0039黒谷上人語灯録巻第一

厭欣沙門 了恵 集録

 

かん第一だいいちいち 当巻とうかんいつしょうあり

 だいきょうしゃく第一だいいち

漢語第一之一 当巻有一章

 大経釈第一

 

一、無量寿経釈

りょう寿じゅ経釈きょうしゃく 第一だいいち

まさしく善導ぜんどうり、 かたはらにしょる、 ならびにかいじゅつ

無量寿経釈 第一

正依善導、傍依諸師、述愚懐

まさにこの ¬きょう¼ をしゃくせんとするに、 りゃくして五意ごいあり。 いちにはたいにはりっきょうかいしゅうさんには浄教じょうきょうどうには釈名しゃくみょうにはにゅうもんしゃくなり。 いちたいとは

将釈斯¬経¼、略有五意。一者大意、二者立教開宗、三者浄教不同、四者釈名、五者入文解釈。一大意者

しゅうにいはく もしもんにおいてあやまりあらば、 ねがはくは大衆だいしゅ証誠しょうじょうあおぎよろしく三宝さんぼうしょうけんたのむべし、 あおひねがはくは

終尾云 若於↢文理↡有↠謬者、願仰↢大衆証誠↡宜↠憑↢三宝照見↡、仰乞

 

りょう寿じゅ経釈きょうしゃく

わたくしにいはく、 みぎ一巻いっかん印板いんばん流布るふのゆゑに、 いまりゃくしてこれをうつさず。 かの印本いんぼんは、 だいさんきょう私記しき」、 内題ないだいにはしゃくといふ、 すなはちいまほんなり。

0040私云、右一巻印板流布故、今略而不↠写↠之也。彼印本者、外題三部経私記、内題ニハ云↠釈、即今本也。

 

延書は底本の訓点に従って有国が行った。 なお、 訓(ルビ)の表記は現代仮名遣いにしている。
底本は大谷大学蔵江戸時代末期恵空本転写本。