大阪府真宗寺蔵永正六年実如上人証判本 (真宗寺本) は、 最勝寺本と同じく、 制作の年紀が判明している数少ない一本である。 その奥書に 「右此如文可有信心決定候/能々門徒中可有勧化事/肝要候/永正六年 六月廿五日書之/実如(花押)」 とあることから、 永正六 (1509) 年六月二十五日に、 実如上人によって書写されたことがわかる。 本文をみると文節ごとに間隔を空けて書写されており、 いわゆる分別書方の様式が用いられている。
 本証判本には全三十五通が収められ、 体裁は半葉八行、 一行二十字内外である。