◎讃阿弥陀仏偈
^*
【1】 ^現に西方この世界を去ること
十万億の国を過ぎた*
わたしは*
寿命はまさに
^仏身の輝きはよろずの世界にゆきわたり
迷いの*
ゆえに仏をまた*
^限りあるすべての者はその光のはたらきを受ける
ゆえに*
【4】 ^
ゆえに仏をまた*
それゆえ*
【5】 ^み光のはたらきの自在なることは虚空のようである
ゆえに仏をまた*
^すべての迷いの衆生は
それゆえ*
【6】 ^清らかなみ光はならぶものがない
ゆえに仏をまた*
それゆえ*
【7】 ^仏のみ光の輝きは最尊第一である
ゆえに仏を*
それゆえ*
【8】 ^さとりのみ光はうるわしくその色ことにすぐれている
ゆえに仏をまた*
^一たびお照らしを受けるならよごれた罪が除かれて
すべて
ゆえに仏をまた*
^この光の届いた人の心には法の喜びをおこさせる
*
【10】^仏のみ光はよく心の闇を破られる
ゆえに仏をまた*
ことごとくたたえられる ゆえに礼拝したてまつる
【11】^み光はすべての時にあまねく照らされる
ゆえに仏をまた*
^この光のいわれが聞こえたならばその信は一生断えないで
みな往生を得させられる ゆえに礼拝したてまつる
【12】^そのみ光は仏のほかは測ることができぬ
ゆえに仏をまた*
^十方の仏たちも衆生の往生をほめ
弥陀のその功徳をたたえられる ゆえに礼拝したてまつる
【13】^不思議なみ光はすべての相を離れて名づけることができぬ
ゆえに仏をまた*
^衆生を成仏させてくださるみ光は輝きわたり
諸仏は讃嘆なされる ゆえに礼拝したてまつる
【14】^み光の照らし輝くことは日月の光よりもすぐれている
ゆえに仏をまた*
ゆえにわたしは*
それゆえ*
【16】^安楽浄土の量りなき菩薩たちは
すべてこの一生をへて仏の位につかれる
^その本のひろき誓いによって
ひろくあまたの衆生を救おうとする場合を除く
^宝の林のように多くの功徳をあつめているこれら聖衆を
心から合掌し ぬかずいて礼拝したてまつる
【17】^安楽国土の声聞たちは
その光はみな一
^菩薩の光は四千里におよび
あたかも秋の満月が
^もろもろの行徳を集めて衆生を済度なさる
ゆえにわたしは*
聖衆の中で最も尊くて第一である
弥陀の左右を離れずに神々しいすがたをあらわす
^有縁の人々を済度してしばらくも
大海の
^かような大悲の観音菩薩と勢至菩薩とを
一心にぬかずいて礼拝したてまつる
【19】^それ人々が安楽国に生れるならば
ことごとく*
さとりの道を究めてさまたげられることがない
仏になるまで雑悪の処にはかえらぬ
釈迦仏のように現れる場合を除く
^安楽国に往生すればこういう大利益を成就する
それゆえ心からぬかずいて礼拝したてまつる
【20】^安楽浄土の菩薩たちは仏の不思議なはたらきを承けて
わずか一食のあいだに
^十方の数かぎりない仏の世界に行き
諸仏を敬い供養する
^華や香や音楽が思いのままに現れ
^それらはたぐいなくすぐれて説くこともできぬ
華を散らしてすぐれた宝を供養する
^その華は
香気は薫じてゆきわたらぬ所はない
^華蓋の小さいのでも四百里もあり
大きいのはあまねく一仏の世界を覆うものまである
^それらは現れた順序にしたがって消え去る
この菩薩たちはみな喜びに満ちて
^空中で清浄な音楽をかなで
ゆかしく徳をたたえ仏の智慧をほめる
^仏の経法を聞いて供養しおわれば
朝食の前に空に上って還る
^不思議のはたらきははかることができぬ
ゆえに*
【21】^安楽仏国の菩薩たちは
その説くところが仏の智慧にかない
^すべての物に対して我執の思いがなく
浄らかなことは蓮華が塵を受けぬようである
^
衆生を利益し安らかにさせることを務めとして好き嫌いがない
^彼と我とが虚空のようであるとさとって差別の思いを断ち
智慧の
菩薩のよろずの行によって心の眼を開く
^このような功徳は限りがない
それゆえ心からぬかずいて礼拝したてまつる
心すべて*
^すがたのかざりもみな変りがない
ただ他の世界にならうから名前を
^顔かたちはたぐいなく端正で
*
^はかり知られぬさとりのからだである
こういうわけで*
【23】^よく安楽浄土に生まれた人は
みなことごとく*
諸仏はことごとく讃嘆される ゆえに礼拝したてまつる
信心歓喜してこれを喜び
^わずか一念するものまで
心から願えばみな往生することができる
それゆえわたしは*
【25】^安楽浄土の菩薩や声聞たちは
この世界において比べるものがない
^釈迦の自在の弁才をもって
いろいろなたとえを設けて少分を示された
^最も
帝王をまた*
次第に形のすぐれることは乞食と帝王のようである
^第六天王のすがたをかの浄土の聖衆にくらべると
聖衆の方が千万億倍もすぐれて到底そのたぐいではない
*
【26】^すべての人々は求めるものがあれば
望みにかない思いに応じて現れぬものはない
^一宝・二宝から無量の宝まで
その心にしたがって用いるものが
^
ゆえにわたしは*
【27】^もろもろの往生した者たちはすべて
浄らかなからだをそなえて比べるものがない
^神通の功徳および宮殿や
衣服の荘厳などは第六天のようである
^宝の鉢が自然にそこに現れて
立派な食物がたちまちに満ちる
^その色を見 香を聞いて
たちまち満ち足りて悦びを受ける
^その味は清らかで執着がなく
事おわれば消え去り用いようとすればまた現れる
それゆえ心からぬかずき礼拝したてまつる
【28】^十方浄土の菩薩たち
およびもろもろの*
^無量無数で計ることができぬ
過去・今生・未来にわたってそのとおりである
^みなかつて無数の仏を供養し
多くの菩薩行を積んでいる
^こういう菩薩がことごとく往生する
それゆえ阿弥陀仏を礼拝したてまつる
【29】^もし阿弥陀仏の功徳のみ名を聞いて
歓喜し
^わずか一念する者まで大きな利益を得て
功徳の宝を身につけさせていただく
^たとい三千大千世界に満ちみちる火の中をも
ひるまず進んで阿弥陀仏のみ名を聞けよ
^仏のみ名を聞けばふたたび退転しない位に入る
それゆえ心をこめてぬかずき礼拝したてまつる
【30】^不思議のはたらき極まりない阿弥陀仏は
十方の無数の仏がたが讃嘆なされる
^東方の数かぎりない諸仏の国から
無数の菩薩がことごとく往って仏にまみえる
^また安楽国の菩薩や声聞や
もろもろの大衆を供養し
^阿弥陀仏の尊い法を聞いて仏道の
その他の九方の仏国もまたこのとおりである
^釈迦如来は偈を説いて
量りなき功徳をたたえられる ゆえに礼拝したてまつる
【31】^諸方から来た多くの菩薩たちは
功徳善根を積むため弥陀を
^あるいは音楽をかなでて仏をほめたてまつり
あるいは仏の智慧が世間を照らすことをたたえる
^あるいは浄らかな華や衣をもって供養し
あるいは浄土を見てこれと等しくしようとの願いを興す
^このような
清浄なるみ声で成仏の
^すべての菩薩はいよいよ願行を増進する
ゆえにわたしは*
【32】^阿弥陀仏が説法されるときには
大衆は*
^仏のみ教えを聞いてことごとく悟入し
歓喜に充ちてみなさとりを得る
^そのとき四方から清らかな風が起り
宝樹を動かして妙なる
*
^清らかな華が香風を逐うて降りそそぎ
自然の供養は常にやまない
^天人たちがまた清らかな華や香を持ってきて
百千の音楽を用いて恭敬をつくす
^このような仏法僧の功徳をあつめておられる
ゆえにわたしは心をこめて*
【33】^不思議の浄土は広大であって数量をこえており
自然の七宝からできている
それは弥陀の*
【34】^世界の光のかがやきは妙にしてすぐれ
心身は快く安らかで四季の別がない
慈悲のはたらきを成就せられた荘厳に帰命したてまつる
^宝の大地はすきとおって平らなこと
山・川・
^もし仏の不思議力を用いるならばすなわち見ることができる
*
まわりは五十*
^枝葉は二十万里にひろがり
自然に多くの宝でできている
多くのすぐれた宝で荘厳し
百千万の色がさまざまに変る
^その輝きは千の日輪よりも超えてこの上もなく
宝網がその上を覆っている
^その他あらゆる荘厳が望みにしたがって現れる
*
【36】^そよ風が樹を吹いて説法の声を出し
あまねく十方の諸仏の国に流れる
^この説法の声を聞く者は深い智慧を得て
さとりを得るまで苦しみにあわぬ
^不思議の力は広大で量ることができない
道場樹をぬかずき礼拝したてまつる
【37】^樹の香や樹の色や樹の出す音声
また樹に触れ 樹の味わい 樹を心に思う
ゆえにわたしは道場樹を礼拝したてまつる
【38】^道場樹が六根に触れるならば
仏になるまで諸根が清らかになる
^音響忍や柔順忍や無生法忍など
根機の浅深に随ってみなぞれぞれの
^この樹のすぐれた徳の由来するところは
みなこれ阿弥陀如来の五種の力による
^威神力と本願力すなわち満足願
明了願 堅固願 究竟願のゆえである
^慈悲のはたらきは
*
【39】^この世の帝王から第六天に至るまで
音楽は次第にすぐれて八重である
^順次に前よりすぐれること億万倍であり
宝樹の音がさらにうるわしいこともまたそのとおりである
^また自然の妙なる音楽があって
その説法の音声は清らかに
^哀れにやさしくみやびやかですきとおり十方にすぐれている
ゆえにわたしは*
【40】^七宝の樹林が世界にゆきわたり
その光は鮮やかで互いに照り
^華果枝葉も互いに映りあう
*
【41】^清風が時々宝樹を吹くと
五つの音を出してその音階が調和し
^妙にしてみやびやかな音曲が自然にできる
ゆえにわたしは*
【42】^その国土は広大で はてしがなく
多くの宝でできた*
^金の糸にいろいろの珍しい宝や
名づけることのできぬ宝を飾りとしている
^網の四方には宝の鈴を垂れ
ほどよい風がこれを動かして妙法の声を出す
^優雅な香は常に流れ
これを聞く者は煩悩が起らぬ
^この風が身に触れて快楽を受けることは
比丘が*
^風が華を散らして仏土に満ちる
それらは色の別にしたがって入り
^華の性質はやわらかで芳香を放ち
足でその上をふむと四寸ほどさがる
^足を挙げるとまたもとどおりになる
用い終れば地が開けて下に没して残らぬ
^そういうことが時にしたがって一日に六回くりかえす
量ることのできない果報である ゆえに礼拝したてまつる
【43】^多くの宝からできた蓮華が仏土に満ちている
一々の華には百千億のはなびらがある
^その華の光明の色は無量で
朱・紫・紅・緑など五つの色をまじえる
^>
それゆえ一心に礼拝したてまつる
【44】^一々の花の中から出す光は
三十六百千億である
^一々の光の中に仏身があって
その数はまた出す光と同じである
^仏身の相好は黄金の山のようである
一々の仏がまた百千の光を放ち
^あまねく十方において妙なる法を説き
それぞれの仏が衆生を仏の道に入らしめる
^このように威神力は限りがない
ゆえにわたしは阿弥陀仏に帰命したてまつる
【45】^楼閣や殿堂は
七宝をちりばめてうるわしく自然にできたものである
建物のそれぞれに浴池があって程よい大きさである
色も味も香も きよく*
^黄金の池には白銀の沙があり
池と沙との七宝が互いにこのとおりである
^池の岸には香樹があって水の上に垂れ
*
^池にはきよらかな華が玉のようにかざりとなり
水上の鮮やかな光はめでたい雲のようである
それゆえ*
【46】^菩薩や声聞が宝池に入れば
心にしたがって浅深が思いのままになる
^もし身に
元にかえそうと思えば水はすぐ還る
^冷暖調和してかなわぬことがなく
心身を悦ばせて心の
^水は明るく澄みきって形がないようであり
底の沙はすきとおって水が深くないように見える
^水は静かにめぐって互いに注ぎ
ゆるやかに美しいかたちが人の心を
^さざ波は無量の妙なる響きを出し
人の心に応じてそれぞれの法語を聞く
*
^人の根機に応じてみな歓喜し
三宝の相や真実の義にかない
^菩薩や声聞の行ずる法が
ここにおいてすべてことごとく聞かれる
^三途苦難の名はとこしえに閉じ
ただ自然の楽しみの声だけがある
^それゆえその国を安楽と名づける
*
*
^よこしまな教えを閉ざして仏法の道を明らかにされた
これは*
阿弥陀仏に帰依して安楽浄土に往生された
【48】^たとえば龍が動けば雲が必ずしたがうように
閻浮提に百花が開いて人の心をのばす
^慈悲ぶかき龍樹菩薩に帰依し
心からぬかずき礼拝したてまつる
迷いの境界にさまようてきた
^しばらくの時に造る業も
足を*
^願わくは仏の慈光がわたしを護って
*
^わたしは仏の智慧功徳のみ名をほめたてまつる
願わくは 十方世界のあらゆる有縁の人々に聞かせて
^安楽浄土の往生を願う者を
みなことごとく意のごとく
^いまわたしのいただいた功徳のすべてを
一切の人に施してもろともに往生させよう
【50】^十方三世のあらゆる仏たちは
同じく*
^智慧も慈悲もまどかにそなえてそのさとりは平等である
ただ衆生の機縁に随って済度されるからいろいろとわかれている
^わたしが阿弥陀仏の浄土に帰依することは
すなわち一切の諸仏に帰依することである
^わたしは一心に弥陀一仏を讃嘆したてまつる
願わくは十方の仏たちの
^このように十方のすべての仏たちを
ことごとく心をこめて礼拝したてまつる
讃阿弥陀仏偈
讃 一百九十五 礼 五十一拝