空覚書写本は、 十巻十冊から成る。 延文五年の年紀を持つ根本奥書後に、 同年の十月に尾張大野の空性に本鈔を授与した旨の奥書がある。 また、 貞治二年の年紀を持つ奥書に続いて、 文安四 (1447) 年の年紀を持つ奥書を有し、 空覚による書写であることが知られる。
 体裁は半葉六行、 一行十七字内外である。