スタイン本は、 二十世紀初頭に英国のオーレル・スタイン氏が敦煌莫高窟より発掘したもので、 ¬讃阿弥陀仏偈¼ と ¬略論安楽浄土義¼ とが一具の現存最古の書写本である。 奥書には 「景雲二年三月十九日弟子張万及写」 とあり、 これにより唐の睿宗の景雲二 (711) 年の書写であることが知られる。 大英博物館にスタイン収集本第2723番として所蔵している。 ¬讃阿弥陀仏偈¼ は内題及び本文の首部を欠損し、 後半部二十九行のみを残すが、 ¬略論安楽浄土義¼ は完本である。 尾題に 「讃阿弥陀仏偈論上巻」 と示すように、 ¬讃阿弥陀仏偈¼ の本文に続いて ¬略論安楽浄土義¼ が書写され、 一つの巻子本に両書が収まる。
体裁は一紙二十四行、 一行二十字内外である。