夏蝉 (8月3日)
蝉がにぎやかに鳴いています。あの声を聞くと、よけい暑さが増します。
蟪蛄とは夏蝉のこと、真夏の短い期間にその地上での一生を終える夏蝉は、春や秋を知らない。この虫はどうして夏を知ることができようか、との意です。
迷いの生しか知らない私たちは、わが生が迷いの生であること自体を知ることができない。我ら凡夫の我執の声、さぞや如来様には暑さを募らせていることでしょう。
稔り (8月30日)
盆が過ぎて、草の勢いがめっきり落ちてきました。
まだまだ草に追われるのは続きますが、生えてくるにしても一時期を思えばまばらになり、刈った草が伸びるにしても一回りほっそりした形で伸びてきます。草の勢いが一番強いのは、何といっても7月後半、梅雨の終わり頃です。
ただ、勢いは落ちているものの、気を抜くとすぐに種をつけます。草丈は小さいままに、(気持ちの上では)ほんの十日ばかりの間に花を咲かせていきなり種をつけるものが目に見えて増え、こまめな巡回が欠かせません。
季節そのものが、稔りに向かっているようです。
私も、ご本願の日に照らされ、浄土往生へと稔らされている身なのでした。