0599観念かんねん0645阿弥陀あみだぶつ相海そうかい三昧さんまいどく法門ほうもん 一巻いっかん

比丘びく*善導ぜんどうしゅう

【三昧行相分】
  標列

【1】 ^¬*かんぎょう¼ によりて観仏かんぶつ三昧ざんまいほうかすいち

0871リテ↢¬観経¼↡明↢観仏三昧↡一。

¬*般舟はんじゅきよう¼ によりて念仏ねんぶつ三昧ざんまいほうかす

リテ↢¬般舟経¼↡明↢念仏三昧↡二。

*きょうによりてにゅうどうじょう念仏ねんぶつ三昧ざんまいほう かすさん

リテ↠経↢入道場念仏三昧↡三。

きょうによりてどうじょうない さん発願ほつがんほうかす

リテ↠経↢道場内懴悔発願↡四。

随釈
    明観仏法【観仏三昧法】
     

【2】 ^¬かんぎょう¼ によりて観仏かんぶつ三昧ざんまいほうかす。

リテ↢¬観経¼↡明↢観仏三昧↡。

一 Ⅱ ⅰ
        正明観仏行法
          (一)略明
            (Ⅰ)標依経

^¬かんぎょう¼・¬*観仏かんぶつ三昧ざんまいかいきょう¼ にでたり。

デタリ↢¬観経¼・¬観仏三昧海経¼↡。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)定観境

 ^弥陀みだぶつしん金色こんじきしん *円光えんこうてっしょうたんじょう無比むひなるをかんずべし。

ズベシ↢阿弥陀仏真金色身、円光徹照、端正無比ナルヲ↡。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅲ)明観想

^ぎょうじゃとう一切いっさいしょ ちゅうにつねにこのおもいをなし、 *行住ぎょうじゅう坐臥ざがまたこのおもいをなせ。 つねにこころとどめて西にしかひて、 かの*しょうじゅ一切いっさい雑宝ざっぽうしょうごんとうそうおよぶまで、 目前もくぜんたいするがごとくせよ、 るべし。

行者等、一切時処、昼夜↢此↡、行住坐臥ニモ亦作↢此↡。毎常 ツネ メテ↠意ヒテ↠西、及ブマデ↢彼聖衆、一切雑宝荘厳等↡、如クセヨ↠対スルガ↢目前↡、応↠知

一 Ⅱ ⅰ b イ (二)広弁
            (Ⅰ)明身儀

【3】 ^またぎょうじゃもしせんとほっば、 づすべからく*けっ趺坐ふざすべし。 ひだりあし0600みぎももうえてほかとひとくしみぎあしひだりももうえてほかとひとくせよ。 みぎひだり手掌てのひらのなかにて、 だいおもてあひがっせよ。 つぎただしょうして、 くちがっまなこ0646ぢよ。 ひらひらず、 がっするにがっせざれ。

又行者若セバ↠坐セムト、先↢結跏趺坐↡。左キテ↢右モモ↡与↠外斉シクシ、右足安↢左↡与↠外斉シクセヨ。右キテ↢左手掌テノヒラ↡、二大指面相合セヨ。次↠身正坐シテ、合↠口、閉0872ジヨ↠眼。似↠開クニ不↠開、似↠合スルニ↠合

一 Ⅱ ⅰ b イ (二)(Ⅱ)明観想
              (ⅰ)観仏身
                (a)正観相海

1. 頭頂荘厳

^すなはち心眼しんげんをもつて、 ぶつちょうじょう*けいよりこれをかんぜよ。 頭皮ずひ金色こんじきをなし、 かみこんじょう しきをなす。 一髪いちほついち きてじょうにありこつ雪色せっしきをなしてないみょうてつす。 のう*玻瓈はり しきのごとし。

↢心眼↡、先↢仏頂上螺髻↡観ゼヨ↠之。頭皮↢金色↡、髪↢紺青色↡。一髪一螺巻キテ↢頭上↡。頭骨シテ↢雪色↡内外明徹。脳↢玻瓈色↡。

^つぎ のうじゅうみゃくあり、 一々いちいちみゃくじゅうどうひかりあり、 髪根ほつこんあなよりほかにでて*ほつめぐ ること*七帀しちそうして、 かえりて毛端もうたんあなのなかよりおも

↧脳↢十四脈↡、一一↢十四道光↡、従↢髪根孔↡出デテ↠外ルコト↢髪↡七シテ、還リテ↢毛端中↡入ルト↥。

^つぎ さきひかりまゆ毛根もうこんあなのなかよりでてほかにかふとおも

↧前光従↢二毛根中↡出デテフト↞外

2. 額広平正

^つぎひたいひろくして平正びょうしょうなるそうおもへ。

↢額広クシテ平正ナル↡。

3. 眉高長相

^つぎまゆたかくしてながそうおもへ。 なほ *初月しょがつのごとし。

↢眉高クシテ而長↡。ナホ↢初月↡。

4. 眉間白毫

^つぎ けん*びゃくごう そうおもきてけんにあり、 そのしろじつないにして金色こんじきひかりいだし、 毛端もうたんよりしてでてただちにしんらし きた

↢眉間白毫相↡。巻キテ↢眉間↡、其毛白外実内虚ニシテ↢金色↡、従リシテ↢毛端↡而出デテ↢自身↡来

^¬*観仏かんぶつ三昧ざんまいきょう¼ (意)きたまふがごとし。 「もしひとありていちしゅのあひだびゃくごう そうかんずれば、 もしは、 もしはも、 すなはちじゅうろくおく那由他なゆたごうしゃ*じんしゅこうしょうじゅうざいじょきゃくす」 。 つねにこのおもいをなせば、 はなはださわりのぞつみめっす。 またりょうどく諸仏しょぶつかんしたま0601

↢¬観仏三昧経¼説キタマフガ↡。「若リテ↠人一須臾ズレバ↢白毫相↡、若シハ見、若シハルモ↠見、即除↢却スト九十六億那由他恒河沙微塵数劫生死重罪↡。」常セバ↢此↡、ハナハダ↠障↠罪。又得↢無量功徳↡、諸仏歓喜シタマフ

5. 二眼広長

^つぎ まなここうじょうにしてこくびゃくぶんみょうなり、 こうみょうてっしょうおも

↢二眼広長ニシテ黒白分明ナリ、光明徹照スト↡。

6. 鼻修高直

^つぎ はなながたかなおきことたる*こんじょうのごとしとおもへ。

↢鼻ナガキコト、如シト↢鋳タル金鋌↡。

7. 面部平満

^つぎ*めんびょうまんにして*唱しょうきょうあることなしとおもへ。

↢面部平満ニシテシト↟有ルコト↢唱↡。

8. 耳輪垂

^つぎ *りんすいしてあな七毛しちもうあり、 ひかり毛内もうないよりでてあまねく仏身ぶっしんらすとおも

↧耳輪垂シテ↢七毛↡、光従↢毛内↡出デテスト↦仏身↥。

9. 脣色赤好

^つぎ 唇色しんじきしゃくこうにしてこうみょう潤沢にんたくなりおも

↢脣色赤好ニシテ光明潤沢ナリト↡。

10. 歯白斉密

^つぎ しろ斉密ざいみつにして、 しろきこと*がつのごとくしてない*映徹ようてつすとおも

↧歯白斉密ニシテ、白キコトクシテ↢珂月↡内外映徹スト↥。

11. 舌薄広長

^つぎ したうすこうじょうにしてにゅうなんなりおも舌根ぜっこんしたどう あり津液しんえきそそぎて咽筒いんとうりてただちに*心王しんのうる。

↢舌薄広長ニシテ柔軟ナリト↡。舌根↢二道↡、津液注ギテリテ↢咽筒↡直↢心王↡。

^*仏心ぶっしんれんのごとし、 かいしてかいせず、 がっしてがっせず。 八万はちまんせん*ようあり 葉々ようようあひかさ一々いちいちよう八万はちまんせん0647みゃくあり 一々いちいちみゃく八万はちまんせんひかりあり 一々いちいちひかりひゃっぽうれんをなす。 一々いちいちうえいちじゅうさつあり みな金色こんじきなり、 こうして心王しんのうようし、 異口いく同音どうおん心王しんのうさんす。

仏心↢紅蓮華↡、開シテ而不↠開、合シテ而不↠合。有↢八万四千葉↡、葉葉相重ナル。一一↢八万四千0873↡、一一↢八万四千光↡、一一光作↢百宝蓮華↡。一一↢一十地菩薩↡、身皆金色ナリ、手シテ↢香華↡供↢養心王↡、異口同音歌↢讃心王↡。

^ぎょうじゃとうこのおもいをなすときざいしょう除滅じょめつりょうどく諸仏しょぶつさつかんし、 天神てんじんじんかんす。

行者等作↢此↡時、除↢滅罪障↡得↢無量功徳↡、諸仏・菩薩歓喜、天神・鬼神歓喜

12. 咽項肩円

^またしんうえかひて、 つぎ 咽項いんこうまどかなるそうかたまどかなるそうおも

又抽キテ↠心ヒテ↠上、次↢咽項カナル相、二カナル↡。

13. 両臂円

^つぎ りょうひじなおまどかなるそうおも

↢両臂ナホカナル↡。

14. 手相荘厳

^つぎ てのひらびょうまんにして*せん輻輪ぷくりんそうありじっせんじょうにしてけん*網縵もうまんそうありつめしゃくどういろをなせるそうおも

↧二手掌テノヒラ平満ニシテ千輻輪アリ、十指繊長ニシテ指間網縵アリツメセル↢赤銅↡相↥。

15. 胸前平満

^またしんうえかひて、 つぎ ぶつきょうぜんびょうまんそう0602おも*万徳まんどく朗然ろうねんなり。

又抽キテ↠心ヒテ↠上、次↢仏胸前平満↡。万徳之字朗然ナリ

16. 腹平不現

^つぎ *ふくびょうげんそうおも

↢腹平不現↡。

17. 臍円孔深

^つぎ *臍円ざいえんじんそうおもこうみょうないつねにらす。

↢臍円孔深↡。光明内外

18. 陰蔵平満

^つぎ *陰蔵おんぞうそうおもへ。 びょうまんにしてなほ じゅうにちよるつきのごとし、 また腹背ふくはいのごとびょうしょにしてべつなし。

↢陰蔵↡。平満ニシテナホ↢十五↡、亦如↢腹背↡平処ニシテ↠別。

^ぶつのたまはく、 「もしなん女人にょにんありておお しき貪欲とんよくするもの、 すなはち如来にょらい陰蔵おんぞうそうおもへば、 欲心よくしんすなはちみて、 ざいしょう除滅じょめつ りょうどく諸仏しょぶつかんし、 天神てんじんじん 好心こうしんをもつて*ようして、 長命じょうみょう安楽あんらくにしてながびょうつうなし」 (観仏三昧経・意)

仏言、若リテ↢男子・女人↡多貪↢欲スル↡者、即ヘバ↢如来陰蔵↡者、欲心即ミテ、罪障除滅得↢無量功徳↡、諸仏歓喜、天神・鬼神好心ヲモテ影護シテ、長命安楽ニシテシト↢病痛↡。

19. 膝円満

^つぎ ふたつももひざ膝骨しっこつ円満えんまんなりおも

↢両モモ膝・膝骨円満ナリト↡。

20. 鹿王相

^つぎ すね鹿王ろくおうこぶらのごとしおも

↣二脛如シト↢鹿王↡。

21. 足跟𦟛満

^つぎ *足跟そくこん象王ぞうおうはなのごとしおも

↣二跟如シト↢象王↡。

22. 足趺平生

^つぎ *そくたかきことおうのごとしおもへ。

↣二趺高キコトシト↢亀王↡。

23. 足指網縵

^つぎ あしじっながくして けん網縵もうまんあり、 つめしゃくどういろをなおも

↧足十指長クシテ指間↢網縵↡ツメスト↦赤銅↥。

24. 結跏趺坐

^つぎ ぶつけっ趺坐ふざそうおもへ。 ひだりあしみぎももうえてほかとひとくしみぎの足ひだりももうえてほかとひと

↢仏結跏趺坐↡。左キテ↢右モモ↡与↠外斉シクシ、右キテ↢左↡与↠外斉シト

25. 足下平満

^つぎ あししたたいらかにしてせん輻輪ぷくりんそうり、 *輻輞ふくもうそく 、 みなこうみょうありてあまねく十方じっぽう*せつらすおも

↧二下平ニシテ↢千輻輪相↡、輻輞具足、皆有リテ↢光明↡遍スト↦十方↥。

一 Ⅱ ⅰ b イ (二)(Ⅱ)(ⅰ)(b)結示

^頂上ちょうじょうよりしもあし千輻せんぷく0648りんそういたるこのかたづけて 「そくしてぶつ色身しきしんしょうごんどくかんず」 となす。 これを*じゅんかんづく。

↢頂上↡下至↢足千輻輪0874↡已来タヲ、名ケテ↣具足シテズト↢仏色身荘厳功徳↡。是↢順観↡。

一 Ⅱ ⅰ b イ (二)(Ⅱ)(ⅱ)観華座
                (a)標挙

【4】 ^またつぎ*華座けざほうおもへ。

又次↢華座↡。

一 Ⅱ ⅰ b イ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)別弁

・華台

^つぎだいそうおもへ。

↢華台相↡。

・華葉

^つぎ ようおもへ。 葉々ようよう0603かさなりてはちまんせんじゅうなり

↢華葉↡。葉葉相重ナリテ八万四千重ナリ

・華上宝光

^一々いちいちよううえ ひゃくおく宝王ほうおうありてしょうごん一々いちいちたからのなかにはちまんせんこうみょうありて、 かみ仏身ぶっしんらすとおも

一一↧有リテ↢百億宝王↡荘厳、一一リテ↢八万四千光明↡、上照スト↧仏身↥。

・華茎

^つぎ ほうくき八面はちめんにして、

↧宝華茎八面ニシテ

・茎厳放光

^一々いちいち方面ほうめんひゃくせん衆宝しゅぼうをもつてしょうごんし、 だいこうみょうはなちてじょうともにらすおも

一一方面百千衆宝ヲモテ荘厳、放チテ↢大光明↡上下倶スト↥。

・地上光照

^つぎ くきもとほうにより、 じょう衆宝しゅぼうみなはちまんせんこうみょうはなち、 一々いちいちこうみょう仏身ぶっしんらし、 および十方じっぽう六道ろくどうらすおも

↧華下依↢宝地↡、地上衆宝皆放↢八万四千光明↡、一一光明↢仏身↡、及スト↦十方六道↥。

・照触自身

^また一切いっさいこうみょうぎょうじゃしんしょうそくしてきたるとおもへ。

亦想↧一切光明、照↢触シテ行者自身↡来ルト↥。

一 Ⅱ ⅰ b イ (二)(Ⅱ)(ⅲ)結利益
                (a)現益

^このおもいをなすときざいしょう除滅じょめつりょうどく諸仏しょぶつさつかんし、 天神てんじんじんもまたよろこびて、 にちしたがひてぎょうじゃようす。 ぎょうじゅう坐臥ざがにつねに安穏あんのん長命じょうみょうらくにしてながびょうつうなし。 ぶつおしえじゅんずれば、 じょうのなかのることを。 もしただみづからりてひとかひてくことをざれ。 すなはちおおきにつみありて、 よこさまあくびょうたんみょうほうまねく。

↢此↡時、除↢滅罪障↡得↢無量功徳↡、諸仏・菩薩歓喜、天神・鬼神亦喜ビテ、日夜ヒテ↠身影↢護行者↡。行住坐臥得↢安穏↡、長命富楽ニシテ↢病痛↡。準ズレバ↢仏↡、得↠見ルコトヲ↢浄土↡。若但自リテ↠得↢向ヒテ↠人クコトヲ↡。即リテ↠罪、横↢悪病短命之報↡。

一 Ⅱ ⅰ b イ (二)(Ⅱ)(ⅲ)(b)当益

^もしきょうもんじゅんずれば、 命終みょうじゅうときのぞみて 弥陀みだ仏国ぶっこく*じょうぼんおうじょうす。

ズレバ↢教門↡者、臨ミテ↢命終↡上↢品往↣生阿弥陀仏国↡。

一 Ⅱ ⅰ b イ (二)(Ⅲ)勧要観

^かくのごとくじょうさきによりて*じゅうろっぺんかんじて、 しかしてのちしんとどめてけんびゃくごうかひて、 きはめてすべからくしんとらへてただしからしむべし。 さらに雑乱ぞうらんすることざれ。 すなはちじょうしん しっして三昧さんまいじょうじがたし、 るべし。

↠是クノ上下、依リテ↠前十六遍観ジテ、然シテ後住メテ↠心ヒテ↢眉間白毫↡、極↢捉↠心↟正シカラ。更↠得↢雑乱スルコトヲ↡。即シテ↢定心↡三昧難↠成、応↠知

一 Ⅱ ⅰ b イ (二)(Ⅳ)結得名

^これを観仏かんぶつ三昧ざんまい観法かんぽうづく。

↢観仏三昧観法↡。

一 Ⅱ ⅰ b イ (三)結顕実義

^一切いっさいちゅうにつねにすればじょう0604しょう 。 ただ ¬かんぎょう¼ *じゅうさんがんによりて、 安心あんじんしてかならずうたがはざることをよ。

一切時中スレバ↢浄土↡。但依リテ↢¬観経¼十三観↡、安心シテ↠不ルコトヲ↠疑

一 Ⅱ ⅰ b 重勧念仏易行

【5】 ^また まうさく、 ぎょうじゃじょうしょうぜんとほっば、 ただすべからくかい念仏ねんぶつ¬*弥陀みだきょう¼ をじゅすべし。 *日別にちべつじゅうへんすればねん0649一万いちまん日別にちべつ三十さんじっぺんすれば一年いちねん一万いちまんなり。

又白サク、行者欲セバ↠生ゼムト↢浄土↡、唯須↣持戒・念仏、誦↢¬弥陀経¼↡。日別十五遍スレバ二年0875↢一万↡、日別三十遍スレバ一年一万ナリ

^日別にちべついち万遍まんべんぶつねんぜよ。 またすべからくときによりてじょうしょうごん*礼讃らいさんすべし。 おおきにすべからくしょうじんすべし。 あるいは三万さんまん六万ろくまんじゅうまんるものは、 みなこれじょうぼん上生じょうしょうひとなり。 自余じよどくことごとくしておうじょう せよ、 るべし。

日別ゼヨ↢一万遍仏↡。亦須↣依リテ↠時礼↢讃浄土荘厳↡。大↢精進↡。或イハ↢三万・六万・十万↡者、皆是上品上生ナリ。自余功徳シテ往生セヨ、応↠知

一 Ⅱ ⅰ

^ぜん観仏かんぶつ三昧ざんまいほうかす。

已前↢観仏三昧↡。

一 Ⅱ 明念仏法【念仏三昧法】
     

【6】 ^¬般舟はんじゅ三昧ざんまいきょう¼ *しょうもんぼん(意)しちにちしち にゅうどうじょう 念仏ねんぶつ三昧ざんまいほうかしたまふ

¬般舟三昧経¼「請問品」明シタマフ↢七日七夜入道場念仏三昧↡。

一 Ⅱ ⅱ
        略明
          (一)標依経

^¬般舟はんじゅ三昧ざんまいきょう¼ にでたり。

デタリ↢¬般舟三昧経¼↡

一 Ⅱ ⅱ b イ (二)正引文
            (Ⅰ)標名許説

 ^ぶつばつげたまはく、 ª三昧さんまいあり、 *十方じっぽう諸仏しょぶつ悉在しつざいぜんりゅうづく。 よくこのほうぎょうぜば、 なんぢ所聞しょもんことごとくべしº

「仏告ゲタマハク↢跋陀和↡、有↢三昧↡、名↢十方諸仏悉在前立↡。能ゼバ↢是↡、汝之所聞悉シト↠得也。

一 Ⅱ ⅱ b イ (二)(Ⅱ)嘆益楽聞

^ばつぶつにまうさく、 ªねがはくはためにこれをきたまへ。 *過度かどするところおおくして十方じっぽう安穏あんのんならしめん。 もろもろのしゅじょうのために*だいみょうそうげんじたまへº

跋陀和白サク↠仏、願クハキタマヘ↠之。多クシテ↠所↢過度スル↡安↢穏ナラシメム十方↡。為↢諸衆生↡現ジタマヘト↢大明相↡。

一 Ⅱ ⅱ b イ (二)(Ⅲ)勧修彰徳

^ぶつばつげたまはく、 ª三昧さんまいあり、 *じょうづく。 学者がくしゃつねにまさにまもりてじゅうして0605ほうしたがふことをざるべし。 どくのなかにもつとも第一だいいちなりº」

仏告ゲタマハク↢跋陀和↡、有↢三昧↡、名↢定意↡。学者常↢守リテ習持シテ、不↟得↣復随フコトヲ↢余法↡。功徳第一ナリト。」

一 Ⅱ ⅱ b 広引
          (一)明能念修相
            (Ⅰ)長行

【7】 ^つぎに 「ぎょうぼん(般舟三昧経・意) にのたまはく、 「ぶつばつさつげたまはく、 ªくこのじょうんとほっば、 つねに大信だいしんほうのごとくにこれをぎょうすなはちべし。 そう毛髪もうはつ のごときばかりもあることなかれ。 このじょうほうを、 づけて «さつ*ちょうしゅ ぎょう» となす。

「行品」云、「仏告ゲタマハク↢跋陀和菩薩↡、欲セバ↣疾ムト↢是↡者、常↢大信↡如クニ↠法ゼバ↠之↠得也。勿↠有ルコト↧疑想如↢毛髪バカリ↥。是定意、名ケテ↢菩薩超衆行↡。

一 Ⅱ ⅱ b ロ (一)(Ⅱ)偈頌
              (ⅰ)明定意法
                (a)総示

^*一念いちねんりゅうして      このほうしん

シテ↢一念↢是

所聞しょもんしたがひて       *そのほうねん

ヒテ↢所↢其

よろしくねんいつにして   諸想しょそうだんずべし

↣一ニシテ↠念↢諸想

^じょうしんりゅうして       孤疑こぎすることなかれ

シテ↢定信狐疑スルコト

しょうじんぎょうじて       *だいすることなかれ

精進ジテ↢懈怠スルコト

一 Ⅱ ⅱ b ロ (一)(Ⅱ)(ⅰ)(b)別顕
                  (イ)正誡諸念

^そうとに      おこすことなかれ ◗◗

↠起スコト↢想↟無

しんねんずることなかれ   退たいねんずることなかれ

↠念ズルコト↠進↠念ズルコト↠退

^ぜんねんずることなかれ   ねんずることなかれ

↠念ズルコト↠前↠念ズルコト↠後

ねんずることなかれ   ねんずることなかれ

↠念ズルコト↠左↠念ズルコト↠右

^ねんずることなかれ   ねんずることなかれ

↠念ズルコト↠無↠念ズルコト↠有

0606おんねんずることなかれ   ごんねんずることなかれ

↠念ズルコト↠遠↠念ズルコト↠近

^つうねんずることなかれ   ようねんずることなかれ

↠念ズルコト↠痛↠念ズルコト↠痒

0650ねんずることなかれ   かつねんずることなかれ

0876↠念ズルコト↠飢↠念ズルコト↠渇

^かんねんずることなかれ   ねつねんずることなかれ

↠念ズルコト↠寒↠念ズルコト↠熱

ねんずることなかれ   らくねんずることなかれ

↠念ズルコト↠苦↠念ズルコト↠楽

^しょうねんずることなかれ   ろうねんずることなかれ

↠念ズルコト↠生↠念ズルコト↠老

びょうねんずることなかれ   ねんずることなかれ

↠念ズルコト↠病↠念ズルコト↠死

^みょうねんずることなかれ   寿じゅねんずることなかれ

↠念ズルコト↠命↠念ズルコト↠寿

びんねんずることなかれ   ねんずることなかれ

↠念ズルコト↠貧↠念ズルコト↠富

^ねんずることなかれ   せんねんずることなかれ

↠念ズルコト↠貴↠念ズルコト↠賎

しきねんずることなかれ   よくねんずることなかれ

↠念ズルコト↠色↠念ズルコト↠欲

^しょうねんずることなかれ   だいねんずることなかれ

↠念ズルコト↠小↠念ズルコト↠大

ちょうねんずることなかれ   たんねんずることなかれ

↠念ズルコト↠長↠念ズルコト↠短

^こうねんずることなかれ   しゅうねんずることなかれ

↠念ズルコト↠好↠念ズルコト↠醜

あくねんずることなかれ   ぜんねんずることなかれ

↠念ズルコト↠悪↠念ズルコト↠善

^0607しんねんずることなかれ   ねんずることなかれ

↠念ズルコト↠瞋↠念ズルコト↠喜

ねんずることなかれ   ねんずることなかれ

↠念ズルコト↠坐↠念ズルコト↠起

^ぎょうねんずることなかれ   ねんずることなかれ

↠念ズルコト↠行↠念ズルコト↠止

きょうねんずることなかれ   ほうねんずることなかれ

↠念ズルコト↠経↠念ズルコト↠法

^ねんずることなかれ   ねんずることなかれ

↠念ズルコト↠是↠念ズルコト↠非

しゃねんずることなかれ   しゅねんずることなかれ

↠念ズルコト↠捨↠念ズルコト↠取

^そうねんずることなかれ   しきねんずることなかれ

↠念ズルコト↠想↠念ズルコト↠識

だんねんずることなかれ   じゃくねんずることなかれ

↠念ズルコト↠断↠念ズルコト↠著

^くうねんずることなかれ   じつねんずることなかれ

↠念ズルコト↠空↠念ズルコト↠実

きょうねんずることなかれ   じゅうねんずることなかれ

↠念ズルコト↠軽↠念ズルコト↠重

^なんねんずることなかれ   ねんずることなかれ

↠念ズルコト↠難↠念ズルコト↠易

じんねんずることなかれ   せんねんずることなかれ

↠念ズルコト↠深↠念ズルコト↠浅

^こうねんずることなかれ   きょうねんずることなかれ

↠念ズルコト↠広↠念ズルコト↠狭

ねんずることなかれ   ねんずることなかれ

↠念ズルコト↠父↠念ズルコト↠母

^さいねんずることなかれ   ねんずることなかれ

↠念ズルコト↠妻↠念ズルコト↠子

0608しんねんずることなかれ   ねんずることなかれ

↠念ズルコト↠親↠念ズルコト↠疎

^ぞうねんずることなかれ   あいねんずることなかれ

↠念ズルコト↠憎↠念ズルコト↠愛

とくねんずることなかれ   しつねんずることなかれ

↠念ズルコト↠得↠念ズルコト↠失

^じょうねんずることなかれ   はいねんずることなかれ

↠念ズルコト↠成↠念ズルコト↠敗

しょうねんずることなかれ   じょくねんずることなかれ

↠念ズルコト↠清↠念ズルコト↠濁

^諸念しょねんて       いちねん

チテ↢諸念一期

みだるることなかれ

意勿↠乱ルルコト

一 Ⅱ ⅱ b ロ (一)(Ⅱ)(ⅰ)(b)(ロ)重勧精勤

             ^つねにしょうじんして

精進ニシテ

歳計さいけいすることなかれ    むことなかれ

↢歳計スルコト↢日ムコト

^*一念いちねんりゅうして      *ちゅうこつすることなかれ

シテ↢一念↢中忽スルコト

睡眠すいめんのぞきて       そのこころしょうにせよ

キテ↢睡眠ニセヨ↢其

一 Ⅱ ⅱ b ロ (一)(Ⅱ)(ⅱ)明助道行

^つねにひとしょして    *じゅすることなかれ

シテ↢聚会スルコト

悪人あくにん         ぜんちか

↢悪人ヅキ↢善友

^*みょうしたしみて     ることぶつのごとくせよ

ミテ↢明師ルコトクセヨ↠仏

そのこころざしりて     つねに柔弱にゅうにゃくなれ

リテ↢其柔弱ナレ

0651^びょうどうを          一切いっさいかんぜよ

0877ゼヨ↢平等於一切

0609きょう         親族しんぞくとお

↢郷里ザケ↢親族

^愛欲あいよくてて       清浄しょうじょう

テテ↢愛欲↢清浄

無為むいぎょうじて       諸欲しょよくだん

ジテ↢無為↢諸欲

^らんてて       *定行じょうぎょうなら

テテ↢乱意↢定行

*もんがくすること     かならずぜんのごとくせよ

スルコト↢文慧クセヨ↠禅

^*さんのぞき       *ろくにゅう

↢三穢↢六入

*婬色いんじき        衆愛しゅあいはなるべし

↢婬色ルベシ↢衆愛

^ざいとんじて        おおちくしゃくすることなかれ

↢貪ジテ↠財畜積スルコト

*そくねんじて       あじむさぼることなかれ

ジテ↢知足↠貪ルコト↠味

^しゅじょういのち         つつしみてじきすることなかれ

衆生ミテ↠食スルコト

ほうのごとくにして   *じきすることなかれ

クニシテ↠法↢綺飾スルコト

^*調じょうすることなかれ   きょうまんすることなかれ

↢調戯スルコト↢憍慢スルコト

*だいすることなかれ    *こうすることなかれ

↢自大スルコト↢貢高スルコト

^もしきょうかば      まさにほうのごとくすべし

カバ↠経↠如クス↠法

もとりょうするに     なほまぼろしのごと

スルニ↢身ナホ↠幻

^0610*受陰じゅおんすることなかれ   *にゅうかいすることなかれ

↢受陰スルコト↢入界スルコト

*おんぞくのごとし      *じゃのごとし

↠賊↠蛇

^じょうなし        *怳忽こうこつなす

↢無常↢怳忽

つねしゅなし        *ほんなりとりょう

↢常主↡↢本無ナリト

^因縁いんねんをもつてし     因縁いんねんをもつてさん

因縁ヲモテ因縁ヲモテ

ことごとくこれをりょうするに ほんなりとれども

スルニ↠是レドモ↢本無ナリト

^あい          一切いっさいくわ

↢慈哀於一切

びんほどこし        *げんを済ふ

↢貧窮↢不還

一 Ⅱ ⅱ b ロ (一)(Ⅱ)(ⅲ)

^これをじょうとなす     さつ ぎょう

↠定菩薩行

ようなり       しゅぎょうえたりº

至要ナリエタリト↢衆行

一 Ⅱ ⅱ b ロ (二)明所念現前
            (Ⅰ)修行相貌
              (ⅰ)承上起下

【8】 ^(般舟三昧経・意) ぶつばつげたまはく、 ªこのぎょうほうたもてばすなはち三昧さんまい現在げんざい諸仏しょぶつことごとくまえにましましてちたまふ

仏告ゲタマハク↢跋陀和↡、持テバ↢是行法↡便↢三昧↡、現在諸仏悉シテ↠前チタマフ

一 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅰ)(ⅱ)明其修相

^比丘びく比丘尼びくに優婆うばそく優婆夷うばいありて、 ほうのごとくしゅぎょうせんとせばかいまつたくし、 ひと一処いっしょとどまり西方さいほう弥陀みだぶつねんぜよ。 いまげんにかしこにまします所聞しょもんしたがひてまさにねんずべし。 ここをることじゅう万億まんおく*仏刹ぶっせつなり、 そのくに*しゅだいづく0611

リテ↢比丘・比丘尼・優婆塞・優婆夷↡、如↠法修行セムトセバ、持戒完、独一処リテゼヨ↢西方阿弥陀仏↡。今現↠彼。随ヒテ↢所聞↡当↠念。去ルコト↠此十万億仏刹ナリ、其↢須摩提↡。

一 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)三昧得成

^一心いっしんにこれをねんずること一日いちにちいち、 もしは七日しちにちしちすべし。 七日しちにち をはりてのちこれをたてまつらん。 たとへばひとゆめのうちにるところのごとし。 ちゅうらず、 またないらずくらきなかにありて*へいするところある がゆゑにざるがごとくにはあらず

一心ズルコト↠之一日一夜、若シハ七日七夜スベシ。過↢七日↡已リテ後見タテマツラム↠之。譬ヘバ↢人↟見。不↠知↢昼夜↡、亦不↠知↢内外↡。不↠由クニハ↧在リテ↢冥↡有ルガ↠所↢蔽礙スル↡故ルガ↞見。

^ばつ0652しゅつねにこのねんをなすとき諸仏しょぶつきょうがいのなかもろもろの大山だいせんしゅせん、 そのあらゆる*ゆうみょうところ 、 ことごとくために*かいしてへいするところなし。 このしゅ天眼てんげんちててっするにあらずてんちててっちょうするにあらず、 神足じんそくちてその仏刹ぶっせついたるにあらず、 このけんおいおわりてかのけんしょうるにあらず、 すなはちここにおいてしてこれをるº

跋陀0878和、四衆常↢是↡時、諸仏境界大山・須弥山、其アラユ幽冥之処、悉開避シテ↠所↢蔽礙スル↡。是四衆↧持チテ↢天眼↡徹視スルニ↥。不↧持チテ↢天耳↡徹聴スルニ↥。不↧持チテ↢神足↡到ルニ↦其仏刹↥、不↧於↢此↡終リテズルニ↦彼↥、便↠此シテ↠之

一 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅲ)定中咨決

^ぶつ のたまはく、 ªしゅこのけんこくおい弥陀みだぶつねんぜよもつぱらねんるがゆゑにこれをたてまつることを。 すなはちへ。 «いかなるほうたもちてかこのくにしょうずることをる» と。 弥陀みだぶつこたへてのたまはく、 «らいしょうせんとほっせば、 まさにわがねんずべし。 そくすることあることなくは、 すなはちらいしょうすることを»º

仏言、四衆於↢此国土↡念ゼヨ↢阿弥陀仏↡。専ズルガ得↠見タテマツルコトヲ↠之。即。持チテカ↢何ナル↡得↠生ズルコトヲ↢此↡。阿弥陀仏報、欲セバ↢来生セムト↡者、当↠念↢我↡。莫クハ↠有ルコト↢休息スルコト↡、即ムト↢来生スルコトヲ↡。

一 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅳ)今仏重釈

^ぶつのたまはく、 ª専念せんねんするがゆゑにおうじょう。 つねに仏身ぶっしんにはさんじゅうそう*はちじゅう種好しゅこうありておくこうみょうてっしょうし、 *たんじょう無比むひにして、 さつそうのなかにましましてほうきたまふことねんずべし。 しき0612することなかれ。 なにをもつてのゆゑに。 しきせざるがゆゑに、 ぶつ色身しきしんねんずるによるがゆゑに、 この三昧さんまいº」

仏言、専念スルガ得↢往生↡。常ズベシ↧仏身ニハ三十二相・八十種好アリテ、巨億光明徹照、端正無比ニシテ、在シテ↢菩薩僧↡説キタマフコトヲ↞法。莫↠壊スルコト↠色。何テノ。不ルガ↠壊↠色ルガ↠念ズルニ↢仏色身↡故、得↢是三昧↡。」

一 Ⅱ ⅱ

^じょう念仏ねんぶつ三昧ざんまいほうかす。

已上↢念仏三昧↡。

一 Ⅱ 合示入道場等法
      正明別時法【入道場法】
        択浄舎

【9】 ^三昧さんまいどうじょうらんとほっするときもつぱらぶっきょう方法ほうほうによれ。 づすべからくどうじょう*りょう 尊像そんぞうあん香湯こうとうをもつて*掃灑そうしゃすべし。 もし仏堂ぶつどうきも、 じょうぼうあらば また たり。 掃灑そうしゃすることほうのごとくしいち仏像ぶつぞうりて西にしかべあんせよ

スル↠入ラムト↢三昧道場↡時、一↢仏教方法↡。先↧料↢理道場↡、安↢置シテ尊像↡、香湯ヲモテ掃灑↥。若キモ↢仏堂↡有ラバ↢浄房↡亦得タリ。掃灑スルコトクシ↠法、取リテ↢一仏像↡西安置セヨ

一 Ⅱ ⅲ a 示時節

^ぎょうじゃとうつき一日いちにちより八日はちにちいたり、 あるいは八日はちにちよりじゅうにちいたり、 あるいはじゅうにちよりじゅうさんにちいたり、 あるいはじゅうさんにちよりさんじゅうにちいたるまでつき四時しじわかつは*なりぎょうじゃとうみづから*ごう軽重きょうじゅうはか 、 このときのうちにおいてじょうりてとうぎょうぜよ

行者等従↢月一日↡至↢八日↡、或イハ↢八日↡至↢十五日↡、或イハ↢十五日↡至↢二十三日↡、或イハ↢二十三日↡至ルマデ↢三十日↡、月ツハ↢四時↡佳ナリ。行者等自↢家業軽重↡、於↢此↡入リテ↠浄ゼヨ↠道

一 Ⅱ ⅲ a 明資用

^もしは一日いちにちよりすなはち七日しちにちいたるまで、 ことごとくじょう もち *鞋靺かいまつまたしんじょうなるもちゐよ。 七日しちにちのうちみな、 *一食いちじきじょうさいもちゐよ。 なんびょうぼんずいしょうさい*けん*せつりょうすべし。

シハ一日ヨリルマデ↢七日↡、尽↢浄衣↡、鞋靺亦須ヰヨ↢新浄ナルヲ↡。七日之中皆、須ヰヨ↢一食長斎↡。軟餅・麁飯、随時醤菜倹素節量スベシ

一 Ⅱ ⅲ a 正修三昧

^どう0653じょうのなかにおいて、 ちゅうしんたば相続そうぞくして専心せんしん弥陀みだぶつねんぜよ。 しんしょう相続そうぞくして、 ただし、 ただりゅう 七日しちにちのあひだ 睡眠すいめんすることざれ。 またときによりてぶつらいし、 きょうじゅすべからず。 じゅまたるべからず。 ただがっしょうして0613ぶつねんずとり、 念々ねんねん見仏けんぶつおもいをなせ。

↢道場0879↡、昼夜↠心、相続シテ専心ゼヨ↢阿弥陀仏↡。心与↠声相続シテ、唯坐、唯立、七日之間不↠得↢睡スルコトヲ↡。亦不↠須カラ↢依リテ↠時↠仏、誦↟経。数珠亦不↠須カラ↠捉。但知↢合掌シテズト↟仏、念念↢見仏↡。

^ぶつ のたまはく、 「弥陀みだぶつしん金色こんじきしんこうみょうてっしょうたんじょう無比むひにして心眼しんげんまえまします想念そうねんせよ

仏言、想↣念セヨト阿弥陀仏真金色身、光明徹照、端正無比ニシテ、在スト↢心眼↡。

^まさしくぶつねんずるとき、 もしりゅうせばすなはちりゅうしていちまんまんねんじ、 もしせばすなはちしていちまんまんねんぜよ。 どうじょうのうちにおいこうべまじへてひそかにかたことざれ。

シクズル↠仏時、若セバシテ↢一万・二万↡、若セバシテゼヨ↢一万・二万↡。於テハ↢道場↡、不↠得↢交ヘテ↠頭ルコトヲ↡。

一 Ⅱ ⅲ a 明懴悔発願

【10】^ちゅう あるいは*さんろく諸仏しょぶつ一切いっさい*げんじょう*天曹てんそう*地府じふ一切いっさい*業道ごうどう表白ひょうびゃくして、 いっしょうよりこのかた *しん口意くいごう所造しょぞう衆罪しゅざい*ほつさんせよ

昼夜或イハ三時・六時、表↢白シテ諸仏、一切賢聖、天曹・地府、一切業道↡、発↢露懴↣悔セヨ一生ヨリ已来身口意業所造衆罪↡。

^じつによりてさんしをはりて、 またほうによりてぶつねんよ。 所見しょけんきょうがいたやすくくことをぜんならばみづからり、 あくならばさんせよしゅにく*しんちかひてがんおこしてらざれ、 くちらはざれ。 もしこのせば、 すなはちしんともに悪瘡あくそうんとがんぜよ。

事依リテ↠実懴悔リテ、還リテ↠法ゼヨ↠仏。所見境界不↠得↢タヤスクコトヲ↡。善ナラバ者自、悪ナラバ者懴悔セヨ。酒・肉・五辛、誓ヒテシテ↠願↠捉、口↠喫。若セバ↢此↡即ゼヨ↣身口ケムト↢悪瘡↡。

^あるいは ¬*弥陀みだきょう¼ をじゅすることじゅう万遍まんべんたさんとがんぜよ日別にちべつぶつねんずることいち万遍まんべんきょうじゅすること日別にちべつじゅうへん 、 あるいはじゅすることじっぺん三十さんじっぺんちからしょうまかすべし。 じょうしょうずることをちかひ、 ぶつ*しょうじゅがんぜよ。

イハゼヨ↧誦スルコト↢¬阿弥陀経¼↡満タサムト↦十万遍↥。日別ズルコト↠仏一万遍、誦スルコト↠経日別十五遍、或イハスルコト二十遍・三十遍、任スベシ↢力多少↡。誓↠生ズルコトヲ↢浄土↡、願ゼヨ↢仏摂受↡。

一 Ⅱ ⅲ 因弁終時儀【臨終行儀】
        明行儀

【11】^またぎょうじゃとうもしはみ、 まざる も、 命終みょうじゅうせんとほっするとき、 もつぱらかみ0614念仏ねんぶつ三昧ざんまいほうによりて、 身心しんしんしょうとうにしておもてめぐらして西にしかへて、 しんまたせんちゅうして弥陀みだぶつ 観想かんそう しん相応そうおうして声々しょうしょうゆることなけつじょうしておうじょうおもい *だいしょうじゅきたりて*こうしょうするおもいなせ

又行者等若シハ、不ルモ↠病、欲スル↢命終セムト↡時、一リテ↢上念仏三昧↡、正↢当ニシテ身心↡、廻シテ↠面ヘテ↠西、心亦専注シテ観↢想阿弥陀仏↡、心口相応シテ声声莫↠絶スルコト、決定シテ↢往生想、華台聖衆来リテ迎接スル↡。

一 Ⅱ ⅲ b 験得失

^びょうにんもしさききょうば、 すなはちかんびょうひとかひてけ。 すでにくをきをは0654らば、 すなはちせつによりてろくせよ。 またびょうにんもしかたることあたはずは、 かんびょうひとかならずすべからくしばしばびょうにんふべし、 いかなるきょうがいをかると。 もし罪相ざいそうかば、 ぼう にんすなはちために念仏ねんぶつ たすけて おなじくさんしてかならずつみめっせしめよ。 もしつみめっすることば、 だいしょうじゅねんおうじて現前げんぜんたまはん。 さきじゅんじてしょうすべし

病人若↢前↡、即ヒテ↢看病↡説。既↠説クヲ0880ラバ、即リテ↠説録記セヨ。又病人若↠能↠語ルコト者、看病人必↣数数問↢病人↡、見タルト↢何ナル境界ヲカ↡。若カバ↢罪相↡、傍人即念仏ジク懴悔シテメヨ↢罪滅↡。若↢罪滅スルコトヲ↡、華台聖衆応ジテ↠念現前シタマハム。準ジテ↠前抄記スベシ

一 Ⅱ ⅲ b 避障縁

^またぎょうじゃとう*眷属けんぞく*六親ろくしんもしきたりてかんびょうせば、 しゅにくしんじきひとをあらしむることなかれ。 もしあらば、 かならずびょうにんへんかふことをざれ。 すなはちしょうねんうしなひ、 じんきょうらんし、 *びょうにんきょうしてさん悪道まくどうせんねがはくはぎょうじゃとうよくみづからつつしみてぶっきょう奉持ぶじ おなじく見仏けんぶつ因縁いんねんをなせ。

又行者等、眷属六親若リテ看病セバ、勿↠令ムルコト↠有↧食セル↢酒・肉・五辛↡人↥。若ラバ↠得↠向フコトヲ↢病人↡。即↢正念↡、鬼神交乱、病人狂死シテセム↢三悪道↡。願クハ行者等好謹慎 ツツシ ミテ奉↢持仏教↡、同ジク↢見仏因縁↡。

一 Ⅱ ⅲ

^ぜんはこれにゅうどうじょうおよびかんびょうにん法用ほうゆうなり。

已前是入道場及看病人法用ナリ

【五縁功徳分】
  標章目

【12】^きょうによりて*しゅ ぞうじょうえんかす一巻いっかん

リテ↠経↢五種増上縁↡一巻。

釈章門
    標経述意

・標経

¬*りょう寿じゅきょう¼ によるいち

↢¬無量寿経¼↡一。

0615¬*じゅうろっかんぎょう¼ によ

↢¬十六観経¼↡二。

¬*四紙しし弥陀みだきょう¼ によさん

↢¬四紙阿弥陀経¼↡三。

¬*般舟はんじゅ三昧ざんまいきょう¼ によ

↢¬般舟三昧経¼↡四。

¬*じゅうおうじょうきょう¼ によ

↢¬十往生経¼↡五。

¬*じょう三昧さんまいきょう¼ によろく

↢¬浄土三昧経¼↡六。

【述意】

【13】^つつしみてしゃぶつおしえろくおうじょうきょうとうによりて、 弥陀みだぶつしょうねんしてじょうしょうんとがんずるもの、 げん0655しょうにすなはち*延年えんねん転寿てんじゅて、 *おうなんはざることをけんみょうす。 一々いちいちつぶさにしもえんのなかにくがごとし。

ミテリテ↢釈迦仏教、六部往生経等↡、顕↧明称↢念シテ阿弥陀仏↡願ズル↠生ゼムト↢浄土↡者、現0881↢延年転寿↡、不ルコトヲ↞遭↢九横之難↡。一一具ニハ↢下五縁義クガ↡。

二 Ⅱ 問答列名

・問

 ^ひていはく、 ぶつ一切いっさいしゅじょうだいしんおこして西方さいほう弥陀みだ仏国ぶっこくしょうぜんとがんぜよすすめたまふ

ヒテ、仏勧メタマフ↧一切衆生シテ↢菩提心↡願ゼヨト↞生ゼムト↢西方阿弥陀仏国↡。

^また 弥陀みだぞうつくりて*しょうよう礼拝らいはいし、 こうようし、 にち 観想かんそうしてえざれとすすめたまふ

又勧メタマフ↧造リテ↢阿弥陀↡称揚礼拝、香華供養日夜観想シテレト↞絶

^また もつぱら弥陀みだぶつみなねんぜよとすすめたまふに一万いちまんまん三万さんまんまんないじゅうまんするものあり、 あるいは ¬弥陀みだきょう¼ をじゅせよとすすめたまふにじゅうじゅうさんじゅうじゅうないいっぴゃくして、 じゅう万遍まんべんつるものあり

又勧メタマフニ↣専ゼヨト↢弥陀仏↡、一万・二万・三万・五万、乃至十万スルアリ、或イハメタマフニ↠誦セヨト↢¬弥陀経¼↡、十五・二十・三十・五十、乃至一百シテ、満ツル↢十万遍↡者アリ

^げんしょうなんのどくをかる。 ひゃくねん捨報しゃほう以後いごなんのやくかある。 じょうしょうずることをやいなや。

現生↢何功徳ヲカ↡。百年捨報已後、有↢何利益↡。得↠生ズルコトヲ↢浄土以不 イナ 

・答

^こたへていはく、 げんしょうおよび捨報しゃほうけつ0616じょうしてだいどくやくあり。

ヘテ、現生及捨報決定シテ↢大功徳利益↡。

二 Ⅱ 正釈義門

 ^ぶっきょうじゅんしてしゅぞうじょうやく因縁いんねんけんみょうせん。

准↢依シテ仏教↡顕↢明セム五種増上利益因縁↡。

^いち滅罪めつざいぞうじょうえんねんとく長命じょうみょうぞうじょうえんさん見仏けんぶつぞうじょうえんせっしょうぞうじょうえん証生しょうしょうぞうじょうえんなり

者滅罪増上縁、二者護念得長命増上縁、三者見仏増上縁、四者摂生増上縁、五者証生増上縁ナリ

二 Ⅱ 【滅罪縁】
        標章

【14】^*滅罪めつざいぞうじょうえんといふは、

↢滅罪増上縁↡者、

二 Ⅱ ⅲ a 釈引
          (一)下三品文

・下品上生

^すなはち ¬かんぎょう¼ ぼん上生じょうしょうひとのごときは、 いっしょうつぶさにじゅうあくじゅうざいつくる。 そのひとやまいせんとほっするに、 ぜんしきおしへて弥陀みだぶつしょうすることいっしょうせしむるにすなはちじゅうおくこうしょうじゅうざい除滅じょめつす。 すなはちこれげんしょう滅罪めつざいぞうじょうえんなり

キハ↢¬観経¼下品上生↡、一生具↢十悪重罪↡。其人得↠病スルニ↠死セムト、遇↧善知識ヘテスルコト↢弥陀仏↡一声セシムルニ↥。即除↢滅五十億劫生死重罪↡。即是現生滅罪増上縁ナリ

・下品中生

 ^またぼん中生ちゅうしょうひとのごときは、 いっしょうつぶさに仏法ぶっぽうのなかのつみつくる。 *さいかいし、 仏法ぶっぽうそうもつ食用じきゆうしてさんしょう。 そのひとやまいせんとほっするに、 ごくしゅいちにともにいたる。 ぜんしきために弥陀みだ0656ぶつ身相しんそうどくこくしょうごんくに罪人ざいにんきをはりてすなはちはちじゅうおくこうしょうつみのぞ ごくすなはちめっす。 またこれげんしょう滅罪めつざいぞうじょうえんなり

又如キハ↢下品中生↡、一生具↢仏法↡。破↠斎↠戒、食↢用シテ仏法僧物↡不↠生懴愧↡。其人得↠病スルニ↠死セムト、地獄衆火一時。遇↣善知識クニ↢弥陀0882身相功徳、国土荘厳↡。罪人聞リテ↢八十億劫生死之罪↡、地獄即。亦是現生滅罪増上縁ナリ

・下品下生

 ^またぼんしょうひとのごときは、 いっしょうつぶさに*ぎゃくごくじゅうつみつくる。 ごく*経歴きょうりゃくしてくることきわまりな罪人ざいにんやまいせんとほっするに、 ぜんしき0617おしへて弥陀みだぶつみなしょうすることじっしょうせしむるにふ。 声々しょうしょうのうちにおいてはちじゅうおくこうしょうじゅうざい除滅じょめつす。 これまたこれげんしょう滅罪めつざいぞうじょうえんなり

又如キハ↢下品下生↡、一生具↢五逆極重之罪↡。経↢歴シテ地獄↡受クルコト↠窮。罪人得↠病スルニ↠死セムト、遇↧善知識、教ヘテスルコト↢弥陀仏↡十声セシムルニ↥。於↢声声↡除↢滅八十億劫生死重罪↡。此亦是現生滅罪増上縁ナリ

二 Ⅱ ⅲ a ロ (二)観想滅罪文

・依変起想

【15】^またもしひとありて、 ¬かんぎょう¼ とうによりて*じょう しょうごんへんぞうして、 にちほう観想かんそうすれば、 げんしょう念々ねんねんはちじゅうおくこうしょうつみ除滅じょめつす。

又若リテ↠人、依リテ↢¬観経¼等↡画↢造シテ浄土荘厳↡、日夜観↢想スレバ宝地↡者、現生念念除↢滅八十億劫生死之罪↡。

・就境修観 ・宝樹観等

 ^またきょうによりてへんえが宝樹ほうじゅほう宝楼ほうろうしょうごん観想かんそうすれば、 げんしょうりょうおくそうこうしょうつみ除滅じょめつす。

又依リテ↠経↠変、観↢想スレバ宝樹・宝池・宝楼荘厳↡者、現生除↢滅無量億阿僧祇劫生死之罪↡。

・就境修観 ・華座荘厳観

 ^また*華座けざしょうごん かんによりて、 にち観想かんそうすれば、 げんしょう念々ねんねんじゅうおくこうしょうつみ除滅じょめつす。

又依リテ↢華座荘厳観↡、日夜観想スレバ者、現生念念除↢滅五十億劫生死之罪↡。

・就境修観 ・像観等

 ^またきょうによりて*像観ぞうかん*真身しんしんかん*観音かんのんせいとうかん観想かんそうすれば、 げんしょう念々ねんねんのうちにおいてりょうおくこうしょうつみ除滅じょめつす。

又依リテ↠経観↢想スレバ像観・真身観・観音・勢至等↡、現生↢念念↡除↢滅無量億劫生死之罪↡。

^かみ所引しょいんのごときは、 ならびにこれげんしょう滅罪めつざいぞうじょうえんなり。

キハ↢上所引↡、並是現生滅罪増上縁ナリ

二 Ⅱ ⅲ 【護念縁】
        標章

【16】^0657また*ねんぞうじょうえんといふは、

0883↢護念増上縁↡者、

二 Ⅱ ⅲ b 釈引
          (一)観経普観文

^すなはち*だいじゅうかん (観経・意) のなかにきてのたまふがごとし。 「もしひとありて、 一切いっさいしょにちしんいたして弥陀みだじょう*ほうしょうごん観想かんそう 、 もしはざるも、 りょう寿じゅぶつ しゅぶつ化作けさ観音かんのんだいせいまたしゅしんをなして、 つねにこのぎょうにんところらいしたまふ0618。 またこれげんしょうねんぞうじょうえんなり。

↢第十二キテフガ↡。若リテ↠人、一切時処、日夜シテ↠心観↢想弥陀浄土二報荘厳↡、若シハ見、不ルモ↠見、無量寿仏化↢作無数化仏↡、観音・大勢至亦作シテ↢無数化身↡、常来↢至シタマフト行人之所↡。亦是現生護念増上縁ナリ

二 Ⅱ ⅲ b ロ (二)流通文

 ^また ¬かんぎょう¼ (意)しももんのごとし。 「もしひとありてしんいたしてつねに弥陀みだぶつおよびさつねんずれば、 観音かんのんせいつねにぎょうにんのために*しょうしきとなりて *随逐ずいちくようしたまふ。 これまたこれげんしょうねんぞうじょうえんなり

又如↢¬観経¼下↡。「若リテ↠人至シテ↠心ズレバ↢阿弥陀仏及二菩薩↡、観音・勢至常↢行人↡、作リテ↢勝友知識↡、随逐影護シタマフト。」此亦是現生護念増上縁ナリ

二 Ⅱ ⅲ b ロ (三)真身観文

 ^まただい*真身しんしんかん (観経・意)きてのたまふがごとし。弥陀みだぶつ金色こんじきしんなり。 *毫相ごうそうこうみょうあまねく十方じっぽうしゅじょうらす。 もうひかりまたあまねくしゅじょうらす。 *円光えんこうまたあまねくしゅじょうらす。 はちまんせん相好そうごうとうひかりまたあまねくしゅじょうらす。

又如↢第九真身観キテフガ↡。「弥陀仏金色ナリ。毫相光明遍↢十方衆生↡。身毛孔光亦遍↢衆生↡。円光亦遍↢衆生↡。八万四千相好等光亦遍↢衆生↡。

^またさきごとき身相しんそうとうひかり 一々いちいちにあまねく十方じっぽうかいらすに、 ただもつぱら弥陀みだぶつねんしゅじょうのみありて、 かのぶつ心光しんこうつねにこの人をらして、 *しょうしてたまはず」 そうじて*雑業ぞうごうぎょうじゃ照摂しょうしょうすることをろんぜず。 これまたこれげんしょうねんぞうじょうえんなり

又如↠前身相等光一一スニ↢十方世界↡、但有リテ↧専ズル↢阿弥陀仏↡衆生ノミ↥、彼心光常シテ↢是↡、摂護シテ↠捨テタマハ。」総ジテ不↠論↣照↢摂スルコトヲ雑業行者↡。此亦是現生護念増上縁ナリ

二 Ⅱ ⅲ b ロ (四)十往生経文

【17】^また ¬じゅうおうじょうきょう¼ (意)きたまふがごとし。ぶつ山海さんかいさつおよび*なんげたまはく、 ªもしひとありてもつぱら西方さいほう弥陀みだぶつねんおうじょうがんれば、 われいまより以去いこつねに*じゅうさつをしてぎょうじゃようせしめて、 あく悪神あくじんをしてぎょうじゃ悩乱のうらんせしめず、 にちにつねに安穏あんのんなることしむ0619º」 。 これまたこれげんしょうねんぞうじょうえん0658なり

又如↢¬十往生経¼説キタマフガ↡。「仏告ゲタマハク↢山海慧菩薩及以 オヨビ 阿難↡、若リテ↠人専ジテ↢西方阿弥陀仏↡願ズレバ↢往生↡者、我従↠今已去、常使メテ↣二十五菩薩ヲシテ影↢護行者↡、不↠令↣悪鬼・悪神ヲシテ悩↢乱行者↡、日夜シムト↢安穏ナルコトヲ↡。」此亦是現生護念増上0884ナリ

二 Ⅱ ⅲ b ロ (五)弥陀経文

【18】^また ¬弥陀みだきょう¼ (意)きたまふがごとし。 「もしなん女人にょにんありて、 七日しちにちしち および一しょうつくして、 一心いっしんもつぱら弥陀みだぶつねんおうじょうがんずれば、 このひと、 つねに六方ろっぽうごうしゃとうぶつともにきたりてねんしたまふことを。 ゆゑにねんぎょうづく」 ねんぎょうこころは、 またもろもろの*あくじんをして*便たよりをしめず、 またおうびょうおうおう厄難やくなんあることなく、 一切いっさいさいしょうねんしょうさんす。 しんならざるのぞく。 これまたこれげんしょうねんぞうじょうえんなり

又如↢¬弥陀経¼説キタマフガ↡。「若リテ↢男子・女人↡、七日七夜、及シテ↢一生↡、一心ジテ↢阿弥陀仏↡願ズレバ↢往生↡者、此人、常得↢六方恒河沙等仏共リテ護念シタマフコトヲ↡。故クト↢護念経↡。」護念経意者、亦不↠令↢諸悪鬼神ヲシテ得↟便、亦無↣横病・横死、横ルコト↢厄難↡、一切災障自然消散。除↠不ルヲ↢至心ナラ↡。此亦是現生護念増上縁ナリ

二 Ⅱ ⅲ b ロ (六)般舟経文

【19】^また ¬般舟はんじゅ三昧ざんまいきょう¼ の 「ぎょうぼん(意) のなかにきてのたまふがごとし。ぶつばつげたまはく、 ªもしひとありて、 七日しちにちしちどうじょうのうちにありて、 しょ えん すいじょ 一心いっしんもつぱら弥陀みだぶつしん金色こんじきしんねんて、 あるいは一日いちにち三日さんにち七日しちにち、 あるいは七日しちにちろくしち七日しちにち、 あるいはひゃくにちいたり、 あるいはいっしょうつくして、 しんいたして観仏かんぶつし、 およびしょう 心念しんねんすれば、 ぶつすなはちしょうじゅしたまふº」 。 すでにしょうじゅこうむる。 さだめてりぬ、 つみめっしてじょうしょうずることを

又如↢¬般舟三昧経¼「行品」中キテフガ↡。「仏告ゲタマハク↢跋陀和↡、若リテ↠人、七日七夜在リテ↢道場↡、捨↢諸縁↡、除↢去睡臥↡、一心ジテ↢阿弥陀仏真金色↡、或イハ一日・三日・七日、或イハ二七日・五・六・七七日、或イハ↢百日↡、或イハシテ↢一生↡、至シテ↠心観仏、及口称・心念スレバ者、仏即摂受シタマフト。」既↢摂受↡。定メテリヌ、罪滅シテ得↠生ズルコトヲ↢浄土↡。

^ぶつ のたまはく、 ªもしひともつぱらこのねん弥陀みだぶつ三昧ざんまいぎょうずれば、 つねに一切いっさい諸天しょてんおよび*てん大王だいおうりゅうじんはち随逐ずいちくようし、 *あい0620ぎょう相見そうけんすることをて、 ながもろもろのあくじんさいしょう厄難やくなんもつよこさま悩乱のうらんくわふることなしº」 (般舟三昧経・意) 。 つぶさに 「*護持ごじぼん」 のなかにきたまふがごとし。 これまたこれげんしょうねんぞうじょうえんなり

「仏言、若人専ズレバ↢此念弥陀仏三昧↡者、常↢一切諸天及四天大王・竜神八部随逐影護愛楽相見スルコトヲ↡、永シト↣諸悪鬼神、災障・厄難ヲモテフルコト↢悩乱↡。」具↢「護持品」中キタマフガ↡。此亦是現生護念増上縁ナリ

二 Ⅱ ⅲ b ロ (七)潅頂経文

【20】^また ¬*かんじょうぎょう¼ によるにだいかん (意)きてのたまはく、 「もしひと*さん*かいじゅすれば、 ぶつ*天帝てんたいしょくしたまはく、 ªなんぢ、 天神てんじんろくじゅういちにんつかしてにち年月ねんがつ受戒じゅかいひと随逐ずいちくしゅして、 もろもろのあくじん0659をしてよこさまにあひ悩害のうがいすることをしむることなかれº」 と。 これまたこれげんしょうねんぞうじょうえんなり

又依ルニ↢¬潅頂経¼↡、第三巻キテ、「若人受↢持スレバ三帰・五戒↡者、仏勅シタマハク↢天帝↡、汝ツカハ0885シテ↢天神六十一人↡日夜年月随↢逐守↣護シテ受戒之人↡、勿レト↠令ムルコト↠獲↢諸悪鬼神ヲシテ相悩害スルコトヲ↡。」此亦是現生護念増上縁ナリ

二 Ⅱ ⅲ b ロ (八)浄土三昧経文

【21】^また ¬*じょう三昧さんまいきょう¼ にきてのたまふがごとし。 「ぶつびょうしゃ (*頻婆娑羅) 大王だいおうげたまはく、 ªもしなん女人にょにんありて、 月々つきづき*ろく斎日さいにちおよび*はち王日おうにちにおいて、 天曹てんそう地府じふ一切いっさい業道ごうどうかひて、 しばしばとがあらわして斎戒さいかいじゅすれば、 ぶつ*ろく欲天よくてんのうちょくしたまはく、 «おのおのじゅう善神ぜんじんつかはして、 つねにきたりてかいひと随逐ずいちくしゅせしむ。 またもろもろのあくじんよこさまきたりて悩害のうがいすること あらしめず。 またおうびょうもうさいしょうなく、 つねに安穏あんのん»º」 と。 これまたこれげんしょうねんぞうじょうえんなり

又如↢¬浄度三昧経¼説キテフガ↡。「仏告ゲタマハク↢瓶沙大王↡、若リテ↢男子・女人↡、於↢月月六斎日及八王日↡、向ヒテ↢天曹・地府、一切業道↡、数数アラハシテ↠過受↢持スレバ斎戒↡者、仏勅シタマハク↢六欲天王↡、各ツカハシテ↢二十五善神↡、常リテ随↢逐守↣護セシム持戒之人↡。亦不↠令↠有↢諸悪鬼神リテ悩害スルコト↡。亦無↢横病・死亡・災障↡、常シムト↢安穏↡。」此亦是現生護念増上縁ナリ

二 Ⅱ ⅲ b ロ (九)承上重述文

062122】^またもろもろのぎょうじゃにまうさく、 ただこんじょうにち相続そうぞくしてもつぱら弥陀みだぶつねんじ、 もつぱら ¬弥陀みだきょう¼ をじゅし、 じょうしょうじゅしょうごんしょうよう礼讃らいさんしてしょうずることをがんぜんとほっするものにして日別にちべつきょうじゅすることじゅうへんじゅうさんじっぺんじょうのもの、 あるいはじゅすることじゅうじゅうひゃっぺんじょうのものがんじてじゅう万遍まんべんたせ。

又白サク↢諸行者↡、但欲スル↧今生日夜相続シテ↢弥陀仏↡、専↢¬弥陀経¼↡、称↢揚礼↣讃シテ浄土聖衆荘厳↡願ゼムト↞生ズルコトヲニシテ、日別スルコト↠経十五遍、二十・三十遍已上者、或イハスルコト四十・五十・百遍已上、願ジテタセ↢十万遍↡。

^また弥陀みだじょうしょうほうしょうごんしょうよう礼讃らいさんし、 また三昧さんまいどうじょうるをのぞきて、 日別にちべつ弥陀みだぶつねんずること一万いちまんして、 *ひつみょう相続そうぞくするものは、 すなはち弥陀みだねんこうむりてざいしょうのぞくことを。 またぶつしょうじゅとつねにきたりてねんしたまふことをこうむる。 すでにねんこうむりぬれば、 すなはち延年えんねん転寿てんじゅ長命じょうみょう安楽あんらくなることを

又称↢揚礼↣讃弥陀浄土依正二報荘厳↡、又除キテ↠入ルヲ↢三昧道場↡、日別ズルコト↢弥陀仏↡一万シテ、畢命相続スル、即リテ↢弥陀加念↡得↠除クコトヲ↢罪障↡。又蒙↧仏与↢聖衆↡常リテ護念シタマフコトヲ↥。既リヌレバ↢護念↡、即得↢延年転寿、長命安楽ナルコトヲ↡。

^因縁いんねん一々いちいちつぶさに ¬*譬喩ひゆきょう¼・¬*ゆい三昧さんまいきょう¼・¬じょう三昧さんまいきょう¼ とうきたまふがごとし。 これまたこれげんしょうねんぞうじょうえんなり

因縁一一具ニハ↢¬譬喩経¼・¬惟無三昧経¼・¬浄度三昧経¼等キタマフガ↡。此亦是現生護念増上縁ナリ

二 Ⅱ ⅲ 【見仏縁】
        標章

【23】^また*見仏けんぶつ三昧ざんまいぞうじょうえんといふは、

0886↢見仏三昧増上縁↡者、

二 Ⅱ ⅲ c 正釈
          (一)総釈見仏義
            (Ⅰ)先出経証

^すなはち ¬かんぎょう¼ (意)きてのたまふがごとし。 「*摩竭まがだいこく おうにん0660だいづく。 つねにないにあり、 つねにぶつ (釈尊)たてまつらんとがんじて、 はるかにしゃ崛山くっせんかひて、 きゅうしてきょうらいす。 ぶつはるかにねんて、 すなはちせんより もっしておうしゅつげんしたま0622

↢¬観経¼説キテフガ↡。「摩竭提国王夫人↢韋提希↡。毎リテ↢宮内↡、願ジテ↢常タテマツラムト↟仏、遥ヒテ↢耆闍崛山↡、悲泣シテ敬礼。仏遥リテ↠念、即↢耆山↡没シテ王宮出現ジタマフ

^にんすでにこうべげてすなはちそんたてまつるに、 金色こんじきにしてほうれんしたまひ、 目連もくれんなん左右さう*りゅうしゃくぼんくうのぞみてさんじてようす。 にんぶつたてまつりてげてげ、 ごうきゅうしてぶつかひてあわれみをもとめてさんす。 ªただねがはくは如来にょらい (釈尊)、 われおしへて清浄しょうじょう 業処ごっしょかんぜしめたまへº」

夫人已ゲテ↠頭タテマツルニ↢世尊↡、身紫金色ニシテシタマヒ↢宝蓮華↡、目連・阿難立↢侍左右↡、釈・梵臨ミテ↠空ジテ↠華供養。夫人見タテマツリテ↠仏ゲテ↠身↠地、号泣シテヒテ↠仏メテ↠哀ミヲ懴悔。唯願クハ如来、教ヘテ↠我ゼシメタマヘト↢於清浄業処↡。」

二 Ⅱ ⅲ c ロ (一)(Ⅱ)正釈申

・就文総示

^またこの経証きょうしょうのごときは、 ただにんのみしん いたりて見仏けんぶつするにあらず、 またらいぼんのためにおしえおこせり。 ただしんたてまつらんとがんずる ものありて、 もつぱらにんによりてしんいたしてぶつおくすれば、 さだめてたてまつること うたがいなし。 これすなはちこれ弥陀みだぶつ三念さんねん願力がんりき ほかにするがゆゑに見仏けんぶつせしめたまふことを

又如キハ↢此経証↡、非↢直夫人ノミ心至リテ見仏スルニ↡、亦与↢未来凡夫↡起セリ↠教但使 タダ リテ↢心ズル↠見タテマツラムト者↡、一リテ↢夫人↡至シテ↠心スレバ↠仏、定メテタテマツルコト↠疑。此即是弥陀仏三念願力外スルガ得↠令メタマフコトヲ↢見仏↡。

・別出三力

^三力さんりきといふは、 すなはち ¬般舟はんじゅ三昧ざんまいきょう¼ (意)きてのたまふがごとし。 「いちだい誓願せいがんりきをもつてねんしたまふがゆゑに見仏けんぶつすること三昧さんまいじょうりきをもつてねんしたまふがゆゑに見仏けんぶつすることさんほんどくりきをもつてねんしたまふがゆゑに見仏けんぶつすること

↢三力↡者、即↢¬般舟三昧経¼説キテフガ↡。一者以↢大誓願力↡加シタマフガ↠念得↢見仏スルコトヲ↡。二者以↢三昧定力↡加シタマフガ↠念得↢見仏スルコトヲ↡。三者以↢本功徳力↡加シタマフガ↠念↢見仏スルコトヲ↡。

二 Ⅱ ⅲ c ロ (一)(Ⅲ)例下文

^以下いげ見仏けんぶつえんのなかも、 この例同れいどうす。 ゆゑに見仏けんぶつ三昧ざんまいぞうじょうえんづく。

已下見仏縁、例↢同↡。故↢見仏三昧増上縁↡。

二 Ⅱ ⅲ c ロ (二)別引経証
            (Ⅰ)問答略示

【24】^ひていはく、 にん福力ふくりきごうしょうにして、 ぶつねんこうむるがゆゑに見仏けんぶつす。 まっ0623ぽうしゅじょう*ざいけんじんじゅうなり、 なにによりてかにん同例どうれいすることをん。 またこの甚深じんじん広大こうだいなり。 一々いちいちにつぶさにぶつきょうきてもつて明証みょうしょうなせ

ヒテ、夫人福力強勝ニシテ、蒙ルガ↢仏加念↡故見仏。末法衆生罪深重ナリ、何リテカ↧与↢夫人↡同例スルコトヲ↥。又此義者甚深広大ナリ。一一キテ↢仏経↡以↢明証↡。

^こたへていはく、 ぶつはこれ*三達さんだつしょうにん*六通ろくつうしょうなり。 かんじておしえそな浅深せんじんえらびたまはず。 ただまことすれば、 なんぞたてまつらざることをうたがはん。

ヘテ、仏是三達聖人、六通無障ナリ。観ジテ↠機↠教、不↠択ビタマハ↢浅深↡。但使 タダ スレバ↠誠、何ハム↠不0887ルコトヲ↠見タテマツラ

二 Ⅱ ⅲ c ロ (二)(Ⅱ)広引諸文
              (ⅰ)観於西方文

^すなはち ¬かんぎょう¼ (意)しもきてのたまふがごとし。 「ぶつだいさんたまはく、 ªこころよくこのへり。 なん じゅしてひろ0661しゅのためにぶつ宣説せんぜつすべし。 如来にょらい (釈尊) いまだいおよびらい一切いっさいしゅじょうおしへて西方さいほう極楽ごくらくかいかんぜし仏願ぶつがんりきをもつてのゆゑにかのこくこと明鏡みょうきょうりてみづから面像めんぞうるがごとくならんº」

↢¬観経¼下キテフガ↡。「仏讃ジタマハク↢韋提↡、快ヘリ↢此↡。阿難、受持シテ↢多衆↡宣↢説スベシ仏語↡。如来今者 イマ ヘテ↢韋提希及未来世一切衆生↡観ゼシム↢於西方極楽世界↡。以テノ↢仏願力↡故ルコト↢彼国土↡、如クナラムト↧執リテ↢明鏡↡自ルガ↦面像↥。」

^またこのきょうをもつてしょうす。 またこれ弥陀みだぶつ三力さんりき ほかにするがゆゑに見仏けんぶつすること。 ゆゑに見仏けんぶつじょう三昧ざんまいぞうじょうえんづく。

又以↢此↡証。亦是弥陀仏三力外スルガ得↢見仏スルコトヲ↡。故↢見仏浄土三昧増上縁↡。

二 Ⅱ ⅲ c ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)見彼国土文

【25】^またしもの ¬きょう¼ (観経・意) にのたまふがごとし。 「ぶつだいげたまはく、 ªなんぢはこれぼんにして心想しんそうまたれつなり、 とおることあたはず。 諸仏しょぶつ如来にょらい*ぜん方便ほうべんましまして、 なんぢらをして しむることをいたすº にんぶつにまうしてまうさく、 ªわれいま仏力ぶつりきによるがゆゑにかのこくたてまつる。 ぶつ0624めつのもろもろのしゅじょうとうのごときはじょくあくぜんにして五苦ごくめら。 いかん極楽ごくらくかいることをº

又如↢下¬経¼云フガ↡。「仏告ゲタマハク↢韋提↡、汝是凡夫ニシテ心想又劣ナリ、不↠能↢遠ルコト↡。致スト↠使ムルコトヲ↧諸仏如来シテ善方便↡、令↢汝等↡見↥。夫人白シテ↠仏、我今因ルガ↢仏力↡故タテマツル↢彼国土↡。若キハ↢仏滅後衆生等↡、濁悪不善ニシテ五苦↠逼。云何ムト↠見ルコトヲ↢極楽世界↡。

^ぶつすなはち げてのたまはく、 ªだいなんぢおよびしゅじょう専心せんしんおもいて、 西方さいほう*瑠璃るり地下じげ一切いっさい*宝幢ほうどうじょう衆宝しゅぼう室内しつないしょうごんとうおもふべしº」 専心せんしんこころとどむれば、 またかみにんどうじてることをべし

仏即ゲテ、韋提、汝及衆生専心ケテ↠念、想フベシト↢於西方瑠璃地下一切宝幢、地上衆宝、室内荘厳等↡。専心ムレバ↠意、亦同ジテ↢上夫人↡得ベシ↠見ルコトヲ

^すなはちのたまはく (観経・意)、 「一々いちいちにこれをかんじてきはめて了々りょうりょうならしめよ。 閉目へいもく開目かいもくみなることをしむ。 かくのごとくおもふものをづけてけんとなす。 これを*覚想かくそう ちゅうけんといふ。 ゆゑにけんといふ。 もしじょうしん三昧ざんまいおよびしょう三昧ざんまいれば、 心眼しんげんすなはちひらけてかのじょう一切いっさいしょうごんること、 くともじんすることなし」

、一一ジテ↠之メヨ↢了了ナラ↡。閉目開目皆令↠得↠見ルコトヲ。如↠此クノケテ↢粗見↡。此↢覚想中↡。故↢粗見↡。レバ↢定心三昧及口称三昧↡者、心眼即ケテルコト↢彼浄土一切荘厳↡、説クトモシト↢窮尽スルコト↡也。」

^またこのきょうをもつてしょうす。 一切いっさいぼんただしんかたむれば、 さだめてけんあり、 るべし。 たとひ見聞けんもんのものありとも、 *きょうするもちず。 なにをもつてのゆゑに。 すなはち弥陀みだぶつ三昧さんまいりき ほかにするによるゆゑにることを。 ゆゑに見仏けんぶつじょう三昧ざんまいぞうじょうえんづく。

又以↢此↡証。一切凡夫但使 タダ クレバ↠心、定メテ↢見義↡、応↠知。設リトモ↢見聞者↡、不↠須↢驚怪スルヲ↡也。何テノ。乃ルガ↢弥0888陀仏三昧力外スルニ↡故得↠見ルコトヲ。故↢見仏浄土三昧増上縁↡。

二 Ⅱ ⅲ c ロ (二)(Ⅱ)(ⅲ)得見無量寿文

【26】^0662またしも華座けざかん (観経・意) のなかにきてのたまふがごとし。ぶつなんだいげたまはく、 ªぶつまさになんぢがためにのうのぞほうくべし。 0625んぢまさにひろ大衆だいしゅのために分別ふんべつせつすべしº このきたまふときりょう寿じゅぶつ観音かんのんせいこえおうじて来現らいげんしてくうちゅう住立じゅうりゅうしたまふ

又如↢下華座観キテフガ↡。「仏告ゲタマハク↢阿難・韋提↡、仏当↧為↠汝↦除苦悩↡法↥。汝当シト↧広↢大衆↡分別解説↥。説キタマフ↢是↡時、無量寿仏、観音・勢至応ジテ↠声来現シテ住↢立シタマフ空中↡。

^だいたてまつりてすなはちらいす。 らいしをはりてしゃぶつにまうしてまうさく、 ªわれいま仏力ぶつりきによるがゆゑにりょう寿じゅぶつおよびさつたてまつることをたり。 仏滅ぶつめつのもろもろのしゅじょうとうのごときは、 いかん弥陀みだぶつおよびさつ観見かんけんしたてまつるべきº

韋提見タテマツリテ。礼リテシテ↢釈迦仏↡言、我今因ルガ↢仏力↡故タリ↠見タテマツルコトヲ↢無量寿仏及二菩薩↡。若キハ↢仏滅後衆生等↡、云何観↢見シタテマツルベキト阿弥陀仏及二菩薩↡。

^ぶつすなはちげてのたまはく、 ªなんぢおよびしゅじょうかのぶつたてまつらんとほっば、 まさに想念そうねんおこすべし。 七宝しっぽううえれんおもいをなせ。 そうじょうじをはりなば、 つぎにまさにぶつ (阿弥陀仏)おもふべし。 ぶつおもとき、 このしんすなはちさんじゅうそうになるとおもへ。 頂上ちょうじょうよりしも*跏趺坐かふざいたるこのかた、 *一々いちいち身分しんぶんまたみなこれをおもへ。 心想しんそうしたがひて、 とき仏身ぶっしんすなはちげんずº」

仏即ゲテ、汝及衆生欲セバ↠観タテマツラムト↢彼↡者、当↠起↢想念↡。七宝↢蓮華↡。華想成リナバ、次↠想↠仏。想↠仏時、是心即↠作ルト↢三十二相↡。従↢頂上↡下至↢跏趺坐↡已来、一一身分亦皆想↠之。随ヒテ↢心想↡、時仏身即ズト。」

^これはこれ弥陀みだ三力さんりき ほかにしてすなはち見仏けんぶつすること。 また見仏けんぶつ三昧ざんまいぞうじょうえんづく。

是弥陀三力外シテ得↢見仏スルコトヲ↡。亦名↢見仏三昧増上縁↡。

二 Ⅱ ⅲ c ロ (二)(Ⅱ)(ⅳ)先当想像文

【27】^またしもの ¬きょう¼ (観経・意) にのたまふがごとし。 「かのぶつおもふものづまさにぞうおもふべし。 いち金像こんぞうるに、 かのじょうしたまへり。 すでに想見そうけんしをはりて、 心眼しんげんすなはちひらき、 了々りょうりょうぶんみょう かのくに一切いっさいしょうごん0626およ。 これまたこれ弥陀みだ三力さんりき ほかにするゆゑに見仏けんぶつす。 ゆゑに見仏けんぶつ三昧ざんまいぞうじょうえんづく。

又如↢下¬経¼云フガ↡。「想↢彼↡者、先↠想↠像。見ルニ↢一金像↡、坐シタマヘリ↢彼華上↡。既想見リテ、心眼即、了了分明ブト↠見ルニ↢彼一切荘厳↡。」此亦是弥陀三力外スルガ見仏。故↢見仏三昧増上縁↡。

二 Ⅱ ⅲ c ロ (二)(Ⅱ)(ⅴ)次想二菩薩等文

 ^またしもの ¬きょう¼ (観経・意) にのたまふがごとし。 「つぎさつ (観音・勢至) およびもろもろのこうみょうおもへ。 了々りょうりょうとしてる。 このときぎょうじゃすなはち三昧さんまいじょう ちゅうにおいて、 まさにすいこうみょうしょうごんとう説法せっぽうこえくべし。 出定しゅつじょう入定にゅうじょうに、 ぎょうじゃつねにみょうほうく」 。 これまたこれ弥陀みだぶつ三力さんりき ほかにするゆゑに見仏けんぶつす。 ゆゑに見仏けんぶつ三昧ざんまいぞうじょう0663えんづく。

又如↢下¬経¼云フガ↡。「次↢二菩薩及光明↡。了了トシテ而見。見↢此↡時、行者即↢三昧定中↡、当↠聞↢水流・光明・荘厳等説法之声↡。出定・入定、行者0889クト↢妙法↡。」此亦是弥陀仏三力外スルガ見仏。故↢見仏三昧増上縁↡。

二 Ⅱ ⅲ c ロ (二)(Ⅱ)(ⅵ)真身観文

【28】^またしも真身しんしんかん (観経・意) のなかにきてのたまふがごとし。 「ぶつなんげたまはく、 ª像観ぞうかんじょうじをはりて、 つぎにさらにりょう寿じゅぶつしんしん金色こんじき けん毫相ごうそう円光えんこうぶつおよび相好そうごうとうひかりかんずべし。 ただまさに憶想おくそうして心眼しんげんをもつてたてまつらしむべし。 をはりて、 すなはち十方じっぽう一切いっさい諸仏しょぶつたてまつる。 ゆゑに念仏ねんぶつ三昧ざんまいづくº」

又如↢下真身観キテフガ↡。「仏告ゲタマハク↢阿難↡、像観成リテ、次ズベシ↢無量寿仏真金色、眉間毫相、円光化仏及相好等↡。但当↣憶想シテ、令↢心眼ヲモテタテマツラ↡。見已リテ、即タテマツル↢十方一切諸仏↡。故クト↢念仏三昧↡。」

^このもんをもつてしょうす。 またこれ弥陀みだぶつ三力さんりき ほかにするゆゑに見仏けんぶつす。 ゆゑに見仏けんぶつ三昧ざんまいぞうじょうえんづく。

↢此↡証。亦是弥陀仏三力外スルガ見仏。故↢見仏三昧増上縁↡。

二 Ⅱ ⅲ c ロ (二)(Ⅱ)(ⅶ)但観白毫文

 ^またしもの ¬きょう¼ (観経・意) にのたまふがごとし。 「ぶつ のたまはく、 ªこのゆゑにしゃ一心いっしんにあきらかにりょう寿じゅぶつかんぜば、 いち相好そうごうよりれ。 ただけんびゃくごう0627かんじてきはめて明了みょうりょうならしむれば、 はちまんせん相好そうごうねんにこれをる。 をはりて、 すなはち十方じっぽう一切いっさい諸仏しょぶつたてまつる。 諸仏しょぶつみまえおいだいじゅせらるº」

又如↢下¬経¼云フガ↡。「仏言、是智者一心ゼバ↢無量寿仏↡、従↢一相好↡入。但観ジテ↢眉間白毫↡極ムレバ↢明了ナラ↡者、八万四千相好自然↠之。見已リテ、即タテマツル↢十方一切諸仏↡。於↢諸仏↡次第授記セラルト。」

^またこのきょうをもつてしょうす。 またこれ弥陀みだぶつ三力さんりき ほかにするゆゑに、 ぼんをして専心せんしんおもはしむることをれば、 さだめて見仏けんぶつすること。 また見仏けんぶつ三昧ざんまいぞうじょうえんづく。

又以↢此↡証。亦是弥陀仏三力外スルガ、得レバ↠令ムルコトヲ↢凡夫ヲシテ専心↡者、定メテ得↢見仏スルコトヲ↡。亦名↢見仏三昧増上縁↡。

二 Ⅱ ⅲ c ロ (二)(Ⅱ)(ⅷ)定散見仏文

【29】^また*観音かんのんせいぞうとうかん、 およびしもぼんひとのごとし。 「いっしょうぎょうすなはち七日しちにち一日いちにちじっしょういっしょうとういたまで、 いのちおわらんとほっするときぶつたてまつらんとがんずるもの、 もしげんしょうすなはちぜんしきひ、 ぎょうにんみづからよくしん弥陀みだぶつしょうねんすれば、 ぶつすなはちしょうじゅだい来現らいげんしたまふ。 ぎょうにんぶつたてまつり、 またしょうじゅだいとう(観経・意)

又如↢観音・勢至・普・雑等観、及九品↡。「一生起行ルマデ↢七日・一日、十声・一声等↡、命欲スル↠終ラムト時願ズル↠見タテマツラムト↠仏者、若シハ現生↢善知識↡、行人自心口称↢念スレバ弥陀仏↡、仏即与↢聖衆・華台↡来現シタマフ。行人見タテマツリ↠仏、亦見0890ムト↢聖衆・華台等↡。」

^またこのきょうをもつてしょうす。 またこれ弥陀みだぶつ三力さんりき ほかにするゆゑに見仏けんぶつすること。 ゆゑに見仏けんぶつ0664三昧ざんまいぞうじょうえんづく。

又以↢此↡証。亦是弥陀仏三力外スルガ得↢見仏スルコトヲ↡。故↢見仏三昧増上縁↡。

二 Ⅱ ⅲ c ロ (二)(Ⅱ)(ⅸ)観経流通文

【30】^またしもの ¬きょう¼ (観経・意) にのたまふがごとし。 「ぶつなんげたまはく、 ªこのきょうかん極楽ごくらくこくりょう寿じゅぶつぎゅうかんおんだいせいさつきょうづく。 なんぢまさにじゅして忘失もうしつせしむることなかるべし。 この三昧さんまいぎょうるものは現身げんしん0628りょう寿じゅぶつおよびさつたてまつることをº」

又如↢下¬経¼云フガ↡。「仏告ゲタマハク↢阿難↡、此↢観極楽国土無量寿仏及観世音大勢至菩薩経↡。汝当↢受持シテカル↟令ムルコト↢忘失↡。行ズル↢此三昧↡者、現身↠見タテマツルコトヲ↢無量寿仏及二菩薩↡。」

^またこのきょうをもつてしょうす。 またこれ弥陀みだぶつ三力さんりき ほかにぼんねんずるものをして*さん心力しんりきじょうずるゆゑに見仏けんぶつすることしむることをいた*じょうしん信心しんじん願心がんしん内因ないいんとなし、 また弥陀みだ*三種さんしゅ願力がんりきてもつてえんとなす。 ない因縁いんねんごうするがゆゑにすなはち見仏けんぶつすること。 ゆゑに見仏けんぶつ三昧ざんまいぞうじょうえんづく。

又以↢此↡証。亦是弥陀仏三力外シテ、致↠使ムルコトヲ↧凡夫ズルヲシテズルガ↢自三心力↡故得↦見仏スルコトヲ↥。至誠心・信心・願心↢内因↡、又藉リテ↢弥陀三種願力↡以↢外縁↡。外内因縁和合スルガ得↢見仏スルコトヲ↡。故↢見仏三昧増上縁↡。

二 Ⅱ ⅲ c ロ (二)(Ⅱ)(ⅹ)般舟経文

・行品文

【31】^また ¬般舟はんじゅ三昧ざんまいきょう¼ (意) にのたまふがごとし。 「ぶつばつさつげたまはく、 ª三昧さんまいあり、 *十方じっぽう諸仏しょぶつ悉在しつざいぜんりゅうづく。 もしくこの三昧さんまいんとほっするものは、 つねにまさにまもりてじゅうしてそう 毛髪もうはつ のごときばかりあることをざるべし

又如↢¬般舟三昧経¼云フガ↡。「仏告ゲタマハク↢跋陀和菩薩↡、有↢三昧↡、名↢十方諸仏悉在前立↡。若スル↣疾ムト↢是三昧↡者、常↢守リテ習持シテ↟得↠有ルコトヲ↧疑想如↢毛髪バカリ↥。

^もし比丘びく比丘びく優婆うばそく優婆うばこの三昧さんまいぎょうがくせんとほっするものは七日しちにちしち睡眠すいめんじょして、 もろもろの乱想らんそう ひと一処いっしょとどまりて、 西方さいほう弥陀みだぶつしんしん金色こんじきにしてさんじゅうそうありこうみょうてっしょうしてたんじょう無比むひるをねんずべしº 一心いっしん観想かんそうして心念しんねんしょう念々ねんねんえざるものは、 ぶつ のたまはく、 ª七日しちにち以後いごにこれをるº

比丘・比丘尼・優婆塞・優婆夷欲スル↣行↢学セムト三昧↡者、七日七夜除↢去シテ睡眠↡、捨↢諸乱想↡、独一処リテ、念ズベシト↢西方阿弥陀仏身、真金色ニシテ三十二相アリ、光明徹照シテ端正無比ナルヲ↡。一心観想シテ心念口称、念念↠絶、仏言、七日已後ルト↠之

・四事品文

^たとへばひとありてよる星宿しょうしゅくるがごとし。 いっしょう すなはちこれ一仏いちぶつなり。 もししゅありてこのかんをなば、 一切いっさいほしるがごとく 、 すなはち一切いっさいぶつたてまつらん

ヘバ↣有リテ↠人夜観ルガ↢星宿↡。一星即是一仏ナリ。若リテ↢四衆↡作0891サバ↢是↡者、見ルガゴトク↢一切↡、即タテマツラムト↢一切↡。」

・結証

^またこのきょう0629をもつてしょうす。 またこれ弥陀みだぶつ三力さんりき0665 ほかにするゆゑに見仏けんぶつす。 三昧さんまい」 といふは、 すなはちこれ念仏ねんぶつぎょうにんしんしょうねんしてさらに雑想ざっそうなく、 念々ねんねん しんとど 声々しょうしょう相続そうぞくすれば、 心眼しんげんすなはちひらけて、 かのぶつ *りょうねんとしてげんじたまふをたてまつることを。 すなはちづけてじょうとな、 また三昧さんまいづく。 まさしく見仏けんぶつするとき、 またしょうじゅおよびもろもろのしょうごんる。 ゆゑに見仏けんぶつじょう三昧ざんまいぞうじょうえんづく。

又以↢此↡証。亦是弥陀仏三力外スルガ見仏↢三昧↡者、即是念仏行人心口称念シテ↢雑想↡、念念住↠心声声相続スレバ、心眼即ケテ、得↠見タテマツルコトヲ↢彼仏了然トシテ而現ジタマフヲ↡。即ケテ↠定、亦名↢三昧↡。正シク見仏スル時、亦見↢聖衆及荘厳↡。故↢見仏浄土三昧増上縁↡。

二 Ⅱ ⅲ c ロ (二)(Ⅱ)(ⅺ)月灯三昧経文

【32】^また ¬*月灯がっとう三昧ざんまいきょう¼ にのたまふがごとし。

又如↢¬月灯三昧経¼云フガ↡。

^ぶつ相好そうごうおよびとくぎょうねんじて よく*諸根しょこんをして乱動らんどうせざらしめ

「念ジテ↢仏相好及徳行使↣諸根ヲシテ↢乱動

しん迷惑めいわくなくほうがっして くことをればること大海だいかいのごとし

↢迷惑↡与↠法合シテレバ↠聞クコトヲルコト↠知↢大海

^しゃこの三昧さんまいじゅうして ねんせっしてぎょうずれ*経行きょうぎょうところにおいて

智者住シテ↢於是三昧シテ↠念ズレバ↢経行

よく千億せんおくのもろもろの如来にょらいたてまつり またりょう恒沙ごうじゃぶつひたてまつる」

タテマツリ↢千億如来亦遇ヒタテマツルト↢無量恒沙↡」

^またこのきょうをもつてしょうす。 またこれ見仏けんぶつ三昧ざんまいぞうじょうえんなり

又以↢此↡証。亦是見仏三昧増上縁ナリ

二 Ⅱ ⅲ c ロ (二)(Ⅱ)(ⅻ)文殊般若経文

【33】^また ¬*文殊もんじゅにゃきょう¼ (意) にのたまふがごとし。 「文殊もんじゅぶつにまうしてまうさく、 ªいかんが*いちぎょう三昧ざんまいづくるº ぶつ のたまはく、 ªもしなん女人にょにん*空閑くうげんところにありて、 もろもろのらんて、 ぶつ*方所ほうしょしたがひてただ しょうこう0630て、 *そうみょうらずもつぱらぶつみょう しょうねんそくすることなければ、 すなはちねんのうちにおいてよくげんらいさん諸仏しょぶつたてまつるº」

又如↢¬文殊波若経¼云フガ↡。「文殊白シテ↠仏、云何クル↢一行三昧↡。仏言、若男子・女人在リテ↢空↡、捨↢諸乱意↡、随ヒテ↢仏方所↡端↠身正向シテ、不↠取↢相貌↡専シテ↢仏名↡、念無ケレバ↢休息スルコト↡、即↢念↡能タテマツルト↢過・現・未来三世諸仏↡。」

^またこのきょうをもつてしょうす。 すなはちこれ諸仏しょぶつ*同体どうたいだい 念力ねんりき *加備かびして めたまふ。 これまたこれぼん見仏けんぶつ三昧ざんまいぞうじょうえんなり

又以↢此↡証。即是諸仏同体大悲、念力加備シテメタマフ↠見。此亦是凡夫見仏三昧増上縁ナリ

二 Ⅱ ⅲ 【摂生縁】
        標章

【34】^また*せっしょうぞうじょうえんといふは、

0892↢摂生増上縁↡者、

二 Ⅱ ⅲ d 釈引
          (一)大経本願文

^すなはち *¬りょう寿じゅきょう¼ (上・意)じゅうはちがんのなかきたまふがごとし。 「ぶつのたまはく、 ªもしわれじょうぶつせんに、 十方じっぽうしゅじょう、 わがくにしょうぜんとがんじて、 わが*みょうしょうすること、 しもじっしょういたるまで、 わが願力がんりきじょうじて、 もししょう0666ずは、 しょうがくらじº」 (第十八願) 。 これすなはちこれおうじょうがんずるぎょうにんいのちおわらんとほっするとき願力がんりきせっしておうじょう。 ゆゑにせっしょうぞうじょうえんづく。

↢¬無量寿経¼四十八願キタマフガ↡。「仏言、若我成仏セムニ、十方衆生、願ジテ↠生ゼムト↢我↡、称スルコト↢我名字↡、下至ルマデ↢十声↡、乗ジテ↢我願力↡、若↠生者、不↠取↢正覚↡。」此即是願ズル↢往生↡行人、命欲スル↠終ラムト時、願力摂シテシム↢往生↡。故↢摂生増上縁↡。

二 Ⅱ ⅲ d ロ (二)皆乗大願等文

 ^またこの ¬きょう¼ (大経)じょうかん (意) にのたまはく、 「もししゅじょうありて西方さいほうりょう寿じゅ仏国ぶっこくしょうずることをるものは、 みな弥陀みだぶつ大願だいがんとう業力ごうりきじょうじてぞうじょうえんとなす」 と。 すなはちしょうなす。 またこれせっしょうぞうじょうえんなり

又此¬経¼上巻、「若リテ↢衆生↡得↠生ズルコトヲ↢西方無量寿仏国↡者、皆乗ジテ↢弥陀仏大願等業力↡為スト↢増上縁↡。」即↠証也。亦是摂生増上縁ナリ

二 Ⅱ ⅲ d ロ (三)三輩往生文

 ^またこの ¬きょう¼ (大経)かん (意)はじめにのたまはく、 「ぶつきたまはく、 ª一切いっさいしゅじょう*こんじょうどうにして*じょうちゅうあり。 そのこんじょうしたがひて、 ぶつ (釈尊)0631すすめてもつぱらりょう寿じゅぶつみな ねんぜしめたまふそのひといのちおわらんとほっするときぶつ (阿弥陀仏)しょうじゅとみづからきたりてこうしょうして、 ことごとくおうじょうº」 。 これまたこれせっしょうぞうじょうえんなり

又此¬経¼下巻、「仏説キタマハク、一切衆生根性不同ニシテ↢上・中・下↡。随ヒテ↢其根性↡、仏皆勧メテゼシメタマフ↢無量寿仏↡。其人命欲スル↠終ラムト時、仏与↢聖衆↡自リテ迎接シテ、尽シムト↢往生↡。」此亦是摂生増上縁ナリ

二 Ⅱ ⅲ d ロ (四)観経往生文

【35】^また ¬かんぎょう¼ だいじゅういっかんおよびしもぼんのごとし。 みなこれぶつせつなり。 *じょうさん ぎょうしゅするひと命終みょうじゅうとき一々いちいちにことごとくこれ弥陀みだそん、 みづからしょうじゅだいとともに授手じゅしゅ こうしょうして、 おうじょうせしめたまふ。 これまたこれせっしょうぞうじょうえんなり

又如↢¬観経¼第十一観及九品↡。皆是仏自説ナリ。修スル↢定散二行↡人、命終時、一一是弥陀世尊、自↢聖衆・華台↡授手迎接シテ、往生セシメタマフ。此亦是摂生増上縁ナリ

二 Ⅱ ⅲ d ロ (五)弥陀経往生文

【36】^また ¬*四紙しし弥陀みだきょう¼ (意) のなかにきたまふがごとし。 「ぶつのたまはく、 ªもしなん女人にょにんありて、 あるいは一日いちにち 七日しちにち一心いっしんもつぱら弥陀みだぶつみな ねんれば、 そのひといのちおわらんとほっするとき弥陀みだぶつもろもろのしょうじゅとみづからきたこうしょうて、 すなはち西方さいほう極楽ごくらくかいおうじょうすることをしめたまふº しゃぶつ のたまはく、 ªわれこのゆゑにこのごんくº」 。 すなはちしょうなす。 これまたこれせっしょうぞうじょうえんなり

又如↢¬四紙弥陀経¼中キタマフガ↡。「仏言、若リテ↢男子・女人↡、或イハ一日・七日、一心ズレバ↢弥陀仏↡、其人命欲スル↠終ラムト時、阿弥陀仏与↢諸聖衆↡自迎接シテ、即0893シメタマフ↣往↢生ズルコトヲ西方極楽世界↡。釈迦仏言、我見ルガ↢是↡故クト↢此↡。」即↠証也。此亦是摂生増上縁ナリ

二 Ⅱ ⅲ d ロ (六)大経第十九願文

【37】^0667またじゅうはちがん (大経・上意) のなかにきてのたまふがごとし。 「たとひわれぶつたらんに、 十方じっぽうしゅじょうだいしんおこし、 もろもろのどくしゅし、 しん0632いたして発願ほつがんしてわがくにしょうんとほっせん。 命終みょうじゅうときのぞみて、 われ大衆だいしゅとそのまえげんぜずしょうがくらじ」 (第十九願) と。 これまたこれせっしょうぞうじょうえんなり

又如↢四十八願キテフガ↡。「設我得タラムニ↠仏、十方衆生、発↢菩提心↡、修↢諸功徳↡、至シテ↠心発願シテセム↠生ゼムト↢我↡。臨ミテ↢命終↡、我不↧与↢大衆↡現↦其↥者不↠取↢正覚↡。」此亦是摂生増上縁ナリ

二 Ⅱ ⅲ d ロ (七)第二十願文

 ^またしもがん (大経・上意) にのたまふがごとし。 「たとひわれぶつたらんに、 十方じっぽうしゅじょう、 わがみょうごうきて、 おもいわがくにしんいたしてこうしてわがくにしょうんとがんぜん。 すいずは、 しょうがくらじ」 (第二十願) 。 これまたこれせっしょうぞうじょうえんなり

又如↢下フガ↡。「設我得タラムニ↠仏、十方衆生、聞キテ↢我名号↡、計↢念↡、至シテ↠心廻向シテゼム↠生ゼムト↢我↡。不↢果遂↡者、不↠取↢正覚↡。」此亦是摂生増上縁ナリ

二 Ⅱ ⅲ d ロ (八)第三十五願文
            (Ⅰ)正引

 ^またしもがん (大経・上意) にのたまふがごとし。 「たとひわれぶつたらんに、 十方じっぽうかい、 それ女人にょにんありて、 わがみょうきて、 かんしんぎょうし、 だいしんおこして、 女身にょしんえんせん。 命終みょうじゅうのちに、 また女身にょしんとならば、 しょうがくらじ」 (第三十五願) と。

又如↢下フガ↡。「設我得タラムニ↠仏、十方世界、其リテ↢女人↡、聞キテ↢我名字↡、歓喜信楽、発シテ↢菩提心↡、厭↢悪セム女身↡。命終之後、復為ラバ↢女身↡者不↠取↢正覚↡。」

二 Ⅱ ⅲ d ロ (八)(Ⅱ)釈義

^にいはく、 すなはち弥陀みだ本願ほんがんりきによるがゆゑに、 女人にょにんぶつみょうごうしょうすれば、 まさしく命終みょうじゅうとき すなはち*女身にょしんてんじてなんとなることを弥陀みだせっし、 さつたすけてほううえせしむ。 ぶつしたがひておうじょうし、 ぶつ*だいりてしょうしょうす。

、乃ルガ↢弥陀本願力↡故、女人称スレバ↢仏名号↡、正シク命終時即ジテ↢女身↡得↠成ルコトヲ↢男子↡。弥陀接↠手、菩薩扶ケテ↠身セシム↢宝華↡。随ヒテ↠仏往生、入リテ↢仏大会↡証↢悟無生↡。

^また一切いっさい女人にょにんもし弥陀みだ*みょう願力がんりきによらずは、 千劫せんごう万劫まんごうごうしゃとうこうにも、 つひに女身にょしんてんずることをべからず、 るべ0633し。 いまあるいは*道俗どうぞくありて 女人にょにんじょうしょうずることをずといはば、 これはこれ妄説もうせつなり、 しんずべから。 またこのきょうをもつてしょうす。 またこれせっしょうぞうじょうえんなり

又一切女人若↠因↢弥陀名願力↡者、千劫・万劫・恒河沙等ニモ、終不↠可カラ得↠転ズルコトヲ↢女身↡、応↠知。今或イハリテ↢道俗↡、云ハバ↢女人不↟得↠生ズルコトヲ↢浄土↡者、此是妄説ナリ、不↠可カラ↠信也。又以↢此↡証。亦是摂生増上縁ナリ

二 Ⅱ ⅲ 【証生縁】
        標章

【38】^また*証生しょうしょうぞうじょうえんといふは、

0894↢証生増上縁↡者、

二 Ⅱ ⅲ e 正釈
          (一)総料簡二縁
            (Ⅰ)明正為凡夫
              (ⅰ)

^ひていはく、 いますでに弥陀みだじゅうはちがん一切いっさいしゅじょうせっしてじょうしょうずることをしむといはば、 いまだらず、 なんらのしゅじょうせっしてかしょうずることをむる。 またこれ何人なんぴと*とくしょうしょうする や。

ヒテ、今既ハバ↧弥陀四十八願、摂シテ↢一切衆生↡得シムト↞生ズルコトヲ↢浄土↡者、未↠知、摂シテカ↢何等衆生↡得シムル↠生ズルコトヲ。又是何人保↢証スル得生↡也。

二 Ⅱ ⅲ e ロ (一)(Ⅰ)(ⅱ)引経答

^こたへていはく、 すなはち0668 ¬かんぎょう¼ (意)きてのたまふがごとし。 「ぶつだいげたまはく、 ªなんぢいまやいなや。 弥陀みだぶつ、 ここをりたまふこととおからず。 なんぢまさにおもいてあきらかにかのくにかんずべし。 じょうごうじょうるものなりまたらい一切いっさいぼんをして、 西方さいほう極楽ごくらくこくしょうずることをめんº」 。 いまこのきょうをもつてしょうす。 ただこれぶつめつぼんぶつ願力がんりきじょうじてさだめておうじょう。 すなはちこれ証生しょうしょうぞうじょうえんなり

ヘテ、即↢¬観経¼説キテフガ↡。「仏告ゲタマハク↢韋提↡、汝今知ルヤ。阿弥陀仏去リタマフコト↠此不↠遠カラ。汝当↣計ケテ↠念↢彼↡。浄業成ズルナリ。亦令メムト↢未来世一切凡夫ヲシテ得↟生ズルコトヲ↢西方極楽国土↡。」今以↢此↡証。但是仏滅後凡夫、乗ジテ↢仏願力↡定メテ得↢往生↡。即是証生増上縁ナリ

二 Ⅱ ⅲ e ロ (一)(Ⅱ)明善悪二性
              (ⅰ)

【39】^またひていはく、 しゃ おしえきてしゅじょう*示悟じごしたまふなんがゆゑぞ一種いっしゅ仏法ぶっぽうにすなはちしんしんありて、 ともにあひ*譏毀ききするはなんの所以ゆえんかある。

又問ヒテ、釈迦説キテ↠教示↢悟シタマフ衆生↡。何一種仏法リテ↢信不信↡、共相譏毀スル者有↢何所以↡。

二 Ⅱ ⅲ e ロ (一)(Ⅱ)(ⅱ)
                (a)正答

^こたへていはく、 ぼん*しょうにそのしゅあり。 いちぜんしょう にんあくしょう にんなり

ヘテ、凡夫機性↢其二種↡。一者善性人、二者悪性人ナリ

二 Ⅱ ⅲ e ロ (一)(Ⅱ)(ⅱ)(b)釈二性

・善性

^0634ぜんしょう にん は、 いちにはきてすなはちあくててぜんぎょうずる善人ぜんにんじゃててしょうぎょうずる善人ぜんにんさんててじつぎょうずる善人ぜんにんててぎょうずる善人ぜんにんててしんぎょうずる善人ぜんにんなり

善性人トハ、一ニハキテテテ↠悪ズル↠善善人、二者捨テテ↠邪ズル↠正善人、三者捨テテ↠虚ズル↠実善人、四者捨テテ↠非ズル↠是善人、五者捨テテ↠偽ズル↠真善人ナリ

^このしゅひともしよくぶつすれば、 すなはちよく自利じり利他りたす。 いえにありてはきょうぎょうじ、 ほかにありてはまたにん*もうにありてはしんぎょうじ、 *ちょうにありてはくんきみつかへてはよくちゅうせつつくす。 ゆゑにしょう 善人ぜんにんづくるなり

五種人若スレバ↠仏、即自利利他。在リテハ↠家↠孝、在リテハ↠外亦利↢他人↡、在リテハ↠望↠信、在リテハ↠朝↢君子↡、ツカヘテハ↠君↢忠節↡。故クル↢自性善人↡也。

・悪性

^あくしょうにんといふは、 いちにはすなはちしんほうじてぎょうずる悪人あくにんしょうほうじてじゃぎょうずる悪人あくにんさんほうじてぎょうずる悪人あくにんじつほうじてぎょうずる悪人あくにんぜんほうじてあくぎょうずる悪人あくにんなり

↢悪性人↡者、一ニハジテ↠真ズル↠偽悪人、二者謗ジテ↠正ズル↠邪悪人、三者謗ジテ↠是ズル↠非悪人、四者謗ジテ↠実ズル↠虚悪人、五者謗ジテ↠善ズル↠悪悪人ナリ

^またこのしゅひともしがんじてぶつせんとほっも、 自利じりすることあたはず、 またにんせず。 またいえにありてはきょう もうにありてはしんちょうにありてはしょうきみつかへてはすなはちつねに*てんにょういだく。 これをちゅうといふ。 またこのひと賢徳げんとく善人ぜんにんうえにおいて、 ただよくやぶじょう、 ただ0669あくのみをる。 ゆゑにしょう悪人あくにんづくるなり

又此五種人若スルモ↢願ジテセムト↟仏、不↠能↢自利0895スルコト↡、亦不↠利↢他人↡。又在リテハ↠家不孝、在リテハ↠望↠信、在リテハ↠朝↢小児↡、ツカヘテハ↠君↢諂佞↡。謂↢之不忠↡。又此人等、於↢他賢徳善人↡、唯能↠是↠非、但見↢他ノミヲ↡。故クル↢自性悪人↡也。

^またかみ諸仏しょぶつげんじょうより人天にんでん六道ろくどう 一切いっさいりょうぜんいたるまで、 これらの悪人あくにんをばそしりてじょくするところなりもろもろの有智うちのもの、 0635るべし。

又上ルマデ↢諸仏・賢聖ヨリ、人天・六道一切良善↡、此等悪人ヲバ所↢譏リテ恥辱スル↡也、諸有智者、応↠知

二 Ⅱ ⅲ e ロ (一)(Ⅱ)(ⅱ)(c)結示

^いま一々いちいちつぶさに善悪ぜんあく しょうひとく。 どう*顕然けんねんなり。 かみといこたへをはりぬ。

今一一↢善悪二性↡。道理顕然ナリ。答↢上↡竟リヌ

二 Ⅱ ⅲ e ロ (二)別就当縁明
            (Ⅰ)十三総告文

【40】^またしもの ¬きょう¼ (観経・意) にのたまはく、 「ぶつだいげたまはく、 ªなんぢおよびしゅじょう専心せんしんおもい一処いっしょて、 西方さいほう地下じげ*金幢こんどうじょう衆宝しゅぼうしょうごんおもふべしº」 しも*じゅうさんがんいたるこのかたは、 そうじてかみ*だいしょうこたへ、 もつて明証みょうしょうとなす。 ˆしゃくそんはˇ 善悪ぜんあくぼんをしてしんぎょうして、 ことごとくおうじょうしめんとほっす。 これまたこれ証生しょうしょうぞうじょうえんなり

又下¬経¼云、「仏告ゲタマハク↢韋提↡、汝及衆生、専心ケテ↢念一処↡、想フベシト↢於西方地下金幢、地上衆宝荘厳↡。」下至↢十三観↡已来タハ、総ジテ↢上韋提二請↡、以↢明証↡。欲↠使メムト↣善悪凡夫ヲシテ廻心起行ジテ、尽得↢往生↡。此亦是証生増上縁ナリ

二 Ⅱ ⅲ e ロ (二)(Ⅱ)宝楼観文

 ^またしもの ¬きょう¼ (観経・意) にのたまふがごとし。 「衆宝しゅぼうこくひゃくおく宝楼ほうろうあり。 その楼閣ろうかくのなかにりょう天人てんにんありて、 てんがくをなす。 この衆音しゅおんのなかに、 みな*ぶっ法僧ぽうそうねんずることく。 このおもいじょうじをはれば、 いのちおわらんとほっするとき、 さだめてかのくにしょうず」 。 またこのきょうをもつてしょうす。 またこれ証生しょうしょうぞうじょうえんなり

又如↢下¬経¼云フガ↡、「衆宝国土↢五百億宝楼↡。其楼閣リテ↢無量天人↡、作↢天伎楽↡。此衆音、皆説↠念ズルコトヲ↢仏法僧↡。此想成レバ、命欲スル↠終ラムト時、定メテズト↢彼↡。」又以↢此↡証。亦是証生増上縁ナリ

二 Ⅱ ⅲ e ロ (二)(Ⅲ)華座観文

 ^またしもの ¬きょう¼ (観経・意) にのたまふがごとし。 「ぶつなんげたまはく、 ªかくのごとき みょうはこれもと法蔵ほうぞう比丘びく願力がんりきしょじょうなり。 もしかのぶつねんぜんとほっば、 まさにづこの華座けざおもいをなすべし。 一々いちいちにこれをかんじてみなぶんみょう0636ならしめよ。 このおもいじょうずるものは、 ひつじょうしてまさに極楽ごくらくかいしょうずべしº」 。 またこのきょうをもつてしょうす。 またこれ証生しょうしょうぞうじょうえんなり

又如↢下¬経¼云フガ↡。「仏告ゲタマハク↢阿難↡、如↠此クノ妙華是本法蔵比丘願力所成ナリ。若セバ↠念ゼムト↢彼↡者、当↣先↢此華座↡。一一ジテ↠之皆令メヨ↢分明ナラ↡。此想成ズル、必定シテシト↠生↢極楽世界↡。」又以↢此↡証。亦是証生増上縁ナリ

二 Ⅱ ⅲ e ロ (二)(Ⅳ)大経下巻文

【41】^また ¬りょう寿じゅきょう¼ (下・意) にのたまふがごとし。 「ぶつなんげたまはく、 ªそれしゅじょうありてかのくにしょうずるものは、 みなことごとく正定しょうじょうじゅじゅうす。 十方じっぽう諸仏しょぶつみなともにかのぶつ讃歎さんだんしたまふもししゅじょうありて、 そのみょうごうきて、 信心しんじんかん0670 すなはち一念いちねんいたるまでせん。 かのくにしょうんとがんずれば、 すなはちおうじょう退転たいてんじゅうすº」 。 またこのきょうをもつてしょうす。 またこれ証生しょうしょうぞうじょうえんなり

0896↢¬無量寿経¼云フガ↡。「仏告ゲタマハク↢阿難↡、其リテ↢衆生↡生ズル↢彼↡者、皆悉↢於正定之聚↡。十方諸仏皆共讃↢歎シタマフ↡。若リテ↢衆生↡、聞キテ↢其名号↡、信心歓喜、乃ルマデセム一念。願ズレバ↠生ゼムト↢彼↡、即↢往生↡住スト↢不退転↡。」又以↢此↡証。亦是証生増上縁ナリ

二 Ⅱ ⅲ e ロ (二)(Ⅴ)観経九品文

【42】^また ¬かんぎょう¼ のぼんにのたまふがごとし。 一々いちいちほんのなかにぐるところのしゅじょうは、 みなこれもしはぶつざい、 もしは仏滅ぶつめつじょくぼんなりぜんしきの、 すすめてしんしょうぜしむるにひて、 かい念仏ねんぶつし、 *じゅきょう礼讃らいさんして けつじょうしておうじょうす。 ぶつ 願力がんりきをもつてことごとくおうじょう。 これまたこれ証生しょうしょうぞうじょうえんなり

又如↢¬観経¼九品フガ↡。一一↠告グル衆生者、皆是若シハ在世、若シハ仏滅後五濁凡夫ナリ。遇ヒテ↢善知識、勧メテムルニ↟生↠信、持戒念仏誦経礼讃シテ、決定シテ往生。以↢仏願力↡尽得↢往生↡。此亦是証生増上縁ナリ

二 Ⅱ ⅲ e ロ (二)(Ⅵ)弥陀経文
              (ⅰ)正引

【43】^また ¬弥陀みだきょう¼ (意) にのたまふがごとし。 「六方ろっぽうおのおのごうしゃとう諸仏しょぶつましまして、 みなしたべてあまねく三千さんぜんかいおおひて、 じょうじつごんきた0637まはªもしはぶつ (釈尊) ざい、 もしは仏滅ぶつめつ一切いっさい造罪ぞうざいぼん、 ただしんめぐらして弥陀みだぶつねんじて、 じょうしょうぜんとがんずれば、 かみひゃくねんつくし、 しも七日しちにち一日いちにちじっしょうさんしょういっしょうとういたるまでいのちおわらんとほっするときぶつしょうじゅとみづからきたこうしょうして、 すなはちおうじょうしむº」

又如↢¬弥陀経¼云フガ↡。「六方シテ↢恒河沙等諸仏↡、皆舒ベテ↠舌ヒテ↢三千世界↡、説キタマハク↢誠実↡、若シハ在世、若シハ仏滅後一切造罪凡夫、但廻シテ↠心ジテ↢阿弥陀仏↡、願ズレバ↠生ゼムト↢浄土↡、上尽↢百年↡、下至ルマデ↢七日・一日、十声・三声・一声等↡、命欲スル↠終ラムト時、仏与↢聖衆↡自迎接シテ、即シムト↢往生↡。」

^かみ六方ろっぽうとうぶつ舒舌じょぜつのごとき、 さだめてぼんのためにしょうをなしたまふつみめっしてしょうずることをと。 もしこのしょうによりてしょうずることをずは、 六方ろっぽう 諸仏しょぶつ舒舌じょぜつひとたびくちよりでて以後いご、 つひにくちかえらずして、 ねん*らんせん。 これまたこれ証生しょうしょうぞうじょうえんなり

キハ↢上六方等舒舌↡、定メテ↢凡夫↡作シタマフ↠証。罪滅シテ↠生ズルコトヲ。若↧依リテ↢此↡得↞生ズルコトヲ者、六方諸仏舒舌、一タビデテ↠口ヨリ已後、終シテ↣還↢入↡、自然壊爛セム。此亦是証生増上縁ナリ

二 Ⅱ ⅲ e ロ (二)(Ⅵ)(ⅱ)述意

【44】^またうやまひて一切いっさいおうじょうにんとうにまうす。 もしこのかば、 すなはちこえおうじてかなしみてなみだあめふらし*連劫れんごう 累劫るいこう にしほねくだきて 仏恩ぶっとんらい報謝ほうしゃして、 *本心ほんしんかなふべし。 あにあへてさらに毛髪もうはつ はばかしんあらんや。

又敬ヒテ↢一切往生人等↡。若カバ↢此↡、即ジテ↠声シミテラシ↠涙、連劫累劫ニシ↠身0897キテ↠骨報↢謝シテ仏恩由来↡、カナフベシ↢本心↡。豈ラムヤ↢毛髪之心↡。

二 Ⅱ ⅲ e ロ (三)結凡聖通入

^またもろもろのぎょうにんとうにまうす。 一切いっさい罪悪ぞうあくぼんすらなほ罪滅ざいめつこうむり、 せっしてしょうずることをしむとしょうす、 いかにいはんやしょうにんしょうぜんとがんじて0671くことをざらんや

↢諸行人等↡。一切罪悪凡夫スラ尚蒙↢罪滅↡証↢摂シテシムト↟生ズルコトヲ、何聖人願ジテ↠生ゼムト而不ラム↠得↠去クコトヲ也。

^じょうらい そうじてさきといに、なんらのしゅじょうせっしてかじょうしょうずることをしむる」 といふことにこたふ。

上来総ジテ↧前、摂シテカ↢何等衆生↡得シムルトイフコトニ↞生ズルコトヲ↢浄土↡。

総結義

^*しゅぞうじょうえんおわりぬ。

五種増上縁義竟リヌ

【結勧修行分】
  総明信謗損益
   

063845】^ひていはく、 しゃしゅつげんして じょくぼんせんがために、 すなはち慈悲じひをもつて、 *じゅうあくいんさんほうすることをかいたまひ、 またびょうどう智慧ちえをもつて、 人天にんでんして弥陀みだ仏国ぶっこくしょうずることをにゅうせしめたまふしょきょう*とんぎょうもん歴然れきねんなり。

ヒテ、釈迦出現シテ、為↠度セムガ↢五濁凡夫↡、即↢慈悲↡、開↣示シタマヒ十悪之因、報↢果スルコトヲ三塗之苦↡、又以↢平等智慧↡、悟↣入セシメタマフ人天廻シテズルコトヲ↢弥陀仏国↡。諸経頓教文義歴然ナリ

^いますなはちひとありて公然こうねんとしてしんぜず、 ともにあひ*誹毀ひきするものは、 いまだらず、 このひとげんしょうおよび死後しごなんの罪報ざいほうをかる。 つぶさにぶっきょうきて、 それがためにしょうをなして*がいしょうじ、 ぶつだいじょうしん してじょうしょうぜしめて、 すなはちやくをなせ

今乃リテ↠人公然トシテ不↠信、共相誹毀スル、未↠知、此人現生及死後↢何罪報ヲカ↡。具キテ↢仏経↡、与↠其シテメテ↧生↢改悔↡、信↢仏大乗↡、廻シテ↦浄土↥、即↢利益↡也。

三 Ⅰ
      略答

^こたへていはく、 ぶつきょうによりてこたふれば、 またこの悪人あくにんかみあくしょうぶんのなかすでにきをはるがごとし

ヘテ、依リテ↢仏経↡答フレバ者、又此悪人↢上五悪性分ルガ↡。

三 Ⅰ ⅱ 引経

^いまただちぶつきょうきてもつて明証みょうしょうなさん。 すなはち ¬じゅうおうじょうきょう¼ (意) にのたまふがごとし。

今直キテ↢仏経↡以サム↢明証↡。即↢¬十往生経¼云フガ↡。

・勧持勧説

^ぶつ山海さんかいさつげたまはく、 ªなんぢいま一切いっさいしゅじょうせんがために、 まさにこのきょうじゅすべしº ぶつまた山海さんかいげたまはく、 ªこのきょうづけて*かん弥陀みだぶつ色身しきしんしょうねんだつ三昧ざんまいきょうとなす。 また*しょ有流うるしょう八難はちなんえんしゅじょうきょうづく。 かくのごとくじゅすべし。

「仏告ゲタマハク↢山海慧菩薩↡、汝今為↠度セムガ↢一切衆生↡、応↣受↢持↡。仏又告ゲタマハク↢山海慧↡、是ケテ↢観阿弥陀仏色身正念解脱三昧経↡。亦名↢度諸有流生死八難有縁衆生経↡。如↠是クノ受持スベシ

・利益広大

^しゅじょうのいまだ念仏ねんぶつ三昧ざんまいえんあらざるものには、 このきょうよくためにだい三昧さんまいもんかいすることをなす。 このきょうよくしゅじょうのためにごくもんづ。 このきょうよくしゅじょうのためにひとがい0639するあくのぞ*殄滅でんめつして*こうことごとくみな安穏あんのんなりº と。 ぶつ山海さんかいげたまはく、 ªわが所説しょせつのごときは、 そのかくのごとしº

衆生↠有↢念仏三昧縁↡者ニハ、是経能↠開スルコトヲ↢大三昧門↡。是経能↢衆生↡閉↢地獄↡。是経能↢衆生↡除↢害スル↠人悪鬼↡殄滅シテ、四向悉0898皆安穏ナリ。仏告ゲタマハク↢山海慧↡、如キハ↢我所説↡、其義如↠是クノ

・毀謗罪重

^山海さんかいぶつにまうしてまうさく、 ªらいしゅじょうおおほうすることらん。 かくのごとひとのちにおいていかんº

山海慧白シテ↠仏、未来衆生多ラム↢誹謗スルコト↡。如↠是クノ之人於↠後云何

^ぶつ のたまはく、 ªのちおいてえんだい 、 あるいは比丘びく比丘尼びくに、 もしはなんもしはにょありて、 このきょう読誦どくじゅすることあるをて、 あるいはあひしんし、 しんほういだかん。 このほうしょうぼう0672によるがゆゑに、 このひと現身げんしんにもろもろのあく重病じゅうびょうて、 *身根しんこんせず。 あるいはろうびょうもうびょう失陰しつおんびょう鬼魅きみじゃきょうふうりょうねつ水腫すいしゅ失心しっしんん。

仏言、於↠後閻浮提、或イハリテ↢比丘・比丘尼、若シハ男若シハ女↡、見↠有ルヲ↣読↢誦スルコト↡、或イハ相瞋恚、心カム↢誹謗↡。縁ルガ↢是謗正法↡故、是人現身↢諸悪重病↡、身根不↠具。或イハ↢聾病・盲病・失陰病・鬼魅・邪狂・風冷・熱痔・水腫・失心↡。

^かくのごときのもろもろのあく重病じゅうびょう世々せせにあらんかくのごとくけて、 坐臥ざが やすからず。 だいしょう便べんまたみなつうぜず。 しょうもともとむる。 このきょうほうずるがゆゑに、 くることかくのごとし。

↠是クノ悪重病、世世ラム↠身↠是クノケテ↠苦、坐臥不↠安カラ。大小便利亦皆不↠通。求↠生ムルニ↠死不↠得。謗ズルガ↢是↡故、受クルコト↠苦↠是クノ

^あるときしてのちごくして八万はちまんごうのうちにだいのう ひゃくせんまんいまだかつて水食すいじきざらん。 このきょうほうずるゆゑに、 つみることかくのごとし。

或時シテシテ↢於地獄↡八万劫↢大苦悩↡、百千万世ニモラム↣曽↢水食之名↡。謗ズルガ↢是↡故、得ルコト↠罪↠是クノ

^あるときづることをて、 うまれてにんちゅうにあるもちょようとなりて、 ひとのためにころされてだいのうけん。 このきょうほうずるためのゆゑなり。

或時↠出ズルコトヲ、生レテルモ↢人中↡、作リテ↢牛・馬・猪・羊↡、為↠人↠殺ケム↢大苦悩↡。為↠謗ズルガ↢是↡故ナリ

^のち人身にんじんも、 つねにせんしょうじてひゃくせん0640まんざいず、 ひゃく千万せんまん三宝さんぼうみょうざらん。 このきょうほうずるためのゆゑに、 くることかくのごとし。

ルモ↢人身↡、常ジテ↢下賎↡百千万世ニモ不↠得↢自在↡、百千万世ニモラム↠見↢三宝名字↡。為↠謗ズルガ↢是↡故、受クルコト↠苦↠是クノ

・簡弁弘説

^このゆゑに無智むちひとのなかにしてこのきょうくことなかれ。 しょうかんしょうねんなるかくのごとひと、 しかしてのちためにけ。 *彼此ひしこのきょううやまはざれば、 ごくす。 彼此ひし敬重きようじゅうすれば、 しょうだつ弥陀みだ仏国ぶっこくおうじょうすº」

無智ニシテ↠説クコト↢是↡。正観・正念ナル↠是クノ之人ニハ、然シテ。彼此不レバ↠敬↢是↡、堕↢於地獄↡。彼此敬重スレバ、得↢正解脱↡往↢生スト阿弥陀仏国↡。」

三 Ⅰ ⅱ 結証

^いままたこのきょうをもつてしょうす。 ゆゑにりぬ、 *きょうのもの、 ぶっ損益そんやくむなしからず、 るべし。 つぶさにさきといこたへをはりぬ。

今又以↢此↡証。故リヌ、毀敬之者、仏記損益不↠虚シカラ、応↠知。具↢前↡竟リヌ

別勧依経修行
    明念仏功能超絶
     

【46】^またふ。 もし仏滅ぶつめつ一切いっさい善悪ぜんあくぼんだいしんおこして弥陀みだ仏国ぶっこくしょうぜんとがんずるものにちしんけてこのいっしょうおわるまで、 *しょうかんらいさんし、 こうをもつて弥陀みだぶつおよび観音かんのんしょうじゅじょうしょうごん ようし、 念々ねんねん 観想かんそうして、 三昧さんまいあるいはじょうじ、 いまだじょうぜざるものげんしょうなんのどくる。 つぶさにぶつきょうきてもつて明証みょうしょうなせ修学しゅがくぎょうにんをしてかんあいぎょうし、 信受しんじゅぎょうせしめんとほっ

又問。若仏滅後一切善悪凡夫、発シテ↢菩提心↡願ズル↠生ゼムト↢弥陀仏国↡者、日夜0899ケテ↠心ルマデ↢此一生↡、称・観・礼・讃、香華ヲモテ供↢養阿弥陀仏及観音聖衆、浄土荘厳↡、念念観想シテ、三昧或イハ、未↠成、現生↢何功徳ヲカ↡。具キテ↢仏経↡以↢明証↡。欲↠令メムト↢修学行人ヲシテ歓喜愛楽、信受奉行↡。

三 Ⅱ ⅰ
        先嘆所問

^こたへていはく、 こころよくこのへり。 すなはちこれ六道ろくどうしょういんぎょう閉絶へいぜつ0673して、 ながじょうらくじょう*要門ようもんひらく。 ただ 弥陀みだがんかなふのみにあらず、 またすなはち諸仏しょぶつあまねくみなおなじくよろこびたまふ

ヘテ、快ヘリ↢斯↡。即是閉↢絶シテ六道生死之因行↡、永↢常楽浄土之要門↡也。非↢直弥陀カナフノミニ↟願、亦乃諸仏普皆同ジクビタマフ

三 Ⅱ ⅰ b 正引経証

^いまきょうにより0641てつぶさにこたふれば、 すなはち ¬般舟はんじゅ三昧ざんまいきょう¼ (意)きたまふがごとし。

今依リテ↠経フレバ者、即↢¬般舟三昧経¼説キタマフガ↡。

・法説

^ぶつばつさつげたまはく、 ªこの念仏ねんぶつ三昧ざんまいのなかにおいて、 四事しじようあり。 飲食おんじきぶく臥具がぐ湯薬とうやくなり。 それをたすけてかんせしめよ過去かこ諸仏しょぶつもこのねん弥陀みだぶつ三昧ざんまいたもちて、 四事しじをもつてたすけてかんせしめてみなじょうぶつまへり。 現在げんざい十方じっぽう諸仏しょぶつまたこの念仏ねんぶつ三昧ざんまいたもちて、 四事しじをもつてたすけてかんせしめてみなぶつたまへりらい諸仏しょぶつまたこの念仏ねんぶつ三昧ざんまいたもちて、 四事しじをもつてたすけてかんせしめてみなぶつたまふº

「仏告ゲタマハク↢跋陀和菩薩↡、於↢是念仏三昧↡、有↢四事供養↡。飲食・衣服・臥具・湯薬ナリ。助ケテ↠其歓喜セシメヨ。過去諸仏チテ↢是念阿弥陀仏三昧↡、四事ヲモテケテ歓喜セシメテ皆得タマヘリ↢成仏↡。現在十方諸仏亦持チテ↢是念仏三昧↡、四事ヲモテケテ歓喜セシメテ皆得タマヘリ↢作仏↡。未来諸仏亦持チテ↢是念仏三昧↡、四事ヲモテケテ歓喜セシメテ皆得タマフト↢作仏↡。

・譬説

^ぶつばつげたまはく、 ªこのねん弥陀みだぶつ三昧ざんまい四事しじじょかん、 われこの三昧さんまいのなかにおいて、 そのしょうきて念仏ねんぶつどく*きょうせん 。 たとへば人寿にんじゅひゃくさいならん、 またうまれてよりすなはちよくぎょうそうすることろういたるまで疾風しっぷうぎたがごとし。 ひとありてよくその*どうはかるやいなやº と。 ばつまうさく、 ªよくはかるものなº

仏告ゲタマハク↢跋陀和↡、是念阿弥陀仏三昧四事助歓喜、我於↢是三昧↡、説キテ↢其少喩↡比↢校セム念仏功徳↡。譬ヘバ↣人寿百歳ナラム、亦生レテヨリ行走スルコトルマデ↠老ギタルガ↢於疾風↡。有リテ↠人能ルヤ↢其道里以不 イナ 。跋陀和言、無シト↢能者↡。

^ぶつ のたまはく、 ªわれさらになんぢおよびもろもろのさつとうかたる。 もしぜんなん女人にょにん、 このひとぎょうしょ なかに*著満ちょまんせる珍宝ちんぽうりてもつて布施ふせするに、 るところどくひとありてこのねん弥陀みだぶつ三昧ざんまいきて、 四事しじをもつてようしてたすけてかんしむるどくにはしかかみ布施ふせするものに0642ぎたることせん万億まんおくばいなり。 また*きょうにあらずº と。

仏言、我↢汝及菩薩等↡。若善男子・女人、取リテ↧是行処、著↢満セル↡珍宝以用布施スルニ、所↠得功徳、不↠如↧有リテ↠人聞キテ↢是念阿弥陀仏三昧↡、四事ヲモテ供養シテケテ歓喜セシムル功徳ニハ↥。過ギタルコト↢上0900布施スル↡千万億倍ナリ。亦非↢比校↡。

・因縁説

^ぶつのたまはく、 ª乃往ないおうおん*可計かけそうこうぶつましましき、 ごうして私訶しかだいといひ、 くにばつづく。 転輪てんりんおうあり づけてきんとい仏所ぶっしょおうしたてまつるぶつおうこころりて、 すなはちためにこの念仏ねんぶつ三昧ざんまい四事しじじょかんきたまふおうきてかんして、 すなはち種々しゅじゅ珍宝ちんぽうちてもつてぶつ0674うえさんず。 おうみづからがんじてまうさく、 «このどくちて、 十方じっぽう人天にんでんをしてみな安穏あんのんしめん»º

仏言、乃往久遠、不可計阿僧祇劫シキ↠仏、号シテ↢私訶提↡、国↢跋陀和↡。有↢転輪王↡、名ケテ↢斯琴↡。往↢至シタテマツル仏所↡。仏知リテ↢王↡、即キタマフ↢是念仏三昧四事助歓喜↡。王聞キテ歓喜シテ、即チテ↢種種珍宝↡以↢仏↡。王自ジテ、持チテ↢是功徳↡、令メムト↣十方人天ヲシテ皆得↢安穏↡。

^ぶつのたまはく、 ªそのおうおわりてのちまたみづからそのいえうまれてたいとなる ぼんだつづく。 とき比丘びくあり、 づけて珍宝ちんぽうといふ。 つねに*四部しぶ弟子でしのためにこの念仏ねんぶつ三昧ざんまいく。 ときおうこれをきて四事しじをもつてたすけてかんせしむ、 すなはち宝物ほうもつをもつて比丘びくうえさんず。 またぶくちてもつてこれをようす。 おう千人せんにん比丘びくところにおいてしゅっして、 この念仏ねんぶつ三昧ざんまいがくすることをもとめて、 つねに千人せんにんとともにその*じょうす。 はっ千歳せんざいにちおこたることなし。

仏言、其王終リテ後、還レテ↢其↡作↢太子↡也。名↢梵摩達↡。時↢比丘↡、名ケテ↢珍宝↡。常↢四部弟子↡説↢是念仏三昧↡。時王聞キテ↠之四事ヲモテケテ歓喜セシム、即↢宝物↡散↢比丘↡。又持チテ↢衣服↡以供↢養↡。王与↢千人↡於↢比丘↡出家シテ、求メテ↠学スルコトヲ↢是念仏三昧↡、常与↢千人↡共承↢事↡。経↢八千歳↡日夜↠懈ルコト

^ただいちこの念仏ねんぶつ三昧ざんまいくことをて、 すなはちこうみょうり、 かへりてのちさらに六万ろくまん八千はっせん諸仏しょぶつたてまつる。 一々いちいち仏所ぶっしょおいてみなこの念仏ねんぶつ三昧ざんまいきてぶっじょうずることをたりº

唯得↣一度聞クコトヲ↢是念仏三昧↡、即↢高明智↡、却リテ後更タテマツル↢六万八千諸仏↡。於↢一一仏所↡皆聞キテ↢是念仏三昧↡得タリ↠成ズルコトヲ↢仏果↡。

・重勧求学

^ぶつのたまはく、 ªもしひとひゃくせんせん0643なるも、 この念仏ねんぶつ三昧ざんまいかんとほっばかならずきてこれをもとむべし。 いかにいはんやちかくしてがくもとざらんものをやº」 と。

仏言、若人百里・千里・四千里ナルモ、欲セバ↠聞カムト↢是念仏三昧↡必キテムベシ↠之。何クシテ而不ラム↠求↠学ヲヤト。」

三 Ⅱ ⅰ b 結釈

^またもろもろのおうじょうにんとうにまうじょうらい所引しょいんぶっきょうをもつて明証みょうしょうとなすものなり。 一々いちいちつぶさに*四事しじよう どくぼん」 のなかにきたまふがごとし。

又白↢諸往生人等↡。上来所引仏教↢明証↡者ナリ。一一具ニハ↢「四事供養功徳品」中キタマフガ↡。

三 Ⅱ 明懴悔滅罪方法
     

【47】^ひていはく、 ぶっきょうじゅんして*しょうごんぎょうして、 にちろく礼念らいねんぎょうどう観想かんそう転誦てんじゅ斎戒さいかいして一心いっしんしょう*厭患えんげんし、 さんおそれて、 この*いちぎょうへてじょう弥陀みだ仏国ぶっこくしょうぜんとちかもの、 またおそらくは*残殃ざんおうきずして、 げんじゅうあく相応そうおうせん。 このさわりありとかく、 いかん除滅じょめつせん。 つぶさにぶつきょうきてその方法ほうほうしめせ。

ヒテ、准↢依シテ仏教↡精勤苦行シテ、日夜六時礼念・行道・観想・転誦、斎戒シテ一心厭↢患生死↡、畏レテ↢三塗↡、畢ヘテ↢此一形↡誓↠生ゼムト↢浄土弥陀仏国↡者、又恐クハ残殃0901シテ↠尽、現与↢十悪↡相応セム。覚セバ↠有リト↢斯障↡者、云何除滅セム。具キテ↢仏経↡示↢其方法↡。

三 Ⅱ ⅱ
        明至誠懴悔相

^こたへていはく、 ぶつきょうによりてこたふれば、 すなはち ¬*観仏かんぶつ三昧ざんまいかいきょう¼ (意)きたまふがごとし。

ヘテ、依リテ↢仏経↡答フレバ者、即↢¬観仏三昧海経¼説キタマフガ↡。

^ぶつ おうおよびもろもろの大衆だいしゅのためにきたまふ。 ª過去かこぶつましましき、 づけて空王くうおうとい像法ぞうぼうじゅうとき 比丘びくあり、 かい*じゅうおかとき0675空王くうおうぶつよるくうちゅうおいこえいだして比丘びくげてのたまはく、 «なんぢのおかすところ*不可救ふかくづく。 つみめっせんとほっば、 わがとう ちゅうりてわがぎょうぞうかんて、 しんいたしてさんすべし、 このつみめっすべし» と。

「仏為↢父王及大衆↡説キタマフ。過去シキ↠仏、名ケテ↢空王↡。像法住世時有↢四比丘↡、破↠戒↠重。時空王仏於↢夜空中↡出シテ↠声ゲテ↢四比丘↡言、汝之所↠犯↢不可救↡。欲セバ↠滅セムト↠罪者、可↧入リテ↢我塔中↡観ジテ↢我形像↡、至シテ↠心懴悔↥、可シト↠滅↢此↡。

^とき比丘びくまんともにてて、 一心いっしんきょうけてとう0644 仏像ぶつぞうまえおいてみづからさんること太山たいせんくずるるがごとく、 *婉転えんでんして号哭ごうこくして、 ぶつ (空王仏)かひてにち相続そうぞくしていたるをとなす。 しゃみょう以後いご空王くうおうぶっ こくしょうずることをたりº」 と。 いまこのきょうをもつてしょう す。 ぎょうじゃとうさんせんとほっするとき 、 またこのきょう法門ほうもんによれ。

四比丘万事倶テテ、一心ケテ↠教↠塔、於↢仏像↡自懴悔スルコト太山ルルガ↡、婉↢転シテ於地↡号哭シテ、向ヒテ↠仏日夜相続シテルヲ↠死↠期。捨命已後、得タリト↠生ズルコトヲ↢空王仏国↡。」今以↢此↡証。行者等欲スル↢懴悔セムト↡時、亦依↢此法門↡。

三 Ⅱ ⅱ b 明由懴滅重罪

^ぶつのたまはく、 ªもしわがめつぶつのもろもろの弟子でし諸悪しょあくしゃ*しょうほうねがひて、 にちろくに、 よくいちにおいてわかちてしょうとなして、 しょうぶんのうち しゅのあひだにおいてもぶつびゃくごうねんずるもの、 もしずとも、 かくのごときひとじゅう六億ろくおく由他ゆたごうしゃじんごうしょうつみじょきゃくせん。 もしまたひとありてこのびゃくごうきて、 しんきょうせずかん信受しんじゅせば、 このひとまたはちじゅうおくこうしょうつみのぞかん。

「仏言、若滅後弟子、捨↢離諸悪↡楽ヒテ↢少語↡、日夜六時、能↢一時↡分チテシテ↢少時↡、少分之中、於テモ↢須臾↡念ズル↢仏白毫↡者、若シハトモ↠見、如↠是クノ人除↢却セム九十六億那由他恒河沙微塵劫生死之罪↡。若復有リテ↠人聞キテ↢是↡、心不↢驚疑↡歓喜信受セバ、此人亦除カム↢八十億劫生死之罪↡。

^もしはもろもろの比丘びく比丘びく、 もしはなん女人にょにん*根本こんぽんじゅうあくとうつみぎゃくざいおよび*ほうだいじょうおかさん。 かくのごとき 諸人しょにんもしよくさんすることにちろく身心しんしんやすまず、 たいとうずること太山たいせんくずるるがごとく、 ごうきゅうしてなみだあめふらしがっしょうしてぶつかひて、 ぶつけんびゃくごうそうひかりねんずること一日いちにちより七日しちにちいたらば、 さきしゅつみきょうなることをべし。

シハ比丘・比丘尼、若シハ男・女人、犯サム↢四根本・十悪等罪、五逆罪及謗大乗↡。如↠是クノ諸人若懴悔スルコト日夜六時身心不↠息、五体投ズルコト↠地太山ルルガ↡、号泣シテラシ↠涙、合掌シテヒテ↠仏、念ズルコト↢仏眉間0902毫相↡一日ヨリラバ↢七日↡、前四種罪可↠得↢軽微ナルコトヲ↡。

^びゃくごうかんずるに、 くらくしてずは、 とうちゅうりてけんびゃくごうかんずべし。 一日いちにちより三日さんにちいたるまでがっしょうして0645ていきゅうせよ。 またしばらく も、 また三劫さんこうつみのぞくº

ズルニ↢白毫↡、クシテマミ者、応↧入リテ↢塔中↡観↦眉間白毫↥。一日ヨリルマデ↢三日↡合掌シテ啼泣セヨ。又暫クモ、亦除↢三劫之罪↡。

^ぶつ おうげ、 およびなんちょくしたまはく、 ªわれいまなんぢがためにことごとく身相しんそうこうみょうげんず。 もしぜん0676 しんあるもの、 もしぶつ禁戒きんかいやぶるもの ぶつたてまつることおのおのどうなりº

仏告↢父王↡、及シタマハク↢阿難↡、吾今為↠汝↢身相光明↡。若シハ↢不善心↡者、若シハ↢仏禁戒↡者、見タテマツルコト↠仏不同ナリト

^ときひゃく*しゃくぶつ色身しきしんたてまつることなほ *にんのごとし。 比丘びく千人せんにんぶつたてまつることなほ しゃくのごとし。 じゅうろく居士こじじゅう女人にょにんぶつたてまつることじゅんこくなり。 もろもろの比丘びくぶつたてまつること銀色ごんじきのごとし。 ときにもろもろのしゅぶつにまうさく、 ªわれいま ぶつみょうしきたてまつらずº と。 みづからはつき、 とうじて、 ていきゅうしてなみだあめふらし、 みづから婉転えんでんす。

五百釈子、見タテマツルコト↢仏色身↡猶如↢灰人↡。比丘千人見タテマツルコト↠仏ナホ↢赤土↡。十六居士、二十四女人、見タテマツルコト↠仏純黒ナリ。諸比丘尼見タテマツルコト↠仏↢銀色↡。時四衆白サク↠仏、我今者 イマ ↠見タテマツラ↢仏妙色↡。自↢頭髪↡、挙↠身ジテ↠地、啼泣シテラシ↠涙、自婉転

^ぶつ のたまはく、 ªぜんなん如来にょらいしゅつげんはまさしくなんぢらがざい除滅じょめつせんがためなり。 なんぢいま*過去かこ七仏しちぶつしょう ぶつのためにらいをなすべし。 なんぢがせん 邪見じゃけんつみかん。 なんぢまさにもろもろの大徳だいとく 僧衆そうしゅかひて ほつ*悔過けかぶつずいじゅんして、 仏法ぶっぽうしゅのなかにおいてたい とうずること太山たいせんくずるるがごとぶつかひてさんすべし。 すでにさんしをはば、 心眼しんげんひらくることをて、 ぶつ色身しきしんたてまつりて、 しんおおきにかんせんº

仏言、善男子、如来出現シクナリ↣除↢滅セムガ汝等罪咎↡。汝今可↧称↢過去七仏↡、為↠仏↞礼。説カム↢汝先世邪見之罪↡。汝当↧向ヒテ↢諸大徳僧衆↡発露悔過、随↢順シテ仏語↡、於↢仏法衆↡五体投ズルコト↠地太山ルルガ↡、向ヒテ↠仏懴悔↥。既懴悔ラバ、心眼得↠開クルコトヲ、見タテマツリテ↢仏色身↡、心大歓喜セム

^ぶつ、 もろもろの比丘びくげたまはく、 ªな0646んぢらせん りょうこうとき邪見じゃけんにしてうたがひ、 かいにしてむなしく*しんたり。 この因縁いんねんをもつてのゆゑに、 餓鬼がきごくしてはち万歳まんざい いまづることをといへどもりょうにおいて諸仏しょぶつたてまつらず、 ただ ぶつみなのみ。 いま仏身ぶっしんたてまつることしゃく しきのごとし、 まさしくたけしゃくなりº

仏告ゲタマハク↢諸比丘↡、汝等先世無量劫時、邪見ニシテ↠師、無戒ニシテシクケタリ↢信施↡。以テノ↢此因縁↡故、堕シテ↢餓鬼・地獄↡八万歳受↠苦、今雖↠得↠出ヅルコトヲ、於↢無量世↡不↠見タテマツラ↢諸仏↡、但聞クノミ↢仏↡。今見タテマツルコト↢仏身↡如↢赤土色↡、正シク長五尺ナリト

^ぶつ をはりたまふにせん比丘びくとうぶつかひてさんたい とうずること太山たいせんくずるるがごとごうしてなみだあめふらすに、 なほ かぜ きてじゅううん もにさんずるがごとくにして、 *金顔こんげん顕発けんぽつす。 すでにぶつたてまつりをはりて、 比丘びくかん だいしんおこ

仏説↠語リタマフニ、千比丘等向ヒテ↠仏懴悔、五体投ズルコト↠地太山ルルガ↡、悲号シテラスニ↠涙、猶如クニシテ↢風0903キテ重雲四モニズルガ↡、顕↢発金顔↡。既タテマツリ↠仏リテ、比丘歓喜↢菩提心↡。

^ぶつ おうげたまはく、 ªこのせん比丘びく*慇懃おんごんほうもとめて、 しん*そくなし。 ぶつじゅあたへて、 おなじく南無なもこうしょう如来にょらいごうすº」 (意)

仏告ゲタマハク↢父王↡、此比丘慇懃メテ↠法、心↢懈息↡。仏与ヘテ↢授記↡、同ジクスト↢南無光照如来↡。」

^ぜんさんほう ¬観仏かんぶつ三昧ざんまいかいきょう¼ だい第三だいさんかんでたり。

已前懴悔デタリ↢¬観仏三昧海経¼第二・第三巻↡。

三 Ⅱ ⅱ b 重引三経勧発
          (一)観仏経文

【48】^0677¬仏説ぶっせつ観仏かんぶつ三昧ざんまいかいきょう¼ 「みつぎょうぼんだいじゅうかんだいじゅう (意) にのたまはく

¬仏説観仏三昧海経¼「密行品」第十二巻第十ニノタマハク

^ぶつなんげたまはく、 ªらいしゅじょう、 それこの念仏ねんぶつ三昧ざんまいんとするもの、 ぶつのもろもろの相好そうごうかんぜんとするもの、 *諸仏しょぶつ現前げんぜん三昧ざんまいとするものあらば、 まさにこのひとおしふべし。 しん口意くいみつにして*じゃみょうおこすことなかれ。 *こうしょう0647ことなかれ。 もしじゃみょうおよびこうほうおこさば、 まさにるべし、 このひとはこれ*ぞうじょうまんなり。 仏法ぶっぽうめつし、 おおしゅじょうをしてぜん しんおこさしむ。 ごうそうみだして*あらわしゅうまどはす。 これあくともなり。

「仏告ゲタマハク↢阿難↡、未来衆生、其ラバ↧得ムトスル↢是念仏三昧↡者、観ゼムトスル↢仏相好↡者、得ムトスル↢諸仏現前三昧↡者↥、当↠教↢是↡。密ニシテ↢身口意↡莫↠起スコト↢邪命↡。莫↠生ズルコト↢貢高↡。若サバ↢邪命及貢高↡、当↠知、此是増上慢ナリ。破↢滅仏法↡、多使↣衆生ヲシテ↢不善心↡。乱シテ和合僧↡、顕↠異ハス↠衆。是悪魔ナリ

^かくのごとき 悪人あくにん また念仏ねんぶつすといへども、 かんあじはひをしっ。 このひとしょうじょこうをもつてのゆゑに、 つねにしょうにしてせんいえしょうず。 びん諸衰しょすいにしてりょう悪業あくごうをもつて厳飾ごんじきとな。 かくのごとき 種々しゅじゅしゅあくまさにみづからぼうしてながしょうぜざらしむべし。 もしかくのごときじゃみょうごうおこさば、 このじゃみょうごうはなほ きょうぞうれんいけるがごとく、 このじゃみょうごうもまたかくのごと善根ぜんごんはいせんº

↠是クノ悪人雖↢復念仏スト↡、↢甘露↡。此生処テノ↢貢高↡故、身恒卑小ニシテ↢下賎↡。貧窮諸衰ニシテ無量悪業↢厳飾↡。如↠此クノ種種衆多悪事当↣自防護シテ、令↢永↟生。若セバ↢如↠是クノ邪命↡者、此邪命猶如↣狂象スルガ↢蓮華↡、此邪命亦復如↠是クノ壊↢敗セム善根↡。

^ぶつなんげたまはく、 ª念仏ねんぶつすることあものは、 まさにみづからぼうして*放逸ほういつせしむることなかるべし。 念仏ねんぶつ三昧ざんまいひと もしぼうせずしてこうしょうば、 じゃみょう悪風あくふうきょうまんきて善法ぜんぽうしょうめつせん善法ぜんぽういはゆる一切いっさいりょうぜんじょう、 もろもろの念仏ねんぶつほうにして心想しんそうよりしょうず。 これをどくぞうづくº

仏告ゲタマハク↢阿難↡、有↢念仏スルコト↡者、当↢自防護シテ↟令ムルコト↢放逸↡。念仏三昧人、若シテ↢防護↡生ゼバ↢貢高↡者、邪命悪風吹キテ↢憍慢↡焼↢滅セム善法↡。善法者、所謂一切無量禅定、諸念仏ニシテ、従↢心想↡生。是↢功徳蔵↡。

^ぶつなんげたまはく、 ªこのきょう*そうどうづく。 かくのごとくじゅすべし。 また観仏かんぶつびゃくごうそうづく。 かくのごとくじゅすべし。 また*ぎゃくじゅんかん如来にょらい身分しんぶん、 また*一々いちいちもう分別ふんべつ如来にょらい身分しんぶん、 また*かんさんじゅうそうはち0648じゅうずいぎょうこうしょ智慧ちえこうみょう、 また観仏かんぶつ三昧ざんまいかい、 また念仏ねんぶつ三昧ざんまいもん、 また*諸仏しょぶつみょうしょうごん色身しきしんぎょうづく。 なんぢよくじゅ0678して、 つつしみて忘失もうしつすることなかれº」

仏告ゲタマハク↢阿難↡、此↢繋想不動↡。如↠是クノ受持スベシ。亦0904↢観仏白毫相↡。如↠是クノ受持スベシ。亦名↢逆順観如来身分↡、亦名↢一一毛孔分別如来身分↡、亦名↢観三十二相八十随形好諸智慧光明↡、亦名↢観仏三昧海↡、亦名↢念仏三昧門↡、亦名↢諸仏妙華荘厳色身経↡。汝好受持シテ、慎ミテレト↢忘失スルコト↡。」

三 Ⅱ ⅱ b ハ (二)大集経文

【49】^また ¬*大集だいじっきょう¼ の 「さいりゅうぼん(意)きたまふがごとし。 「ときしゃ伽羅からりゅうおうぶつしょうじてたてまつりもうく。 ぶつりゅうしょうけたまふぶつしょうじゅじきしをはりたまへり。 ときだいりゅうおうまた説法せっぽうふ。 ときりゅうおうたいあり、 づけてめんといふ。 みづから仏前ぶつぜん *四支ししきて、 しょうをもつてさんす。 ª過去かこなんの罪業ざいごうつくりてかこのりゅうしんけたるº」

又如↢¬大集経¼「済竜品」説キタマフガ↡。「時娑伽羅竜王、請ジテ↠仏レタテマツリテ↠宮↠供。仏受ケタマフ↢竜↡。仏与↢聖衆↡食リタマヘリ。時大竜王、又請↢説法↡。時竜王太子アリ、名ケテ↢華面↡。自↢仏前↡四支キテ↠地、悲声ヲモテ懴悔。過去リテカ↢何罪業↡受ケタルト↢此竜身↡。」

^またこのきょうをもつてしょうす。 またこれさんじょう方法ほうほうなり、 るべし。 一切いっさいきょう ないにみなこのもんあり。 ひろろくすべからず。 いま*さんきょう略抄りゃくしょうして、 もつて後学こうがくしめす。 しんならざるのぞく。 なすものみなれ。 ぶつごんしたまはず。

又以↢此↡証。亦是懴悔至誠方法ナリ、応↠知。一切経内皆有↢此文↡。不↠可カラ↢広↡。今略↢シテ三部↡、以↢後学↡。除↠不ルヲ↢至心ナラ↡。作皆知。仏不↢虚言シタマハ↡。

三 Ⅱ ⅱ b ハ (三)木槵経文

【50】^また ¬*もくげんぎょう¼ (意)きたまふがごとし。 「^ときなんこくおうあり 波瑠璃はるりづく。 使つかひを仏所ぶっしょ来到らいとうせしむ。

又如↢¬木槵経¼説キタマフガ↡。「時↢難陀国王↡、名↢波瑠璃↡。遣↣使ヲシテ来↢到仏所↡。

^*仏足ぶっそくちょうらいして、 ぶつにまうしてまうさく、 ªそん、 わがくにへんしょうにして*頻歳ひんざい寇賊こうぞくあり。 *こく踊貴ゆき疫疾えきしつぎょうして人民にんみんこんす。 われつねにあんすることず。 如来にょらい*法蔵ほうぞうおおことごとくじん0649こうり。 われ憂務うむありてしゅぎょうすることをず。 ただねがはくはそん、 ことに*みんれてわれに*要法ようぼうたま 、 われをしてにちやすしゅぎょうすることを らいのなかにしゅおんしめたまへº

頂↢礼シテ仏足↡、白シテ↠仏、世尊、我国辺小ニシテ頻歳寇賊アリ。五穀踊貴疫疾流行シテ人民困苦。我恒不↠得↢安臥スルコトヲ↡。如来法蔵深広ナリ。我有リテ↢憂務↡不↠得↢修行スルコトヲ↡。唯願クハ世尊、特レテ↢慈愍↡賜↢我要法↡、使メタマヘト↧我ヲシテ日夜得↢修行スルコトヲ↡、未来世遠↦離衆苦↥。

^ぶつ使つかひにげてのたまはく、 ªなんぢ大王だいおうかたれ。 もし*煩悩ぼんのうしょうほうしょうめっせんとほっば、 まさに*木槵もくげんいっぴゃくはちつらぬきて、 もつてつねにみづからしたがふべし。 もしはぎょう、 もしは、 もしは、 つねにまさにしんいたして分散ぶんさんこころなく、 くち*ぶっだつそうぎゃしょうしてすなはちいち木槵もくげんべし。

仏告ゲテ↠使、語ナンヂ大王↡。若セバ↠滅セムト↢煩悩障・報障↡者、当↧貫キテ↢木槵子一百八↡、以↥。若シハ行、若シハ坐、若シハ臥、恒↧至シテ↠心0905↢分散意↡、口シテ↢仏陀・達磨・僧伽↡乃グル↦一木槵子↥。

^かくのごとくもしはじゅう、 もしはじゅう、 もしはひゃく、 もしはせんないひゃく千万せんまんせよ。 もしよくじゅう万遍まんべんてて 身心しんしんみだれずしてもろもろの*諂曲てんごくくはしゃみょう*第三だいさんえんてんしょうずることをじきねんにしてつねに安楽あんらくけん。 ひゃくはち*結業けつごう除断じょだんすることをしょう0679ながれそむはんどうおもむきて、 じょうんº

↠是クノシハ十、若シハ二十、若シハ百、若シハ千、乃至百千万セヨ。若テテ↢二十万遍↡、身心シテ↠乱クハ↢諸諂曲↡者、捨命シテ↠生ズルコトヲ↢第三炎摩天↡、衣食自然ニシテケム↢安楽↡。得↣除↢断スルコトヲ百八結業↡、背↢生死↡趣キテ↢涅槃↡、獲ムト↢無上↡。

^使つかかえりておうにまうす。 おうおおきにかんして、 めんをもつてぶつらいしてはるかにそんにまうさく、 ªそんきょうちょうじゅしてわれまさにぎょうすべしº と。

使還リテ↠王。王大歓喜シテ、頭面ヲモテシテ↠仏サク↢世尊↡、頂↢受シテ尊教↡我当シト↢奉行↡。

^すなはちみんちょくして木槵もくげん*営弁ようべんして、 もつてせんとな六親ろくしん*こくしゃくにみないちあたふ。 おうつねに誦念じゅねんして軍旅ぐんりょしたしむといへどもまた廃捨はいしゃせず。

シテ↢吏民↡営↢辨木槵子↡、以↢千具↡、六親国戚皆与↢一具↡。王常誦念シテ、雖↠親シムト↢軍旅↡亦不↢廃捨↡。

^またこのねんをなす。 ªそんだいあまねく一切いっさいおうず。 も0650しわれこのぜんをもつてながかいしずむことまぬかるることをば、 如来にょらいまさにげんじてわがためにほうきたまふべしº

又作↢是↡。世尊大慈普↢一切↡。若我此ヲモテ↠免ルルコトヲ↣長ムコトヲ↢苦海↡、如来当シト↢現ジテ↠我キタマフ↟法

^おう*がんぎょうをもつて しんめて三日さんにちじきせず。 ぶつすなはちげんじて、 もろもろのしょうじゅ ないらいにゅうして、 おうのためにほうきたまふ」

王以↢願楽↡、逼メテ↠心三日不↠食。仏即ジテ↠身、与↢諸聖衆↡来↢入シテ宮内↡、為↠王キタマフト↠法。」

^またこれをもつてしょうす。 ただ これおうしん真実しんじつなれば、 念々ねんねんさわりのぞり、 ぶつ罪滅ざいめつたまひて、 ねんおうじて げんじたまふ、 るべし。

又以↠此。直是王心真実ナレバ、念念障除コリ、仏知リタマヒテ↢罪滅↡、応ジテ↠念而現ジタマフ、応↠知

観念かんねん弥陀みだぶつ相海そうかい三昧さんまいどく法門ほうもんぎょう 一巻いっかん

 

延書の底本は高田派専修寺蔵鎌倉時代刊本ˆ原漢文の底本と同一ˇ。 ただし返点については本派本願寺蔵版によるか。 なお、 宗祖加点本と対校し、 相違箇所を赤の点下線(クリックで内容表示)、 減語句を青の点下線で示している。
 ¬般舟三昧経¼ 等の諸経を指す。
髪螺 髪のうずまき。
七帀 七周。
唱あることなし 言葉でいいあらわせないという意。
耳輪垂して 耳たぶが垂れさがって。
珂月 雪のように白く光る貝。
心王 心臓。
仏心 仏の心臓。
 はなびら。
万徳の字 →まん
腹平不現 腹が平らで出ていないこと。
臍円孔深 へそがまるくて、 そのあなが深いこと。
上品往生 ¬観経¼に説くぼんの往生のうちの上品上生・上品中生・上品下生の三を指す。
十六遍 ¬観仏三昧経¼ に順観・逆観の観想を十六遍反覆すべきことを説いているのを承けていう。
十三観 定善十三観のこと。 →じょうぜん
請問品 現行の ¬般舟三昧経¼ (一巻本) では、 「問事品」。
十方諸仏悉在前立 十方現在の諸仏がすべて行者の面前に立ち現れるという意。 →般舟はんじゅ三昧ざんまい
大明相 般舟三昧が成就したありさまを指していう。
定意 般舟三昧の異名。
超衆行 すべての行法に超えすぐれたもの。
一念を立して 専一のおもいをおこして。 あるいは、 真実心をもって、 という意。
その方 西方浄土。
文慧 経典の文を開いて生ずる智慧ちえ
六入 げんぜつしん六根ろっこん。 または、 しきしょうこうそくほうろっきょうのこと。 六根をないの六入といい、 六境をの六入という。
婬色 性欲。
知足を念じて 異本には 「食知足」 (食は足ることを知りて) とある。
受陰 おんを受用して、 自我にとらわれること。
入界 六根ろっこんろっきょう六識ろくしきの十八界 (個人存在の構成要素) に順入して、 自我にとらわれること。
 →おん
 →だい
怳忽 かりそめのものであること。
不還 迷いのぼんの意。
 よいこと。
三時六時 三回あるいは六回。
華台の聖衆 れんの台にのった浄土の菩薩たち。
病人…堕せん →補註6
十六観経 ¬仏説ぶっせつかんりょう寿じゅきょう¼ のこと。 じょうぜん十三観・散善さんぜん三観を説くところからいう。
四紙阿弥陀経 →四紙ししきょう
護念得長命増上縁 →ねんぞうじょうえん
斎を破し戒を破し 八戒斎はっかいさいを守らないこと。
五逆極重の罪 →ぎゃくざい
浄土荘厳の変 →じょうへん
華座荘厳観 華座けざかんのこと。
観音勢至等の観 観音かんのんかんせいかんのこと。
第十二の観 かんのこと。
勝友知識 正しい道に導くすぐれた友人。
随逐影護 影が形につきしたがうように、 行者の身を離れずまもること。
余の雑業 念仏以外のあらゆる行業。 →ぞうぎょう
二十五の菩薩 →じゅうさつ
便り 機会。 関係を持つこと。
四天大王 →天王てんのう
愛楽相見 慈愛をもって行者とあいまみえること。
護持品 現行の ¬般舟はんじゅ三昧ざんまいきょう¼ では、 「擁護品」。
三帰五戒 仏法僧の三宝に帰依し、 かいを受けること。
八王日 立春・春分・立夏・夏至・立秋・秋分・立冬・冬至のこと。 は地節日ともいう。 中国では、 この八日は天地の諸神・陰陽いんようの交代の日とみなされていた。
六欲天王 ろく欲天よくてんの各王のこと。
畢命相続 命がおわるまで行じ続けること。
三達の聖人 さんみょうに通達した聖者。
六通無障 ろく神通じんずうが自在であること。
善方便 すぐれた方法。 異本には 「異方便」 とある。
覚想中の見 精神をはたらかせて浄土のありさまを思いうかべている状態。 三昧さんまいの前段階。
驚怪するを須ゐず (当然のことであるから) 驚きあやしむにおよばない。
跏趺坐 けっ趺坐ふざの略。 足の甲を左右のももの上に置くすわり方。
一々の身分 仏の三十二相のひとつひとつのすがた。
観音…雑等の観 定善十三観の第十・十一・十二・十三観。 →じょうぜん
自の三心力 次行のじょうしん・信心・願心を指す。
至誠心信心願心 ¬観経¼ に説かれる三心。 じょうしん深心じんしんこう発願ほつがんしんに相当する。
三種の願力 三力 (大誓願力・三昧定力・本功徳力) のこと。
文殊波若経 →文殊もんじゅ般若はんにゃきょう
無量寿経の四十八願の… →補註12
上中下 ¬大教¼ (下) の三輩段を指す。 →三輩さんぱい
定散二行 →じょうぜん散善さんぜん
四紙弥陀経 →四紙ししきょう
女身を転じて… →補註10
望にありては にあってはの意。
朝にありては 朝廷にあってはの意。
韋提の二請 ¬観経¼ ごんじょうえんにおいてなされただいの二つの懇請こんせい。 「われに清浄しょうじょう業処ごっしょを観ぜしめたまへ」 と 「われにゆいを教へたまへ、 われにしょうじゅを教へたまへ」 の二を指す。
連劫累劫 幾劫をもつらねかさねるほどの長い時間。 →こう
本心 仏のみこころ。
十悪の因… じゅうあくをおかすことが因となって、 さんの苦しみの報いを受ける。
頓教 ここでは往生浄土の法門を指していう。
観阿弥陀仏… 阿弥陀仏の色身しきしんを観想して、 しょうねんに住してだつする三昧さんまいを説き示した経という意。
度諸有… しょう八難はちなんの世界に沈むえんしゅじょうを救いとる経という意。
四向 東西南北の四方。
身根具せず… 身体が不具であること。 →補註10
彼此 誰であっても。
毀敬の… (往生浄土の法門を) そしり破る者と敬いを致す者とについて、 仏がやくを示されることはむなしくない。
称観礼讃 称名しょうみょう観察かんざつらいはい讃嘆さんだんすること。
比校にあらず 比べものにならない。
四事供養功徳品 一巻本 ¬般舟三昧経¼ 「勧助品」 第七を指す。
 重罪。
不可救 救うことができない。
少語の法 言葉数を少なくする生活。
四の根本 じゅうきんのこと。
謗大乗 大乗の教えをそしること。
釈子 釈迦族の人々。
灰人 灰色の人。
金顔 仏の金色の顔。
 異解いげ。異説。
繋想不動 想いをかけて動かないという意。
逆順観如来身分 如来の身分を順観・逆観するという意。 順観は如来の身を上から下に観想すること、 逆観はその反対に下から上に観想することをいう。
一々毛孔分別如来身分 ひとつひとつの毛孔に如来の身をみきわめるという意。
観三十二相… 仏のさんじゅうそうはちじゅうずいぎょうこうおよびもろもろの智慧ちえこうみょうを観ずるという意。
諸仏… 諸仏のたえなる華で色身しきしんをかざる経という意。
三部の経 ¬観仏かんぶつ三昧ざんまいきょう¼ ¬大集だいじっきょう¼ ¬木槵もくげんぎょう¼ を指す。
頻歳寇賊 毎年のように賊の侵入があること。
五穀踊貴 穀物の値段が高くなること。
煩悩障報障 →さんしょう
木槵子 むくろじの種子。
仏陀達磨僧伽の名 三宝さんぼうの名字。
第三の炎摩天 夜摩やまてんに同じ。
底本は◎高田派専修寺蔵鎌倉時代刊本。 Ⓐ大谷大学蔵鎌倉時代刊本、 Ⓑ龍谷大学蔵(写字台旧蔵)室町時代刊本、 Ⓒ本派本願寺蔵版¬七祖聖教¼所収本 と対校。
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→◎
有人→Ⓑ右又
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心眼→Ⓑ己力
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得転→◎ⒶⒷ転得
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ニ入ルコト
ヲ観ズベシ
徹ニ照シ、
住シ
目ノ前
欲ハ
安ジ
メ、
端身
合セ
開スル
開セ
トシテ
テ、
ナヅキ
想ヘ、
カミ
額広
眉高而長ノ
シ、
ス。
レド
除障滅罪
鼻修高直ニシテ
ジユヰモノ
ノ津液
ル、
レリ
ヌキイ
円ノ
セル
貪ゼン
ナリ。
ヘイシチ
ハギ
ハギ
クシテ
セナカ
セリ
ル。
アリテ
ツ。
病ヒ痛ミ
ワウ
臨命終時ニ
命欲終時ニ
上品ニ
行者ニ
戒ヲ持テ
仏ヲ念ジ
ヲ廻
明ス、
ニ入ル
如法
ヨ、
バカリ
有ト無トニ
断ジ
トシハカ
カリ
ネガ
タクハ
貪味
サト
インヲ受
界ニ入
了スルニ本無ナリ
了スルニ
加テ
於テ
超衆ノ行ナリ
立ス
独一処止シ
ベシ
ニ、
已後ノチ
夢中ノ所見、
アラザルガ如シ
開キ避ヲ
徹シ
徹シ聴ク
生ル
専念ス
何ノ
欲ハン者ハ
カレ。
欲ハム
掃灑セウシヤスルコト
スベシ
別ニ
浄行ノ道ニ入レ
乃至
鞋靺カイマツ
ツカネテ
礼仏誦経
ヲ知レ、
ジテ
ヲ想念シテ
在ケ
念仏ノ
モノイ
コト
還テ
念仏セ
ザレ
発願
願ジテ
ツベシ
念仏
正シテ
当リ
専注
絶ス
カレ
ヲ作セヨ
迎接スル
セヨ
失ス。
生レ
ヲ勧タマフ、
勧タマフ、
勧テ
勧タマフ
スルコト
テン
何ナル
ハン
ザラム
ハム
ケム
スル。
、 化作
キハ、
ノ如キ
専念シ
モノ
スル
不至心
至心
リテ、
ベシト
メヨ
セム
誦経
見仏ヲ
ロシメシ
王宮ニ
エリ。
グ。
求哀シ
ムルコトヲ教エタマヘ
直ニ
コト有ム
加念スル
セシメヨ
広ク
メン
ナリ、
若シ
レン
シテカ
ベキ
韋提ニ
計念シ
注意セ
同ク
得ム
ホヾ見ル
ケ使ム
須ク
ベカラ
ク。
ナリ
ズベシ。
ハム。
見仏シ
レバ
タマヘル
ヲシテ
ゼシムルコトヲ致スモノナリ。
シテ、
欲ハバ
守習シ
アルコトヲ得ザルベシ、
バカリ
ヲ念ベシ。
マシマス
リト
シテ
摂念
正ク向キ
タテマツラ
ノ説ノ
メタマフ
ズ、
セシム
タマフ。
命終ラム
トイハヾ
ヲ計念シテ
ハタ
云ク
フハ
ザルナリ
ヲ観ズベシ
説教
シテハ
他ヲ見テニクムガ
ニ至リ
ニテ
心ヲ専ニシ
念仏法僧
生レム
舌ヲ舒テ
サク、
ニモ
之ニ
得生セ
何ナル
トスル
ノ如シ、
リヌ
ヂキ
開ク
害人
ヲ除ク
ルベシ
クノ
於テ
不具ナラム
称観シ礼讃シ香華
三昧ヲ
欲フ
ジヨ
仏ノ功徳ヲ念ゼム
人ノ寿
ラム
ケン
 サラ
ツケテ中ニテタラム
セム。
所得
ヒキ
出家スル
ク、
求学セ
サク
ニ引ク
モノ
ゾヤ
スベキ
破戒
犯重ナリ
所犯
シ。
ゼム
犯セラム
ゼン
観テ、
仏語ヲ
リナ
キ。
タマフコト
ルイス。
クニ
ルコト
シキ
ルコト有ラム
ウシナ
ヤブ
イフハ
ヒテモ、
オバ
作者
ツカハ
レドモ、
ヤスカラシメヨ
不乱ニ
命ヲ捨テ
チカヅ
長淪苦海
来テ
シカモ