浄肉文 解説
 底本は高田派専修寺に蔵せられ、 宗祖の老年期のものとされる。 内容は ¬涅槃経¼ 「梵行品」 からの抄出であり、 十種の不浄肉と三種の浄肉について引用された後、 宗祖による註が施されている。 また同じく宗祖の手になる ¬見聞集¼ 「涅槃経」 にも、 この箇所が書写されており、 宗祖の肉食に対する姿勢を知る上で重要である。 なお、 この 「浄肉文」 の紙背には、 もと 「行者宿報偈」 が書かれていた形跡がうかがえる。