光闡百首・今古独語 解説
光闡百首 解説
¬光闡百首¼ については、 当初からの書名であるかどうかは不明であるが、 「光闡」 とは顕誓の房号であり、 「百首」 については両書の奥書が示すように、 善導大師の ¬観経疏¼ 「散善義」 の二河譬において、 白道の長さを百歩とすることを 「人寿百歳」 と譬えたのに准えたものである。 また、 本書の奥書には 「保公為↠救、 厳師加↠ 思、宛◗如↢二尊之影護↡、一心正念 偏◗尋↢其◗道↡、待↢ 再興之期↡、悲喜交流。兼◗又百首之詠者、准↢ 人寿之譬↡、行事◗一分二分 者、比↢歳月日時↡。仍 独◗対↠ 硯◗上↠筆、与↠涙共◗記↠之◗畢 」 とあって、 自身の置かれた境遇に対する顕誓の情念が吐露されている。 全体の構成は数篇の漢詩と和歌によって成されているが、 その間には著者である顕誓が自身の辿ってきた生涯を振り返った記録とみられるものがある。