二(415)、 御誓言の書
▲御誓言の書 第二
○もろこし・わが朝にも、 もろもろの智者たちの沙汰し申さるゝ観念の念にもあらず。 又学問をして念の心をさとりて申す念仏にもあらず。 たゞ往生極楽のためには0416南無阿弥陀仏と申して、 うたがひなく往生するぞとおもひとりて申すほかには別の子細候はず。
◇たゞし三心・四修なんど申す事の候は、 みな決定して南無阿弥陀仏にて往生するぞとおもふうちにこもり候なり。
◇このほかにおくふかき事を存ぜば、 二尊の御あはれみにはづれ、 本願にもれ候べし。 念仏を信ぜん人は、 たとひ一代の御のりをよくよく学すとも、 一文不知の愚鈍の身になして、 尼入道の无智のともがらにおなじくして、 智者のふるまひをせずして、 たゞ一向に念仏すべし。
これは御自筆の書なり、 勢観聖人にさづけられき。▽