¬今古独語¼ にも ¬光闡百首¼ と同様に自筆本は現存しない。 龍谷大学蔵刊本は、 旧表紙左上に 「今古独語 全」 とあって、 内題・尾題にも 「今古独語」 とある。 しかし、 内題の下には 「原本無題」 と註記されており、 当初からの書名かどうか判然としない。 奥書には制作の年紀である 「于時永禄十年十二月十五日書之」 とあり、 さらに 「本に/元亀三年二月十三日書写之/今古独語/元禄十五壬午歳二月四日写↠之正本在↢性応寺↡/今由↢転写本↡写↠之 光瀬寺雲堂乗貞」 とあることから、 本刊本の底本は性応寺に所蔵されていた正本ではなく、 元禄十五 (1702) 年に光瀬寺乗貞が転写本によって書写したものであることがわかる。 巻末には 「独語人物考」 が附載されており、 登場人物に関する註記がまとめられている。