専修寺蔵本は、 上巻は無く、 下巻本末の二冊本である。 宗祖による奥書に続いて、 「正安第四 十一月廿七日/書写之畢」 とあり、 宗祖が書写したものをもとに、 正安四 (1302) 年に顕智上人が書写したものである。 表紙見返にはそれぞれ 「三巻」 「四巻」 と巻数を示しており、 元は上本・上末と合わせて四冊であったことを窺わせる。 包紙中央にはそれぞれ 「選択本願念仏集 仮字下本」 「選択本願念仏集 仮字下末」 との外題があるが、 本文とは別筆で真慧上人の筆といわれている。 表紙には、 中央にそれぞれ 「選択本願念仏集 仮字下本」 「選択本願念仏集 仮字下末」 との外題、 左下に 「釈慶性」 の袖書があり、 いずれも顕智上人の筆で書かれている。 下巻本末の内題下と本文末には、 それぞれ 「高田専修寺」 の黒印がある。
 体裁は半葉六行、 一行二十字ないがいである。