じていへ。
†下接ギテ↠高ニ讃ジテ云ヘ。
二 ⅸ 第九段
Ⅰ 経
【70】^高座入文。
高座入文。
^「▲舎0619利弗、 もし善男子・善女人ありて、 阿弥陀仏を説くを聞きて、 名号を執持すること、 もしは一日、 もしは二日、 もしは三日、 もしは四日、 もしは五日、 もしは六日、 もしは七日、 一心にして乱れざれば、
「舎利弗、若[シ]有[リ]テ↢善男子・善女人↡、聞キテ↠説[ク]ヲ↢阿弥陀仏ヲ↡、執↢持†スルコト名号ヲ↡、若シハ一日、若[シハ]二0843日、若[シハ]三日、若[シハ]四日、若[シハ]五日、若[シハ]六日、若[シハ]七日、一心ニシテ不レ†バ↠乱[レ]、
^◆その人、 命終の時に臨みて、 阿弥陀仏、 もろもろの聖衆と現じてその前にまします。 この人終る時、 心顛倒せずして、 すなはち阿弥陀仏の極楽国土に往生することを得。
其ノ人臨[ミ]テ↢命終ノ時ニ↡、阿弥陀仏、与↢諸ノ聖衆↡現ジテ在ス↢其ノ前ニ↡。是ノ人終ル時、心不シテ↢顛倒セ↡即[チ]†得↣往↢生スルコトヲ阿弥陀仏ノ極楽国土ニ↡。
^◆舎利弗、 われこの利を見るがゆゑに、 この言を説く。 もし衆生ありてこの説を聞かんものは、 まさに発願してかの国土に生ずべし」 と。
舎利弗、我見ルガ↢是ノ利ヲ↡故ニ説[ク]↢此ノ言ヲ↡。若シ有[リ]テ↢衆生↡聞カム↢是ノ説ヲ↡者ハ、†応ニ当シト↣発願シテ生ズ↢彼ノ国土ニ↡。」
二 ⅸ Ⅱ 讃
a 其一
【71】^下、 高に接ぎて讃じていへ。
†下接ギテ↠高ニ讃ジテ云ヘ。
^願はくは往生せん、 願はくは往生せん。
▲†願クハ往生セム、†願クハ往生セム。
^▼極楽は無為涅槃の界なり ▼*随縁の雑善0565おそらくは生じがたし
極楽ハ無為涅槃ノ界ナリ | 随縁ノ雑善‡恐クハ難シ↠生ジ |
^▼ゆゑに如来 (釈尊) *要法を選びて 教へて弥陀を念ぜしむることもつぱらにしてまたもつぱらならしむ
故ニ使ム↧如来選ビテ↢要法ヲ↡ | 教[ヘ]テ念[ゼ]シムルコト↢弥陀ヲ↡専ニシテ復専ナラ↥ |
^◆七日七夜 心*無間に ▼長時の起行もますますみなしかなり
七日七夜心無間†ニ | 長時ノ起行[モ]倍皆然ナリ |
^臨終に聖衆 華を持して現ず 身心*踊躍して金蓮に坐す
臨終ニ聖衆†持シテ↠華ヲ現ズ | 身心踊躍シテ坐ス↢金蓮ニ↡ |
^◆坐する時すなはち無生忍を得 一念に迎へ将て仏前に至る
坐スル時‡即チ得↢無生忍ヲ↡ | 一念ニ迎ヘ‡将テ至ル↢仏前ニ↡ |
^*法侶衣をもつて競ひ来りて着しむ 不退を証得して三賢に入る
法侶トモ将テ↠衣ヲ競ヒ来[リ]テ著†シム | 証↢得シテ不退ヲ↡入ル↢三賢ニ↡ |
^衆等 心を回してみな往かんと願じて 手に香華を執りてつねに供養したてまつれ
衆等廻シテ↠心ヲ皆願†ジテ↠往†カムト | 手ニ執[リ]テ↢香華ヲ↡常ニ供養[シタテマツ]†レ |
^高、 下に接ぎて讃じていへ。
†高接ギテ↠下ニ讃ジテ云ヘ。
二 ⅸ Ⅱ b 其二
【72】^下、 高に接ぎて讃じていへ。
†下接ギテ↠高ニ讃ジテ云ヘ。
^願はくは往生せん、 願はくは往生せん。
†願クハ往生セム、†願クハ往生セム。
^弥陀の侍者二菩薩を 号して無辺 (*大勢至)・*観世音といふ
^一切の時中に*仏化を助けて 六道に分身して慈心を起し
一切ノ時中ニ助ケテ↢仏化ヲ↡ | †分↢身シテ六道ニ↡起†シ↢慈心ヲ↡ |
^念々に機に随ひて ために法を説きたまふ 惛々として悟りがたきは罪根の深0620ければなり
念念ニ随[ヒ]テ↠機ニ 為ニ説†キタマフ↠法ヲ | 惛惛トシテ難キ‡ハ↠悟リ罪根ノ深†ケレバナリ |
^百計千万数世に出でたまふも 万がなかに一も煩篭を出づるものなし
百計千万数出†デタマフモ↠世ニ | 万ガ中ニ無シ↣†一モ出[ヅ]ルモノ↢煩篭ヲ↡ |
^なんぢ衆生の*長劫の苦を念ふに 諸仏対面すれどもあひ逢はず
念†フニ↢汝衆生ノ長劫ノ苦ヲ↡ | 諸仏対面†スレドモ不↢相0844逢ハ↡ |
^人天の少善なほ弁じがたし いかにいはんや無為にして*六通を証せんをや
人天ノ少善尚難シ↠*†弁ジ | 何ニ況ヤ無為ニ[シテ]証セム[ヲ]ヤ↢六通ヲ↡ |
^*希有の法を見聞することを得たりといへども 粗心 *懈怠にしてますます功なし
雖モ↠得[タリ]ト↣見↢聞スルコトヲ希有ノ法ヲ↡ | 麁心懈怠ニシテ益無シ↠功 |
^たとひ0566連年にほしいままに脚走して 趁め得んとするも *貪瞋内胸に満てり
縦使連年ニ放ニ脚走シテ | 趁ヤメメ得†ムトスルモ 貪瞋満テ†リ↢内胸ニ↡ |
^貪瞋はすなはちこれ身の三業なり なんぞ浄土のうちの*真空を開かん
貪瞋ハ即チ是身ノ三業ナリ | †何ゾ開カム↢浄土ノ裏ノ真空ヲ↡ |
^語を同生の善知識に寄す 仏の慈悲を念じて聖の叢に入れ
寄ス↢†語ヲ同生ノ善知識ニ↡ | 念ジテ↢仏ノ慈悲ヲ↡入レ↢聖ノ†叢ニ↡ |
^衆等 心を傾けてみな往かんと願じて 手に香華を執りてつねに供養したてまつれ
衆等傾[ケ]テ↠心ヲ皆願†ジテ↠往†カムト | 手ニ執[リ]テ↢香華ヲ↡常ニ供養[シタテマツ]†レ |
^高、 下に接ぎて讃じていへ。 下、 高に接ぎて讃じていへ。
†高接ギテ↠下ニ讃ジテ云ヘ。 †下接ギテ↠高ニ讃ジテ云ヘ。
二 ⅹ 第十段
Ⅰ 経
【73】^高座入文。
高座入文。
^「▲舎利弗、 われいま阿弥陀仏の不可思議の功徳を讃歎するがごとく、 ◆東方にまた阿閦鞞仏・須弥相仏・大須弥仏・須弥光仏・妙音仏、 かくのごとき等の恒河沙数の諸仏ましまして、 おのおのその国において広長の舌相を出して、 あまねく三千大千世界に覆ひて、 誠実の言を説きたまはく、 ªなんぢら衆生、 まさにこの称讃不可思議功徳一切諸仏所護念経を信ずべしº」 と。
「舎利弗、如ク↣我今者讃↢歎スルガ阿弥陀仏ノ不可思議ノ功徳ヲ↡、東方ニ亦有シテ↢阿閦鞞仏・須弥相仏・大須弥仏・須弥光仏・妙音仏、如キ↠是[ク]ノ等ノ恒河沙数ノ諸仏↡、各ノ†於テ↢其ノ国ニ↡出[シ]テ↢広長[ノ]舌相ヲ↡徧ク覆[ヒ]テ↢三千大千世界ニ↡説キタマハク↢誠実ノ言ヲ↡、†汝等衆生、当ニシ[ト]↠信ズ↢是ノ†称讃不可思議功徳一切諸仏所護念経ヲ↡。」
二 ⅹ Ⅱ 讃
【74】^下、 高に接ぎて讃じていへ。
†下接ギテ↠高ニ讃ジテ云ヘ。
^願はくは往生せん、 願はくは往生せん。
▲†願クハ往生セム、†願クハ往生セム。
^釈迦如来つねに 東方恒沙の*等覚尊を讃嘆したまふ
釈迦如来常ニ讃↢歎シタマフ | 東方恒沙[ノ]等覚尊ヲ↡ |
^大悲同じく化して心無二なり 一仏功を施せば 多もまたしかなり
大悲同[ジ]ク化シテ心無二ナリ | 一仏‡施†セバ↠功ヲ多モ亦然ナリ |
^▼凡夫疑見の執を断ぜんがために みな舌相を舒べて三千に覆ひて
為ニ↠断ゼムガ↢凡夫疑見ノ執ヲ↡ | 皆舒ベテ↢舌相ヲ↡覆[ヒ]テ↢三千ニ↡ |
^ともに0567七0621日名号を称することを証し また釈迦の言説の真なることを表す
共ニ証シ↣七日称スルコトヲ↢名号ヲ↡ | 又表ス↢釈迦ノ言説ノ真ナルコトヲ↡ |
^*終時正意にして弥陀を念ずれば 仏の慈光来りて身を照らすを見る
†終時正意ニシテ念ズレバ↢弥陀ヲ↡ | 見ル↢仏ノ慈光‡来[リ]テ照スヲ↟身0845ヲ |
^この弥陀の本願力に乗じて 一念のあひだに*宝堂に入る
乗ジテ↢此ノ弥陀[ノ]本願力ニ↡ | 一念之間ニ入ル↢宝堂ニ↡ |
^宝堂の荘厳限極なし 化仏・聖衆 坐して思量す
宝堂ノ荘厳無シ↢限極↡ | 化仏・聖衆 坐シテ思量ス |
^心性は百千の日よりもあきらかなり 悲智双行*法爾として常なり
心性ハ明[カ]ナリ↢†於百千ノ日ヨリモ↡ | 悲智双行‡法爾トシテ常ナリ |
^われいますでに無為の処に到る あまねく含霊のこの方に帰することを願ず
我今既ニ到†ル↢無為ノ処ニ↡ | 普ク願ズ↣含霊[ノ]帰†スルコトヲ↢此ノ方ニ↡ |
^衆等 心を傾けてみな往かんと願じて 手に香華を執りてつねに供養したてまつれ
衆等傾[ケテ]↠心[ヲ]皆願[ジテ]↠往[カムト] | 手[ニ]執[リテ]↢香華[ヲ]↡常[ニ]供養[シタテマツレ] |
^高、 下に接ぎて讃じていへ。 下、 高に接ぎて讃じていへ。
†高接ギテ↠下ニ讃ジテ云ヘ。 †下接ギテ↠高ニ讃ジテ云ヘ。
二 ⅺ 第十一段
Ⅰ 経
【75】^高座入文。
高座入文。
^「▲舎利弗、 南方の世界に、 日月灯仏・名聞光仏・大焔肩仏・須弥灯仏・無量精進仏、 かくのごとき等の恒河沙数の諸仏ましまして、 おのおのその国において広長の舌相を出して、 あまねく三千大千世界に覆ひて、 誠実の言を説きたまはく、 ªなんぢら衆生、 まさにこの称讃不可思議功徳一切諸仏所護念経を信ずべしº」 と。
「舎利弗、南方ノ世界ニ、有[シ]テ↢日月灯仏・名聞光仏・大焔肩仏・須弥灯仏・無量精進仏、如キ↠是[ク]ノ等ノ恒河沙数ノ諸仏↡、各於[テ]↢其ノ国ニ↡出[シ]テ↢広長[ノ]舌相ヲ↡徧ク覆[ヒ]テ↢三千大千世界ニ↡、説キタマハク↢誠実ノ言ヲ↡、†汝等衆生、当ニシ[ト]↠信ズ↢是ノ†称讃不可思議功徳一切諸仏所護念経ヲ↡。」
二 ⅺ Ⅱ 讃
【76】^下、 高に接ぎて讃じていへ。
†下接ギテ↠高ニ讃ジテ云ヘ。
^0568願はくは往生せん、 願はくは往生せん。
▲†願クハ往生セム、†願クハ往生セム。
^南方の諸仏恒沙のごとし また舌相を舒べて三千に覆ひて
南方ノ諸仏如シ↢恒沙ノ↡ | 亦舒ベテ↢舌相ヲ↡覆[ヒ]テ↢三千ニ↡ |
^その本国の凡聖の衆のために 釈迦変現の身を讃嘆したまふ
為ニ↢其ノ本国ノ凡聖[ノ]衆ノ↡ | 讃↢歎†シタマフ釈迦‡変現ノ身ヲ↡ |
^娑婆五濁のうちに出現したまふは 心を標して罪根の人を化せんがためなり
出↢現シタマフ‡ハ娑婆五濁ノ内ニ↡ | 標シテ↠心ヲ為ナリ↠化セムガ↢罪根[ノ]人ヲ↡ |
^*我見・*邪貪・*増上慢 教へて世を出さしめんとしたまふに かへりて瞋りを生ず
我見・邪貪・増上慢 | 教ヘテ†令メムトシタマフニ↠出ダサ↠世ヲ *反リテ生ズ↠瞋ヲ |
^「なんぢ衆生の*流浪の久しきことを念ふに 諸仏の誠言真0622ならずと謂へばなり」 と
念[フニ]↢汝衆生ノ流浪ノ久[シキ]コトヲ↡ | 諸仏ノ誠言‡謂†ヘバナリ[ト]↠不ト↠真マコトナラズナラ |
^衆等 心を回して浄土に生ぜんとして 手に香華を執りてつねに供養したてまつれ
衆等廻シテ↠心ヲ生ゼム[トシテ]↢浄土ニ↡ | 手ニ執[リ]テ↢香華ヲ↡常ニ供養[シタテマツ]†レ |
^高、 下に接ぎて讃じていへ。 下、 高に接ぎて讃じていへ。
0846†高接ギテ↠下ニ讃ジテ云ヘ。 †下接ギテ↠高ニ讃ジテ云ヘ。
二 ⅻ 第十二段
Ⅰ 経
【77】^高座入文。
高座入文。
^「▲舎利弗、 西方の世界に、 無量寿仏・無量相仏・無量幢仏・大光仏・大明仏・宝相仏・浄光仏、 かくのごとき等の恒河沙数の諸仏ましまして、 おのおのその国において広長の舌相を出して、 あまねく三千大千世界に覆ひて、 誠実の言を説きたまはく、 ªなんぢら衆生、 まさにこの称讃不可思議功徳一切諸仏所護念経を信ずべしº」 と。
「舎利弗、西方ノ世界ニ有[シ]テ↢無量寿仏・無量相仏・無量幢仏・大光仏・大明仏・宝相仏・浄光仏、如キ↠是[ク]ノ等ノ恒河沙数ノ諸仏↡、各[ノ]於テ↢其ノ国ニ↡出[シ]テ↢広長[ノ]舌相ヲ↡徧ク覆[ヒ]テ↢三千大千世界ニ↡、説キタマハク↢誠実ノ言ヲ↡、†汝等衆生、当ニシ[ト]↠信ズ↢是ノ†称讃不可思議功徳一切諸仏所護念経ヲ↡。」
二 ⅻ Ⅱ 讃
【78】^下、 高に接ぎて讃じていへ。
†下接ギテ↠高ニ讃ジテ云ヘ。
^0569願はくは往生せん、 願はくは往生せん。
▲†願クハ往生セム、†願クハ往生セム。
^西方の諸仏恒沙のごとし おのおの本国において如来 (釈尊) を讃ず
西方ノ諸仏如シ↢恒沙ノ↡ | 各[ノ]†於テ↢本国ニ↡讃ズ↢如来ヲ↡ |
^百億閻浮のうちに分身して *八相大希奇を示現す
分↢身シテ百億閻浮ノ内ニ↡ | 示↢現ス八相大希奇ヲ↡ |
^五濁の凡夫まさに実なりと謂へり 六年苦行して無為を証し
五濁ノ凡夫将ニ謂†ヘリ↠†実ナリト | 六年苦行シテ証シ↢無為ヲ↡ |
^降魔成道して妙法を説きたまふ 種々の方便不思議なり
降魔成道シテ説†キタマフ↢妙法ヲ↡ | 種種ノ方便不思議ナリ |
^あまねく衆生を勧めて浄土に帰せしめたまふに 前みて思ひ却きて慮りてさらに疑を生ず
普ク勧メテ↢衆生ヲ↡帰†セシメタマフニ↢浄土ニ↡ | 前ミテ思ヒ却キテ慮[リ]テ更ニ生ズ↠疑ヲ |
^われいま*舌を舒べてもつて証をなす 「西方極楽かならずすべからくよるべし」 と
我今舒[ベ]テ↠舌ヲ以テ為ス↠証ヲ | 西方極楽必ズ須クシ[ト]↠依ル |
^衆等 心を回してみな往かんと願じて 手に香華を執りてつねに供養したてまつれ
衆等廻[シ]テ↠心ヲ皆願†ジテ↠往†カムト | 手ニ執[リ]テ↢香華ヲ↡常ニ供養[シタテマツ]†レ |
^高、 下に接ぎて讃じていへ。 下、 高に接ぎて讃じていへ。
†高接ギテ↠下ニ讃ジテ云ヘ。 †下接ギテ↠高ニ讃ジテ云ヘ。
二 ⅼ 第十三段
Ⅰ 経
【79】^0623高座入文。
高座入文。
^「▲舎利弗、 北方の世界に、 焔肩仏・最勝音仏・難俎仏・日生仏・網明仏、 かくのごとき等の恒河沙数の諸仏ましまして、 おのおのその国において広長の舌相を出して、 あまねく三千大千世界に覆ひて、 誠実の言を説きたまはく、 ªなんぢら衆生、 まさにこの称讃不可思議功徳一切諸仏所護念経を信ずべしº」 と。
「舎0847利弗、北方[ノ]世界ニ有[シ]テ↢焔肩仏・最勝音仏・難俎仏・日生仏・網明仏、如キ↠是[クノ]等ノ恒河沙数ノ諸仏↡、各ノ†於テ↢其ノ国ニ↡出[シ]テ↢広長[ノ]舌相ヲ↡徧ク覆[ヒ]テ↢三千大千世界ニ↡、説キタマハク↢誠実ノ言ヲ↡、†汝等衆生、当ニシ[ト]↠信ズ↢是ノ†称讃不可思議功徳一切諸仏所護念経ヲ↡。」
二 ⅼ Ⅱ 讃
【80】^下、 高に接ぎて讃じていへ。
†下接ギテ↠高ニ讃ジテ云ヘ。
^願はくは往生せん、 願はくは往生せん。
▲†願クハ往生セム、†願クハ往生セム。
^北方の諸仏恒沙のごとし みな舌相を0570舒べて*牟尼を証す
北方ノ諸仏如シ↢恒沙ノ↡ | 皆舒ベテ↢舌相ヲ↡証ス↢牟尼ヲ↡ |
^われ凡夫のために来りて世に出で 縁に随ひて法を説き時機に応ず
為ニ↢我凡夫ノ↡来[リ]テ出デ‡↠世ニ | 随[ヒ]テ↠縁ニ説[キ]‡↠法ヲ応ズ↢時‡機‡ニ↡ |
^時機あひ感ずれば聞きてすなはち悟る 説のごとく修行して疑を致さざれ
時機相感ズレバ聞[キ]テ即チ悟ル | †如ク↠説ノ修行シテ†不レ↠致サ↠疑ヲ |
^七日名を称して*間雑することなく 身心踊躍して喜びまた悲しむ
七日称シテ↠名ヲ無ク↢間雑スルコト↡ | 身心踊躍シテ喜†ビ†還タ悲シム‡ |
^慶ばしきかな 希に*自家国を聞くことを得たり 諸仏還帰することを得と証判したまふ
慶バシキキカナ得タリ↣希ニ聞クコトヲ↢†自家国ヲ↡ | 諸仏†証↣判シタマフ†得ト↢還帰スルコトヲ↡ |
^衆等 心を回してみな往かんと願じて 手に香華を執りてつねに供養したてまつれ
衆等廻シテ↠心ヲ皆願ジテ↠往†カムト | 手ニ執[リ]テ↢香華ヲ↡常ニ供養[シタテマツ]†レ |
^高、 下に接ぎて讃じていへ。 下、 高に接ぎて讃じていへ。
†高接ギテ↠下ニ讃ジテ云ヘ。 †下接ギテ↠高ニ讃ジテ*云ヘ。
二 ⅽ 第十四段
Ⅰ 経
【81】^高座入文。
高座入文。
^「▲舎利弗、 下方の世界に、 師子仏・名聞仏・名光仏・達摩仏・法幢仏・持法仏、 かくのごとき等の恒河沙数の諸仏ましまして、 おのおのその国において広長の舌相を出して、 あまねく三千大千世0624界に覆ひて、 誠実の言を説きたまはく、 ªなんぢら衆生、 まさにこの称讃不可思議功徳一切諸仏所護念経を信ずべしº」 と。
「舎利弗、下方[ノ]世界ニ有[シ]テ↢師子仏・名聞仏・名光仏・達摩仏・法幢仏・持法仏、如キ↠是[クノ]等ノ恒河沙数ノ諸仏↡、各ノ†於テ↢其ノ国ニ↡出[シ]テ↢広長[ノ]舌相ヲ↡徧ク覆[ヒ]テ↢三千大千世界ニ↡、説キタマハク↢誠実ノ言ヲ↡、†汝等衆生、当ニシ[ト]↠信ズ↢是ノ†称讃不可思議功徳一切諸仏所0848護念経ヲ↡。」
二 ⅽ Ⅱ 讃
【82】^下、 高に接ぎて讃じていへ。
†下接ギテ↠高ニ讃ジテ云ヘ。
^願はくは往生せん、 願はくは往生せん。
▲†願クハ往生セム、†願クハ往生セム。
^下方の諸仏恒沙のごとし おのおの本0571国において衆生を度し
下方ノ諸仏如シ↢恒沙ノ↡ | 各[ノ]†於テ↢本国ニ↡度シ‡↢衆生ヲ↡ |
^釈迦の五濁に出でて よく難事をなして*群萌を化することを証讃したまふ
証↧讃†シタマフ釈迦ノ出デテ↢五濁ニ↡ | 能ク為シテ↢難事ヲ↡化†スルコトヲ↦群萌ヲ↥ |
^*善巧よろしきに随ひて悪を断たしめ *偏心に*指授して西に向かひて行かしむ
善巧†随ヒテ↠宜シキニ令メ↠†断タ↠悪ヲ | 偏心ニ指授シテ向[ヒ]テ↠西ニ†行カシム |
^一切の福業みな回向すれば 終時に化仏みづから来迎したまふ
一切ノ福業皆廻向スレバ | †終時ニ化仏自[ラ]†来迎シタマフ |
^*利根の智者は聞きて歓喜し たちまちに三塗を憶して心すなはち驚く
利根ノ智者ハ聞[キ]テ歓喜シ | 忽ニ憶シテ↢三塗ヲ↡心即[チ]驚ク |
^心を驚かせば 毛竪ちてつとめて懴悔す おそらくは罪滅せずして*深坑に堕することを
驚†カセバ↠心ヲ 毛竪チ‡勤メテ懴悔ス‡ | 恐クハ罪不シテ↠滅セ堕†スルコトヲ↢深坑ニシヅム↡ |
^衆等 心を回して浄土に生ぜんとして 手に香華を執りてつねに供養したてまつれ
衆等廻シテ↠心ヲ生ゼム[トシテ]↢浄土ニ↡ | 手ニ執[リ]テ↢香華ヲ↡常ニ供養[シタテマツ]†レ |
^高、 下に接ぎて讃じていへ。 下、 高に接ぎて讃じていへ。
†高接ギテ↠下ニ讃ジテ云ヘ。 †下接ギテ↠高ニ讃ジテ云ヘ。
二 ⅾ 第十五段
Ⅰ 経
【83】^高座入文。
高座入文。
^「▲舎利弗、 上方の世界に、 梵音仏・宿王仏・香上仏・香光仏・大焔肩仏・雑色宝華厳身仏・娑羅樹王仏・宝華徳仏・見一切義仏・如須弥山仏、 かくのごとき等の恒河沙数の諸仏ましまして、 おのおのその国において広長の舌相を出して、 あまねく三千大千世界に覆ひて、 誠実の言を説きたまはく、 ªなんぢら衆生、 まさにこの称讃不可思議功徳一切諸仏所護0625念経を信ずべしº」 と。
「舎利弗、上方[ノ]世界ニ有[シ]テ↢梵音仏・宿王仏・香上仏・香光仏・大焔肩仏・雑色宝華厳身仏・娑羅樹王仏・宝華徳仏・見一切義仏・如須弥山仏、如キ↠是[クノ]等ノ恒河沙数ノ諸仏↡、各於テ↢其ノ国ニ↡出シテ↢広長[ノ]舌相ヲ↡徧ク覆[ヒ]テ↢三千大千世界ニ↡、説キタマハク↢誠実ノ言ヲ↡、†汝等衆生当ニシ[ト]↠信ズ↢是ノ†称讃不可思議功徳一切諸仏所護念経ヲ↡。」
二 ⅾ Ⅱ 讃
【84】^下、 高に接ぎて讃じていへ。
†0849下接ギテ↠高ニ讃ジテ云ヘ。
^0572願はくは往生せん、 願はくは往生せん。
▲†願クハ往生セム、†願クハ往生セム。
^▼上方の諸仏恒沙のごとし また舌相を舒べたまふことは娑婆のためにす
上方ノ諸仏如シ↢恒沙ノ↡ | †還タ舒[ベ]†タマフコトハ↢舌相ヲ↡†為ニス↢娑婆ノ↡ |
^十悪・五逆 多く*疑謗し *邪を信じ*鬼に事へ神魔を*餧ふ
十悪・五逆 多ク疑謗シ‡ | 信ジ↠邪ヲ事ヘ↠鬼ニ餧フ↢神魔ヲ↡ |
^妄想をもつて*恩を求め 福あらんと謂へり *災障禍横うたたいよいよ多し
妄想ヲモテ求メ‡↠恩ヲ 謂ヘリ↠有ラムト↠福 | 災障禍横転タ弥多シ |
^連年 病みて床枕に臥す *聾盲 脚折れ 手攣撅す
連年†臥ス↢病ミテ於床枕ニ↡ | †聾盲 脚折レ 手攣ヒキ撅クジクス |
^*神明に*承事してこの報を得 いかんぞ捨てて弥陀を念ぜざる
承↢事シテ神明ニ↡得↢此ノ報ヲ↡ | 如何ゾ不†ル↣捨テテ念ゼ↢弥陀ヲ↡ |
^弥陀の願力はみな平等なり ただ心を回して華みづから捧げ
弥陀ノ願力ハ皆平等ナリ | 但使†廻シテ↠心ヲ華自[ラ]捧ゲ‡ |
^一念に*快楽の国に*逍遥すれば *畢竟常安にして退動することなし
一念ニ逍↢遥†スレバ快楽ノ国ニ↡ | 畢竟常安ニシテ無シ↢退動スルコト↡ |
^衆等 心を回してかしこに生ぜんと願じて 手に香華を執りてつねに供養したてまつれ
衆等†廻シテ↠心ヲ願†ジテ↠生ゼム†ト↠彼ニ | 手ニ執[リ]テ↢香華ヲ↡常ニ供養[シ]タテマツ†レ |
^高、 下に接ぎて讃じていへ。 下、 高に接ぎて讃じていへ。
†高接ギテ↠下ニ讃ジテ云ヘ。 †下接ギテ↠高ニ讃ジテ云ヘ。
二 ⅿ 第十六段
Ⅰ 経
【85】^高座入文。
高座入文。
^「▲舎利弗、 なんぢが意においていかん。 なんがゆゑぞ名づけて一切諸仏所護念経となす。
「舎利弗、於テ↢汝ガ意ニ↡云何ン‡。何ガ故ゾ名ケテ†為ス↢†一切諸仏所護念経ト↡。
^◆舎利弗、 もし善男子・善女人ありて、 この諸仏の所説の名および経の名を聞くもの、 このもろもろの善男子・善女人、 みな一切諸仏のためにともに護念せられて、 みな阿耨多羅三藐三菩提を退転せざることを得ん。
舎利弗、若シ有[リ]テ↢善男子・善女人↡、聞†ク↢是ノ諸仏ノ所説ノ†名及ビ経ノ名ヲ↡者‡、是ノ諸ノ善男子・善女人皆為ニ↢一切諸仏ノ↡共ニ所レテ↢護念セ↡、皆得ム↠不ルコトヲ↣退↢転セ於阿耨多羅三藐三菩提ヲ↡。
^◆このゆゑに舎利弗、 なんぢらみなまさにわが語および諸仏の所説を信受すべし。
是ノ故ニ舎利弗、汝等皆当ニシ↣信↢受ス我ガ語及[ビ]諸仏ノ所説ヲ↡。
^◆舎利弗0573、 もし人ありて、 すでに発願し、 いま発願し、 まさに発願して、 阿弥陀仏国に生ぜんと欲するものは、 このもろもろの人等みな阿0626耨多羅三藐三菩提を退転せざることを得て、 かの国土において、 もしはすでに生じ、 もしはいま生じ、 もしはまさに生ずべし。
舎利弗、若シ有[リ]テ↠人、已ニ†発願シ、今†発願シ、当ニ†発願シ[テ]、†欲スル↠生[ゼ]ムト↢阿弥陀仏国ニ↡者ハ、是ノ諸ノ人等皆得テ↠不ルコトヲ↣退↢転セ於阿耨多羅三藐三菩提ヲ↡、於テ↢*彼ノ国土ニ↡、若[シ]ハ已ニ生ジ、若[シ]ハ今生ジ、若[シ]ハ†当ニシ↠生ズ。
^◆このゆゑに舎利弗、 もろもろの善男子・善女人、 もし信あるものは、 まさに発願してかの国土に生ずべし」 と。
是ノ故ニ舎0850利弗、諸ノ善男子・善女人、若シ†有ル↠信者ハ、†応ニ当シト↣発願シテ生ズ↢彼ノ国土ニ↡。」
二 ⅿ Ⅱ 讃
【86】^下、 高に接ぎて讃じていへ。
†下接ギテ↠高ニ讃ジテ云ヘ。
^願はくは往生せん、 願はくは往生せん。
▲†願クハ往生セム、†願クハ往生セム。
^釈迦如来の大慈悲 娑婆に応現して有縁を度したまふ
釈迦如来ノ大慈悲 | 応↢現シテ娑婆ニ↡度†シタマフ↢有縁ヲ↡ |
^有縁*三千界に遍満せり 機に随ひて*示悟して*貪痴を断ぜしめ
有縁遍↢満セリ三千界ニ↡ | 随[ヒ]テ↠機ニ示悟シテ断ゼシ†メ↢貪痴ヲ↡ |
^総じて勧めてこの人天の楽を厭はしめたまふ 無常・八苦の火 人を焼けども
総ジテ勧メテ厭ハシ†メタマフ↢此ノ人天ノ楽ヲ↡ | 無常・八苦ノ火 焼†ケドモ↠人ヲ |
^念仏・*誦経すれば罪障を除き 諸仏はるかに加して身を護念したまふ
念仏誦経スレバ除キ↢罪障ヲ↡ | 諸仏遥ニ加シテ護↢念†シタマフ身ヲ↡ |
^昼夜六時につとめて発願して 心を持ちて散ぜざれば*業また成ず
昼夜六時ニ†強メテ発願シテ | 持[チ]テ↠心ヲ不レバ↠散ゼ業†還タ成ズ |
^業成ずれば *仏華台主を見たてまつる 須臾に変じて紫金台となり
業成†ズレバ見†タテマツル↢仏‡華台主ヲ↡ | 須臾ニ†変ジテ作リ↢紫金台ト↡ |
^仏に従ひて逍遥して*宝国に入り *畢竟じて永く愁憂の声を絶つ
従ヒテ↠仏ニ逍遥シテ入リ‡↢宝国ニ↡ | 畢竟ジテ永ク絶ツ↢愁憂ノ声ヲ↡ |
^衆等 心を回してみな往かんと願じて 手に香華を執りてつねに供養したてまつれ
衆等廻[シテ]↠心ヲ皆願†ジテ↠往[カ]ム†ト | 手ニ執[リ]テ↢香華ヲ↡常ニ供養[シタテマツ]†レ |
^高、 下に接ぎて讃じていへ。 下、 高に接ぎて讃じていへ。
†高接ギテ↠下ニ讃ジテ云ヘ。 †下接ギテ↠高ニ讃ジテ云ヘ。
二 ↀ 第十七段
Ⅰ 経
【057487】^高座入文。
高座入文。
^「▲舎利弗、 われいま諸仏の不可思議の功徳を称讃するがごとく、 ◆かの諸仏等もまた、 わが不可思議の功徳を称説して、 この言をなしたまはく、 ª釈迦牟尼仏、 よく甚難希有の事をなし、 よく娑婆国土の五濁悪世の劫濁・見濁・煩悩濁・衆生濁・命濁のなかにおいて、 阿耨多羅三藐三菩提を得て、 もろもろの衆生のために、 この一切世間難信の法を説きたまふº と。
「舎利弗、如ク↣我今者称↢讃スルガ諸仏ノ不可思議ノ功徳ヲ↡、彼ノ諸仏等[モ]亦、称↢説シテ我[ガ]不可思議ノ功徳ヲ↡而作†シタマハク↢是ノ言[ヲ]↡、釈迦牟尼仏能ク為シ‡↢甚難希有之事ヲ↡、能ク於テ↢*娑婆国土ノ五濁悪世[ノ]劫濁・見濁・煩悩濁・衆生濁・命濁ノ中ニ↡得テ↢阿耨多羅三藐三菩提ヲ↡、為ニ↢諸ノ衆生ノ↡説キタマ†フト↢是ノ一切世間†難信之法ヲ↡。
^◆舎利弗、 まさに知0627るべし、 われ五濁悪世において、 この難事を行じて阿耨多羅三藐三菩提を得て、 一切世間のためにこの難信の法を説く。 これを甚難となす。
舎利弗、当ニシ↠知ル、我†於テ↢五濁悪世ニ↡行[ジ]テ↢此ノ難事ヲ↡得テ↢阿*耨多羅三藐三菩提ヲ↡、為ニ↢一切世間ノ↡説0851ク↢此ノ難信之法ヲ↡。是ヲ為ス↢甚難ト↡。
^◆仏 (釈尊) この経を説きをはりたまふに、 舎利弗およびもろもろの比丘、 一切世間の天・人・阿修羅等、 仏の所説を聞きて、 歓喜し信受して、 礼をなして去りぬ」 と。
仏†説キ↢此ノ経ヲ↡已リタマフニ、舎利弗及ビ諸ノ比丘、一切世間[ノ]天・人・阿修羅等、聞[キ]テ↢キヽタマヘテ仏ノ所説ヲ↡、歓喜シ信受シテ、作シテ↠礼ヲ而去リヌ[ト]。」
二 ↀ Ⅱ 讃
a 其一
【88】^下、 高に接ぎて讃じていへ。
†下接ギテ↠高ニ讃ジテ云ヘ。
^願はくは往生せん、 願はくは往生せん。
▲†願クハ往生セム、†願クハ往生セム。
^世尊*慇懃に身子 (舎利弗) に告げて 諸仏の大悲の同じきことを表知せしめたまふ
世尊慇懃ニ告[ゲ]テ↢身子ニ↡ | 表↢知セシ†メタマフ諸仏ノ大悲[ノ]同[ジ]キコトヲ↡ |
^たがひに徳を讃じて心異なることなく 巧みに時機に応じておのおの功あり
†互相ニ讃ジテ↠徳ヲ心‡無ク↠†異ナルコト | 巧ニ応ジテ↢時機ニ↡各[ノ]有リ↠功 |
^▼六方の如来みな讃嘆したまふ 「釈迦の出現はなはだ逢ひがたし」 と
六方ノ如来皆讃嘆†シタマフ | 釈迦ノ出現甚ダ難シ[ト]↠逢ヒ |
^▼まさしく五濁の時の興盛なるを治す 無0575明頑硬にして高峰に似たり
正[シ]ク治ス↢五濁ノ時ノ興盛ナルヲ↡ | 無明頑硬ニシテ似タリ↢高峰ニ↡ |
^劫濁の時移りて身やうやく小なり 衆生濁悪にして蛇竜に等し
劫濁ノ時移[リ]テ身‡漸ク†小ナリ | 衆生濁悪ニシテ等シ↢蛇竜ニ↡ |
^▼*悩濁遍満して*塵数に過ぎ *愛憎違順して岳山のごとし
悩濁遍満シテ過ギ↢塵数ニ↡ | 愛憎違順シテ若シ↢*丘‡山ノ↡ |
^▼見濁の叢林棘刺のごとし ▼命濁*中夭刹那のあひだなり
見濁ノ叢林如[シ]↢棘刺ノ↡ | 命濁中夭刹那ノ間ナリ |
^依正二報同時に滅し 正に背き邪に帰して横に怨を起す
依正二報同時ニ滅シ | 背キ↠正†ニ帰シテ↠邪ニ横ニ起ス↠†怨ヲ |
^▼*九十五種みな世を汚す ただ仏の一道のみ独り*清閑なり
九十五種皆汚ス↠世ヲ | 唯仏ノ一道ノミ独リ清*閑ナリ |
^出でて菩提に到らば心尽くることなく 火宅に還来して人天を度す
出[デ]テ到†ラバ↢菩提ニ↡心†無ク↠尽クルコト | 還↢来シテ火宅ニ↡度ス↢人天ヲ↡ |
^衆等 心を回してみな往かんと願じて 手に香華を執りてつねに供養したてまつれ
衆等廻シテ↠心ヲ皆願†ジテ↠往[カム]†ト | 手ニ執[リ]テ↢香華ヲ↡常ニ供養[シタテマツ]†レ |
^高、 下に接ぎて讃じていへ。
†高接ギテ↠下ニ讃ジテ云ヘ。
二 ↀ Ⅱ b 其二
【89】^下、 高に接ぎて讃じていへ。
†下接ギテ↠高ニ讃ジテ云ヘ。
^願はくは往生せん、 願はくは往生せん。
†願クハ往生セム、†願クハ往生セム。
^▼如来 (釈尊) 五濁に出現して よろしきに随ひて方便して群萌を化したまふ
如来出↢現シテ†於五濁ニ↡ | †随ヒテ↠宜シキニ方便シテ化†シタマフ↢群萌ヲ↡ |
^あるいは多聞にして*得度すと説き あるいは少解をもつて三明を証すと説く
或[イ]ハ説キ↢多聞†ニシテ而得度スト↡ | 或[イ]ハ†説ク↣少解ヲモテ証スト↢三明ヲ↡ |
^◆あるいは*福慧ならべて障を除くと教へ あるいは*禅念して坐して思量せよと教ふ
或[イ]ハ教ヘ↢福慧双ベテ除クト↟障ヲ | 或[イ]ハ†教フ↢禅念シテ坐シテ思量セヨト↡ |
^▼種々の法0628門みな解脱すれども ▼念仏して西方に往くに過ぎたるはなし
種種ノ法門皆解脱スレドモ | 無シ↠過ギタルハ↣念仏シテ往クニ↢西方ニ↡ |
^▼上*一形を尽し十念に至り ▼三念・五念まで仏来迎したまふ
上尽シ↢一形ヲ↡至リ↢十念ニ↡ | 三念・五念マデ仏来0852迎†シタマフ |
^▼ただに弥陀の弘誓重きがために ▼凡夫をして念ずればすなは0576ち生ぜしむることを致す
直ニ為ニ↢弥陀ノ弘誓重キガ↡ | 致ス↠使ムルコトヲ↢凡夫ヲシテ念ズレバ即[チ]生ゼ↡ |
^▼衆等 心を回してみな往かんと願じて 手に香華を執りてつねに供養したてまつれ
衆等廻シテ↠心ヲ皆願†ジテ↠往[カム]†ト | 手ニ執[リ]テ↢香華ヲ↡常ニ供養[シタテマツ]†レ |
^下、 高に接ぎて讃じていへ。
†下接ギテ↠高ニ讃ジテ云ヘ。
二 ↀ Ⅱ c 其三
【90】^高、 下に接ぎて讃じていへ。
†高接ギテ↠下ニ讃ジテ云ヘ。
^願はくは往生せん、 願はくは往生せん。
†願クハ往生セム、†願クハ往生セム。
^▼世尊法を説きたまふこと 時まさに了りなんとして 慇懃に弥陀の名を付属したまふ
世尊†説キタマフコト↠法ヲ 時†将ニテ↠了リナムト | †慇懃ニ付↢属†シタマフ弥陀ノ名ヲ↡ |
^▼*五濁増の時は疑謗多く ▼*道俗あひ嫌ひて聞くことを用ゐず
五濁増ノ時†ハ†多ク↢疑謗↡ | 道俗相嫌[ヒ]テ不↠用ヰ↠聞[ク]コトヲ |
^◆修行することあるを見ては瞋毒を起し *方便破壊して競ひて怨を生ず
見テハ↠有ルヲ↢修行スルコト↡起シ↢瞋毒ヲ↡ | 方便破壊シテ競ヒテ生ズ↠†怨ヲ |
^▼かくのごとき*生盲闡提の輩は 頓教を*毀滅して永く*沈淪す
如キ‡↠此[ク]ノ生盲闡提ノ輩ハ | 毀↢滅シテ頓教ヲ↡永ク沈淪ス |
^◆*大地微塵劫を超過すとも いまだ三塗の身を離るることを得べからず
超↢過†ストモ大地微塵劫ヲ↡ | 未ズ ダ↠可[カ]ラ↠得↠離[ル]ルコトヲ↢三塗ノ身ヲ↡ |
^▼大衆同心にみな あらゆる*破法罪の因縁を懴悔せよ
大衆同心ニ皆懴↢悔†セヨ | †所有ル破法‡罪ノ因縁ヲ↡ |
^▼衆等 心を回して浄土に生ぜんとして ▼手に香華を執りてつねに供養したてまつれ
衆等廻シテ↠心ヲ生ゼム[トシテ]↢浄土ニ↡ | 手ニ執[リ]テ↢香華ヲ↡常ニ供養[シ]タテマツ†レ |
^高、 下に接ぎて讃じていへ。 下、 高に接ぎて讃じていへ。
†高接ギテ↠下ニ讃ジテ云ヘ。 †下接ギテ↠高ニ讃ジテ云ヘ。
三 後行法分
ⅰ 懴悔
Ⅰ 懴文
a 標示
【91】^高座、 下座の声の尽くるを待ちて、 すなはち大衆のために総じて懴悔していへ。
高座待チテ↢下座ノ声ノ尽クルヲ↡、即チ為ニ↢大衆ノ↡総ジテ懴悔シテ云ヘ。
三 ⅰ Ⅰ b 正明
イ 挙所対尊境
^弟子道場の衆等、 そこばくの人、 おのおのに心を標して愧謝す。
弟子道場[ノ]衆等、†爾許多ノ人、各各ニ標シテ↠心ヲ†愧謝ス。
^諸仏、 冥空に0577幽顕したまへる得道の聖人、 三十三天等の一切の天神・地神、 虚空・山林・河海神等、 *天曹・*地府・*閻羅・*伺命・*五道・*太山・*三十六王・地獄典領・一切の霊祇等、 およびこの道場の尊経0629・舎利・*形像・霊儀等、 ただ願はくは大悲光威神をもつて、 今日道場の主某甲およびそこばくの人、 心を披き懴悔するを*加備し護念し摂受し証明したまへ。
諸仏、冥空ニ†幽顕シタマヘル得道ノ聖人、三十三天等ノ一切ノ天神・地神、虚空・山林・河海神等、天曹・地府・閻羅・伺命・五道・太山三十六王・地獄典領・一切霊祇等、及ビ此ノ道場ノ尊経・舎利・形像・霊儀等、唯願[ク]ハ大悲光‡威神ヲモテ、†加↢備シ護↣念シ摂↤受シ証↯明シタマヘ今日道0853場[ノ]主†某甲及ビ爾許多ノ人、披キ↠心ヲ懴悔スルヲ↡。
三 ⅰ Ⅰ b ロ 正懴十悪
(一)総明造時等
^弟子某甲等、 *無身有身・無識有識よりこのかた、 すなはち今日に至り今時に至るまで、 その中間において、 所作の身口意業の▼十悪の罪無量無辺なり。
弟子†某甲等、自↢従無身有身・無識有識↡已来タ、†乃チ至リ↢今日ニ↡至[ル]マデ↢†於今時ニ↡、於テ↢其ノ中間ニ↡、所作ノ身口意業ノ十悪之罪無量無辺ナリ。
三 ⅰ Ⅰ b ロ (二)別明
(Ⅰ)殺生
^あるいは身業をほしいままにして、 一切の地獄・畜生の衆生、 水・陸・虚空の*蠕動の類を殺害し*劫奪せること数を知るべからず。 あるいは一切の修羅・鬼神の衆生、 水・陸・虚空の蠕動の類を殺害し劫奪せること数を知るべからず。 あるいは一切の人天・三宝・師僧・父母・六親眷属・善知識・法界の衆生を殺害し劫奪せること数を知るべからず。
或[イ]ハ放↢縦ニシテ身業ヲ↡、殺↢害[シ]劫↣奪セルコト一切ノ地獄・畜生ノ衆生、水・陸・虚空[ノ]蝡動之類ヲ↡不↠可[カ]ラ↠知ル↠数ヲ。或[イ]ハ殺↢害[シ]劫↣奪セルコト一切ノ修羅・鬼神0854[ノ]衆生、水・陸・虚空[ノ]蠕動之類ヲ↡不↠可[カラ]↠知ル↠数ヲ。或[イ]ハ殺↢害[シ]劫↣奪セルコト一切ノ人天・三宝・師僧・父母・六親眷属・善知識・法界[ノ]衆生ヲ↡不↠可[カ]ラ↠知ル↠数ヲ。
^あるいは*故殺・誤殺・*戯笑殺・自殺・教他殺・*随喜殺・相続殺・無間殺・愛憎違順殺・放逸殺・貪味為財殺、 かくのごとき等の殺の罪無量無辺なり。 いま道場の凡聖に対して*発露懴悔す。 永く尽して余なからん。
或[イ]ハ†故殺・悞殺・戯笑殺・自殺・教他殺・随喜殺・相続殺・無間殺・愛憎違順殺・放逸殺・貪味為財殺、如†キ↠是[ク]ノ等ノ殺[ノ]罪無量無辺ナリ。今対シテ↢道場ノ凡聖ニ↡発露懴悔ス。永ク尽シテ無[カ]ラム↠余。
^懴悔しをはりて、 心を至して阿弥陀仏に帰命したてまつる。
懴悔[シ]已†リテ、至[シ]テ↠心ヲ帰↢命シタテマツ†ル阿弥陀仏ニ↡。
^0578下、 高に接ぎて和していへ。
†下接ギテ↠高ニ和シテ云ヘ。
^懴悔しをはりて、 心を至して阿弥陀仏に帰命したてまつる。
懴悔[シ]已†リテ、至シテ↠心ヲ帰↢命[シ]タテマツ†ル阿弥陀仏ニ↡。
三 ⅰ Ⅰ b ロ (二)(Ⅱ)偸盗
【92】^高、 下に接ぎて懴していへ。
†高接ギテ↠下ニ懴シテ云ヘ。
^弟子衆等、 次にまさに*偸盗の罪を懴悔すべし。
弟子衆等、次ニ当ニシ↣懴↢悔ス偸盗ノ†罪ヲ↡。
^あるいは身業をほしいままにして、 一切の地獄・畜生0630の衆生、 水・陸・虚空の蠕動の類を偸盗し劫奪せること数を知るべからず。 あるいは一切の修羅・鬼神の衆生、 水・陸・虚空の蠕動の類を偸盗し劫奪せること数を知るべからず。 あるいは一切の人天・三宝・師僧・父母・六親眷属・善知識・法界の衆生を偸盗し劫奪せること数を知るべからず。
或[イ]ハ放↢縦ニシテ身業ヲ↡、偸↢盗シ劫↣奪セルコト一切ノ地獄・畜生衆生、水・陸・虚空[ノ]蠕動之類ヲ↡不↠可[カ]ラ↠知ル↠数ヲ。或[イ]ハ偸↢盗[シ]劫↣奪セルコト一切ノ修羅・鬼神ノ衆生、水・陸・虚空ノ蠕動之類ヲ↡不↠可[カ]ラ↠知ル↠数ヲ。或[イ]ハ偸↢盗シ劫↣奪セルコト一切ノ人天・三宝・師僧・父母・六親眷属・善知識・法界[ノ]衆生ヲ↡不↠可[カラ]↠知[ル]↠数ヲ。
^あるいは故盗・誤盗・戯笑盗・自盗・*教他盗・随喜盗・*放逸盗・*無間盗・愛憎盗・違順盗・*貪味為財盗、 かくのごとき等の偸盗の罪無量無辺なり。 いま道場の凡聖に対して発露懴悔す。 永く尽して余なからん。
或[イ]ハ†故盗・悞盗・戯笑盗・自盗・教他盗・随喜盗・放逸盗・無間盗・愛憎盗・違順盗・貪味為財盗、如[キ]↠是[クノ]等ノ偸盗ノ罪無量無辺ナリ。今対シテ↢道場[ノ]凡聖ニ↡発露懴悔ス。永ク尽シテ無[カ]ラム↠余。
^懴悔しをはりて、 心を至して阿弥陀仏に帰命したてまつる。
懴悔[シ]已†リテ、至シテ↠心ヲ帰↢命[シ]タテマツ†ル阿弥陀仏ニ↡。
^下、 高に接ぎて和していへ。
†下接ギテ↠高ニ和シテ云ヘ。
^懴悔しをはりて、 心を至して阿弥陀仏に帰命したてまつる。
懴悔[シ]已†リテ、至シテ↠心ヲ帰↢命[シ]タテマツ†ル阿弥陀仏ニ↡。
三 ⅰ Ⅰ b ロ (二)(Ⅲ)邪淫
【93】^高、 下に接ぎて懴していへ。
†高接ギテ↠下ニ懴シテ云ヘ。
^0579弟子衆等、 次にまさに*邪婬顛倒の罪を懴悔すべし。
弟子衆等、次ニ当ニシ↣懴↢悔ス邪婬顛倒[ノ]罪ヲ↡。
^あるいは身業をほしいままにして邪婬を起し、 あるいは一切の畜生の衆生、 水・陸・虚空の蠕動の類を*逼掠せること数を知るべからず。 あるいは婬を起して一切の鬼神の衆生、 水・陸・虚空の蠕動の類を逼掠せること数を知るべからず。 あるいは婬心を起して一切の師僧・父母・六親眷属・善知識・法界の衆生を逼掠せること数を知るべからず。
或[イ]ハ放↢縦[ニ]シテ身業ヲ↡起シ‡↢†於邪婬ヲ↡、或[イ]ハ逼セム↢掠オビヤカスセルコト一切ノ畜生[ノ]衆生、水・陸・虚空[ノ]蠕動之類ヲ↡不↠可[カラ]↠知[ル]↠数ヲ。或[イ]ハ起シテ↠婬ヲ逼↢掠セルコト一切ノ鬼神ノ衆生、水・陸・虚空[ノ]蠕動之類ヲ↡不↠可[カラ]↠知[ル]↠数ヲ。或[イ]ハ起シテ↢婬心ヲ↡逼↢掠セルコト一切ノ師僧・父母・六親眷属・善知識・法界[ノ]衆生ヲ↡不↠可[カラ]↠知[ル]↠数ヲ。
^あるいは放逸作・故作・誤作・戯笑作・自作・教他作・随喜作・*無慚愧作・相続作・無間作・*邪貪悪0631貪作、 かくのごとき等の邪婬の罪無量無辺なり。 いま道場の凡聖に対して発露懴悔す。 永く尽して余なからん。
或[イ]ハ†放逸作・故作・悞作・戯笑作・自作・教他作・随喜作・無慚愧作・相続作・無間作・邪貪悪貪作、如†キ↠是[クノ]等ノ邪婬ノ罪無量無辺ナリ。今対シテ↢道場ノ凡聖ニ↡発露懴悔ス。永ク尽シテ無[カ]ラム↠余0855。
^懴悔しをはりて、 心を至して阿弥陀仏に帰命したてまつる。
懴悔[シ]已†リテ、至シテ↠心ヲ帰↢命[シ]タテマツ†ル阿弥陀仏ニ↡。
^下、 高に接ぎて和していへ。
†下接ギテ↠高ニ和シテ云ヘ。
^懴悔しをはりて、 心を至して阿弥陀仏に帰命したてまつる。
懴悔[シ]已†リテ、至シテ↠心ヲ帰↢命[シ]タテマツ†ル阿弥陀仏ニ↡。
三 ⅰ Ⅰ b ロ (二)(Ⅳ)妄語
【94】^高、 下に接ぎて懴していへ。
†高接ギテ↠下ニ懴シテ云ヘ。
^弟子衆等、 次にまさに口業*虚誑の罪を懴悔すべし。
弟子衆等、次ニ当ニシ↣懴↢悔ス口業‡虚誑[ノ]罪ヲ↡。
^あるいは口業をほしいままにして、 一切の地獄・畜生の衆生、 水・陸・虚空の蠕動の類0580を*欺誑せること数を知るべからず。 あるいは一切の修羅・鬼神の衆生、 水・陸・虚空の蠕動の類を欺誑せること数を知るべからず。 あるいは一切の人天・三宝・師僧・父母・六親眷属・善知識・法界の衆生を欺誑せること数を知るべからず。
或[イ]ハ放↢縦ニシテ口業ヲ↡、欺↢誑セルコト一切ノ地獄・畜生ノ衆生、水・陸・虚空ノ蠕動之類ヲ↡不↠可[カラ]↠知[ル]↠数ヲ。或[イ]ハ欺↢誑セルコト一切ノ修羅・鬼神ノ衆生、水・陸・虚空[ノ]蠕動之類ヲ↡不↠可[カラ]↠知[ル]↠数ヲ。或[イ]ハ欺↢誑セルコト一切ノ人天・三宝・師僧・父母・六親眷属・善知識・法界[ノ]衆生ヲ↡不↠可[カラ]↠知[ル]↠数ヲ。
^あるいは常作無間作・故作・誤作・戯笑作・自作・教他作・随喜作・邪貪悪貪作、 かくのごとき等の欺誑の罪無量無辺なり。 いま道場の凡聖に対して発露懴悔す。 永く尽して余なからん。
或[イハ]†常作・無間作・故作・悞作・戯笑作・自作・教他作・随喜作・邪貪悪貪作、如†キ↠是[クノ]等ノ欺誑ノ罪無量無辺ナリ。今対シテ↢道場ノ凡聖ニ↡発露懴悔ス。永ク尽シテ無[カ]ラム↠余。
^懴悔しをはりて、 心を至して阿弥陀仏に帰命したてまつる。
懴悔[シ]已†リテ、至シテ↠心ヲ帰↢命[シ]タテマツ†ル阿弥陀仏ニ↡。
^下、 高に接ぎて和していへ。
†下接ギテ↠高ニ和シテ云ヘ。
^懴悔しをはりて、 心を至して阿弥陀仏に帰命したてまつる。
懴悔シ已†リテ、至シテ↠心ヲ帰↢命[シ]タテマツ†ル阿弥陀仏ニ↡。
三 ⅰ Ⅰ b ロ (二)(Ⅴ)綺語
【95】^0632高、 下に接ぎて懴していへ。
†高接ギテ↠下ニ懴シテ云ヘ。
^弟子衆等、 次にまさに*調戯の罪を懴悔すべし。
弟0856子衆等、次ニ当ニシ↣懴↢悔ス調戯之[ノ]罪ヲ↡。
^あるいは口業をほしいままにして、 一切の地獄・畜生の衆生、 水・陸・虚空の蠕動の類を調戯軽弄せること数を知るべからず。 あるいは一切の修羅・鬼神の衆生、 水・陸・虚空の蠕動の類を*調弄せること数を知るべからず。 あるいは一切の人天・三宝・師僧・父母・六親眷属・善知識・法界の衆生を調弄せること数を知るべからず。
或[イ]ハ放↢縦ニシテ口業ヲ↡調↢戯軽↣弄セルコト一切ノ地獄・畜生ノ衆生、水・陸・虚空[ノ]蠕動之類ヲ↡不↠可[カラ]↠知[ル]↠数ヲ。或[イ]ハ調↢弄セルコト一切ノ修羅・鬼神[ノ]衆生、水・陸・虚空[ノ]蝡動之類↡不↠可[カラ]↠知[ル]↠数ヲ。或[イ]ハ調↢弄セルコト一切ノ人天・三宝・師僧・父母・六親眷属・善知識・法界[ノ]衆生ヲ↡不↠可[カラ]↠知[ル]↠数ヲ。
^あるいは常作・無間作・故作・誤作・戯笑作・自作・教他作・随喜作、 かくのごとき等0581の調弄の罪無量無辺なり。 いま道場の凡聖に対して発露懴悔す。 永く尽して余なからん。
或[イ]ハ†常作・無間作・故作・悞作・戯笑作・自作・教他作・随喜作、如†キ↠是[クノ]等ノ調弄†之ノ罪無量無辺ナリ。今対シテ↢道場ノ凡聖ニ↡発露懴悔ス。永ク尽シテ無[カ]ラム↠余。
^懴悔しをはりて、 心を至して阿弥陀仏に帰命したてまつる。
懴悔[シ]已†リテ、至シテ↠心ヲ帰↢命[シ]タテマツ†ル阿弥陀仏ニ↡。
^下、 高に接ぎて和していへ。
†下接ギテ↠高ニ和シテ云ヘ。
^懴悔しをはりて、 心を至して阿弥陀仏に帰命したてまつる。
懴悔[シ]已†リテ、至シテ↠心ヲ帰↢命[シ]タテマツ†ル阿弥陀仏ニ↡。
三 ⅰ Ⅰ b ロ (二)(Ⅵ)悪口
【96】^高、 下に接ぎて懴していへ。
†高接ギテ↠下ニ懴シテ云ヘ。
^弟子衆等、 次にまさに*悪口の罪を懴悔すべし。
弟子衆等、次ニ当ニシ↣懴↢悔ス悪口[ノ]罪ヲ↡。
^あるいは口業をほしいままにして、 一切の地獄・畜生の衆生、 水・陸・虚空の蠕動の類を*罵辱し誹謗し*毀呰せること数を知るべからず。 あるいは一切の修羅・鬼神の衆生、 水・陸・虚空の蠕動の類を罵辱し誹謗し毀呰せること数を知るべからず。 あるいは一切の人天・三宝・師僧・父母・六親眷属・善知識・法界の衆生を罵辱し誹謗し毀呰せること数0633を知るべからず。
或[イ]ハ放↢縦ニシテ口業ヲ↡、罵↢辱[シ]誹↣謗[シ]毀↤呰セルコト一切ノ地獄・畜生[ノ]衆生、水・陸・虚空ノ蝡動之類ヲ↡不↠可[カラ]↠知[ル]↠数ヲ。或[イ]ハ罵↢辱[シ]誹↣謗[シ]毀↤呰セルコト一切ノ修羅・鬼神[ノ]衆生、水・陸・虚空蝡動之類ヲ↡不↠可[カラ]↠知[ル]↠数ヲ。或[イ]ハ罵↢辱[シ]誹↣謗[シ]毀↤呰セルコト一切ノ人天・三宝・師僧・父母・六親眷属・善知識・法界[ノ]衆生ヲ↡不↠可[カラ]↠知[ル]↠数ヲ。
^あるいは常作・無間作・故作・誤作・戯笑作・自作・教他作・随喜作・邪貪悪貪作、 かくのごとき等の悪口の罪無量無辺なり。 いま道場の凡聖に対して発露懴悔す。 永く尽して余なからん。
或[イ]ハ†常作・無間作・故作・悞作・戯笑作・自作・教他作・随喜作・邪貪悪貪0857作、如†キ↠是[クノ]等ノ悪口[ノ]罪無量無辺ナリ。今対シテ↢道場ノ凡聖ニ↡発露懴悔ス。永ク尽シテ無[カ]ラム↠余。
^懴悔しをはりて、 心を至して阿弥陀仏に帰命したてまつる。
懴悔[シ]已†リテ、至シテ↠心ヲ帰↢命[シ]タテマツ†ル阿弥陀仏ニ↡。
^下、 高に接ぎて和していへ。
†下接ギテ↠高ニ和シテ云ヘ。
^0582懴悔しをはりて、 心を至して阿弥陀仏に帰命したてまつる。
懴悔[シ]已†リテ、至シテ↠心ヲ帰↢命[シ]タテマツ†ル阿弥陀仏ニ↡。
三 ⅰ Ⅰ b ロ (二)(Ⅶ)両舌
【97】^高、 下に接ぎて懴していへ。
†高接ギテ↠下ニ懴シテ云ヘ。
^弟子衆等、 次にまさに*両舌の罪を懴悔すべし。
弟子衆等、次ニ当ニシ↣懴↢悔ス両舌[ノ]罪ヲ↡。
^あるいは口業をほしいままにして、 両舌をもつて一切の畜生の衆生、 水・陸・虚空の蠕動の類を闘乱破壊せること数を知るべからず。 あるいは一切の修羅・鬼神の衆生、 水・陸・虚空の蠕動の類を闘乱破壊せること数を知るべからず。 あるいは一切の人天・三宝・師僧・父母・六親眷属・善知識・法界の衆生を闘乱破壊せること数を知るべからず。
或[イ]ハ放↢縦ニシテ口業ヲ↡、両舌ヲモテ闘↢乱破↣壊セルコト一切ノ畜生[ノ]衆生、水・陸・虚空[ノ]蝡動之類ヲ↡不↠可[カラ]↠知[ル]↠数ヲ。或[イハ]闘↢乱破↣壊[セ]ルコト一切[ノ]修羅・鬼神[ノ]衆生、水・陸・虚空[ノ]蝡動之類ヲ↡不↠可[カラ]↠知[ル]↠数ヲ。或[イ]ハ闘↢乱破↣壊セルコト一切ノ人天・三宝・師僧・父母・六親眷属・善知識・法界[ノ]衆生ヲ、不↠可[カラ]↠知[ル]↠数ヲ。
^あるいは常作・無間作・故作・誤作・戯笑作・自作・教他作・随喜作・邪貪悪貪作、 かくのごとき等の両舌の罪無量無辺なり。 いま道場の凡聖に対して発露懴悔す。 永く尽して余なからん。
或[イ]ハ†常作・無間作・故作・悞作・戯笑作・自作・教他作・随喜作・邪貪悪貪作、如†キ↠是[クノ]等ノ両舌[ノ]罪無量無辺ナリ。今対シテ↢道場ノ凡聖ニ↡発露懴悔ス。永ク尽シテ無[カ]ラム↠余。
^懴悔しをはりて、 心を至して阿弥陀仏に帰命したてまつる。
懴悔[シ]已†リテ、至シテ↠心ヲ帰↢命[シ]タテマツ†ル阿弥陀仏ニ↡。
^下、 高に接ぎて和していへ。
†下接ギテ↠高ニ和シテ云ヘ。
^懴0634悔しをはりて、心を至して阿弥陀仏に帰命したてまつる。
懴悔[シ]已†リテ、至シテ↠心ヲ帰↢命[シ]タテマツ†ル阿弥陀仏ニ↡。
三 ⅰ Ⅰ b ロ (二)(Ⅷ)後三業道
【98】^高、 下に接ぎて懴していへ。
0858†高接ギテ↠下ニ懴シテ云ヘ。
^弟子衆等、 次にまさに意業の罪を懴悔すべし。
弟子衆等、次ニ当ニシ↣懴↢悔ス意業[ノ]罪ヲ↡。
^あるいは邪貪・悪貪を起し身口0583意業を動ぜること数を知るべからず。 あるいは邪瞋を起し身口意業を動ぜること数を知るべからず。 あるいは邪痴顛倒・悪見顛倒を起し身口意業を動ぜること数を知るべからず。 あるいは意業によりて身業の十悪の罪を造作して、 凡聖、 六道の衆生、 親疎人畜等の衆生を簡ばざること数を知るべからず。
或[イ]ハ起シ‡↢邪貪・悪貪ヲ↡†動ゼルコト↢身口意業ヲ↡不↠可[カラ]↠知[ル]↠数ヲ。或[イ]ハ起シ‡↢邪瞋ヲ↡†動ゼルコト↢身口意業ヲ↡不↠可[カラ]↠知[ル]↠数ヲ。或[イ]ハ起シ‡↢邪痴顛倒・悪見顛倒ヲ↡†動ゼルコト↢身口意業ヲ↡不↠可[カラ]↠知[ル]↠数ヲ。或[イ]ハ因[リ]テ↢意業ニ↡造↢作シテ身業[ノ]十悪之罪ヲ↡、不[ル]コト↠簡バ↢凡聖六道ノ衆生、親疎‡人畜等ノ衆生ヲ↡不↠可[カラ]↠知[ル]↠数ヲ。
^あるいは故作・誤作・常作・無間作・自作・教他作・随喜作、 かくのごとき等の意業の罪無量無辺なり。 いま道場の凡聖に対して発露懴悔す。 永く尽して余なからん。
或[イ]ハ†故作・悞作・常作・無間作・自作・教他作・随喜作、如†キ↠是[クノ]等ノ意業[ノ]罪無量無辺ナリ。今対シテ↢道場[ノ]凡聖ニ↡発露懴悔ス。永ク尽シテ無[カ]ラム↠余。
^総じて十悪の罪を懴しをはりて、 心を至して阿弥陀仏に帰命したてまつる。
総ジテ懴シ↢十悪[ノ]罪ヲ↡竟†リテ、至シテ↠心ヲ帰↢命シタテマツ†ル阿弥陀仏ニ↡。
^下、 高に接ぎて和していへ。
†下接ギテ↠高ニ和シテ云ヘ。
^懴悔しをはりて、 心を至して阿弥陀仏に帰命したてまつる。
懴悔シ已†リテ、至シテ↠心ヲ帰↢命[シ]タテマツ†ル阿弥陀仏ニ↡。
三 ⅰ Ⅰ c 結示
^この十悪はすなはち一切の悪を摂し尽す。 いま十悪の罪を懴悔すれば、 すなはち一切の罪を懴し尽すなり、 知るべし。
此ノ十悪ハ即チ摂シ‡↢一切ノ悪ヲ↡尽ス。今懴↢悔†スレバ十悪[ノ]罪ヲ↡者、即チ懴シ‡↢一切ノ罪ヲ↡尽スナリ、応シ↠知ル。
三 ⅰ Ⅱ 後懴
a 明如来偏勧教旨
【99】^下、 高に接ぎて讃じていへ。
†下接ギテ↠高ニ讃ジテ云ヘ。
^願はくは往生せん、 願はくは往生せん。
▲†願クハ往生セム、†願クハ往生セム。
^▲三界は安きことなし 火宅のごとし 六道*周慞たり 競ひて門を出でよ
三界ハ無シ↠安[キ]コト 如シ↢火宅ノ↡ | †六道周慞タリ 競[ヒ]テ出デ†ヨ↠門ヲ |
^門々不同にして*八万四なり おのおのみな心眼の前に当れり
門門不同ニシテ八万四ナリ | 各各‡皆当レリ↢心眼ノ前ニ↡ |
^*棄々して出でんと欲すれどもまた回り去く この無明のた0584めに誤りて人を殺し
棄棄‡シテ欲スレ†ドモ↠出デムト†還タ廻リ去ク | 為ニ↢箇ノ無明ノ↡悞[リ]テ殺†シ↠人ヲ |
^財を貪り色0635を愛でて*厭足することなし *虚華幻惑詐りてあひ親しむ
†貪リ↠財ヲ†愛デテ↠色ヲ無シ↢厭足スルコト↡ | 虚華幻惑‡詐[リ]テ相親ム |
^財尽き色落ちぬればあひ嫌ひて恨む 須臾に義断えて屠怨のごとし
†財尽キ†色落チヌレバ相嫌ヒテ恨ム | 須臾ニ義断エテ若シ↢屠ホフル怨0859ノ↡ |
^屠怨 娑婆のうちに遍満す *有識含情みなまたしかなり
屠怨遍↢満ス娑婆ノ内ニ↡ | 有識含情皆亦然ナリ |
^これがために如来 (釈尊) ひとへに指授して 勧めてもつぱら浄土の因を修せしむ
為ニ↠†此ガ如来偏ニ指授シテ | 勧メテ使ム↣専ラ修セ↢浄土ノ因ヲ↡ |
^浄土の因 成じぬれば自然に到る 終る時に合掌して香煙をたてまつる
浄土ノ因成ジヌレバ自然ニ到ル | 終ル時ニ合掌シテ奉ル↢香煙ヲケムリ↡ |
^香煙ただちに弥陀仏に注ぐ 聖衆華を持してわが身を迎ふ
香煙直ニ注グ↢弥陀仏ニ↡ | 聖衆持[シ]テ↠華ヲ迎フ↢我[ガ]身ヲ↡ |
^すなはち華台に坐するに紫金色なり かの*無漏に到りぬれば 真にしてまた真なり
即[チ]坐†スルニ↢華台ニ↡紫金色ナリ | †到リヌレバ↢彼ノ無漏ニ↡ 真ニシテ復真ナリ |
^衆等 悲流してみな往かんと願じて 手に香華を執りてつねに供養したてまつれ
衆等†悲流シテ皆願†ジテ↠往[カム]†ト | 手ニ執[リ]テ↢香華ヲ↡常ニ供養[シタテマツ]†レ |
^高、 下に接ぎて讃じていへ。
†高接ギテ↠下ニ讃ジテ云ヘ。
三 ⅰ Ⅱ b 明曠劫希聞慶心
【100】^下、 高に接ぎて讃じていへ。
†下接ギテ↠高ニ讃ジテ云ヘ。
^願はくは往生せん、 願はくは往生せん。
†願クハ往生セム、†願クハ往生セム。
^▼*劫尽きんと欲する時五濁盛りなり 衆生邪見にしてはなはだ信じがたし
劫欲スル↠尽[キ]†ムト時‡五濁盛ナリ | 衆生邪見ニシテ甚ダ難シ↠信ジ |
^もつぱらにしてもつぱらなれと指授して*西路に帰せしむれども 他のために破壊せられてまた故のごとし
†専ニシテ専ナレト指授シテ帰†セシムレドモ↢西路ニ↡ | 為ニ↠他ノ破壊セラレテ†還タ如シ↠故ノ |
^*曠劫よりこのかたつねにかくのごとし これ今生にはじめてみづから悟るにあらず
曠劫ヨリ已来タ常ニ如シ↠此[ク]ノ | 非ズ↢是今生ニ始テ自[ラ]悟ルニ↡ |
^▼まさしく*好き強縁に遇はざるによりて 輪廻して得度しがたからしむることを致す
正[シ]ク由[リ]テ↠不ルニ↠遇ハ↢好キ強縁ニ↡ | 致ス↠使ムルコトヲ↣輪廻ヲシテ難カラ↢得度シ↡ |
^0585今日今時要法を聞き 畢命を期となして 誓ひて堅固なれ
今日今時聞[キ]↢要法ヲ↡ | 畢命ヲ為シテ↠期ト誓[ヒ]テ堅固ナレ |
^堅固に心を持ちて身を惜しまずして 釈迦・諸仏の恩を慚愧すべし
堅固ニ持[チ]テ↠心ヲ不シテ↠惜マ↠身ヲ | 慚↢愧スベシ釈迦諸仏ノ恩ヲ↡ |
^心を標してために西方の楽を説きて 斉しく帰して正門に入らしめんと欲す
標シテ↠心ヲ為ニ説[キ]テ↢西方ノ楽ヲ↡ | 欲ス↠使メムト↣斉シク帰シテ入†ラ↢正門ニ↡ |
^▼正門はすなはちこれ弥陀界なり *究竟解脱して*根源を断ず
正門‡ハ即チ是弥陀界ナリ | 究竟‡解脱シテ断ズ↢根源ヲ↡ |
^▲去来 *他郷には停まるべからず
去来 | 他郷ニハ不↠可[カ]ラ↠停ル |
^仏の▼帰家に従ひて本国に還り 一切の行願自然に成ず
従[ヒ]テ↢仏ノ帰家ニ↡還[リ]†ヌレバ↢本国ニ↡ | 一切ノ行願自然ニ成†ズ |
^衆等おのおの浄土に生ぜんとして 手に香華を執りてつねに供養したてまつれ
衆等各各‡生ゼ†ムトシテ↢浄土ニ↡ | 手ニ執[リ]テ↢香華ヲ↡常ニ供養[シ]タテマツ†レ |
三 ⅰ Ⅱ c 結勧慚謝廻願
【101】^高、 下に接ぎて讃じていへ。
†高接ギテ↠下ニ讃ジテ云ヘ。
^0636願はくは往生せん、 願はくは往生せん。
†願クハ往生セム、†願クハ往生セム。
^大衆人々みな合掌して ▼身を砕きて釈迦の恩を慚謝せよ
大衆人人皆合掌シテ | 砕キテ↠身ヲ慚↢謝†セヨ釈迦ノ恩ヲ↡ |
^よく*慈悲巧方便を得て 西方快楽の門を指授したまふ
能ク得テ↢慈悲巧方0860便ヲ↡ | 指↢授†シタマフ西方‡快楽ノ門ヲ↡ |
^道場散ぜんと欲して人まさに別れんとす ゆめあひ勧めて貪瞋を断ぜよ
道場欲シテ↠散ゼムト人将ス ニ↠別レ†ムト | 努力相勧†メテ断ゼヨ↢貪瞋ヲ↡ |
^貪瞋の因縁*聖土を障ふ みづから悟ることを得ずして永く沈淪す
貪瞋ノ因縁障フ↢聖土ヲ↡ | 不シテ↠得↢自[ラ]悟ルコトヲ↡永ク沈淪ス |
^*同行あひ親しみてあひ*策励し 畢命を期となして仏前に到らん
同行相親ミ[テ]相策励シ‡ | 畢命ヲ為シテ↠期ト到ラム↢仏前ニ↡ |
^願はくはこの*法輪相続して転じ 道場の*施主ますます長年ならん
願クハ此ノ法輪相続シテ転ジ | 道場ノ施主益長年ナラム |
^大衆ことごとく同じく安楽を受け 見聞随喜もまたみなしかならん
大衆咸ク同[ジ]ク受ケ↢安楽ヲ↡ | 見聞随喜[モ]亦皆然[ナ]ラム |
^あまねく願はくは心を回して浄土に生ぜんとして 手に香華を執りてつねに供養したてまつらん
普ク願[ク]ハ廻シテ↠心ヲ生ゼ†ムトシテ↢浄土ニ↡ | 手ニ執[リ]テ↢香華ヲ↡常ニ供養[シタテマツ]†レ |
^0586下、 高に接ぎて讃じていへ。 高、 下に接ぎて讃じていへ。
†下接ギテ↠高ニ讃ジテ云ヘ。 †高接ギテ↠下ニ讃ジテ云ヘ。
三 ⅱ 行道
Ⅰ 先示作法
【102】^また経を誦し讃を唱ふることをはりて、 高座すなはち一人をして行香せしめ、 大衆と*行華せよ。 次にまさに*讃人等*行道の処に向かひて立すべし。 また小者をして礼供養および如法行道を唱へしめよ。 唱へをはりてその散華の法、 もつてもつぱら上のごとくせよ。 あるいは*三帀しあるいは*七帀しをはりて、 すなはち仏前に当りて立ちて次に後讃を唱へよ。
又誦シ↠経ヲ唱フルコト↠讃ヲ已[リ]テ、高座‡即チ†令メ↢一人ヲシテ行香セ↡、与↢大衆↡行華セヨ。次ニ当ニシ↧讃人等向[ヒ]テ↢行道ノ処ニ↡立ス↥。又†令メヨ↣小者ヲシテ唱ヘ↢礼供養及[ビ]如法行道ヲ↡。唱ヘ已[リ]テ其ノ散華ノ†法、用テ一ラ如ク‡セヨ↠上ノ。或[イ]ハ三帀[シ]或[イ]ハ七帀シ竟[リ]テ、即チ当[リ]テ↢仏前ニ↡†立チテ次ニ唱ヘヨ↢後讃ヲ↡。
三 ⅱ Ⅱ 行道懴悔讃
【103】^高座唱讃し、 下座和していへ。
高座唱讃[シ]、 下座和[シテ]云[ヘ]。
^*般舟三昧楽 願往生
大衆人々みな合掌せよ 無量楽
^般舟三昧楽 願往生
*道場の聖衆*帰還せんと欲す 無量楽
^衆等心を傷めともに傷歎して 願往生
ただ釈迦の恩を慚謝することを知れ 無量楽
^般舟三昧楽 願往生
▼悲喜交流して深くみづから慶ぶ 無量楽
^0587▼釈0637迦仏の開悟によらずは 願往生
弥陀の*名願いづれの時にか聞かん 無量楽
^般舟三昧楽 願往生
仏 (釈尊) の慈恩を荷ひて実に報じがたし 無量楽
^▼四十八願慇懃に喚ばふ 願往生
仏 (阿弥陀仏) の願力に乗じて西方に往かん 無量楽
^般舟三昧楽 願往生
娑婆永く別れなばさらになにをか憂へん 無量楽
^▼罪と福と時との多少を問ふことなく 願往生
▼心々に念仏して疑を生ずることなかれ 無量楽
^般舟三昧楽 願往生
▼六方の如来*不虚を証したまふ 無量楽
^三業専心にして雑乱なければ 願往生
百宝の蓮華時に応じて見る 無量楽
^般舟三昧楽 願往生
0588臨終に*聖衆みづから来迎したまふ 無量楽
^行者仏を見たてまつりて心歓喜す 願往生
弥陀手を接りて華台に坐せしむ 無量楽
^般舟三昧楽 願往生
坐しをはれば身同じく紫金色なり 無量楽
^仏に従ひて須臾に宝国に至り 願往生
▼ただちに*弥陀大会のなかに入る 無量楽
^般舟三昧楽 願往生
仏の荘厳の無数億なるを見る 無量楽
^*三明六通みな具足して 願往生
わが*閻浮の同行人を憶ふ 無量楽
^般舟三昧楽 願往生
▼同行あひ親しみて願はくは退することなかれ 無量楽
^0638七周行道し散華しをはりて 願往生
冥空の諸仏会を供養したてまつる 無量楽
^0589般舟三昧楽 願往生
大会*頂礼して弥陀に別れたてまつる 無量楽
三 ⅱ Ⅲ 行道竟立讃
【104】 ^行道散華七周しをはりて、 次に仏前に向かひて立ちて讃を唱へていへ。
行道散華七周[シ]竟[リ]テ、次ニ向[ヒ]テ↢仏前ニ↡†立チテ唱[ヘ]テ↠讃ヲ云ヘ。
^弥陀ともろもろの聖衆とに慚愧す 願往生
われと施主と衆生との請を受けたまへ 無量楽
受†ケタマヘ↢我[ト]施主[ト]衆生[ト]ノ請ヲ↡ | 無量楽 |
^般舟三昧楽 願往生
慈悲平等にして衆生を度し 無量楽
^功徳を証明し罪障を除きたまへ 願往生
*存亡の利益思議しがたし 無量楽
^般舟三昧楽 願往生
*形枯命断に仏前を期す 無量楽
^供養荘厳如法ならざれども 願往生
衆生に歓喜の心を布施したまへ 無量楽
^般舟三昧楽 願往生
0590見聞するもの涙を流して同じく懴悔せよ 無量楽
見聞[スルモノ]流シテ↠涙ヲ同[ジ]ク懴悔セヨ | 無量楽 |
^散華行道訖りぬ 願往生
諸仏縁に随ひて本国に還りたまふ 無量楽
*諸仏随[ヒ]テ↠縁ニ還[リ]タマ†フ↢本国ニ↡ | 無量楽 |
^般舟三昧楽 願往生
あまねく香華を散じて心に仏を送りたてまつる 無量楽
普ク†散ジテ↢香華ヲ↡心ニ送リタテマツル↠仏ヲ | 無量楽 |
^般舟三昧楽 願往生
願はくは仏の慈心はるかに護念したまへ 無量楽
^般舟三昧楽 願往生
同生あひ勧むことごとくすべからく来るべし 無量楽
三 ⅲ 嘆仏呪願
Ⅰ 先示作法
【105】 ^次に*磬子を打ちて、 「*敬礼常住三宝」 を唱へよ。
次ニ打[チ]テ↢磬子ヲ↡、唱ヘヨ↢敬礼常住三宝ヲ↡。
^0639次に歎仏の呪願を唱へよ。
次ニ唱[ヘ]ヨ↢歎仏[ノ]呪願ヲ↡。
^歎仏しをはりて、 すなはち法によりて七礼敬を唱へ、 随意を唱へよ。
0863歎仏[シ]竟[リ]テ、即[チ]依[リ]テ↠法ニ唱[ヘ]‡↢七礼敬ヲ↡、唱ヘヨ↢随意ヲ↡。
三 ⅲ Ⅱ 正明
a 嘆仏
イ 総嘆
【106】^ひそかにおもんみれば、 ▼弥陀の妙果を号して無上涅槃といふ。
▲窃ニ以レバ、弥陀ノ妙果ヲ号シテトナエテ曰フ↢無上涅槃ト↡。
三 ⅲ Ⅱ a ロ 別顕
(一)国土荘厳
^国土はすなはち広大にして荘厳遍満す。 自然の衆宝なり。
国土ハ則チ広大ニシテ荘厳遍満ス。自然ノ衆宝ナリ。
三 ⅲ Ⅱ a ロ (二)三尊儀相
^*観音大士左に侍して*霊儀し、 *勢至慈尊すなはち右辺に供養す。 *三華独りはるかにして*宝縵躯に臨む。 珠は0591内に光を輝かし、 *天の声は外に繞れり。
観音大士†左ニ侍シテ霊儀シ、勢至慈尊則[チ]右辺ニ供養ス。三華独リ迥ニシテ宝*縵臨†ム↠躯ニ。珠ハ内ニ輝カシ↠光ヲ、天ノ声ハ外ニ繞レリ。
三 ⅲ Ⅱ a ロ (三)広大会相
^声聞・菩薩数塵沙に越え、 化鳥・天同じく*会に遍せざるはなし。 *他方の聖衆起りて雲の奔るがごとく、 *凡惑同じく生ずること盛りなる雨に*過踰せり。 十方より来るものみな仏辺に到りて、 鼓楽いよいよ歌ひ、 香華をもつて繞り讃ず。 供養あまねく訖りて、 処に随ひて遍歴親承す。
声聞・菩薩数越[エ]‡↢塵沙ニ↡†、†化鳥・天同[ジ]ク無シ↠†不ルハ↠遍セ↠会ニ。他方ノ聖衆起[リ]テ若†ク↢雲ノ奔ルガ↡、凡惑同ジク生†ズルコト過↢踰セリ盛ナル雨ニ↡。†十方ヨリ来ル者皆到[リ]テ↢仏辺ニ↡、鼓楽弥歌ヒ、香華[ヲモテ]†繞リ讃ズ。供養周ク訖[リ]テ、随[ヒ]テ↠処ニ†遍歴親承ス。
^あるいは百宝の*池渠の会に入り、 あるいは宝楼・宮殿の会に入り、 あるいは宝林・宝樹の会に入り、 あるいは虚空の会に上り、 あるいは大衆*無生法食の会に入る。 かくのごとき清浄荘厳大会の聖衆等、 同じく行じ、 同じく坐し、 同じく去り、 同じく来る。 一切の時中に証悟せざるはなし。
或[イ]ハ入リ↢百宝[ノ]池渠[ノ]会ニ↡、或[イ]ハ入リ↢宝楼・宮殿[ノ]会ニ↡、或[イ]ハ入リ↢宝林・宝樹[ノ]会ニ↡、或[イ]ハ上リ↢虚空[ノ]会ニ↡、或[イ]ハ入ル↢大衆無生法食[ノ]会ニ↡。如†キ↠是[ク]ノ清浄荘厳大会ノ聖衆等、同[ジ]ク行ジ、同[ジ]ク坐シ、同[ジ]ク去リ、同[ジ]ク来ル。一切ノ時中ニ無シ↠†不ルハ↢証悟セ↡。
三 ⅲ Ⅱ a ハ 結嘆
^西方極楽の種々の荘厳歎ずとも、 よく尽すことなし。
西方極楽ノ種種ノ荘厳歎†ズトモ、莫†シ↢能ク尽スコト↡。
三 ⅲ Ⅱ b 呪願
イ 明立道場由
(一)深念輪廻苦故
【107】^しかるにいま清信の弟子某甲等、 そこばくの人、 身はかりに四大を合してともに成ぜりと知り、 命は浮危なること、 たとへば厳霜の日に対へるに似たりと識る。 ▼十方の六道同じくこれ輪廻して*無際なり。 *循々として*愛波に沈みて苦海に沈む。
然[ル]ニ今清信ノ弟子†某甲等、爾許多ノ人、知リ↧身ハ仮ニ合†シテ↢四大ヲ↡共ニ成ゼリト↥、識ル‡↣命ハ浮危[ナ]ルコト、譬ヘバ似タリト↢厳霜ノ対ヘルニ↟日ニ。十方六道同[ジ]ク此輪廻†シテ無際ナリ。循循トシテ沈[ミ]テ↢愛波ニ↡†而沈ム↢苦海ニ↡。
三 ⅲ Ⅱ b イ (二)慶已得三事故
^◆仏道人身▼得がたくしていますでに得たり。 浄土聞きがたくしていますでに聞けり。 信心発しがたくして、 いますでに発せり。
仏道‡人身難†クシテ↠得、今已ニ得タリ。浄土難†クシテ↠聞キ、今已ニ聞†ケリ。信心難†クシテ↠発シ、今已ニ発†セリ。
三 ⅲ Ⅱ b イ (三)畏無上迅速故
^仰ぎておもんみれば、 今時の同生知識等、 そこばくの人、 おそらくは命は*石火に同じ、 久しく0592照らすこと期しがたし。 *識性は無常なり、 逝くこと風燭に踰えたり。
仰ギ[テ]惟レバ、†今時ノ同生‡知識等、爾許多ノ人、恐畏クハ命[ハ]同ジ↢石火ニ↡†、久[シ]ク照スコト難シ↠期シ。識性[ハ]無常ナリ†、逝クコトサルコト踰エタリ↢風燭ニ↡。
三 ⅲ Ⅱ b イ (四)修誦経念仏故
^ゆゑ0640に人々同じく願じてともに往生の業を結ぶ。 おのおの『弥陀経』を誦することそこばく万遍、 弥陀の名を念ずることそこばく万遍、
故ニ人人同ジク願ジテ共ニ結ブ↢往生之業ヲ↡。各[ノ]誦スルコト↢¬弥陀経ヲ¼↡爾許‡万*遍、念ズルコト↢弥陀ノ名ヲ↡爾許万*遍、
三 ⅲ Ⅱ b イ (五)所造福業周備故
^また某の功徳等を造りてあまねくみな周備す。
又0864造リテ↢†某ノ功徳等ヲ↡普ク皆周備ス。
三 ⅲ Ⅱ b ロ 明修其事儀
^ゆゑに某の月日に*院宇を荘厳し、 道場を*瑩飾し、 僧尼を*奉請して、 *宿宵行道す。 また*廚皇の百味・種々の甘香をもつて仏および僧徒にたてまつりて、 同心に慶喜す。
故ニ於テ↢†某ノ月日ニ↡荘↢厳シ院宇ヲ↡、瑩↢飾シ‡道場ヲ↡、奉↢請シテ僧尼ヲ↡、宿宵ヨモスガラ行道ス。又以テ↢廚皇ノ百味・種種ノ甘香ヲ↡奉リテ↢仏及以僧徒ニ↡、同心ニ慶喜ス。
三 ⅲ Ⅱ b ハ 正明呪願
(一)願施主同行獲益
(Ⅰ)挙所修善
^また願はくは持戒・誦経・念仏・行道し、 およびもろもろの功徳等を造らん。
又願[ク]ハ持戒・誦経・念仏・行道シ、及ビ造ラム↢諸ノ功徳等ヲ↡。
三 ⅲ Ⅱ b ハ (一)(Ⅱ)挙所為人
^当今の施主および同行の諸人、 法界の衆生、
当今ノ施主及ビ同行ノ諸人、法界[ノ]衆生、
三 ⅲ Ⅱ b ハ (一)(Ⅲ)正願獲得
^いまより以去、 天神影衛して万善扶持し、 福命休強にしてもろもろの憂悩を離れ、 ▼六方の諸仏信心を護念し、 浄土の弥陀慈心をもつて摂受したまへ。
従リ↠今已去、天神影衛シテ万善扶持シ、福命休強ニシテ離レ‡↢諸ノ憂悩ヲ↡、六方[ノ]諸仏護↢念シ信心ヲ↡、浄土ノ弥陀慈心[ヲモテ]摂受シタマヘ。
^また願はくは観音聖衆*駱駅として往来して、 念々に遺るることなくはるかに加しあまねく備へて、 春秋冬夏*四大つねに安く、 罪滅し福成じて、 *回して浄土に生ぜん。
又願[ク]ハ観音・聖衆駱駅[トシテ]往来シテ、念念ニ無ク↠遺ルルコト遥ニ加シ普ク備ヘテ、春秋冬夏四大常ニ安ク、†罪滅シ福成ジテ、廻シテ生ゼム↢浄土ニ↡。
^また願はくは臨終に病なく正念堅強にして、 聖衆来迎したまひ、 華台あまねく集まり、 弥陀光照し、 菩薩身を扶け、 化仏心を斉しくして、 同声に等しく讃じ、 台に乗じて一念すなはち西方に至り、 仏の尊顔を見たてまつりて無生忍を悟らん。
又願[ク]ハ臨終ニ†無ク↠病正念堅強†ニシテ、聖衆来迎シ†タマヒ、華台普ク†集リ、弥陀†光照シ、菩薩扶ケ↠身ヲ、化仏斉シクシテ↠心ヲ同声ニ等[シ]ク讃†ジ、†乗ジテ↠台ニ一念‡即チ至[リ]‡↢西方ニ↡、見[タテマツリ]テ↢仏ノ尊顔ヲ↡悟ラム↢無生忍ヲ↡。
三 ⅲ Ⅱ b ハ (一)(Ⅳ)結願
^仰ぎ願はくは往生の同行人等、 かくのごとき善を得ん。
仰ギ願[ク]ハ往生ノ同行人等、得ム↢如†キ↠此[ク]ノ善ヲ↡。
三 ⅲ Ⅱ b ハ (二)願皇家万福
^また願はく0593はこの功徳、
*大唐の皇帝を*資益したてまつり、 福基永く固く、 *聖化窮まることなからん。
又願[ク]ハ此ノ功徳†、資↢益シタテマツリ
大唐ノ皇帝ヲ↡、福基永ク固ク、聖化無[カ]ラム↠†窮マルコト。
^また願はくは、
皇后慈心平等にして*六宮を哀愍したまはん。
又願[ク]ハ、
皇后慈心平等ニシテ哀↢愍†シタマハム六宮ヲ↡。
^また願はくは、
皇太子、 ˆ天子のˇ 恩を承くること地よりも厚く、 山岳の移ることなきに同じく、 福命唐々として*滄波に類して尽きたまふことなからん。
又願[ク]ハ、
皇太子、†承クルコト↠恩ヲ厚ク↠地ヨリモ、同[ジ]ク↢山岳之莫キニ↟移ルコト、福命唐唐トシテ類シテ↢滄波ニ↡†而無[カ]ラム↠尽†キタマフコト。
三 ⅲ Ⅱ b ハ (三)願冥衆祐助
^また願はくは天曹・地府・閻羅・伺命、 罪障を滅除して*善名を注記せん。
又願[ク]ハ天曹・地府・閻羅・伺命、滅↢除シテ罪障ヲ↡注↢記セム善名ヲ↡。
三 ⅲ Ⅱ b ハ (四)願幽衆得脱
^また願はくは修羅戦諍を息め、 餓鬼飢虚を除き、 地獄と畜生と倶時に解脱を得ん。
又願[ク]ハ修羅息メ↢戦諍ヲ↡、餓鬼除キ↢飢虚ヲ↡、地獄ト与↢畜生↡倶時ニ得ム↢解脱ヲ↡。
三 ⅲ Ⅱ b ハ (五)総結普願一切往生
^竪には三界0641に通じ横には*九居を括りて、 等しく娑婆を出でて同じく浄土に帰せざるはなからん。
竪ニハ通ジ↢三界†ニ↡横ニハ括[リ]テ↢九居ヲ↡、莫[カ]ラム↠†不ルハ↧等シク出デテ↢娑婆ヲ↡同ジク帰セ↦†於浄土ニ↥。
三 ⅳ 七唱礼
【108】 ^下座七礼を唱へよ。
0865下座唱[ヘヨ]↢七礼[ヲ]↡。
^本師釈迦牟尼仏等の一切の三宝に南無したてまつる。 われいま*稽首して礼し、 回して無量寿国に往生せんと願じたてまつる。
南↢無[シタテマツル]本師釈迦牟尼仏等[ノ]一切[ノ]三宝ニ↡。我今稽首シテ礼†シ、廻シテ願†ジタテマツル↣往↢生セム†ト無量寿国ニ↡。
^十方三世の*尽虚空遍法界の微塵刹土のなかの一切の三宝に南無したてまつる。 われいま稽首して礼し、 回して無量寿国に往生せんと願じたてまつる。
南↢無シ†タテマツル十方三世[ノ]尽虚空遍法界[ノ]微塵刹土ノ中ノ一切[ノ]三宝ニ↡。我今稽首シテ礼シ‡、廻シテ願†ジタテマツル↣往↢生セム†ト無量寿国ニ↡。
^西方極楽世界の阿弥陀仏に南無したてまつる。 願はくはもろもろの衆生ととも0594に安楽国に往生せん。
南↢無シタテマツル西方極楽世界[ノ]阿弥陀仏ニ↡。願[ク]ハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡往↢生セム安*楽国ニ↡。
^西方極楽世界の観世音菩薩摩訶薩に南無したてまつる。 願はくはもろもろの衆生とともに安楽国に往生せん。
南↢無シ†タテマツル西方極楽世界[ノ]観世音菩薩摩訶薩ニ↡。願[ク]ハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡往↢生セム安楽国ニ↡。
^西方極楽世界の大勢至菩薩摩訶薩に南無したてまつる。 願はくはもろもろの衆生とともに安楽国に往生せん。
南↢無[シタテマツル]西方極楽世界[ノ]大勢至菩薩摩訶薩[ニ]↡†。願[ク]ハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡往↢生セム安楽国ニ↡。
^西方極楽世界のもろもろの菩薩摩訶薩、 *清浄大海衆に南無したてまつる。 願はくはもろもろの衆生とともに安楽国に往生せん。
南↢無[シタテマツル]西方極楽世界[ノ]諸[ノ]菩薩摩訶薩、清浄大海衆[ニ]↡†。願[ク]ハ共ニ↢諸ノ衆生ト↡往↢生セム安楽国ニ↡。
^あまねく四恩・三友・帝王・人王・師僧・父母・善知識・法界の衆生、 三障を断除して、 同0642じく阿弥陀仏国に往生することを得んがために、 一切の*賢聖を和上し、 回して無量寿国に往生せんと願じたてまつる。
普ク為ニ↤四恩・三友・帝王・人王・師僧・父母・善知識・法界[ノ]衆生、断↢除シテ三障ヲ↡、同[ジ]ク得ムガ↣往↢生スルコトヲ阿弥陀仏国ニ↡、和↢上†シ一切ノ賢聖ヲ↡、廻シテ願†ジタテマツル↣往↢生セム†ト無量寿国ニ↡。
三 ⅴ 随意
【109】 ^唱へをはりてすなはち随意をいへ。
0866唱ヘ竟[リ]テ即チ云ヘ↢随意ヲ↡。
^行者等にまうす。 一切の時につねにこの法によりて、 もつて恒の式となせ、 知るべし。 経を送りていづれの処にか致す。 送りて*摩尼宝殿のなかに至らしめん。 経を送りていづれの処にか致す。 送りて*竜宮大蔵のなかに至らしめん。 経を送りていづれの処にか致す。 送りて西方石窟宝函のなかに至らしめん。
白ス↢行者等ニ↡。一切ノ時ニ常ニ依[リ]テ↢此[ノ]法ニ↡、以テ†為セ↢恒ノ式ト↡、応シ↠知ル。送[リ]テ↠経ヲ致ス↢何ノ処ニカ↡。送†リテ至†ラシメム↢摩尼宝殿ノ中ニ↡。送[リ]テ↠経ヲ致ス↢何ノ処ニカ↡。送†リテ至†ラシメム↢竜宮大蔵ノ中ニ↡。送[リ]テ↠経ヲ致ス↢何ノ処ニカ↡。送†リテ至†ラシメム↢西方‡石窟宝函ハコノ中ニ↡。
安楽行道転経願生浄土法事讃 巻下
延書の底本は高田派専修寺蔵鎌倉時代刊本ˆ原漢文の底本と同一ˇ。 ただし返点については本派本願寺蔵版によるか。
高座 道場の高座の導師。
下・高 下は道場の下座、 高は道場の高座。
化門 衆生を教化し利益する法門。 「信文類」 の引用では 「仮門」 となっている。
真形 真の仏身。
致 趣意。 おぼしめし。
四十九載 載は年の意。 釈尊の説法の年数。 ¬修行本起経¼ などによれば、 釈尊成道は三十歳とする。 その成道から八十歳の入滅に至る五十一年間のうち成道と入滅の年を除いた四十九年間をいう。 なお、三十五歳成道が一般的。
追尋 おいもとめることで、 生死流転の意。
法林 仏の教えが遍満していることを林に喩える。
一音を…悟る 仏の教えは本来ただ一つであるのに、 衆生はそれぞれの素質能力に応じてさとるという意。 ¬維摩経¼ 「仏国品」 等に出る。
灰身滅智…また現ずれば 小乗のさとりは身心ともに全くの無に帰した境地であるけれども、 二万劫という時を経て、 再び心が生じ、 その心が動いて身体がまた現れるという意。
未聞 いままでに聞いたことのない尊い教え。
万事の家生 すべての家業。
行々整直 規則正しく並んでいるさま。
一箇 ひとつの蓮華の台。
一々に親承して 十方世界の各々の仏に親しく仕えて。
無請に 誰も懇請しないのに。
阿弥師 阿弥陀大師の略。
塵沙の会 数限りない説法の会座。
霊儀の相好 (阿弥陀仏の) 尊く威儀のあるすがた。
仏会 阿弥陀仏の説法の会座。 ここでは極楽浄土のこと。
勇猛専精 いさましく一筋にはげむこと。
有識含霊 有識も含霊もともに心のはたらきを有するものの意。 衆生、 有情に同じ。
心 浄土の中央。
葉々 蓮華のはなびら。
正坐 華台に座して正覚を得ること。
聖化同居すれども 聖者の教化とともにありながら。
驢骨 ろばのように愚かな性質。
生処 生れるべきところ。
初生 新たに往生した者。
限極なき 数に限りがない。
劫にも… 一劫の間数えても、 きわめ尽すことができない。
仏化 阿弥陀仏の教化。
等覚尊 一如平等の理をさとられた方。 仏の意。
増上慢 ここではいまださとりを得ていないのに、 さとったと思っておごりたかぶること。 →
増上慢
間雑 他の想がまじわること。
自家国 往生者の本国。
餧ふ 供物を与える。
災障禍横 災難。 わざわい。
神明 前出の鬼・神魔のこと。
快楽の国 極楽浄土。
逍遥 安らかに赴くこと。
畢竟常安 究極的な常住安楽。
仏華台主 蓮華台の仏。
方便破壊 種々の手段で仏徳をこわすこと。
生盲闡提の輩 仏の教えに目がひらかれず、 仏になる因をもたないもの。
正法を疑いそしるもののこと。 →
補註10
破法罪 仏法を破壊する罪。
三十六王 ¬潅頂経¼ に説かれる三十六の善神。
無身有身無識有識 無身有身と無識有識のこと。 無身無識は身体・心識がいまだ現れない時、 有身有識は身体・心識が現れた後をいう。
故殺 わざと殺すこと。
戯笑殺 たわむれに殺すこと。
随喜殺 人が殺すのを見聞して喜ぶこと。
教他盗 他を教えて盗ませること。
放逸盗 ほしいままに盗むこと。
無間盗 ひまなく盗むこと。
貪味為財盗 味をむさぼり財のために盗むこと。
邪貪悪貪作 邪悪な欲望の心でなすこと。
無漏 ここでは煩悩のけがれのない浄土のこと。
劫尽きん… ここでの劫は減劫の意。 減劫は人間の寿命が次第に減じていく期間。 減劫が終りに近づくにしたがって、 五濁の世の相はますますはげしくなっていくという。
好き強縁 生死輪廻を出離するすぐれた縁。
究竟解脱 この上ないさとりを得ること。
根源 (迷いの世界にとどまる) 根本的原因。
他郷 娑婆世界のこと。 衆生にとって真実の故郷というべきは阿弥陀仏の浄土であるから、 娑婆を他郷という。
慈悲巧方便 慈悲のたくみな手段。
聖土 浄土。
法輪相続して転じ 仏の教えがつづいてひろまり。 仏の説かれた教えは、 衆生の煩悩をうちくだき、 次々とひろまってゆくので、 これを車輪に喩えていう。
行華 華を配ること。
讃人 和讃のもの。 ともに和して讃文を唱える人。
三帀・七帀 (仏座の周囲を) 三周、 七周すること。
般舟三昧楽 「般舟三昧楽」 は讃文の発声の句として、 「願往生」 「無量楽」 等は唱和の句として用いられたもの。 →
般舟三昧
道場の聖衆 浄土から道場に来臨した聖者たち。
帰還 (本国である極楽に) かえること。
不虚 (念仏往生が) 虚妄でなく、 真実であるということ。
聖衆 阿弥陀仏と観音・勢至等の菩薩たち。
弥陀大会 阿弥陀仏の説法の会座。
閻浮の同行人 閻浮提の念仏の行者。
存亡の利益 現存者と亡者の利益の意。
敬礼常住三宝 常住の三宝を敬礼したてまつる。
霊儀 威厳があるすがたを示すこと。
天の声 諸天が阿弥陀仏をほめたたえる声。
会 阿弥陀仏の説法の会座。
他方の聖衆 他方の世界より来訪した菩薩衆。
無生法食 法にかなった無生のさとりを食するという意。
愛波 貪愛を波に喩えていう。
識性 心識。
四大 身体のこと。 身体は地・水・火・風の四大よりなると考えられていた。
大唐の皇帝… 平出の書式。 皇帝等の称号を書く場合、 戒行表記をするのが通例であった。
六宮 後宮の異称。
善名を注記せん 善根を名簿に記録する。
竜宮大蔵 大海中の竜王の宮にある仏のたくさんの遺法をおさめた蔵のこと。
底本は◎高田派専修寺蔵鎌倉時代刊本[ただし訓は○浄聖全三巻の宗祖加点本と全同ではなく大幅に標準化されているため、 相違を†、 加を‡、 減を [ ] で示した]。 Ⓐ大谷大学蔵鎌倉時代刊本、 Ⓑ龍谷大学蔵(写字台旧蔵)室町時代刊本、 Ⓒ本派本願寺蔵版¬七祖聖教¼所収本 と対校。
光→Ⓒ化
与仏→Ⓒ仏与
硨磲→Ⓒ璖
雨天→Ⓒ而雨
常→Ⓒ当
迥→Ⓒ廻
弁→Ⓒ辨
反→◎及
云 Ⓑになし
彼→Ⓑ被
娑→婆
耨→Ⓑ羅
丘→Ⓒ岳
閑→Ⓒ間
諸→◎ⒶⒷ請
縵→Ⓒ幡
遍→Ⓒ徧
楽→Ⓒ極
ル→○ラレタル
願クハ往生セム→○願往生
殊ナルコト→○殊
デタマフ→○ヅ
而利シ↠物ヲ→○無シ↢利物↡
而→◎ⒶⒷ無
分チテ↢身ヲ…↡→○分身シテ↢…↡
随ヒテ↠宜シキニ→○随宜ニシテ
ニシテ→○ナレドモ
○ナル
○ノ
ハ→○ニ
不↢相逢ハ↡→○不↠相ハ↠逢ヒ
叢→○叢
傷心シ→○傷シクシテ↠心ヲ
レ→○ラム
レ→○ラン
下接ギテ↠高ニ讃ジテ云ヘ→○下接高讃云
ハ→○モノ
ス→○セシム
ルニ→○[リ]テ
説キ↠法ヲ→○説法シ
ラ→○レ
○ト云
カムト→○[ク]コトヲ
高接ギテ↠下ニ讃ジテ云ヘ→○高接下讃云
○ヨリ
ヲモテ→○ノ
留→○留
説ク↠法ヲ→○説法ス
服シテ→○服ケタルモノハ
ノ→○シテ
ノ証ナレドモ→○ヲ証ス
還タ→○還テ
サ→○セ
ムトシテ→○ヨ
○ヲ
為リ↠尊→○為ス↠尊ト
ジ→○ズ
喜ビ→○喜
ラシム→○レラム
○テ
神光ヲ↡→○神ヲ↡光
ト→○コトヲ
シタマフ→○ス
見タテマツリ↠仏ヲ聞キテ↠経ヲ→○見仏聞経シテ
得→○得テ
セム→○シ
為ス→○為ル
ク→○シ
リタマヒ→○[ロシ]メシ
悟ト→○悟ランコト
○ハ
シタマフ→○ス
為リ↠勝→○為ス↠勝タリト
○バ
トシテ→○タル
安ク→○安ズ
伴→○伴
ムレバ→○メテ
眼前→○眼ノ前
リタマフ→○ル
手→○手
命尽キ→○命尽シ
迎ヘ将タマフ→○迎将ス
ジテ→○ズ
結ビ→○結ス
○ニシテ
相当レリ→○相当セリ
無衰無変ニシテ→○無↠衰無クシテ↠変
四辺ノ階道ハ→○四辺ニ階道アリ。
照スニ異光アリ→○照ス↢異光ヲ↡
聴ク↢真常ヲ↡→○聴クコト↠真ヲ常ナリ
持シ→○持[チ]
シ…、→○ス…。
雨ラス→○雨ル
国→○土
リ→○シ
セリ→○ス
為リ↠勝→○為ス↠勝レタリト
華自ラ散ズ→○華ヲ自散ス
事→○事
ス→○シ
ヒテ→○フ
不ルハ→○不ト云コト
。→○[ト]ナラバ、
↠実。是ノ諸ノ衆鳥ハ、→○↢実是ノ諸ノ衆鳥↡。
○シテ
吹キテ、動スニ↢→○吹イテ↢動スニ
作ス→○作ス
念ジ↠仏ヲ念ジ↠法ヲ念ズル↠僧ヲ→○念仏・念法・念僧
ニシテ→○ナリ
クシテ→○キニ
ニセム→○ナラシム
摂受シテ 臨終ニ→○摂↢受シテ 臨終ニ↡
○ニ
○ト
↣他方ノ離ルルコトヲ↢悪道ヲ↡→○↢他方離悪道ヲ↡
↣地獄ノ封ズルコトヲ↢人天ヲ↡→○↢地獄封人天ヲ↡
↣長時ニ修スルコトヲ↢苦行ヲ↡→○↢長時修苦行ヲ↡
↣定慧ヲモテ入ルコトヲ↢深禅ニ↡→○↢定慧入深禅ヲ↡
○タリ
法蔵ハ行ジ↢因ノ広弘願ヲ↡→○法蔵行因ノ広弘願
設→○設ヒ
バ→○[タ]ラムニ
ニ→○ヲ
相応ジ→○相応シ
メム→○ム
引カ→○引セ
○ベシ
識ル→○識ル
地迥カニ→○地迥
○ヲモテ
ハリ→○エタリ
キ→○カシ
アリ→○ナリ
ル→○レシム
別レタリ→○別ナリ
猶若シ↠超ユルガ→○猶若シ超[エ]タリ
シタテマツレ→○セヨ
於テ→○於テ
ノ→○ハ
為ス→○為ク
於今ニ→○於↠今
果→○果タシテ
↢涅槃ヲ↡常ニ住ス↠世ニ→○↢涅槃常住ノ世ヲ↡
不動ナリ→○不↠動ゼ
専心ニ→○専ニシテ↠心ヲ
○メ
往キ→○往カシメ
ヘシメタマフ→○フ
レバ→○ル
ル→○[リ]テナリ
坐ス 華台→○坐ス↢ 華台ニ↡
独リ迥カニ→○独迥シテ
成ル→○成ズ
ルハ→○リ
得→○得
強メテ→○強テ
叢→○叢
○シ
ク→○カム
○、
○コト
ゲタマフ→○グル
安キ処→○安処
行ク→○行ズ
スレドモ→○シテ
レ→○ル
平カナ→○平シカ
排フ→○排ク
↢心驚カ↡ 狂サレテ↢此ノ人皮ニ裹メル驢骨ニ↡→○↢心ニ驚カ↟ 狂サレテ↢此人皮ニ↡ 裹ムガゴトシ↢驢骨ヲ↡
ルコト→○[リ]テ
須カラ→○須[ベ] ク[カ]ラ
栄→○栄
極テ苦→○極苦
得ヨ→○得
直→○直ニ
キモノ→○ク
レバ者→○レル者
タテマツリ→○ル
リ→○ル
スルコト→○スベシ
バ→○ズ
得→○得ム
応ニ当シ↣→○応シ↣当ニ
ニ→○ナルベシ
持シ→○持[タシ]メ
シム→○ス
分↢身シテ六道ニ↡→○分チテ↢身ヲ六道ニ↡
シ→○ス
キタマフ→○ク
ケレバ→○キ
デタマフモ→○[ヅ]ルニ
一→○一
フニ→○エバ
スレドモ→○シテ
弁ジ→○弁エ
ムトスルモ→○タリトモ
リ→○ム
何ゾ→○何ニシテカ
語→○語
叢→○叢クサムラ
汝等→○汝等
↢…称讃不可思議功徳一切諸仏所護念経ヲ↡→○↧…称↢讃[ス]ル不可思議ノ功徳ヲ↡一切諸仏ニ所ルヽ↢護念セ↡経ヲ↥
セバ→○スヲ
終時→○終ル時
↢於百千ノ日ヨリモ↡→○↠於モ↢百千ノ日↡
○セルコト
ル→○[リ]ヌレバ
○セルコト
スル→○セム
令メムトシタマフニ↠出ダサ↠世ヲ 反リテ生ズ↠瞋ヲ→○令ム↢出シ↠世ヲ 及ビ生ゼ↟瞋ヲ
ヘバ→○フテ
ヘリ→○フ
実→○実
セシメタマフニ→○シム
如ク↠説ノ→○如説
不レ→○不
ビ→○ンデ
自家国→○自ノ家ノ国
証↣判シタマフ→○ノ証判シ下フ、
得ト→○得ヨ
○下フ
スル→○シ下フ
随ヒテ↠宜シキニ→○随宜ニシテ
断タ→○断ゼ
行カシム 一切ノ福→○行ゼシム↢ 一切ノ福ヲ↡
来迎シタマフ→○来[リ]テ迎[ヘ]下フ
カセバ→○カシ
タマフコトハ→○テ
為ニス↢娑婆ノ↡/十悪・五逆…/…/…/…得↢此ノ報ヲ↡→○為ナリ↧娑婆ノ/十悪・五逆…/…/…/…得ルモノヽ↦此ノ報ヲ↥
臥ス↢病ミテ於床枕ニ↡→○ニ臥病シ↣於↢床枕マクラ↡
聾盲→○聾盲
ル→○ラン
廻シテ↠心ヲ→○廻心シテ
○ヨ
スレバ→○シテ
○ゾ
↢一切諸仏所護念経ト↡→○↧一切諸仏ニ所ルヽ↢護念セ↡経ト↥
ク→○[カ]ム
名→○名
発願シ→○発シ↠願ヲ
欲スル→○欲[ハ]ム
当ニシ↠生ズ→○当[ニ]生レム
有ル↠信→○有ラム↠信[ズル]コト
応ニ当シ↣発願シテ…↢…↡→○応シ↣当ニ発[シ]テ↠願ヲ…↢…↡
メ→○ム
メタマフ→○ム
ケドモ→○ク
強メテ→○強ク
ズ→○ジヌ
タテマツル→○ル
変ジテ作リ↢…ト↡→○変↢作ス↢…ヲ
シタマハク→○サク
フト→○ワク
難信→○難キ↠信ジ
説キ↢…↡已リタマフニ→○説[ク]コト↢…↡已[リ]テ
互相ニ→○互ニ相
異ナルコト→○異ナルコト
小→○小
怨→○怨
ラバ→○[リ]テ
無ク↠尽クルコト→○無尽ニシテ
↢…於五濁ニ↡→○↣…於↢五濁↡
随ヒテ↠宜シキニ→○随宜ニ
ニシテ而→○ニ而
説ク↣少解ヲモテ証スト↢…↡→○説[キ]テ↢少解ヲモテ↡証セシム↢…↡
教フ↢禅念シテ…思量セヨト↡→○教エテ↢禅念ヲ↡…思量セシム
説キタマフコト↠法ヲ→○説法ノ
将ニテ↠了リナムト→○将ス ニルニ↠了ラムト
慇懃→○慇懃
多ク↢疑謗↡→○多ク疑謗シテ
ストモ→○スレドモ
セヨ→○スベシ
所有ル→○所有ノ
爾許多ノ→○爾許ソコバク多ノオホクノ
愧謝ス。/諸仏、冥空ニ→○愧↢謝ス/諸仏冥空ニ↡。
幽顕シタマヘル…霊儀等、→○幽↢顕シ下フ…霊儀等ニ↡。
加↢備シ護↣念シ摂↤受シ証↯明シタマヘ…、披キ↠心ヲ懴悔スルヲ↡→○加備・護念・摂受・証明シ下ヘ。…、披心懴悔ス。
某甲→○某甲
乃チ至リ↢今日ニ↡→○乃至今日
↢於今時ニ↡→○↠於↢今ノ時↡
故殺・悞殺・戯笑殺・自殺・教他殺・随喜殺・相続殺・無間殺・愛憎違順殺・放逸殺・貪味為財殺→○故ニ殺シ、悞テ殺[シ]、戯タワブレ笑シテワラヒ 殺[シ]、自殺[シ]、教テ↠他ヲ殺[シ]、随↢喜シ殺ヲ、相続シテ殺ス、無間ニ殺[シ]、愛憎違順殺[シ]、放逸ニシテ殺[シ]、貪ジ↠味ヲ為ニ↠財ノ殺ス
キ→○ク
リテ、→○[リ]ヌ。
ル→○ラン
ル→○レ
ノ罪→○罪
故盗・悞盗・戯笑盗・自盗・教他盗・随喜盗・放逸盗・無間盗・愛憎盗・違順盗・貪味為財盗→○故ニ盗、悞テ盗、戯笑シテ盗、自盗、教ヘテ↠他ヲ盗、随喜シテ盗、放逸シテ盗、無間盗、愛憎ニ盗、違順盗シ、貪↠味ヲ為↠財ノ盗
↢於邪婬ヲ↡→○↠於↢邪婬↡
放逸作・故作・悞作・戯笑作・自作・教他作・随喜作・無慚愧作・相続作・無間作・邪貪悪貪作→○放逸作シ、故ニ作[シ]、悞テ作シ、戯笑シテ作[シ]、自作シ、教テ↠他ヲ作シ、随喜シテ作シ、無クシテ↢慚愧↡作シ、相続シテ作シ、無間ニ作シ、邪貪悪貪作シ
常作・無間作・故作・悞作・戯笑作・自作・教他作・随喜作・邪貪悪貪作→○常ニ作シ、無間ニ作シ、故ニ作シ、悞テ作シ、戯笑作シテ、自作シ、教ヘテ↠他ヲ作シ、随喜シテ作シ、邪貪悪貪シテ作シ
常作・無間作・故作・悞作・戯笑作・自作・教他作・随喜作→○常ニ作シ、無間ニ作シ、故ニ作シ、悞テ作シ、戯笑シテ作シ、自作シ、教エテ↠他ヲ作シ、随喜シテ作シ
之ノ→○之
動ゼル→○動セル
故作・悞作・常作・無間作・自作・教他作・随喜作→○故ニ作シ、悞テ作シ、常ニ作シ、無間ニ作シ、自作シ、教[ヘ]テ↠他ヲ作シ、随喜作シ
スレバ…者→○スル…者ハ
六道周慞タリ→○六道ニ周慞ス
ヨ→○ム
ドモ→○バ
貪リ→○貪ジ
愛デ→○愛シ
財→○財
色→○色
此ガ→○此ノ
スルニ→○シテ
到リヌレバ↢彼ノ無漏ニ↡→○到リヌレ[バ]↠彼ニ無漏ナリ
悲流シテ→○悲ミテ流シテ
ム→○ナム
専ニシテ専ナレト→○専専ニ
セシム→○ス
ヌレバ→○テ
ズ→○ゼム
ムトシテ→○ヨ
メテ→○ム
令メ↢…行香セ↡、与↢大衆↡行華セヨ→○令メヨ↧…行香シテ、与エ↢大衆ニ↡行華セ↥
令メヨ↣…唱ヘ↢…行道ヲ↡→○令メヨ↢…唱エ…行道セ↡
法、用テ→○法用
立チ→○立シ
傷メ→○傷シクシテ
知レ↣慚↢謝スルコトヲ…↡→○知[リ]テ慚↢謝セヨ…↡
荷ヒテ→○荷シテニナ[ヒ]テ
ヒ→○フ
カム→○ケ
証シタマフ↢不虚ヲ↡→○ノ証不↠虚[シカ]ラ
専心ニシテ→○ニ専[ラ]ニシテ↠心ヲ
見ル→○見ユ
接リテ↠手ヲ→○接手シテ
ル→○[リ]テ
憶フ→○憶ス
ル→○リ
頂礼シテ別レタテマツル↢弥陀ニ↡→○頂↢礼セヨ別弥陀ヲ↡
ト→○・
ケタマヘ→○[ケ]テ
命断ニ→○命断ヘテ
ス→○セム
不レドモ↢如法ナラ↡→○不如法ナレドモ
布↢施シタマヘ衆生ニ歓喜ノ心ヲ↡→○布↢施シテ衆生ニ↡歓↢喜ス心ニ↡
フ→○ヘ
散ジテ↢香華ヲ↡心ニ送リタテマツル↠仏ヲ→○散ズ↢香華ヲ心送ノ仏ニ↡
タマヘ→○テ
○ト
左ニ侍シテ霊儀シ、→○[ヲ]シテ左侍ニ霊儀タリ。
ム…。→○ミ…、
、→○。
化鳥・天→○化ノ鳥天ニ
不ルハ→○不ト云コト
ク…、→○シ…。
ズルコト→○ズ。
十方ヨリ来ル→○十方来ノ
繞リ讃ズ→○繞讃ス
遍歴→○遍ク歴テ
ズトモ→○ズレドモ
シ→○ケム
シテ→○ス
シテ無際ナリ。…→○ス。無際…
而→○而テ
クシテ→○シ
ケリ。→○ク、
今時→○今時
某→○某
○ム
罪→○罪
無ク↠病→○無病ニシテ
ニシテ、→○ナラム。
タマヒ→○テ
集リ、→○集セム。
乗ジ→○乗リ
光照シ→○ノ光ヲモテ照シ
ジ、→○ゼム。
、資↢益シタテマツリ/大唐ノ皇帝ヲ↡→○ヲ資益シタマヘシタテマツリテ/大唐ノ皇帝ヲ
窮マルコト→○窮
シタマハム→○セム
承クルコト↠恩ヲ厚ク↠地ヨリモ→○承ケテ↢恩ヲ厚地ニ↡
キタマフ→○クル
↦於浄土ニ↥→○↞於↢浄土↡
シ、→○ス。
ジタテマツル→○ズ
タテマツル…。→○テ…、
。→○、
為セ→○為ヨ
リテ→○ルニ
ラシメム→○ル