高田本は、 西本願寺本と共にかつては宗祖真筆とされた。 しかし 「化身土文類」 末尾の奥書半葉が裁断されており、 専修寺の曝涼目録の一である ¬宝暦十二壬午年六月三日御目録¼ によれば、 かつてこの箇所には 「以彼六巻草本書写之 筆師専信之 建長七歳 六月廿二日 畢書之」 との記述が存在したことが判明し、 建長七 (1255) 年に専信房専海によって書写されたものとされた。 しかし現在では、 筆蹟研究の進展によって、 真仏上人がこの専信本を底本として転写されたものとされる。 「教文類」 「信文類」 「真仏土文類」 の末尾に、 高田派第四代専空上人によって 「親鸞御入滅 弘長二歳 十一月廿八日 /御年九十歳也 同廿九日 専信 遠江国池田住僧/顕智下野国高田住僧 御舎利蔵畢」 と記されている。
 体裁は半葉七行、 一行十四字内外である。 西本願寺本と同じく 「教文類」 「行文類」 は各一冊であり、 「化身土文類」 は分冊されていない。