高田派専修寺蔵親鸞聖人真筆消息は、 様々な筆跡の断簡九紙を寄せ集めて一冊に綴じた ¬疏頌抄出¼ (外題 「憬興師云」) と称する一冊の、 三番目に収録されている。 当初、 九紙のうちの最初の 「憬興師云」 と二番目の 「四依供仏略頌」 とが、 ¬経釈文聞書¼ の一部と一致し、 筆跡も酷似していることから真仏上人書写と判定され、 その他七紙も鎌倉時代に遡るものと考えられていた。 しかし、 後に宗祖筆の ¬指南抄¼ と筆跡が近似していることが指摘され、 今日では宗祖の真筆と考えられている。 しかし、 近年、 宗祖の真筆とすることに疑問も呈されており、 今後の研究が待たれる。
 体裁は半葉七行、 一行十八字内外である。