真宗大谷派蔵本は、 奥書に 「天正八年九月中旬清書之/苾芻釈実悟 九十八歳/(花押) 書之」 とあることから、 天正八 (1580) 年に成立した実悟の自筆本であることがわかる。 目録及び本文の所々に貼紙や語句の書き入れ、 あるいは傍線などの添削跡が見られ、 これらの多くは訂正や抹消を示したものである。 外題・内題は共に記されていないが、 本文の始まる前頁の中央に 「蓮如上人期一語記」 との題箋がある。 なお、 各条の通番号は必ずしも一条ごとに整然と付されてはおらず、 また、 第一八七条以降には付されていないため、 本文には適宜 ( ) に入れた番号を補い、 その総数は二百二十五箇条に及んでいる。