本書は、 その序文に記されているように、 蓮如上人の言行について第七男の蓮悟が口述した内容を記録したものである。 二俣本泉寺に住し、 若松本泉寺を開いてともに住した蓮悟は、 蓮如上人の信任も厚く、 加賀門徒の中核を担う存在として活躍した。 本書には三系統の書写本があり、 それぞれ奥書と収録条数において異なる点がある。 すなわち、 「釈實圓」 との奥書をもつ九十五箇条本と、 奥書のない五十六箇条本と四十一箇条本とである。 このうち本書の祖本は四十一箇条本とみられており、 その編者については明らかではないが、 一説には実悟であるともいわれている。 ほとんどの内容は ¬蓮如上人御一期記¼ や ¬蓮如上人一語記(実悟旧記)¼ と共通している。