石川県専光寺蔵永享九年存如上人書写本は、 特徴として 「讃弥陀偈讃」 と 「大経讃」 にのみ首番号があり、 冠頭の二首の和讃はない。 この冠頭讃に関する特徴は、 本派本願寺蔵永享八年蓮如上人書写本や、 第七代存如上人による本派本願寺蔵本と石川県本念寺蔵本の二本も同様であるが、 存如上人によるこの二本には 「浄土和讃」 の終わりに 「端枚云」 (「はじめ (端) の紙枚」 の意) として、 文明本の冠頭の二首の和讃が置かれている。