大谷大学蔵 (端房旧蔵) 永正十六年本は、 流罪記録の糊代部分に 「永正十六うのとし十二月十三日」 とあり、 永正十六 (1519) 年に書写されたことが分かるので、 永正十六年本と呼ばれる。 本書には流罪記録と蓮如上人の奥書とが書写されており、 右仮名は蓮如上人書写本の六割程度、 左訓は同箇所の一箇所のみである。 本書の特色として、 蓮如上人の 「おいて」 を 「をいて」 に、 「さふらう」 を 「さふらふ」 と改めるように、 仮名遣いの統一を行っていることや、 蓮如上人書写本に比べて第七条の末尾に 「無の一道」 が加わるなど、 文言の出没が見られる。
体裁は半葉五行、 一行十六字内外である。