慈願寺蔵本は、 表紙左上に 「浄土見聞集」、 右下に 「法忍」 とある。 このことから、 当本は 「法忍」 なる人物の所持本であったと考えられる。 巻尾にある跋文において、 対校本と比べて大きく異なる点は、 「はじめの十王讃嘆なんどは」 の後に 「すでに厭離をさきにする義なり」 の一文が当本には脱落していることである。 また、 当本の内題下には本文と別筆にて 「存覚或は慈観」 との貼紙がある。
 体裁は半葉五行、 一行十五字内外である。