本派本願寺蔵本は、 蓮如上人が自用したと伝えられる一本である。 旧表紙左上に 「改邪鈔」 との題箋があり、 解説にあるように建武四年の奥書がある。 これを真宗法要本と比較すると、 奥書や左訓の数が全く同じことなど、 二、 三の大きな欠落があるにしても、 同系統のものと見られる。 現存する本抄の古写本は、 本願寺第九代宗主実如上人など蓮如上人時代以降に書写されたものが多く、 その頃から本抄について関心が高まったと考えられている。
 体裁は半葉六行、 一行十六字内外である。