龍谷大学蔵慶長七年准如上人開版本は、 第十二代准如上人が慶長七 (1602) 年に開版したもので、 本願寺における漢文聖教の開版の嚆矢であり、 木活字を用いた斬新なものである。 この刊本には証判のないものや無刊記本もかなり現存しているが、 本開版本に関しては証判が存在しているため、 聖教の伝授に関わる書写読誦に際し、 宗主の許可を重んじる故実からみて、 准如上人の私版と位置づけられる。 本文は、 白文で訓点は付されていない。 刊記奥書には、 「右斯文類聚鈔者為末代興/隆板木開之者也而已/慶長七 年極月日 (准如花押)」 と記されている。
 体裁は半葉六行、 一行十七字である。