本書の編者は実悟である。 本書はその奥書が示すように、 享禄の錯乱によって一度は失われた実悟の編纂した言行録を源流とし、 後に実悟が入手したその一部分をもとに増補して二百七箇条を収めた言行録である。 本書のもとになった言行録とは、 今日では ¬蓮如上人一語記(実悟旧記)¼ と推定されている (¬一語記¼ 解説参照)。 そのため内容は、 禅二百七箇条のうち百五十八箇条は ¬一語記¼ と共通し、 それに 「蓮如上人御若年砌事」 と共通する六箇条と、 さらに新しい四十三箇条とを加えている。