本派本願寺蔵本は、 広本の系統に属し、 本巻には 「本願寺住持存如 (花押)/大谷本願寺上人之御流之聖教也」 との奥書があり、 末巻には 「永享十年 八月十五日奉書写之畢/右筆蓮如/大谷本願寺上人之御流之聖教也/本願寺住持存如 (花押)」 との奥書がある。 これらのことから永享十 (1438) 年に蓮如上人が右筆し、 存如上人が署名・花押されたことが知られ、 このような形態は存如授与本とも呼ばれている。 存如授与本はこの外に宝徳二 (1450) 年から三年にかけて書写された本派本願寺蔵 ¬教行信証¼ などがある。
 体裁は半葉六行、 一行十八字内外である。