不信 (2月4日)
道路が凍結して、ゆるい坂道を車がおそるおそる下っています。
足もとの大地に安心してわが身を任せられなくなったら、心細いことこの上ありません。
残雪 (2月10日)
昨日の暖かい雨で、雪がほとんど消えてしまいました。残雪が、正直に日陰を教えてくれています。
あの残雪が私としても、いずれお浄土の春の日に、融かされていくことです。
燠(おき) (2月16日)
随分暖かくなってきました。しかしまったく火の気がないと、まだまだ心細い時分です。
ストーブを静かに燃やして燠が上手にできると、その赤い色だけで落ち着きます。
燠火のように、静かに煩悩を燃やしていけるといいのですが。
冬 (2月24日)
昨日とはうって変わって、寒い朝です。雪かと見まがうくらいに真っ白く霜が降りていました。
暖かくなる気配が感じられるようになってからの方が、寒さがこたえます。ほんとうに冬を教えてくれるのは春だということでしょうか。
私が今迷いの娑婆世界にいることも、仏に照らされてはじめて味わえることです。