法如上人証判本は、 解説にある文如上人による跋文の終わりに、 「この故に今ひめおきし蓮師之真蹟を模写し印刻して家ごとに伝へ戸ごとに授て永く浄土真宗一味の正意を得せしめんと思ふもの也/天明七 丁未 年四月 釈文如識之(花押)」 とあり、 この 「ひめおきし蓮師之真蹟」 とは、 浄聖全の底本である大阪府光善寺蔵伝蓮如上人書写の領解文のことである。 つまり、 本証判本は光善寺蔵の領解文を模写したものを底本として開版されたものであるが、 光善寺蔵の領解文と本証判本とには文字の異同が認められる。
体裁は、 本文・跋文共に一紙であり、 本文は十行、 一行二十字内外、 跋文は十三行、 一行二十七字内外である。