本派本願寺蔵版 ¬七祖聖教¼ は、 大坂 (大阪) 長円寺の第十一代崇興が、 それまでそれぞれに刊行されていた七祖の聖教を集成・整備し、 寛政十一 (1799) 年五月に刊行した長円寺蔵版 ¬七祖聖教¼ をもととしている。 本派本願寺は文政九 (1826) 年、 この長円寺版の版木を入手、 以後本願寺蔵版として広く流布するようになる。
¬七祖聖教¼ は三巻で校正されており、 巻上には ¬十住毘婆娑論¼ (易行品) ¬浄土論¼ ¬往生論註¼ ¬讃阿弥陀仏偈¼ ¬安楽集¼ が、 巻中には善導大師の五部九巻が、 巻下には ¬往生要集¼ ¬選択集¼ が収録されている。 本文には返点があり、 ¬顕浄土真実教行証文類¼ 所引の文に限っては、 宗祖の送り仮名が翻刻されている。
体裁は袋綴三帖、 半葉九行、 一行二十字である。