真仏上人書写本は、 旧表紙一には高田派第十代真慧上人の筆で中央に 「如来二種廻向文」 とあり、 左下に 「釈顕智」 との袖書がある。 この表紙の紙質は本紙とは異なっており、 元は包紙であったものが、 後に表紙として用いられたものとみられる。 外題の右には 「墨付表紙共に九枚 外に顕智の表紙也/寛文四年辰六月十八日改る」 との貼紙がある。 また旧表紙二には、 「二種廻向文」 と中央に墨書され、 左下に 「釈覚信」 との袖書がある。 これは本文と同筆であることから、 真仏上人が書写して覚信に授けたものと考えられている。 本文の末尾には、 書写奥書と考えられる 「正嘉元年 閏三月廿一日/書写之」 があり、 また巻首と巻尾には 「高田派専修寺」 の黒印がある。
 体裁は半葉五行、 一行十四字内外である。