二六(1043)、熊谷入道への御返事
○御ふみくはしくうけたまはり候ぬ。 かやうにまめやかに、 大事におぼしめし候。 返々ありがたく候。 まことにこのたび、 かまへて往生しなむと、 おぼしめしきるべく候。
◇うけがたき人身すでにうけたり、 あひがたき念仏往生の法門にあひたり。 娑婆をいとふこゝろあり、 極楽をねがふこゝろおこりたり。 弥陀の本願ふかし、 往生はたゞ御こゝろにあるたびなり。 ゆめゆめ御念仏おこたらず、 決定往生のよしを存ぜさせたまふべく候。 なに事もとゞめ候ぬ。
◇九月十六日
源空 ▽