真宗大谷派蔵本は、 本末の二巻から成る。 本巻にのみ 「諸神本懐集」 との内題がある。 また、 本巻には 「永享十年 戊午 十月十五日書写之畢/大谷本願寺住持存如 (花押)」、 末巻には 「永享十年 戊午 十月廿五日書写之畢/大谷本願寺住持存如 (花押)」 との奥書が記されている。 そのことから、 当本は永享十 (1438) 年に存如上人によって書者されたことがわかる。 さらに、 この奥書から当時の存如上人の立場を垣間見ることができる。 すなわち、 本願寺第六代宗主巧如上人の在世中である永享十年に、 すでに存如上人が 「大谷本願寺住持存如」 と名乗っていたことは、 当時から大谷本願寺住持の職責を担っていたことを想起させる。
体裁は半葉六行、 一行十八字内外である。