¬真宗校本 七祖聖教¼ 所収本は、 明治十二 (1879) 年刊行であり、 嘉永二 (1849) 年刊行 (明示九年再刊) の ¬七祖聖教¼ (大谷派依用十行本) とは異なる本である。 両書は、 本文が概ね同じであるため混同されやすいが、 各聖教の刊記に有無が見られることや、 嘉永二年本に ¬略論安楽浄土義¼ が編入されていないことなど、 両書には相違が見られる。 なお、 日本における ¬略論安楽浄土義¼ の刊行については、 江戸期を遡るものは見つかっていない。 現存する江戸期の諸巻本を校合すると、 承応二 (1653) 年の刊記をもつ新本系と、 それ以前と考えられる無刊記の古本系に分類される。 当本は、 このうち新本系に属する。
 体裁は半葉十行、 一行十九字である。