0041◎黒谷上人語灯録巻第二
厭欣沙門 了恵 集録
◎漢語第一の二 当巻に一章あり
観経釈第二
◎漢語第一之二 当巻有一章
観経釈第二
二、観無量寿経釈
観無量寿経釈 第二
諸師の釈多しといへども、 今まさしく善導に依り、 かたはらに諸師の釈をもつて善導を輔助す 云々
観無量寿経釈 第二
諸師ノ釈雖↠多、今正ク依リ↢善導ニ↡、傍ニ以↢諸師ノ釈↡輔↢助善導↡ 云云
▼まさにこの ¬経¼ を釈せんとするに、 略して五意あり。 一には前後を定む、 二には来意、 三には釈名、 四には二善の義を釈す、 五には入文解釈なり。
将釈此¬経¼、略有五意。一ニハ定前後、二ニハ来意、三ニハ釈名、四ニハ釈↢二善義↡、五ニハ入文解釈。
一に前後を定むとは 云々
一定前後者 云云
終尾にいはく 写さんと欲ふもの、 ▼もつぱら教法のごとくせよ、 しるべし。 以上
終尾云 欲↠写者、一如↢教法↡、応↠知。 已上
観0042経釈一巻
本にいはく、 文治六年 庚戌 二月二日、 東大寺においてこれを講じおはりぬ。 いはゆる源空上人、 能請重賢上人。
校本にいはく、 長東寺の律師の本をもつてこれを写す。
貞応三年冬十二月七日 以上校本おはりぬ。 この校本余師の問答に依らざることなし。 古今の不同たがひに具略あり。
本云、文治六年 庚戌 二月二日、於東大寺講之畢。所謂源空上人、能請重賢上人。
校本云、以長東寺律師之本写之。
貞応三年冬十二月七日 已上校本畢。此校本無不依余師之問答 矣。古今不同互ニ有↢具略↡焉
黒谷上人語灯録巻第二
わたくしにいはく、 右一巻また略してこれを写さず、 印本流布のゆゑなり。 子細初巻のごとし。
私云、右一巻亦略而不写之、印本流布故也。子細如初巻。
延書は底本の訓点に従って有国が行った。 なお、 訓(ルビ)の表記は現代仮名遣いにしている。
底本は大谷大学蔵江戸時代末期恵空本転写本。