0201◎仏説ぶっせつ無む量りょう清浄しょうじょう平びょう等覚どうがく経きょう 巻かん*第一だいいち

後ご漢かん*月げっ支し*国こく三蔵さんぞう*支婁しる迦か讖せん訳やく

 

一 序分
  Ⅰ 証信序
    ⅰ 六事成就

【1】 ◎仏ぶつ、 王舎おうしゃ国こく霊りょう鷲山じゅせんのうちにましまして、 大だい弟子でし衆しゅ千せん二に百ひゃく五ご十じゅう人にんとともなりき。 菩ぼ薩さつ七しち十じゅう二に那な術じゅつ、 比丘びく尼に五ご百ひゃく人にん、 清しょう信しん士し七千しちせん人にん、 清しょう信しん女にょ五ご百ひゃく人にん、 欲よく天てん子し八はち十じゅう万まん、 色天しきてん子し七しち十じゅう万まん、 遍へん浄じょう天てん子し六ろく十じゅう那な術じゅつ、 梵天ぼんてん一億いちおく、 みな仏ぶつに随したがひて住じゅうせり。

◎○仏在シテ↢王舎国霊*鷲山ノ中ニ↡、○与ナリキ↢大弟子衆千二百五十人ト↡。●菩薩七十二那術、*比丘尼五百人、清信士七千人、清信女五百人、欲天子八十万、色天子七十万、遍浄天子六十那術、梵天一億、皆随ヒテ↠仏ニ住セリ。

神通じんずう飛化ひけの弟子でしあり、 名なづけて*知ち本際ほんざい賢者けんじゃ・*馬師めし賢者けんじゃ・大力だいりき賢者けんじゃ・安あん詳じょう賢者けんじゃ・能讃のうさん賢者けんじゃ・*満願まんがん臂ひ賢者けんじゃ・*無む塵じん賢者けんじゃ・氏し聚じゅ迦か葉しょう賢者けんじゃ・牛呞ごし賢者けんじゃ・上じょう時じ迦か葉しょう賢者けんじゃ・治じ恒ごう迦か葉しょう賢者けんじゃ・金こん杵坦しょたん迦か葉しょう賢者けんじゃ・*舎しゃ利り弗ほつ賢者けんじゃ・*大だい目もく揵連けんれん賢者けんじゃ・*大だい迦か葉しょう賢者けんじゃ・*大だい迦か旃延せんえん賢者けんじゃ・多た睡すい賢者けんじゃ・大だい賈師こし賢者けんじゃ・大だい痩短しゅたん賢者けんじゃ・盈よう弁べん了りょう賢者けんじゃ・不ふ争しょう有無うむ賢者けんじゃ・知ち宿命しゅくみょう賢者けんじゃ・了りょう深じん定じょう賢者けんじゃ・*善来ぜんらい賢者けんじゃ・離り越おつ賢者けんじゃ・痴ち王おう賢者けんじゃ・氏し戒聚かいじゅ賢者けんじゃ・類親るいしん賢者けんじゃ・氏し梵ぼん経きょう賢者けんじゃ・多た欲よく賢者けんじゃ・王おう宮ぐ生しょう賢者けんじゃ・告来ごうらい賢者けんじゃ・氏し黒山こくせん賢者けんじゃ・経きょう刹せつ利り賢者けんじゃ・博聞はくもん賢者けんじゃといふ。

○神通飛化ノ弟子アリ、○名ケテ曰フ↢知本際賢者・馬師賢者・大力賢者・安詳賢者・能讃賢者・満願臂賢者・無塵賢者・氏聚迦葉賢者・牛呞賢者・上時迦葉賢者・治恒迦葉賢者・金*杵坦迦葉賢者・舎利弗賢者・大目*揵連賢者・大迦葉賢者・大迦旃延賢者・多睡賢者・大賈師賢者・大痩短賢者・盈*弁了賢者・不争有無賢者・知宿命賢者・了深定賢者・善来賢者・離越賢者・痴王賢者・氏戒聚賢者・類親賢者・氏梵経賢者・多欲賢者・王宮生賢者・*告来賢者・*氏黒山賢者・経刹利賢者・博聞賢*者ト↡。

その女おんなの弟子でしあり、 名なづけて大だい欽きん姓じょう比丘びく尼に・幻者げんしゃ比丘びく尼に・蓮れん華げ色しき比丘びく尼に・生しょう地じ動どう比丘びく尼に・生しょう地じ担たん比丘びく尼に・生しょう則そく侍じ者しゃ頭づ痛つう比丘びく尼に・安あん豊ぶ殖じき比丘びく尼に・体たい柔にゅう軟なん比丘びく尼に・勇ゆう生行しょうぎょう比丘びく尼に・自じ浄じょう比丘びく尼にといふ。

●其0202ノ女ノ弟子アリ、名ケテ曰フ↢大欽*姓比丘尼・幻者比丘尼・蓮*華色比丘尼・生地動比丘尼・生地担比丘尼・生則侍者頭痛比丘尼・安豊殖比丘尼・体柔軟比丘尼・勇生行比丘尼・自浄比丘尼ト↡。

清しょう信しん士しあり、 名なづけて給飯きっぱん孤こ独どく長ちょう者じゃ・安念あんねん衆しゅ長ちょう者じゃ・快け臂ひ長ちょう者じゃ・火か英よう長ちょう者じゃ・善容ぜんよう長ちょう者じゃ・具ぐ足そく宝ほう長ちょう者じゃ・名みょう遠聞おんもん長ちょう者じゃ・香け辟びゃく疫やく長ちょう者じゃ・安吉あんきつ長ちょう者じゃ・施せ宝盈ほうよう長ちょう者じゃ・欣讃ごんさん長ちょう者じゃ・胎たい施せ殷おん長ちょう者じゃ・供異くい道どう長ちょう者じゃ・勇ゆう降怨ごうおん長ちょう者じゃ・宝ほう珥に長ちょう者じゃ・宝結ほうけつ長ちょう者じゃといふ。

○清信士アリ、名ケテ曰フ↢給飯孤独長者・安念衆長者・快臂長者・火英長者・善容長者・具足宝長者・名遠聞長者・香辟疫長者・安吉長者・施宝盈長者・欣讃長者・胎施殷長者・供異道長者・勇降怨長者・宝珥長者・宝結長者ト↡。

清しょう信女しんにょあり、 名なづけて生しょう僂るといひ、 名なづけて黒哲こくてつといひ、 名なづけて信法しんぼうといひ、 名なづけて軟善なんぜんといひ、 名なづけて楽涼ぎょうりょうといひ、 名なづけて忍にん苦く楽らくといひ、 名なづけて楽ぎょう愛あい優婆うば夷いといふ。

●清信女アリ、名ケテ曰ヒ↢生僂ト↡、名ケテ曰ヒ↢黒哲ト↡、名ケテ曰ヒ↢信法ト↡、名ケテ曰ヒ↢軟善ト↡、名ケテ曰ヒ↢楽涼ヒ↡、名ケテ曰ヒ↢忍苦楽ト↡、名ケテ曰フ↢楽愛優婆夷ト↡。

かくのごときの人にん、 みな一いち種類しゅるいにして、 諸しょ垢くを消しょう尽じんする勇ゆう浄じょうのものなり。 無む数しゅの衆しゅ、 ことごとくともに大だい会えす。

●如キ↠此クノ之人、皆一種類ニシテ、消↢尽スル諸垢ヲ↡勇浄ノ者也。無数之衆、悉ク共ニ大会ス。

一 Ⅱ 発起序

時ときにおいて仏ぶつ、 坐ざして正しょう道どうを思し念ねんしたまふに、 面おもてに九く色しきの光ひかりありて数しゅ千せん百ひゃっ変ぺんす。 光ひかりはなはだ大だい明みょうなり。

○於テ↠時ニ仏坐シテ思↢念シタマフニ正道ヲ↡、面ニ有リテ↢九色ノ光↡数千百変ス。光甚ダ大明ナリ。

賢者けんじゃ阿あ難なんすなはち座ざより起たちて、 あらためて衣え服ぶくを正ただしくし、 仏足ぶっそくを稽首けいしゅして、 長じょう跪き叉手しゃしゅし、 前すすみて仏ぶつにまうしてまうさく、

○賢者阿難即チ従リ↠座起チテ、更メテ正シクシ↢衣服ヲ↡、稽↢首シテ仏足ヲ↡、長跪叉手シ、前ミテ白シテ↠仏ニ言ク、

いま仏ぶつの面目めんもくの光色こうしき、 なにをもつてか時々じじに更きょう変へんして明あきらかなることすなはちしかるや。 いま仏ぶつの面目めんもくの光こう精しょう、 数しゅ百ひゃく千色せんじきにして上じょう下げ明みょう徹てつして好うるわしきことすなはちかくのごとくなる。 われ仏ぶつに侍つかへたてまつりてよりこのかた、 いまだかつて仏ぶつの身体しんたいの光曜こうよう巍々ぎぎとして重明じゅうみょうなることすなはちしかるを見みたてまつらず。 われいまだかつて至し真しん等とう正しょう覚がくの光こう明みょう威い神じんの今日こんにちのごとく明みょう好こうにしてみだらならざることあるを見たてまつらず。

○今仏ノ面目ノ光色、何ヲ以カ時時ニ更変シテ明カナルコト乃チ爾ル乎。今仏ノ面目ノ光精、数百千色ニシテ上下明徹シテ好シキコト乃チ如クナル↠是クノ。我侍ヘタテマツリテヨリ↠仏ニ已来タ、未ダ↣曽テ見タテマツラ↢仏ノ身体ノ光曜巍巍トシテ重明ナルコト乃チ爾ルヲ↡。我未ダ↫曽テ見タテマツラ↪至真等正覚ノ光明威神ノ有ルヲ↩如ク↢今日ノ↡明好ニシテ不ルコト↝妄ナラ。

かならずまさにもろもろの過去かこ・当来とうらい、 もしは他た方ほう仏国ぶっこくのいま現在げんざいの仏ぶつを念ねんじたまふべしと。

○会ズ当ニシト↠念ジタマフ↢諸ノ過去・当来、若シハ他方仏国ノ今現在ノ仏ヲ↡。

仏ぶつ、 阿あ難なんに告つげたまはく、 諸天しょてんありて来きたりてなんぢに教おしふるや、 諸仏しょぶつのなんぢに教おしへてわれに問とはしむるや。 なんぢみづから智ちより出いづるやと。

○仏告ゲタマハク↢阿難ニ↡、有リテ↢諸天↡来0203リテ教フルヤ↠汝ニ、諸仏ノ教ヘテ↠汝ニ令ムル↠問ハ↠我ニ耶。若自ラ従リ↠智出ヅル乎ト。

阿あ難なん仏ぶつにまうしてまうさく、 また諸天しょてんにてもなく諸仏しょぶつの教おしへにてもなし。 われいま仏ぶつに問とひたてまつるは、 みづから意こころより出いで来きたりて仏ぶつにまうしたてまつるのみ。

○阿難白シテ↠仏ニ言ク、亦無ク↢諸天ニテモ↡無シ↢諸仏ノ教ニテモ↡。我今問ヒタテマツル↠仏ニ者、自ラ従リ↠意出デ来リテ白シタテマツル↠仏ニ耳。

仏ぶつの坐起ざき、 もしは行ぎょう出入しゅつにゅう、 至し到とうするところ、 まさに作為さいすべきところ、 まさに教勅きょうちょくすべきところあるごとに、 われすなはち仏ぶつ意いを知しる。

●毎ニ↧仏ノ坐起、若シハ行出入、有ル↦所↢至到スル↡、所↠当ニキ↢作為ス↡、所↞当ニキ↢教勅ス↡、我輒チ知ル↢仏意ヲ↡。

いま仏ぶつ独ひとりまさに展転てんでんしてあひ思おもひたまふべし。 ゆゑに面色めんしき光こう明みょうすなはちかくのごとくならしむるのみと。

○今仏独リ当ニシ↢展転シテ相思ヒタマフ↡。故ニ使ムル↢面色光明乃チ如クナラ↟此クノ耳ト。

仏ぶつのたまはく、 善哉ぜんざい阿あ難なん、 なんぢが問とへるところのものは、 甚深じんじんにして快け善ぜんなり、 度ど脱だつするところ多おおし。 なんぢが仏ぶつに問とへるものは、 一いち天てん下げの阿羅あら漢かん・辟びゃく支し仏ぶつを供く養ようし諸天しょてん・人民にんみんおよび蜎けん飛ぴ蠕動ねんどうの類たぐいに布施ふせして劫こうを累かさぬるに勝すぐるること百ひゃく千万せんまん億倍おくばいなりと。

○仏言ク、善哉阿難、若ガ所ノ↠問ヘル者ハ、甚深ニシテ快善ナリ、多シ↠所↢度脱スル↡。若ガ問ヘル↠仏ニ者ハ、勝ルルコト↧於供↢養シ一天下ノ阿羅漢・辟支仏ヲ↡布↢施シテ諸天・人民及ビ蜎飛蠕動之類ニ↡累ヌルニ↞劫ヲ百千万億倍ナリト矣。

仏ぶつのたまはく、 阿あ難なん、 いま諸天しょてん・帝王たいおう・人民にんみんおよび蜎けん飛ぴ蠕動ねんどうの類たぐい、 なんぢみなこれを度ど脱だつすと。

○仏言ク、阿難、今諸天・帝王・人民及ビ蜎飛蠕動之類、汝皆度↢脱スト之ヲ↡。

仏ぶつのたまはく、 仏ぶつは威い神じんはなはだ重おもくして当あたりがたし。 なんぢが問とへるところのものはおほきに深ふかし。 なんぢすなはち仏所ぶっしょに慈じ心しんありて、 諸天しょてん・人民にんみんもしは比丘びく・比丘びく尼に・優婆うば塞そく・優婆うば夷いを哀あわれむことおほきに善よし。 まさに爾々ににみなこれを過度かどすべしと。

○仏言ク、仏ハ威神甚ダ重クシテ難シ↠当リ。若ガ所ノ↠問ヘル者ハ大ニ深シ。汝乃チ慈↢心アリテ於仏所ニ↡、哀ムコト↢諸天・人民若シハ比丘・比丘尼・優婆塞・優婆夷ヲ↡大ニ善シ。当ニシト↣爾*爾皆過↢度ス之ヲ↡。

▼仏ぶつ、 阿あ難なんに語かたりたまはく、 世せ間けんに優う曇どん鉢ば樹じゅあり、 ただ実みありて華はなあることなし、 天てん下げに仏ぶつましますは、 すなはち華はなありて出いづるがごときのみ。 世せ間けんに仏ぶつましますははなはだ値もうあふことを得えがたし。 いまわれ仏ぶつとなりて天てん下げに出いでたり。

○仏語リタマハク↢阿難ニ、如キ↧世間ニ有リ↢優曇鉢樹↡、但有リテ↠実無シ↠有ルコト↠華、天下ニ有スハ↠仏、乃チ有リテ↠華出ヅルガ↥耳。世間ニ有スハ↠仏甚ダ難シ↠得↠値フコトヲ。今我作リテ↠仏ト出デタリ↢於天下ニ↡。

◆なんぢ大徳だいとくありて聡そう明みょう善心ぜんしんにしてあらかじめ仏ぶつ意いを知しるに、 なんぢみだりに仏辺ぶっぺんにありて仏ぶつに侍つかへずと。 なんぢいま問とへるところ、 よく聴ききあきらかに聴きけと。

●若有リテ↢大徳↡聡明善心ニシテ予メ知ルニ↢仏意ヲ↡、若不ト↧妄ニ在リテ↢仏辺ニ↡侍ヘ↞仏ニ也。若今所↠問ヘル、善ク聴キ諦ニ聴ケト。

二 正宗分
  Ⅰ 菩薩発願
    ⅰ 三十四仏

【2】 仏ぶつ、 阿あ難なんに語かたりたまはく、 前さきの已い過去かこの劫こう、 大衆だいしゅ多たにして計かぞふべからず、 辺幅へんぷくなく議はかるべからず、 すなはちその時とき過去かこの仏ぶつましましき、 定じょう光こう如来にょらいと名なづく。

○仏語リタマハク↢阿難ニ↡、前ノ已過去ノ劫、大衆多ニシテ不↠可カラ↠計フ、無ク↢辺幅↡不↠可カラ↢議ル、*乃チ爾ノ時有シキ↢過去ノ仏↡、名ク↢*定光如来ト↡。

また次つぎに仏ぶつまします、 名なづけて曜光ようこうといふ。 また次つぎに仏ぶつまします、 日月にちがつ香こうと名なづく。 また次つぎに仏ぶつまします、 安あん明みょう山せんと名なづく。 また次つぎに仏ぶつまします、 日月にちがつ面めんと名なづく。 また次つぎに仏ぶつまします、 無む塵じん垢くと名なづく。

○復次ニ有ス↠仏、名ケテ曰フ↢曜光ト↡。復次ニ有ス↠仏、名ク↢日月香ト↡。復次0204ニ有ス↠仏、名ク↢安明山ト↡。復次ニ有ス↠仏、名ク↢日月面ト↡。復次ニ有ス↠仏、名ク↢無塵垢ト↡。

また次つぎに仏ぶつまします、 無む沾てん汚おと名なづく。 また次つぎに仏ぶつまします、 名なづけて如にょ龍りゅう無む所しょ不ふ伏ぶくといふ。 また次つぎに仏ぶつまします、 名なづけて日光にっこうといふ。 また次つぎに仏ぶつまします、 大だい音王おんおうと名なづく。 また次つぎに仏ぶつまします、 宝潔ほうけつ明みょうと名なづく。

~復次ニ有ス↠仏、名ク↢無沾汚ト↡。復次ニ有ス↠仏、名ケテ曰フ↢如竜無所不伏ト↡。復次ニ有ス↠仏、名ケテ曰フ↢日光ト↡。復次ニ有ス↠仏、名ク↢大音王ト↡。復次ニ有ス↠仏、名ク↢宝潔明ト↡。

また次つぎに仏ぶつまします、 名なづけて金蔵こんぞうといふ。 また次つぎに仏ぶつまします、 焔えん宝光ほうこうと名なづく。 また次つぎに仏ぶつまします、 名なづけて有挙うこ地じといふ。 また次つぎに仏ぶつまします、 名なづけて琉璃るり光こうといふ。 また次つぎに仏ぶつまします、 日月にちがつ光こうと名なづく。

~復次ニ有ス↠仏、名ケテ曰フ↢金蔵ト↡。復次ニ有ス↠仏、名ク↢焔宝光ト↡。復次ニ有ス↠仏、名ケテ曰フ↢有挙地ト↡。復次ニ有ス↠仏、名ケテ曰フ↢琉璃光ト↡。復次ニ有ス↠仏、名ク↢*日月光ト↡。

また次つぎに仏ぶつまします、 名なづけて日音にっとん声じょうといふ。 また次つぎに仏ぶつまします、 光こう明みょう華けと名なづく。 また次つぎに仏ぶつまします、 神通じんずう遊持ゆじ意い如海にょかいと名なづく。 また次つぎに仏ぶつまします、 嗟歎しゃたん光こうと名なづく。 また次つぎに仏ぶつまします、 具ぐ足そく宝潔ほうけつと名なづく。

~復次ニ有ス↠仏、名ケテ曰フ↢日音声ト↡。復次ニ有ス↠仏、名ク↢光明華ト↡。復次ニ有ス↠仏、名ク↢神通遊持意如海ト↡。復次ニ有ス↠仏、名ク↢嗟歎光ト↡。復次ニ有ス↠仏、名ク↢具足宝潔ト↡。

また次つぎに仏ぶつまします、 光開こうかい化けと名なづく。 また次つぎに仏ぶつまします、 名なづけて大だい香聞こうもんといふ。 また次つぎに仏ぶつまします、 名なづけて降ごう棄き恚い嫉しつといふ。 また次つぎに仏ぶつまします、 妙みょう琉璃るり紫磨しま金焔こんえんと名なづく。 また次つぎに仏ぶつまします、 心しん持じ道どう華け無む能のう過か者しゃと名なづく。

~復次ニ有ス↠仏、*名ク↢光開化ト↡。復次ニ有ス↠仏、名ケテ曰フ↢大香聞ト↡。復次ニ有ス↠仏、名ケテ曰フ↢降棄恚嫉ト↡。復次ニ有ス↠仏、名ク↢妙琉璃紫磨金焔ト↡。復次ニ有ス↠仏、名ク↢心持道華无能過者ト↡。

また次つぎに仏ぶつまします、 積しゃく衆じゅ華けと名なづく。 また次つぎに仏ぶつまします、 水すい月光がつこうと名なづく。 また次つぎに仏ぶつまします、 除衆じょしゅ冥みょうと名なづく。 また次つぎに仏ぶつまします、 日光にっこう蓋がいと名なづく。 また次つぎに仏ぶつまします、 温おん和わ如来にょらいと名なづく。

~復次ニ有ス↠仏、*名ク↢積衆華ト↡。復次ニ有ス↠仏、名ク↢水月光ト↡。復次ニ有ス↠仏、*名ク↢除衆冥ト↡。復次ニ有ス↠仏、名ク↢日光蓋ト↡。復次ニ有ス↠仏、*名ク↢温和如来ト↡。

また次つぎに仏ぶつまします、 名なづけて法ほう意いといふ。 また次つぎに仏ぶつまします、 師子しし威い象ぞう王おう歩ぶと名なづく。 また次つぎに仏ぶつまします、 名なづけて世せ豪ごうといふ。 また次つぎに仏ぶつまします、 名なづけて浄じょう音おんといふ。 また次つぎに仏ぶつまします、 不可ふか勝しょうと名なづく。

~復次ニ有ス↠仏、名ケテ曰フ↢法意ト↡。復次ニ有ス↠仏、*名ウ↢師子威象王歩ト↡。復次ニ有ス↠仏、名ケテ曰フ↢世豪ト↡。復次ニ有ス↠仏、名ケテ曰フ↢浄音ト↡。復次ニ有ス↠仏、*名ク↢不可勝ト↡。

また次つぎに仏ぶつまします、 楼夷るい亘こう羅らと名なづく。 うちにましまして教きょう授じゅしたまふこと四し十じゅう二に劫こうなり。 みなすでに過すぎ去さりたまひき。

○復次ニ有ス↠仏、*名ク↢楼夷亘羅ト↡。○在シテ↠中ニ教授シタマフコト四十二劫ナリ。○皆已ニ過ギ去リタマヒキ。

すなはちその劫こうの時とき仏ぶつとなれり。 天てん上じょう天てん下げ人にん中ちゅうの雄おう、 経きょう道どう法ほう中ちゅうの勇ゆう猛みょうの将しょうなり。 仏ぶつ、 諸天しょてんおよび世せの人民にんみんのために、 経きょうを説とき道どうを講こうず、 よく世せ饒にょう王おうに過すぎたるものなし。

●乃チ爾ノ劫ノ時作レリ↠仏ト。天上天下人中之雄、経道法中ノ勇猛之将ナリ。仏為ニ↢諸天及ビ世ノ人民ノ↡、説キ↠経ヲ講ズ↠道ヲ、莫シ↣能ク過ギタル↢者世0205饒王ニ↡。

経きょう道どうを聞きき歓かん喜ぎし開かい解げして、 すなはち国こく位いを棄すて、 行ぎょうじて比丘びくとなり、 曇どん摩迦まか留ると名なづく。 菩ぼ薩さつ意いを発おこし人ひととなり高才こうざい、 智慧ちえ勇ゆう猛みょうにして、 よく踰こゆるものなし。 世よと絶ぜつ異いせり。

○聞キ↢経道ヲ↡歓喜シ開解シテ、便チ棄テ↢国位ヲ↡、行ジテ作リ↢比丘ト↡、名ク↢曇摩迦留ト↡。発シテ↢菩薩意ヲ↡為リ↠人ト高才、智慧勇猛ニシテ、无シ↢能ク踰ユル者↡。与↠世絶異セリ。

二 Ⅰ ⅱ 讃仏偈

世せ饒にょう王仏おうぶつの所みもとに到いたりて、 稽首けいしゅして礼らいをなし、 長じょう跪き叉手しゃしゅし、 仏ぶつを称しょう讃さんしてまうさく、

○到リテ↢世饒王仏ノ所ニ↡、稽首シテ為シ↠礼ヲ、長跪叉手シ、称↢讃シテ仏ヲ↡言ク、

無む量りょうの光曜こうよう 威い神じん極きわまりあることなし

○無量之光曜威神无シ↠有ルコト↠極リ

かくのごときの焔えん明みょう よくともに等ひとしきものなし

○如キ↠是クノ之焔明无シ↢能ク与ニ等シキ者↡

もしは日ひ・摩尼まに・火ひ・月つき・水みずの形かたちをもつてするも

○若シハ以テスルモ↢日・摩尼・火・月・水之形ヲ↡

その景ひかり及およぶべからず その色いろもまた比くらべがたく

○其ノ景不↠可カラ↠及ブ其ノ色モ亦難ク↠比ベ

顔色げんしき称量しょうりょうしがたし 一切いっさい世せの最さいなり

○顔色難シ↢称量シ↡一切世之最ナリ

かくのごときの大だい音おん声じょう もろもろの無む数しゅ刹せつに遍へんす

○如キノ↠是クノ大音声遍ス↢諸ノ无数刹ニ↡

あるいは三昧さんまい定じょう・精しょう進じんおよび智慧ちえをもつて

○*或イハ以テ↢三昧定・精進及ビ智慧ヲ↡

威い徳とく輩ともがらあることなし 殊しゅ勝しょうにしてまた希有けうなり

○威徳无シ↠有ルコト↠輩殊勝ニシテ亦希有ナリ

深じん微みにあきらかに善念ぜんねんし これより仏法ぶっぽうを得う

○深微ニ諦ニ善念シ従リ↠是得↢仏法ヲ↡

持じ覚かく海うみのごとく その限かぎり底そこあることなし

○持覚若↢如 ゴト ク海ノ↡其ノ限無シ↠有ルコト↠底

瞋しん恚におよび愚痴ぐちは 世せ尊そんのなきところなり

○瞋恚及ビ愚痴ハ世尊之所ナリ↠無キ

仏ぶつの世せ雄おうなるを嗟歎しゃたんするに 終しゅう始し厭足えんそくなし

○嗟↢歎スルニ仏ノ世雄ナルヲ↡終始無シ↢厭足↡

仏ぶつは好こう花け樹じゅのごとく 愛あい楽ぎょうせざるものなし

○仏ハ如ク↢好花樹ノ↡莫シ↧不ル↢愛楽セ↡者↥

処々しょしょの人民にんみん見みて 一切いっさいみな歓かん喜ぎす

○処処ノ人民見テ一切皆歓喜ス

われ作さ仏ぶつせしめん時とき 願ねがはくは法王ほうおうのごとく

○令メム↢我作仏セ↡時願クハ使メム↧如ク↢法王ノ↡

生しょう死じを過度かどし 解げ脱だつせざるものなからしめん

○過↢度シ於生死ヲ↡無カラ↦不ル↢解脱セ↡者↥

檀だん施せ・調じょう伏ぶく意い・戒かい・忍にんおよび精しょう進じん

○檀施・調伏意・戒・忍及ビ精進

かくのごときの三昧さんまい定じょう・智慧ちえ上じょう最さいとならん

○如キノ↠是クノ三昧定・智慧為ラム↢上最ト↡

われ誓ちかふ仏ぶつを得えば あまねくこの事じを逮得たいとくして

○吾誓フ得バ↠仏ヲ者普ク逮↢得シテ此ノ事ヲ↡

一切いっさいもろもろの恐懼くく われために大安だいあんを獲えしめん

○一切諸ノ恐懼我為ニ獲シメム↢大安ヲ↡

たとひ百ひゃく千億せんおく万まん那な術じゅつの仏ぶつあらんに

○仮令 タトヒ 有ラムニ↢百千億万那術ノ仏↡

かくのごときの仏ぶつの数かず 恒水ごうすいの沙いさごのごとくならしめ

○如キノ↠是クノ仏之数使メ↠如クナラ↢恒水ノ沙ノ↡

計かぞふるに沙等すなとうの仏ぶつをもつてす 一切いっさいみな供く養ようせんよりは

○0206計ルニ以テス↢沙等ノ仏ヲ↡一切皆供養セムヨリハ

正しょう道どうを求もとめて 堅勇けんゆうにして怯おそれざるにはしかず

○不↠如カ↧求メテ↢正*道ヲ↡堅勇ニシテ而不ルニハ↞*怯レ

たとへば恒水ごうすいのなかの 流る沙しゃのごとき世せ界かい

○譬ヘバ如キ↢恒水ノ中ノ流沙ノ↡之世界

また倍ばいして計かぞふべからざる 無む数しゅの刹せつ土ど

~復倍シテ不ル↠可カラ↠計フ無数之刹土

光焔こうえん一切いっさい炤あきらかに この諸数しょしゅの国くにに遍へんす

○光焔一切炤アキラカニ遍ス↢此ノ諸数ノ国ニ↡

かくのごときの精しょう進じん力りき 威い神じん量はかるべきことかたし

○如キノ↠是クノ精進力威神難シ↠可キコト↠量ル

われ世せ雄おうとならんに 国こく土ど最さい第一だいいちならしめん

○令メム↧我為ラムニ↢世雄ト↡国土ヲシテ最第一ナラ↥

その衆しゅはことに妙みょう好こうにして 道どう場じょうは諸刹しょせつに踰こへ

○其ノ衆ハ殊ニ妙好ニシテ道場ハ踰ヘ↢諸刹ニ↡

国くには泥洹ないおん界かいのごとく しかも等双とうそうあることなからん

○国ハ如ク↢泥洹界ノ↡而モ无カラム↠有ルコト↢等双↡

われまさにつねに愍哀あいみんして 一切いっさいの人にんを度ど脱だつせん

○我当ニ常ニ愍哀シテ度↢脱セム一切ノ人ヲ↡

十方じっぽうより往おう生じょうせんもの その心悦しんえつ清浄しょうじょうに

○十方ヨリ往生セム者其ノ心悦清浄ニ

すでにわが国くにに来到らいとうせば 快け楽らくにして喜よろこび安隠あんのんならん

○已ニ来↢到セバ我ガ国ニ↡快楽ニシテ喜ビ安隠ナラム

幸ねがはくは仏ぶつ信しん明みょうを見あらわしたまへ これわが等一だいいちの証しょうなり

○幸クハ仏見アラハシタマヘ↢信明ヲ↡是我ガ等一ノ証ナリ

発願ほつがんかしこにあり 精しょう進じんして欲ほっするところを力つとめん

○発願在リ↢於彼ニ↡精進シテ力ツトメム↠所ヲ↠欲スル

十方じっぽうのもろもろの世せ尊そん みな無礙むげの慧えまします

○十方ノ諸ノ世尊皆有ス↢無ノ慧↡

つねにこの尊雄そんおうを念ねんじ わが心こころの所しょ行ぎょうを知しりたまへ

~常ニ念ジ↢此ノ尊雄ヲ↡知リタマヘ↢我ガ心ノ所行ヲ↡

わが身みをして もろもろの苦く毒どくのなかに止し住じゅうせしむとも

○令ムトモ↣我ガ身ヲシテ止↢住セ於諸ノ苦毒ノ中ニ↡

わが行ぎょう精しょう進じんにつとめて これを忍しのびてつひに悔くいじと

~我ガ行精進ニ力ツトメテ忍ビテ↠之ヲ終ニ不ト↠悔イ

二 Ⅰ ⅲ 菩薩選択

【3】 法ほう宝蔵ほうぞう比丘びくこれを説とき、 世せ饒にょう王おう如来にょらい・至し真しん・等とう正しょう覚がくを唱しょう讃さんしをはり、 意こころを発おこして無む上じょう正しょう真道しんどうの最さい正しょう覚がくを求もとめんと欲ほっす。 われこの願がんを立たつること、 多陀ただ竭かつ仏ぶつのごとく、 あらゆるものの願がんことごとくこれを得えて、 人ひとの勤ごん苦く生しょう死じの根本こんぽんを抜ぬきて、 ことごとく仏ぶつのごとくならしめん。

○法宝蔵比丘説キ↠此ヲ、唱↢讃シ世饒王如来・至真・等正覚ヲ↡已リ、発シテ↠意ヲ欲ス↠求メムト↢無上正真道ノ最正覚ヲ↡。我立ツルコト↢是ノ願ヲ↡、如ク↢多陀竭仏ノ↡、所有者ノ願悉ク得テ↠之ヲ、抜キテ↢人ノ勤苦生死ノ根本ヲ↡、悉ク令メム↠如クナラ↠仏ノ。

唯ねがはくはために経きょうを説ときたまへ。 施ほどこすべきところを行ぎょうじて、 疾とく決けつを得えしめん。 われ仏ぶつとならん時とき、 及およぶものなからしめん。 願ねがはくは仏ぶつわがために諸仏しょぶっ国こくの功く徳どくを説ときたまへ、 われまさに奉持ぶじすべし。 まさにこのなかに住じゅうして、 願がんを取とりて仏ぶつとなり、 国くにもまたかくのごとくなるべしと。

○唯ネガハクハ為ニ説キタマヘ↠経ヲ。所ヲ↠可キ↠施ス行ジテ、令メム↢疾ク得↟決ヲ。我作ラム↠仏ト時、令メム↠無カラ↢及ブ者↡。願クハ仏為ニ↠我ガ説キタマヘ↢諸仏国ノ功徳ヲ↡、我当ニシ↢奉持ス↡。当ニシト↢那コノ中ニ住シテ、取リテ↠願ヲ作リ↠仏ト、国モ亦如クナル↟是クノ。

▼仏ぶつ、 阿あ難なんに語かたりたまはく、 その世せ饒にょう王仏おうぶつその高こう明みょうの所願しょがんの快け善ぜんなるを知しりて、 すなはち法ほう宝蔵ほうぞう菩ぼ薩さつのために経きょうを説ときてのたまはく、

○仏語リタマハク↢阿難ニ↡、其ノ世饒王仏知リテ↢其ノ高明ノ所願ノ快善ナルヲ↡、即チ為ニ↢法0207宝蔵菩薩ノ↡説キテ↠経ヲ言ク、

たとへば大海だいかいの水みず、 一人いちにんにしてこれを升量しょうりょうせんに、 一劫いっこうにして止やまずは、 なほ枯こ尽じんして海うみをして空竭くうかつならしめその底泥たいでいを得うべきがごとし。 人ひと至し心しんに道どうを求もとめんに、 いかにしてかまさに得うべからざらんや。 求ぐ索しゃくし精しょう進じんして休止くしせざれば、 かならず心しん中ちゅう所欲しょよくの願がんを得うべきのみと。

○譬ヘバ如シ↫大海ノ水、一人ニシテ*升↢量セムニ之ヲ↡、一劫ニシテ不ハ↠止マ、尚可キガ↪枯尽シテ令メ↢海ヲシテ空竭ナラ↡得↩其ノ底泥ヲ↨。人至心ニ求メムニ↠道ヲ、何而イカニシテカ当ニ不ラム↠可カラ↠得乎。求索シ精*進シテ不レバ↢休止セ↡者、会ズ得ベキ↢心中所欲ノ願ヲ↡耳ト。

【4】 法ほう宝蔵ほうぞう菩ぼ薩さつ、 世せ饒にょう王仏おうぶつの経きょうを説ときたまふことかくのごとくなるを聞ききて、 すなはちおほきに歓かん喜ぎし踊ゆ躍やくす。

●法宝蔵菩薩聞キテ↢世饒王仏ノ説キタマフコト↠経ヲ如クナルヲ↟是クノ、則チ大ニ歓喜シ踊躍ス。

▼その仏ぶつすなはちために二に百ひゃく一いち十じゅう億おくの仏国ぶっこくのなかの諸天しょてん・人民にんみんの善悪ぜんあく、 国こく土どの好醜こうしゅを選せん択じゃくして、 ために心しん中ちゅうの所願しょがんを選えらばしめ、 用もちゐてこれを与あたふ。

○其ノ仏則チ為ニ▼選↢択シテ二百一十億ノ仏国ノ中ノ諸天・人民ノ善悪、国土之好醜ヲ↡、為ニ選バシメ↢心中ノ所願ヲ↡、用ヰテ与フ↠之ヲ。

世せ饒にょう王仏おうぶつ経きょうを説ときたまふことをはりて、 法ほう宝蔵ほうぞう菩ぼ薩さつすなはちその心こころを一いつにして、 すなはち天眼てんげんを得えて徹てっ視ししてことごとくみづから二に百ひゃく一いち十じゅう億おくの諸仏しょぶっ国こくのなかの諸天しょてん・人民にんみんの善悪ぜんあく、 国こく土どの好醜こうしゅを見みて、

○世饒王仏説キタマフコト↠経ヲ竟リテ、法宝蔵菩薩便チ壹ニシテ↢其ノ心ヲ↡、則チ得テ↢天眼ヲ↡徹視シテ悉ク自ラ見テ↢二百一十億ノ諸仏国ノ中ノ諸天・人民之善悪、国土之好醜ヲ↡、

すなはち心しん所欲しょよくの願がんを選えらびて、 すなはちこの二に十じゅう四し願がん経きょうを結得けっとくし、

○則チ選ビテ↢心所欲ノ願ヲ↡、便チ▼結↢得シ是ノ二十四願経ヲ↡、

すなはちこれを奉ぶ行ぎょうすること精しょう進じん勇ゆう猛みょうに、 勤ごん苦くし求ぐ索しゃくす。

○則チ奉↢行スルコト之ヲ↡精進勇猛ニ、勤苦シ求索ス。

かくのごとくなること無む央数おうしゅ劫こうなり。

○如クナルコト↠是クノ無央数劫ナリ。

師事しじし供く養ようするところの諸仏しょぶつ・已い過去かこの仏ぶつもまた無む央数おうしゅなり。

●所ノ↢師事シ供養スル↡*諸仏・已過去ノ仏モ亦无央数ナリ。

その法ほう宝蔵ほうぞう菩ぼ薩さつそのしかうして後のちに至いたりてみづから致いたして作さ仏ぶつするを得えて、 無む量りょう清浄しょうじょう覚かくと名なづく。 最尊さいそん智慧ちえ勇ゆう猛みょうにして光こう明みょう比ならびなし。 いま現在げんざいの所しょ居ごの国くにはなはだ快け善ぜんなり。 他た方ほうの異い仏国ぶっこくにありて、 八方はっぽう上じょう下げの無む央数おうしゅの諸天しょてん・人民にんみんおよび蜎けん飛ぴ蠕動ねんどうの類たぐいを教きょう授じゅするに、 憂苦うくを過度かどし解げ脱だつするを得えざるはなしと。

●其ノ法宝蔵菩薩至リテ↢*其ノ然シテ後ニ↡自ラ致シテ得テ↢作仏スルヲ↡、名ク↢▼無量清浄覚ト↡。最尊智慧勇猛ニシテ光明無シ↠比。今現在ノ所居ノ国甚ダ快善ナリ。在リテ↢他方ノ異仏国ニ↡、教↢授スルニ八方上下ノ無央数ノ諸天・人民及ビ蜎飛蠕動之類ヲ↡、莫シト↠不ルハ↠得↤過↢度シ解↣脱スルヲ憂苦ヲ↡者。

二 Ⅰ ⅳ 二十四願

無む量りょう清浄しょうじょう仏ぶつ、 菩ぼ薩さつたりし時とき、 つねにこの二に十じゅう四し願がんを奉ぶ行ぎょうして、 珍宝ちんぽうのごとく愛あい重じゅうし保持ほじし恭く順じゅんし、 精しょう進じんにしてもっぱらこれを行ぎょうず。 衆しゅと超ちょう絶ぜつし卓然たくねんとして異いあり。 みなよく及およぶものあることなしと。

●无量清浄仏為リシ↢菩薩↡時、常ニ奉↢行シテ是ノ二十四願ヲ↡、珍宝ノゴトク愛重シ保持シ恭順シ、精進ニシテ禅モハラ行ズ↠之ヲ。与↠衆超絶シ卓然トシテ有リ↠異。皆無シト↠有ルコト↢能ク及ブ者↡。

仏ぶつのたまはく、 なんらをか二に十じゅう四し願がんとなす。

●仏言ク、何等ヲカ為ス↢二0208十四願ト↡者。

一いちに、 われ作さ仏ぶつせん時とき、 わが国こく中ちゅうに地じ獄ごく・禽きん獣じゅう・餓鬼がき・蜎けん飛ぴ蠕動ねんどうの類たぐいあることなからしめん。 この願がんを得えばすなはち作さ仏ぶつせん。 この願がんに従したがふことを得えずはつひに作さ仏ぶつせじと。

○一ニ、我作仏セム時、令メム↢我ガ国中ニ無カラ↟有ルコト↢地獄・禽獣・餓鬼・蜎飛蠕動之類↡。得バ↢是ノ願ヲ↡乃チ作仏セム。不ハ↠得↠従フコトヲ↢是ノ願ニ↡終ニ不ト↢作仏セ↡。

二にに、 われ作さ仏ぶつせん時とき、 わが国こく中ちゅうの人民にんみんわが国くにに来らい生しょうするものあらんに、 わが国くにより去さりて、 また地じ獄ごく・餓鬼がき・禽きん獣じゅう・蠕動ねんどうに更かえらざらしめん。 そのなかに生しょうずることあらば、 われ作さ仏ぶつせじと。

○二ニ、我作仏セム時、令メム↫我ガ国中ノ人民有ラムニ↧来↢生スル我ガ国ニ↡者↥、従リ↢我ガ国↡去リテ、不ラ↪復更ラ↩地獄・餓鬼・禽獣・蠕動ニ↨。有ラバ↠生ズルコト↢其ノ中ニ↡者、我不ト↢作仏セ↡。

三さんに、 われ作さ仏ぶつせん時とき、 人民にんみんわが国くにに来らい生しょうするものあらんに、 一いち色類しきるいの金色こんじきならずは、 われ作さ仏ぶつせじと。

○三ニ、我作仏セム時、人民有ラムニ↧来↢生スル我ガ国ニ↡者↥、不ハ↢一色類ノ金色ナラ↡者、我不ト↢作仏セ↡。

四しに、 われ作さ仏ぶつせん時とき、 人民にんみんわが国くにに来らい生しょうするものあらんに、 天人てんにん・世せ間人けんにんに異いあらば、 われ作さ仏ぶつせじと。

○四ニ、我作仏セム時、人民有ラムニ↧来↢生スル我ガ国ニ↡者↥、天人・世間人ニ有ラバ↠異者、我不ト↢作仏セ↡。

五ごに、 われ作さ仏ぶつせん時とき、 人民にんみんわが国くにに来らい生しょうするものあらんに、 みなみづから従じゅう来らいするところの生しょうの本末ほんまつ、 従じゅう来らいするところの十じゅう億劫おくこうの宿命しゅくみょうを推おして、 ことごとく従じゅう来らいするところの生しょうを知ち念ねんせずは、 われ作さ仏ぶつせじと。

○五ニ、我作仏セム時、人民有ラムニ↧来↢生スル我ガ国ニ↡者↥、皆自ラ推シテ↧所ノ↢従来スル↡生ノ本末、所ノ↢従来スル↡十億劫ノ宿命ヲ↥、不ハ↧悉ク知↦念セ所ノ↢従来スル↡生ヲ↥、我不ト↢作仏セ↡。

六ろくに、 われ作さ仏ぶつせん時とき、 人民にんみんわが国くにに来らい生しょうするものあらんに、 ことごとく徹てっ視しせずは、 われ作さ仏ぶつせじと。

○六ニ、我作仏セム時、人民有ラムニ↧来↢生スル我ガ国ニ↡者↥、不ハ↢悉ク徹視セ↡、我不ト↢作仏セ↡。

七しちに、 われ作さ仏ぶつせん時とき、 人民にんみんわが国くにに来らい生しょうするものあらんに、 ことごとく他た人にんの心しん中ちゅうの所念しょねんを知しらずは、 われ作さ仏ぶつせじと。

○七ニ、我作仏セム時、人民有ラムニ↧来↢生スル我ガ国ニ↡者↥、不ハ↣悉ク知ラ↢他人ノ心中ノ所念ヲ↡者、我不ト↢作仏セ↡。

八はちに、 われ作さ仏ぶつせん時とき、 わが国こく中ちゅうの人民にんみん、 ことごとく飛ひせずは、 われ作さ仏ぶつせじと。

○八ニ、我作仏セム時、我ガ国中ノ人民、不ハ↢悉ク飛セ↡者、我不ト↢作仏セ↡。

九くに、 われ作さ仏ぶつせん時とき、 わが国こく中ちゅうの人民にんみん、 ことごとく徹てっ聴ちょうせずは、 われ作さ仏ぶつせじと。

○九ニ、我作仏セム時、我ガ国中ノ人民、不ハ↢悉ク徹聴セ↡者、我不ト↢作仏セ↡。

十じゅうに、 われ作さ仏ぶつせん時とき、 わが国こく中ちゅうの人民にんみん、 愛欲あいよくあらば、 われ作さ仏ぶつせじと。

○十0209ニ、我作仏セム時、我ガ国中ノ人民、有ラバ↢愛欲↡者、我不ト↢作仏セ↡。

十じゅう一いちに、 われ作さ仏ぶつせん時とき、 わが国こく中ちゅうの人民にんみん、 尽般じんはつ泥洹ないおんに住じゅう止しせん。 しからずはわれ作さ仏ぶつせじと。

○十一ニ、我作仏セム時、我ガ国中ノ人民、住↢止セム尽般泥洹ニ↡。不ハ↠爾ラ者我不ト↢作仏セ↡。

十じゅう二にに、 われ作さ仏ぶつせん時とき、 わが国くにのもろもろの弟子でし、 八方はっぽう上じょう下げのおのおの千億せんおく仏国ぶっこく中ちゅうの諸天しょてん・人民にんみん・蠕動ねんどうの類たぐいをして*縁えん一覚いちかく・大だい弟子でしとならしめ、 みな禅ぜん一心いっしんにともにわが国こく中ちゅうのもろもろの弟子でしを数かぞへて、 百ひゃく億劫おくこうに住じゅう至しすとも、 よく数かぞふものなからん。 しからずはわれ作さ仏ぶつせじと。

○十二ニ、我作仏セム時、我ガ国ノ諸ノ弟子、令メ↢八方上下ノ各ノ千億仏国中ノ諸天・人民・蠕動之類ヲシテ作ラ↢縁一覚・大弟子ト↡、皆禅一心ニ共ニ数ヘテ↢我ガ国中ノ諸ノ弟子ヲ↡、住↢至ストモ百億劫ニ↡、無カラム↢能ク数フ者↡。不ハ↠爾ラ者我不ト↢作仏セ↡。

十じゅう三さんに、 われ作さ仏ぶつせん時とき、 わが光こう明みょうをして日月にちがつ・諸仏しょぶつの明みょうに勝すぐるること百ひゃく億万おくまん倍ばいならしめ、 無む数しゅの天てん下げの窈よう冥みょうの処ところを炤てらして、 みなつねに大だい明みょうなるべし。 諸天しょてん・人民にんみん・蠕動ねんどうの類たぐい、 わが光こう明みょうを見みて、 慈じ心しんをもつて善ぜんをなしわが国くにに来らい生しょうせざるはなけん。 しからずはわれ作さ仏ぶつせじと。

○十三ニ、我作仏セム時、令メ↧我ガ光明ヲシテ勝ルルコト↢於日月・諸仏之明ニ↡百億万倍ナラ↥、炤テラシテ↢無数ノ天下ノ窈冥之処ヲ↡、皆常ニ大明ナルベシ。諸天・人民・蠕動之類、▼見テ↢我ガ光明ヲ↡、莫ケム↠不ルハ↣慈心ヲモテ作シ↠善ヲ来↢生セ我ガ国ニ↡。不ハ↠爾ラ者我不ト↢作仏セ↡。

十じゅう四しに、 われ作さ仏ぶつせん時とき、 八方はっぽう上じょう下げの無む数しゅの仏国ぶっこくの諸天しょてん・人民にんみん・蠕動ねんどうの類たぐいをして縁えん一覚いちかく・果か証しょうの弟子でしを得えしめ、 坐ざ禅ぜん一心いっしんにともにわが年寿ねんじゅ幾千いくせん万億まんおく劫こうなるを計かぞへ知しらんと欲ほっするに、 よく寿いのちの涯底がいたいを知しるものなからしめん。 しからずはわれ作さ仏ぶつせじと。

○十四ニ、我作仏セム時、令テ↢八方上下ノ無数ノ仏国ノ諸天・人民・蠕動之類ヲ↡令メ↠得↢縁一覚・果証ノ弟子ヲ↡、坐禅一心ニ欲スルニ↣共ニ計ヘ↢知ラムト我ガ年寿幾千万億劫ナルヲ↡、令メム↠無カラ↧能ク知ル↢寿ノ*涯底ヲ↡者↥。不ハ↠爾ラ者我不ト↢作仏セ↡。

十じゅう五ごに、 われ作さ仏ぶつせん時とき、 人民にんみんわが国くにに来らい生しょうするものあらんに、 わが国こく中ちゅうの人民にんみんの所願しょがんをば除のぞき、 余よの人民にんみんの寿じゅ命みょうよく計かぞふるものあることなけん。 しからずはわれ作さ仏ぶつせじと。

○十五ニ、我作仏セム時、人民有ラムニ↧来↢生スル我ガ国ニ↡者↥、除キ↢我ガ国中ノ人民ノ所願ヲバ↡、余ノ人民ノ寿命无ケム↠有ルコト↢能ク計フル者↡。不ハ↠爾ラ者我不ト↢作仏セ↡。

十じゅう六ろくに、 われ作さ仏ぶつせん時とき、 国こく中ちゅうの人民にんみんみな悪心あくしんあることなからしめん。 しからずはわれ作さ仏ぶつせじと。

○十六ニ、我作仏セム時、国中ノ人民皆使メム↠莫ラ↠有ルコト↢悪心↡。不ハ↠爾ラ者我不ト↢作仏セ↡。

十じゅう七しちに、 ▼われ作さ仏ぶつせん時とき、 わが名なをして八方はっぽう上じょう下げの無む数しゅの仏国ぶっこくに聞きかしめん。 諸仏しょぶつおのおの弟子でし衆しゅのなかにおいて、 わが功く徳どく・国こく土どの善ぜんを歎たんぜん。 諸天しょてん・人民にんみん・蠕動ねんどうの類たぐいわが名みょう字じを聞ききて、 みなことごとく踊ゆ躍やくして、 わが国くにに来らい生しょうせん。 しからずはわれ作さ仏ぶつせじと。

○▼十0210七ニ、我作仏セム時、令メム↣我ガ名ヲシテ聞カ↢八方上下ノ無数ノ仏国ニ↡。諸仏各ノ於テ↢弟子衆ノ中ニ↡、歎ゼム↢我ガ功徳・国*土之善ヲ↡。諸天・人民・蠕動之類聞キテ↢我ガ名字ヲ↡、皆悉ク踊躍シテ、来↢生セム我ガ国ニ↡。不ハ↠爾ラ者我不ト↢作仏セ↡。

十じゅう八はちに、 われ作さ仏ぶつせん時とき、 諸しょ仏国ぶっこくの人民にんみん、 菩ぼ薩さつ道どうをなすものあり、 つねにわれを念ねんじて浄じょう潔けつ心しんならんに、 寿いのち終おわる時とき、 われ不可ふか計けの比丘びく衆しゅとともに飛ひ行ぎょうしてこれを迎むかへ、 ともに前まえにありて立たち、 すなはち還かえりてわが国くにに生しょうじて、 阿あ惟ゆい越おっ致ちとならん。 しからずはわれ作さ仏ぶつせじと。

○十八ニ、我作仏セム時、諸仏国ノ人民、有リ↧作ス↢菩薩道ヲ↡者↥、常ニ念ジテ↠我ヲ浄潔心ナラムニ、寿終ル時、▼我与ニ↢不可計ノ比丘衆ト↡飛行シテ迎ヘ↠之ヲ、共ニ在リテ↠前ニ立チ、即チ還リテ生ジテ↢我ガ国ニ↡、作ラム↢阿惟越致ト↡。不ハ↠爾ラ者我不ト↢作仏セ↡。

十じゅう九くに、 ▼われ作さ仏ぶつせん時とき、 他た方ほう仏国ぶっこくの人民にんみん、 前ぜん世せに悪あくをなすに、 わが名みょう字じを聞きき、 およびまさしく道どうをなし、 わが国くにに来らい生しょうせんと欲ほっせん。 寿いのち終おへてみなまた三さん悪道まくどうに更かえらず、 すなはちわが国くにに生うまれて心こころの所願しょがんのごとくあらしめん。 しからずはわれ作さ仏ぶつせじと。

○十九ニ、我作仏セム時、他方仏国ノ人民、前世ニ為スニ↠悪ヲ、聞キ↢我ガ名字ヲ↡、及ビ正シク為シ↠道ヲ、欲セム↣来↢生セムト我ガ国ニ↡。寿終ヘテ皆令メム↧不↣復更ラ↢三悪道ニ↡、則チ生レテ↢我ガ国ニ↡在ラ↦心ノ所願ノゴトク↥。不ハ↠爾ラ者我不ト↢作仏セ↡。

二に十じゅうに、 われ作さ仏ぶつせん時とき、 わが国くにのもろもろの菩ぼ薩さつ、 一いっ生しょうに等ひとしくしてこの余よ願がん功く徳どくを置おかざらん。 しからずはわれ作さ仏ぶつせじと。

○二十ニ、我作仏セム時、我ガ国ノ諸ノ菩薩、不ラム↣一生ニ等シクシテ置カ↢是ノ余願功徳ヲ↡。不ハ↠爾ラ者我不ト↢作仏セ↡。

二に十じゅう一いちに、 われ作さ仏ぶつせん時とき、 わが国くにのもろもろの菩ぼ薩さつ、 ことごとく三さん十じゅう二に相そうならずは、 われ作さ仏ぶつせじと。

○二十一ニ、我作仏セム時、我ガ国ノ諸ノ菩薩、不ハ↢悉ク三十二相ナラ↡者、我不ト↢作仏セ↡。

二に十じゅう二にに、 われ作さ仏ぶつせん時とき、 わが国くにのもろもろの菩ぼ薩さつ、 ともに八方はっぽう上じょう下げの無む数しゅの諸仏しょぶつを供く養ようせんと欲ほっせんに、 みな飛ひ行ぎょうせしめ、 万種まんじゅ自じ然ねんのものを得えんと欲ほっせば、 すなはちみな前まえにあり、 持じ用ゆうして諸仏しょぶつを供く養ようし、 ことごとく遍へんしをはりて後のち、 日ひいまだ中ちゅうならざるに、 すなはちわが国くにに還かえらん。 しからずはわれ作さ仏ぶつせじと。

○二十二ニ、我作仏セム時、我ガ国ノ諸ノ菩薩、欲セムニ↢共ニ供↢養セムト八方上下ノ無数ノ諸仏ヲ↡、皆令メ↢飛行セ↡、欲セバ↠得ムト↢万種自然之物ヲ↡、則チ皆在リ↠前ニ、持用シテ供↢養シ諸仏ヲ↡、悉ク遍シ已リテ後、日0211未ダルニ↠中ナラ、則チ還ラム↢我ガ国ニ↡。不ハ↠爾ラ者我不ト↢作仏セ↡。

二に十じゅう三さんに、 われ作さ仏ぶつせん時とき、 わが国くにのもろもろの菩ぼ薩さつ、 飯ぼんせんと欲ほっする時とき、 すなはち七宝しっぽうの鉢はちのなかに自じ然ねんに百ひゃく味みの飲食おんじきを生しょうじて前まえにあり、 食じきしをはらば鉢はちみな自じ然ねんに去さらん。 しからずはわれ作さ仏ぶつせじと。

●二十三ニ、我作仏セム時、我ガ国ノ諸ノ菩薩、欲スル↠飯セムト時ハ、則チ七宝ノ鉢ノ中ニ生ジテ↢自然ノ百味ノ*飲食ヲ↡在リ↠前ニ、食シ已ラバ鉢皆自然ニ去ラム。不ハ↠爾ラ者我不ト↢作仏セ↡。

二に十じゅう四しに、 われ作さ仏ぶつせん時とき、 わが国くにのもろもろの菩ぼ薩さつ、 経きょうを説とき道どうを行ぎょうずること仏ぶつのごとくならずは、 われ作さ仏ぶつせじと。

○二十四ニ、我作仏セム時、我ガ国ノ諸ノ菩薩、説キ↠経ヲ行ズルコト↠道ヲ不ハ↠如クナラ↠仏ノ者、我不ト↢作仏セ↡。

二 Ⅱ 菩薩修行

【5】 仏ぶつ、 阿あ難なんに告つげたまはく、 無む量りょう清浄しょうじょう仏ぶつ、 菩ぼ薩さつたりし時とき、 つねにこの二に十じゅう四し願がんを奉ぶ行ぎょうし、

○仏告ゲタマハク↢阿難ニ↡、無量清浄仏為リシ↢菩薩↡時、常ニ奉↢行シ是ノ二十四願ヲ↡、

分檀ぶんだん布施ふせして道禁どうきんを犯おかさず、 忍辱にんにく・精しょう進じん・一心いっしん・智慧ちえをもつて志し願がんつねに勇ゆう猛みょうに、 経きょう法ぼうを毀そしらず求ぐ索しゃくして懈おこたらず、

○分檀布施シテ不↠犯サ↢道禁ヲ↡、忍辱・精進・一心・智慧ヲモテ志願常ニ勇猛ニ、不↠毀ラ↢経法ヲ↡求索シテ不↠懈ラ、

つねに独ひとりにして国くにを棄すて王おうを捐すてて、 財色ざいしきを絶ぜっ去こし、 精明しょうみょうに求ぐ願がんして適ちゃく莫まくするところなく、

○毎ニ独リニシテ棄テ↠国ヲ捐テテ↠王ヲ、絶↢去シ財色ヲ↡、精明ニ求願シテ無ク↠所↢適莫スル↡、

功こうを積つみ徳とくを累かさぬること無む央数おうしゅ劫こうにして、 みづから作さ仏ぶつを致いたし、 ことごとくみなこれを得えてその功こうを忘わすれずと。

○積ミ↠功ヲ累ヌルコト↠徳ヲ无央数劫ニシテ、自ラ致シ↢作仏ヲ↡、悉ク皆得テ↠之ヲ不ト↠*忘レ↢其ノ功ヲ↡也。

二 Ⅲ 弥陀果徳
    ⅰ 光明無量

仏ぶつのたまはく、 ▼無む量りょう清浄しょうじょう仏ぶつの光こう明みょうは最尊さいそん第一だいいちにして比ならびなし。 諸仏しょぶつの光こう明みょうのみな及およばざるところなり。

○仏言ク、無量清浄仏ノ光明ハ最尊第一ニシテ無シ↠比。諸仏ノ光明ノ皆所↠不ル↠及バ也。

◆八方はっぽう上じょう下げ無む央数おうしゅの諸仏しょぶつのなかに、 仏ぶつの項こう中ちゅうの光こう明みょう七しち丈じょうを照てらすあり、 なかに仏ぶつの項こう中ちゅうの光ひかり一いち里りを照てらすあり、 なかに仏ぶつの項こう中ちゅうの光こう明みょう五里ごりを照てらすあり、 なかに仏ぶつの項こう中ちゅうの光こう明みょう二に十じゅう里りを照てらすあり、 なかに仏ぶつの項こう中ちゅうの光こう明みょう四し十じゅう里りを照てらすあり、 なかに仏ぶつの項こう中ちゅうの光こう明みょう八はち十じゅう里りを照てらすあり、 なかに仏ぶつの項こう中ちゅうの光こう明みょう百ひゃく六ろく十じゅう里りを照てらすあり、 なかに仏ぶつの項こう中ちゅうの光こう明みょう三さん百びゃく二に十じゅう里りを照てらすあり、 なかに仏ぶつの項こう中ちゅうの光こう明みょう六ろっ百ぴゃく四し十じゅう里りを照てらすあり、 なかに仏ぶつの項こう中ちゅうの光こう明みょう千せん三さん百びゃく里りを照てらすあり、 なかに仏ぶつの項こう中ちゅうの光こう明みょう二に千せん六ろっ百ぴゃく里りを照てらすあり、 なかに仏ぶつの項こう中ちゅうの光こう明みょう五ご千せん二に百ひゃく里りを照てらすあり、 なかに仏ぶつの項こう中ちゅうの光こう明みょう万まん四し百ひゃく里りを照てらすあり、 なかに仏ぶつの項こう中ちゅうの光こう明みょう二に万まん一千いっせん里りを照てらすあり、 なかに仏ぶつの項こう中ちゅうの光こう明みょう四し万まん二に千せん里りを照てらすあり、 なかに仏ぶつの項こう中ちゅうの光こう明みょう八万はちまん四し千せん里りを照てらすあり、 なかに仏ぶつの項こう中ちゅうの光こう明みょう十じゅう七万しちまん里りを照てらすあり、 なかに仏ぶつの項こう中ちゅうの光こう明みょう三さん十じゅう五ご万まん里りを照てらすあり、 なかに仏ぶつの項こう中ちゅうの光こう明みょう七しち十じゅう万まん里りを照てらすあり、 なかに仏ぶつの項こう中ちゅうの光こう明みょう百ひゃく五ご十じゅう万まん里りを照てらすあり、 なかに仏ぶつの項こう中ちゅうの光こう明みょう三さん百びゃく万まん里りを照てらすあり、 なかに仏ぶつの項こう中ちゅうの光こう明みょう六ろっ百ぴゃく万まん里りを照てらすあり、 なかに仏ぶつの項こう中ちゅうの光こう明みょう千せん二に百ひゃく万まん里りを照てらすあり、

○八方上下無央数ノ諸仏ノ中ニ、有リ↣仏ノ項中ノ光明照ス↢七丈ヲ↡、中ニ有リ↣仏ノ項中ノ光照ス↢一里ヲ↡、中ニ、有リ↣仏ノ項中ノ光明照ス↢五里ヲ↡、中有↣仏項中光*明照↢二十里ヲ↡、中ニ、有リ↣仏ノ項中ノ光明照ス↢四十里ヲ↡、中ニ、有リ↣仏ノ項中ノ光明照ス↢八十里ヲ↡、中ニ、有リ↣仏ノ項中ノ光明照ス↢百六十里ヲ↡、中ニ、有リ↣仏ノ項中ノ光明照ス↢三百二十里ヲ↡、中ニ、有リ↣仏ノ項中ノ光明照ス↢六百四十里ヲ↡、中ニ、有リ↣仏ノ項中ノ光明照ス↢千三百里ヲ↡、中ニ、有リ↣仏ノ項中ノ光明照ス↢二千六百里ヲ↡、中ニ、有リ↣仏ノ項0212中ノ光明照ス↢五千二百里ヲ↡、中ニ、有リ↣仏ノ項中ノ光明照ス↢万四百里↡、中ニ、有リ↣仏ノ項中ノ光明照ス↢二万一千里ヲ↡、中ニ、有リ↣仏ノ項中ノ光明照ス↢四万二千里ヲ↡、中ニ、有リ↣仏ノ項中ノ光明照ス↢八万四千里ヲ↡、中ニ、有リ↣仏ノ項中ノ光明照ス↢十七万里ヲ↡、中ニ、有リ↣仏ノ項中ノ光明照ス↢三十五万里ヲ↡、中ニ、有リ↣仏ノ項中ノ光明照ス↢七十万里ヲ↡、中ニ、有リ↣仏ノ項中ノ光明照ス↢百五十万里ヲ↡、中ニ、有リ↣仏ノ項中ノ光明照ス↢三百万里ヲ↡、中ニ、有リ↣仏ノ項中ノ光明照ス↢六百万里↡、中ニ、有リ↣仏ノ項中ノ光明照ス↢千二百万里ヲ↡、

なかに仏ぶつの項こう中ちゅうの光こう明みょう一いち仏国ぶっこくを照てらすあり、 なかに仏ぶつの項こう中ちゅうの光こう明みょう両りょう仏国ぶっこくを照てらすあり、 なかに仏ぶつの項こう中ちゅうの光こう明みょう四し仏国ぶっこくを照てらすあり、 なかに仏ぶつの項こう中ちゅうの光こう明みょう八はち仏国ぶっこくを照てらすあり、 なかに仏ぶつの項こう中ちゅうの光こう明みょう十じゅう五ご仏国ぶっこくを照てらすあり、 なかに仏ぶつの項こう中ちゅうの光こう明みょう三さん十じゅう仏国ぶっこくを照てらすあり、 なかに仏ぶつの項こう中ちゅうの光こう明みょう六ろく十じゅう仏国ぶっこくを照てらすあり、 なかに仏ぶつの項こう中ちゅうの光こう明みょう百ひゃく二に十じゅう仏国ぶっこくを照てらすあり、 なかに仏ぶつの項こう中ちゅうの光こう明みょう五ご百ひゃく仏国ぶっこくを照てらすあり、 なかに仏ぶつの項こう中ちゅうの光こう明みょう千せん仏国ぶっこくを照てらすあり、 なかに仏ぶつの項こう中ちゅうの光こう明みょう二に千せん仏国ぶっこくを照てらすあり、 なかに仏ぶつの項こう中ちゅうの光こう明みょう四し千せん仏国ぶっこくを照てらすあり、 なかに仏ぶつの項こう中ちゅうの光こう明みょう八千はっせん仏国ぶっこくを照てらすあり、 なかに仏ぶつの項こう中ちゅうの光こう明みょう万まん六千ろくせん仏国ぶっこくを照てらすあり、 なかに仏ぶつの項こう中ちゅうの光こう明みょう三万さんまん二に千せん仏国ぶっこくを照てらすあり、 なかに仏ぶつの項こう中ちゅうの光こう明みょう六万ろくまん四し千せん仏国ぶっこくを照てらすあり、 なかに仏ぶつの項こう中ちゅうの光こう明みょう十じゅう三万さんまん仏国ぶっこくを照てらすあり、 なかに仏ぶつの項こう中ちゅうの光こう明みょう二に十じゅう六万ろくまん仏国ぶっこくを照てらすあり、 なかに仏ぶつの項こう中ちゅうの光こう明みょう五ご十じゅう万まん仏国ぶっこくを照てらすあり、 ▼なかに仏ぶつの項こう中ちゅうの光こう明みょう百ひゃく万まん仏国ぶっこくを照てらすあり、 なかに仏ぶつの項こう中ちゅうの光こう明みょう二に百ひゃく万まん仏国ぶっこくを照てらすあり。

~中ニ、有リ↣仏ノ項中ノ光明照ス↢一仏国ヲ↡、中ニ、有リ↣仏ノ項中ノ光明照ス↢両仏国ヲ↡、中ニ、有リ↣仏ノ項中ノ光明照ス↢四仏国ヲ↡、中ニ、有リ↣仏ノ項中ノ光明照ス↢八仏国ヲ↡、中ニ、有リ↣仏ノ項中ノ光明照ス↢十五仏国ヲ↡、中ニ、有リ↣仏ノ項中ノ光明照ス↢三十仏国ヲ↡、中ニ、有リ↣仏ノ項中ノ光明照ス↢六十仏国ヲ↡、中ニ、有リ↣仏ノ項中ノ光明照ス↢百二十仏国ヲ↡、中ニ、有リ↣仏ノ項中ノ光明照ス↢五百仏国ヲ↡、中ニ、有リ↣仏ノ項中ノ光明照ス↢千仏国ヲ↡、中ニ、有リ↣仏ノ項中ノ光明照ス↢二千仏国ヲ↡、中ニ、有リ↣仏ノ項中ノ光明照ス↢四千仏国ヲ↡、中ニ、有リ↣仏ノ項中ノ光明照ス↢八千仏国ヲ↡、中ニ、有リ↣仏ノ項中ノ光明照ス↢万六千仏国ヲ↡、中ニ、有リ↣仏ノ項中ノ光明照ス↢三万二千仏国ヲ↡、中ニ、有リ↣仏ノ項中ノ光明照ス↢六万四千仏国ヲ↡、中ニ、有リ↣仏ノ項中ノ光明照ス↢十三0213万仏国ヲ↡、中ニ、有リ↣仏ノ項中ノ光明照ス↢二十六万仏国ヲ↡、中ニ、有リ↣仏ノ項中ノ光明照ス↢五十万仏国ヲ↡、中ニ、有リ↣仏ノ項中ノ光明照ス↢百万仏国ヲ↡、中ニ、有リ↣仏ノ項中ノ光明照ス↢二百万仏国ヲ↡。

仏ぶつのたまはく、 ▼八方はっぽう上じょう下げの無む央数おうしゅの諸仏しょぶつ、 その項こう中ちゅうの光こう明みょうの照てらすところみなかくのごとし。 無む量りょう清浄しょうじょう仏ぶつの項こう中ちゅうの光こう明みょう千万せんまん仏国ぶっこくを焔えん照しょうす。

●仏言ク、八方上下ノ無央数ノ諸仏、其ノ項中ノ光明ノ所↠照ス皆如シ↠是クノ也。無量清浄仏ノ項中ノ光明焔↢照ス千万仏国ヲ↡。

諸仏しょぶつの光こう明みょうの照てらすところに遠近おんごんあるゆゑはいかんとなれば、 もと前ぜん世せ宿命しゅくみょうに、 道どうを求もとめて菩ぼ薩さつたりし時とき、 所願しょがんの功く徳どく、 おのおのおのづから大だい小しょうあり、 それしかうして後のちに至いたりて作さ仏ぶつせん時とき、 ことごとくおのおのみづからこれを得えたり。

●所↣以諸仏ノ光明ノ所ニ↠照ス有ル↢遠近↡者何ントナレバ、本前世宿命ニ、求メテ↠道ヲ為リシ↢菩薩↡時、所願ノ功徳、各ノ自ラ有リ↢大小↡、至リテ↢*其レ然シテ後ニ↡作仏セム時、悉ク各ノ自ラ得タリ↠之ヲ。

このゆゑに光こう明みょうをしてうたた同等どうとうならざらしむ。 諸仏しょぶつの威い神じん同等どうとうなるのみ。 自じ在ざいに意こころの所欲しょよくのごとく作為さいして、 あらかじめ計はからず。 無む量りょう清浄しょうじょう仏ぶつの光こう明みょうの照てらすところ最大さいだいなり。 諸仏しょぶつの光こう明みょうみな及およぶことあたはざるところなりと。

●是ノ故ニ令ム↣光明ヲシテ転タ不ラ↢同等ナラ↡。諸仏ノ威神同等ナル耳。自在ニ意ノ所欲ノゴトク作為シテ、不↢予メ計ラ↡。無量清浄仏ノ光明ノ所↠照ス最大ナリ。諸仏ノ光明皆所↠不ル↠能ハ↠及ブコト也ト。

【6】 仏ぶつ、 無む量りょう清浄しょうじょう仏ぶつの光こう明みょうを称しょう誉よしたまふ。 無む量りょう清浄しょうじょう仏ぶつの光こう明みょうは極善ごくぜんにして善ぜんのなかの明みょう好こうなり。 はなはだ快こころよきこと比ならびなく絶殊ぜっしゅ無む極ごくなり。 無む量りょう清浄しょうじょう仏ぶつの光こう明みょうは殊好しゅこうにして、 日月にちがつの明みょうに勝すぐるること百ひゃく億万おくまん倍ばいなり。 無む量りょう清浄しょうじょう仏ぶつの光こう明みょうは諸仏しょぶつの光こう明みょうのなかの極ごく明みょうなり。 無む量りょう清浄しょうじょう仏ぶつの光こう明みょうは諸仏しょぶつの光こう明みょうのなかの極好ごくこうなり。 無む量りょう清浄しょうじょう仏ぶつの光こう明みょうは諸仏しょぶつの光こう明みょうのなかの極ごく雄傑おうけつなり。 無む量りょう清浄しょうじょう仏ぶつの光こう明みょうは諸仏しょぶつの光こう明みょうのなかの快け善ぜんなり。 無む量りょう清浄しょうじょう仏ぶつの光こう明みょうは諸仏しょぶつの光こう明みょうのなかの王おうなり。 無む量りょう清浄しょうじょう仏ぶつの光こう明みょうは諸仏しょぶつの光こう明みょうのなかの最さい極尊ごくそんなり。 無む量りょう清浄しょうじょう仏ぶつの光こう明みょうは諸仏しょぶつの光こう明みょうのなかの寿じゅ明みょう無む極ごくなり。

○仏称↢誉シタマフ无量清浄仏ノ光明ヲ↡。无量清浄仏ノ光明ハ極善ニシテ善ノ中ノ明好ナリ。甚ダ快キコト無ク↠比絶殊無極也。无量清浄仏ノ光明ハ殊好ニシテ、勝ルルコト↢於日月之明ニ↡百億万倍也。無量清浄仏ノ光明ハ諸仏ノ光明ノ中之極明也。無量清浄仏ノ光明ハ諸仏ノ光明ノ中之極好也。無量清浄仏ノ光明ハ諸仏ノ光明ノ中之極雄*傑也。無量清浄仏ノ光明ハ諸仏ノ光明ノ中之快善也。▼無量清浄仏ノ光明ハ諸仏ノ光明ノ中之王也。無量清浄仏ノ光明ハ諸仏ノ光明ノ中之最極尊也。无量0214清浄仏ノ光明ハ諸仏ノ光明ノ中之寿明無極ナリ。

無む量りょう清浄しょうじょう仏ぶつの光こう明みょうはもろもろの無む央数おうしゅの天てん下げの幽ゆう冥みょうの処ところを焔えん照しょうするに、 みなつねにあきらかなり。 諸しょ有うの人民にんみん・蜎けん飛ぴ蠕動ねんどうの類たぐい、 無む量りょう清浄しょうじょう仏ぶつの光こう明みょうを見みざることなし。 無む量りょう清浄しょうじょう仏ぶつの光こう明みょうを見みたてまつれば、 慈じ心しんをもつて歓かん喜ぎせざるものなからん。

○无量清浄仏ノ光明ハ焔↢照スルニ諸ノ无央数ノ天下ノ幽冥之処ヲ↡、皆常ニ明カナリ。諸有ノ人民・蜎飛蠕動之類、莫シ↠不ルコト↠見↢無量清浄仏ノ光明ヲ↡。見タテマツレバ↢無量清浄仏ノ光明ヲ↡、莫カラム↧不ル↢慈心ヲモテ歓喜セ↡者↥。

世せ間けん諸しょ有うの淫姪いんいつ・瞋しん怒ぬ・愚痴ぐちのもの、 無む量りょう清浄しょうじょう仏ぶつの光こう明みょうを見みたてまつりて善ぜんをなさざるものなし。 もろもろの泥ない犁り・禽きん獣じゅう・薛茘へいれい、 考こう掠りゃく勤ごん苦くの処ところにありて、 無む量りょう清浄しょうじょう仏ぶつの光こう明みょうの至いたれるを見みたてまつれば、 みな休止くししまた治じすることを得えずして、 死しして後のちに憂苦うくを解げ脱だつすることを得えざるものなし。

○世間諸有ノ淫姪・瞋怒・愚痴ノモノ、見タテマツリテ↢无量清浄仏ノ光明ヲ↡莫シ↢不ル↠作サ↠善ヲ*者。諸ノ泥*犁・禽獣・薛茘、*考掠勤苦之処ニアリテ、見タテマツレバ↢无量清浄仏ノ光明ノ至レルヲ↡、皆休止シ不シテ↠得↢復治スルコトヲ↡、死シテ後ニ莫シ↧不ル↠得↣解↢脱スルコトヲ憂苦ヲ↡者↥也。

無む量りょう清浄しょうじょう仏ぶつの光こう明みょうの名みなは八方はっぽう上じょう下げ無む窮ぐう無む極ごく無む央数おうしゅの仏国ぶっこくに聞きかしめたまふ。 諸天しょてん・人民にんみん聞もん知ちせざることなし。 聞もん知ちせんもの過度かどを得えざるものなしと。

○無量清浄仏ノ光明ノ名ハ聞カシメタマフ↢八方上下無窮无極無央数ノ仏国ニ↡。諸天・人民莫シ↠不ルコト↢聞知セ↡。聞知セム者莫シト↧不ル↠得↢過度ヲ↡者↥。

仏ぶつのたまはく、 われ独ひとり無む量りょう清浄しょうじょう仏ぶつの光こう明みょうを称しょう誉よするにあらず。 八方はっぽう上じょう下げ無む央数おうしゅの諸仏しょぶつ・辟びゃく支し仏ぶつ・菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんの称しょう誉よするところ、 みなかくのごとしと。

○仏言ク、我不ズ↣独リ称↢誉スルニ无量清浄仏ノ光明ヲ↡也。八方上下無央数ノ諸仏・辟支仏・菩薩・阿羅漢ノ所↢称誉スル↡、皆如シト↠是クノ。

仏ぶつのたまはく、 ▼それ人民にんみん、 善男ぜんなん子し・善女ぜんにょ人にんありて無む量りょう清浄しょうじょう仏ぶつの声みなを聞ききて、 光こう明みょうを称しょう誉よしてかくのごとく朝ちょう暮ぼにつねにその光こう明みょうの明みょう好こうを称しょう誉よして、 至し心しんにして断絶だんぜつせざれば、 心こころの欲願よくがんするところのごとくにありて、 無む量りょう清浄しょうじょう仏ぶっ国こくに往おう生じょうして、 もろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんのために尊そん敬ぎょうせられ、 智慧ちえ勇ゆう猛みょうなることを得うべし。

○仏言ク、其レ有リテ↢人民、善男子・善女人↡聞キテ↢無量清浄仏ノ声ヲ↡、称↢誉シテ光明ヲ↡如ク↠是クノ朝暮ニ常ニ称↢誉シテ其ノ光明ノ明好ヲ↡、至心ニシテ不レバ↢断絶セ↡、在リテ↣心ノ所ノゴトクニ↢欲願スル↡、往↢生シテ無量清浄仏国ニ↡、可シ↠得↧為ニ↢諸ノ菩薩・阿羅漢ノ↡所レ↢尊敬セ↡、智慧勇猛ナルコトヲ↥。

もしそれしかうして後のち作さ仏ぶつせば、 またまさにまた八方はっぽう上じょう下げの無む央数おうしゅの辟びゃく支し仏ぶつ・菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんのために光こう明みょうを称しょう誉よせらるることまたまさにまたかくのごとくなるべし。 すなはちもろもろの比丘びく僧そうもろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かん、 もろもろの天てん・帝王たいおう・人民にんみん、 これを聞ききてみな歓かん喜ぎし踊ゆ躍やくして、 讃歎さんだんせざるものなからんと。

○若シ其レ然シテ後作仏セバ者、亦当ニ復為ニ↢八方上下ノ無央数ノ辟支仏・菩薩・阿羅漢ノ↡所ルルコト↣称↢誉セ光明ヲ↡亦当ニシ↢復如クナル↟是クノ。則チ衆ノ比丘僧noノ諸ノ菩薩・阿羅漢、諸ノ天・帝王・人民、聞キテ↠之ヲ皆歓喜シ踊躍シテ、莫カラムト↧不ル↢讃歎セ↡者↥。

仏ぶつのたまはく、 われ無む量りょう清浄しょうじょう仏ぶつの光こう明みょうの姝好しゅこう巍々ぎぎなるをいひ、 快け善ぜんなることを称しょう誉よすること昼ちゅう夜や一劫いっこうすれどもなほいまだ竟おわらず。 われただなんぢらがために小すこしくこれを説とくのみと。

○仏言ク、我道イ0215ヒ↢无量清浄仏ノ光明ノ姝好巍巍ナルヲ↡、称↢誉スルコト快善ナルコトヲ↡昼夜一劫スレドモ尚未ダ↠竟ラ也。我但為ニ↢若ナンヂ曹ラガ↡小シク説ク↠之ヲ耳ト。

二 Ⅲ ⅱ 阿闍世聞願利益

【7】 仏ぶつ、 無む量りょう清浄しょうじょう仏ぶつ菩ぼ薩さつたりしとき求ぐ索しゃくしてこの二に十じゅう四し願がんを得えたまふことを説ときたまふ。 時ときに阿あ闍じゃ世せ王おう太たい子し五ご百ひゃくの大だい長ちょう者じゃ迦羅から越おつの子ことおのおの一ひとつの金こん華け蓋がいを持もちて、 前すすみて仏ぶつにたてまつりをはりて、 ことごとく却しりぞき一面いちめんに坐ざして経きょうを聴きけり。

●仏説キタマフ↧無量清浄*仏為リシトキ↢菩薩↡求索シテ得タマフコトヲ↦是ノ二十四願ヲ↥。時ニ阿闍世王太子与↢五百ノ大長者迦羅越ノ子↡各ノ持チテ↢一ノ金華蓋ヲ↡、前ミテ上タテマツリ↠仏ニ已リテ、悉ク却キ坐シテ↢一面ニ↡聴ケリ↠経ヲ。

▼阿あ闍じゃ世せ王おう太たい子しおよび五ご百ひゃくの長ちょう者じゃ子し、 無む量りょう清浄しょうじょう仏ぶつの二に十じゅう四し願がんを聞ききて、 みなおほきに歓かん喜ぎし踊ゆ躍やくして、 心しん中ちゅうにともに願がんじていはく、 われら後のち作さ仏ぶつせん時とき、 みな無む量りょう清浄しょうじょう仏ぶつのごとくならしむと。

●阿闍世王太子及ビ五百ノ長者子、聞キテ↢無量清浄仏ノ二十四願ヲ↡、皆大ニ歓喜シ踊躍シテ、心中ニ倶ニ願ジテ言ク、令ムト↣我等後作仏セム時、皆如クナラ↢无量清浄仏ノ↡。

◆仏ぶつすなはちこれを知しろしめして、 もろもろの比丘びく僧そうに告つげたまはく、 この阿あ闍じゃ世せ王おう太たい子しおよび五ご百ひゃくの長ちょう者じゃ子しは、 あと無む央数おうしゅ劫こうを却さりて、 みなまさに作さ仏ぶつして無む量りょう清浄しょうじょう仏ぶつのごとくなるべしと。

●仏則チ知シテ↠之ヲ、告ゲタマハク↢諸ノ比丘僧ニ↡、是ノ阿闍世王太子及ビ五百ノ長者子ハ、却リテ↢後無央数劫ヲ↡、皆当ニシト↣作仏シテ如クナル↢無量清浄仏ノ↡。

◆仏ぶつのたまはく、 この阿あ闍じゃ世せ王おう太たい子し・五ご百ひゃくの長ちょう者じゃ子し、 菩ぼ薩さつ道どうをなしてよりこのかた、 無む央数おうしゅ劫こうにみなおのおの四し百ひゃく億仏おくぶつを供く養ようしをはりて、 いままた来きたりてわれを供く養ようせり。 この阿あ闍じゃ世せ王おう太たい子しおよび五ご百ひゃく人にん等とう、 みな前ぜん世せに迦か葉しょう仏ぶつの時とき、 わがために弟子でしとなれり。 いまみなまたここに会えしてともにあひ値あへるなりと。 ◆すなはちもろもろの比丘びく僧そう、 仏ぶつの言ことばを聞ききて、 みな心こころ踊ゆ躍やくして歓かん喜ぎせざるものなからんと。

●仏言ク、是ノ阿闍世王太子・五百ノ長者子、作シテヨリ↢菩薩道ヲ↡已来タ、無央数劫ニ皆各ノ供↢養シ四百億仏ヲ↡已リテ、今復来リテ供↢養セリ我ヲ↡。是ノ阿闍世王太子及ビ五百人等、皆前世ニ迦葉仏ノ時、為ニ↠我ガ作レリ↢弟子ト↡。今皆復会シテ↠是ニ共ニ相値ヘル也ト。則チ諸ノ比丘僧聞キテ↢仏ノ言ヲ↡、皆心踊躍シテ莫カラムト↧不ル↢歓喜セ↡者↥。

二 Ⅲ ⅲ 十劫成道

【8】 仏ぶつ、 阿あ難なんに告つげたまはく、 無む量りょう清浄しょうじょう仏ぶつ作さ仏ぶつしてよりこのかた、 およそ▼十じゅう八劫はちこうなり。

○仏告ゲタマハク↢阿難ニ↡、無量清浄仏作仏シテヨリ已来タ、凡ソ十*八劫ナリ。

二 Ⅲ ⅳ 国土功徳

所しょ居ごの国くにを*須しゅ摩ま提だいと名なづく。 まさしく西方さいほうにあり。 この閻えん浮ぶ利りの地じ界かいを去さること千億せんおく万まん須しゅ弥み山せん仏国ぶっこくなり。

○所居ノ国ヲ名ク↢須摩提ト↡。正シク在リ↢西方ニ↡。去ルコト↢是ノ閻浮利ノ地界ヲ↡千億万須弥山仏国ナリ。

その国くにの地じはみな自じ然ねんの七宝しっぽうなり。 その一宝いっぽうは白びゃく銀ごんと名なづく、 二に宝ほうは黄金おうごんと名なづく、 三宝さんぽうは水すい精しょう、 四し宝ほうは琉璃るり、 五ご宝ほうは珊さん瑚ご、 六宝ろっぽうは虎こ珀はく、 七宝しっぽうは車しゃこなり。 この七宝しっぽう、 みなもつておのづからともに地じとなり、 曠蕩こうとうにして甚大じんだい無む極ごくなり。

○其ノ国ノ地ハ皆自然ノ七宝0216ナリ。其ノ一宝者名ク↢白銀ト↡、二宝者名ク↢黄金ト↡、三宝者水精、四宝者琉璃、五宝者珊瑚、六宝者虎珀、七宝者*車*ナリ。是ノ七宝、皆以テ自ラ共ニ為リ↠地ト、曠蕩ニシテ甚大無極ナリ。

みなおのづからあひ参まじわりてうたたあひ入中にゅうちゅうす。 おのおのおのづから焜煌こんこうとして光ひかりを参まじへ、 極ごく明みょう自じ然ねんなり。 軟やわらかにしてはなはだ姝好しゅこうなること比ならびなし。 その七宝しっぽう地じのごときはもろもろの八方はっぽう上じょう下げの衆宝しゅほうのなかの精しょう、 すべて自じ然ねんの合ごう会えにしてともに化け生しょうなるのみ。 その宝たからはたとへば第六だいろく天てん上じょうの七宝しっぽうのごとし。

○皆自ラ相参リテ転タ相入中ス。各ノ自ラ焜煌トシテ参ヘ↠光ヲ、極明自然ナリ。軟カニシテ甚ダ姝好ナルコト無シ↠比。如キハ↢其ノ七宝地ノ↡諸ノ八方上下ノ衆宝ノ中ノ精、都テ自然之合会ニシテ共ニ化生ナル耳。其ノ宝ハ比タトヘバ如シ↢第六天上之七宝ノ↡也。

その国こく中ちゅうには須しゅ弥み山せんあることなく、 その日月にちがつ・星しょう辰しん・第一だいいち四し天王てんのう・第だい二に忉とう利り天てんみな虚こ空くうのなかにあり。 その国こく土どには大だい海水かいすいあることなく、 また小しょう海水かいすいもなく、 江こう河が・洹水ごうすいもなし。 また山林せんりん・渓谷けいこくもなく、 幽ゆう冥みょうの処ところもあることなし。 その国くにの七宝しっぽうの地じはみな平正しょうびょうなり。

○其ノ国中ニハ無ク↠有ルコト↢須弥山↡、其ノ日月・星辰・第一四天王・第二忉利天皆在リ↢虚空ノ中ニ↡。其ノ国土ニハ無ク↠有ルコト↢大海水↡、亦無ク↢小海水モ↡、無シ↢江河・洹水モ↡也。亦無ク↢山林・渓谷モ↡、無シ↠有ルコト↢幽冥之処モ↡。其ノ国ノ七宝ノ地ハ皆平正ナリ。

泥ない犁り・禽きん獣じゅう・餓鬼がき・蜎けん飛ぴ蠕動ねんどうの類たぐいあることなし。 *阿あ須倫しゅりん・もろもろの竜りゅう・鬼き神じんもなし。

○無シ↠有ルコト↢泥犁・禽獣・餓鬼・蜎飛蠕動之類↡也。無シ↢阿須倫・諸ノ竜・鬼神モ↡也。

つひに大だい雨うの時ときあることなく、 また春しゅん夏げ秋しゅう冬とうもなし。 また大寒だいかんもあることなくまた大熱だいねつならず。 つねに和わ調じょう中適ちゅうちゃくにしてはなはだ快け善ぜんなること比ならびなし。

○終ニ無ク↠有ルコト↢大雨ノ時↡、亦無シ↢春夏秋冬モ↡也。亦無ク↠有ルコト↢大寒モ↡亦不↢大熱ナラ↡。常ニ和調中適ニシテ甚ダ快善ナルコト無シ↠比。

みな万種まんじゅ自じ然ねんのもの、 百ひゃく味みの飲食おんじきあり、 意こころに得うるところあらんと欲ほっせば、 すなはち自じ然ねんに前まえにあり。 意こころに用もちゐざるものはすなはち自じ然ねんに化去けこす。 たとへば第六だいろく天てん上じょうの自じ然ねんのもののごとし。 ほしいままに自じ然ねんにすなはちみな意こころに随したがふ。

○皆有リ↢万種自然之物、百味ノ飲食↡、意ニ欲セバ↠有ラムト↠所↠得ル、則チ自然ニ在リ↠前ニ。意ニ不ル↠用ヰ者ハ則チ自然ニ化去ス。比タトヘバ如シ↢第六天上ノ自然之物ノ↡。恣若ホシイママニ自然ニ則チ皆随フ↠意ニ。

その国くにのうちにはことごとくもろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんのみにして婦ふ女にょあることなし。 寿じゅ命みょう極寿ごくじゅに、 寿いのちもまた無む央数おうしゅ劫こうなり。 女人にょにん往おう生じょうすればすなはち化け生しょうしてみな男なん子しとなる。 ただ菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんのみありて無む央数おうしゅなり。

●其ノ国ノ中ニハ悉ク諸ノ菩薩・阿羅漢ノミニシテ无シ↠有ルコト↢婦女↡。寿命極寿ニ、寿モ亦无央数劫ナリ。女人往生スレバ者則チ化生シテ皆作ル↢男子ト↡。但有リテ↢菩薩・阿羅漢ノミ↡無央数ナリ。

ことごとくみなあきらかに視みあきらかに聴きき、 ことごとくはるかにあひ見み、 はるかにあひ瞻望せんもうし、 はるかにあひ語ご声しょうを聞きく。 ことごとくみな道どうの善ぜんなるものを求もとむ。

○悉ク皆洞アキラカニ視徹アキラカニ聴キ、悉ク遥ニ相見、遥ニ相瞻望シ、遥ニ相聞ク↢語声0217ヲ↡。悉ク皆求ム↢道ノ善ナル者ヲ↡。

同一どういつ種類しゅるいにして、 異い人にんあることなし。 そのもろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんの面目めんもくはみな端たん正じょうにして清しょう潔けつ絶好ぜっこうなり。 ことごとく同一どういつの色しきにして、 ひとへに醜しゅう悪あくなるものあることなし。

○同一種類ニシテ、無シ↠有ルコト↢異人↡也。其ノ諸ノ菩薩・阿羅漢ノ面目ハ皆端正ニシテ清潔絶好ナリ。悉ク同一ノ色ニシテ、無シ↠有ルコト↢偏ニ醜悪ナル者↡。

もろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんはみな才さい猛みょう*黠がち慧えなり。 その衣え服ぶくするところ、 みな自じ然ねんの衣ころもを衣きる。 すべて心しん中ちゅうに念ねんずるところはつねに道徳どうとくを念ねんず。 その語言かたらんと欲ほっするところはすなはちみなあらかじめあひ知しる。 意こころにその念ねんずるところも、 言ことばにいふもつねに正しょう事じを説とく。 その国こく中ちゅうのもろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かん、 みづからともにあひともに語言かたるに、 すなはち経きょう道どうを説ときてつひに他余たよの悪あくを説とかず。 その語ご言ごんの音響おんこう三さん百びゃくの鍾かねの声こえのごとし。

○諸ノ菩薩・阿羅漢ハ皆才猛黠慧ナリ。其ノ所↢衣服スル↡、皆衣キル↢自然之衣ヲ↡。都テ心中ニ所ハ↠念ズル常ニ念ズ↢道徳ヲ↡。其ノ所ハ↠欲スル↢語言 カタ ラムト↡便チ皆予メ相知ル。意ニ其ノ所モ↠念ズル、言ニ道フモ常ニ説ク↢正事ヲ↡。其ノ国中ノ諸ノ菩薩・阿羅漢、自ラ共ニ相与ニ語言 カタ ルニ、輒チ説キテ↢経道ヲ↡終ニ不↠説カ↢他余之悪ヲ↡。其ノ語言ノ音響如シ↢三百ノ*鍾ノ声ノ↡。

みなあひ敬きょう愛あいしてあひ憎にくむものあることなし。 みなおのづから長ちょう幼よう・上じょう下げ・先せん後ごをもつてこれをいふ。 すべてともに往おう会えするに、 義ぎをもつてして礼らいし、 うたたあひ敬きょう事じすること兄あにのごとく弟おとうとのごとし。 仁にんをもつてし義ぎを履ふみみだりに動どう作させず。 言語かたりて誠まことに、 うたたあひ教令きょうりょうしてあひ違い戻らいせず、 うたたあひ承じょう受じゅして、 みな心こころ潔けつ浄じょうにして貪とん慕ぼするところなく、 つひに淫妷いんいつ・瞋しん怒ぬの心しん、 愚痴ぐちの態たいあることなし。 邪心じゃしんにして婦ふ女にょを念おもふ意こころあることなし。

○皆相敬愛シテ無シ↠有ルコト↢相憎ム者↡。皆自ラ以テ↢長幼・上下・先後ヲ↡言フ↠之ヲ。都テ共ニ往会スルニ、以テシテ↠義ヲ而礼シ、転タ相敬事スルコト如ク↠兄ノ如シ↠弟ノ。以テシ↠仁ヲ履ミ↠義ヲ不↢妄ニ動作セ↡。言語 カタ リテ而誠ニ、転タ相教令シテ不↢相違戻セ↡、転タ相承受シテ、皆心潔浄ニシテ無ク↠所↢貪慕スル↡、終ニ无シ↠有ルコト↢淫妷・瞋怒之心、愚痴之態↡也。無シ↠有ルコト↧邪心ニシテ念フ↢婦女ヲ↡意↥也。

ことごとく智慧ちえ勇ゆう猛みょうに和わ心しん歓かん楽らくして経きょう道どうを好喜このみ、 ▼みなみづからその前ぜん世せより従じゅう来らいするところの生しょう、 億万おくまん劫こう世せの時ときの宿命しゅくみょうの善悪ぜんあく・存亡ぞんもうを知しり、 現在げんざいもかへりて知しること極きわまりなし。

●悉ク智慧勇猛ニ和心歓楽シテ好↢喜 コノ ミ経道ヲ↡、皆自ラ知リ↧其ノ前世ヨリ所ノ↢従来スル↡生、億万劫世ノ時ノ宿命ノ善悪・存亡ヲ↥、現在モ却テ知ルコト无シ↠極リ。

二 Ⅲ ⅴ 講堂宝池荘厳

無む量りょう清浄しょうじょう仏ぶつの教きょう授じゅしたまふべきところの講堂こうどう・精しょう舎じゃは、 みなまた自じ然ねんの七宝しっぽうなり。 金こん・銀ごん・水すい精しょう・琉璃るり・白びゃく玉ごく・虎こ珀はく・車しゃこおのづからともにうたたあひ成じょうず。 はなはだ姝明しゅみょう好絶こうぜつにして姝このましきこと比ならびなし。

○無量清浄仏ノ所ノ↠可キ↢教授シタマフ↡講堂・精舎ハ、皆復自然ノ七宝ナリ。金・銀・水精・琉璃・白玉・*虎珀・*車*自ラ共ニ転タ相成ズ也。甚ダ*姝明好絶ニシテ姝シキコト無シ↠比。

また作つくるものあることなく、 また従じゅう来らいするところを知しらず、 また持もち来きたるものあることなく、 また従じゅう去こするところもなし。 無む量りょう清浄しょうじょう仏ぶつの願がんじたまふところの徳とく重おもければなり。 その人ひと善ぜんをなすゆゑに経きょうを論ろんじ義ぎを語かたり経きょうを説とき道どうを行ぎょうずるに、 講こう会えそのなかに自じ然ねんに化け生しょうするのみ。

●亦无ク↠有ルコト↢作ル者↡、亦不↠知ラ↠所ヲ↢従来スル↡、亦無ク↠有ルコト↢持チ来ル者↡、亦無シ↠所モ↢従去スル↡。無量清浄仏ノ所ノ↠願ジタマフ徳重ケレバナリ。其ノ人作ス↠善ヲ故ニ論ジ↠経ヲ語リ↠義ヲ説キ↠経ヲ行ズルニ↠道ヲ、講会其0218ノ中ニ自然ニ化生スル耳。

その講堂こうどう・精しょう舎じゃにはみなまた七宝しっぽうの楼観ろうかん・欄らん楯じゅんあり。 また金こん・銀ごん・水すい精しょう・琉璃るり・白びゃく玉ごく・虎こ珀はく・車しゃこをもつて瓔珞ようらくとなし、 また白びゃく珠じゅ・明みょう月珠がつしゅ・摩尼まに珠しゅをもつて交きょう絡らくとなしてその上うえに覆ふ蓋がいす。 みなおのづから五いつつの音おん声じょうをなす。 音おん声じょうはなはだ姝このましきこと比ならびなし。

●其ノ講堂・精舎ニハ皆復有リ↢七宝ノ楼観・欄楯↡。復以テ↢金・銀・水精・琉璃・白玉・虎珀・*車ヲ↡為シ↢*瓔珞ト↡、○復以テ↢白珠・明月珠・摩尼珠ヲ↡為シテ↢交絡ト↡覆↢蓋ス其ノ上ニ↡。*皆自ラ作ス↢五ノ音声ヲ↡。*音声甚ダ*姝シキコト無シ↠比。

無む量りょう清浄しょうじょう仏国ぶっこくのもろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんの所しょ居ごの舎宅しゃたくみなまた七宝しっぽうをもつてす。 金こん・銀ごん・水すい精しょう・琉璃るり・珊さん瑚ご・虎こ珀はく・車しゃこ・馬め瑙のう化け生しょうしうたたともにあひ成じょうず。 その舎宅しゃたくにみなことごとくおのおの七宝しっぽうの楼観ろうかん・欄らん楯じゅんあり。 また金こん・銀ごん・水すい精しょう・琉璃るり・白びゃく玉ごく・虎こ珀はく・車しゃこをもつて瓔珞ようらくとなし、 また白びゃく珠じゅ・明みょう月珠がつしゅ・摩尼まに珠しゅをもつて交きょう絡らくとなしてその上うえに覆ふ蓋がいす。 みなおのおのまたおのづから五いつつの音おん声じょうをなせり。

●无量清浄仏国ノ諸ノ菩薩・阿羅漢ノ所居ノ舎宅皆復以テス↢七宝ヲ↡。金・銀・水精・琉璃・珊瑚・虎珀・*車・*馬瑙化生シ転タ共ニ相成ズ也。其ノ舎宅ニ皆悉ク各ノ有リ↢七宝ノ楼観・欄楯↡。復以テ↢金・銀・水精・琉璃・白玉・虎珀・*車ヲ↡為シ↢*瓔珞ト↡、復以テ↢白珠・明月珠・摩尼珠ヲ↡為シテ↢交絡ト↡覆↢蓋ス其ノ上ニ↡。皆各ノ復自ラ作セリ↢五ノ音声ヲ↡。

無む量りょう清浄しょうじょう仏ぶつの講堂こうどう・精しょう舎じゃおよびもろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんの所しょ居ごの七宝しっぽうの舎宅しゃたくのうち、 外げ内ない処々しょしょに、 みなまた自じ然ねんの流る泉せん水浴すいよく池ちあり。

○無量清浄仏ノ講堂・精舎及ビ諸ノ菩薩・阿羅漢ノ所居ノ七宝ノ舎宅ノ中、▼外内処処ニ、皆復自然ノ流泉水浴池アリ。

その浴よく池ちは、 みなまたもつて自じ然ねんの七宝しっぽうなり。 七宝しっぽうともに生しょうじて金こん・銀ごん・水すい精しょう・琉璃るり・珊さん瑚ご・虎こ珀はく・車しゃこうたたともにあひ成じょうず。 水底すいたいの沙いさごはまた七宝しっぽうをもつてす、 金こん・銀ごん・水すい精しょう・琉璃るり・珊さん瑚ご・虎こ珀はく・車しゃこなり。 純じゅん白びゃく銀ごんの池いけあれば、 その底そこの沙いさごはみな黄金おうごんなり。 なかに純じゅん黄金おうごんの池いけあれば、 その水底すいたいの沙いさごはみな白びゃく銀ごんなり。 なかに純じゅん水すい精しょうの池いけあれば、 その水底すいたいの沙いさごはみな琉璃るりなり。 なかに純じゅん琉璃るりの池いけあれば、 その水底すいたいの沙いさごはみな水すい精しょうなり。 なかに純じゅん珊さん瑚ごの池いけあれば、 その水底すいたいの沙いさごはみな虎こ珀はくなり。 なかに純じゅん虎こ珀はくの池いけあれば、 その水底すいたいの沙いさごはみな珊さん瑚ごなり。 なかに純じゅん車しゃこの池いけあれば、 その水底すいたいの沙いさごはみな馬め瑙のうなり。 なかに純じゅん馬め瑙のうの池いけあれば、 その水底すいたいの沙いさごはみな車しゃこなり。 なかに純じゅん白びゃく玉ごくの池いけあれば、 その水底すいたいの沙いさごはみな紫磨しま金こんなり。 なかに純じゅん紫磨しま金こんの池いけあれば、 その水底すいたいの沙いさごはみな白玉びゃくぎょくなり。

○其ノ浴池者、皆復以テ自然ノ七宝ナリ。七宝倶ニ生ジテ金・銀・水精・琉璃・珊瑚・虎珀・*車ヲ転タ共ニ相成ズ也。水底ノ沙ハ皆復以テス↢七宝ヲ↡、金・銀・水精・琉璃・珊瑚・虎珀・*車也。有レバ↢純白銀ノ池↡者、其ノ底ノ沙ハ皆黄金也。中ニ有レバ↢純黄金ノ池↡者、其ノ水底ノ沙ハ皆白銀也。中ニ有レバ↢純水精ノ池↡者、其ノ水底ノ沙ハ皆琉璃也。中ニ有レバ↢純琉璃ノ池↡者、其ノ水底ノ沙ハ皆水精也。中ニ有レバ↢純珊瑚ノ池↡者、其ノ水底ノ沙ハ皆虎珀也。中ニ有レバ↢純虎珀ノ池↡者、其ノ水底ノ沙ハ皆珊瑚也。中ニ有レバ↢純*車ノ池↡者、其ノ水底0219ノ沙ハ皆*馬瑙也。中ニ有レバ↢純*馬瑙ノ池↡者、其ノ水底ノ沙者皆*車也。中ニ有レバ↢純白玉ノ池↡者、其ノ水底ノ沙者皆紫磨金也。中ニ有レバ↢純紫磨金ノ池↡者、其ノ水底ノ沙者皆白玉也。

なかにまた二に宝ほうのともに一いっ池ちをなすものあり。 その水底すいたいの沙いさごはみな金こん・銀ごんなり。

○中ニ復有リ↧二宝ノ共ニ作ス↢一池ヲ↡者↥。其ノ水底ノ沙者皆金・銀也。

なかにまた三宝さんぽうのともに一いっ池ちをなすものあり。 その水底すいたいの沙いさごはみな金こん・銀ごん・水すい精しょうなり。

○中ニ復有リ↧三宝ノ共ニ作ス↢一池ヲ↡者↥。其ノ水底ノ沙者皆金・銀・水精也。

なかにまた四し宝ほうのともに一いっ池ちをなすものあり。 その水底すいたいの沙いさごは金こん・銀ごん・水すい精しょう・琉璃るりなり。

●中ニ復有リ↧四宝ノ共ニ作ス↢一池ヲ↡者↥。其ノ水底ノ沙ハ金・銀・水精・琉璃也。

なかにまた五ご宝ほうのともに一いっ池ちをなすものあり。 その水底すいたいの沙いさごはみな金こん・銀ごん・水すい精しょう・琉璃るり・珊さん瑚ご・虎こ珀はくなり。

●中ニ復有リ↧五宝ノ共ニ作ス↢一池ヲ↡者↥。其ノ水底ノ沙ハ皆金・銀・水精・琉璃・珊瑚・虎珀也。

なかにまた六宝ろっぽうのともに一いっ池ちをなすものあり。 その水底すいたいの沙いさごはみな金こん・銀ごん・水すい精しょう・琉璃るり・珊さん瑚ご・虎こ珀はく・車しゃこなり。

●中ニ復有リ↧六宝ノ共ニ作ス↢一池ヲ↡者↥。其ノ水底ノ沙ハ皆金・銀・水精・琉璃・珊瑚・虎珀・*車也。

なかにまた七宝しっぽうのともに一いっ池ちをなすものあり。 その水底すいたいの沙いさごはみな金こん・銀ごん・水すい精しょう・琉璃るり・珊さん瑚ご・虎こ珀はく・車しゃこ・馬め碯のうなり。

○中ニ復有リ↧七宝ノ共ニ作ス↢一池ヲ↡者↥。其ノ水底ノ沙ハ皆金・銀・水精・琉璃・珊瑚・虎珀・*車・*馬碯也。

その浴よく池ちのなかに長ながさ四し十じゅう里りなるものあり、 なかに池いけの長ながさ八はち十じゅう里りなるものあり、 なかに池いけの長ながさ百ひゃく六ろく十じゅう里りなるものあり、 なかに池いけの長ながさ三さん百びゃく二に十じゅう里りなるものあり、 なかに池いけの長ながさ六ろっ百ぴゃく四し十じゅう里りなるものあり、 なかに池いけの長ながさ千せん二に百ひゃく八はち十じゅう里りなるものあり、 なかに浴よく池ちの長ながさ二に千せん五ご百ひゃく六ろく十じゅう里りなるものあり、 なかに浴よく池ちの長ながさ五ご千せん一いっ百ぴゃく二に十じゅう里りなるものあり、 なかに浴よく池ちの長ながさ万まん二に百ひゃく四し十じゅう里りなるものあり、 なかに浴よく池ちの長ながさ二に万まん四し百ひゃく八はち十じゅう里りなるものあり。

○其ノ浴池ノ中ニ有リ↢長サ四十里ナル者↡、中ニ有リ↢池ノ長サ八十里ナル者↡、中ニ有リ↢池ノ長サ百六十里ナル者↡、中ニ有リ↢池ノ長サ三百二十里ナル者↡、中ニ有リ↢池ノ長サ六百四十里ナル者↡、中ニ有リ↢池ノ長サ千二百八十里ナル者↡、中ニ有リ↢浴池ノ長サ二千五百六十里ナル者↡、中ニ有リ↢浴池ノ長サ五千一百二十里ナル者↡、中ニ有リ↢浴池ノ長サ万二百四十里ナル者↡、中ニ有リ↢浴池ノ長サ二万四百八十里ナル者↡。

その縦じゅう広こうおのおのまさに等ひとし。 この浴よく池ちはみなもろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんのつねに浴よくすべきところの池いけなりと。

○其ノ縦広各ノ適ニ等シ。●是ノ浴池者皆諸ノ菩薩・阿羅漢ノ常ニ所ノ↠可キ↠浴ス池ナリト。

仏ぶつのたまはく、 無む量りょう清浄しょうじょう仏ぶつの浴よく池ちの長ながさは四し万まん八千はっせん里り、 広ひろさもまた四し万まん八千はっせん里りなり。 その浴よく池ちはみな七宝しっぽうをもつてうたたおのづからともにあひ成じょうず。 その池ち水すいの底そこの沙いさごはみなまた七宝しっぽう・白びゃく珠じゅ・明みょう月珠がつしゅ・摩尼まに珠しゅをもつてす。

●仏言ク、無量清浄仏ノ浴池ノ長サハ四万八千里、広サモ亦四万0220八千里ナリ。其ノ浴池ハ皆七宝ヲモテ転タ自ラ共ニ相成ズ。其ノ池水ノ底ノ沙ハ皆復以テス↢七宝・白珠・明月珠・摩尼珠ヲ↡也。

無む量りょう清浄しょうじょう仏ぶつおよびもろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんの浴よく池ちのなかの水みずはみな清浄しょうじょうにして香潔こうけつなり。

○無量清浄仏及ビ諸ノ菩薩・阿羅漢ノ浴池ノ中ノ水ハ皆清浄ニシテ香潔ナリ。

なかにみな香こう華けありてことごとく自じ然ねんに生しょうず。 百ひゃく種しゅの華はな種々しゅじゅ色いろを異ことにして香かを異ことにす。 華はなみな千葉せんようなり。 もろもろの華はなはなはだ香かぐわしきこと比ならびなし。 香かいふべからず。 その華け香こうは、 また世せ間けんの華はなにあらず、 また天てん上じょうの華はなに勝すぐれたり。 この華け香こうは八方はっぽう上じょう下げのもろもろの華け香こうのなかの精しょうなり。 自じ然ねんに生しょうずるのみ。 池ち中ちゅうの水みず流る行ぎょうしてうたたあひ潅かん注ちゅうす。 池ち中ちゅうの水すい流るもまた遅おそからずまた駃はやからず、 みなまたおのづから五いつつの音おん声じょうをなせりと。

○中ニ皆有リテ↢香華↡悉ク自然ニ生ズ。百種ノ華種種異ニシテ↠色ヲ異ニス↠香ヲ。華皆千葉ナリ。諸ノ華甚ダ香シキコト無シ↠比。香不↠可カラ↠言フ也。其ノ華香者、亦復非ズ↢世間之華ニ↡、復勝レタリ↢天上之華ニ↡。是ノ華香者八方上下ノ衆ノ華香ノ中ノ精ナリ。自然ニ生ズル耳。池中ノ水流行シテ転タ相潅注ス。池中ノ水流モ亦不↠遅カラ亦不↠駃カラ、皆復自ラ作セリト↢五ノ音声ヲ↡。

二 Ⅲ ⅵ 眷属荘厳

仏ぶつのたまはく、 八方はっぽう上じょう下げの無む央数おうしゅの仏国ぶっこくの諸天しょてん・人民にんみんおよび蜎けん飛ぴ蠕動ねんどうの類たぐいにして、 もろもろの無む量りょう清浄しょうじょう仏国ぶっこくに生しょうずるものは、 すべてみなこの七宝しっぽうの水すい池ちの蓮れん華げのなかより化け生しょうし、 すなはち自じ然ねんに長ちょう大だいして、 また乳にゅう養ようのものなくみな自じ然ねんの飲食おんじきを食じきす。

○仏言ク、八方上下ノ無央数ノ仏国ノ諸天・人民及ビ蜎飛蠕動之類ニシテ、諸ノ生ズル↢無量清浄仏国ニ↡者ハ、都テ皆於リ↢是ノ七宝ノ水池ノ蓮華ノ中↡化生シ、便則チ自然ニ長大シテ、亦無ク↢乳養之者↡皆食ス↢自然之飲食ヲ↡。

その身体しんたいはまた世せ間けんの人にんの身体しんたいにあらず。 また天てん上じょうの人にんの身体しんたいにもあらず。 みな衆善しゅぜんの徳とくを積つみてことごとく自じ然ねん虚無こむの身体しんたいを受うけ、 はなはだ姝好しゅこうにして比ならびなしと。

○其ノ身体者亦非ズ↢世間ノ人之身体ニ↡也。亦非ズ↢天上ノ人之身体ニモ↡也。皆積ミテ↢衆善之徳ヲ↡悉ク受ケ↢自然虚無之身体ヲ↡、甚ダ姝好ニシテ无シト↠比。

仏ぶつ、 阿あ難なんに語かたりたまはく、 世せ間けんの貧びん窮ぐ・乞丐こつがい人にんのごときは、 帝王たいおうの辺ほとりにありて住じゅせしめば、 その人ひとの面目めんもく・形貌ぎょうみょう、 なんらに類るいせんや。 なんぞ帝王たいおうの面目めんもく・形貌ぎょうみょう・顔色げんしきに類るいするやいなやと。

○仏語リタマハク↢阿難ニ↡、如キハ↢世間ノ貧窮・乞丐人ノ↡、令メバ↧在リテ↢帝王ノ辺ニ↡住セ↥者、其ノ人ノ面目・形貌、何等ニ類セム乎。寧ゾ類スルヤ↢帝王ノ面目・形貌・顔色ニ↡不ヤト。

阿あ難なんまうさく、 たとひ子こをして帝王たいおうの辺ほとりにありて住じゅうせしめば、 その面目めんもく・形状ぎょうじょうはなはだ醜しゅう悪あくにして好うるわしからず、 帝王たいおうの面目めんもく・形ぎょう類るいの姝好しゅこうなるにしかざること百ひゃく千億せんおく万倍まんばいなり。

○阿難言ク、仮令 タトヒ 使メバ↧子ヲシテ在リテ↢帝王ノ辺ニ↡住セ↥者、其ノ面目・形状甚ダ醜悪ニシテ不↠好シカラ、不ルコト↠如カ↢帝王ノ面目・形類ノ姝好ナルニ↡百千億万倍也。

ゆゑはいかん。 乞人こつにんの貧びん窮ぐ困極こんごくなるを見みるに飲食おんじきいまだかつて美み食じきの時ときあらず。 すでに悪食あくじきすら飽食ほうじきを得うることあたはず。 食じきわづかに命みょうを支ささへ、 骨節こっせつあひ撐とう拄ちゅうして用もちいてみづから給きゅうするところなし。 つねに乏とぼしくして儲たくわえあることなし。 飢餓きが寒凍かんとう、 怔しょう忪じゅ愁しゅう苦くせり。

○所以者何ン。見ルニ↢乞人ノ貧窮困極ナルヲ↡飲食未ダ↣曽テ有ラ↢美食ノ時0221↡也。既ニ悪食スラ不↠能ハ↠得ルコト↢飽食ヲ↡。食*栽ワヅカニ支ヘ↠命ヲ、骨節相*撐拄シテ无シ↠所↢用ヰテ自ラ給スル↡。常ニ乏シクシテ無シ↠有ルコト↠*儲。飢餓寒凍、*怔忪愁苦セリ。

ただその前ぜん世せ宿命しゅくみょうに人ひととなりし時とき愚痴ぐち・無智むちなるにより、 富とみてますます慳おしみ財ざいあるも仁賢にんげんを慈じ哀あいし、 善ぜんをなしひろく愛あいして施与せよすることを肯がえんぜず、 ただいたづらに得えんことを欲ほっして、 飲食おんじきを貪とん惜じゃくし独ひとり嗜美じみを食じきし、 施せ貸たいして後のちに償しょう報ほうを得うることを信しんぜず。 また善ぜんをなして後世ごせにその福ふくを得うることを信しんぜず。 蒙篭もうろう項佷こうごうにしてますます衆悪しゅあくをなす。

○但ダ坐ヨリ↢其ノ前世宿命ニ為リシ↠人ト時愚痴・無智ナルニ↡、富ミテ益マス*慳ミ有ルモ↠財不↠肯ゼ↧慈↢哀シ仁賢ヲ↡、為シ↠善ヲ博ク愛シテ施与スルコトヲ↥、但欲シテ↢唐イタヅラニ得ムコトヲ↡、貪↢惜シ飲食ヲ↡独リ食シ↢嗜美ヲ↡、不↠信ゼ↣施貸シテ後ニ得ルコトヲ↢償報ヲ↡也。復不↠信ゼ↣作シテ↠善ヲ後世ニ得ルコトヲ↢其ノ福ヲ↡。蒙篭*項佷ニシテ益マス作ス↢衆悪ヲ↡。

かくのごとくして寿いのち終おわり財物ざいもつ尽じん索しゃくす。 もとより恩徳おんどくなく恃怙じこするところなし。 悪道あくどうのなかに入いりてこれによりて苦くに適かなふ。 しかうして後のちに出いでて解げ脱だつすることを得えて、 今こん生じょうに人ひととなり、 下げ賎せんとなりて、 貧びん家げに子ことなり、 しひて人ひとの形かたちに像にたれども状貌じょうみょうはなはだ醜みにくく、 衣被えび弊へい壊えして、 ひとりむなしく独どく立りゅうして形ぎょう体たいを蔽おおはず、 乞匃こつがいして生しょう活かつするのみ。 飢き寒かん困こん苦くし、 面目めんもく羸劣るいれつにして人ひとの色しきに類るいせず。 その前ぜん世せの身みのなすところによりてその殃罸おうばつを受うけ、 衆しゅに示しめしてこれを見みしむるに、 たれも哀あわれむものなし。 市じ道どうに棄き捐えんせられ暴ばく露ろ痟しょう痩しゅし、 黒醜こくしゅ悪極あくごくにして人にんに及およばざるのみ。

○如クシテ↠是クノ寿終リ財物尽索ス。素モトヨリ无ク↢恩徳↡無シ↠所↢恃怙スル↡。入リテ↢悪道ノ中ニ↡坐ヨリテ↠之ニ適フ↠苦ニ。然シテ後ニ得テ↢出デテ解脱スルコトヲ↡、今生ニ為リ↠人ト、作リテ↢於下賎ト↡、貧家ニ作リ↠子ト、強ヒテ像タレドモ↢人ノ形ニ↡状貌甚ダ醜ク、衣被弊壊シテ、単リ空シク独立シテ不↠蔽ハ↢形体ヲ↡、乞匃シテ生活スル耳。飢寒困苦シ、面目羸劣ニシテ不↠類セ↢人ノ色ニ↡。坐ヨリテ↢其ノ前世ノ身之所ニ↟作ス受ケ↢其ノ殃罸ヲ↡、示シテ↠衆ニ見シムルニ↠之ヲ、莫シ↢誰モ哀ム者↡。棄↢捐セラレ市道ニ↡暴露*痟痩シ、黒醜悪極ニシテ不ル↠及バ↠人ニ耳。

帝王たいおうの人にん中ちゅうの独尊どくそんにして最好さいこうなるゆゑはいかん。 みなその前ぜん世せ宿命しゅくみょうに人ひととなりし時とき、 善ぜんをなし経きょう道どうを信愛しんあいし恩徳おんどくを布施ふせし、 ひろく愛あいして義ぎに順したがひ慈じ仁にんにして喜よろこびて与あたへ、 飲食おんじきを貪むさぼらず、 衆しゅとこれを共ともにして、 遺ゆい惜しゃくするところなくすべて違い諍じょうなし。

○所↢以帝王ノ人中ノ独尊ニシテ最好ナル↡者何ン。皆其ノ前世宿命ニ為リシ↠人ト時、作シ↠善ヲ信↢*愛シ経道ヲ↡布↢施シ恩徳ヲ↡、博ク愛シテ順ヒ↠義ニ慈仁ニシテ喜ビテ与ヘ、不↠貪ラ↢飲食ヲ↡、与↠衆共ニシテ↠之ヲ、無ク↠所↢遺惜スル↡都テ無シ↢違諍↡。

その福徳ふくとくを得えて寿いのち終おわりて徳とく随したがひて悪道あくどうに更かえらず、 今こん生じょうに人ひととなり王おう家けに生しょうずることを得う。 自じ然ねんに尊そん貴きにして独ひとり王おうとなり、 人民にんみんを典主てんしゅし攬制らんせいし人ひとの雄傑おうけつとなる。

○得テ↢其ノ福徳ヲ↡寿終リテ徳随ヒテ不↠更ラ↢悪道ニ↡、今生ニ為リ↠人ト得↠生ズルコトヲ↢王家ニ↡。自然ニ尊貴ニシテ独リ王トナリ、典↢主シ攬↣制シ人民ヲ↡為ル↢人ノ雄*傑ト↡。

面目めんもく潔けつ白びゃくに和わ顔げん好色こうじきにして身体しんたい端たん正じょうなり。 衆しゅにともに敬きょう事じせられ、 美み食じき・好こう衣え心こころに随したがひ意こころにほしいままにして、 楽ねがひの所欲しょよくのごとくありて、 自じ然ねんに前まえにありてすべて違い諍じょうなし。 人にん中ちゅうにおいて姝好しゅこうにして憂うれひなく、 快け楽らくにして面色めんじき光沢こうたくなり。 ゆゑにすなはちしかるのみと。

○面目潔白ニ和顔好色ニシテ身体端正ナリ。衆ニ共ニ敬事セラレ、美食・好衣随ヒ↠心ニ恣ニシテ↠意ニ、在リテ↢楽ヒノ所欲ノゴトク↡、自然ニ在リテ↠前ニ都テ无シ↢違諍↡。於テ↢人0222中ニ↡*姝好ニシテ無ク↠憂、快楽ニシテ面色光沢ナリ。故ニ乃チ爾ル耳ト。

 

*仏説ぶっせつ無む量りょう清浄しょうじょう平びょう等覚どうがく経きょう 巻かん第一だいいち

 

延書は底本の訓点に従って有国が行った(固有名詞の訓は保証できない)。
底本は◎高麗版(再雕本)¬大蔵経¼所収本。 Ⓐ高麗版(初雕本)¬大蔵経¼所収本、 Ⓑ宋版(思溪版)¬大蔵経¼所収本、 Ⓒ元版(普寧寺版)¬大蔵経¼所収本、 Ⓓ明版(万歴版)¬大蔵経¼所収本 と対校。 ª全部対校º 琉→ⒷⒸⒹ瑠、 項→ⒷⒸⒹ頂、 虎→ⒷⒸⒹ琥
第一→ⒷⒸⒹ上
国 ⒷⒸⒹになし
鷲→ⒷⒸⒹ鳥
比→Ⓓ北
杵→ⒷⒸⒹ𣏓
揵→Ⓓ犍
弁了→ⒷⒸⒹ辨子
告→ⒷⒸⒹ吉
氏→[仁吉]氏
者→者[仁吉]
姓→ⒷⒸⒹ性
華→ⒶⒷⒸⒹ香
爾→Ⓓ時
乃→◎Ⓐ及
定→ⒷⒸⒹ錠
日→Ⓓ曰
名→ⒷⒸⒹ名[曰]
或→ⒷⒸⒹ成
道→ⒷⒸⒹ覚
怯→Ⓐ却
升→ⒷⒸⒹ斗
進→ⒷⒸⒹ進[進]
諸仏→ⒷⒸⒹ請
其→ⒷⒸⒹ期
涯→ⒷⒸⒹ崖
土→ⒷⒸ王
飲→ⒷⒸⒹ飯
忘→ⒸⒹ亡
明 ⒷⒸⒹになし
其→ⒷⒸⒹ期
傑→ⒶⒷ桀
者→ⒸⒹ也
犁→ⒷⒸ黎
考→ⒸⒹ拷
仏 ◎Ⓐになし
八→ⒸⒹ小
車→ⒸⒹ硨
→ⒷⒸⒹ磲
車→ⒷⒸⒹ硨磲
鍾→ⒸⒹ鐘
虎→ⒸⒹ琥
姝→ⒷⒸⒹ殊
車→ⒷⒸⒹ硨磲
瓔珞→Ⓑ纓絡
皆→Ⓒ後
音→ⒸⒹ其
姝→ⒸⒹ妙
馬瑙→ⒷⒸⒹ碼碯
瓔珞→ⒷⒸ纓絡
栽→ⒷⒸⒹ纔
撐→Ⓐ棠→Ⓑ掌
儲→ⒷⒸⒹ儲[積]
怔→Ⓑ征
慳→ⒷⒸⒹ慳[貪]
項佷→Ⓓ頑狠
痟→ⒶⒷ省
愛→ⒷⒸⒹ愛[楽]
傑→Ⓐ桀
姝→ⒷⒸⒹ殊
仏…一13字 ⒷⒸⒹになし(巻を分けず)