本書の編者は不明であり、 「昔物語記」 という書名についても仮に名付けられたものとされている。 本書は単独で伝えられて現存しているものではなく、 その内容は、 素材が不明であるとされる ¬蓮如上人御一代記聞書¼ (真宗法要本) の第45条から第68条までの二十四箇条と第123条との計二十五箇条を別出したものである。 本書においては、 本書においては、 第123条は第57条と第58条との間に挿入され、 最初の第45条は序文とも見られている。 なお、 本集成の ¬蓮如上人御物語次第¼ (四十一箇条) には、 収録条数の異なる 「五十六箇条本」 があり、 これに本書収録の二十五箇条のうち十六箇条の重複が見られる。 このことから、 本書には祖本となった二十五箇条を収録した言行録があったのではないかと推定されている。