「法然上人御消息」 は、 高田派専修寺に蔵される、 宗祖真筆と真仏上人書写の源空 (法然) 聖人の書簡である。
 源空聖人が書かれた消息は、 今日およそ四十通が伝わっており、 それらのほとんどが ¬指南抄¼ や ¬和語灯録¼ などの集成本、 あるいは ¬九巻伝¼ や ¬四十八巻伝¼ などの源空聖人の伝記類に収載されている。 とりわけ、 京都府清涼寺蔵五月二日付熊谷直実宛書状一通および奈良県興善寺蔵正行房宛書状断簡三通は、 源空聖人の自筆消息とされており、 数少ない源空聖人の筆を伝えるものとして大変貴重である。 本巻では、 宗祖に関連するものとして重要な二通を収録した。