来迎院蔵本は、 奥書に 「康和元年二月四日未時致書写了/同六日巳時□於大原草庵移点了/桑門薬源/自他法界同利益共生極楽成仏道」 とあり、 同院蔵 ¬讃阿弥陀仏偈¼ と同じく薬源によって書写され、 外題には 「安楽浄土義 良忍之」 とあることから、 ¬讃阿弥陀仏偈¼ とともに良忍上人が所持していたことが知られる。 内題及び尾題には ¬略論安楽浄土義¼ とある。 なお、 同院蔵 ¬讃阿弥陀仏偈¼ の内題から、 これまで当本は敦煌本と同系統とみられてきた。 しかし、 スタイン本と比較すると本文が大きく整備されており、 この点からいえば当本はむしろ日本の諸本と一致する向きもあり、 敦煌本と同系統であると即断できない一面も有している。
 体裁は一紙二十八行、 一行二十二字内外である。