さんしん 三心 ¬観経¼ の三心。 「さんじん」 ともいう。 至誠心・深心・回向発願心のこと。 ¬観経¼ には 「一つには至誠心、 二つには深信、 三つには廻向発願心なり」 と説かれている。 親鸞は、 この三心について顕説と隠彰の両義を立てる。 顕説の立場では自力の三心 (諸善万行を修めて往生しようとする者のおこす心) とする。 これに対して、 隠彰の立場では他力の三心であり、 ¬大経¼ 第十八願の三心と同一である (至誠心=至心、 深心=信楽、 回向発願心=欲生) とする。 「化身土巻」 には 「二経の三心、 顕の義によれば異なり、 彰の義によれば一なり」 とある。 →顕彰隠密、 補註11、 七補註7。