(3)
▼おほよす当流の勧化のおもむきは、 あながちに出家発心のすがたを表せず、 捨家棄欲のかたちを本とせず、 一念発起の信心のさだまるとき往生は決定なり。 さればかものはぎのみじかきをも、 つるのはぎのながきをもいろはず、 をのれをのれのかたちにして、 あきなひをするものはあきなひしながら、 奉公をするものは奉公しながら、 さらにそのすがたをあらためずして不思議の願力を信ずべし。 これ当流の勧化一念発起
平生業成の義なりと 云々。
かきをきし ふみのことばに のこりけり
むかしがたりは きのふけふにて
*応仁二年四月中旬
蓮如 御判