底本は高田派専修寺に蔵せられ、 宗祖が関東におられた五十歳代頃のものとされる。 本断簡は平成四 (1992) 年に本派本願寺の宝物庫より発見された。 内容は、 道綽禅師の伝記の抄出であり、 原本の二行目から六行目までが ¬続高僧伝¼ から、 七行目から十二行目までが迦才の ¬浄土論¼ からである。 その後に中国の元号が列記されてあるが、 これらは道綽禅師当時の時代に関する考証と見られる。 道綽禅師が末法に出生されていることや、 その当時の日本が 「敏達天皇之時」 に当たること、 あるいは同時代に 「玄奘三蔵」 「章安大師」 がいたことなどを確認されたと推察される。