本派本願寺蔵本は、 旧表紙左上に 「祖師御作要文 御詠歌」、 右下に 「釈蓮如」 の袖書はあるものの、 奥書などは見られない。 当本は、 外題にあるように御詠歌などと合わせて書写されたもので独立した書写本ではない。 冒頭に 「祖師御作要文 御詠歌」 と標示され、 構成は四つに分かれている。 まず、 「本願寺 親鸞 ノ上人ノ御歌ニイハク」 として三首の和歌、 次に 「本願寺聖人曰 教行信証」 として 「信文類」 の 「真実信心必具名号名号必不具願力信心也」 の文と解釈とがある。 それに続いて、 本書が 「出世元意」 の題号から書写され、 最後に二首の和讃がある。
体裁は半葉五行、 一行十八字内外である。