横川法語 解説
別名 ¬念仏法語¼ という。 源信和尚の法語と伝えられるが、 信頼できる古写本などが存在せず、 論拠は定かにしがたい。 ただ慶証寺顕智の ¬浄土真宗経典志¼ 巻一には、 「横川法語一首 宇治平等院所蔵 源信僧都親画自像之讃文」 とあり、 平等院にかつて蔵せられていたようである。 また本書の内容は ¬往生要集¼ と類似する点が多々あり、 それを要約したと認められるので、 源信和尚の先述とsる見方が多い。
本書には、 妄念煩悩の凡夫であっても、 本願をたのんで念仏すれば、 臨終の時に来迎にあずかって浄土に往生できるということが、 次の三段に分けて説かれている。
第一段では、 三悪道を離れて仏法に遇うことのできる人間に生れたことは大きな喜びであると説かれる。 これは ¬往生要集¼ の厭離穢土・欣求浄土の意を述べたものと見られている。
第二段では、 信心は浅くても本願が深いから、 本願をたのむ人は浄土に往生することができる。 また、 懈怠がちの念仏であっても、 莫大な功徳を具しているから、 称えれば、 仏の来迎にあずかることができると説かれる。
第三段では、 凡夫は臨終まで妄念から離れることはできないが、 念仏すれば、 必ず来迎にあずかり、 浄土に往生して妄念をひるがえすことができると説かれる。