正倉院聖語蔵は、 東大寺尊勝院の倉に蔵する経典群である。 奈良朝の留学僧が大陸から将来した隋唐写経や天平時代の写経が存在する。 その内容は、 隋経 (第一類)・唐経 (第二類)・天平十二年御願経 (第三類)・神護景雲二年御願経 (第四類) などで、 計四千九百六十巻が現存している。 天平時代における一切経の書写は、 周到な組織のもと厳密な校合が行われ、 後世の仏教界への影響力は大きなものがある。 体裁は巻子本、 二十六行、 一行十七字である。 影印としては、 ¬聖語蔵経巻¼ (宮内庁聖語蔵事務所) がある。