むが 無我 梵語アナートマン (anātman)、 ニルアートマン (nirātman)、 ナイラートミヤ (nairātmya) などの意訳。 我とは、 伝統的に 「常・一・主・宰」 の四義によって定義され、 常住であり (常)、 唯一のものであり (一)、 万物の主体であり (主)、 支配者である (宰) ような実体的な存在をいう。 初期には、 非我 (我ではない) なるものを我とみなすことを否定した考え方であったが、 のちにすべてのものには実体的な我が存在しないという意味として確立された。 ¬大経¼ には「諸法の性は、 一切、 空無我なり」 と説かれている。 なお、 仏教思想の根本真理としての三法印の一に諸法無我を説く。