本願寺 文永九年 (1271)､ 親鸞聖人の末娘覚信尼公が京都東山の鳥辺野の北から吉水の北に聖人の遺骨を改葬して廟堂を建て､ 聖人の影像を安置したことに始まる｡ 敷地は覚信尼公が寄進し､ 関東の門弟の承認を受けて､ 覚信尼公の子孫が管理するところとなった｡ その後､ 覚信尼公の孫覚如上人が廟堂の寺院化を図り､ 本願寺と号した (大谷本願寺)｡ 寛正六年 (1465) 延暦寺の衆徒によって堂舎が破却され､ 蓮如上人は祖像を近江に移された (近松顕証寺)｡ その後､ 上人は吉崎に移るが､ 文明七年 (1475) に機内に戻り､ 同十年 (1478) 京都山科に寺地を選定し､ 同十三年 (1481) 本願寺を再興した (山科本願寺)｡ しかし､ 天文元年 (1532)､ 戦国大名細川春元に攻められて焼失したため､ 証如上人は大坂の坊舎に寺基を移した (石山本願寺)｡ 顕如上人の時､ 織田信長との戦いにより､ 天正八年 (1580) 紀州鷺森に退去し (鷺森本願寺)､ その後､ 和泉貝塚 (貝塚本願寺)・摂津天満 (天満本願寺)と寺基を移転するが､ 同十九年 (1591) に豊臣秀吉の寄進によって､ 再び京都の地､ 六条堀川に寺基を定めることになった (現在の本願寺)｡ 顕如上人の示寂後､ 本願寺宗主の継職については､ 秀吉の裁断により教如上人にかわって弟准如上人が継職したが､ 慶長七年 (1602) には徳川家康の寄進により教如上人が烏丸七条に本願寺を別立した (東本願寺)｡