式務部依用本は、 法如上人書写本を明治三十八 (1905) 年五月に水原慈音氏が、 命によって書写した巻子本である。 行頭や仮名遣いの相違などがあり、 原本に忠実に書写したものとは言い難い。 奥書には法如上人が安永七 (1778) 年春七十二歳の時、 第四章を文勢義旨の上より両軸にするという文が存する。 これ以後、 本派では夏御文章を五通とするのである。
 体裁は一行十二字内外である。